JPH1044493A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

Info

Publication number
JPH1044493A
JPH1044493A JP20743896A JP20743896A JPH1044493A JP H1044493 A JPH1044493 A JP H1044493A JP 20743896 A JP20743896 A JP 20743896A JP 20743896 A JP20743896 A JP 20743896A JP H1044493 A JPH1044493 A JP H1044493A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
developer
carrier
potential
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20743896A
Other languages
English (en)
Inventor
Shiro Wakahara
史郎 若原
Nobuhiko Nakano
暢彦 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP20743896A priority Critical patent/JPH1044493A/ja
Publication of JPH1044493A publication Critical patent/JPH1044493A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 除去ローラ24に付着したトナー21を簡単
な構成にて容易に除去できるようにする。 【解決手段】 トナー21を担持するトナー担持体22
と、トナー担持体22に対向配置された対向電極31
と、これら両者間に設けられ、トナー担持体22から対
向電極31方向へのトナー21の通過を、印加される電
位により制御する制御電極39と、トナー担持体22の
トナー担持面と対向配置され、金属基体の表面にその表
面を滑らかにする硬質のコート層を設けて形成され、ト
ナー担持体22のトナー担持面と相対移動する除去ロー
ラ24と、除去ローラ24の金属基体に、トナー担持体
22との付着力が弱いトナー21を除去ローラ24の表
面に電気力により吸着させるための電位を供給する除去
電源29とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル複写機
およびファクシミリ装置等の印字部、ディジタルプリン
タ、あるいはプロッタ等に適用され、顕像剤担持体から
記録媒体上への顕像剤の飛翔を制御することにより、記
録媒体上に画像を形成する画像形成装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、顕像剤であるトナーを記録媒体で
ある用紙上に直接飛翔させることにより、用紙上に画像
を形成する画像形成装置が提案されている。この画像形
成装置では、例えば特開昭63−123060号や特開
平7−178953号に開示されているように、トナー
が、付与された電界にて生じる電気力により飛翔し、そ
の飛翔路に配置された制御電極により上記トナーの飛翔
が画像信号に応じて制御される。
【0003】具体的には、上記トナーは、トナー担持体
から制御電極を経て対向電極上の用紙上に飛翔する。上
記トナー担持体と対向電極との間には、上記電界を発生
させるための電圧が印加される。制御電極には複数の開
口部、即ちゲートが形成され、トナーは上記ゲートを通
過して用紙に達する。制御電極の電位は、トナーを通過
させる電位(トナーを飛翔させる電位)と通過を阻止す
る電位(トナーを飛翔させない電位)とに画像信号に応
じて切り換えられ、これによりトナーの飛翔が制御され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、トナー
を直接用紙上に飛翔させて画像形成する画像形成装置で
は、トナー担持体に担持されたトナーの特性が、形成さ
れる画像と画像形成装置の構成とに大きく影響する。
【0005】例えば、トナーの特性により、飛翔するト
ナー量が制御電極に印加した電位の変化に応じて徐々に
しか変化しないような場合、トナーを飛翔させる電位
(以下、トナー飛翔電位と称する)とトナーを飛翔させ
ない電位(以下、トナー飛翔阻止電位と称する)との電
位差を大きくしなければならない。このように電位差が
大きくなると、前記両電位を切り換える切換え手段、例
えばFETの耐圧を大きくしなければならない。これに
より、FETのコストアップは言うまでもなく、使用す
る電源の電圧が高くなり、さらに、制御電極および各部
配線の絶縁性を高める必要がある。この結果、部品点数
の増加と、装置の大型化およびコストアップとは避ける
ことができない。
【0006】一方、使用するFETの耐圧を高くしない
ようにするためには、例えばトナー飛翔阻止電位を十分
に与えた場合に、トナー飛翔電位を抑制せざるを得な
い。この場合には、トナー飛翔電位、即ちトナーを飛翔
させる電界が不十分となり、トナー担持体の表面に担持
されたトナーが十分に飛翔しない。この結果、形成され
る画像は、ドットに十分な濃度が得られず、コントラス
トの低いぼやけたものとなる。
【0007】また、使用するFETの耐圧を高くしない
ようにするためには、逆に、トナー飛翔電位を十分に与
えた場合に、トナー飛翔阻止電位を抑制せざるを得な
い。この場合には、トナーを飛翔させない電界が不十分
となり、トナーの飛翔を十分に抑制できず、画像にカブ
リを生じる。この結果、形成される画像は、ドットに十
分な濃度が得られるものの、白地部の濃度が高くなり、
結果的にコントラストの低いぼやけた画像となる。この
場合には、さらにハーフトーンの再現が不十分となる。
【0008】トナー飛翔阻止電位を抑制した場合には、
また、対向電極表面に用紙が存在しない場合において、
制御電極にトナー飛翔阻止電位を印加しても、トナーが
対向電極表面に付着してしまう。この結果、用紙が対向
電極上に搬送されたときに記録媒体の裏汚れが発生す
る。さらには、対向電極に付着したトナーによって対向
電極の見かけの電位が変化し、トナー飛翔制御が十分に
行えなくなるなどの不具合を招来する。
【0009】トナー飛翔阻止電位を抑制した場合には、
さらに、トナー担持体表面から飛翔したトナーが制御電
極あるいはゲート内部に付着し易くなる。この場合に
は、付着したトナーの電荷によってトナー担持体上のト
ナーからみた制御電極の見かけの電位が変化する。具体
的には制御電極の電位はトナーが飛翔しない電位に近く
なるように変化する。このため、制御電極にトナーを飛
翔させるための所定電位を印加してもトナー担持体から
のトナーの飛翔が生じないことになる。また、ゲート内
部にトナーが付着した場合には、トナーによりゲートが
目詰まりし、構造的にトナーの飛翔が困難になる。この
場合には、ドット形成動作が不可能となり、印字不良、
即ち画像欠落が生じる。
【0010】また、逆帯電トナーがトナー担持体表面に
存在する場合は、上に列記した不具合と同等の不具合が
発生する。
【0011】また、トナー担持体表面に存在するトナー
の帯電量が不均一な場合には、トナー飛翔電位を制御電
極に印加すると、相対的に飛翔し易い帯電量のトナー、
即ちトナー担持体に対する付着力が小さいトナーから順
次対向電極方向へ飛翔していく。従ってトナーが総て飛
翔するのに必要な時間は単純にトナーがトナー担持体か
ら用紙上に飛翔する時間よりも長くなる。このため、1
画素分の画像を形成するのに必要な時間が長くなる。こ
の結果、ある一定値以上の印字速度のアップが困難であ
るとともに、印字解像度の向上も困難となる。尚、この
ような問題は、1個のゲートを制御するのに1個の電極
を使用するシングルドライブタイプの場合において顕著
となる。
【0012】また、このシングルドライブタイプの場合
には、使用するトランジスタの個数が非常に多くなる。
そこで、トランジスタの個数を削減して大幅なコストダ
ウンが可能なマトリックスドライブの検討も行われてい
る。しかしながら、マトリックスドライブでは、次のよ
うな不具合が発生する。
【0013】即ち、マトリックスドライブでは、基本的
に、トナーの飛翔制御がゲートに設けられた電極に印加
される電位の組み合わせによって行われる。例えば、最
も単純なXYマトリックスにおいては、ゲートに設けら
れた2個の制御電極の両方がONの場合にトナーがゲー
トを通過する。これに対し、どちらか一方の制御電極が
OFFの場合には、トナーがゲートを通過できない。
【0014】しかしながら、前述した付着力の弱いトナ
ーがトナー担持体におけるゲートとの対向領域に存在す
る場合には、トナーを飛翔させない状態において一方の
制御電極にONの電位が印加されていると、トナーがゲ
ートを通過し、用紙に付着する事態が生じる。このよう
なトナー漏れによるカブリを生じる事態は、両方の制御
電極にOFFの電位が印加される画像の白ベタ部等にお
いては生じないものの、印字データが存在する文字や図
形の近傍では、トナーを飛翔させない状態であっても制
御電極の一方にONの電位が印加されるため、文字や図
形の周辺に上記漏れトナーが発生することになる。この
結果、画像はコントラストの低いぼやけたものとなる。
【0015】この不具合を回避するためには次の〜
の方法が容易に考えられる。 OFF電位としてより高い電位を印加する。 制御電極をトナー担持体に近付ける。 マトリックス電極を構成する両制御電極の間隔を狭く
する。 帯電量やトナー層厚等のトナーの物性値を調整する。 しかしながら、これらの方法は、次のような点から採用
することができない。即ち、上記の方法では、トナー
飛翔阻止電位とトナー飛翔電位との電位差がさらに大き
くなり、前述の問題点が助長される。方法では、使用
する制御電極とトナー担持体との距離精度に非常に高精
度が必要なばかりか、方法の場合と同様、制御電極の
絶縁性をさらに高める必要がある。この結果、制御電極
のコストアップと歩留まりの低下が免れない。また方法
のように、使用するトナーの物性値を調整すれば、上
記問題についてある程度の緩和が可能である。しかしな
がら、帯電量等のトナー物性値は、調整が非常に困難な
上に、環境等による変動が不可避である。従って、この
方法は実際上、非常に困難である。
【0016】以上の不具合を回避するために、上記の特
開昭63−123060号では、次のような構成が提案
