JPH09207373A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH09207373A
JPH09207373A JP8017387A JP1738796A JPH09207373A JP H09207373 A JPH09207373 A JP H09207373A JP 8017387 A JP8017387 A JP 8017387A JP 1738796 A JP1738796 A JP 1738796A JP H09207373 A JPH09207373 A JP H09207373A
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JP
Japan
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toner
carrier
image
counter electrode
electrode
Prior art date
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Application number
JP8017387A
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English (en)
Inventor
Shiro Wakahara
史郎 若原
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
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  • Electrophotography Using Other Than Carlson'S Method (AREA)
  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー担持体に担持されたトナーを選択的に
飛翔させる時に、隣接する画素を形成する時にトナー不
足が生じ、黒べた画像の濃度低下や白筋等が形成され、
画像の劣化が生じる。 【解決手段】 トナー担持体22と対向電極25との間
には、担持されたトナーが対向電極側に飛翔できるよう
な電界を付与するために対向電極25に高圧電源部30
より高電圧が供給されており、トナー担持体22と対向
電極25との間にトナーの飛翔を制御する制御電極26
が配置されている。この制御電極26に形成されトナー
が飛翔するゲート29の周囲に設けたリング状電極27
に、画像形成時に制御電源部31を介してトナーを飛翔
する電位又は飛翔しない電位が印加することで、対向電
極25上を搬送される記録紙5にトナーによる画像が形
成される。この時、トナー担持体22の回転する周速度
Vsを、記録紙5の搬送速度Vbより速くすることで、
隣接したドットを形成しても、トナー不足を阻止でき、
濃度低下等による画質の劣化を防止している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディジタル複写機
およびファクシミリ装置の印字部本体、またディジタル
プリンタ、プロッタ等に適用され、顕像化粒子を飛翔さ
せることにより記録紙等の記録媒体上に画像を直接形成
する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像信号に応じて記録紙等の記録
媒体上に可視像として出力する画像形成装置として、顕
像化粒子である例えばトナーを上記記録媒体に直接付着
させることにより、トナー像を記録媒体上に直接形成す
る画像形成装置が、例えば特開平6−155798号公
報にて提案されている。
【0003】特開平6−155798号公報記載の画像
形成装置を図10を参照して説明すれば、トナー供給部
52と印刷部53とを有する画像形成部51を備えてお
り、トナー供給部52に担持されているトナー71を選
択的に飛翔させて記録媒体であるシート状の記録紙55
に付着させる。この時、上記トナー71の飛翔を画像信
号に応じて制御することにより、トナーを選択的に記録
紙55上に直接付着させることで可視像を形成してい
る。
【0004】上記トナー供給部52は、例えば負帯電さ
れた顕像化粒子としてのトナー71を収容しているトナ
ー収容部70、及びトナー71を例えば磁気力により担
持するトナー担持体72から構成されている。トナー担
持体72は接地されており、図中矢印E方向に、かつそ
の表面速度が、例えば30mm/secで回転駆動され
ている。トナー71は、平均粒径が10μmの磁性トナ
ーであり、周知の技術によって帯電量が−4μC/g〜
−5μC/gとなるように電荷が付与される。また、ト
ナー71は、トナー担持体72の外周面に平均厚さ80
μm程度でもって担持されている。
【0005】画像形成部51を構成する印刷部53は、
直径が例えば50mm程度のアルミニウム管からなる対
向電極75と、該対向電極75と上記トナー担持体72
との間に設けられた制御電極76とから構成されてい
る。上記対向電極75は、トナー担持体72の外周面か
ら距離が1mm程度離間した状態で配置されている。対
向電極75は、直流電源部80により、例えば2kVの
高電圧が印加されており、図中、矢印F方向にその表面
での速度が30mm/secで回転駆動されている。つ
まり、対向電極75とトナー担持体72との間には、ト
ナー担持体72に担持されているトナー71を、対向電
極75方向に飛翔させるのに必要な電界が付与されてい
る。
【0006】上記制御電極76は、対向電極75表面の
接線方向と平行をなし、かつ対向電極75と対向して2
次元的に広がっており、トナー担持体72から対向電極
75方向へのトナー流が通過可能な構造となっている。
そして、この制御電極76に供給される電位により、ト
ナー担持体72と対向電極75との間に付与された電界
が変化し、トナー担持体72から対向電極75へのトナ
ー71の飛翔が制御される。
【0007】上記制御電極76は、トナー担持体72の
外周面からの距離が、例えば100μmとなるように配
置されている。また、制御電極76は、厚さ50μmの
フレキシブルプリント基板(FPC)76a、および厚
さ20μm程度の銅箔からなるリング状電極77・・・
からなっている。基板76aには、トナー71の通過部
となる直径150μm程度のゲート79・・・が形成さ
れており、これらゲート79・・・の周りに上記リング
状電極77・・・が設けられている。上記各リング状電
極77は、給電線および高電圧ドライバー(何れも図示
せず)を介して制御電源部81に電気的に接続されてい
