JPH1044731A - 車両用サスペンション - Google Patents

車両用サスペンション

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JPH1044731A
JPH1044731A JP20061396A JP20061396A JPH1044731A JP H1044731 A JPH1044731 A JP H1044731A JP 20061396 A JP20061396 A JP 20061396A JP 20061396 A JP20061396 A JP 20061396A JP H1044731 A JPH1044731 A JP H1044731A
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JP
Japan
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braking force
distribution ratio
suspension
vehicle
front wheel
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Application number
JP20061396A
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English (en)
Inventor
Michito Hirahara
道人 平原
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】制動時の車両姿勢変化を抑制して良好な車両乗
り心地が得られ、しかも汎用性に優れ且つ低コストで済
むようにする。 【解決手段】前輪WF 側の制動力の配分比の増大に応じ
て、角度θf は徐々に小さくなり、角度θr は徐々に大
きくなっても、前輪WF 側サスペンションを構成するリ
ンク部材の回転中心CF ' を線L1'を追従するように移
動させ、後輪WR側サスペンションを構成するリンク部
材の回転中心CR ' を線L2'を追従するように移動させ
て、角度βf は縮小方向に、角度βr は拡大方向に変化
させる。これにより、前輪WF 側のアンチダイブ率及び
後輪WR 側のアンチリフト率が1から大きくはずれるよ
うなことを防止して、車体前部及び車体後部が大きくリ
フトすることを回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、前輪側及び後輪
側間の制動力の配分比を変更可能になっているブレーキ
系統を備えた車両に用いられるサスペンションに関し、
特に、制動力の配分比に応じてサスペンション特性を適
宜調整する構成とすることにより、制動時の車両姿勢変
化を抑制して良好な車両乗り心地が得られ、しかも汎用
性に優れ且つ低コストで済むようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】車両制動時には、図18に示すように、
重心Gに働く慣性力Fによって、前輪WF 側の接地荷重
は増加し、後輪WR 側の接地荷重は減少する。なお、接
地荷重の増減量は、車両VのホイールベースをL、重心
Gの高さをHとすれば、F・H/Lとなる。また、前輪
側の制動力と後輪側の制動力との比をα:(1−α)と
すれば、前輪側の制動力はFα、後輪側の制動力はF
(1−α)となる(なお、1>α>0である。)。
【0003】そして、このように前輪WF 及び後輪WR
の接地荷重が変化すると、接地荷重が減少する後輪WR
と路面との間の摩擦限界が低下するため、後輪WR は、
前輪WF よりも先にロック状態に陥り易くなる。
【0004】そこで、例えば図19に示すように、ブレ
ーキペダル1と、このブレーキペダル1の踏み込みに応
じた液圧を発生するマスタシリンダ2と、このマスタシ
リンダ2の吐出圧が油圧配管5を通じて供給される前輪
側ブレーキ用のシリンダ部3及び後輪側ブレーキ用のシ
リンダ部4と、マスタシリンダ2の吐出側及びシリンダ
部3,4間を連通する油圧配管5とを備えたブレーキ系
統に、さらにプロポーショニングバルブ6を設けた構造
が多くの車両で採用されている。即ち、プロポーショニ
ングバルブ6は、油圧配管5の後輪側配管5Rに設けら
れるバルブであり、図20に示すように、入口液圧(マ
スタシリンダ2側から導入される液圧)が設定圧P0
達するまでの間は、出口液圧(シリンダ部4側の液圧)
は入口液圧に等しい圧となるが、入口液圧が設定圧P0
を越えた後は、出口液圧の増加率が緩やかになる特性を
有している。つまり、かかる特性のプロポーショニング
バルブ6を設けた結果、ブレーキペダル1を強く踏み込
む例えば急制動時には、後輪側ブレーキ用のシリンダ部
4の圧力上昇率が前輪側に比べて小さくなるから、後輪
R 側の制動力が相対的に小さくなり、後輪WR がロッ
ク状態に陥ることを回避できるのである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ここで、図21に示す
ように、前輪WF 側及び後輪WR 側間の制動力の配分比
がα:(1−α)の場合、車両側面視において、重心G
と同じ高さにおいてホイールベースを配分比α:(1−
α)で内分した点A1 と前輪WF の接地点EF とを結ぶ
線L1 、点A1 と後輪WR の接地点ER とを結ぶ線
2 、前輪WF 側サスペンションを構成するリンク部材
の回転中心CF と前輪WF の接地点EF とを結ぶ線
3 、後輪WR 側サスペンションを構成するリンク部材
の回転中心CR と後輪WR の接地点ER とを結ぶ線L4
を考え、それら各線L1 〜L4 と路面との成す角度を、
それぞれθf ,θr ,βf ,βr とすると、前輪WF
アンチダイブ率ηf 及び後輪WR のアンチリフト率ηr
は、下記式によって求めることができる。
【0006】 ηf =tanβf /tanθf ……(1) ηr =tanβr /tanθr ……(2) そして、アンチダイブ率ηf が1であれば、制動時にお
ける車体前部のダイブ(沈み込み)を零にすることがで
き、アンチリフト率ηr が1であれば、制動時における
車体後部のリフト(上昇)を零にすることができる。つ
まり、制動時であってもフラットな車両姿勢を保つため
には、アンチダイブ率ηf 及びアンチリフト率ηr を共
に1にすればよいのであり、具体的には、車両側面視で
ある図21において、角度θf 及びβf が一致し、且
つ、角度θr 及びβr が一致すればよいのであるから、
回転中心CF が線L1 上に位置し、回転中心CR が線L
2 上に位置すればよい。
【0007】なお、前輪WF 側の回転中心CF は、図2
2に示すように、前輪WF 側のサスペンションが、前輪
F を車体に支持するリンク部材として上側のAアーム
10及び下側のAアーム11を備えたダブルウイッシュ
ボーン式サスペンションであれば、上側のAアーム10
の二つの車体側取付点10B及び10Cを結ぶ線(つま
り、Aアーム10の車体側端部の揺動中心軸S10)に平
行な線であって、そのAアーム10の車輪側取付点10
A(正確には、前輪WF を回転自在に支持するアクスル
ハウジングとAアーム10外端部との連結点)を通る線
10と、下側のAアーム11の二つの車体側取付点11
B及び11Cを結ぶ線(つまり、Aアーム11の車体側
端部の揺動中心軸S11)に平行な線であって、そのAア
ーム11の車輪側取付点11A(正確には、前輪WF
回転自在に支持するアクスルハウジングとAアーム10
外端部との連結点)を通る線L11との交点(車両側面視
における交点)が、回転中心CF となる。後輪WR 側の
回転中心CR についても同様である。
【0008】そして、回転中心CF と接地点EF とを結
ぶ線L3 を仮想リンク12と見なした場合、この仮想リ
ンク12が制動時に受ける力F12の水平方向成分が前輪
F側の制動力Fαとなる。すると、力F12の垂直方向
成分は前輪WF を持ち上げる方向に作用するから、これ
がアンチダイブ力FWFとなるのである。同様に、後輪W
R 側には、後輪WR を沈み込ませる方向の力、つまりア
ンチリフト力FWRが発生する。なお、図22中の矢印X
は前輪WF がバウンド・リバウンドする場合の接地点E
F の軌跡である。
【0009】そこで、図23に示すように、上述した制
動力の配分比α:(1−α)に基づいて、初期状態(つ
まり、プロポーショニングバルブ6が作動していない通
常のブレーキ時)において線L1 上に回転中心CF が位
置し且つ線L2 上に回転中心CR が位置するようにすれ
ば、その初期状態におけるアンチダイブ率ηf0及びアン
チリフト率ηr0が共に1になるから、制動時における車
両の姿勢変化を抑制することができる。換言すれば、ア
ンチダイブ率が1ということは、車両制動時に慣性力F
によって生じる車体前部を沈み込ませようとする力が、
アンチダイブ力FWFと釣り合っているということであ
り、アンチリフト率が1ということは、車両制動時に慣
