JPH1046050A - 顔料分散物及びそれを用いた被覆剤組成物 - Google Patents

顔料分散物及びそれを用いた被覆剤組成物

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JPH1046050A
JPH1046050A JP20709596A JP20709596A JPH1046050A JP H1046050 A JPH1046050 A JP H1046050A JP 20709596 A JP20709596 A JP 20709596A JP 20709596 A JP20709596 A JP 20709596A JP H1046050 A JPH1046050 A JP H1046050A
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孝司 岩瀬
Takehiko Shintani
岳彦 新谷
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範之 内山
Hiroyuki Ishikawa
裕之 石川
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 非水溶媒中で顔料濃度が高くても微分散安定
化の向上された顔料分散物。 【解決手段】 顔料、溶媒、顔料分散剤、及び必要に応
じてバインダー樹脂を含む顔料分散物において、顔料分
散剤として、活性水素を有していない芳香族系ビニル化
合物10〜90モル%、アルキレンオキサイドが付加可
能な活性水素基を有するエチレン性不飽和単量体の活性
水素基にアルキレンオキサイドを1〜100モル付加し
た化合物10〜90モル%、その他のエチレン性不飽和
単量体0〜80モル%を共重合して得られる重量平均分
子量3,000〜100,000のグラフト共重合体
を、顔料100重量部に対して少なくとも0.2重量部
含有する顔料分散物。または顔料分散剤が前記の芳香族
系ビニル化合物、活性水素基を有するエチレン性不飽和
単量体、その他のエチレン性不飽和単量体の共重合体の
活性水素基にアルキレンオキサイドを1〜100モル付
加してもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料分散レジス
ト、インキ、塗料等の技術分野における非水溶媒を用い
た顔料分散物、及びそれを用いた被覆剤組成物に関し、
特に、液晶表示用カラーフィルターの製造に好適に用い
られる顔料分散レジストに有用である。
【0002】
【従来の技術】一般に、顔料分散レジスト、インキ、塗
料等には、着色、遮光、防錆、内層保護等を目的として
有機、無機の顔料が幅広く使用されており、これらの塗
布物や印刷物には、光学濃度、着色力、透明度又は表面
平滑性が高いことが要求される。さらに塗布、印刷又は
取扱い時に必要となる十分な流動性等が要求され、これ
らの性能は長期間の保存後でも維持されなければならな
い。このためには、顔料粒子が微細化されて高濃度に含
まれても分散安定性が優れていなければならない。しか
し、顔料粒子は一旦は微分散化されても再凝集し易いた
め、安定な微分散体を得ることは困難なことが多い。
【0003】特に、近年のカラー液晶表示装置に対する
可視光の高透過率化と高コントラスト化の要望の高まり
から顔料粒子の微細化が進んでいる顔料分散レジストの
分野では、顔料粒子径を少なくとも可視光の波長以下に
する必要があるため、顔料粒子の比表面積が通常よりも
かなり大きくなり、安定な微分散体を得ることが困難と
なる。また、R(赤)、G(緑)、B(青)の三原色の
画素に適したスペクトルを得るのにそれぞれの顔料分散
レジスト中に2種以上の顔料が混合されて用いられるた
め、ヘテロ凝集が生じやすく分散がさらに難しくなって
いる。
【0004】これらの問題を解決するために顔料分散剤
を用いる様々な方法が開発されてきた。例えば、特開昭
60ー237403号公報等には、塩基性官能基等を有
する有機顔料または染料の誘導体を顔料分散剤として用
いる方法が開示されている。
【0005】しかしながら、この方法は、顔料分散効果
においては良好な効果は認められるが、顔料分散剤自身
の着色で顔料分散レジストの色調が変化するために適用
範囲が限られるという問題を有するものであった。
【0006】また、特開平3−212601号公報等に
は、イオン系あるいは非イオン系の界面活性剤、具体的
には、長鎖アルキルアミンアセテート、4級アンモニウ
ム塩、高分子多価カルボン酸、ポリオキシエチレン誘導
体、長鎖脂肪酸のソルビタンエステル等を顔料分散剤と
して用いる方法が開示されている。
【0007】しかしながら、この方法は、顔料分散安定
化においてはある程度の効果は認められるものの、依然
満足しうる効果は得られないものであった。
【0008】これらの問題点により、顔料の選択や組合
わせが限られたり、不充分な顔料分散安定性のまま使用
せざるをえないのが現状である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの問
題を解決するためになされたものである。すなわち、色