る。
【0008】上記制御電源部81は、図11にその詳細
を示すように、トナー71がゲート79を通過させるた
めの例えば150Vの電位をリング状電極77に与える
第1電源82と、トナー71がゲート79を通過できな
い例えば−200Vの電位を与える第2電源83と、プ
ルアップ抵抗84と、電圧切換手段である電界効果型ト
ランジスタ(FET)85と、該トランジスタ85に画
像信号を供給する画像信号制御回路96とから構成され
ている。通常FET85は、画像信号制御回路86から
の信号に応じてON状態となれば、リング状電極77に
は、第2電源83にて、トナー担持体72に担持された
トナー71を通過させない電位(−200V)が付与さ
れる。一方、画像信号制御回路86によってFET85
がOFF状態にされると、リング状電極77には、第1
電源83にて、例えば150Vの電位が付与されること
で、トナー71をリング電極77のゲート79を介して
対向電極側の記録紙に飛翔させることができる。
【0009】以上のように、リング状電極77・・・に
は、上記制御電源部81により、画像信号に応じた電位
が付与される。つまり、制御電源部81は、リング状電
極77・・・に対し、トナー担持体72に担持されたト
ナー71を対向電極75方向に通過させる場合に、15
0Vの電位を300μsec程度印加し、通過せるない
場合には−200Vの電位を印加するようなっている。
このように、画像信号に従って上述した電位をリング状
電極77・・・に選択的に印加制御することで、トナー
を選択的に飛翔させて記録紙55上に画像信号に応じた
可視像を直接形成できる。
【0010】ここで、画像形成動作を行う時に、上記ト
ナー担持体72の回転、対向電極75の回転、制御電極
76へのトナー71を通過させない電位の印加、対向電
極への高圧の印加は、単一のトリガによってほぼ同時に
印加される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の画像形成装
置においては、トナー担持体72からゲート79に向け
て飛翔したトナー71領域の面積が、記録紙55の上に
到達したトナー71の付着領域の面積より大きいので、
記録紙55上に黒べたの画像を形成した時に、トナー不
足が生じ、黒べたの画像の濃度が低下、また白筋を生じ
るなどの印字不良を生じることになる。
【0012】これは、トナー71がゲート79を通過す
る時に、ゲート79中心部に向けた力が作用するため、
飛翔したトナー71が絞られた状態で、記録紙55へと
到達するためである。このような作用力が無ければ、ト
ナー71は、四方八方に広がり、飛散が多くなり濃度の
ないコントラストの得られないぼやけたドットを形成す
ることになる。そのため、形成された画像がぼやけ、鮮
明な画像を得ることができなくなる。
【0013】上記の従来の画像形成装置においては、ト
ナー担持体72の周速と、記録紙55の搬送速度が等し
いので、記録紙55に飛翔するトナー71の量は、トナ
ー担持体72のトナー密度によって決まる。しかしトナ
ー担持体72のトナー71密度には、限界があり、十分
な密度が得られないのが現状である。
【0014】もし、トナー密度を無理に上げると、トナ
ー71の帯電量が不安定とり易く、また所望の帯電量を
得られなくなる。これにより、トナー71の飛翔制御が
容易に行われず、正確な記録紙55上の位置への飛翔等
が行えず、良質の画像を得られなくなる。さらに、トナ
ー担持体72に担持されるトナー層厚も不安定となり易
くなり、飛翔するトナー量が一定しないことから生じる
濃度ムラや、画像ムラとなる画質不良が生じる原因にも
なる。
【0015】また、トナー密度を上げるために層厚を上
げると、制御電極76と担持されるトナー層の表面との
距離が短くなる。これにより、制御電極76にトナー7
1が付着しやすくなる。同時に、トナー層厚が一層不安
定にもなる。
【0016】上記制御電極76にトナー71が付着する
と、トナー71がもつ電荷によって、制御電極76の電
位が変化し、飛翔トナーの制御を行うことが非常に困難
になるうえ、制御電極76に形成されてるゲート79の
目詰まりの原因にもなる。これを回避するには、トナー
担持体72と制御電極76の距離を離すことが考えられ
る。しかしながら、その分、トナー担持体72と対向電
極75との間の距離も離れるため、対向電極75に供給
する電位も上昇させる必要があり、制御電極76に印加
する電位も上昇する。
【0017】上述の結果、制御電極76及び対向電極7
5に供給する電源電圧を上昇させるための電源コストが
単純に上昇するだけでなく、対向電極に供給する電位が
上がることによる絶縁対策を講じる必要が生じる。しか
も、制御電極76に印加する電圧を切り換える高圧ドラ
イバーとして、さらに高耐圧が必要となり、高圧ドライ
バのコストがさらに嵩む。
【0018】本発明は、上述の問題点に鑑みて、制御電
極及び対向電極等に供給する電位を上昇させることな
く、また使用する顕像化粒子である例えばトナーの特性
を変えることなく、十分な量のトナーを飛翔させ、画質
不良を生じさせない画像形成装置を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的を
達成するための画像形成装置は、顕像化粒子を担持する
担持体と、該担持体に対向して配置された対向電極と、
これら担持体と対向電極との間に配置され顕像化粒子の
通過部となる複数のゲートを有する制御電極と、上記対
向電極上を搬送され上記顕像化粒子による画像が形成さ
れる記録媒体と、上記担持体と対向電極との間に所定の
電位差を生じさせる電位を付与すると共に、上記制御電
極に付与する電位を変化させることにより顕像化粒子の
上記ゲートの通過を制御して上記搬送される記録媒体上
に画像を形成する制御手段と、を備えた画像形成装置に
おいて、上記担持体の上記顕像化粒子を担持している表
面の速度Vsが、上記記録媒体の搬送速度Vbに対し、
Vs>Vbの関係に設定されていることを特徴とする。
これにより、不足する顕像化粒子を担持体の速度を速め
ることで補うことができる。そのため、不足により生じ
る不都合を解消できる。特に、顕像化粒子である例えば
トナーの物性を変えることなく、また制御電極及び対向
電極に供給する電圧をも変えることなく、十分な量のト
ナーを飛翔させて画像を形成できる。
【0020】また、上記担持体の上記顕像化粒子を担持
した表面の速度Vsを、1画素を形成するのに必要な上
記顕像化粒子が飛翔した後の上記ゲートに対向した上記
担持体の領域の移動方向における長さをL、上記記録媒