性力Fによって生じる車体後部を持ち上げようとする力
が、アンチリフト力FWRと釣り合っているということで
ある。なお、初期状態におけるアンチダイブ率ηf0及び
アンチリフト率ηr0は、初期状態での線L1 〜L4 と路
面との車両側面視でなす角度を、それぞれθf0,θr0
βf0,βr0とすると、下記式によって求めることができ
る。
【0010】 ηf0=tanβf0/tanθf0 ……(3) ηr0=tanβr0/tanθr0 ……(4) しかしながら、図19に示したようなプロポーショニン
グバルブ6を有するブレーキ系統にあっては、図20に
示したように、ブレーキ液圧が設定圧P0 を越えると、
後輪WR 側のブレーキ液圧の上昇が前輪WF 側のブレー
キ液圧の上昇に比べて緩やかになるから、前輪WF 側の
制動力の配分比が大きくなる。つまり、初期状態では制
動力の配分比はα:(1−α)であるが、ブレーキペダ
ルの踏み込み量が大きい例えば急制動時には、その配分
比はα' :(1−α' )に変化してしまう(α' >
α)。なお、図20からも明らかなように、配分比α'
は、時々刻々と変化する。
【0011】すると、上記(3),(4)式に従って求
められる初期状態におけるアンチダイブ率ηf0及びアン
チリフト率ηr0を共に1に設定していたとしても、制動
力の配分比が例えばαからα' に変化してしまえば、図
23に示すように、点A1 が点A1'に、線L1 が線L1'
に移動し、線L2 が線L2'にそれぞれ移動してしまう結
果、角度θf0が角度θf に減少し、角度θr0が角度θr
に増大してしまい、上記(1)式の右辺の分母は小さく
なり、逆に上記(2)式の右辺の分母は大きくなる。つ
まり、プロポーショニングバルブ6が作動している状態
では、前輪WF側のアンチダイブ率ηf は1よりも大き
くなり、逆に、後輪WR 側のアンチリフト率ηr は1よ
りも小さくなってしまう。
【0012】このため、車体前部には、図24に特性A
で示すように、制動時であっても、ブレーキ踏力が設定
圧P0 以下であってプロポーショニングバルブ6が作動
していない状態であれば、上下変位は生じないが、ブレ
ーキ踏力が設定圧P0 を越えてプロポーショニングバル
ブ6が作動するようになると、アンチダイブ力FWFが過
剰となるから、前輪WF 側のアンチダイブ率が1を越え
て、逆にリフトが生じてしまうのである。
【0013】また、車体後部には、図25に特性Aで示
すように、制動時であっても、ブレーキ踏力が設定圧P
0 以下であってプロポーショニングバルブ6が作動して
いない状態であれば、上下変位は生じないが、ブレーキ
踏力が設定圧P0 を越えてプロポーショニングバルブ6
が作動するようになると、アンチリフト力FWRが不足し
てしまい、後輪WR 側のアンチリフト率が1未満となっ
て、やはりリフトが生じてしまうのである。
【0014】このように、プロポーショニングバルブ6
が作動を開始するまではフラットな車両姿勢を保つこと
ができたにも関わらず、プロポーショニングバルブ6が
作動を開始すると同時に車体全体にリフト方向への姿勢
変化が生じてしまうから、運転者が違和感を感じてしま
い、それだけ車両乗り心地が悪化してしまう。
【0015】なお、車両によっては、自然な感覚を残す
ために、図24及び図25のそれぞれに特性Bで示すよ
うに、制動時に車体前部にダイブが車体後部にリフトが
生じるように設計する場合もあるが、かかる場合にも、
プロポーショニングバルブ6が作動を開始すると、車体
前部のアンチダイブ力が過剰となって車体前部の挙動が
途中から逆転してしまうし、車体後部のアンチリフト力
が不足して車体後部の挙動が途中から急激になってしま
うから、やはり運転者が違和感を感じてしまい、それだ
け車両乗り心地が悪化してしまう。
【0016】このような問題点を解決するための一つの
方策として、本出願人が特願平7−95236号明細書
で提案したものがある。即ち、かかる先願に記載された
技術は能動型サスペンションに関するものであり、バネ
上及びバネ下間に介挿された流体圧シリンダの作動圧を
適宜制御することにより、図24及び図25に示すよう
な姿勢変化を抑制することができるが、これでは、各車
輪毎に流体圧シリンダや圧力制御弁等の構成を付加しな
ければならないから、全ての車種に取り付けることが難
しくコストも嵩んでしまう。
【0017】本発明は、このような種々の問題点に着目
してなされたものであって、プロポーショニングバルブ
のような前後輪間の制動力の配分を変更する構造を備え
た車両であっても、制動時の車両姿勢変化を抑制して良
好な車両乗り心地を得ることができ、しかも汎用性に優
れ且つ低コストで済む車両用サスペンションを提供する
ことを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る発明は、前輪側及び後輪側間の制動
力の配分比を変更可能な車両に用いられるサスペンショ
ンであって、前輪側の制動力の配分比の増大に応じて、
前輪側サスペンションのアンチダイブ傾向を弱くするこ
と及び後輪側サスペンションのアンチリフト傾向を強く
することの一方若しくは両方を行うようにした。
【0019】上記目的を達成するために、請求項2に係
る発明は、前輪側及び後輪側間における制動力の配分比
を変更可能な制動力配分比可変手段と、前輪側サスペン
ションを構成するリンク部材の車両側面視における回転
中心を移動可能な回転中心移動手段と、を備え、前記回
転中心移動手段は、前輪側の制動力の配分比の増大に応
じて、前記回転中心を、前輪側サスペンションのアンチ
ダイブ傾向が弱くなる方向に移動させるようにした。
【0020】上記目的を達成するために、請求項3に係
る発明は、前輪側及び後輪側間における制動力の配分比
を変更可能な制動力配分比可変手段と、後輪側サスペン
ションを構成するリンク部材の車両側面視における回転
中心を移動可能な回転中心移動手段と、を備え、前記回
転中心移動手段は、前輪側の制動力の配分比の増大に応
じて、前記回転中心を、後輪側サスペンションのアンチ
リフト傾向が強くなる方向に移動させるようにした。
【0021】上記目的を達成するために、請求項4に係
る発明は、前輪側及び後輪側間における制動力の配分比
を変更可能な制動力配分比可変手段と、前輪側サスペン
ションを構成するリンク部材の車両側面視における回転
中心及び後輪側サスペンションを構成するリンク部材の
車両側面視における回転中心を移動可能な回転中心移動
手段と、を備え、前記回転中心移動手段は、前輪側の制
動力の配分比の増大に応じて、前輪側の前記回転中心
を、前輪側サスペンションのアンチダイブ傾向が弱くな
る方向に移動させ、且つ、後輪側の前記回転中心を、後
輪側サスペンションのアンチリフト傾向が強くなる方向
に移動させるようにした。
【0022】また、請求項5に係る発明は、上記請求項
2〜4に係る発明である車両用サスペンションにおい
て、前記回転中心移動手段は、前記リンク部材の車体側
端部の揺動中心軸を移動させることにより、前記回転中
心を移動させるようにした。
【0023】また、請求項6に係る発明は、上記請求項
2〜5に係る発明である車両用サスペンションにおい
て、前記回転中心移動手段は、前輪側のブレーキ液圧と
後輪側のブレーキ液圧との差圧を利用して、前記回転中
心を移動させるようにした。
【0024】これに対し、請求項7に係る発明は、上記
請求項5に係る発明である車両用サスペンションにおい
て、前記回転中心移動手段は、前輪側及び後輪側間の制
動力の配分比の変化を検出する制動力配分比変化検出手
段と、前記リンク部材の車体側端部の揺動中心軸を移動
可能なアクチュエータと、前記制動力配分比変化検出手
段の検出結果に応じて前記アクチュエータを駆動させる
コントローラと、を備えた。
【0025】また、請求項8に係る発明は、上記請求項
7に係る発明である車両用サスペンションにおいて、前
記制動力配分比変化検出手段は、前輪側のブレーキ液圧
及び後輪側のブレーキ液圧の少なくとも一方を検出し、
その検出結果に基づいて前記制動力の配分比の変化を演
算するようにした。
【0026】請求項9に係る発明は、上記請求項7に係
る発明である車両用サスペンションにおいて、前記制動
力配分比変化検出手段は、ブレーキ踏力,車両前後方向
加速度及び前記リンク部材の軸力のうちの少なくとも一
つを検出し、その検出結果に基づいて前記制動力の配分
比の変化を推定するようにした。
【0027】請求項10に係る発明は、上記請求項7に
係る発明である車両用サスペンションにおいて、車体に
弾性支持されたサスペンションメンバを有し、前記制動
力配分比変化検出手段は、前記サスペンションメンバの
前後方向変位を検出し、その検出結果に基づいて前記制
動力の配分比の変化を推定するようにした。
【0028】請求項11に係る発明は、上記請求項7に
係る発明である車両用サスペンションにおいて、ブレー
キ系油圧配管にプロポーショニングバルブを有し、前記
制動力配分比変化検出手段は、前記プロポーショニング
バルブの移動量を検出し、その検出結果に基づいて前記
制動力の配分比の変化を推定するようにした。