されている。即ち、この構成では、ローラ形状の第1と
第2との2個のトナー担持体を備え、第1のトナー担持
体から第2のトナー担持体へ一度トナーを飛翔させて適
正な特性のトナーを選別している。その後、選別された
適正なトナーだけを第2のトナー担持体から飛翔させて
画像形成を行っている。
【0017】さらに具体的に説明すると、上記構成で
は、第1トナー担持体と第2トナー担持体とが適当な電
位差を持って対向配置され、第1トナー担持体にトナー
層を形成し、このトナー層のトナーを上記電位差により
生じる電界にて第2トナー担持体に飛翔させる。第1ト
ナー担持体から第2トナー担持体に飛翔するのは適正な
帯電特性を有したトナーのみであり、逆帯電トナー等の
不適正なトナーは第1トナー担持体に残る。その後、第
2トナー担持体のトナーは、画像形成領域に搬送され、
記録媒体に飛翔して画像を形成する。
【0018】上記のような構成では、第2トナー担持体
の表面に適正なトナーのみからなるトナー層が形成され
るように思われる。しかしながら、実際には次のような
理由から、第2トナー担持体の表面に逆帯電トナーなど
の不適正なトナーが存在することになる。
【0019】第1の理由は、トナー飛翔に伴う帯電量変
化である。即ち、トナーは、第1トナー担持体から第2
トナー担持体に飛翔した際、第2トナー担持体表面ある
いは先に第2トナー担持体に飛翔しているトナーに衝突
する。この場合には、飛翔トナーと第2トナー担持体表
面との間、あるいは飛翔トナーと衝突されたトナーとの
間に摩擦が生じる。この摩擦あるいは衝突による衝撃に
より、衝突したトナーあるいは衝突されたトナーの電荷
等の状態は、第1トナー担持体上に担持されていたとき
の状態と比較して変化し易くなる。このような変化が生
じた場合、これらのトナーは、前記不適正なトナーとな
ることがある。
【0020】第2の理由は、トナー飛翔に伴うトナー塊
の崩壊である。即ち、一般的にトナー、特に逆帯電トナ
ーは単独で存在するよりも正帯電トナーと結合してトナ
ー塊を形成している場合が少なくない。このトナー塊は
逆帯電などの不良帯電トナーの電荷と良帯電トナーとの
電荷の差し引きの電荷量がトナー帯電量となって現れ
る。トナー塊が示す帯電量が良好な場合は、逆帯電トナ
ー等の不良帯電トナーと良帯電トナーとの電荷が打ち消
し合い、たまたま良好な帯電量を表す場合が殆どであ
る。このようなトナー塊は、第1トナー担持体から第2
トナー担持体に飛翔した場合に、第2トナー担持体表
面、あるいは先に第2トナー担持体に飛翔しているトナ
ーと衝突し、崩壊する。この崩壊により、第2トナー担
持体表面には、逆帯電トナー、または必要以上に高帯電
もしくは低帯電のトナー等の不良帯電トナー、即ち不適
正なトナーが生じることになる。
【0021】上記のように、特開昭63−123060
号の構成においても、不適性なトナーが第2トナー担持
体表面に担持されることになる。従って、この構成にお
いても、前述した従来の問題点を同様に有している。
【0022】一方、上記の特開平7−178953号で
は、トナー担持体から対向電極方向へのトナーの飛翔を
制御電極にて制御する構成において、トナー担持体に対
して付着力の弱いトナーを、トナー担持体に対向して設
けられた除去ローラにて予め除去している。このような
構成では、上記の各問題を解決することが可能となって
いる。
【0023】しかしながら、特開平7−178953号
では、上記除去ローラとして適正な材質や特性等につい
ては、十分に検討されていない。
【0024】例えば、上記除去ローラとしてゴムローラ
を使用した場合には、付着したトナーをブレード等の簡
単な部材によって除去することが困難である。また、ト
ナー担持体の表面に適当な層厚のトナー層を確保するた
めに、上記除去ローラの表面はトナー担持体の表面に対
して所定の間隙を確保する必要がある。しかしながら、
表面に大きな凹凸が生じるゴムローラでは、必要な寸法
制度を得難く、上記トナー層が破壊される虞がある。さ
らに、上記除去ローラが上記トナー層と接触した場合
に、除去ローラとトナー層との摩擦により除去ローラの
表面に電荷が蓄積される。この結果、除去ローラから所
望の電界がトナー層に付与されず、不適正トナーの除去
を良好に行うことができなくなる。
【0025】また、除去ローラとして金属ローラを使用
した場合には、金属ローラの表面にトナーが固着し易く
なる。また、除去ローラに印加される電位が直接的にト
ナーに付与されるので、トナーの帯電量が影響を受け易
くなる。さらに、除去ローラとトナー担持体表面やトナ
ー担持体に担持されているトナーとの間に微視的な放電
が発生し易く、トナーがトナー担持体や除去ローラに部
分的に固着する。このような固着が生じると、トナー担
持体において、トナー層が適切に形成されず、またトナ
ーの帯電量が不安定になる他、上記固着が発生した周辺
部では、トナーの搬送不良が発生し易くなる。上記の不
具合はトナー層に異物が混入した場合に顕著に発生す
る。この場合にはトナーの帯電量が所望の値ではなくな
り、正常なトナー飛翔制御が困難あるいは不能となって
画像劣化や画像欠落などの不具合を生じる。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の画像形成装置は、顕像剤を担持
する顕像剤担持体と、この顕像剤担持体に対向配置され
た対向電極と、これら顕像剤担持体と対向電極との間に
設けられ、顕像剤担持体から対向電極方向への顕像剤の
通過を、印加される電位により制御する制御電極と、前
記顕像剤担持体の顕像剤担持面と対向配置され、金属基
体の表面にその表面を滑らかにする硬質のコート層を設
けて形成され、前記顕像剤担持面と相対移動可能な除去
部材と、この除去部材の前記金属基体に、前記顕像剤担
持体との付着力が弱い顕像剤を前記除去部材の表面に電
気力により吸着させるための電位を供給する吸着電位供
給手段とを備えていることを特徴としている。
【0027】請求項1の構成によれば、顕像剤担持体の
表面に担持されている顕像剤のうち、顕像剤担持体との
付着力が弱い顕像剤、即ち弱付着顕像剤が予め除去部材
により顕像剤担持体の表面から除去される。従って、前
記弱付着顕像剤によって生じる画像のカブリ等の画像の
劣化を防止することができる。
【0028】前記除去部材により前記顕像剤の除去を行
う際、除去部材の表面には顕像剤が吸着される。この顕
像剤は、除去部材がその表面に表面を滑らかにする硬質
のコート層を有しているので、ブレード状の簡単な構造
の清掃部材により容易に除去することができる。従っ
て、除去部材の清掃機構を簡略化することができる。
【0029】請求項2の発明の画像形成装置は、請求項
1に記載の画像形成装置において、前記コート層の仕事
関数が、前記金属基体の仕事関数よりも高くなっている
ことを特徴としている。
【0030】請求項2の構成によれば、除去部材表面の
コート層の仕事関数が、金属基体の仕事関数よりも高く
なっているので、金属基体が露出している場合に生じる
ような、除去部材の表面と顕像剤担持体の表面もしくは
この表面に担持されている顕像剤との間の微視的な放電
の発生を防止することができる。従って、この放電によ
る顕像剤担持体への顕像剤の固着、およびこの固着によ
る顕像剤担持体での顕像剤の搬送不良、顕像剤の帯電量
の不安定化等の不具合、並びにこれらの不具合による画
質の劣化を防止することができる。
【0031】請求項3の発明の画像形成装置は、顕像剤
を担持する顕像剤担持体と、この顕像剤担持体に対向配
置された対向電極と、これら顕像剤担持体と対向電極と
の間に設けられ、顕像剤担持体から対向電極方向への顕
像剤の通過を、印加される電位により制御する制御電極
と、前記顕像剤担持体の顕像剤担持面と対向配置され、
金属基体の表面に電気抵抗体からなるコート層を設けて
形成され、前記顕像剤担持面と相対移動可能な除去部材
と、この除去部材の前記金属基体に、前記顕像剤担持体
との付着力が弱い顕像剤を前記除去部材の表面に電気力
により吸着させるための電位を供給する吸着電位供給手
段とを備えていることを特徴としている。
【0032】請求項3の構成によれば、顕像剤担持体の
表面に担持されている顕像剤のうち、弱付着顕像剤が予
め除去部材により顕像剤担持体の表面から除去される。
従って、前記弱付着顕像剤によって生じる画像のカブリ
等の画像の劣化を防止することができる。
【0033】また、金属基体が露出している場合に生じ
るような、除去部材の表面と顕像剤担持体の表面もしく
はこの表面に担持されている顕像剤との間の微視的な放
電の発生を防止することができる。従って、この放電に
よる顕像剤担持体への顕像剤の固着、およびこの固着に
よる顕像剤担持体での顕像剤の搬送不良、顕像剤の帯電
量の不安定化等の不具合、並びにこれらの不具合による
画質の劣化を防止することができる。
【0034】また、除去部材表面と顕像剤担持体表面に
担持されている顕像剤との摩擦により除去部材表面に電
荷が付与された場合、この電荷は電気抵抗体からなるコ
ート層および金属基体を通じて除去部材の表面から排除
される。従って、前記電荷が除去部材の表面に蓄積さ
れ、これにより除去部材の除去機能が低下する事態を防
止することができる。
【0035】請求項4の発明の画像形成装置は、請求項
1から3の何れかの発明の画像形成装置において、前記
顕像剤担持体が、その顕像剤担持面がこの面への顕像剤
供給位置と前記制御電極との対向位置との間を移動する
ものであり、前記顕像剤担持体による顕像剤移動方向に
おける、前記顕像剤供給位置の下流側かつ前記制御電極
との対向位置の上流側の位置に、顕像剤担持体表面の顕
像剤層の層厚を均一化する均一化部材が設けられ、前記
除去部材が、前記均一化部材の下流側かつ前記制御電極
との対向位置の上流側に設けられていることを特徴とし
ている。
【0036】請求項4の構成によれば、顕像剤担持体の
表面には顕像剤供給位置にて顕像剤が供給され、顕像剤
層が形成される。この顕像剤層は、顕像剤担持面の移動
に伴い、均一化部材と除去部材とを順次経由した後、制
御電極との対向位置に達する。前記均一化部材は前記顕
像剤層の層厚を均一化し、除去部材は前記顕像剤層に含
まれる、前記弱付着顕像剤を除去する。このような順序
で前記顕像剤層が均一化部材と除去部材とを経由するこ
とにより、顕像剤層の均一化後に顕像剤層の最表面に存
在する弱付着顕像剤を確実に除去することができる。即
ち、顕像剤層の最表面は、顕像剤層表面に付与される電
界の影響を最も受けやすく、この位置の弱付着顕像剤を
除去すれば、この弱付着顕像剤に起因するカブリ等の不
具合を適切に防止することができる。