素誘導体ではない実質的に無色の新規な顔料分散剤を用
いることにより、非水溶媒中で顔料濃度が高くても微分
散安定化の向上した顔料分散物、及びそれを用いた被覆
剤組成物を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく研究を重ねた結果、以下に示す特定の化合
物群により上記課題を解決できることを見出し、本発明
を完成するに至った。
【0011】即ち、本発明は(1)顔料、溶媒、顔料分
散剤、及び必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散
物において、顔料分散剤として、活性水素を有していな
い芳香族系ビニル化合物10〜90モル%、アルキレン
オキサイドが付加可能な活性水素基を有するエチレン性
不飽和単量体の活性水素基にアルキレンオキサイド1〜
100モル付加した化合物10〜90モル%、その他の
エチレン性不飽和単量体0〜80モル%を共重合して得
られる重量平均分子量3,000〜100,000のグ
ラフト共重合体を、顔料100重量部に対して少なくと
も0.2重量部含有することを特徴とする顔料分散物に
関する。
【0012】また、本発明は、(2)顔料、溶媒、顔料
分散剤、及び必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分
散物において、顔料分散剤として、活性水素を有してい
ない芳香族系ビニル化合物10〜90モル%、アルキレ
ンオキサイドが付加可能な活性水素基を有するエチレン
性不飽和単量体10〜90モル%、その他のエチレン性
不飽和単量体0〜80モル%を共重合して得られる共重
合体の活性水素基にアルキレンオキサイドを1〜100
モル付加した重量平均分子量3,000〜100,00
0のグラフト共重合体を、顔料100重量部に対して少
なくとも0.2重量部含有することを特徴とする顔料分
散物に関する。
【0013】また、本発明は、(3)前記(1)項又は
(2)項記載のアルキレンオキサイドが付加可能な活性
水素基を有するエチレン性不飽和単量体が、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシアルキル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニル
エーテル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、N−
アミノアルキル(メタ)アクリルアミドおよびN−(ア
ルキルアミノアルキル)(メタ)アクリルアミドよりな
る群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とす
る顔料分散物に関する。
【0014】また、本発明は、(4)前記(1)項〜
(3)項のいずれかに記載のアルキレンオキサイドがエ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびブチレ
ンオキサイドよりなる群れから選ばれる少なくとも1種
であることを特徴とする顔料分散物に関する。
【0015】また、本発明は、(5)前記(1)項〜
(4)項のいずれかに記載の顔料分散物を用いたことを
特徴とする被覆剤組成物に関する。
【0016】また本発明は、(6)前記(1)項〜
(4)項のいずれかに記載の顔料分散物、ラジカル重合
性化合物、及び光重合開始剤を含有することを特徴とす
るカラーフィルター用光硬化性顔料分散レジスト組成物
に関する。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明においては、顔料分散剤と
して前記特定のグラフト共重合体を使用することによ
り、顔料高濃度微分散体における顔料再凝集と構造粘性
が抑制され、インキ、塗料、顔料分散レジスト等の取扱
い時や塗布、印刷、及び製造時に要求される高い流動性
と、長期間に渡り顔料が再凝集を起こすことのない高い
安定性が得られる。これにより、光学濃度、着色力、透
明度、あるいは表面平滑性の高い塗布物や印刷物が得ら
れる。
【0018】以下、本発明の、顔料、溶媒、顔料分散
剤、及び必要に応じてバインダー樹脂を含む顔料分散物
において、顔料分散剤としてグラフト共重合体を含有せ
しめた顔料分散物及びそれを用いた被覆剤組成物につい
て詳しく説明する。
【0019】本発明のグラフト共重合体は、(1)活性
水素を有していない芳香族系ビニル化合物10〜90モ
ル%、アルキレンオキサイドが付加可能な活性水素基を
有するエチレン性不飽和単量体10〜90モル%、必要
に応じてその他のエチレン性不飽和単量体0〜80モル
%とを過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合開始剤を
用い、常法により活性水素を含有する共重合体を得た
後、該共重合体の活性水素に常法によりアルキレンオキ
サイドを開環付加させることにより、又は(2)活性水
素を有していない芳香族系ビニル化合物10〜90モル
%、アルキレンオキサイドが付加可能な活性水素基を有
するエチレン性不飽和単量体の活性水素基に常法により
