JPH1044450A - インクジェット式印字装置 - Google Patents

インクジェット式印字装置

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JPH1044450A
JPH1044450A JP22595496A JP22595496A JPH1044450A JP H1044450 A JPH1044450 A JP H1044450A JP 22595496 A JP22595496 A JP 22595496A JP 22595496 A JP22595496 A JP 22595496A JP H1044450 A JPH1044450 A JP H1044450A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印字ヘッドをキャップ部材でキャップする位
置から印字領域方向へのキャリッジの移動を防止する係
止機構およびその係止状態を解除する解除機構を簡単な
構成で実現する。 【解決手段】 印字終了に際してキャリッジ21が印字
領域から、印字ヘッド46〜49をキャップ部材64で
覆う領域に移動するとき、係止アーム74を越えて移動
し、手動操作によりキャリッジ21を印字領域方向に移
動することが係止アーム47によって阻止される。電源
投入時、キャリッジ21上のフォトセンサ31がエンコ
ーダ部材の遮光性帯状部30fに対向していると、CP
U等の制御手段はキャリッジ21を印字領域とは反対方
向に移動する。それによって、キャリッジ21は作動ア
ーム81を押し、係止アーム74をキャリッジの移動経
路から退避させる。フォトセンサ31が透過性帯状部3
0eに対向すると、キャリッジ21は印字領域方向に移
動し、復帰アーム75を押して係止アーム74をキャリ
ッジの移動経路に突出する位置へ復帰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット式
印字装置に関し、特にキャップ部材により印字ヘッドが
キャップ状態にあるキャリッジを、手動操作により印字
方向へ移動できないようにして、印字ヘッドのインク乾
燥を防止するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、印字ヘッドに設けた複数のインク
ジェットノズルからインクを噴射させながら、印字ヘッ
ドを搭載したキャリッジを印字方向に移動することで、
画像をドットパターンで記録紙に印字するようにしたイ
ンクジェット式印字装置においては、印字動作を行わな
いときに、印字ヘッドのヘッド面のインク乾燥を防止す
るように、印字動作の終了に際して、キャリッジを印字
領域から外れたメンテナンス領域に移動させることで、
キャップ部材を印字ヘッドに密着状に押圧して覆うよう
にするとともに、キャリッジを手動操作による誤操作で
印字領域に移動できないようにすることで、ヘッド面の
インク乾燥を確実に防止するようになっている。
【0003】例えば、特開平3─246051号公報に
は、印字動作の終了に際して、キャリッジを印字領域か
ら外れたメンテナンス領域に移動させることで、キャッ
プ部材を印字ヘッドのヘッド面に押圧するとともに、こ
のキャリッジのキャップ位置への移動を検出センサで電
気的に検出したときに、キャリッジの係合リブとキャリ
ッジのガイド軸に取付けた固定部材とを、シート送りモ
ータで駆動されるカムにより揺動したキャリッジ係止レ
バーの先端部で連結することで、これら係合リブが固定
部材から外れないようにして、キャリッジを手動操作で
印字領域に移動されるのを防止して、ヘッド面の不用意
なインク乾燥を確実に防止するようにしたインクジェッ
ト式印字装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、特開
平3─246051号公報に記載のインクジェット式印
字装置においては、キャップ部材により印字ヘッドがキ
ャップ状態にあるキャリッジを、手動操作による不用意
な印字領域への移動を防止する為に、係合リブや固定部
材を設けるとともに、シート送りモータで駆動されるカ
ムやキャリッジ係止レバーを設け、キャリッジのキャッ
プ位置への移動を電気的に検出したときにキャリッジ係
止レバーを揺動させて、係合リブと固定部材とを連結す
ることでキャリッジ移動を防止するようにしているの
で、部品点数が増加するとともに、組付け作業が複雑化
する上、フォトセンサなどの高価な検出センサを専用に
設けることから、コスト高になること、などの問題があ
る。
【0005】本発明の目的は、簡単な係止機構と解除機
構とを組み込んで、印字ヘッドをキャップ部材でキャッ
プするキャリッジのキャップ位置から印字領域への移動
を確実に防止し得るようなインクジェット式印字装置を
提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るインクジ
ェット式印字装置は、複数のインクジェットノズルから
インクを噴射して印字する印字ヘッドと、この印字ヘッ
ドが搭載されたキャリッジと、このキャリッジを印字方
向に往復移動するキャリッジ駆動手段とを備えた印字装
置において、キャリッジの移動範囲のうちの印字領域か
ら外れた一端側において印字ヘッドの複数のインクジェ
ットノズルが開口するヘッド面を密着状に覆うキャップ
部材と、キャップ部材がヘッド面を覆う位置からキャリ
ッジが印字領域の方へ移動しないようにキャリッジを係
止する係止機構と、キャップ部材がヘッド面を覆う位置
から印字領域と反対方向へ所定量移動したキャリッジで
操作されて、係止機構の係止を解除する解除機構とを備
えたものである。
【0007】キャリッジが、キャリッジ移動範囲のうち
の印字領域から外れた一端側に移動されたときには、印
字ヘッドの複数のインクジェットノズルが開口するヘッ
ド面がキャップ部材により密着状に覆われてキャップさ
れる。ところで、印字終了に際して、キャリッジがヘッ
ド面を覆う位置に一旦移動したときには、キャリッジは
係止機構により、そのヘッド面を覆う位置から印字領域
の方へ移動しないように係止されるので、手動によりキ
ャリッジを強制移動しようとしてもキャップ部材がヘッ