【0037】これに対し、前記顕像剤層が均一化部材と
除去部材とを経由する順序が前記の場合と逆になってい
ると、即ち除去部材にて弱付着顕像剤が除去された後
に、均一化部材による前記顕像剤層の均一化が行われる
と、顕像剤層の表面に弱付着顕像剤が再度現れる可能性
がある。このような場合には、弱付着顕像剤に起因する
カブリ等の不具合を適切に防止することができない。
【0038】請求項5の発明の画像形成装置は、請求項
1から4の何れかの発明の画像形成装置において、前記
制御電極が、顕像剤担持体側に設けられた第1電極と対
向電極側に設けられた第2電極とを有し、これら第1お
よび第2電極には、顕像剤通過部となる開口部が形成さ
れ、前記第1電極の開口部径d1 と前記第2電極の開口
部径d2 との関係が、d1 >d2 に設定されていること
を特徴としている。
【0039】請求項5の構成によれば、第2電極の電位
が顕像剤担持体表面に担持されている顕像剤に影響し易
くなる。従って、制御電極に印加する、顕像剤の飛翔を
許容する飛翔電位と顕像剤の飛翔を阻止する飛翔阻止電
位との電位差が小さい場合であっても、顕像剤の飛翔制
御を確実に行うことが可能となる。これにより、前記飛
翔電位と飛翔阻止電位とを切り換える切換え手段、例え
ばFETの耐圧を低下させてそのコストダウンが可能と
なる。そして、画像形成装置には前記切換え手段が多数
個設けられているので、前記構成によって画像形成装置
の大幅なコストダウンが可能となる。
【0040】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図1ない
し図12に基づいて以下に説明する。尚、ここでは、負
帯電トナーに対応する構成について説明する。正帯電ト
ナーに対応する構成については、上記構成において適宜
各印加電位の極性を変更すればよい。
【0041】本画像形成装置は、顕像剤としてのトナー
を飛翔させて用紙に付着させるとともに、上記トナーの
飛翔を画像信号に基づいて制御することにより、用紙上
に画像信号に応じた画像を直接形成するものである。本
画像形成装置は、図1に示すように、上記動作を行う画
像形成部1、この画像形成部1に用紙を供給する給紙部
2、および画像形成部1にて用紙11上に形成されたト
ナー像を加熱および加圧することにより用紙11に定着
させる定着部3を備えている。
【0042】上記給紙部2は、画像形成部1への入紙
側、即ち画像形成部1の側方に設けられている。給紙部
2は、記録媒体としての用紙11…を収容する用紙カセ
ット12、この用紙カセット12から用紙11を送り出
すピックアップローラ13、および供給する用紙11を
ガイドする給紙ガイド14を備えている。また、給紙部
2は、用紙11が画像形成部1に供給されたことを検出
する給紙センサ(図示せず)を備えている。上記ピック
アップローラ13は、駆動装置(図示せず)によって回
転駆動される。
【0043】定着部3は、画像形成部1からの出紙側、
即ち画像形成部1の上記給紙部2側とは反対側の側方に
設けられている。定着部3は、加熱ローラ15、加圧ロ
ーラ16、温度センサ17および温度制御回路18を備
えている。加熱ローラ15は例えば厚さ2mmのアルミ
ニウム管からなる。加熱ローラ15は内部にヒータ15
aを備えている。このヒータ15aは例えばハロゲンラ
ンプからなる。加圧ローラ16は例えばシリコーン樹脂
からなる。
【0044】加熱ローラ15および加圧ローラ16は、
互いに対向して設けられ、これら両者間に供給された用
紙11を挟んで加圧することができるように、ばね等の
弾性部材(図示せず)よって対向方向に付勢されてい
る。この弾性部材は、両ローラ15・16における軸の
両端部に設けられ、用紙11に例えば2kgの荷重を加
えている。
【0045】温度センサ17は加熱ローラ15表面の温
度を測定する。温度制御回路18は、画像形成装置の主
制御部(図示せず)によって制御されており、温度セン
サ17の測定結果に基づいてヒータ15aのON/OF
F等を制御し、加熱ローラ15の表面温度を例えば15
0℃に保持する。
【0046】また、定着部3は、用紙11が定着部3か
ら排出されたことを検出する排紙センサ(図示せず)を
備えている。尚、加熱ローラ15の表面温度は、トナー
の材質等により適宜設定される。また、定着部3からの
用紙の出紙側には、定着部3で処理された用紙11を排
出する排紙ローラ(図示せず)、および排出された用紙
11を受ける排紙トレイ(図示せず)が設けられてい
る。上記の加熱ローラ15、加圧ローラ16、および排
紙ローラは、駆動装置(図示せず)によって回転駆動さ
れる。
【0047】画像形成部1はトナー供給部4と印字部5
とを備えている。トナー供給部4は、トナー収容槽2
0、顕像剤担持体であるトナー担持体22、均一化部材
であるドクターブレード23、除去部材である除去ロー
ラ24、除去ローラ24の支持部材25、清掃部材2
6、シール部材27・28および吸着電位供給手段であ
る除去電源29を備えている。
【0048】トナー収容槽20は、顕像剤としてのトナ
ー21を収容している。トナー21は、例えば平均粒径
が6μmの磁性トナーである。
【0049】トナー担持体22は、円筒状のスリーブを
外周部に有し、このスリーブが図示しない駆動装置によ
って矢印A方向に回転駆動される。この回転速度は、ト
ナー担持体22の表面での速度において例えば80mm
/secである。また、トナー担持体22は、接地され
ており、内部におけるドクターブレード23との対向位
置、および制御電極39との対向位置に、図示しない磁
石が配置されている。これら磁石の磁気力によりトナー
担持体22ではその外周面にトナー21を担持する。上
記外周面に担持されたトナー21は、上記外周面におけ
る上記磁石との対向位置にて穂立ちを形成する。トナー
担持体22にはトナー収容槽20におけるトナー供給部
20bにてトナー21が供給される。上記ドクターブレ
ード23はトナー供給部20bにおけるトナー担持体2
2の回転方向側の端部に設けられている。この位置は、
トナー担持体22の回転方向におけるトナー供給部20
bの下流側かつ除去ローラ24の上流側である。尚、ト
ナー担持体22は、電気力、または電気力および磁気力
によりトナー21を担持する構成となっていてもよい。
【0050】ドクターブレード23は、トナー収容槽2
0の内部に設けられ、トナー21を帯電させるととも
に、トナー担持体22の外周面に担持されるトナー層の
厚さを規制する。ドクターブレード23のトナー担持体
22に対する位置は、ドクターブレード23の先端部と
トナー担持体22の外周面との距離が例えば604mと
なるように設定されている。トナー21は、ドクタブレ
ード23により、例えば帯電量が−4〜−5μC/gと
なるように電荷が付与される。尚、この帯電量等は上記
設定値に特に限定されるものではない。また、ドクター
ブレード23とトナー担持体22との距離、および除去
ローラ24とトナー担持体22との距離は、上記設定値
に特に限定されるものではない。
【0051】除去ローラ24は、トナー担持体22の回
転方向におけるトナー供給部20bおよびドクターブレ
ード23と制御電極対向位置との間において、トナー担
持体22と対向配置されている。尚、上記制御電極対向
位置は、トナー担持体22が制御電極39と対向する位
置であり、図1においてはトナー担持体22の真下位置
である。除去ローラ24は、トナー収容槽20の隔壁2
0aの下端部の開口部において、回転可能に支持されて
いる。
【0052】除去ローラ24は、図2に示すように、ア
ルミニウム製のローラ状の金属基体である基体部24a
と、この基体部24aの表面に設けられたコート層であ
るフッ素樹脂層24bからなる。このフッ素樹脂層24
bの抵抗値は、108 Ω・cmとなっている。
【0053】コート層としてのフッ素樹脂層24bは、
基体部24aの表面へのフッ素樹脂材料の吹き付けある
いはデッピング等の方法により形成することができる。
フッ素樹脂層24bに適当な電気抵抗を付与するには、
フッ素樹脂層24bの形成材料に、カーボンブラック、
導電性ヒィラーあるいはイオン導電材料を混入させる。
フッ素樹脂層24bの厚さは、基体部24aの金属表面
が露出しなければよく、50〜100μmの範囲が適当
である。フッ素樹脂層24bの表面粗度は、トナー21
の清掃を良好に行う点から、できるだけ小さいのが好ま
しく、鏡面が理想的である。また、コート層の主な材料
としては、上記フッ素樹脂以外に、シリコン、ウレタン
あるいはアクリル等、トナー21あるいはトナー21の
外添剤に対して相溶性の無いものが使用可能である。
【0054】基体部24aの両端部には、削り出しによ
ってローラ軸24cが形成されている。さらに、基体部
24aの両端部には、カラー24dが形成されている。
除去ローラ24の表面は、上記カラー24dにより、ト
ナー担持体22の表面と1mmの距離を確保している。
また、除去ローラ24は、上記カラー24dがトナー担
持体22に当接していることにより、トナー担持体22
の回転に伴って従動するようになっている。除去ローラ
24には、除去電源29から、不適正なトナー21、即
ちトナー担持体22に対する付着力が弱いトナー21、
即ち弱付着トナーを除去するための電位が付与されてい
る。この除去電位は例えば0.7kVである。
【0055】清掃部材26は、支持部材25によって支
持され、ブレード状をなし、先端部が除去ローラ24に
圧接されている。清掃部材26は、除去ローラ24がト
ナー担持体22表面のトナー層から回収した不適正なト
ナー21を、除去ローラ24の表面から掻き取るもので
ある。清掃部材26にて除去ローラ24の表面から除去
されたトナー21は、トナー収容槽20に戻される。シ
ール部材27・28は、トナー21がトナー収容槽20
の外部へ漏れないようにシールしている。
【0056】印字部5は、対向電極31、対向電極用電
源32、搬送ベルト装置33、用紙帯電ブラシ34、用
紙帯電電源35、ベルト除電ブラシ36、ベルト除電電
源37、クリーニングブレード38、制御電極39およ
び制御電源部40を備えている。
【0057】対向電極31は、例えば厚さ1mmのアル
ミニウム板からなり、トナー担持体22の外周面と対向
する。対向電極31とトナー担持体22の外周面との距
離は例えば1mmに設定されている。対向電極31は、
対向電極用電源32から例えば2.3kVの高圧が供給
される。この高圧の対向電極31への印加により、対向
電極31とトナー担持体22との間には、トナー担持体
22に担持されているトナー21を対向電極31方向に