体の搬送方向に隣接した2つの画素の時間的な印字間隔
をtとした時に、L<Vs・tの関係を維持するように
設定することで、連続してドットを形成する場合、飛翔
させる顕像化粒子である例えばトナーを担持した担持体
の領域が、新しい補給トナーと取って代わり、トナーが
確実に補充されるため、トナー不足を確実に解消でき
る。
【0021】さらに、上記担持体の上記顕像化粒子を担
持している表面の速度をVs、上記記録媒体の搬送速度
をVb、1画素を形成するのに必要な上記顕像化粒子が
飛翔した後の上記ゲートに対向した上記担持体の領域の
移動方向における長さをL、上記記録媒体の搬送方向に
隣接した2つの画素の時間的な印字間隔をtとした時
に、L<Vs・tの関係に設定すると共にVs>Vbと
なるように上記担持体の表面速度を設定することで、顕
像化粒子の不足を確実に解消でき、よって不足にって生
じる不都合を解消し、画像劣化の生じない良質の画像を
形成できる。
【0022】そこで、上記制御電極に形成されている多
数のゲート、例えば図2に示すように、ゲート29は1
ラインを形成するための必要な個数形成されており、図
では4つのグループに分割し、各グループのゲート群
を、担持体の移動方向に沿って、且つライン方向にぞれ
ぞれずらして形成された構成であることで、ライン方向
におけるトナー不足を解消でき、ゲート29に対応する
担持体上のトナーが担持された領域が重ならないように
トナーを飛翔させることが可能になる。これにより、さ
らに良質の画像を形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に図1ないし図8に従って本
発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明に
おいては、負帯電のトナーに対応する構成を備えた画像
形成装置について説明するが、正帯電トナーを使用する
場合には、それに応じて適宜各印加電圧の極性を設定す
ればよい。
【0024】図1は本発明における画像形成装置の全体
的の構成を示す概略断面図である。図において、本発明
の画像形成装置は、トナー供給部2と印刷部3とで構成
される画像形成部1を備えている。画像形成部1は、画
像信号に応じて、顕像化粒子としてのトナーを使用し
て、記録媒体である記録紙上に顕像化するものである。
つまり、この画像形成装置は、トナーを選択的に飛翔さ
せて記録紙5上に付着させると共に、上記トナーの飛翔
を画像形成信号に基づいて制御することにより記録紙5
上にトナーによる可視画像を直接形成するものである。
【0025】上記画像形成部1への記録紙5の入紙側に
は、給紙装置10が設けられている。給紙装置10は、
記録媒体としての記録紙5を収容する用紙カセット4、
この用紙カセット4から記録紙5を1枚ずつ送り出すピ
ックアップローラ(給紙ローラ)6、送り出された記録
紙5をガイドする給紙ガイド7から構成されている。ま
た、給紙装置10は、記録紙5が給紙されたことを検出
する図示していない検出センサが、給紙経路中に設けら
れている。ピックアップローラ6は、図示しない駆動装
置によって回転駆動される。
【0026】また、画像形成部1からの記録紙5の出紙
側には、画像形成部1にて記録紙5上に形成されたトナ
ー像を、加熱および加圧することにより記録紙5に定着
させる定着装置11が設けられている。定着装置11
は、加熱ローラ12、ヒータ13、加圧ローラ14、温
度センサ15、および温度制御回路16から構成されて
いる。加熱ローラ12は、例えば厚さ2mmのアルミニ
ウム管表面にトナーに対して離型性のよいフッ素樹脂等
がコーティングされた状態で構成されている。上記ヒー
タ13は、例えばハロゲンランプからなり、加熱ローラ
12に内蔵されている。
【0027】加圧ローラ14は、例えばアルミニウム等
の管の表面にシリコーン樹脂からな部材をコーティング
して構成されている。そして、互いに対向して設けられ
た上記加熱ローラ12および加圧ローラ14には、記録
紙5を挟んで加圧することができるように、それぞれの
軸の両端には、図示しないスプリング等によって例えば
2kgの荷重が加えられている。
【0028】温度センサ15は、加熱ローラ12表面の
温度を測定する。温度制御回路16は、主制御部(後述
する)によって制御されており、温度センサ15の測定
結果に基づいてヒータ13のON/OFF等を制御し、
加熱口一ラ12表面の温度を例えば150℃に保持す
る。
【0029】また、定着装置11は、記録紙5が排出さ
れたことを検出する排紙センサ(図示せず)を備えてい
る。なお、加熱ローラ12、ヒータ13、加圧ローラ1
4等の材質は、特に限定されるものではない。また、加
熱ローラ12表面の温度は、特に限定されるものではな
い。さらに、定着装置11は、記録紙5を加熱定着する
だけでなく、加圧定着することによりトナー像を定着さ
せる構成となっていてもよい。
【0030】さらに、図示しないが、定着装置11から
の用紙の出紙側には、定着装置11で処理された記録紙
5を排紙トレイ上に排出する排紙ローラ、および排出さ
れた記録紙5を受ける排紙トレイが設けられている。上
記の加熱ローラ12、加圧ローラ14、および排紙ロー
ラは、図示しない駆動装置によって回転駆動され、記録
紙5を排紙する。
【0031】画像形成部1を構成するトナー供給部2
は、顕像化粒子としてのトナー21が収容されているト
ナー収容槽20、トナー21を磁気力により担持する円
筒状の担持体(スリーブ)としてのトナー担持体22、
およびトナー収容槽20内部に設けられ、トナー21を
帯電させると共に、トナー担持体22の外周面に担持さ
れるトナー層の厚さを規制するドクターブレード23か
ら構成されている。
【0032】ドクターブレード23は、トナー担持体2
2の回転方向における上流側に、トナー担持体22の外
周面からの距離が例えば60μm程度の間隔を隔てて配
置されている。トナー21は、例えば平均粒径が6μm
の磁性トナーであり、ドクターブレード23により、例
えば帯電量が−4μC/g〜−5μC/gとなるように
電荷が付与されている。尚、ドクターブレード23とト
ナー担持体22との距離は、特に限定されるものではな
く、トナー搬送量に応じて適宜設定される。またトナー
21の平均粒径や帯電量等は、特に限定されるものでは
なく、必要に応じて設定すればよい。トナー担持体22
は、図示しない駆動装置によって駆動され、図中矢印A
方向に例えばその表面での速度が例えば100mm/s
ec程度で回転駆動される。
【0033】トナー担持体22は接地されると共に、ト
ナー担持体22内部におけるドクターブレード23と対