ド面から外れることがなく、ヘッド面のインク乾燥を確
実に防止することができる。
【0008】一方、印字に際して、キャリッジがヘッド
面を覆う位置から印字領域と反対方向へ所定量移動され
たときには、キャリッジで解除機構が操作されることに
より、係止機構の係止が解除され、キャリッジが印字領
域の方へ移動することができる。即ち、キャリッジを印
字領域と反対方向へ所定量移動するだけで、キャリッジ
を印字領域の方へ簡単に移動させることができる。
【0009】請求項2に係るインクジェット式印字装置
は、請求項1の発明において、前記係止機構は、キャリ
ッジの移動経路へ突出してキャリッジを係止する係止位
置とこの位置から印字領域と反対方向へ回動してキャリ
ッジの移動経路へ突出しない退避位置とに亙って回動自
在の係止アームと、係止アームが係止位置のときキャリ
ッジの移動経路へ突出しない退避位置と、係止アームが
退避位置のときキャリッジの移動経路へ突出してキャリ
ッジの印字領域側への移動により係止アームを係止位置
へ復帰させる突出位置とに亙って回動自在の復帰アーム
と、係止アームが係止位置のとき、係止アームが係止位
置から退避位置と反対側へ回動しないように規制するス
トッパ部材とを備え、解除機構は、キャリッジの移動経
路へ突出してキャリッジが係止アームに対して印字領域
と反対側へ所定距離移動することにより操作される作動
位置とこの作動位置から印字領域と反対方向へ回動して
キャリッジの移動経路へ突出しない退避位置とに亙って
回動自在の作動アームと、係止アームが係止位置のとき
に作動アームが作動位置となるようにこれらアームを作
動的に連結する連結部材とを備えたものである。
【0010】係止機構においては、係止アームがキャリ
ッジの移動経路に突出した係止位置に回動しているとき
には、復帰アームはキャリッジの移動経路に突出しない
退避位置に回動し、また係止アームはストッパ部材によ
り、係止位置から退避位置と反対側へ回動しないように
規制されているので、印字終了に際して、キャリッジが
ヘッド面を覆う位置に一旦移動したときには、キャリッ
ジは係止位置に回動した係止アームにより、そのヘッド
面を覆う位置から印字領域の方へ移動しないように係止
され、キャップ部材がヘッド面から外れることがなく、
ヘッド面のインク乾燥を確実に防止することができる。
【0011】一方、解除機構においては、作動アーム
は、係止アームが係止位置のときにキャリッジの移動経
路に突出する作動位置となるように連結部材で連結され
ているので、キャリッジが印字領域と反対側へ所定距離
移動することにより、作動アームはキャリッジで操作さ
れて、印字方向と反対側の退避位置に回動する。このと
き、連結部材で連結されている係止アームは退避位置に
回動するとともに、復帰アームは突出位置に回動する。
これにより、キャリッジは係止アームで係止されること
なく、印字方向へ移動することが可能となり、復帰アー
ムはその印字方向への移動により操作されて退避位置に
回動し、このとき、係止アームは係止位置に復帰して回
動されると同時に、作動アームも突出位置に回動され
る。
【0012】請求項3に係るインクジェット式印字装置
は、請求項2の発明において、前記係止機構及び解除機
構は、係止アーム又は作動アームを受け止めて係止アー
ムを退避位置に保持するストッパ体と、係止アームと作
動アームとを回動付勢しストッパ部材で受け止めて係止
アームを係止位置に保持する第1付勢状態と、係止アー
ムと作動アームとを回動付勢し係止アーム又は作動アー
ムをストッパ体で受け止めて係止アームを退避位置に保
持する第2付勢状態とに自動的に切換え可能な付勢機構
とを備えたものである。
【0013】この場合には、付勢機構により、係止アー
ムと作動アームとが回動付勢されて、係止アームをスト
ッパ部材で受け止めて係止位置に保持する第1付勢状態
に自動的に切換えられるので、キャリッジの係止機構に
よる係止を確実に且つ安定化させることができる一方、
係止アーム又は作動アームをストッパ体で受け止めて係
止アームを退避位置に保持する第2付勢状態に自動的に
切換えられるので、解除機構による係止解除を簡単化且
つ安定化させることができる。
【0014】請求項4に係るインクジェット式印字装置
は、請求項2の発明において、前記キャリッジの移動経
路に沿って延びるように配設され、係止アームから作動
アームへのキャリッジの移動範囲に対応する第1領域
と、キャリッジが作動アームを操作する移動範囲に対応
する第2領域とで異なる特性を有する指標部材と、キャ
リッジに付設され指標部材の各領域に対応する検出信号
を出力する検出手段と、検出手段の検出信号に基づいて
キャリッジ駆動手段を介してキャリッジの移動方向を制
御する制御手段とを設けたものである。
【0015】この場合、キャリッジの移動経路に沿って
延びるように配設された指標部材には、係止アームから
作動アームへのキャリッジの移動範囲に対応する第1領
域と、キャリッジが作動アームを操作する移動範囲に対
応する第2領域とで異なる特性を有しており、キャリッ
ジに付設された検出手段は、これら第1領域と第2領域
との特性に応じた検出信号を出力するので、制御手段は
電源投入時に、検出手段の検出信号に基づいて、キャリ
ッジ駆動手段を介してキャリッジの移動方向を制御する
ことで解除機構を駆動して、キャリッジを印字領域に移
動させて、印字開始の為にキャリッジの初期設定などが
実行される。
【0016】請求項5に係るインクジェット式印字装置
は、請求項4の発明において、前記指標部材は、印字領
域に対応する部分にキャリッジ移動方向に透光部と遮光
部とを交互に微小目盛り状に形成してなるエンコーダ部
を有し、各領域での光学特性を互いに異にするエンコー
ダ部材であり、検出手段は、エンコーダ部材に対向して
その光学特性に応じた検出信号を出力する光学センサで
構成されたものである。
【0017】この場合には、検出手段は光学センサであ
るので、エンコーダ部材のエンコーダ部と第1領域と第
2領域とで異なる光学特性に応じた検出信号を出力する
ので、各領域の検出を簡単化できる一方、印字領域に対
応して設けられたエンコーダ部に形成された微小目盛り
状の透光部と遮光部との光学特性に応じた検出信号を出