飛翔させるのに必要な電界が付与されている。
【0058】搬送ベルト装置33は、誘電体ベルト33
aおよび支持ローラ33b・33cを備えている。誘電
体ベルト33aはPVDFを基材とし、体積抵抗率が1
10Ω・cm、厚さが75μmである。この誘電体ベル
ト33aは支持ローラ33b・33cの回転により、同
図に示す矢印方向へ例えばその表面が30mm/sec
の速度で移動する。搬送ベルト装置33は、上記誘電体
ベルト33aの移動により、対向電極31上において、
用紙カセット12から供給された用紙11を定着部3の
方向へ搬送する。上記支持ローラ33b・33cは何れ
か一方が図示しない駆動装置により回転駆動される。ま
た、支持ローラ33b・33cにも、対向電極31と同
様、対向電極用電源32から例えば2.3kVの高圧が
供給されるようになっている。
【0059】用紙帯電ブラシ34は、用紙カセット12
から画像形成部1に供給させる用紙を帯電させるもので
ある。このために、用紙帯電ブラシ34には1.2kV
の帯電電位が用紙帯電電源35から印加される。用紙帯
電ブラシ34は、搬送ベルト装置33の支持ローラ33
b上において、用紙11に圧接するようになっている。
【0060】ベルト除電ブラシ36は、対向電極31上
を通過し、用紙11と離れた誘電体ベルト33aの表面
に残留する電荷を除去するものである。このために、ベ
ルト除電ブラシ36にはベルト除電電源37から2.5
kVの除電電位が印加される。ベルト除電ブラシ36
は、搬送ベルト装置33の支持ローラ33cの下部位置
において誘電体ベルト33aに圧接するようになってい
る。
【0061】クリーニングブレード38は、搬送ベルト
装置33の支持ローラ33cの位置において、誘電体ベ
ルト33aに圧接している。クリーニングブレード38
は、例えば、紙詰まり等の不測の事態が生じて誘電体ベ
ルト33a表面にトナー21が付着した場合、このトナ
ー21を除去して、用紙裏面がトナー21によって汚染
されることを防止する。
【0062】制御電極39はトナー担持体22と対向電
極31との間に設けられている。制御電極39は、トナ
ー担持体22表面の接線方向と平行をなし、かつ対向電
極31と平行に対向して2次元的に広がっている。制御
電極39は、トナー担持体22から対向電極31方向へ
のトナー流が通過可能な構造となっている。そして、こ
の制御電極39に供給される電位により、トナー担持体
22と対向電極31との間に付与された電界が変化し、
トナー担持体22から対向電極31へのトナー21の飛
翔が制御されるようになっている。制御電極39は、ト
ナー担持体22の外周面からの距離が例えば100μm
となる位置に設けられ、図示しない支持部材により固定
されている。
【0063】制御電極39は、図3に示すように、絶縁
性の基板39a、高圧ドライバ(図示せず)、および帯
状の導電体である複数の帯状電極39b・39cを備え
ている。基板39aは、例えば、ポリイミド樹脂からな
り、厚さ25μmに形成されている。基板39aにはゲ
ート39dとなるべき多数の孔が縦横方向の複数の列状
に形成されている。
【0064】各帯状電極39b・39cは、例えば銅箔
からなり、基板39aにおいてゲート39dの回りに設
けられている。基板39aにおいて、一方の帯状電極3
9b(第1電極)はトナー担持体22側に位置し、他方
の帯状電極39c(第2電極)は対向電極31側に位置
している。帯状電極39cは、図3において長方形をな
す基板39aの長手方向に沿って、複数本が平行に形成
されている。一方、帯状電極39bは、帯状電極39c
と所定角度の傾斜を持って交差する状態にて、複数本が
平行に形成されている。即ち、帯状電極39bと帯状電
極39cとはマトリックスを構成し、本制御電極39は
マトリックスドライブ方式となっている。尚、上記帯状
電極39bの帯状電極39cに対する傾斜は、ゲート3
9dの並びの傾斜によるものである。個々の帯状電極3
9b…および帯状電極39c…は、それぞれ絶縁されて
おり、高圧ドライバを介して制御電源部40と電気的に
接続されている。
【0065】ゲート39dは、例えば直径160μmの
丸孔であり、トナー担持体22から対向電極31へ飛翔
するトナー21の通過部となっている。本画像形成装置
においては、ゲート39dの孔径を上記の径とする場
合、例えば、帯状電極39bにおけるゲート39d形成
部の孔径を直径220μmとし、帯状電極39cにおけ
るゲート39d形成部の孔径を直径160μmとしてい
る。尚、ゲート39dの大きさ、並びに基板39aおよ
び帯状電極39b・39cの材質や厚さ等は、上記のも
のに特に限定されない。
【0066】また、制御電極39において、ゲート39
dは基板39aの長手方向の一列において、例えば25
60個形成されている。この個数は、解像度300DP
I(dot per inch)の印字においてA4判の用紙の横幅
方向を一度に印字可能なものである。
【0067】また、上記帯状電極39b・39c…の表
面、これら帯状電極39b・39c…を上記高圧ドライ
バと接続する給電線の表面は、厚さ30μmの絶縁体層
(図示せず)にて覆われている。これにより、帯状電極
39b・39c…同士の絶縁性、給電線同士の絶縁性、
および互いに接続されていない帯状電極39b・39c
…と給電線との間の絶縁性が確保されている。
【0068】制御電源部40は、制御電極39の帯状電
極39b・39c…に画像信号に応じたパルス電圧を印
加する。即ち、制御電源部40は、トナー担持体22か
ら対向電極31方向へトナー21にゲート39dを通過
させる場合、帯状電極39b・39c…に対し、例えば
150Vを印加する。一方、通過させない場合、帯状電
極39b・39c…に対し、例えば−200Vを印加す
る。このように、制御電極39への付与電位を画像信号
に応じて制御するとともに、対向電極31におけるトナ
ー担持体22との対向面側に用紙11を配すると、用紙
11の表面に画像信号に応じたトナー像が得られる。
尚、制御電源部40は、図示しない画像形成制御ユニッ
トから送られてくる制御電極制御信号によって制御され
ている。
【0069】また、図示しないが、本画像形成装置は、
制御回路として、画像形成装置全体を制御する主制御部
と、原稿等の画像を読み取る画像読取り装置と、この装
置から得られた面像データを印字すべき画像データの形
式に変換する画像処理部と、この画像処理部にて処理さ
れた画像データを記憶する画像メモリと、画像処理部か
ら得られた画像データを制御電極39に与えるべき画像
データに変換する上記画像形成制御ユニットとを備えて
いる。
【0070】上記の構成において、本画像形成装置によ
る画像形成動作を図4のフローチャートにより説明す
る。
【0071】先ず、例えば、上記画像読取り部に複写す
べき原稿が載置され、コピースタートボタン(図示せ
ず)が操作されると、この入力を受けた主制御部は画像
形成動作を開始させる。即ち、画像読取り部によって原
稿画像が読み取られ(S1)、その画像データが画像処
理部で処理され(S2)、画像メモリに記憶される(S
3)。
【0072】画像メモリに記憶された画像データは画像
形成制御ユニットに転送される(S4)。画像形成制御
ユニットでは、入力された画像データを制御電極39に
与えるための制御電極制御信号に変換し始める(S
5)。
【0073】ここで、画像形成制御ユニットは、所望の
制御電極制御信号が得られたか否かを判定し(S6)、
所望の制御電極制御信号が得られていなければ、画像形
成装置の表示部(図示せず)においてエラー表示を行う
(S7)。
【0074】次に、画像形成制御ユニットは、トナー担
持体22を回転させ(S8)、制御電源部40から制御
電極39の帯状電極39b・39cに例えば−200V
を印加させる(S9)。これは、トナー担持体22から
対向電極31へのトナー21の飛翔を阻止するためので
ある。さらに、画像形成制御ユニットは、対向電極31
に対向電極用電源32から高圧を印加させ、搬送ベルト
装置33を作動させるとともに、用紙帯電電源35から
用紙帯電ブラシ34に、およびベルト除電電源37から
ベルト除電ブラシ36にそれぞれ高電位を印加させる
(S10)。このとき、支持ローラ33b・33cにも
対向電極31と同電位が印加される。用紙帯電ブラシ3
4には1.2kVが印加され、ベルト除電ブラシ36に
は2.5kVが印加される。
【0075】また、画像形成制御ユニットは、所定量の
上記制御電極制御信号を得ると、図示しない駆動装置が
作動し、この駆動装置に回転駆動される、図1に示すピ
ックアップローラ13により、用紙カセット12内の用
紙11が画像形成部1方向へ送り出されるように制御す
る(S11)。この場合、正常な給紙状態であるか否か
が給紙センサ(図示せず)にて検出される(S12)。
尚、制御電極制御信号の上記所定量は、画像形成装置の
構成等によって異なる。また、S12において、正常な
給紙でなければ、画像形成装置の表示部(図示せず)に
エラー表示を行う(S13)。
【0076】ピックアップローラ13にて送り出された
用紙11は、用紙帯電ブラシ34と支持ローラ33b上
の誘電体ベルト33aとの間に搬送される。このとき、
トナー担持体22は接地され、対向電極31と支持ロー
ラ33b・33cには2.3kV、用紙帯電ブラシ34
には1.2kVの高圧が印加されている。従って、用紙
帯電ブラシ34と支持ローラ33b・33cとの間の電
位差によって用紙帯電ブラシ34と誘電体ベルト33a
との間に搬送された用紙11の表面にはマイナスの電荷
が供給される。これにより、用紙11は、誘電体ベルト
33aに静電気的に吸着された状態で、画像形成部1の
印字部5におけるトナー担持体22との対向位置に搬送
される。この搬送速度は、例えば30mm/secであ
る。尚、誘導体ベルト24表面の電位は、時間の経過に
より減衰し、ゲート39dの直下に到達したとき、対向
電極31の電位との兼ね合いから2kVとなる。
【0077】その後、画像形成制御ユニットは、上記の
制御電極制御信号を制御電源部40に供給する。この制
御電極制御信号の供給は、印字部5への用紙11の供給
に同期したタイミングで行われる。制御電源部40は、
上記の制御電極制御信号に基づいて、制御電極39の各
帯状電極39b・39cに印加する高圧を制御する(S
14)。この場合、制御電源部40から適宜所定の帯状
電極39b・39cに画像データに応じて150Vもし
くは−200Vの電位が印加され、制御電極39付近の
電界が制御される。即ち、制御電極39のゲート39d
において、トナー担持体22から対向電極31へトナー