【0029】ここで、請求項1に係る発明にあっては、
制動力の配分比が変更しても、前輪側の制動力の配分比
の増大(=後輪側の制動力の配分比の減少)に応じて、
前輪側サスペンションのアンチダイブ傾向が弱くなる、
或いは、後輪側サスペンションのアンチリフト傾向が強
くなる、若しくはその両方が行われる。
【0030】前輪側サスペンションのアンチダイブ傾向
が弱くなるということは、車体前部が沈み込み易くなる
ということである。しかし、前輪側の制動力の配分比が
増大した分だけ、前輪側のアンチダイブ力が過剰になり
つつあるから、アンチダイブ傾向を弱めることにより、
車体前部の姿勢変化等が回避又は低減される。
【0031】また、後輪側サスペンションのアンチリフ
ト傾向が強くなるということは、車体後部の浮き上がり
をより強く防止できるということである。そして、前輪
側の制動力の配分比が増大した分だけ、後輪側のアンチ
リフト力が不足しつつあるから、アンチリフト傾向を強
めることにより、車体後部の姿勢変化等が回避又は低減
される。
【0032】よって、この請求項1に係る発明であれ
ば、例えばプロポーショニングバルブが作動することに
よって前後輪間での制動力の配分比が変化しても、車両
が姿勢変化したり、或いは、車両の姿勢変化が途中で逆
転したりすること等を防止又は低減できるのである。
【0033】請求項2に係る発明にあっては、制動力配
分比可変手段によって前後輪間の制動力の配分比が変化
しても、前輪側の制動力の配分比の増大に応じて、回転
中心移動手段が、前輪側サスペンションのアンチダイブ
傾向を弱くするから、前輪側のアンチダイブ力の過剰傾
向が解消又は低減され、車体前部の姿勢変化等が回避又
は低減される。なお、前輪側サスペンションのアンチダ
イブ傾向が弱くなる方向とは、車両側面視における前輪
側サスペンションのリンク部材の回転中心と前輪の接地
点とを結ぶ線が、鉛直線から遠ざかる方向である。
【0034】これに対し、請求項3に係る発明にあって
は、制動力配分比可変手段によって前後輪間の制動力の
配分比が変化しても、前輪側の制動力の配分比の増大に
応じて、回転中心移動手段が、後輪側サスペンションの
アンチリフト傾向を強くするから、後輪側のアンチリフ
ト力の不足傾向が解消又は低減され、車体後部の姿勢変
化等が回避又は低減される。なお、後輪側サスペンショ
ンのアンチリフト傾向が強くなる方向とは、車両側面視
における後輪側サスペンションのリンク部材の回転中心
と後輪の接地点とを結ぶ線が、鉛直線に近づく方向であ
る。
【0035】そして、請求項4に係る発明にあっては、
これら請求項2に係る発明及び請求項3に係る発明の両
方の作用が発揮されるから、車体前部及び車体後部の姿
勢変化等が回避又は低減される。
【0036】サスペンションを構成するリンク部材の回
転中心は、図22を伴って説明したように、各リンク部
材の車体側端部の揺動中心軸によって決まるから、請求
項5に係る発明のように、回転中心移動手段がサスペン
ションを構成するリンク部材の車体側端部の揺動中心軸
を移動させれば、回転中心が所望の位置に移動するよう
になる。
【0037】また、前輪側及び後輪側間の制動力の配分
比が変化すれば、前輪側のブレーキ液圧と後輪側のブレ
ーキ液圧との差圧に変化が生じるし、かかるブレーキ液
圧の差圧は制動力の配分比の変化に対応するものであ
る。そこで、請求項6に係る発明のように、前輪側のブ
レーキ液圧と後輪側のブレーキ液圧との差圧を利用すれ
ば、動力源を省略又は簡略化できるし、制動力の配分比
に正確に対応して回転中心を移動させることが容易とな
る。
【0038】これに対し、請求項7に係る発明であれ
ば、制動力配分比変化検出手段によって制動力の配分比
の変化が検出され、その検出結果に応じてコントローラ
がアクチュエータを駆動させるから、請求項5に係る発
明と同様にリンク部材の車体側端部の揺動中心軸が移動
し、回転中心が所望の位置に移動するようになる。そし
て、制動力配分比変化検出手段,アクチュエータ及びコ
ントローラを備える構成であれば、設計の自由度が高く
なるし、例えばブレーキ系統から独立した動力源を用い
ることができ、その結果、大きな力でリンク部材の車体
側端部の揺動中心軸を移動させることも容易であるか
ら、リンク部材と車体側とを連結するブッシュの剛性が
高いような場合でも揺動中心軸を確実に移動させること
ができる。
【0039】そして、請求項8に係る発明のように、前
輪側のブレーキ液圧及び後輪側のブレーキ液圧の少なく
とも一方を検出すれば、制動力の配分比の変化を演算に
より求めることができる。つまり、前後輪それぞれのブ
レーキ液圧を検出すれば、それらブレーキ液圧の比から
制動力の配分比が求められるから、その変化も容易に演
算できる。また、前後輪の一方のブレーキ液圧を検出し
た場合であっても、検出していない他方のブレーキ液圧
は例えば図20に示すような特性を記憶しておけば推定
でき、それら検出結果及び推定結果から制動力の配分比
を求めて、配分比の変化も演算できる。
【0040】また、制動力の配分比の変化は、ブレーキ
液圧を直接検出しなくても、例えば請求項9〜11に係
る発明のように他の状態から推定することもできる。即
ち、請求項9に係る発明において例えばブレーキ踏力を
検出すれば、そのブレーキ踏力から前輪側のブレーキ液
圧を推定することができ、前輪側のブレーキ液圧が推定
されれば後輪側のブレーキ液圧も推定でき、それら推定
結果から配分比の変化も推定される。
【0041】また、請求項9に係る発明において例えば
車両前後方向加速度を検出した場合にも、その加速度が
減速方向の加速度であれば車両が制動中であることが判
り、その加速度の大きさから車両全体の制動力が推定で
きる。そして、その車両全体の制動力から前後輪間の制
動力の配分比が推定できるから、その配分比の変化も推
定される。
【0042】さらに、請求項9に係る発明において例え
ばリンク部材の軸力を検出した場合にも、その検出結果
から制動力の配分比が推定可能である。つまり、制動力
が車輪に作用すると、その制動力に応じた力が、車輪と
車体との間に介在するリンク部材に入力されるから、特
に車両前後方向に伸びるリンク部材の軸力を例えば歪ゲ
ージ等で測定するようにすれば、制動力とリンクの軸力
との関係を予め把握してマップ等にしておくことによ
り、制動力を推定することができる。そして、前後輪そ
れぞれのリンク部材について軸力を測定すれば、その測
定結果から制動力の配分比の変化を推定できるし、前輪
側又は後輪側の一方のリンク部材についてのみ軸力を測
定した場合でも、推定された制動力から他方の車輪側の
制動力も推定できるから、やはり制動力の配分比の変化
を推定できる。
【0043】一方、車体に弾性支持されたサスペンショ
ンメンバを有する車両の場合、制動時にリンク部材に入
力される軸力によってそのサスペンションメンバにも前
後方向の変位が生じる。そこで、請求項10に係る発明
のように、サスペンションメンバの前後方向変位を検出
すれば、制動力の配分比の変化を推定できる。
【0044】さらに、図19に示したようなプロポーシ
ョニングバルブを有する車両の場合には、プロポーショ
ニングバルブの移動量が判ればブレーキ液圧が推定でき
るから、請求項11に係る発明のように、プロポーショ
ニングバルブの移動量を検出することにより、制動力の
配分比の変化を推定できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
前輪側の制動力の配分比の増大に応じて、前輪側サスペ
ンションのアンチダイブ傾向を弱くすること及び後輪側
サスペンションのアンチリフト傾向を強くすることの一
方又は両方を行うようになっているため、車両が姿勢変
化したり、或いは、車両の姿勢変化が途中で逆転したり
すること等を防止又は低減できるから、車両乗り心地が
向上するという効果があり、しかも、流体圧シリンダや
圧力制御弁が不要であるから、汎用性に優れ且つコスト
も嵩まない、という効果がある。
【0046】特に、請求項4に係る発明であれば、車体
前部及び車体後部の両方の姿勢変化を回避又は低減でき
るから、より車両乗り心地が向上するという効果があ
る。また、請求項5に係る発明であれば、リンク部材の
回転中心の所望の位置への移動をより高精度に行えると
いう効果がある。
【0047】そして、請求項6に係る発明であれば、コ
ストをさらに低減できるという効果もあるし、現存の車
両の多くに適用可能である。さらに、請求項7に係る発
明であれば、請求項1〜4に係る発明による作用効果を
より確実に発揮でき、しかも全ての車両に容易に適用で
きるという効果があるし、請求項8〜11に係る発明で
あれば、制動力の配分比の変化を高精度に検出できるか
ら、請求項1〜4に係る発明による作用効果をさらに確
実に発揮できるという効果がある。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1乃至図6は本発明の第1の
実施の形態を示す図であって、図1は車両概略側面図、
図2は前輪WF 側サスペンションの概略構成図、図3は