力するので、印字タイミング制御や印字位置制御を簡単
化することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面に基づいて説明する。本実施形態は、4色のイ
ンクを用いてカラー印字が可能なインクジェット式印字
装置に本発明を適用した場合のものである。図1に示す
ように、インクジェット式印字装置1は、基本的に、本
体カバー2内に設けた本体フレーム3に、ゴム製のプラ
テン10と、キャリッジ21を駆動するキャリッジ駆動
機構20と、キャリッジ21上に取付けられたヘッドホ
ルダー41に設けられた4つの印字ヘッド46〜49
(図3)と、これら印字ヘッド46〜49に専用のイン
ク色のインクを供給する4つのインクカートリッジ42
〜45と、これら印字ヘッド46〜49に形成されたイ
ンクジェットノズルからのインク噴射機能を維持又は回
復するメンテナンス機構50などを設けたものである。
【0019】前記プラテン10は、図1に示すように、
左右方向向きに配設され、そのプラテン軸11は左右両
端部において、本体フレーム3の側壁板3a,3cに夫
々回転可能に枢支され、プラテン軸11の左端部には、
プラテンギヤ12が取り付けられ、このプラテンギヤ1
2は、図示外のプラテン駆動機構を介してフィードモー
タ14(図8参照)に連結されている。即ち、フィード
モータ14の所定回転方向への回転がプラテン駆動機構
を介してプラテンギヤ12に伝達され、そのプラテンギ
ヤ12の回転によりプラテン10が所定の用紙送り方向
に回転駆動される。
【0020】次に、キャリッジ駆動機構20について、
図1に基づいて説明する。前記プラテン10の前側に
は、キャリッジ21が水平状に配設され、そのキャリッ
ジ21は、後端部において、プラテン10と平行に配設
され、本体フレーム3に支持されたガイドロッド22に
より左右方向移動自在に支持されるとともに、その前端
部において、本体フレーム3の前端部のガイドレール部
3dにより左右方向移動自在に支持されている。
【0021】一方、キャリッジ21の移動範囲の左端部
には、従動プーリー23が側壁板3bに回転可能に枢支
されるとともに、その右端部には、ステッピングモータ
からなるキャリッジ駆動モータ24の駆動軸に取付けら
れた駆動プーリー25が設けられ、無端状のタイミング
ベルト26がこれら両プーリー23,25に亙って掛け
渡され、キャリッジ21の下端部においてこのタイミン
グベルト26に連結されている。そして、キャリッジ駆
動モータ24が駆動パルス(図6参照)により回転駆動
されると、これら両プーリー23,25とタイミングベ
ルト26とを介して、キャリッジ21が、これらガイド
ロッド22及びガイドレール部3dに支持されて、プラ
テン10と平行な主走査方向、つまり往動方向FD(右
方向)と復動方向RD(左方向)とに往復移動駆動され
る。
【0022】キャリッジ21の下側には、図1に示すよ
うに、薄いフィルムからなり、キャリッジ21の移動経
路に沿って延びる帯状のエンコーダ部材(指標部材に相
当する)30が水平に設けられ、その左右両端部におい
て、側壁板3a,3bに夫々固着されている。そして、
このエンコーダ部材30には、図6に示すように、印字
領域に対応する中央部分にエンコーダ部ECが形成さ
れ、所定幅を有する非エンコーダ部30aがエンコーダ
部ECの左側に隣接して形成されるとともに、所定幅を
有し且つ遮光性を有する黒く印刷された帯状部である非
エンコーダ部30bがエンコーダ部ECの右側に隣接し
て形成されている。
【0023】これら非エンコーダ部30aと非エンコー
ダ部30bとの間の印字領域に対応するエンコーダ部E
Cには、所定幅Hwを有する黒く印刷された遮光部30
cと、所定幅Lwを有する透明な透光部30dとが交互
に微小目盛状に形成されている。そして、1対の発光素
子と受光素子のみからなる単相式の光学センサであるフ
ォトセンサ31(検出手段に相当し、図8参照)が、そ
のエンコーダ部材30に臨むようにキャリッジ21の下
側に付設されている。
【0024】非エンコーダ部30aには、所定幅を有し
且つ透過性を有する透過性帯状部30eと、これに連続
し、所定幅を有し且つ遮光性を有する黒く印刷された遮
光性帯状部30fとが長手方向に並んで形成されてい
る。遮光性帯状部30fは遮光部30cの幅Hwの所定
倍(例えば、400倍)以上の幅に設定され、非エンコ
ーダ部30bの幅は、遮光性帯状部30fの幅よりも充
分に大きくなっている。ここで、遮光部30cの幅Hw
と透光部30dの幅Lwとは、所定の駆動パルス数「N
1」(例えば、4駆動パルス数)で回転駆動されるキャ
リッジ駆動モータ24により移動するキャリッジ21の
移動距離に夫々対応する。
【0025】また、非エンコーダ部30bの幅は、遮光
部30cの幅Hwの所定倍(例えば、500倍)以上の
幅に設定され、所定の駆動パルス数「N2」(例えば、
遮光性帯状部30fに対応する駆動パルス数「N3」よ
りも大きく、駆動パルス数「N1」の約500倍の駆動
パルス数)で回転駆動されるキャリッジ駆動モータ24
により移動するキャリッジ21の移動距離以上の長さに
設けられている。更に、遮光性帯状部30fの幅は、所
定の駆動パルス数「N3」(例えば、遮光部30cに対
応する駆動パルス数「N1」の約400倍の駆動パルス
数)で回転駆動されるキャリッジ駆動モータ24により
移動するキャリッジ21の移動距離に対応する。
【0026】即ち、そのフォトセンサ31からは、非エ
ンコーダ部30bと遮光性帯状部30fとに対応して
「H」レベルの検出信号が夫々出力されるとともに、透
過性帯状部30eに対応して「L」レベルの検出信号が
出力される。更に、キャリッジ21が印字領域を移動す
るときには、フォトセンサ31からは、遮光部30cに
対応する「H」レベルの検出信号と、透光部30dに対
応する「L」レベルの検出信号とからなり、キャリッジ
21の移動量に比例する数の検出したエンコーダ信号が
出力される。ここで、このエンコーダ信号は、印字ヘッ
ド46〜49からインクを噴射する噴射タイミングを決
定する噴射制御にも使用する関係上、これら遮光部30
cと透光部30dとは、1/180インチ(約0.14mm)
ずつの幅に夫々設定されている。