向する位置および、制御電極26(後述する)と対向す
る位置に、図示しない固定状態で磁石が配置されてい
る。これにより、トナー担持体22は、その外周面にト
ナー21を担持することができるようになっており、さ
らにスリーブであるトナー担持体22を回転させること
で磁気的に吸着(担持)しているトナーを搬送してい
る。また、トナー担持体22の外周面に担持されたトナ
ー21は、該外周面における上記固定された磁石の磁極
位置に対応する位置で、いわゆるトナーによる穂立ちを
形成する。尚、トナー担持体22の回転速度は、特に限
定されるものではなく、トナーを搬送する量等に基づい
て速度を決定すればよい。また、トナー担持体22は、
磁気力によりトナー21を担持する代わりに、電気力、
または電気力および磁気力により担持する構成となって
いてもよい。
【0034】画像形成部1の印刷部3は、例えば厚さ1
mmのアルミニウム板から形成された、トナ一担持体2
2の外周面と対向する対向電極25と、該対向電極25
に高圧を供給する本発明の電源手段である高圧電源30
と、上記トナー担持体22との間に設けられた制御電極
26と、除電ブラシ32と除電ブラシ32に除電電位を
与える除電電源17と、記録紙5を帯電させる帯電ブラ
シ33と、該帯電ブラシ33に帯電電位を与える帯電電
源18と、誘電体ベルト24と、該誘電体ベルト24を
支持し走行させる支持ローラ24a,24bと、クリー
ナーブレード19を備えている。
【0035】上記の対向電極25は、トナー担持体22
の外周面からの離間距離が例えば1mmとなるように設
けられている。
【0036】上記対向電極25に密着するように走行さ
れ、記録紙5を搬送するための誘電体ベルト24は、ポ
リフッ化ビニリデン(PVDF)を基材として形成され
ており、その体積抵抗率が1014Ω・cm程度で、厚さ
が75μm程度のエンドレス形状のベルトである。該誘
電体ベルト24は、支持ローラ24a,24b間に張架
され、図示しない駆動装置によって例えば支持ローラ2
4bを介して駆動され、図中矢印方向に、例えばその表
面での速度が30mm/secで回転される。
【0037】また、対向電極25には、高圧電源部(制
御手段)30により、例えば2kVの高電圧が供給され
るよになっている。つまり、対向電極25とトナー担持
体22との間には、高圧電源部30から供給される高電
圧により、トナー担持体22に担持されたトナー21
を、対向電極25方向に飛翔させるのに必要な電界が付
与されることになる。
【0038】上記除電ブラシ32は、誘電体ベルト24
の回転方向における制御電極26と対向する位置のさら
に下流側で、誘電体ベルト24に圧接するように設けら
れている。この除電ブラシ32は除電電源17によっ
て、例えば除電電位2.3kVが印加され、誘電体ベル
ト24表面に存在する不要電荷を除電する。
【0039】上記クリーニングブレード19は、例え
ば、紙詰まり(ペーパージャム)等の不測の事態が生じ
て誘電体ベルト24の表面にトナー21が付着した場合
に、このトナー21を除去して、用紙裏面が該トナー2
1によって汚染されることを防止する。尚、対向電極2
5の材質は、特に限定されるものではなく、必要な材質
を適宜設定すればよい。また、対向電極25とトナー担
持体22との距離についても、特に限定されるものでは
なく、適宜設定すればよい。さらに、対向電極25の回
転速度や、印加される電圧は、特に限定されるものでな
く、使用するトナーや速度に応じて適宜設定すればよ
い。
【0040】また、図示しないが、本画像形成装置は、
制御回路として、画像形成装置全体を制御する主制御部
と、原稿等の画像を読み取る画像読み取り装置から得ら
れた面像データを印刷すべき画像データの形式に変換す
る画像処理部と、変換された該画像データを記憶する画
像メモリと、画像処理部から得られた画像データを制御
電極26に与えるべき画像データに変換する画像形成制
御ユニツトとを備えている。
【0041】そこで上記制御電極26は、対向電極25
表面の接線方向と平行をなし、かつ対向電極25と対向
して2次元的に広がっており、トナー担持体22から対
向電極25方向へのトナー流が通過可能な構造となって
いる。そして、この制御電極26に供給される電位によ
り、トナー担持体22と対向電極25との間に付与され
た電界が変化し、トナー担持体22から対向電極25へ
のトナー21の飛翔を選択的に制御することができる。
【0042】上記制御電極26は、トナー担持体22の
外周面からの距離が例えば100μmとなるように配置
さられており、図示しない支持部材により固定されてい
る。図2に制御電極26の詳細を示すように、該制御電
極26は、絶縁性の基板26a、高圧ドライバ(図示せ
ず)、および各々独立したリング状の導電体、即ちリン
グ状電極27・・・からなつている。基板26aは、例
えばポリイミド樹脂からなり、厚さ25μmに形成され
ている。
【0043】また、基板26aには、後述するゲート2
9・・・となるべき孔が形成されている。リング状電極
27・・・は、例えば銅箔からなり、該基板26aにお
けるトナー担持体22側表面、即ち上記孔29の周りに
設けられており、所定の配列に従って配置されている。
各リング状電極27は、例えば直径220μm、厚さ3
0μmに形成されている。また、各リング状電極27の
開口部29・・・は、例えば直径200μmに形成され
ており、トナー担持体22から対向電極25へ飛翔する
トナー21の通過部となっている。以下、この通過部を
ゲート29と称することとする。尚、制御電極26とト
ナー担持体22との距離は、特に限定されるものではな
い。
【0044】上記ゲート29・・・の大きさや、基板2
6aおよびリング状電極27・・・の材質や厚さ等は、
特に限定されるものではない。上記のゲート29・・
・、即ちリング状電極27・・・は、例えば2560個
形成されており、各リング状電極27は、個々に給電線
28および高圧ドライバ(図示せず)を介して制御電源
部31(後述する)に電気的に接続されている。上記個
数は、A4判の用紙の横幅における解像度300DPI
(dot per inch)に相当し、1ライン分の画像を形成す
る。
【0045】なお、上記リング状電極27・・・の個数
は、特に限定されるものでなく、1ラインを形成するた
めの画素(ドット)数によって決められる。そして、ゲ
ート29は図に示すように1ラインの同一ライン上に全
て形成することなく、図では4グループに分割され、各
グループのゲート群29a,29b,29c及び29d
が、記録紙5の搬送方向、特にトナー担持体22の移動
方向に、かつライン方向に順次ずれせて形成されてい