前輪WF 側サスペンションの斜視図、図4は後輪WR
サスペンションの概略構成図、図5はブレーキ系統の回
路図である。なお、図18〜図23に示した従来の構造
と同様の部材や同様の概念には同じ符号を付し、その重
複する説明は省略する。
【0049】先ず、構成を説明すると、車両Vの左右の
前輪WF は、図2及び図3に示すように、リンク部材と
しての上側のAアーム10及び下側のAアーム11を備
えたダブルウイッシュボーン式サスペンションを介して
車体側(車体又はサスペンションメンバ)に支持されて
いる。Aアーム10の前輪WF 側端部は一つの連結点1
0Aを介してその前輪WF を回転自在に支持するアクス
ルハウジングに結合され、Aアーム10の車体側端部は
車両前後方向に離隔した二つの連結点10B及び10C
を介して車体側に結合されている。また、下側のAアー
ム11の前輪W F 側端部は一つの連結点11Aを介して
アクスルハウジングに結合され、Aアーム11の車体側
端部は車両前後方向に離隔した二つの連結点11B及び
11Cを介して車体側に結合されている。なお、下側の
Aアーム11と車体側との間には、ショックアブソーバ
SAやコイルスプリングCSも介在している。
【0050】一方、車両Vの左右の後輪WR も、図4に
示すように、リンク部材としての上側のAアーム13及
び下側のAアーム14を備えたダブルウイッシュボーン
式サスペンションを介して車体側に支持されている。A
アーム13の後輪WR 側端部は一つの連結点13Aを介
してその後輪WR を回転自在に支持するアクスルハウジ
ングに結合され、Aアーム13の車体側端部は車両前後
方向に離隔した二つの連結点13B及び13Cを介して
車体側に結合されている。また、下側のAアーム14の
後輪WR 側端部は一つの連結点14Aを介してアクスル
ハウジングに結合され、Aアーム14の車体側端部は車
両前後方向に離隔した二つの連結点14B及び14Cを
介して車体側に結合されている。なお、ショックアブソ
ーバやコイルスプリング等の他のサスペンション部材の
図示及び説明は省略する。
【0051】各Aアーム10,11,13及び14の車
輪側の連結点10A,11A,13A及び14Aにはボ
ールジョイントが用いられ、車体側の連結点10B,1
0C,11B,11C,13B,13C,14B及び1
4Cには弾性ブッシュが用いられている。
【0052】そして、各Aアーム10〜14の車体側の
連結点10B〜14Cのうち、前輪WF 側サスペンショ
ンの上側のAアーム10の後側の連結点10Cと、前輪
F側サスペンションの下側のAアーム11の前側の連
結点11Bと、後輪WR 側サスペンションの上側のAア
ーム13の後側の連結点13Cと、後輪WR 側サスペン
ションの下側のAアーム14の前側の連結点14Bと
は、図5中に車両前方から見た状態の断面図として示す
弾性ブッシュ20を介して、車体30側に連結されてい
る。弾性ブッシュ20は、車体30側に固定される半円
筒形の中空のブラケット20Aと、このブラケット20
A内に加硫接着により充填されたゴム弾性体20Bと、
ゴム弾性体20Bの中央部に形成されたボルト孔20C
を貫通する図示しないボルトと、を備えて構成され、そ
のボルトが各Aアーム10〜14の連結点10C,11
B,13C,14Bにナット等を用いて結合されてい
る。
【0053】この弾性ブッシュ20のゴム弾性体20B
内には、ボルト孔20Cを上下から挟み込むように同形
の二つの中空部20U,20Lが形成されていて、上側
の中空部20U内には、油圧配管5の後輪側配管5R内
のブレーキ液が供給され、下側の中空部20L内には、
油圧配管5の前輪側配管5F内のブレーキ液が供給され
るようになっている。
【0054】また、前輪WF 側サスペンションの上側の
Aアーム10の前側の連結点10Bと、前輪WF 側サス
ペンションの下側のAアーム11の後側の連結点11C
と、後輪WR 側サスペンションの上側のAアーム13の
前側の連結点13Bと、後輪WR 側サスペンションの下
側のAアーム14の後側の連結点14Cとは、図5中に
車両前方から見た状態の断面図として示す弾性ブッシュ
22を介して、車体30側に連結されている。弾性ブッ
シュ22も、弾性ブッシュ20と同様に、ブラケット2
2Aと、ゴム弾性体22Bと、ボルト孔22Cを貫通す
る図示しないボルトと、を備えて構成され、そのボルト
が各Aアーム10〜14の連結点10B,11C,13
B,14Cにナット等を用いて結合されている。
【0055】そして、この弾性ブッシュ22のゴム弾性
体22B内にも、ボルト孔22Cを上下から挟み込むよ
うに同形の二つの中空部22U,22Lが形成されてい
るが、弾性ブッシュ20の場合とは逆に、上側の中空部
22U内には前輪側配管5F内のブレーキ液が供給さ
れ、下側の中空部22L内には後輪側配管5R内のブレ
ーキ液が供給されるようになっている。
【0056】なお、本実施の形態でも後輪側配管5Rに
プロポーショニングバルブ6を設けており、その特性は
従来と同様に図20に示すようになっている。ここで、
プロポーショニングバルブ6が作動しない初期状態の前
輪WF 側及び後輪WR 側間の制動力の配分比を、α:
(1−α)とする。ちなみに、プロポーショニングバル
ブ6が作動しないブレーキ液圧範囲では、前輪WF 側の
ブレーキ液圧Pf と後輪WR 側のブレーキ液圧Pr とは
等しいので、前輪WF 側の制動力の配分比αは、前輪W
F 側ブレーキ用のシリンダ部3及び後輪WR 側ブレーキ
用のシリンダ部4のそれぞれのピストン受圧面積Sf
r と、それらシリンダ部3,4のピストン中心からホ
イールセンタまでの径df ,dr とに従って、下記の
(5)式で求めることができる。
【0057】 α=Sf f /(Sf f +Sr r ) ……(5) これに対し、プロポーショニングバルブ6が作動した後
は、ブレーキ液圧Pf及びPr に差が生じるため(Pf
>Pr )、前輪側の制動力の配分比α' は、下記の
(6)式で求めることができる。
【0058】 α' =Pf f f /(Pf f f +Pr r r ) ……(6) そして、本実施の形態では、上記(3),(4)式で示
される初期状態における前輪WF 側のアンチダイブ率η
f0及び後輪WR 側のアンチリフト率ηr0を、それぞれ1
に設定している。つまり、車両側面視である図1に示す
ように、初期状態においては、前輪WF の接地点EF
点A1 とを結ぶ線L1 上に回転中心CFが位置し、後輪
R の接地点ER と点A1 とを結ぶ線L2 上に回転中心
R が位置するようになっている。
【0059】次に、本実施の形態の動作を説明する。即
ち、運転者がブレーキペダル1を踏み込むこと、そのブ
レーキペダル1の踏力に応じたブレーキ液圧がマスタシ
リンダ2から油圧配管5に供給される。油圧配管5に供
給されたブレーキ液圧は、前輪側配管5Fを通じて前輪
F 側ブレーキ用のシリンダ部3に供給されるととも
に、後輪側配管5Rを通じて後輪WR 側ブレーキ用のシ
リンダ部4に供給される。すると、前輪WF には制動力
Fαが生じ、後輪WR には制動力F(1−α)が生じる
から、これによって車両Vが制動状態となる。
【0060】このとき、ブレーキペダル1の踏力が小さ
ければ、マスタシリンダ2から供給されるブレーキ液圧
は、プロポーショニングバルブ6が作動する設定圧P0
には達しないから、前輪WF 側のブレーキ液圧Pf と後
輪WR 側のブレーキ液圧Prとは等しい。よって、前輪
F 側の制動力の配分比は、上記(5)式で求められる
αとなるから、前輪WF 側及び後輪WR 側間の制動力の
配分比は、初期状態における配分比であるα:(1−
α)になる。
【0061】また、前輪側配管5F内のブレーキ液は、
弾性ブッシュ20の下側の空洞部20L及び弾性ブッシ
ュ22の上側の空洞22Uにも供給され、後輪側配管5
R内のブレーキ液は、弾性20の上側の空洞部20U及
び弾性ブッシュ22の下側の空洞22Lにも供給される
が、それら空洞部20U〜22Lは同形であるし、プロ
ポーショニングバルブ6が作動していない状態では前輪
F 側のブレーキ液圧Pf と後輪WR 側のブレーキ液圧
r とは等しいから、弾性ブッシュ20内の二つの空洞
部20U及び20Lが拡張しようとする力は等しく、且
つ、弾性ブッシュ22内の二つの空洞部22U及び22
Lが拡張しようとする力は等しい。このため、ボルト孔
20C内を挿通するボルトには特に変位は生じないか
ら、各Aアーム10,11,13,14の各車体側の取
付点10B〜14Cには特に変位は生じない。
【0062】すると、回転中心CF 及びCR は移動しな
いから、線L1 上に回転中心CF が位置し、線L2 上に
回転中心CR が位置する初期状態がそのまま保たれる。
よって、前輪WF 側のアンチダイブ率ηf 及び後輪WR
側のアンチリフト率ηr は、初期状態におけるアンチダ
イブ率ηf0(=1)及びアンチリフト率ηr0(=1)の
ままである。この結果、プロポーショニングバルブ6が
作動しない状態での制動時には、前輪WF 側のアンチダ
イブ力及び後輪WR 側のアンチリフト力がいずれも適切