【0027】次に、記録紙Pにインクを噴射して印字す
るインク噴射機構40について、図1・図3に基づいて
説明する。前記キャリッジ21上には、上方及び前方が
開放状で箱状のヘッドホルダー41が装着され、そのヘ
ッドホルダー41には右側から、ブラック用インクカー
トリッジ42と、シアン用インクカートリッジ43と、
マゼンタ用インクカートリッジ44と、イエロー用イン
クカートリッジ45とが順次取付けられ、ヘッドホルダ
ー41の後端壁41aには右側から、ブラック用印字ヘ
ッド46と、シアン用印字ヘッド47と、マゼンタ用印
字ヘッド48と、イエロー用印字ヘッド49とが順次取
付けられている。
【0028】ここで、各印字ヘッド46〜49には、対
応するインクカートリッジ42〜45から供給されたイ
ンクを噴射する複数のインクジェットノズルが夫々形成
され、後端面にはこれらノズルが開口するヘッド面が夫
々形成され、各印字ヘッド46〜49から噴射される4
色のカラーインクにより、記録紙Pにカラー画像が印字
されるようになっている。次に、印字領域の左側に隣接
して設けられたメンテナンス機構50について、図1、
図3に基づいて説明する。前記プラテン10の左側にお
いて、上方開放状で箱状の取付け台51が本体フレーム
3に取付けられ、この取付け台51には、印字領域側か
ら、ワイパ駆動機構58と、吸引機構54と、キャップ
機構62とが順次設けられている。
【0029】先ず、吸引機構54について簡単に説明す
ると、前記取付け台51にカム板ギヤ52が回転可能に
枢着され、このカム板ギヤ52には、吸引キャップ56
を前端部に取付けたキャップ駆動部材55と、吸引シリ
ンダ57と、ワイパ駆動部材59とを所定のタイミング
で連動させて駆動する溝カムが形成され、後述するメン
テナンス用モータ53の駆動によりカム板ギヤ52が回
転することで、キャップ駆動部材55が前方に突出駆動
され、吸引キャップ56で1つの印字ヘッド46〜49
のヘッド面に密着しているときに、吸引シリンダ57の
吸引作動によりヘッド面が吸引され、その後キャップ駆
動部材55が元の位置に復帰移動するようになってい
る。
【0030】次に、ワイパ駆動機構58について簡単に
説明すると、吸引機構54に隣接してワイパ駆動部材5
9が前後方向向きに配設され、このワイパ駆動部材59
の前端部には、可撓性を有するゴム製のワイパブレード
60が取付けられている。そして、吸引機構54の吸引
動作が終了する毎に、吸引動作に連動してワイパ駆動部
材59が前方に突出駆動され、キャリッジ21が移動す
るときに、吸引後のヘッド面に付着する不要なインク
が、前方に突出したワイパブレード60で払拭されるよ
うになっている。
【0031】次に、キャップ機構62について説明する
と、前記取付け台51の前側に設けられたキャップ取付
け板63には、4つの印字ヘッド46〜49のヘッド面
の各々を密着状に覆うことでキャップするキャップ部材
64が固着され、そのキャップ取付け板63は左右方向
向きの揺動軸65により左右方向移動可能に支持されて
いる。また、この揺動軸65は、取付け台51の内部に
組み込まれ、所定距離だけ前後動させる前後移動機構
(図示略)に連結された1対の揺動アーム66に支持さ
れている。
【0032】即ち、図3・図7に示すように、キャリッ
ジ21が印字領域を越えて左方へ移動する途中で、キャ
リッジ21の左端がキャップ取付け板63の係止部63
aに当接することで、キャップ取付け板63は、キャリ
ッジ21と同期して左方へ移動するときに、前後移動機
構と揺動アーム66とを介して、前方に移動することで
キャップ部材64で印字ヘッド46〜49の全てがキャ
ップされ、そのキャップ状態を保持しながら左限位置ま
で移動する。ここで、全ての印字ヘッド46〜49がキ
ャップ状態に保持される領域をキャップ領域とする。
【0033】次に、キャリッジ21の下側に設けられ、
キャリッジ21がそのキャップ領域から印字領域へ移動
しないようにキャリッジ21を係止する係止機構70
と、その係止機構70の係止を解除する解除機構71と
について、図2〜図5に基づいて説明する。ここで、こ
れら係止機構70と解除機構71とは相互に連動的に作
動することから、これらの機構70、71について纏め
て説明する。キャップ領域の右端部に対応するキャリッ
ジ21の下側に設けられ、本体フレーム3に回動可能に
枢支された前後方向向きの第1枢支軸72には、係止レ
バー73が固着され、この係止レバー73には、係止ア
ーム74と復帰アーム75と連結アーム76とが図示の
位置関係で一体的に形成されている。
【0034】即ち、係止アーム74は、図4に示すよう
に、キャリッジ21の移動経路に突出してキャリッジ2
1を係止する係止位置と、図5に示すように、この係止
位置から反時計回り方向(印字領域と反対方向)へ回動
してキャリッジの移動経路に突出しない退避位置とに亙
って回動自在であり、また復帰アーム75は、係止アー
ム74が係止位置のとき(図4参照)、キャリッジ21
の移動経路へ突出しない退避位置と、係止アーム74が
退避位置のとき(図5参照)、キャリッジ21の移動経
路へ突出してキャリッジ21の印字領域側への移動によ
り係止アーム74を係止位置へ復帰させる突出位置とに
亙って回動自在になっている。
【0035】一方、キャップ領域の略左端部に対応する
キャリッジ21の下側に設けられ、本体フレーム3に回
動可能に枢支された前後方向向きの第2枢支軸79に
は、解除レバー80が固着され、この解除レバー80に
は、作動アーム81と連結アーム82とが図示の位置関
係で一体的に形成されている。即ち、作動アーム81
は、図4に示すように、キャリッジ21の移動経路へ突
出してキャリッジ21が左方(係止アーム74に対して
印字領域と反対側)へ所定距離移動することにより操作
される作動位置と、この作動位置から反時計回り方向
(印字領域と反対方向)へ回動してキャリッジ21の移
動経路へ突出しない退避位置とに亙って回動自在になっ
ている。
【0036】更に、係止アーム74が係止位置のときに
作動アーム81が作動位置となるように、これらと一体
の連結アーム76,82は連結部材84により作動的に
連結されている。ここで、係止レバー73の右側には、