21を通過させる場合、制御電極39の帯状電極39b
・39c…に対して150Vの電位が一画素あたり20
0μsec印加される。一方、上記トナー21の通過を
阻止する場合、帯状電極39b・39c…に対して−2
00Vの電位が印加される。これにより、誘電体ベルト
33aの移動に伴い出紙側に向かって移動している用紙
11上に、画像信号に応じたトナー像が形成される。
【0078】尚、上記の説明においては、トナー21を
通過させるべく制御電極39の帯状電極39b・39c
…に付与する電位が、150Vの場合を一例に挙げた
が、該電位は、トナー21の所望した飛翔制御を行える
なら、特に限定されるものではない。同様に対向電極3
1の印加電位と用紙帯電ブラシ34に印加する電位およ
びゲート39d直下での用紙11の表面電位もまたトナ
ー21の所望した飛翔制御を行えるなら、特に限定され
るものではない。
【0079】トナー像が形成された用紙11は支持ロー
ラ33cが有する曲率により誘電体ベルト33aから剥
離され、定着部3に搬送される。その後、定着部3にて
上記用紙11上のトナー像が用紙11に定着される。ト
ナー像が定着された用紙11は、排紙ローラにて紙トレ
イ上に排出される。この場合、用紙11が正常に排出さ
れたことが排紙センサにて検出される。この検出動作に
基づいて、主制御部が印字動作の正常な終了を判断する
(S15)。以上の画像形成動作により、用紙11上に
良好な画像が形成される。
【0080】上記のように、本画像形成装置は、用紙1
1上に画像を直接形成するので、感光体や誘電体ドラム
等の顕像体が不用となっている。従って、顕像体から用
紙11に画像を転写する転写動作が省略されるので、画
像の劣化を生じない。このため、装置の信頼性が向上す
る。また、装置の構成が簡単化されるとともに、部品点
数が削減されるので、装置の小型化および低廉化が可能
となっている。
【0081】また、本画像形成装置では制御電極39の
帯状電極39b・39cに印加する電位を変化させるこ
とにより、制御電極39のゲート39d近傍における等
電位面の膨らみの度合いを変化させることができる。つ
まり、ゲート39dを通過するトナー21に対して作用
する電気力を変化させることができる。このため、制御
電源部40により付与する電位を適宜変化させることに
より、用紙11上に形成される画像のドット径を任意に
調節することができる。
【0082】次にトナー供給部4の動作について説明す
る。トナー担持体22の表面にはトナー収容槽20のト
ナー供給部20bからトナー21が供給される。このト
ナー21はトナー担持体22の表面に吸着され、この表
面にトナー層が形成される。このトナー層の厚さはドク
ターブレード23によって規制される。また、上記トナ
ー層における不適正トナーは、制御電極39との対向位
置に達する前に、除去ローラ24によって吸着され、除
去される。この不適正トナーはトナー収容槽20内に戻
される。
【0083】上記不適正トナーとは、先述のように、ト
ナー担持体22に対して付着力の弱いトナーあるいはト
ナー塊、即ち弱付着トナーである。弱付着トナーはトナ
ー担持体22の表面から距離を隔てて存在するトナー2
1に多くみられる。また、弱付着トナーのうちのトナー
塊のものは、先述のように、逆帯電トナーと正規帯電ト
ナーが集合し、電荷量が中和されて帯電量が低下してい
るものと、もともと非常に帯電量の小さいトナー21同
士が、電気的反発力が粒子間力にうち負けて集合体を形
成しているものとがある。逆帯電トナーは、トナー自体
の特性や現像槽の特性を変えるだけでは容易に除去でき
ない。また、逆帯電トナーは、単独では存在できず、正
規帯電トナーと集合体を形成する場合が多い。この場合
には、逆帯電トナーのみを除去することは困難である。
【0084】上記のトナー塊がトナー担持体22に対し
て付着しようとする力は粒子間力や物質間力だけであ
り、所望の帯電量を有するトナー塊がトナー担持体22
に対して付着しようとする力よりも弱い。従って、僅か
な電界が付与されても容易に飛翔を開始してトナー漏れ
を引き起こし、カブリの原因となる。
【0085】また、所望の帯電量を有するトナー21や
トナー集合体であっても前記トナー層の最表面に存在す
るものは、トナー担持体22に対する電気力がトナー担
持体22との距離が大きくなる程低下するので、僅かな
電界が付与されても容易に飛翔を開始し、同様に、トナ
ー漏れを引き起こす可能性が高い。例えば、トナー層が
一時的にまたは局所的に厚くなった場合にこの問題が生
じ易い。
【0086】そこで、本画像形成装置では、除去電源2
9により所定の除去電位が印加された除去ローラ24に
より、弱付着トナーを予め除去しているので、上記の問
題を防止することができる。
【0087】上記除去電位によって付与される電界は、
画像形成時においてトナーを飛翔させるために付与され
る電界よりも弱くなければならない。この条件に沿っ
て、本画像形成装置では、除去ローラ24に例えば0.
7kVの電位を付与している。これにより、濃度低下な
どの不具合を回避している。
【0088】ここで、弱付着トナーは、トナー飛翔のた
めに付与された電界の変化に対してトナー飛翔量の変化
が少ないほど、多く存在すると考えられる。例えば、制
御電極39に印加する電位を変化させた場合に、飛翔す
るトナー量が徐々にしか変化しない場合は、弱付着トナ
ーが多く存在すると考えられる。
【0089】この現象を図5のグラフによって説明す
る。同図は、図1に示した画像形成部1において、除去
ローラ24、制御電極39および搬送ベルト装置33を
省いた構成とし、対向電極31に印加する電位を変化さ
せてトナー担持体22から飛翔するトナー21の量を実
験的に調べた結果である。尚、トナー飛翔量が増加後に
水平となったときは、トナー飛翔量の飽和状態、即ちト
ナー担持体22表面のトナー21が総て飛翔した場合を
示している。
【0090】図5のグラフにおける斜線部分は、対向電
極31に印加する電位が低い場合、即ちトナー担持体2
2表面に付与される電界が小さい場合のトナーの飛翔を
示す。これは、弱付着トナーの飛翔である。
【0091】このような弱付着トナーがトナー担持体2
2に担持されている状態において、トナー21の飛翔制
御を良好に行うためには、トナー21を十分に飛翔させ
る電界と全く飛翔させない電界とを付与するために対向
電極31に印加する両電位の電位差、即ち図5における
△Vを大きくしなければならない。△Vを大きくすると
制御電極39に印加するトナー飛翔電位とトナー飛翔阻
止電位との電位差が大きくなる。この場合には、先述の
ように、電位切換え手段としての例えばFETのコスト
アップを含む装置のコストアップ、部品点数の増加およ
び装置の大型化等の問題が生じる。
【0092】また、上記FETの耐圧の上昇を防止する
ために、制御電極39に印加するトナー飛翔電位あるい
はトナー飛翔阻止電位を抑制した場合には、先述のよう
に、形成される画像のコントラストの低下、カブリの発
生、ハーフトーンの再現不良、誘電体ベルト33aにト
ナー21が付着することによる用紙11の裏汚れと対向
電極31の電位変化、並びに制御電極39にトナー21
が付着することによる制御電極39の電位変化等の問題
を招来する。さらに、制御電極39のゲート39dにト
ナー21が付着してゲート39dが目詰まりすることに
より、対向電極31へのトナー21の飛翔不能状態とな
る。また、トナー21の飛翔不能状態にならないまで
も、画質の著しい劣化を生じる。
【0093】上記画質の著しい劣化は次の理由により生
じる。即ち、ゲート39dの内部にトナー21が付着す
るとゲート39dの内径が狭くなり、ゲート39dの内
部をトナー21が通過する時に、付着したトナー21と
の接触などによってその飛翔経路が物理的に変化する。
従って、トナー21が用紙11へ到達した場合の到達点
の予測とこれに基づく制御とが不可能となる。トナー2
1の飛翔経路の変化は次の理由によっても生じる。即
ち、ゲート39d内部に付着したトナー21は、そのト
ナー21自身が有する電荷によって電位を有する。従っ
て、制御電極39の見かけの電位、即ちトナー担持体2
2上に担持されたトナー21または飛翔しているトナー
21からみた制御電極39の電位は変化する。このた
め、所望の電界がトナー21に付与されず、トナー担持
体22からのトナー21の飛翔が生じない。また、仮に
この飛翔が生じた場合であっても、ゲート39d近傍の
等電位面の形状が所望の形状から変化しているので、ト
ナー21の適正な飛翔経路が得られなくなる。
【0094】上記のように、用紙11表面へのトナー2
1の到達を制御できなくなると、トナー21は形成すべ
きドットの所定領域に到達するとは限らず、所定領域外
に到達する場合がある。このようなトナー21は、具体
的には飛散トナーまたはカブリトナーとなってドットの
飛散とカブリを増大させ、直接的に画像の劣化を引き起
こす。この場合、画像は濃度が低下しているので、トナ
ー21の飛散やカブリによる画像劣化が極端に現れ、滲
みが酷く、かつコントラストの低いぼやけた画像とな
る。
【0095】また、先述のように、ゲート39dに付着
したトナー21の電位によりトナー21の飛翔そのもの
が電気的に不可能になる場合や、ゲート39dの目詰ま
りによりトナー21の飛翔が不可能となる場合には、ド
ットが形成できず画像欠落や白筋が生じる最悪の事態と
なる。また、逆帯電トナーがトナー担持体22表面に存
在する場合は容易に上記した各不具合と同等の不具合が
発生する。このような問題は除去ローラ24を備え本画
像形成装置では回避可能である。
【0096】ここで、前記図5の結果を得るための構成
に、除去ローラ24を加えた構成により同様の実験を行
ったところ、図6に示す結果が得られた。この図6と前
記図5とを比較すると、トナー担持体22の表面から弱
付着トナーが除去されて、トナー21の飛翔制御に必要
な△V、即ちトナー21の飛翔制御に必要な両電位の電
位差が非常に小さくなっているのは明白である。
【0097】また、除去ローラ24を使用しない場合に
は、印字速度にも制約を生じる場合がある。この問題を
図7により説明する。同図は、トナー担持体22、制御
電極39および制御電極39を備えた構成を模式的に示
したものである。
【0098】上記の構成において、制御電極39にトナ
ー21を飛翔させる電位を印加した場合には、トナー担
持体22に担持されているトナー21のうち、先ず、弱
付着トナー21e、および対向電極31または制御電極
39側に位置するトナー21fから飛翔を始める。これ