な大きさになるから、車体前部及び車体後部のいずれに
も上下方向の変位は生じず、フラットな車両姿勢が保た
れて良好な車両乗り心地が得られる。
【0063】一方、例えば急制動時のようにブレーキペ
ダル1の踏力が大きくてマスタシリンダ2の吐出圧が設
定圧P0 を越えるようになると、プロポーショニングバ
ルブ6が作動状態となるから、図20に示すように、後
輪WR 側のブレーキ液圧Prは、前輪WF 側のブレーキ
液圧Pf に比べて上昇率が小さくなる。
【0064】すると、前輪WF 側の制動力の配分比は、
上記(6)式で示される配分比α'になるが、ブレーキ
液圧Pf がブレーキ液圧Pr よりも高いため、配分比
α' は初期状態の配分比αよりも大きい。しかも、配分
比α' は、ブレーキ液圧Pr 及びPr の上昇に伴って連
続的に徐々に大きくなる。
【0065】そして、前輪WF 側の制動力の配分比α'
が大きくなると、図1に示す内分点A1 は徐々に車両後
方に移動するようになるから、線L1 は徐々に倒れ、線
2は徐々に立ち上がることになり、角度θf は徐々に
小さくなり、角度θr は徐々に大きくなる。このため、
角度βf 及びβr が変化しなければ、従来の技術におい
て詳述したように、前輪WF 側のアンチダイブ力が過剰
となり、後輪WR 側のアンチリフト力が不足してしまう
のである。
【0066】これに対し、弾性ブッシュ20内の上側の
空洞部20U内には後輪WR 側のブレーキ液圧Pr が供
給され、下側の空洞部20L内には前輪WF 側のブレー
キ液圧Pf が供給されているが、Pf >Pr という関係
から、空洞部20Lを拡張させようとする力が空洞部2
0Uを拡張させようとする力よりも大きい。すると、図
6(a)に示すように、ゴム弾性体20Bの弾性変形に
伴ってボルト孔20Cが上方に持ち上げられるから、こ
れを貫通するボルトに結合された各Aアーム10,1
1,13,14の各連結点10C,11B,13C,1
4Bが上方に変位する。
【0067】また、弾性ブッシュ22内の上側の空洞部
22U内には前輪WF 側のブレーキ液圧Pr が供給さ
れ、下側の空洞部22L内には後輪WR 側のブレーキ液
圧Prが供給されているが、Pf >Pr という関係か
ら、空洞部22Uを拡張させようとする力が空洞部22
Lを拡張させようとする力よりも大きい。すると、弾性
ブッシュ20の場合とは逆に、図6(b)に示すよう
に、ゴム弾性体22Bの弾性変形に伴ってボルト孔22
Cが下方に押し下げられるから、これを貫通するボルト
に結合された各Aアーム10,11,13,14の各連
結点10B,11C,13B,14Cが下方に変位す
る。
【0068】すると、前輪WF 側のサスペンションにあ
っては、図2に示すように、上側のAアーム10の車体
側端部の初期状態における揺動中心軸S10は、これより
も前側が下がり後側が上がった揺動中心軸S10' に移動
するようになるし、下側のAアーム11の車体側端部の
初期状態における揺動中心軸S11は、これよりも前側が
上がり後側が下がった揺動中心軸S11' に移動するよう
になるから、回転中心CF は略車両後方に移動し、例え
ば回転中心CF ' となる。
【0069】同様に、後輪WR 側のサスペンションにあ
っては、図4に示すように、上側のAアーム13の車体
側端部の初期状態における揺動中心軸S13は、これより
も前側が下がり後側が上がった揺動中心軸S13' に移動
するようになるし、下側のAアーム14の車体側端部の
初期状態における揺動中心軸S14は、これよりも前側が
上がり後側が下がった揺動中心軸S14' に移動するよう
になるから、回転中心CR は略車両後方に移動し、例え
ば回転中心CR ' となる。
【0070】このため、図1に示すように、回転中心C
F ' は線L1'を追従するように移動することになるし、
回転中心CR ' は線L2'を追従するように移動するよう
になるから、角度βf は縮小方向に、角度βr は拡大方
向に変化することになる。
【0071】すると、角度βf 及び角度βr を積極的に
移動させるようにはなっていなかった従来に比べて、角
度θf 及びβf の偏差が小さくなり、角度θr 及びβr
の偏差が小さくなるから、前輪WF 側のアンチダイブ率
ηf 及び後輪WR 側のアンチリフト率ηr が1から大き
くはずれるようなことが防止される。この結果、車体前
部及び車体後部が大きくリフトすることが回避できるか
ら、車体姿勢をよりフラットに保つことができ、車両乗
り心地が向上するのである。
【0072】しかも、プロポーショニングバルブ6が作
動した後の角度θf 及びθr の変化は、結局はブレーキ
液圧Pf 及びPr の比によって決まるものであるのに対
し、回転中心CF 及びCR の移動量はブレーキ液圧Pf
及びPr の差圧によって決まるから、回転中心CF ' ,
R ' を線L1',L2'の移動に略確実に追従させること
ができる。
【0073】さらに、本実施の形態にあっては、ブレー
キ液圧Pf 及びPr の差圧を利用して回転中心CF ,C
R を移動させるようになっているから、他の動力源が不
要であるため、低コストで済むという利点もある。
【0074】ここで、本実施の形態では、プロポーショ
ニングバルブ6が制動力配分比可変手段に対応し、弾性
ブッシュ20及び22が回転中心移動手段に対応する。
図7は本発明の第2の実施の形態を示す図であって、弾
性ブッシュ20を貫通するボルト20Dを変位させる構
造を示す概略断面図である。なお、全体的な構成は上記
第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び説明
は省略する。また、弾性ブッシュ22の構成は、ブレー
キ液圧Pf 及びPr の導入位置が上下逆になっているこ
とを除いては弾性ブッシュ20と同様であるため、その
図示及び説明は省略する。
【0075】即ち、図7(a)に示すように、本実施の
形態にあっては、内在するピストン32Aの変位方向を
上下とした油圧シリンダ32を、弾性ブッシュ20の上
側に位置するように車体30に固定して設けていて、そ
のピストン32Aと一体に上下動するピストンロッド3
2Bの下端部を、弾性ブッシュ20のゴム弾性体20B
中央部を車両前後方向に貫通するボルト20Dに結合し
ている。なお、ピストンロッド32Bは、油圧シリンダ
32の下端面のみならず上端面をも貫通していて、これ
により、ピストン32Aの上下両面の受圧面積を等しく
している。
【0076】そして、油圧シリンダ32のピストン32
Aで画成された上側液室32U内には後輪側配管5Rを
通じてブレーキ液圧Pr が導入され、下側液室32L内
には前輪側配管5Fを通じてブレーキ液圧Pf が導入さ
れるようになっている。
【0077】このような構成であっても、上記第1の実
施の形態と同様に、プロポーショニングバルブ6が作動
状態になれば、ブレーキ液圧Pf 及びPr に差圧が生
じ、その差圧によってピストン32Aが上方に移動する
から、ピストンロッド32Bを介してボルト20Dが上
方に変位し、各Aアーム10,11,13,14の各連
結点10C,11B,13C,14Bが上方に変位す
る。同様に、特に図示はしないが、ブレーキ液圧Pf
びPr の導入位置が上下逆になっている弾性ブッシュ2
2の作用によって、Aアーム10,11,13,14の
各連結点10B,11C,13B,14Cが下方に変位
する。従って、上記第1の実施の形態と同様の作用効果
が発揮される。
【0078】そして、本実施の形態の構成であれば、弾
性ブッシュ20,22のゴム弾性体20B,22B内に
空洞部を形成する必要がないため、上記第1の実施の形
態の構造に比べて、ゴム弾性体20B,22Bの耐久性
等の点で有利である。
【0079】ここで、本実施の形態では、弾性ブッシュ
20,22及び油圧シリンダ32が回転中心移動手段に
対応する。なお、本実施の形態を採用する場合、例えば
図7(b)に示すようにピストンロッド32Bが下方に
のみ突出した油圧シリンダ32を採用することも考えら
れるが、これでは両液室32U及び32Lの受圧面積が
等しくなくなるから、ブレーキ液圧Pf 及びPr に差圧
がない状態でボルト20Dが変位するようになってしま
い、設計上他の工夫を施さなければならないので、本実
施の形態には不向きである。
【0080】図8は本発明の第3の実施の形態を示す図
であり、弾性ブッシュ22内のボルト孔22Cを変位さ
せる構造を示す概略構成図である。なお、全体的な構成
は上記第1の実施の形態と同様であるため、その図示及
び説明は省略する。また、弾性ブッシュ20の構成は、
制御圧の導入位置が上下逆になっていることを除いては
弾性ブッシュ22と同様であるため、その図示及び説明
は省略する。
【0081】ここで、上記第1及び第2の実施の形態で
は、ブレーキ液圧Pf 及びPr の差圧を利用して各Aア
ーム10〜14の車体側端部の揺動中心軸を移動させる
ようにしているが、本実施の形態では、独立した他の動
力源によってその揺動中心軸を移動させるようにしてい
る。
【0082】つまり、本実施の形態にあっては、図8に