係止アーム74が係止位置のとき、係止アーム74が係
止位置から時計回り方向(退避位置と反対側)へ回動し
ないように、復帰アーム75に当接して規制するストッ
パ部材77が配設されるとともに、解除レバー80の左
側には、作動アーム81を受け止めて係止アーム74を
退避位置に保持するストッパ体83が配設されている。
【0037】次に、係止アーム74を係止付勢状態と解
除付勢状態とに自動的に切換える付勢機構85につい
て、図2〜図5に基づいて説明する。第2枢支軸79に
は、図2に示すように、下向きのクランク状に屈曲形成
されたクランク部79aが形成され、このクランク部7
9aとその上側の本体フレーム3とに引っ張りコイルバ
ネ86が張架されている。即ち、図4に示すように、連
結部材84を介して、係止アーム74が係止位置で且つ
作動アーム81が作動位置のときには、係止アーム74
と作動アーム81とが引っ張りコイルバネ86で回動付
勢され、クランク部79aが中立線NLよりも左側に移
動することから、復帰アーム75がストッパ部材77で
受け止められて、係止アーム74が係止位置に保持され
る。この状態を係止付勢状態(第1付勢状態に相当す
る)とする。
【0038】一方、図5に示すように、連結部材84を
介して、係止アーム74が退避位置で且つ作動アーム8
1が退避位置のときには、係止アーム74と作動アーム
81とが引っ張りコイルバネ86で回動付勢され、クラ
ンク部79aが中立線NLよりも右側に移動することか
ら、作動アーム81がストッパ体83で受け止められ
て、係止アーム74が退避位置に保持される。この状態
を解除付勢状態(第2付勢状態)とする。即ち、これら
係止付勢状態と解除付勢状態とは、2つのレバー73,
80の回動により、クランク部79aが中立線NLを越
えることにより、相互に自動的に切換え可能になってい
る。
【0039】ここで、キャリッジ21の移動に伴う係止
レバー73と解除レバー80の作用について説明する。
キャリッジ21の下側には、これら係止アーム74と、
復帰アーム75と、作動アーム81とに夫々当接可能な
作動ブロック27が取付けられている。キャリッジ21
が印字領域に移動しているときには、図4に示すよう
に、係止アーム74が係止位置で且つ作動アーム81が
作動位置のときであり、両レバー73,80は係止付勢
状態である。そして、キャリッジ21が印字領域からメ
ンテナンス領域の方向へ移動して来るときに、図3に示
すように、係止アーム74は作動ブロック27の通過を
許容するように反時計回りに所定角度だけ回動する。係
止アーム74は復帰アーム75よりも半径方向長さを短
く形成され、クランク部79aが中立線NLを越えるこ
とがない。このときには、印字ヘッド46〜49はキャ
ップ部材64によりキャップされようとしているときで
ある。
【0040】作動ブロック27が係止アーム74を通過
した後には、図4に示すように、各印字ヘッド46〜4
9がキャップ部材64により密着状にキャップされるキ
ャップ領域であり、係止アーム74は元の係止位置に復
帰するので、キャリッジ21が印字領域の方へ移動させ
ようとしても、係止アーム74が時計回り方向に回動で
きないことから、作動ブロック27は印字領域の方への
移動が係止され(1点鎖線で図示)、キャリッジ21の
印字領域の方への移動が阻止される。これにより、キャ
ップ部材64により印字ヘッド46〜49のヘッド面を
覆った状態を維持することができ、インク乾燥を防止す
ることができる。ここで、キャリッジ21が係止領域に
移動しているときには、フォトセンサ31は遮光性帯状
部30fに対応している。
【0041】一方、図4に実線で示すように、作動ブロ
ック27が作動アーム81に当接した位置から更に左方
に移動されたときには、図5に示すように、作動アーム
81が作動ブロック27により反時計回り方向に大きく
回動され、クランク部79aが中立線NLを越えること
から、2つのレバー73,80が大きく回動して解除付
勢状態に切換えられ、その解除付勢状態で保持される。
このとき、係止アーム74は退避位置に回動し且つ復帰
アーム75が突出位置に回動している。ここで、キャリ
ッジ21が解除領域に移動しているときには、フォトセ
ンサ31は透過性帯状部30eに対応している。
【0042】その後、キャリッジ21が印字領域の方へ
移動されるときには、係止レバー73は時計回り方向へ
の回動が許可されることから、作動ブロック27は、図
5に2点鎖線で示すように、復帰アーム75を時計回り
方向へ回動させることで右方へ移動でき、キャリッジ2
1が印字領域に移動することができる。このとき、復帰
アーム75は作動ブロック27により時計回り方向に大
きく回動され、クランク部79aが中立線NLを越える
ことから、2つのレバー73,80が大きく回動して係
止付勢状態に切換えられ、その係止付勢状態で保持され
る(図4参照)。
【0043】次に、インクジェット式印字装置1の制御
系は、図8のブロック図に示すように構成されている。
制御装置90は、基本的には、CPU91と、このCP
U91にデータバスなどのバス95を介して接続された
ROM92及びRAM93と、入出力インターフェース
94と、ヘッド駆動回路99と、駆動回路100〜10
2とから構成されている。ここで、バス95には、通信
用インターフェース103が接続され、この通信用イン
ターフェース103を介してホストコンピュータなどの
外部電子機器104から送信される画像データを受信可
能になっている。
【0044】ROM92には、外部電子機器104とデ
ータ通信をする為の通信制御の制御プログラム、画像印
字の為の各種の制御プログラムや、本願特有の後述する
キャリッジ初期設定制御の制御プログラムが格納されて
いる。また、RAM93には、受信した画像データを格
納する画像データメモリやキャリッジ位置を示すカウン
ト値を格納するメモリや画像印字に必要な各種のメモリ
やバッファなどが設けられている。
【0045】入出力インターフェース94には、フォト
センサ31と、電源キーや各種の機能スイッチや表示ラ
ンプなどが設けられた操作パネル96と、4つの印字ヘ
ッド46〜49を夫々駆動する為のヘッド駆動回路99
と、記録紙Pを用紙送りするフィードモータ14の為の