アルキレンオキサイドを開環付加させて得られる化合物
10〜90モル%、必要に応じてその他のエチレン性不
飽和単量体0〜80モル%とを過酸化物やアゾ化合物等
のラジカル重合開始剤を用い、常法により反応させるこ
とにより得ることができる。
【0020】本発明のグラフト共重合体の製造に用いる
単量体のうち、活性水素を有していない芳香族系ビニル
化合物としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチ
ルスチレン、ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソ
プロピルスチレン、t−ブチルスチレン等のアルキル置
換スチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロ
モスチレン、フルオロスチレン等のハロゲン置換スチレ
ン、メトキシスチレン、フェノキシスチレン、ブトキシ
スチレン等のアルコキシスチレン、β−クロロスチレ
ン、ベンジルメタアクリレート、(メタ)アクリル酸フ
ェニル、ビニルナフタレン等の1種又は2種以上が使用
できる。グラフト共重合体における、活性水素を有して
いない芳香族系ビニル化合物の割合は、10〜90モル
%であり、10モル%未満の場合には、十分な顔料分散
性が得られない。
【0021】アルキレンオキサイドが付加可能な活性水
素基を有するエチレン性不飽和単量体としては、1級ア
ミノ基、2級アミノ基、水酸基、もしくはカルボキシル
基の少なくとも1つの官能基を有するエチレン性不飽和
単量体が使用でき、具体的には、(メタ)アクリル酸2
−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシペンチル、(メタ)アクリル
酸ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシドデシル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキ
ル類、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)ア
クリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N
−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メ
タ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルア
ミド等のN−アルキル(メタ)アクリルアミド類、N−
メチロールアクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエ
ーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類、(メ
タ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、
イタコン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、
シトラコン酸、メサコン酸等のα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸、N−アミノエチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−(メチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(エチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミ
ド、N−(プロピルアミノエチル)(メタ)アクリルア
ミド等のN−(アルキルアミノアルキル)(メタ)アク
リルアミド類、ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトン(メタ)
アクリレート、アクリロイルオキシエチルフタレート、
アクリロイルオキシサクシネート、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシプロピルアクリレート、マレイン酸のハー
フエステル等の1種又は2種以上が挙げられる。グラフ
ト共重合体におけるアルキレンオキサイドが付加可能な
活性水素基を有するエチレン性不飽和単量体の割合は、
10〜90モル%であり、10モル%未満の場合には、
十分な顔料分散性が得られない。
【0022】必要に応じて用いるその他の単量体として
は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メ
タ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチ
ル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ドデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)ア
クリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニ
ル(メタ)アクリレート、ノルボニル(メタ)アクリレ
ート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル類、テ
トラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の環状エ
ーテル基を有する(メタ)アクリレート、ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート等の3級アミノ基を有する(メ
タ)アクリレート類、メチルビニルエーテル、ドデシル
ビニルエーテル、プロペニルエーテルプロピレンカーボ
ネート等のビニルエーテル類、アリルアセテート等のア
リルエステル等の1種又は2種以上を挙げることができ
る。グラフト共重合体における必要に応じて用いるその
他の単量体の割合は、0〜80モル%である。
【0023】また、グラフト共重合体の製造に用いるア
ルキレンオキサイド類としては、エチレンオキサイド、
プロピレンオキサイド、或いはブチレンオキサイドが、
単独で或いは2種以上混合して用いることができる。ア
ルキレンオキサイドの付加モル数は、活性水素基を含有
する共重合体を得た後の共重合体の活性水素基に対し
て、又は活性水素基を含有する共重合体を得る前のアル
キレンオキサイドが付加可能な活性水素基を有するエチ
レン性不飽和単量体の活性水素基に対して、1〜100
モルであり、100モルを超えても顔料分散性をそれ以
上改善することはできない。
【0024】但し、グラフト共重合体の製造に用いるエ
チレン性不飽和単量体、アルキレンオキサイドの適切な
値は顔料の種類、顔料粒子の比表面積や粒子径、顔料表
面処理剤の有無又は性質、分散媒の極性等に応じて変化
するものであり、用途に応じて最適値を選択するのが好
ましい。
【0025】本発明のグラフト共重合体の分子量は、重
量平均で3,000〜100,000の範囲にあること
が好ましい。重量平均分子量が3,000未満でも顔料
分散効果はあるが、重合反応が難しくなり、それととも
に多用される重合開始剤や連鎖移動剤による末端基の影
響等で乳化適性の改善効果が低下する。一方、重量平均
分子量が100,000を超えると十分な顔料分散効果
が得られない。
【0026】本発明の対象となる顔料としては一般的な
無機又は有機顔料が使用できる。
【0027】有機顔料としては、フタロシアニン系、ア
ゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジ
ン系、アントラピリミジン系、アンサンスロン系、イン
ダンスロン系、フラバンスロン系、ペリレン系、チオイ
ンジゴ系、イソインドリノン系、トリフェニルメタン
系、或いはカーボンブラック等の顔料が挙げられる。無
機顔料としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、
二酸化珪素、二酸化チタン等の体質顔料や、磁性酸化鉄
等が挙げられる。これらの有機、無機顔料は、単独で又
は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】また、本発明の溶媒としては、顔料組成物
中の樹脂成分或いは顔料組成物と共に用いられる樹脂成
分を溶解するものであればよく、公知のものから用途に
応じて適宜選択すればよい。
【0029】また、本発明のバインダー樹脂としては、
顔料分散レジスト、塗料、印刷インキ組成物の分野に使
用されている公知の各種バインダー樹脂が使用できる。
【0030】本発明の顔料分散物を得るには、顔料分散
剤として、グラフト共重合体を顔料100重量部に対し
少なくとも0.2重量部含有させることが望ましい。顔
料分散剤の量がこれより少ないと十分な顔料分散効果が
得られない。尚、含量分散剤を顔料100重量部に対し
て100重量部より多量に使用しても顔料分散効果はそ
れ以上向上しない。
【0031】但し、顔料分散効果は顔料の種類、顔料粒
子の比表面積や粒子径、顔料表面処理剤の性質、分散媒
の極性等に応じて異なるため、個々の場合で最適化する
のが好ましい。
【0032】次に、本発明の顔料分散物を用いた被覆剤
組成物をカラーフィルター用光硬化性顔料分散レジスト
組成物を例にして具体的に説明する。
【0033】本発明の顔料分散物を用いたカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物に用いる顔料と
しては、この分野での公知のものを使用することができ
る。具体的には、赤色顔料としてはアントラキノン系の
C.I.ピグメントレッド177、アンサンスロン系の
C.I.ピグメントレッド168、緑顔料としては、ハ
ロゲン化フタロシアニン系のC.I.ピグメントグリー
ン7、C.I.ピグメントグリーン36、青顔料として
はβ型フタロシアニン系のC.I.ピグメントブルー1
5:3、ε型フタロシアニン系のC.I.ピグメントブ
ルー15:6、黄顔料としてはジスアゾ系のC.I.ピ
グメントイエロー83、イソインドリノン系のC.I.