示すように、油圧ポンプ40から吐出される圧油が圧力
制御弁41に導入され、その圧力制御弁41の一方の制
御ポートが配管41Aを介して弾性ブッシュ22内の上
側の空洞部22Uに連通し、圧力制御弁41の他方の制
御ポートが配管41Bを介して弾性ブッシュ22内の下
側の空洞部22Lに連通している。圧力制御弁41は、
図示しないマイクロプロセッサや必要なインタフェース
回路等から構成されたコントローラ42から供給される
制御電流Iに応じて駆動する電磁式の制御弁であって、
その制御電流Iに比例した差圧が空洞部22U及び22
L間に生じるように、配管41A及び41Bの内圧を制
御するようになっている。
【0083】コントローラ42には、図19に示したよ
うな油圧配管5の前輪側配管5F内の圧力、つまり前輪
側のブレーキ液圧Pf を検出する液圧センサ43Fと、
後輪側配管5R内の圧力、つまり後輪側のブレーキ液圧
r を検出する液圧センサ43Rと、ボルト孔22Cを
貫通するボルトの上下方向のストローク量Sを検出する
ストロークセンサ44とが接続されている。
【0084】そして、コントローラ42は、液圧センサ
43F及び43Rから供給されるブレーキ液圧Pf 及び
r に基づき、上記(6)式に従って前輪側の制動力の
配分比α' を演算し、この配分比α' と、上記(5)式
から求められる初期状態における前輪側の制動力の配分
比αと比較して配分比の変化を検出し、その配分比の変
化に応じた差圧が配管41A内圧と配管41B内圧との
間に生じるように、圧力制御弁41に対して制御電流I
を出力するようになっている。なお、ブレーキ液圧Pf
及びPr に差圧がある場合、弾性ブッシュ22であれ
ば、配管41A内圧を配管41B内圧よりも高圧とし、
弾性ブッシュ20であれば、配管41B内圧を配管41
A内圧よりも高圧とする。
【0085】また、コントローラ42は、ストロークセ
ンサ44から供給されるストローク量Sに基づいて、ボ
ルト孔22Cを貫通するボルトの上下方向変位が適切な
値になるように、配管41A内圧と配管41B内圧との
差圧を微調整するフィードバック制御をも実行するよう
になっている。
【0086】このような構成であっても、上記第1の実
施の形態と同様に、プロポーショニングバルブ6が作動
状態になってブレーキ液圧Pf 及びPr に差圧が生じ、
制動力の配分比α' に変化が生じれば、その変化がコン
トローラ42内の演算で検出され、その配分比α' の変
化に応じて制御電流Iが供給され圧力制御弁41が作動
して、弾性ブッシュ20,22内の空洞部20U〜22
Lの内圧が適宜調整されるから、各Aアーム10,1
1,13,14の各連結点10C,11B,13C,1
4Bが上方に変位し、各Aアーム10,11,13,1
4の各連結点10B,11C,13B,14Cが下方に
変位するようになる。従って、上記第1の実施の形態と
同様の作用効果が発揮される。
【0087】そして、本実施の形態の構成であれば、油
圧ポンプ40や圧力制御弁41からなるブレーキ系統か
ら独立した動力源をコントローラ42によって制御する
ことにより回転中心CF ,CR を移動させるようになっ
ているから、きめ細かな制御が可能であり、アンチダイ
ブ率ηf やアンチリフト率ηr を所望の値に高精度に制
御することができる。しかも、ストロークセンサ44を
設けることによりフィードバック制御をも実行するよう
になっているから、極めて高精度の制御が行えるように
なっている。
【0088】ここで、本実施の形態では、コントローラ
42内において配分比α' の変化を演算する処理が制動
力配分比変化検出手段に対応し、弾性ブッシュ20,2
2がアクチュエータに対応する。
【0089】図9は本発明の第4の実施の形態を示す図
であり、弾性ブッシュ20を貫通するボルト20Dを変
位させる構造を示す概略断面図である。なお、全体的な
構成は上記第1の実施の形態と同様であるため、その図
示及び説明は省略する。また、弾性ブッシュ22の構成
は、制御圧の導入位置が上下逆になっていることを除い
ては弾性ブッシュ20と同様であるため、その図示及び
説明は省略する。
【0090】即ち、本実施の形態は、油圧ポンプ40や
コントローラ42等を備える上記第3の実施の形態に、
油圧シリンダ32によって弾性ブッシュ20のボルト2
0Dを上下変位させる上記第2の実施の形態を組み合わ
せたものである。従って、本実施の形態であれば、上記
第1の実施の形態の作用効果が発揮されるとともに、上
記第2の実施の形態の利点及び第3の実施の形態の利点
の両方が得られる。
【0091】図10は本発明の第5の実施の形態を示す
図であって、上記第1の実施の形態における図5と同様
のブレーキ系統の回路図である。なお、全体的な構成は
上記第1の実施の形態と同様であるため、その図示及び
説明は省略する。また、上記第1の実施の形態と同様の
構成には、同じ符号を付し、その重複する説明は省略す
る。
【0092】即ち、本実施の形態では、前輪側配管5F
及び後輪側配管5Rのシリンダ部3及びシリンダ部4よ
りも弾性ブッシュ20,22側の位置に、マスタシリン
ダ2側から入力される圧力を増圧して弾性ブッシュ2
0,22側に吐出するようになっている油圧ブースタ4
5F,45Rを設けている。なお、油圧ブースタ45
F,45Rには、図示しない油圧源からの高圧油や空気
吸入負圧等が供給されるようになっている。
【0093】このような構成であれば、例えばサスペン
ション特性の制約からゴム弾性体20B,22Bの剛性
が下げられないため、ブレーキ液圧Pf 及びPr の差圧
ではボルト孔20C,22Cを十分に上下動できないよ
うな場合であっても、油圧ブースタ45F,45Rによ
る増圧作用によって空洞部20U及び20L間の差圧や
空洞部22U及び22L間の差圧を大きくできるから、
ボルト孔20C,22Cを十分に上下方向に変位させる
ことができるようになる。また、新たに付加されるのが
機械的な構成であるため、比較的低コストで済むという
利点もある。その他の作用効果は上記第1の実施の形態
と同様である。
【0094】なお、上記各実施の形態では、本発明に係
る車両用サスペンションをダブルウイッシュボーン式サ
スペンションに適用した場合について説明しているが、
本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、他
の形式のサスペンションであっても当然に適用可能であ
る。
【0095】例えば、図11は、前輪WF 側のサスペン
ションの概略構成を示す側面図であり、ストラット式サ
スペンションに本発明を適用したものである。つまり、
図2に示した上記第1の実施の形態の構成における上側
のAアーム10の代わりに、リンク部材としてのショッ
クアブソーバ46を用いている。そして、ショックアブ
ソーバ46の上端側の取付点46Aを、上記第1の実施
の形態や第2の実施の形態で示したような弾性ブッシュ
20,22を介して車体側に連結することにより、車両
前後方向に変位できるようにしている。このような構成
であれば、前輪WF 側の制動力の配分比α' の増大に応
じて、Aアーム11の車体側の取付点11B及び11C
を上記第1の実施の形態と同様に上下変位させるととも
に、取付点46Aを車両前方に変位させれば、回転中心
F は略車両後方に変位し、角度βf が縮小方向に変化
するから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果が得
られるようになる。
【0096】図12は、後輪WR 側のサスペンションの
概略構成を示す側面図であって、トレーリングアーム式
サスペンションに本発明を適用したものであり、リンク
部材としてのトレーリングアーム47の車体側取付点
を、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態で示した
ような弾性ブッシュ20,22を介して車体側に連結す
ることにより、車両上下方向に変位できるようにしてい
る。このような構成であれば、前輪WF 側の制動力の配
分比α' の増大に応じて、トレーリングアーム47の車
体側取付点を上方に変位させれば、回転中心CR は略上
方に変位し、角度βr が増大方向に変化するから、上記
第1の実施の形態と同様の作用効果が得られるようにな
る。
【0097】図13は、後輪WR 側のサスペンションの
概略構成を示す側面図であって、トレーリングリンク式
ダブルウイッシュボーンサスペンションに本発明を適用
したものであり、後輪WR を回転自在に支持するアクス
ルハウジングの上部と車体側との間に略車両前後方向に
伸びるリンク部材としてのトレーリングリンク48を介
在させ、アクスルハウジングの下部と車体側との間に上
記第1の実施の形態と同様のAアーム14を介在させて
いる。トレーリングリンク48は、その前端部が車体側
への取付点48Aであり、その後端部がアクスルハウジ
ングへの取付点48Bであって、これら取付点48A,
48Bを、上記第1の実施の形態や第2の実施の形態で
示したような弾性ブッシュ20,22を介して車体側又