る。つまり、上述の例では、1ラインに2560個の画
素を形成するために、その個数のゲート29が形成され
ており、1つのグループのゲート数は、440個であっ
て、それらが図2に示すように形成されている。
【0046】このように構成することで、ドット間隔を
短くすることが容易になり、特にドット間隔を重ならせ
て、黒べた画像を形成する場合に、円形ドットの隙間を
なくすようにすることができる。また、解像度を上げる
ことも可能になると同時に、隣接するゲートの距離を明
けることでリング状電極27・・・、その配線を容易に
行うことができることによる制御電極の製造コストの大
幅な低減を行える利点がある。
【0047】また、上記リング状電極27・・・表面お
よび給電線28表面は、厚さ30μmの程度の絶縁体層
(図示せず)で覆われており、これにより、リング状電
極27・・・同士の絶縁性、給電線28・・・同士の絶
縁性、および、互いに接続されていないリング状電極2
7・・・と給電線28・・・との間の絶縁性が確保され
ている。また、絶縁体層の材質や厚さ等は、特に限定さ
れるものではない。
【0048】上記制御電極26のリング状電極27・・
・には、制御電源部(制御手段)31により画像信号に
応じたパルス、即ち電圧が印加される。つまり、制御電
源部31は、リング状電極27・・・に対し、トナー担
持体22に担持されたトナー21を対向電極25方向に
通過させる場合には、例えば150Vの電圧を印加し、
通過させない場合には、例えば−200Vの電圧を印加
するようになっている。このように、制御電極26への
付与する電圧(電位)を画像信号に応じて制御し、対向
電極25におけるトナー担持体22との対向面側の対向
電極25上に記録紙5を送り込むと、記録紙5の表面に
画像信号に応じたトナー像が形成される。尚、制御電源
部31は、図示しない画像形成制御ユニットから送られ
てくる制御電極制御信号によって制御されている。
【0049】次に、本画像形成装置による画像形成動作
を図3を参照して説明する。
【0050】まず、例えば、画像読取り部に複写すべき
原稿が載置され、コピースタートボタン(図示せず)が
操作されると、この入力を受けた主制御部は画像形成動
作を開始させる。即ち、画像読み取り部によって原稿画
像が読み取られ(ステップn1)、その画像データが画
像処理部で処理(ステップn2)され、画像メモリに記
憶(ステップn3)される。この画像メモリに記憶され
た画像デ一タが、画像形成制御ユニツトに転送(ステッ
プn4)され、画像形成制御ユニツトでは、入カされた
画像データを制御電極26に与える制御電極制御信号に
変換し始める(ステップn5)。
【0051】また、画像形成制御ユニツトは、所定量の
上記制御電極に供給する制御信号を得ると、トナー担持
体22が回転駆動(ステップn7)させる。このトナー
担持体(スリーブ)22の回転により担持されるトナー
の帯電量を安定化させる。この後に、支持ローラ24a
には高圧電源30によって対向電極25と同電位の高電
圧が供給(ステップn9)される。帯電ブラシ33に
は、帯電電源18によって帯電電位として1.2kV
が、除電ブラシ32は除電電源17によって除電電位が
印加(ステップn9)される。
【0052】ここで、所望の制御電極信号でない場合に
は、ステップn6にてこのフローが中断され、エラー表
示(ステップn20)が行われる。また、所望の制御電
極信号であることが確認されれば、上述したように所定
量の制御電極に供給する制御信号を得た時に、上述した
ように対向電極25及び帯電ブラシ33、除電ブラシ3
2に所定の高電圧が供給される前に、本発明において
は、トナー担持体22のトナー21を飛翔させないよう
に、制御電極26の全てのリング状電極27・・・にト
ナーが飛翔しない電位である−200Vを印加しておく
(ステップn8)。
【0053】この後に図示しない駆動装置が作動し、こ
の駆動装置に回転駆動されるピックアップローラ6によ
り、用紙カセット4内の記録紙5が画像形成部1の方向
へ送り出される(ステップn10)。この時正常な給紙
状態であるか否かがステップn11で確認される。つま
り、給紙される記録紙5が搬送経路中の給紙センサにて
検出されると、正常動作であるとしてステップn12に
進む。
【0054】ここで、ピックアップローラ6によって送
り出された記録紙5は、帯電ブラシ14と支持ローラ1
6a間に搬送される。記録紙5は帯電ブラシ33と支持
ローラ24aとの電位差による電荷を供給され静電気的
に吸着されたまま誘電体ベルト24の走行に伴って画像
形成部1の印刷部3における誘電体ベルト24のトナー
担持体22と対向面側に搬送される。なお、制御電極制
御信号の上記所定量は、画像形成装置等によって異な
る。
【0055】そして、画像形成制御ユニットは、ステッ
プn12において上記制御電極制御信号を制御電源31
に供給する。この制御電源制御信号の供給は、上記帯電
ブラシ33による印字部3への記録紙5の供給タイミン
グに同期したタイミングで行われる。制御電源部31
は、上記制御電極制御信号に基づいて、制御電極26の
各リング状電極27に印加する電圧を制御する。つま
り、制御電源部31から画像信号に応じた適宜所定のリ
ング状電極27に150Vもしくは−200Vの電圧が
印加され、制御電極26付近の電界が制御される。即
ち、制御電極26のゲート29において、画像データに
応じてトナー担持体22から対向電極25へのトナー2
1の飛翔の阻止と、その解除とが適宜行われる。これに
より、誘電体ベルト24の走行によって出紙側に向かっ
て30mm/secの速度で移動している記録紙5上
に、画像信号に応じたトナー像が形成される。
【0056】トナー像が形成された記録紙5は、支持部
材24bの持つ曲率で誘電体ベルト24から剥離されて
定着装置11に搬送されたのちに、この定着装置11で
トナ像が記録紙5に定着される。トナー像が定着された
記録紙5は、排紙ローラにて排紙トレイ上に排出される
と共に、正常に排出されたことを排紙センサにて検出さ
れる。
【0057】この検出動作に基づいて、主制御部が印刷
動作の正常な終了を判断する。以上の画像形成動作によ
り、記録紙5上に良好な画像が形成される。本画像形成
装置は、記録紙5上に画像を直接形成するので、従来の
画像形成装置で用いられている感光体や誘電体ドラム等
の顕像体が不用となっている。
【0058】従って、顕像体から記録紙に画像を転写す
る転写動作が省略されるので、画像の劣化を生じない。
このため、装置の信頼性が向上する。また、装置の構成
か簡単化されると共に、部品点数が削減されるので、小