ピグメントイエロー139、紫顔料としてはジオキサジ
ン系のC.I.ピグメントバイオレット23、クロモフ
タール系のC.I.ピグメントバイオレット37等を示
すことができる。
【0034】これらの顔料については、塗膜の光学濃度
を高く維持した上で光透過度を上げるため、粒子径が可
視光の波長の下限の400nm以下である必要があり、
好ましくはその1/2である200nm以下、更に好ま
しくは100nm程度であるのがよい。
【0035】本発明のグラフト共重合体を用いること
で、このような微細顔料でも分散安定化することができ
る。R、G、B三原色のそれぞれの画素に適するスペク
トルを得るため、例えば、赤及び緑顔料には黄顔料を、
青顔料には紫顔料を組み合わせたり、また2種類以上の
赤顔料を用いるなど、複数の顔料を組み合わせて用いる
ことができる。
【0036】また、上述した無機顔料を含む本発明の顔
料分散物をカラーフィルターのオーバーコート材に使用
する無機顔料を用いたレジスト中に用いることができ
る。
【0037】本発明の顔料分散物を、カラーフィルター
用光硬化性顔料分散レジスト組成物に使用する場合は、
グラフト共重合体を顔料100重量部に対して0.2〜
100重量部、好ましくは1〜50重量部含有させるこ
とが好ましい。
【0038】本発明の顔料分散物を用いたカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物に用いる溶媒と
しては、この分野で用いられる樹脂成分を溶解する有機
溶媒であれば、公知のものを用いることができる。
【0039】具体例としては、エチレングリコールモノ
エチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエー
テル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロ
ピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエ
ーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセ
テート等のグリコールモノエーテルアセテート類、シク
ロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類、N,
N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の
アミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、酢酸ブ
チル等の酢酸エステル類等が挙げられる。これらは、樹
脂成分の溶解性や組成物の塗工適性を考慮して、単独も
しくは二種以上を混合して用いることができる。
【0040】本発明の顔料分散物を用いたカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物に用いるバイン
ダー樹脂としては、使用される有機溶媒との相溶性等を
考慮した上であれば公知のものが使用できる。カラーフ
ィルター用光硬化性顔料分散レジストの用途には、樹脂
の着色が少ないものが好ましく、例えば、アクリル系樹
脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂
等を挙げることができる。
【0041】ラジカル重合による光硬化後、画素形成の
ために塗膜をアルカリ現像する必要があれば、バインダ
ー樹脂として酸性官能基を導入したものを使用すればよ
い。この用途でのアクリル系樹脂としてはエチレン性不
飽和二重結合を有する単量体と(メタ)アクリル酸を共
重合したもの、スチレン系樹脂としてはスチレンと無水
マレイン酸の共重合体、更に各種の(メタ)アクリル酸
誘導体を添加した共重合体、あるいはこれらの共重合体
の酸無水物環をアルコールと反応させてハーフエステル
としたもの等が挙げられる。ウレタン系樹脂としては、
ジメチロールプロピオン酸等でカルボキシル基を導入し
たもの等が挙げられる。(メタ)アクリロイル基を導入
すれば光硬化性を付与することもできる。エポキシ系樹
脂としては、エポキシ基に酸成分をエポキシエステル化
した後、生じた水酸基に酸無水物を反応させたもの等が
挙げられる。該酸成分に(メタ)アクリル酸を用いれ
ば、光硬化性を付与することができる。この他、アミノ
樹脂等を添加して光硬化の後に熱硬化させることもでき
る。これらは単独で、もしくは2種以上を混合して用い
てもよい。
【0042】本発明の顔料分散物を用いたカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物を調製するため
のラジカル重合性化合物としては、多官能の(メタ)ア
クリレート類を用いることができる。具体的には、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールのエステ
ルのジ(メタ)アクリレート、アジピン酸と1,6−ヘ
キサンジオールのエステルのジ(メタ)アクリレート、
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、ビスフェノールAのプロピレンオキ
サイド付加物のジ(メタ)アクリレート、テトラブロモ
ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のジ(メ
タ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイ
ド付加物のジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸の
エチレンオキサイド付加物のトリ(メタ)アクリレート
等の多官能(メタ)アクリレート類、また、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリカルボン酸グリシ