はアクスルハウジングに連結することにより、車両上下
方向に変位できるようにしている。このような構成であ
れば、前輪WF 側の制動力の配分比α' の増大に応じ
て、Aアーム14の車体側の取付点14B及び14Cを
上記第1の実施の形態と同様に上下変位させるととも
に、トレーリングリンク48の前側の取付点48Aを下
方に変位させ、後側の取付点48Bを上方に変位させれ
ば、回転中心CR は略車両後方に変位し角度βr が増大
方向に変化するから、上記第1の実施の形態と同様の作
用効果が得られるようになる。
【0098】図14は、後輪WR 側のサスペンションの
概略構成を示す側面図であって、図13に示した例と同
様にトレーリングリンク式ダブルウイッシュボーンサス
ペンションに本発明を適用したものであるが、トレーリ
ングリンク48を下方に、Aアーム13を上方に位置さ
せている点が異なっている。このような構成であって
も、前輪WF 側の制動力の配分比α' の増大に応じて、
Aアーム13の車体側の取付点13B及び13Cを上記
第1の実施の形態と同様に上下変位させるとともに、ト
レーリングリンク48の前側の取付点48Aを上方に変
位させ、後側の取付点48Bを下方に変位させれば、回
転中心CR は略車両後方に変位し角度βrが増大方向に
変化するから、上記第1の実施の形態と同様の作用効果
が得られるようになる。
【0099】ここで、弾性ブッシュ20,22に十分な
上下変位を与えるためには、その弾性ブッシュ20,2
2のゴム弾性体20B,22Bとして材質の柔らかいも
のを採用する必要があるが、ゴム弾性体20B,22B
自体を柔らかくしてしまうと上下方向のみならず、左右
方向の剛性も低くなってしまい、キャンバ剛性等の低下
にも繋がってしまい、他の対策が必要になる。そこで、
例えば弾性ブッシュ20として、図15に示すような構
造が考えられる。なお、弾性ブッシュ22は、ブレーキ
液圧Pf 及びPr の導入位置が上下逆になっていること
を除いては弾性ブッシュ20と同様であるため、その図
示及び説明は省略する。
【0100】即ち、図15に示す弾性ブッシュ20は、
ゴム弾性体20B内に、上下の中空部20U,20Lの
他に、ボルト20Dを左右から距離を隔てて挟み込むよ
うに、円弧状に僅かに屈曲した二枚の金属板20E,2
0Fを埋め込んでいる。このような構成であれば、上下
方向の剛性は柔らかいまま、左右方向の剛性を硬くする
ことができるから、キャンバ剛性の低下等を招かないで
済むようになる。
【0101】また、中空部20U,20Lの形状の加工
誤差やゴム弾性体20Bの材質に不均一さが存在する場
合には、それら中空部20U,20Lの内圧に差が生じ
てもボルト20Dが垂直に移動せず、例えば斜め方向に
傾いて移動してしまい、所望の上下方向変位が確保でき
ないことが懸念されるが、図15のような構成であれ
ば、横方向の剛性が強くなっているため、斜め方向への
ズレを最小限に抑えることができるという利点もある。
【0102】図16は、上記第3の実施の形態の変形例
を示す図であって、弾性ブッシュ20のゴム弾性体20
B内に、上下の中空部20U,20Lを形成するととも
に、図15の場合と同様に二枚の金属板20E,20F
を埋め込んだものである。なお、中空部20U,20L
は大気圧に通じている。
【0103】そして、中空部20U,20Lを設けてい
るため、上下方向の剛性を低くできるから、小さな油圧
でも効率よく十分な上下方向変位を得ることができる。
また、金属板20E,20Fを埋め込んでいるため、横
方向の剛性を確保できるから、キャンバ剛性の低下等を
招かないで済むようになる。金属板20E,20Fを設
けた分だけ横方向の剛性を確保できるということは、横
方向の剛性が従来通りでよければ、それだけゴム弾性体
20B自体の剛性を落とせるということであり、ゴム弾
性体20Bが柔らかくなれば、それだけ小さな油圧で十
分な上下方向変位を確保できるから、さらに効率が良く
なるという利点もある。
【0104】従って、中空部20U,20L及び金属板
20E,20Fの両方を備えるこの図16の構成では、
極めて効率のよい制御が行うことができる。ここで、弾
性ブッシュ20,22による上下方向変位をさらに大き
くする必要がある場合には、図17に示すような構造を
採用するとよい。図17は、弾性ブッシュ22の構成を
示しているが、弾性ブッシュ20は、ブレーキ液圧Pf
及びPr の導入位置が上下逆になっており、且つ、中空
部20U,20Lの厚さ関係が逆になっていることを除
いては弾性ブッシュ20と同様であるため、その図示及
び説明は省略する。
【0105】即ち、弾性ブッシュ22は、ブレーキ液圧
f ,Pr の差圧の増大に応じてボルト22Dを下降さ
せるものであるから、初期状態での中空部22Uを薄
く、初期状態での中空部22Lを厚くしている。つま
り、ボルト22Dは、中空部22Uの拡大及び中空部2
2Lの縮小によって下降するのであるから、それら中空
部22U,22Lの厚さに上記のような差を与えておけ
ば、それだけ拡大範囲,縮小範囲が大きくなって、ボル
ト22Dの上下方向変位を大きくできるのである。従っ
て、弾性ブッシュ20の場合には、初期状態での中空部
22Uを厚く、初期状態での中空部22Lを薄くすれば
よい。
【0106】また、上記各実施の形態では、初期状態に
おけるアンチダイブ率ηf0及びアンチリフト率ηr0が共
に1である車両に本発明を適用した場合について説明し
ているが、自然な感覚を残すために、図24及び図25
のそれぞれに特性Bで示すように、制動時に車体前部に
ダイブが車体後部にリフトが生じるように設計している
車両であっても、本発明は適用可能である。そして、そ
のような車両に本発明を適用すれば、車体前部の挙動が
途中から逆転したり、車体後部の挙動が途中から急激に
なってしまうようなことを防止できるから、車両乗り心
地を向上することができる。
【0107】そして、上記各実施の形態では、例えばA
アーム10の二つの車体側の取付点10B,10Cのそ
れぞれを上下変位させることにより、その車体側端部の
揺動中心軸S10を移動させるようにしているが、これに
限定されるものではなく、取付点10B及び10Cのい
ずれか一方を適宜上下変位させることにより、揺動中心
軸S10を移動させるようにしてもよい。なお、取付点1
0B及び10Cのいずれか一方を適宜上下変位させる場
合、揺動中心軸S10を十分移動させるためには例えばゴ
ム弾性体20B,22Bの剛性を低くすればよい。この
ような構成とすれば、構成が簡易になって低コストで済
むという利点がある。他のAアーム11,13,14に
ついても同様である。
【0108】さらに、上記各実施の形態では、前輪WF
側の制動力の配分比α' の増大に応じて、前輪WF 側の
サスペンションを構成するリンク部材の回転中心CF
び後輪WR 側のサスペンションを構成するリンク部材の
回転中心CR の両方を移動させることにより、車体前部
の上下動及び車体後部の上下動を防止するようにしてい
るが、回転中心CF 及びCR のいずれか一方のみを移動
させるようにしても、車体前部又は車体後部の一方の上
下変位を防止できるから、従来のサスペンションに比べ
て車両姿勢を良好にできる効果がある。
【0109】また、上記第3,第4の実施の形態では、
二つの液圧センサ43F,43Rが検出した前後輪のブ
レーキ液圧Pf 及びPr に基づき、上記(6)式に従っ
て配分比α' を演算し、その結果に基づいて配分比の変
化を検出するようにしているが、配分比の変化を検出す
る手段はこれに限定されるものではない。
【0110】例えば、ブレーキ液圧Pf 及びPr の一方
のみを検出し、他方のブレーキ液圧は図20のような特
性に基づいて推定し、それら検出結果及び推定結果に基
づいて上記(6)式に従って配分比α' を演算し、その
結果に基づいて配分比の変化を推定するようにしてもよ
い。
【0111】また、ブレーキペダル1の踏力を検出し、
そのブレーキ踏力から前輪側のブレーキ液圧Pf を推定
し、ブレーキ液圧Pf から後輪側のブレーキ液圧Pr
推定し、それら推定結果から配分比の変化を推定するよ
うにしてもよい。
【0112】そして、車両前後方向加速度を検出する前
後加速度センサを有する場合には、その加速度が減速方
向の加速度であれば車両が制動中であることが判り、そ
の加速度の大きさから車両全体の制動力が推定できる。
そして、その車両全体の制動力から前後輪間の制動力の
配分比を推定し、配分比の変化を推定するようにしても
よい。
【0113】さらに、Aアーム10〜14等のリンク部
材の軸力を検出する歪ゲージ等を設けるとともに、その
歪ゲージの検出結果から制動力の配分比を推定してもよ
い。つまり、制動力が車輪に作用すると、その制動力に
応じた力が、車輪と車体との間に介在するリンク部材に
入力されるから、リンク部材の軸力を検出し、制動力と
リンクの軸力との関係を予め把握してマップ等にしてお
くことにより、制動力を推定することができる。そし
て、前後輪それぞれのリンク部材について軸力を測定す
れば、その測定結果から制動力の配分比の変化を推定で
きるし、前輪側又は後輪側の一方のリンク部材について