駆動回路100と、キャリッジ駆動モータ24の為の駆
動回路101と、メンテナンス用モータ53の為の駆動
回路102とが夫々接続されている。
【0046】次に、インクジェット式印字装置1の制御
装置90で行われるキャリッジ初期設定制御のルーチン
について、図9のフローチャートに基づいて説明する。
尚、図中の符号Si(i=10、11、12・・・・)
は各ステップである。インクジェット式印字装置1に電
源が投入されると、CPU91は初期化動作として、R
AM93の各メモリ領域を初期設定する。
【0047】この制御が開始されると、先ず駆動パルス
数カウンタのカウント値Jがクリアされる(S30)。次
に、フォトセンサ31で検出したエンコーダ信号が読み
込まれて、そのエンコーダ信号が「H」レベルのとき、
つまりフォトセンサ31が遮光部30c又は非エンコー
ダ部30b、30fに対応するときには(S31:Ye
s)、そのパルス信号が「L」レベルになるまで、キャ
リッジ駆動モータ24が1駆動パルスずつ逆転駆動され
て、キャリッジ21が微少距離ずつ復動方向RD(左方
向)に移動される(S32、S31:Yes )。
【0048】即ち、この制御が開始されたときに、キャ
リッジ21が非エンコーダ部30bに対応する位置のと
きには、キャリッジ21が側壁板3aに衝突しないよう
に復動方向RDに移動される一方、キャリッジ21が遮
光性帯状部30fに対応する位置のときには、係止領域
に対応しているので(図4参照)、解除機構71を作動
させて、付勢機構85を介して2つのレバー73,80
を解除付勢状態に切換える為にキャリッジ21が復動方
向RDに移動される。
【0049】そして、パルス信号が「L」レベルのと
き、つまりキャリッジ21が透光部30d又は透過性帯
状部30eに対応するときには(S31:No)、キャリッ
ジ駆動モータ24が1駆動パルスずつ正転駆動されて、
キャリッジ21が微少距離だけ往動方向FD(右方向)
に移動される(S33)。即ち、この制御が開始されたと
きに、キャリッジ21が透過性帯状部30eに対応する
位置にあるとき、あるいはキャリッジ21が透過性帯状
部30eに対応する位置へ移動したときには、解除領域
に対応しているので(図5参照)、印字領域に移動させ
る為に、キャリッジ21が往動方向FDに移動される。
このときには、復帰アーム75が突出位置なので、キャ
リッジ21の往動方向FDへの移動が許可され、キャリ
ッジ21が印字領域に移動した後には、これら両レバー
73,80は係止付勢状態に切換えられる。
【0050】次に、駆動パルス数カウンタのカウント値
Jが1つインクリメントされ(S34)、パルス信号が
「H」レベルのときに(S35:Yes )、カウント値Jが
遮光性帯状部30fに対応する駆動パルス数「N3」以
下のときには(S36:No)、S33以降が繰り返して実行
される。そして、カウント値Jが駆動パルス数「N3」
よりも大きい値になったときには(S36:Yes )、キャ
リッジ駆動モータ24が、非エンコーダ部30bに対応
しているので、その位置から遮光性帯状部30fの右側
に隣接する透光部30dに対応する位置までの距離に対
応する駆動パルス数「N4」で逆転駆動される(S3
7)。
【0051】次に、パルス信号が「L」レベルのときに
は(S40:No)、パルス信号が「H」レベルに切換わる
まで、キャリッジ駆動モータ24が1駆動パルスずつ逆
転駆動されて、キャリッジ21が微少距離ずつ復動方向
RDに移動され(S41、S40:No)、パルス信号が
「H」レベルに切換わったときに、キャリッジ21の原
点位置が設定されて、この制御を終了して、メインルー
チンにリターンする。
【0052】一方、キャリッジ駆動モータ24を正転駆
動した結果、パルス信号が「H」レベルから「L」レベ
ルに切換わったときに(S35:No)、カウント値Jが駆
動パルス数「N1」以下のときには(S38:No)、キャ
リッジ21が透光部30dに対応しているので、カウン
ト値Jがクリアされ(S39)、S33以降が繰り返して実
行される。ところで、キャリッジ21が遮光性帯状部3
0fに対応しながら往動方向FDに移動しているとき
で、パルス信号が「L」レベルに切換わったときに、カ
ウント値Jが駆動パルス数「N1」よりも大きいときに
は(S38:Yes )、キャリッジ21は遮光性帯状部30
fの右側に隣接する透光部30dに対応しているので、
S40〜S41により、最終的に原点位置に移動される。
【0053】以上説明したように、インクを噴射して印
字する印字ヘッド46〜49と、これら印字ヘッド46
〜49を搭載したキャリッジ21と、このキャリッジ2
1を往復移動するキャリッジ駆動機構20とを備えたイ
ンクジェット式印字装置1において、キャップ部材64
と、キャリッジ21の印字領域への移動を係止する係止
機構70と、その係止機構70の係止を解除する解除機
構71とを設け、キャリッジ21が印字ヘッド46〜4
9のヘッド面を覆うキャップ領域に一旦移動したときに
は、キャリッジ21は係止機構70により、そのキャッ
プ領域から印字領域の方へ移動しないように係止される
ので、手動操作によりキャリッジ21を強制移動しよう
としてもキャップ部材64がヘッド面から外れることが
なく、ヘッド面のインク乾燥を確実に防止することがで
きる。また、キャリッジ21を印字領域と反対方向へ所
定量移動して解除機構71を操作するだけで、キャリッ
ジ21を印字領域の方へ簡単に移動させることができ
る。
【0054】また、係止機構70は、係止位置と退避位
置とに亙って回動自在の係止アーム74と、退避位置と
突出位置とに亙って回動自在の復帰アーム75と、係止
アーム74を規制するストッパ部材77とを設けたの
で、印字終了に際して、キャリッジ21がキャップ領域
に一旦移動したときには、キャリッジ21は係止位置に
回動した係止アーム74により、そのキャップ領域から
印字領域の方へ移動しないように係止され、キャップ部
材64がヘッド面から外れることがなく、簡単な機構に
より、ヘッド面のインク乾燥を確実に防止することがで
きる。
【0055】更に、解除機構71は、作動位置と退避位
置とに亙って回動自在の作動アーム81と、これら係止