は、コンピューターを用いたシミュレーションや高速度
カメラを用いた実験にて確認されている。そして、最後
に、トナー担持体22の表面に最も近い位置あるいは非
常に近い位置のトナー21gが飛翔する。この場合、上
記トナー21gは、トナー21fが飛翔してしまうま
で、飛翔電界を受けないか、あるいは非常に僅かな飛翔
電界しか受けないので、飛翔を開始しない。
【0099】ここで、トナー21gよりも先に飛翔した
弱付着トナー21eあるいはトナー21fは、量的にト
ナー21gよりも少ない。従って、用紙11表面にドッ
トを形成するトナー21のほとんどは、上記トナー21
gである。このため、用紙11の表面に形成されるドッ
トが十分な濃度を得るのに必要な量のトナー21gが飛
翔するまでの時間は、単純にトナー21がトナー担持体
22から用紙11表面に飛翔する所要時間よりも長くな
る。即ち、印字時間であるトナー21飛翔のために制御
電極39に印加する電位の継続時間(パルス幅)は、弱
付着トナー21eおよびトナー21fが飛翔を開始した
後、トナー21gが飛翔を開始するまでの時間を含んで
いる。つまり、この時間には、弱付着トナー21eおよ
びトナー21fが飛翔を開始するまでの謂わば不要な時
間が含まれている。このため、トナー21の飛翔のため
のパルス幅を短くすること、即ち印字速度を向上するこ
とが困難となる。また、この状態で解像度を高めるとさ
らに印字時間が長くなるので解像度の向上にも制約を受
ける。
【0100】このような問題に対し、本画像形成装置で
は、予め弱付着トナー21eおよび弱付着トナーとなる
トナー21fを除去ローラ24によって除去しているの
で、印字時間を短くすることができる。また、印字速度
の低下を抑制して解像度を向上することが可能となる。
【0101】除去ローラ24により解決されている上記
のような問題点は、制御電極39がマトリックスドライ
ブ方式とシングルドライブ方式とに拘らず、生じるもの
である。
【0102】一方、本画像形成装置では、制御電極39
にマトリックスドライブ方式を採用しているので、制御
電極39の電位切換え手段としての例えばFETの個数
を削減することができる。その反面、以下のような問題
点を招来するものの、これらも除去ローラ24によって
解決可能である。
【0103】本画像形成装置のマトリックスドライブ方
式の制御電極39は、トナー21を通過させる場合に、
両帯状電極39b・39cにトナー飛翔電位(150
V)が印加され、トナー21を通過させない場合に帯状
電極39b・39cの何れか一方または両方にトナー飛
翔阻止電位(−200V)が印加される。このとき、帯
状電極39bに150Vを印加し、帯状電極39cに−
200Vを印加した場合には、トナー21の飛翔は起こ
らない。
【0104】しかしながら、帯状電極39bに−200
Vを印加し、帯状電極39cに150Vを印加した場合
には、トナーは、本来ならば飛翔しないはずであるもの
の、若千ではあるがトナー担持体22からゲート39d
を通過して用紙11に到達する。即ち、漏れトナーが生
じる。この漏れトナーはカブリとなって画像のコントラ
ストを低下させる。
【0105】この現象を図8により説明する。同図に示
すように、トナー担持体22に担持されているトナー2
1のうち、ゲート39dの中央部に対向する領域Eのト
ナー21は、帯状電極39bからの電気力よりも帯状電
極39cからの電気力をより強く受ける傾向が強い上
に、対向電極31の電位等による影響も受ける。従っ
て、帯状電極39bのトナー飛翔阻止電位によるトナー
21の飛翔阻止機能が不十分となりがちである。尚、上
記のように、帯状電極39cの電位は帯状電極39bの
電位よりも上記の領域Eのトナー21の飛翔に影響し易
い。従って、トナー21の飛翔制御のために帯状電極3
9b・39cの何れか一方の電位のみを制御する場合に
は、帯状電極39cの電位を制御することが、トナー飛
翔電位とトナー飛翔阻止電位との電位差を小さくして制
御を行い得る点において有利である。
【0106】ここで、上記の領域E内に前記弱付着トナ
ー21eが存在していると、帯状電極39bにトナー飛
翔阻止電位を印加した場合であっても、弱付着トナー2
1eは対向電極31へ飛翔し、上記の漏れトナーとな
る。これを回避するためには帯状電極39bに印加する
トナー飛翔阻止電位を高くすること、例えば上記のよう
に−200Vとしていたものを−300Vにすることが
容易に考えられる。しかしながら、このようにした場合
には、トナー飛翔電位とトナー飛翔阻止電位との切換え
手段である例えばFETの耐圧を高めなければない。そ
の上、制御電極39の各帯状電極39b・39c間の耐
圧も高めなければならない。
【0107】上記のような不具合は、本画像形成装置の
制御電極39のように、ゲート39dにおける両帯状電
極39b・39cの開口部径が異なる構成において、特
に顕著となる。即ち、制御電極39では、トナー担持体
22側の帯状電極39bの開口部径d1 と対向電極31
側の帯状電極39cの開口部径d2 との関係が、 d1 ≧d2 となっている。これは、以下の理由による。
【0108】仮に、上記の開口部径d1 ・d2 の関係
が、d1 <d2 となっていた場合、帯状電極39cの電
位がトナー担持体22表面に担持されたトナー21に影
響せず、マトリックスドライブ方式によるトナー飛翔制
御自体が困難となる。また、帯状電極39b・39cの
位置や帯状電極39b・39c同士の距離等によって
は、トナー飛翔制御に必要な電位が非常に大きくなる場
合が生じる。このような場合には、上記FETの耐圧が
非常に高くなる等の不具合を招来する。
【0109】これに対し、d1 ≧d2 とすれば、帯状電
極39cの電位がトナー担持体22表面に担持されたト
ナー21に十分影響する。この点に関しては、さらにd
1 >d2 となっているのが好ましい。従って、上記電位
差が小さい場合であっても、トナー飛翔制御を確実に行
うことができる。これにより、FETの耐圧を低下させ
てFETのコストダウンが可能となる。画像形成装置に
おいてFETは多量に使用されている。従って、FET
のコストダウンは、画像形成装置のコストダウンを図る
上で、非常に有効である。
【0110】上記の制御電極39は、上記のように、利
点を有する反面、漏れトナーによる不具合を招来する。
しかしながら、本画像形成装置では、予め弱付着トナー
21eを除去ローラ24によって除去している。従っ
て、漏れトナーが発生せず、コントラストの良好な画像
を得ることができる。また、トナー担持体22表面のト
ナー21は、その付近に付与される電界に対して均一の
感度を有するものとなる。また、不適性トナーが除去ロ
ーラ24により除去される場合であっても、適正トナー
は移動せず、帯電量等の物性値は変化しない。これによ
り、制御電極39に印加するトナー飛翔電位とトナー飛
翔阻止電位との電位差を小さく抑えることができる。こ
の結果、上記電位の切換え手段、例えばFETのコス
ト、および各電源と制御電極39との絶縁に必要なコス
トを低減することができる。
【0111】また、トナー担持体22の不適正トナーを
除去するための除去ローラ24は、アルミニウム製の基
体部24aの表面に、硬質で滑らかな表面を有するフッ
素樹脂層24bが設けられたものからなるので、表面に
トナー21が付着した場合であっても、ブレード状の簡
単な構造の清掃部材26によって、上記トナー21を容
易に除去することができる。従って、除去ローラ24の
清掃機構を簡略化することができる。また、除去ローラ
24の表面にトナー21が固着することにより、トナー
担持体22からの弱付着トナー21eの除去不良が生じ
ること、およびトナー担持体22表面のトナー層の層厚
が不均一となり、画像濃度が変化する事態を防止するこ
とができる。
【0112】また、除去ローラ24は、滑らかな表面を
有するフッ素樹脂層24bを表面に備えているので、ト
ナー担持体22の表面と除去ローラ24の表面との間隔
を高精度で適正値に保持することができる。これによ
り、除去ローラ24は常時良好な除去機能を維持するこ
とができる。また、除去ローラ24の表面がトナー担持
体22の表面におけるトナー層と接触し、このトナー層
が乱される事態、および上記接触によりトナー21の帯
電量が変化し、トナー21の飛翔制御が困難になる事態
を防止することができる。
【0113】また、上記フッ素樹脂層24bは、抵抗値
が108 Ω・cmとなっている。従って、フッ素樹脂層
24bの表面に付与された電荷は、アルミニウム製の基
体部24aを通じて排除される。これにより、フッ素樹
脂層24bがトナー担持体22表面のトナー層と接触し
たときの摩擦により電荷が生じた場合に、この電荷がフ
ッ素樹脂層24bの表面に蓄積されることがない。従っ
て、除去ローラ24からはトナー担持体22に対して常
時所望の電界が付与され、除去ローラ24はトナー担持
体22表面の不適正トナーの除去を良好に行うことがで
きる。
【0114】また、フッ素樹脂層24bが上記の抵抗値
を有することにより、除去ローラ24に印加される電位
が直接的にトナー担持体22表面のトナー21に印加さ
れる事態、即ち上記電位によってトナー21の帯電量が
変化する事態を防止することができる。さらに、除去ロ
ーラ24の表面とトナー担持体22の表面もしくはトナ
ー担持体22に担持されているトナー21との間の微視
的な放電の発生を防止することができる。従って、上記
放電によるトナー担持体22へのトナー21の固着、お
よびこの固着によるトナー担持体22でのトナー21の
搬送不良、トナー21の帯電量の不安定化等の不具合、
並びにこれら不具合に起因する画質の劣化を防止するこ
とができる。
【0115】上記除去ローラ24とトナー担持体22と
の間の放電は、除去ローラ24の表面の仕事関数を大き
くすることにより生じ難くなる。また、この仕事関数を
大きくしても上記放電が生じる可能性がある場合には、
フッ素樹脂層24bの低抗値を大きくすることにより電
荷の移動を規制し、上記放電を極く小規模に抑えること
が可能である。しかしながら、フッ素樹脂層24bの抵
抗値を高くし過ぎると、上述したように、フッ素樹脂層
24bに電荷が蓄積される問題が生じる。
【0116】従って、フッ素樹脂層24bの表面の抵抗
値には自ら適性値が存在する。本実施の形態において
は、これを108 Ω・cmとしている。尚、抵抗値はこ
れに限定されず、105 〜1015Ω・cmを適正値の範
囲とすることができる。さらに、最適範囲としては、1
7 〜1010Ω・cmであることを実験的に確認してい
る。
【0117】ここで、上記抵抗値と画像の白色度との関