ジルエステル、ポリオールポリグリシジルエステル、ロ
ジンや乾性油等の変性による脂環族または脂肪族のエポ
キシ樹脂、アミンエポキシ樹脂、トリフェノールメタン
型エポキシ樹脂、ジヒドロキシベンゼン型エポキシ樹脂
等のエポキシ基と(メタ)アクリル酸との反応による多
官能のエポキシ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
これらは単独で、もしくは2種以上を混合して用いても
よい。これらに単官能の(メタ)アクリレート類を併用
することもできる。硬化速度を上げるためには前記(メ
タ)アクリレート類のうちアクリレート類を用いること
が好ましい。
【0043】本発明の顔料分散物を用いたカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物を調製するため
のラジカル重合の光重合開始剤としては、アセトフェノ
ン系、ベンゾインエーテル系、ベンゾフェノン系、チオ
キサントン系等の公知の光重合開始剤が使用できる。具
体的には、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル
プロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−
ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチ
ル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパ
ン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1
−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、1−フェニ
ルプロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オ
キシム等のアセトフェノン系開始剤、ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル系開始
剤、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、
4−フェニルベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミ
ノフェニル)ケトン、4,4’−ジクロロベンゾフェノ
ン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルフ
ァイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパー
オキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリ
メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤、イ
ソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ
−4−プロポキシチオキサントン等のチオキサントン系
開始剤、あるいはジベンゾイル、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキサイド、2,
2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,
5’−テトラフェニル1,2−ビスイミダゾール、10
−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラ
キノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファー
キノン、メチルフェニルグリオキシエステル等の開始
剤、またはチタノセン化合物等を挙げることができる。
これらは単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0044】更に、ベンゾフェノン系やチオキサントン
系の開始剤、またジカルボニル化合物等の水素引き抜き
型開始剤には、水素供与体となるトリエタノールアミ
ン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル等のα−水素を
有する三級アミン類を促進剤として用いることができ
る。更に、キサンテン、アクリジン、オキサジン、シア
ニン等の長波長の光に対する増感効果のある染料を加え
てもよい。これらは単独、或いは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0045】また、ハドロキノン、ハイドロキノンメチ
ルエーテル、カテコール、ピクリン酸等の安定剤を用い
ることもできる。
【0046】本発明の顔料分散物を用いてカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物を調製するに
は、上述した材料の他にも滑剤や界面活性剤等、各種の
添加剤を用いることができる。
【0047】本発明のカラーフィルター用光硬化性顔料
分散レジスト組成物における成分の含有量の好ましい範
囲を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】これらの成分のうち、顔料、グラフト共重
合体、溶媒の全量又は一部、及び必要に応じてバインダ
ー樹脂の一部及び全部を混合し、ビーズミルや3本ロー
ルを用いて混練りすることによって、本発明の顔料分散
物を得ることができる。これに残りの溶媒とバインダー
樹脂、ラジカル重合性化合物、及び光重合開始剤を加え
て更に混練り或いは十分に攪拌し、必要に応じてフィル
ター濾過や遠心分離を行なうことによって、本発明のカ
ラーフィルター用光硬化性顔料分散レジスト組成物を得