のみ軸力を測定した場合でも、推定された制動力から他
方の車輪側の制動力も推定できるから、やはり制動力の
配分比の変化を推定できる。
【0114】また、車体に弾性支持されたサスペンショ
ンメンバを有する車両の場合、制動時にリンク部材に入
力される軸力によってそのサスペンションメンバにも前
後方向の変位が生じるから、サスペンションメンバの前
後方向変位に基づいて、配分比の変化を推定するように
してもよい。
【0115】さらに、プロポーショニングバルブ6を有
する車両の場合には、そのプロポーショニングバルブ6
の移動量に基づいてブレーキ液圧Pf ,Pr を推定し、
制動力の配分比の変化を推定するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における車両概略側
面図である。
【図2】第1の実施の形態における前輪側サスペンショ
ンの概略構成図である。
【図3】第1の実施の形態における前輪側サスペンショ
ンの斜視図である。
【図4】第1の実施の形態における後輪側サスペンショ
ンの概略構成図である。
【図5】第1の実施の形態におけるブレーキ系統の回路
図である。
【図6】第1の実施の形態の作用を説明する断面図であ
る。
【図7】第2の実施の形態の構成を示す断面図である。
【図8】第3の実施の形態におけるブレーキ系統の回路
図である。
【図9】第4の実施の形態におけるブレーキ系統の回路
図である。
【図10】第5の実施の形態におけるブレーキ系統の回
路図である。
【図11】本発明の他の適用例を示す前輪側サスペンシ
ョンの概略構成図である。
【図12】本発明の他の適用例を示す後輪側サスペンシ
ョンの概略構成図である。
【図13】本発明の他の適用例を示す後輪側サスペンシ
ョンの概略構成図である。
【図14】本発明の他の適用例を示す後輪側サスペンシ
ョンの概略構成図である。
【図15】弾性ブッシュの変形例を示す断面図である。
【図16】弾性ブッシュの変形例を示す断面図である。
【図17】弾性ブッシュの変形例を示す断面図である。
【図18】制動時の車両の挙動を説明する車両概略側面
図である。
【図19】一般的なブレーキ系統の回路図である。
【図20】プロポーショニングバルブの特性図である。
【図21】従来の問題点を説明する車両概略側面図であ
る。
【図22】制動時の前輪の挙動を説明する概略側面図で
ある。
【図23】従来の問題点を説明する車両概略側面図であ
る。
【図24】ブレーキ踏力と車体前部の挙動との関係を示
すグラフである。
【図25】ブレーキ踏力と車体後部の挙動との関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル 2 マスタシリンダ 3,4 シリンダ部 5 油圧配管 5F 前輪側配管 5R 後輪側配管 6 プロポーショニングバルブ(制動力配
分比可変手段) 10 Aアーム(リンク部材) 11 Aアーム(リンク部材) 13 Aアーム(リンク部材) 14 Aアーム(リンク部材) 20,22 弾性ブッシュ 30 車体 32 油圧シリンダ 40 油圧ポンプ 41 圧力制御弁 42 コントローラ 43F,43R 液圧センサ 47 トレーリングアーム(リンク部材) 48 トレーリングリンク(リンク部材)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪側及び後輪側間の制動力の配分比を
    変更可能な車両に用いられるサスペンションであって、
    前輪側の制動力の配分比の増大に応じて、前輪側サスペ
    ンションのアンチダイブ傾向を弱くすること及び後輪側
    サスペンションのアンチリフト傾向を強くすることの一
    方若しくは両方を行うようになっていることを特徴とす
    る車両用サスペンション。
  2. 【請求項2】 前輪側及び後輪側間における制動力の配
    分比を変更可能な制動力配分比可変手段と、前輪側サス
    ペンションを構成するリンク部材の車両側面視における
    回転中心を移動可能な回転中心移動手段と、を備え、前
    記回転中心移動手段は、前輪側の制動力の配分比の増大
    に応じて、前記回転中心を、前輪側サスペンションのア
    ンチダイブ傾向が弱くなる方向に移動させるようになっ
    ていることを特徴とする車両用サスペンション。
  3. 【請求項3】 前輪側及び後輪側間における制動力の配
    分比を変更可能な制動力配分比可変手段と、後輪側サス
    ペンションを構成するリンク部材の車両側面視における
    回転中心を移動可能な回転中心移動手段と、を備え、前
    記回転中心移動手段は、前輪側の制動力の配分比の増大
    に応じて、前記回転中心を、後輪側サスペンションのア
    ンチリフト傾向が強くなる方向に移動させるようになっ
    ていることを特徴とする車両用サスペンション。
  4. 【請求項4】 前輪側及び後輪側間における制動力の配
    分比を変更可能な制動力配分比可変手段と、前輪側サス
    ペンションを構成するリンク部材の車両側面視における
    回転中心及び後輪側サスペンションを構成するリンク部
    材の車両側面視における回転中心を移動可能な回転中心
    移動手段と、を備え、前記回転中心移動手段は、前輪側
    の制動力の配分比の増大に応じて、前輪側の前記回転中
    心を、前輪側サスペンションのアンチダイブ傾向が弱く
    なる方向に移動させ、且つ、後輪側の前記回転中心を、
    後輪側サスペンションのアンチリフト傾向が強くなる方
    向に移動させるようになっていることを特徴とする車両
    用サスペンション。
  5. 【請求項5】 前記回転中心移動手段は、前記リンク部
    材の車体側端部の揺動中心軸を移動させることにより、
    前記回転中心を移動させるようになっている請求項2乃
    至請求項4のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  6. 【請求項6】 前記回転中心移動手段は、前輪側のブレ
    ーキ液圧と後輪側のブレーキ液圧との差圧を利用して、
    前記回転中心を移動させるようになっている請求項2乃
    至請求項5のいずれかに記載の車両用サスペンション。
  7. 【請求項7】 前記回転中心移動手段は、前輪側及び後
    輪側間の制動力の配分比の変化を検出する制動力配分比
    変化検出手段と、前記リンク部材の車体側端部の揺動中
    心軸を移動可能なアクチュエータと、前記制動力配分比
    変化検出手段の検出結果に応じて前記アクチュエータを
    駆動させるコントローラと、を備えた請求項5に記載の
    車両用サスペンション。
  8. 【請求項8】 前記制動力配分比変化検出手段は、前輪
    側のブレーキ液圧及び後輪側のブレーキ液圧の少なくと
    も一方を検出し、その検出結果に基づいて前記制動力の
    配分比の変化を演算するようになっている請求項7記載
    の車両用サスペンション。
  9. 【請求項9】 前記制動力配分比変化検出手段は、ブレ
    ーキ踏力,車両前後方向加速度及び前記リンク部材の軸
    力のうちの少なくとも一つを検出し、その検出結果に基
    づいて前記制動力の配分比の変化を推定するようになっ
    ている請求項7記載の車両用サスペンション。
  10. 【請求項10】 車体に弾性支持されたサスペンション
    メンバを有し、前記制動力配分比変化検出手段は、前記
    サスペンションメンバの前後方向変位を検出し、その検
    出結果に基づいて前記制動力の配分比の変化を推定する
    ようになっている請求項7記載の車両用サスペンショ
    ン。
  11. 【請求項11】 ブレーキ系油圧配管にプロポーショニ
    ングバルブを有し、前記制動力配分比変化検出手段は、
    前記プロポーショニングバルブの移動量を検出し、その
    検出結果に基づいて前記制動力の配分比の変化を推定す
    るようになっている請求項7記載の車両用サスペンショ
    ン。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007022404A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Advics:Kk アンチスキッド制御装置
JP2011143884A (ja) * 2010-01-18 2011-07-28 Advics Co Ltd 車輪の制動力推定装置、及び、該装置を備えた車両の運動制御装置
CN107206979A (zh) * 2014-12-19 2017-09-26 大陆-特韦斯股份有限公司 在紧急制动或者全制动的情况下的制动方法
WO2024248055A1 (ja) * 2023-05-31 2024-12-05 株式会社アドヴィックス 車両姿勢制御装置

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