係を図9のグラフに示す。このグラフでは、最も良好な
白色度、最も高い白色度を1として示している。尚、こ
の白色度とは、前記漏れトナーによって生じる画像のカ
ブリの少なさを示すものであり、除去ローラ24によっ
ていかに適切に不適正トナーが除去されたかを示すもの
である。
【0118】また、本除去ローラ24に相当する除去ロ
ーラが仮に表面が導電性の金属ローラである場合、上記
放電によるトナー担持体22へのトナー21の固着、お
よびこの固着によるトナー担持体22でのトナー21の
搬送不良、トナー21の帯電量の不安定化等の不具合が
生じる。この結果、トナーの飛翔制御が困難あるいは不
能となり、画像劣化や画像欠陥等の不具合が生じる。こ
のような不具合は、印字枚数が増えるに従って徐々に現
れる。このような不具合の発生状況を、表面が導電性の
除去ローラを使用した場合と、表面にフッ素樹脂層24
bを有する除去ローラ24を使用した場合とについて比
較した。この結果を図10のグラフに示す。
【0119】同図のグラフでは、印字枚数と前記白色度
との関係を示している。白色度は印字初期の白色度が最
良であり、これを1としている。曲線Aは除去ローラ2
4を使用した場合であり、曲線Bは表面が導電性の除去
ローラを使用した場合である。曲線Aでは、印字枚数が
約50000枚から白色度が低下し始めた。一方、曲線
Bでは、これよりも早く白色度が低下し始めた。これ
は、除去ローラ24を備えた画像形成部1の方が、表面
が導電性の除去ローラを備えた画像形成部よりも、初期
の良好な機能を長期に渡って維持し得ることを示してい
る。
【0120】尚、図10に示した結果は、使用するトナ
ー21、ドクターブレード23あるいは各部への印加電
位等により決定される画像形成部1の特性にて容易に変
化し得るものの、図10によって示される両曲線A・B
の傾向は維持される。
【0121】また、上記の例において、除去ローラ24
は、トナー担持体22にカラー24dにて当接すること
により、トナー担持体22に従動するものとなってい
る。しかしながら、トナー担持体22表面に上記の弱付
着トナー21eが多く存在する場合には、除去ローラ2
4をさらに速い周速にて回転させるようにしてもよい。
この場合には、常に除去ローラ24のトナー21が付着
していない表面がトナー担持体22の表面と対向し、弱
付着トナー21eの除去を良好に行うことができる。こ
の場合の除去ローラ24の回転速度は、上記弱付着トナ
ー21eの量に応じて設定してもよい。一方、上記弱付
着トナー21eが少ない場合には、除去ローラ24をト
ナー担持体22に従動させるのが、除去ローラ24の駆
動を簡単に行うことができる点で好ましい。
【0122】また、上記の構成によれば、トナー担持体
22の表面にはトナー供給部20bにて顕像剤が供給さ
れ、顕像剤層が形成される。この顕像剤層は、トナー担
持体22の表面の移動に伴い、ドクターブレード23と
除去ローラ24とを順次経由した後、制御電極39との
対向位置に達する。このような順序で前記顕像剤層がド
クターブレード23と除去ローラ24とを経由すること
により、顕像剤層の層厚の均一化後に顕像剤層の最表面
に存在する弱付着トナー21eを確実に除去することが
できる。即ち、顕像剤層の最表面は、顕像剤層表面に付
与される電界の影響を最も受けやすく、この位置の弱付
着トナー21eを除去すれば、弱付着トナー21eに起
因するカブリ等の不具合を適切に防止することができ
る。
【0123】これに対し、前記顕像剤層がドクターブレ
ード23と除去ローラ24とを経由する順序が前記の場
合と逆になっていると、即ち除去ローラ24にて弱付着
トナー21eが除去された後に、ドクターブレード23
による前記顕像剤層の均一化が行われると、顕像剤層の
表面に弱付着トナー21eが再度現れる可能性がある。
このような場合には、弱付着トナー21eに起因するカ
ブリ等の不具合を適切に防止することができない。
【0124】また、本画像形成装置では、除去ローラ2
4によってトナー担持体22の表面から除去したトナー
21を、さらに清掃部材26によって除去ローラ24か
ら除去し、トナー収容槽20に戻している。従って、上
記トナー21は、再使用されるので、トナー21の消費
量を最少限に抑えることができる。
【0125】即ち、通常、弱付着トナー21e中には逆
帯電トナーが存在する。この逆帯電トナーは一般に単独
では存在せず、正規帯電トナーと共にトナー塊をなして
いる。このトナー塊全体としては正規帯電トナーと同極
性を示す。前記トナー塊に含まれる逆帯電トナーは、帯
電の際の摩擦などが偶然に適切でなかったために生じる
ものがほとんどであり、たとえ逆帯電トナーであっても
再度の帯電を行うと正規帯電を示す場合が多い。また、
逆帯電トナー自体は、通常数%の存在率であるものの、
上記ように正規帯電トナーとトナー塊を形成しているの
で、存在率が10%を上回る場合がある。これらを総て
画像形成に不敵なトナーとして使用しない場合はトナー
の消費量の大幅な増加となる。そこで、弱付着トナー2
1eを再使用すれば、トナー21の消費量を最少限に抑
えることができる。
【0126】また、上記の例では、マトリックスドライ
ブ方式の制御電極39を備えた構成について示したが、
図11に示すように、シングルドライブ方式の制御電極
41についても、同様に適用可能である。尚、シングル
ドライブ方式は、絶縁基板41aに形成された各ゲート
41dを、これらの個々に対応する電極部41bにより
制御するものである。
【0127】また、上記の例ではモノクロの画像形成装
置について示したが、上記の構成は、カラーの画像形成
装置にも同様に適用可能である。その概略構成を図12
に示す。同図の画像形成装置は、図1の画像形成部1に
相当する画像形成部1a〜1dを備えている。画像形成
部1a〜1dは、それぞれ、イエロー、マゼンタ、シア
ンおよびブラックの各色トナーを収容する前記トナー収
容槽20、および前記印字部5を個々に備えている。こ
の印字部5における制御電極39の制御はカラーの画像
データに基づいて行われる。搬送ベルト装置33にて搬
送される用紙11には、各色のドットが順次形成されて
いき、その結果、カラー画像が得られる。このカラー画
像形成装置において、前記除去ローラ24による不適正
トナーの除去不良が発生すると、各色トナーが所定量飛
翔せず、所定のドット径や濃度が得られない。このた
め、適切な色再現が得られなくなる。しかしながら、除
去ローラ24を使用する本画像形成装置では、前述のよ
うに上記不具合が生じないので、所望の色再現が行わ
れ、良好なカラー画像形成が得られる。
【0128】尚、以上の例においては、顕像剤がトナー
である場合について説明したが、顕像剤はインク等であ
ってもよい。さらに、トナー供給部4の構成をイオンフ
ロー法を適用した構成とすることも可能である。即ち、
画像形成部1は、コロナ帯電器等のイオン源を備えた構
成となっていてもよい。この場合においても、上記と同
様の機能を備えることができる。
【0129】また、本画像形成装置は、例えば、ディジ
タル複写機およびファクシミリ装置の印宇部や、ディジ
タルプリンタ、プロッタ等に適用可能である。
【0130】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の画像形
成装置は、顕像剤を担持する顕像剤担持体と、この顕像
剤担持体に対向配置された対向電極と、これら顕像剤担
持体と対向電極との間に設けられ、顕像剤担持体から対
向電極方向への顕像剤の通過を、印加される電位により
制御する制御電極と、前記顕像剤担持体の顕像剤担持面
と対向配置され、金属基体の表面にその表面を滑らかに
する硬質のコート層を設けて形成され、前記顕像剤担持
面と相対移動可能な除去部材と、この除去部材の前記金
属基体に、前記顕像剤担持体との付着力が弱い顕像剤を
前記除去部材の表面に電気力により吸着させるための電
位を供給する吸着電位供給手段とを備えている構成であ
る。
【0131】これにより、除去部材の表面に付着した顕
像剤をブレード状の簡単な構造の清掃部材により容易に
除去することができる。従って、除去部材の清掃機構を
簡略化することができるという効果を奏する。
【0132】請求項2の発明の画像形成装置は、請求項
1に記載の画像形成装置において、前記コート層の仕事
関数が、前記金属基体の仕事関数よりも高くなっている
構成てある。
【0133】これにより、請求項1の発明の効果に加え
て、金属基体が露出している場合に生じるような、除去
部材の表面と顕像剤担持体の表面もしくはこの表面に担
持されている顕像剤との間の微視的な放電の発生を防止
することができる。従って、この放電による顕像剤担持
体への顕像剤の固着、およびこの固着による顕像剤担持
体での顕像剤の搬送不良、顕像剤の帯電量の不安定化等
の不具合、並びにこれらの不具合による画質の劣化を防
止することができるという効果を奏する。
【0134】請求項3の発明の画像形成装置は、顕像剤
を担持する顕像剤担持体と、この顕像剤担持体に対向配
置された対向電極と、これら顕像剤担持体と対向電極と
の間に設けられ、顕像剤担持体から対向電極方向への顕
像剤の通過を、印加される電位により制御する制御電極
と、前記顕像剤担持体の顕像剤担持面と対向配置され、
金属基体の表面に電気抵抗体からなるコート層を設けて
形成され、前記顕像剤担持面と相対移動可能な除去部材
と、この除去部材の前記金属基体に、前記顕像剤担持体
との付着力が弱い顕像剤を前記除去部材の表面に電気力
により吸着させるための電位を供給する吸着電位供給手
段とを備えている構成である。
【0135】これにより、金属基体が露出している場合
に生じるような、除去部材の表面と顕像剤担持体の表面
もしくはこの表面に担持されている顕像剤との間の微視
的な放電の発生を防止することができる。従って、この
放電による顕像剤担持体への顕像剤の固着、およびこの
固着による顕像剤担持体での顕像剤の搬送不良、顕像剤
の帯電量の不安定化等の不具合、並びにこれらの不具合
による画質の劣化を防止することができる。
【0136】また、除去部材表面と顕像剤担持体表面に
担持されている顕像剤との摩擦により除去部材表面に電
荷が付与された場合、この電荷は電気抵抗体からなるコ
ート層および金属基体を通じて除去部材の表面から排除
される。従って、前記電荷が除去部材の表面に蓄積さ
れ、これにより除去部材の除去機能が低下する事態を防
止することができる等の効果を奏する。
【0137】請求項4の発明の画像形成装置は、請求項
1から3の何れかの発明の画像形成装置において、前記