アーム74と作動アーム81とを作動的に連結する連結
部材84とを設けたので、キャリッジ21が印字領域と
反対側へ所定距離移動することにより、作動アーム81
の退避位置への回動に連動して係止アーム74は退避位
置に回動され、簡単な機構により、キャリッジ21の係
止を簡単に解除することができる。
【0056】また、係止機構70及び解除機構71は、
係止アーム74を退避位置に保持するストッパ体83
と、係止アーム74を係止位置に保持する係止付勢状態
と係止アーム74を退避位置に保持する解除付勢状態と
に自動的に切換え可能な付勢機構85とを備えたので、
キャリッジ21の係止機構70による係止を確実に且つ
安定化させることができる一方、解除機構71による係
止解除を簡単化且つ安定化させることができる。
【0057】更に、キャリッジ21の移動経路に沿って
延びるように配設されたエンコーダ部材30には、印字
領域に対応する中央部分にエンコーダ部ECが形成され
るとともに、透過性を有する透過性帯状部30eと、こ
れに連続する遮光性を有する遮光性帯状部30fとから
なる非エンコーダ部30aが形成され、キャリッジ21
に付設されたフォトセンサ31は、エンコーダ部材30
に対向してその光学特性に応じた検出信号を出力するの
で、電源投入時に、検出手段からの検出信号に基づい
て、CPUがROMのプログラムにしたがい(CPUと
ROMで制御手段を構成する)、キャリッジ駆動手段を
介してキャリッジの移動方向を制御することで解除機構
を駆動して、キャリッジを印字領域に移動させて、印字
開始の為にキャリッジの初期設定などを実行することが
でき、また、印字タイミング制御や印字位置制御を簡単
化することができる。
【0058】ここで、前記実施形態の変更態様として次
のように構成してもよい。 1) ストッパ体83で係止アーム74を受け止めるよ
うに構成してもよい。 2) 係止レバー73と解除レバー80とを、印字方向
と直交する方向に位置ズレさせて設けるとともに、係止
アーム74を作動させる専用の作動ブロックと、作動ア
ーム81を作動させる専用の作動ブロックとを夫々キャ
リッジ21に取付けるようにしてもよい、この場合に
は、これら両レバー73,80の配設位置を任意にでき
る。 3) 更に、連結部材84を省略し、第1枢支軸72と
第2枢支軸79とを一体的に設け、各アーム74,81
を所定のタイミングで作動する作動ブロックを設けるよ
うにしてもよい。
【0059】4) フィードモータ14の駆動力で、印
字動作時には、記録紙Pを搬送する一方、メンテナンス
領域から印字領域へ向けキャリッジ21が移動すると
き、係止レバー73の時計回り方向の回動に連動してそ
の駆動力伝達系を切換えることで、吸引機構54のカム
板ギヤ52を駆動するようにしてもよい。また、前記実
施形態に関し、既存の技術や当業者に自明の技術に基い
て種々の変更を加えることもあり得る。更に、カラー印
字が可能な印字装置だけでなく単色印字するものなど各
種のインクジェット式印字装置に本発明を適用し得るこ
とは勿論である。
【0060】
【発明の効果】請求項1に係るインクジェット式印字装
置によれば、インクを噴射して印字する印字ヘッドと、
印字ヘッドを搭載したキャリッジと、このキャリッジを
往復移動するキャリッジ駆動手段とを備えた印字装置に
おいて、キャップ部材と、キャリッジの印字領域への移
動を係止する係止機構と、その係止機構の係止を解除す
る解除機構とを設け、キャリッジが印字ヘッドのヘッド
面を覆う位置に一旦移動したときには、キャリッジは係
止機構により、そのヘッド面を覆う位置から印字領域の
方へ移動しないように係止されるので、キャップ部材が
ヘッド面から外れることがなく、ヘッド面のインク乾燥
を確実に防止することができる。また、キャリッジを印
字領域と反対方向へ所定量移動して解除機構を操作する
だけで、キャリッジを印字領域の方へ簡単に移動させる
ことができる。
【0061】請求項2に係るインクジェット式印字装置
によれば、請求項1と同様の効果を奏するが、係止機構
は、係止位置と退避位置とに亙って回動自在の係止アー
ムと、退避位置と突出位置とに亙って回動自在の復帰ア
ームと、係止アームを規制するストッパ部材とを設けた
ので、印字終了に際して、キャリッジがヘッド面を覆う
位置に一旦移動したときには、キャリッジは係止位置に
回動した係止アームにより、そのヘッド面を覆う位置か
ら印字領域の方へ移動しないように係止され、キャップ
部材がヘッド面から外れることがなく、簡単な機構によ
り、ヘッド面のインク乾燥を確実に防止することができ
る。
【0062】また、解除機構は、作動位置と退避位置と
に亙って回動自在の作動アームと、これら係止アームと
作動アームとを作動的に連結する連結部材とを設けたの
で、キャリッジが印字領域と反対側へ所定距離移動する
ことにより、作動アームの退避位置への回動に連動して
係止アームは退避位置に回動され、簡単な機構により、
キャリッジの係止を簡単に解除することができる。
【0063】請求項3に係るインクジェット式印字装置
によれば、請求項2と同様の効果を奏するが、前記係止
機構及び解除機構は、係止アームを退避位置に保持する
ストッパ体と、係止アームを係止位置に保持する第1付
勢状態と係止アームを退避位置に保持する第2付勢状態
とに自動的に切換え可能な付勢機構とを備えたので、キ
ャリッジの係止機構による係止を確実に且つ安定化させ
ることができる一方、解除機構による係止解除を簡単化
且つ安定化させることができる。
【0064】請求項4に係るインクジェット式印字装置
によれば、請求項2と同様の効果を奏するが、キャリッ
ジの移動経路に沿って延びるように配設され、第1領域
と第2領域とで異なる特性を異なる特性を有するた指標
部材と、各領域に対応する検出信号を出力する検出手段
と、キャリッジの移動方向を制御する制御手段とを設け
たので、電源投入時に、検出手段からの検出信号に基づ
いて、キャリッジ駆動手段を介してキャリッジの移動方
向を制御することで解除機構を駆動して、キャリッジを
印字領域に移動させて、印字開始の為にキャリッジの初
期設定などを実行することができる。
【0065】請求項5に係るインクジェット式印字装置
によれば、請求項4と同様の効果を奏するが、前記指標