型化および低コスト化が可能となる。
【0059】ここで、トナー21をトナー担持体22よ
り飛翔させる、または飛翔させないように制御するため
に上記制御電極26に印加する電圧を切り換えている。
その制御の前に、トナー担持体22と対向電極25との
間に所定の電位差を生じさせ、トナー担持体22に担持
されたトナー21を対向電極25へと飛翔させる電界を
発生させるために、上記対向電極25に高圧電源部30
から高電圧が供給される。この電圧の供給により生じる
トナー担持体22と対向電極25との間のトナー21の
飛翔状態について考えることとする。
【0060】上述したように、トナー担持体22は接地
されており、上述したように対向電極25には2kVの
高圧が印加される。その結果、上記トナー担持体22と
対向電極25との間には、等間隔で0Vから2kVまで
の等電位面が形成されることになる。そして、対向電極
25はトナー担持体22の外周面からの距離が1mmと
なるように設けられており、また制御電極26はトナー
担持体22の外周面からの距離が100μmとなるよう
に設けられているので、制御電極26のゲート29・・
・中心部(ゲート中心部)における位置の電位は、約2
00Vとなる。尚、ゲート29・・・の中心部の電位
は、トナー担持体22と対向電極25との間の電位差
や、制御電極26の配設位置、該ゲート29・・・の形
状等によって決定される。
【0061】この状態で、トナー担持体22に担持され
たトナー21を対向電極25方向に通過させるべく、制
御電源部31により、制御電極26のリング状電極27
・・・に対して150Vの電圧を一画素あたり例えば1
50μsec印加する。この状態を図4に示すように、
制御電極26のゲート29近傍の等電位面が得られる。
同様に、トナー21がゲート29を通過しない−200
Vの電位を印加した場合について図5に示す等電位面が
得られる。この図4及び図5に示す等電位面は、本発明
者がコンピュータを用いてシミュレーションによって求
めたものである。
【0062】このように制御電極26と、トナー担持体
22との間の電界は、制御電極26に印加する電位によ
って方向が逆転する。しかし、制御電極26と対向電極
25との間の電界は、その強度が多少変化するだけでそ
の方向は、常に記録紙55に垂直で変化しない。従っ
て、制御電極26を通過したトナー21は、制御電極2
6の電位の如何によって、その飛翔状態はほとんど影響
を受けない。
【0063】なお、上記の説明においては、トナー21
を通過させるべく制御電極26のリング状電極27・・
・に付与する電位が、150Vの場合を一例に挙げた
が、該電位は、トナー21の所望した飛翔制御を行える
なら、特に限定されるものではない。
【0064】また、制御電極26のリング状電極27に
印加する電位を変化させることにより、制御電極26の
ゲート29近傍における等電位面の膨らみの度合い、つ
まりトナー担持体22側に湾曲する状態を変化させるこ
とができる。そのため、ゲート29を通過するトナー2
1に対して作用する電気力を変化させることができる。
これにより、制御電源部3lにより付与する電位を適宜
変化させることにより、記録紙5上に形成される画像の
ドット径(FL)を任意に調節することかできる。この
ように、対向電極25に高電圧が供給された状態で、上
記制御電極26にトナー飛翔電圧を印加すれば、トナー
を飛翔させると同時に、ゲート29の通過時に、上述し
たように1画素を形成するドット径を制御できる。
【0065】一方、トナー21の通過を阻止すべく制御
電極26のリング状電極27・・・に付与する電位は、
上述の説明のように−200Vとして説明したが、この
値に限定されるものではない。上記の電位は、具体的に
は、例えば実験等を行うことにより適宜決定すればよ
い。
【0066】本発明は、上述したような画像形成装置に
おいて、特にトナー担持体22を回転させる周速度を、
記録紙5の搬送速度より速くしている。つまり、トナー
担持体22のスリーブ表面の周速度をVs、記録紙5の
搬送速度をVbとした時に、それぞれの速度をVs>V
bの関係で設定している。
【0067】このようにすることで、以下に記載する不
都合を解消できる。つまり、図6に示すように、トナー
担持体22に担持されているトナー21が飛翔し、制御
電極26のゲート29を通過するトナー21は、ゲート
29と対向するトナー担持体22表面に限らずゲート2
9に対向する領域よりも大きな領域で飛翔する。また飛
翔したトナー21は、ゲート29を通過する際に、図4
にて説明したように等電位面が、トナー担持体22に対
し凸状であるため、ゲート29の中心方向に力を受け、
押し縮められて記録紙5へと到達する。結果的に、トナ
ー担持体22表面のトナー21が飛翔した後の領域の面
積をS0、記録紙5に飛翔し到達したトナー21の付着
領域であって、実質的な1ドットの面積をS1とする
と、S0>S1となる。
【0068】従って、トナー担持体22の周速度Vs
と、記録紙5の搬送速度Vbが、Vs≦Vbならば、記
録紙5に黒べた画像を形成した場合、必要なゲート29
に対向するトナー担持体22上のトナー21が不足する
状態が生じる。つまり、トナー担持体22上の1ドット
を形成するためのトナー21が飛翔した後、連続して次
の1ドットを形成するために、トナーが飛翔する場合、
先のトナー21の飛翔領域の面積S01、次のトナーの
飛翔領域の面積S02とした時、このトナーの飛翔領域
で重なる部分が生じる。この状態を図7に示す。この図
7に示すように、連続してトナーを飛翔させた場合、先
のドットを形成するトナー担持体22上のトナーの飛翔
領域S01と、連続する次のドットを形成するトナーの
飛翔領域S02との斜線部の重なりによるトナー不足が
生じる。
【0069】図7ではトナー担持体22の回転方向にお
けるトナー不足の状態を明示しているが、トナー担持体
22の回転軸方向、つまり1ライン方向における隣接す
るトナーの飛翔においても同様のことが生じる。このた
め、黒べた画像を形成する場合に、上下左右方向におい
て連続してドットを形成する必要があるため、トナー担
持体22上の担持トナー21が飛翔し、トナー不足が顕
著に生じることになる。
【0070】このような状況で黒べた画像を形成した場
合には、各画素(ドット)を形成するための十分なトナ
ー量を得ることができず、濃度の低下や白筋等が発生す
る。そのため、黒べた画像以外の像を形成しても、濃度
不足による画像の劣化が生じ、良質の画像を得られなく
なる。
【0071】そこで、本発明においては、上述のように
トナー担持体22の周速度Vsを、記録紙5の搬送速度