顕像剤担持体が、その顕像剤担持面がこの面への顕像剤
供給位置と前記制御電極との対向位置との間を移動する
ものであり、前記顕像剤担持体による顕像剤移動方向に
おける、前記顕像剤供給位置の下流側かつ前記制御電極
との対向位置の上流側の位置に、顕像剤担持体表面の顕
像剤層の層厚を均一化する均一化部材が設けられ、前記
除去部材が、前記均一化部材の下流側かつ前記制御電極
との対向位置の上流側に設けられている構成である。
【0138】これにより、請求項1から3の何れかの発
明の効果に加えて、顕像剤担持体表面の顕像剤層の均一
化後に顕像剤層の最表面に存在する弱付着顕像剤を確実
に除去することができる。即ち、顕像剤層の最表面は、
顕像剤層表面に付与される電界の影響を最も受けやす
く、この位置の弱付着顕像剤を除去すれば、この弱付着
顕像剤に起因するカブリ等の不具合を適切に防止するこ
とができる。
【0139】請求項5の発明の画像形成装置は、請求項
1から4の何れかの発明の画像形成装置において、前記
制御電極が、顕像剤担持体側に設けられた第1電極と対
向電極側に設けられた第2電極とを有し、これら第1お
よび第2電極には、顕像剤通過部となる開口部が形成さ
れ、前記第1電極の開口部径d1 と前記第2電極の開口
部径d2 との関係が、d1 >d2 に設定されている構成
である。
【0140】これにより、請求項1から4の何れかの発
明の効果に加えて、制御電極に印加する、顕像剤の飛翔
を許容する飛翔電位と顕像剤の飛翔を阻止する飛翔阻止
電位との電位差が小さい場合であっても、顕像剤の飛翔
制御を確実に行うことが可能となる。従って、前記飛翔
電位と飛翔阻止電位とを切り換える切換え手段、例えば
FETの耐圧を低下させてそのコストダウンが可能とな
る。そして、画像形成装置には前記切換え手段が多数個
設けられているので、前記構成によって画像形成装置の
大幅なコストダウンが可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すものであって、画
像形成装置の画像形成部の構成を示す説明図である。
【図2】図1に示した除去ローラの部分断面図である。
【図3】図1に示した制御電極の平面図である。
【図4】図1に示した画像形成部を備える画像形成装置
での画像形成動作を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した画像形成部において、除去ローラ
を備えていない場合の対向電極電位とトナー飛翔量との
関係を示すグラフである。
【図6】図1に示した除去ローラを備える画像形成部で
の対向電極電位とトナー飛翔量との関係を示すグラフで
ある。
【図7】図1に示した画像形成部でのトナー担持体から
対向電極へのトナー飛翔動作を説明する模式図である。
【図8】図1に示した画像形成部でのマトリックスドラ
イブ方式の制御電極によるトナー飛翔制御を説明する模
式図である。
【図9】図1に示した除去ローラにおけるフッ素樹脂層
の抵抗値と画像の白色度との関係を示すグラフである。
【図10】図1に示した除去ローラを備える画像形成部
と表面が導電性の除去ローラを備える画像形成部とにお
ける印字枚数と白色度との関係を示すグラフである。
【図11】図1に示したマトリックスドライブ方式の制
御電極に代えて使用可能な、シングルドライブ方式の制
御電極の例を示す平面図である。
【図12】図1に示した画像形成部が適用されたカラー
画像形成装置の構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 画像形成部 4 トナー供給部 5 印字部 11 用紙 20 トナー収容槽 21 トナー(顕像剤) 21e 弱付着トナー 22 トナー担持体(顕像剤担持体) 23 ドクターブレード(均一化部材) 24 除去ローラ(除去部材) 24a 基体部(金属基体) 24b フッ素樹脂層(コート層) 24d カラー 26 清掃部材 29 除去電源(吸着電位供給手段) 31 対向電極 32 対向電極用電源 39 制御電極 39a 基板 39b 帯状電極(第1電極) 39c 帯状電極(第2電極) 39d ゲート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】顕像剤を担持する顕像剤担持体と、 この顕像剤担持体に対向配置された対向電極と、 これら顕像剤担持体と対向電極との間に設けられ、顕像
    剤担持体から対向電極方向への顕像剤の通過を、印加さ
    れる電位により制御する制御電極と、 前記顕像剤担持体の顕像剤担持面と対向配置され、金属
    基体の表面にその表面を滑らかにする硬質のコート層を
    設けて形成され、前記顕像剤担持面と相対移動可能な除
    去部材と、 この除去部材の前記金属基体に、前記顕像剤担持体との
    付着力が弱い顕像剤を前記除去部材の表面に電気力によ
    り吸着させるための電位を供給する吸着電位供給手段と
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】前記コート層の仕事関数が、前記金属基体
    の仕事関数よりも高くなっていることを特徴とする請求
    項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】顕像剤を担持する顕像剤担持体と、 この顕像剤担持体に対向配置された対向電極と、 これら顕像剤担持体と対向電極との間に設けられ、顕像
    剤担持体から対向電極方向への顕像剤の通過を、印加さ
    れる電位により制御する制御電極と、 前記顕像剤担持体の顕像剤担持面と対向配置され、金属
    基体の表面に電気抵抗体からなるコート層を設けて形成
    され、前記顕像剤担持面と相対移動可能な除去部材と、
    この除去部材の前記金属基体に、前記顕像剤担持体との
    付着力が弱い顕像剤を前記除去部材の表面に電気力によ
    り吸着させるための電位を供給する吸着電位供給手段と
    を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】前記顕像剤担持体は、その顕像剤担持面が
    この面への顕像剤供給位置と前記制御電極との対向位置
    との間を移動するものであり、前記顕像剤担持体による
    顕像剤移動方向における、前記顕像剤供給位置の下流側
    かつ前記制御電極との対向位置の上流側の位置には、顕
    像剤担持体表面の顕像剤層の層厚を均一化する均一化部
    材が設けられ、前記除去部材は、前記均一化部材の下流
    側かつ前記制御電極との対向位置の上流側に設けられて
    いることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の
    画像形成装置。
  5. 【請求項5】前記制御電極は、顕像剤担持体側に設けら
    れた第1電極と対向電極側に設けられた第2電極とを有
    し、これら第1および第2電極には、顕像剤通過部とな
    る開口部が形成され、前記第1電極の開口部径d1 と前
    記第2電極の開口部径d2 との関係が、 d1 >d2 に設定されていることを特徴とする請求項1から4の何
    れかに記載の画像形成装置。
JP20743896A 1996-08-06 1996-08-06 画像形成装置 Pending JPH1044493A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20743896A JPH1044493A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20743896A JPH1044493A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1044493A true JPH1044493A (ja) 1998-02-17

Family

ID=16539777

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20743896A Pending JPH1044493A (ja) 1996-08-06 1996-08-06 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1044493A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3411434B2 (ja) 画像形成装置
US5874973A (en) Image forming apparatus that controls flight of developer particles at the start and/or end of an image forming operation
US5893022A (en) Image forming apparatus
JPH1044493A (ja) 画像形成装置
EP0785076B1 (en) Image forming apparatus
JP3402906B2 (ja) 画像形成装置
US6042220A (en) Image forming device forming an image on a recording medium using flying developer
JPH10315525A (ja) 画像形成装置
JP3502530B2 (ja) 画像形成装置
US6434356B1 (en) Recording apparatus responsive to changing electrical resistance of transfer media
JPH09314889A (ja) 画像形成装置
JPH1016279A (ja) 画像形成装置
JP3402893B2 (ja) 画像形成装置
JP3747823B2 (ja) 画像形成装置
JPH09240034A (ja) 画像形成装置
JPH10235922A (ja) 画像形成装置
JP3744393B2 (ja) 画像形成装置
JPH09207373A (ja) 画像形成装置
JP3653175B2 (ja) 現像装置及び該装置を備えた画像形成装置
JPH09286130A (ja) 画像形成装置
JPH09207376A (ja) 画像形成装置
JPH10264439A (ja) 画像形成装置
JPH09240038A (ja) 画像形成装置
JPH11129520A (ja) 画像形成装置
JPH11314396A (ja) 画像形成装置