ることができる。
【0050】インキや塗料等、顔料分散レジスト以外の
被覆剤組成物に本発明の顔料分散物を用いる場合には、
従来よりそれらの被覆剤組成物で使用されてきた各種の
バインダー樹脂、溶媒、及び添加剤を用いることができ
る。
【0051】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。主旨
と適用範囲を逸脱しない限り、これらは本発明を限定す
るものではない。記述中の“部”は重量部を示す。
【0052】[顔料分散剤] 顔料分散剤1 スチレンとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルの共重合
体(含有率はそれぞれ67モル%、33モル%)に活性
水素1つあたり平均で22.7モルのエチレンオキサイ
ドを重付加し、グラフト共重合体(顔料分散剤1)を得
た。重量平均分子量(GPCにより測定、以下同様)
は、15,000であった。
【0053】顔料分散剤2 顔料分散剤1におけるエチレンオキサイドを活性水素1
つあたり平均で17.2モルのプロピレンオキサイドに
置き換え、重量平均分子量14,000のグラフト共重
合体(顔料分散剤2)を得た。
【0054】顔料分散剤3 顔料分散剤1におけるエチレンオキサイドを活性水素1
つあたり平均で13.9モルのブチレンオキサイドに置
き換え、重量平均分子量12,000のグラフト共重合
体(顔料分散剤3)を得た。
【0055】顔料分散剤4 顔料分散剤2におけるスチレンとメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルの共重合体(含有率はそれぞれ67モル
%、33モル%)をビニルトルエンとメタクリル酸2−
ヒドロキシエチルの共重合体(含有率はそれぞれ67モ
ル%、33モル%)に置き換え、重量平均分子量15,
000のグラフト共重合体(顔料分散剤4)を得た。
【0056】顔料分散剤5 顔料分散剤2におけるスチレンとメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルの共重合体(含有率はそれぞれ67モル
%、33モル%)をベンジルメタアクリレートとメタク
リル酸2−ヒドロキシエチルの共重合体(含有率はそれ
ぞれ67モル%、33モル%)に置き換え、重量平均分
子量16,000のグラフト共重合体(顔料分散剤5)
を得た。
【0057】顔料分散剤6 スチレンとメタクリルアミドの共重合体(含有率はそれ
ぞれ67モル%、33モル%)に活性水素1つあたり平
均で17.2モルのプロピレンオキサイドを重付加し、
重量平均分子量24,000のグラフト共重合体(顔料
分散剤6)を得た。
【0058】顔料分散剤7 スチレンとメタクリル酸2−ヒドロキシエチルに活性水
素1つあたり3モルのプロピレンオキサイドを重付加し
た単量体を、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤とし
て重合し、重量平均分子量7,000のグラフト共重合
体(顔料分散剤7)を得た。
【0059】[比較顔料分散剤] 顔料分散剤8 顔料分散剤1のスチレンとメタクリル酸2−ヒドロキシ
エチルの共重合体(含有率はそれぞれ67モル%、33
モル%)を顔料分散剤8とした。
【0060】顔料分散剤9 市販のソルビタン脂肪酸エステル系化合物を顔料分散剤
9とした。
【0061】[顔料分散物及びカラーフィルター用光硬
化性顔料分散レジスト組成物] 実施例1〜9及び比較例1、2 顔料分散剤1〜7及び比較顔料分散剤(顔料分散剤8、
9)を用い、上述した方法によりビーズミルを用いて混
練りし、表2に示した組成の顔料分散物を調製した。こ
れにラジカル重合性化合物と光重合開始剤を加えて更に
混練りし、最終的に表3に示した組成のカラーフィルタ
ー用光硬化性顔料分散レジスト組成物を得た。ここで溶
媒としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテートを、バインダー樹脂としてはメタクリル酸とベ
ンジルメタアクリレートを共重合成分に含み、酸価10
0mgKOH/g、重量平均分子量45,000のアク
リル樹脂を、ラジカル重合性化合物としてはトリメチロ
ールプロパントリアクリレート(共栄社化学(株)製、
TMP−A)を、光重合開始剤としては2−メチル−2
−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1
−オン(チバガイギー製、IRGACURE−907)
を用いた。R、G、及びB各色の顔料分散レジストに用
いた顔料の種類と全顔料中に対する重量%を表4に示し
た。なお、顔料組成物の調製においては、表2に示すご
とく顔料分散剤の使用量に応じて溶媒の使用量を増減し
て組成物全量が100重量%になるようにした。レジス
ト組成物の調製においても、同様に組成物全量が100
重量%になるようにした。また比較例3では顔料分散剤
を使用せずに顔料分散剤相当量をプロピレングリコール
モノメチルエーテルアセテートで置き換えた。
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】[評価試験]顔料分散物及びカラーフィル
ター用光硬化性顔料分散レジスト組成物の性状と硬化膜
の評価結果を表5に示した。
【0066】(1)粘弾性 得られた顔料分散物及びカラーフィルター用光硬化性顔
料分散レジスト組成物について、製造直後の粘度、TI
(チキソトロピー・インデックス)を測定し、さらに4
0℃の恒温に保持された暗所で1月間保存したのち、再
度粘度、TIを測定し、粘度とTIの経時変化を調べ
た。測定には、ハーケ社製回転粘度計を用い、25℃で
測定した。粘度が低く、TIが1.0に近く、これらの
経時変化が少なく、顔料分散レジスト組成物のスピンコ
ート適性に何等問題がないものを粘弾性に優れるとして