Vbより速くし、図8に示すように隣接する連続して飛
翔させるトナーの飛翔領域S01及びS02がなるべく
重ならないように、トナー21の搬送量をアップさせて
トナー不足を補っている。
【0072】図8で示す関係を維持しようとするための
必要な条件は、任意の隣接した2つの画素が、該画素に
対応する1つのゲート29によって形成される時間的間
隔をt、トナー担持体22の周速度をVs、トナーが飛
翔する領域の特にトナー担持体22の回転方向の平均の
長さをL(図8参照)とすると、L<Vs・tで現され
る。つまり、連続した画素を形成するための1画素の形
成間隔tにおいて、領域S01のトナー21が飛翔した
後、次の領域S02のトナー21が重ならない状態で飛
翔させようとする場合、上述したようにL<Vs・tの
関係を満足するように、トナー担持体22の回転速度、
特に周速度Vsを設定すればよい。
【0073】そこで、以上説明した本発明の実施形態に
おける条件で画像形成を行う場合、つまり記録紙5の搬
送速度Vbは、Vb=30mm/secとし、300D
PIによる画像形成を行うものとすれば、ドット形成間
隔tはt=2.8mmsecとなる。また、トナー担持
体22と対向電極25との間隔が1mm、制御電極26
のゲート29の径が200μm、対向電極25に供給す
る高電圧が2kVで、トナーを飛翔させるために制御電
極26のリング状電極27に印加する電圧を150Vと
した時に、トナー担持体22より飛翔されるトナー21
の領域S0における回転方向の長さLの実測は約270
μmであった。
【0074】上述した値である長さL及び間隔tを、L
<Vs・t(Vs>L/t)に代入し、トナー担持体2
2の周速度Vsを求めると、Vs>96.4mm/se
cとなる。そのため、本発明の実施形態においては、ト
ナー担持体22の回転速度であるスリーブ表面の周速度
Vsを100mm/secとすることで、トナー担持体
22に担持されるトナーが不足するのを阻止でき、所定
の量のトナーを飛翔させることができる。その結果、記
録紙5上に到達したトナー21によるドットの濃度が低
下することなく、所望の良質の画像を形成できる。
【0075】ここで、トナー21においてはトナー担持
体22の回転速度Vsを記録紙5の搬送速度Vsより速
くすることで、トナー不足を解消している。これは、ト
ナー担持体22の回転方向におけるトナー不足の解消で
あるが、回転方向と直交する方向の1ライン方向の隣接
するトナー不足をも解消することはできない。しかし、
回転方向におけるトナー不足を解消することで、1ライ
ン方向のトナーについてもある程度の不足を解消でき、
十分なトナー量を得ることができる。
【0076】すなわち、従来では飛翔するトナーの上下
及び左右方向でのトナー不足が生じるため、トナーの不
足量が顕著になるものの、本発明のようにトナー担持体
22の回転方向(上下方向)のトナー不足分を解消でき
る分、従来のようなトナー不足については解消できる。
【0077】また、本発明の図2に示した構造の制御電
極26によれば、1ラインを形成するために、記録紙5
が制御電極26を通過する過程で時間的にずれた状態で
トナー21が飛翔されてドットが形成されるため、軸方
向に隣接する各画素を形成するトナーの領域を重ならな
いようにしてトナー担持体22を回転させて補給でき
る。つまり、制御電極26のゲート29・・・が全て1
ライン上に形成されておれば、該ゲート29より全てト
ナーが飛翔させるように制御された時には、回転軸方向
に隣接する領域においてどうしても重なる領域が生じる
ことになる。
【0078】しかし、図2に示す制御電極26の構造に
おいては、1ライン上に全て設けることなく、4個のグ
ループに分割し、それらのグループをライン方向に多少
ずれして形成されているため、重なる領域がないように
制御することが可能になる。これにより、トナー不足に
よる画像劣化、画質低下を阻止できる。
【0079】上述した本発明の実施形態の説明では、制
御電極26として図2のようなシングルドライブの制御
電極を使用したが、制御電極の形状は図9のようにマト
リクスドライブを使用した構成でも同様に実施できる。
マトリクスドライブは必要なドライブ数が、ゲートの数
だけ必要としなくなるため、大幅に削減できコストダウ
ンを図れる効果がある。
【0080】図9に示すように制御電極26は、基板2
6aの表面及び裏面に帯状電極群27aと27bを互い
に直交(交差)する状態で形成されている。表裏面の帯
状電極郡27a及び27bが交差するそれぞれの位置
に、トナー流を通過させるゲート29が形成されてい
る。
【0081】そして、表面の帯状電極郡27aには、例
えば画像信号に応じたトナー飛翔電位を印加する。また
裏面の帯状電極郡27bには、周期的に切換えられる走
査信号に応じたトナー飛翔電位を印加する。これによ
り、ゲート29の交差する表裏面の帯状電極郡27a及
び27bに同時にトナー飛翔電位が印加された状態で、
トナー担持体22のトナー21が飛翔され、ゲート29
を通過後に、対向電極25へと飛翔されることになる。
【0082】このような構成の制御電極26において
も、上述した実施形態での説明の場合と同様の効果が得
られる。つまり、制御電極26をマトリクス形式に構成
しても、トナー担持体22のトナー不足とは直接関係せ
ず、ドットの形成間隔tが変化したとしても、その変化
分に応じてトナー担持体22の周速度Vsを適宜設定す
ればよいことである。
【0083】さらに、顕像化粒子がトナーである場合に
つていて説明したが、この顕像化粒子はインク等であっ
ても同様に実施できる。また、トナー供給部2の構成
を、イオンフロー法を適用した構成とすることも可能で
ある。つまり、画像形成部1は、コロナ帯電器等のイオ
ン源を備えた構成となっていてもよい。この場合におい
ても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
【0084】本発明にかかる画像形成装置は、例えば、
ディジタル複写機およびファクシミリ装置の印字部や、
ディジタルプリンタ、プロッタ等に好適に適用すること
ができる。
【0085】
【発明の効果】以上説明した本発明の画像形成装置によ
れば、顕像化粒子が不足するのを防止できる。そのた
め、顕像化粒子が例えばトナーであれば、形成される画
像のドットの大きさを一定に、かつ所定の濃度で形成で
きるため、画像を劣化させることもなく、黒べた画像を
形成した場合に、白筋や濃度低下をまねくことはない。
よって、良質の画像を形成できる。
【0086】特に、顕像化粒子であるトナー不足を解消