部材は、印字領域に対応する部分にエンコーダ部を有
し、各領域での光学特性を互いに異にするエンコーダ部
材であり、検出手段は、エンコーダ部材に対向してその
光学特性に応じた検出信号を出力する光学センサで構成
されたので、各領域の検出を簡単化できる一方、印字領
域に対応して設けられたエンコーダ部に形成された透光
部と遮光部との光学特性に応じた検出信号を出力するの
で、印字タイミング制御や印字位置制御を簡単化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るインクジェット式印字
装置の斜視図である。
【図2】係止機構と解除機構の概略斜視図である。
【図3】キャリッジのキャップ領域への移動時の各機構
の説明図である。
【図4】キャリッジが係止領域に移動しているときの図
3相当図である。
【図5】キャリッジが解除領域に移動しているときの図
3相当図である。
【図6】エンコーダ部材の光学特性を説明する説明図で
ある。
【図7】エンコーダ部材と各領域との位置関係を説明す
る説明図である。
【図8】インクジェット式印字装置の制御系のブロック
図である。
【図9】キャリッジ初期設定制御のルーチンの概略フロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1 インクジェット式印字装置 20 キャリッジ駆動機構 21 キャリッジ 24 キャリッジ駆動モータ 30 エンコーダ部材 30c 遮光部 30d 透光部 30e 透光性帯状部 30f 遮光性帯状部 31 フォトセンサ 46〜49 印字ヘッド 64 キャップ部材 70 係止機構 71 解除機構 74 係止アーム 75 復帰アーム 77 ストッパ部材 81 作動アーム 83 ストッパ体 84 連結部材 85 付勢機構 86 引っ張りコイルバネ 90 制御装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のインクジェットノズルからインク
    を噴射して印字する印字ヘッドと、この印字ヘッドが搭
    載されたキャリッジと、このキャリッジを印字方向に往
    復移動するキャリッジ駆動手段とを備えた印字装置にお
    いて、 キャリッジの移動範囲のうちの印字領域から外れた一端
    側において印字ヘッドの複数のインクジェットノズルが
    開口するヘッド面を密着状に覆うキャップ部材と、 前記キャップ部材がヘッド面を覆う位置からキャリッジ
    が印字領域の方へ移動しないようにキャリッジを係止す
    る係止機構と、 前記キャップ部材がヘッド面を覆う位置から印字領域と
    反対方向へ所定量移動したキャリッジで操作されて、前
    記係止機構の係止を解除する解除機構と、 を備えたことを特徴とするインクジェット式印字装置。
  2. 【請求項2】 前記係止機構は、 キャリッジの移動経路へ突出してキャリッジを係止する
    係止位置とこの位置から印字領域と反対方向へ回動して
    キャリッジの移動経路へ突出しない退避位置とに亙って
    回動自在の係止アームと、 前記係止アームが係止位置のときキャリッジの移動経路
    へ突出しない退避位置と、係止アームが退避位置のとき
    キャリッジの移動経路へ突出してキャリッジの印字領域
    側への移動により係止アームを係止位置へ復帰させる突
    出位置とに亙って回動自在の復帰アームと、 前記係止アームが係止位置のとき、係止アームが係止位
    置から退避位置と反対側へ回動しないように規制するス
    トッパ部材とを備え、 前記解除機構は、 キャリッジの移動経路へ突出してキャリッジが係止アー
    ムに対して印字領域と反対側へ所定距離移動することに
    より操作される作動位置とこの作動位置から印字領域と
    反対方向へ回動してキャリッジの移動経路へ突出しない
    退避位置とに亙って回動自在の作動アームと、 前記係止アームが係止位置のときに作動アームが作動位
    置となるようにこれらアームを作動的に連結する連結部
    材とを備えたことを特徴とする請求項1に記載のインク
    ジェット式印字装置。
  3. 【請求項3】 前記係止機構及び解除機構は、 前記係止アーム又は作動アームを受け止めて係止アーム
    を退避位置に保持するストッパ体と、 前記係止アームと作動アームとを回動付勢しストッパ部
    材で受け止めて係止アームを係止位置に保持する第1付
    勢状態と、係止アームと作動アームとを回動付勢し係止
    アーム又は作動アームをストッパ体で受け止めて係止ア
    ームを退避位置に保持する第2付勢状態とに自動的に切
    換え可能な付勢機構と、 を備えたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェ
    ット式印字装置。
  4. 【請求項4】 前記キャリッジの移動経路に沿って延び
    るように配設され、係止アームから作動アームへのキャ
    リッジの移動範囲に対応する第1領域と、キャリッジが
    作動アームを操作する移動範囲に対応する第2領域とで
    異なる特性を有する指標部材と、 前記キャリッジに付設され指標部材の各領域に対応する
    検出信号を出力する検出手段と、 前記検出手段の検出信号に基づいてキャリッジ駆動手段
    を介してキャリッジの移動方向を制御する制御手段と、 を設けたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェ
    ット式印字装置。
  5. 【請求項5】 前記指標部材は、印字領域に対応する部
    分にキャリッジ移動方向に透光部と遮光部とを交互に微
    小目盛り状に形成してなるエンコーダ部を有し、前記各
    領域での光学特性を互いに異にするエンコーダ部材であ
    り、 前記検出手段は、エンコーダ部材に対向してその光学特
    性に応じた検出信号を出力する光学センサであることを
    特徴とする請求項4に記載のインクジェット式印字装
    置。
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