3、粘度、TIが若干高く、或いはこれらの経時変化が
若干大きいもののスピンコート適性が可能なものを2、
粘度、TIが著しく高く、スピンコート適性が無く、経
時での不安定性が大きいものを1で示した。また、顔料
の沈降や分離が認められる場合も1で示した。
【0067】(2)透過率 各カラーフィルター用光硬化性顔料分散レジスト組成物
をガラス基板上にスピンコートし、2分間100℃に加
熱した後200mJ/cm2の紫外光により露光して厚
さ0.9〜1.1μmの硬化膜を形成した。この硬化膜
を形成したガラス基板について、ガラス基板を参照とし
て可視光の透過スペクトルを測定した。表5には各色塗
膜の透過域(R:610nm、G:540nm、B:4
50nm)の透過率を示した。表5における透過率の値
は硬化膜の厚さを1.0μmとしたばあいの換算値であ
る。尚、透過率の値は高い程優れている。
【0068】
【表5】
【0069】本発明のグラフト共重合体を用いることに
より、顔料微分散物及びそれを用いたカラーフィルター
用光硬化性顔料分散レジスト組成物の粘弾性が改善さ
れ、透過率の高い硬化膜が得られた。一方、比較例で
は、粘弾性が悪く、透過率も低かった。
【0070】
【発明の効果】本発明のグラフト共重合体を用いること
により、顔料微分散物及びそれを用いた被覆剤組成物の
顔料凝集と構造粘性を抑制し、特に、これをカラーフィ
ルター用光硬化性顔料分散レジスト組成物に用いること
により、顔料分散性に起因する分光特性、保存安定性等
の性能が向上する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 7/12 PSJ C09D 7/12 PSJ 17/00 PUJ 17/00 PUJ 155/00 PGZ 155/00 PGZ 163/10 PDY 163/10 PDY G02B 5/20 101 G02B 5/20 101 G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 G03F 7/004 504 G03F 7/004 504 505 505 // C08F 290/06 MRS C08F 290/06 MRS C08G 85/00 NUY C08G 85/00 NUY (72)発明者 石川 裕之 大阪市西区江戸堀一丁目23番37号 サカタ インクス株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顔料、溶媒、顔料分散剤、及び必要に応
    じてバインダー樹脂を含む顔料分散物において、顔料分
    散剤として、活性水素を有していない芳香族系ビニル化
    合物10〜90モル%、アルキレンオキサイドが付加可
    能な活性水素基を有するエチレン性不飽和単量体の活性
    水素基にアルキレンオキサイドを1〜100モル付加し
    た化合物10〜90モル%、その他のエチレン性不飽和
    単量体0〜80モル%を共重合して得られる重量平均分
    子量3,000〜100,000のグラフト共重合体
    を、顔料100重量部に対して少なくとも0.2重量部
    含有することを特徴とする顔料分散物。
  2. 【請求項2】 顔料、溶媒、顔料分散剤、及び必要に応
    じてバインダー樹脂を含む顔料分散物において、顔料分
    散剤として、活性水素を有していない芳香族系ビニル化
    合物10〜90モル%、アルキレンオキサイドが付加可
    能な活性水素基を有するエチレン性不飽和単量体10〜
    90モル%、その他のエチレン性不飽和単量体0〜80
    モル%を共重合して得られる共重合体の活性水素基にア
    ルキレンオキサイドを1〜100モル付加した重量平均
    分子量3,000〜100,000のグラフト共重合体
    を、顔料100重量部に対して少なくとも0.2重量部
    含有することを特徴とする顔料分散物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアルキレンオキサ
    イドが付加可能な活性水素基を有するエチレン性不飽和
    単量体が、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、
    (メタ)アクリルアミド、N−アルキル(メタ)アクリ
    ルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ヒ
    ドロキシブチルビニルエーテル、α,β−エチレン性不
    飽和カルボン酸、N−アミノアルキル(メタ)アクリル
    アミドおよびN−(アルキルアミノアルキル)(メタ)
    アクリルアミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種
    であることを特徴とする顔料分散物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のアルキ
    レンオキサイドがエチレンオキサイド、プロピレンオキ
    サイドおよびブチレンオキサイドよりなる群から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする顔料分散物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分
    散物を用いたことを特徴とする被覆剤組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分
    散物、ラジカル重合性化合物、及び光重合開始剤を含有
    することを特徴とするカラーフィルター用光硬化性顔料
    分散レジスト組成物。
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