するために、トナー担持体の周速度を記録紙の搬送速度
より速く設定するため、トナーの物性や帯電量の変更、
対向電極や制御電極に供給する電圧の上昇等を行うこと
なく、簡単な手段にて実現できるため、コストアップを
合わせて回避できる。
【0087】さらに、トナー担持体の周速度を、画素を
形成するドット間隔等により決定すれば、トナー不足を
確実に解消できるため、トナー不足による画質の劣化を
阻止でき、良質の画像を得ることができる。
【0088】また、制御電極のゲートが1ラインを形成
するために、1ライン上に全て形成されることなく、各
グループに分割され、それが記録紙の搬送方向に沿って
形成されている場合には、さらに担持体の軸方向におけ
るトナー不足をも合わせて解消でき、より鮮明な画像を
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像形成装置の全体構成を示す概
略の断面図である。
【図2】本発明における画像形成装置が備える制御電極
の一部の詳細な構成を示す平面図である。
【図3】記録制御動作の流れを示すフローチャートであ
る。
【図4】本発明のトナーの飛翔原理を説明するためのも
のであり、トナーが飛翔する時の等電位面を示す説明図
である。
【図5】本発明のトナーの飛翔原理を説明するためのも
のであり、トナーが飛翔しない時の等電位面を示す説明
図である。
【図6】本発明によるトナー担持体より飛翔するトナー
の領域の面積と、記録紙に到達する飛翔トナーの面積と
の関係を説明するための模式図である。
【図7】本発明にかかるトナー担持体上でのトナー不足
が生じる状態を説明するための平面図である。
【図8】本発明にかかるトナー担持体上でのトナー不足
を解消する状態を説明するための平面図である。
【図9】制御電極の他の具体例を示すもので、マトリク
ス構成を有する制御電極の平面図である。
【図10】従来の画像形成装置の画像形成原理を説明す
るための断面図である。
【図11】トナー飛翔を制御するための制御電極を構成
するリング状電極に画像信号に応じてトナー飛翔制御の
ための電圧を印加制御するための制御回路構成図であ
る。
【符号の説明】
1 画像形成部 2 トナー供給部 3 印刷部 5 記録紙(記録媒体) 21 トナー(顕像化粒子) 22 トナー担持体 25 対向電極 26 制御電極 27 リング状電極 29 ゲート 30 高圧電源部(制御手段) 31 制御電源部(制御手段) Vs トナー担持体の周速度 Vb 記録紙の搬送速度 t 画素の形成間隔 S0 トナー担持体よりトナーが飛翔する領域の面積 L トナー担持体の回転方向におけるトナー飛翔領域の
長さ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 顕像化粒子を担持する担持体と、該担持
    体に対向して配置された対向電極と、これら担持体と対
    向電極との間に配置され顕像化粒子の通過部となる複数
    のゲートを有する制御電極と、上記対向電極上を搬送さ
    れ上記顕像化粒子による画像が形成される記録媒体と、
    上記担持体と対向電極との間に所定の電位差を生じさせ
    る電位を付与すると共に、上記制御電極に付与する電位
    を変化させることにより顕像化粒子の上記ゲートの通過
    を制御して上記搬送される記録媒体上に画像を形成する
    制御手段と、を備えた画像形成装置において、 上記担持体の上記顕像化粒子を担持している表面の速度
    Vsが、上記記録媒体の搬送速度Vbに対し、Vs>V
    bの関係に設定されていることを特徴とする画像形成装
    置。
  2. 【請求項2】 顕像化粒子を担持する担持体と、該担持
    体に対向して配置された対向電極と、これら担持体と対
    向電極との間に配置され顕像化粒子の通過部となる複数
    のゲートを有する制御電極と、上記対向電極上を搬送さ
    れ上記顕像化粒子による画像が形成される記録媒体と、
    上記担持体と対向電極との間に所定の電位差を生じさせ
    る電位を付与すると共に、上記制御電極に付与する電位
    を変化させることにより顕像化粒子の上記ゲートの通過
    を制御して上記搬送される記録媒体上に画像を形成する
    制御手段と、を備えた画像形成装置において、 上記担持体の上記顕像化粒子を担持している表面の速度
    をVs、1画素を形成するのに必要な上記顕像化粒子が
    飛翔した後の上記ゲートに対向した上記担持体の領域の
    移動方向における長さをL、上記記録媒体の搬送方向に
    隣接した2つの画素の時間的な印字間隔をtとした時
    に、L<Vs・tの関係を維持するように設定したこと
    を特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 顕像化粒子を担持する担持体と、該担持
    体に対向して配置された対向電極と、これら担持体と対
    向電極との間に配置され顕像化粒子の通過部となる複数
    のゲートを有する制御電極と、上記対向電極上を搬送さ
    れ上記顕像化粒子による画像が形成される記録媒体と、
    上記担持体と対向電極との間に所定の電位差を生じさせ
    る電位を付与すると共に、上記制御電極に付与する電位
    を変化させることにより顕像化粒子の上記ゲートの通過
    を制御して上記搬送される記録媒体上に画像を形成する
    制御手段と、を備えた画像形成装置において、 上記担持体の上記顕像化粒子を担持している表面の速度
    Vsが、上記記録媒体の搬送速度をVb、1画素を形成
    するのに必要な上記顕像化粒子が飛翔した後の上記ゲー
    トに対向した上記担持体の領域の移動方向における長さ
    をL、上記記録媒体の搬送方向に隣接した2つの画素の
    時間的な印字間隔をtとした時に、L<Vs・tの関係
    に設定すると共に、Vs>Vbの関係に設定されている
    ことを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 上記制御電極に形成されているゲート
    は、1ラインを形成するのに必要な個数であって、複数
    個のグループに分割されており、各グループのゲート群
    を担持体の移動方向に、かつライン方向にずらして形成
    されたことを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の
    画像形成装置。
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