JPH1041589A - 光源の発振波長安定化装置及び光源の高調波出力安定化装置とそれらを使用した光ディスクシステム - Google Patents

光源の発振波長安定化装置及び光源の高調波出力安定化装置とそれらを使用した光ディスクシステム

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JPH1041589A
JPH1041589A JP8305364A JP30536496A JPH1041589A JP H1041589 A JPH1041589 A JP H1041589A JP 8305364 A JP8305364 A JP 8305364A JP 30536496 A JP30536496 A JP 30536496A JP H1041589 A JPH1041589 A JP H1041589A
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誠 加藤
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健一 西内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体レーザの発振波長を波長変換素子の位
相整合波長に安定して整合・制御する装置を提供する。 【解決手段】 装置は、波長安定活性領域2及びDBR
領域3を有する半導体レーザ1と、発振波長を検出する
ための波長計5と、それらの各部を制御する3つの回路
系と、各回路系を制御するシステム制御部6と、から構
成される。第1の回路系は、半導体レーザ1の活性領域
2へ注入電流を制御するためのレーザ駆動部7である。
第2の回路系は、レーザの波長を検出するための波長検
出部9である。第3の回路系は、発振波長を所望の波長
に調整するためのDBR領域3への注入電流を制御する
ためのDBR駆動部8である。まず、DBR電流を0〜
100mAまで可変して発振波長をスキャンする。この
とき、波長検出部から出力される信号を検出し、レーザ
光の波長が設定波長と一致するDBR電流をシステム制
御部6に記憶する。第2に、そのDBR電流よりも10
mA低い電流までDBR電流を下げる。第3に、DBR
領域3に記憶されたDBR電流を注入し、レーザ光の発
振波長を設定波長に調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分布ブラッグ反射
(DBR)領域を有する半導体レーザなどの光源のため
の発振波長安定化装置に関し、また、DBR領域を有す
る半導体レーザと波長変換素子とから構成される短波長
光源のための高調波出力安定化装置に関する。さらに、
本発明は、それらを使用する光ディスクシステムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】波長780nm帯の近赤外半導体レーザ
や波長670nmの赤色半導体レーザを用いた光ディス
クシステムの開発が、活発に行われている。光ディスク
の高密度化を実現するためには、小さなスポット形状を
再生することが望まれる。そのためには、集光レンズの
高NA(開口数)化や光源の短波長化が必要となる。短
波長化技術の一つとして、近赤外半導体レーザと擬似位
相整合(以下では、「QPM」と記す)方式の分極反転
型導波路デバイス(例えば、山本、他:Optics
Letters Vo1.16,No.15,1156
(1991)を参照)とを用いた第2高調波発生(以下
では、「SHG」と記す)技術がある。
【0003】分極反転型導波路デバイスを用いたブルー
光源(SHGブルーレーザ)の概略構成図を、図17に
示す。
【0004】図17において、23は0.85μm帯の
100mW級AlGaAs系DBR(分布ブラッグ反射
型)半導体レーザ、24はNA=0.5のコリメートレ
ンズ、25はλ/2板(半波長板)、26はNA=0.
5のフォーカシングレンズ、及び27は分極反転型導波
路デバイスである。DBR半導体レーザ23には、発振
波長を固定するためのDBR部が形成され、DBR部の
内部には、さらに発振波長を可変するための内部ヒータ
が形成されている。波長変換素子である分極反転型導波
路デバイス27は、LiTaO3基板28に形成された
光導波路29と周期的な分極反転領域30とより構成さ
れている。コリメートレンズ24で平行になったレーザ
光は、λ/2板25で偏光方向を回転され、フォーカシ
ングレンズ26で分極反転型導波路デバイス27の光導
波路29の端面に集光され、分極反転領域30を持つ光
導波路29を伝搬する。その結果、光導波路29の出射
端面より、変換された高調波及び変換されなかった基本
波が出射される。
【0005】分極反転型導波路デバイス27は、高効率
に波長変換が行われる位相整合波長の許容幅が、約0.
1nmと小さい。そのため、DBR半導体レーザ23の
DBR部への注入電流量を制御し、発振波長を、分極反
転型導波路デバイス27の位相整合波長の許容幅内に固
定する。典型的には、光導波路29への入射光強度約7
0mWに対し、波長425nmのブルー光が約3mWの
強度で得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】DBR半導体レーザ
は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制御する
ためのDBR領域とより構成される。DBR領域は、レ
ーザ光の波長である850nmに対して透明になるよう
に、活性領域よりバンドギャップが大きな材料で形成さ
れている。DBR領域には回折格子が形成されていて、
発振波長は、DBR領域で反射する光の波長に制御され
る。
【0007】また、DBR領域の屈折率を変化させるこ
とにより、発振波長を可変することができる。DBR領
域の屈折率を変化させる方法として、(1)DBR領域
に電流を注入する方法、(2)電子冷却素子(ペルチエ
素子)などにより温度を変化させる方法、などがある。
【0008】しかし、DBR領域に電流を注入して発振
波長を可変する場合には、所望の波長値に正しく固定す
ることが困難な場合がある。
【0009】一方、温度変化を通じて発振波長の制御を
行う目的で電子冷却素子などで半導体レーザの温度制御
を行うためには、1W程度の吸熱容量を有する電子冷却
素子が必要となり、消費電力の点で問題となる。また、
使用環境温度が広くなると、信頼性に悪影響を及ぼす。
さらに、温度変化により波長可変を行うと、半導体レー
ザの温度変化により、レーザ光の出力強度も変化する。
この出力強度の変動を補償するために活性領域への注入
電流を調整すると、結果として位相条件が変化するため
に、好ましくないモードホップが生じる。
【0010】モードホップを解決する手段として、位相
制御部を有する半導体レーザが提案されている。しかし
ながら、環境温度が変化しても安定に連続波長可変が行
える制御方法の実現は、困難とされている。
【0011】また、DBR領域を有する半導体レーザと
波長変換素子から構成される短波長光源においても、半
導体レーザの発振波長を波長変換素子の位相整合波長に
一致させることが必要である。短波長光源では、環境温
度変化などによる半導体レーザの発振波長と位相整合波
長のずれから、得られる短波長光の出力変動が生じる。
特に、波長変換素子として周期的分極反転構造を有する
擬似位相整合型波長変換デバイスを用いた場合、その位
相整合波長に対する波長許容幅が0.1nm程度と小さ
いため、半導体レーザの発振波長制御が特に重要であ
る。
【0012】さらに他の課題は、擬似位相整合型デバイ
スの基板であるLiTaO3やLiNbO3結晶の光損傷
特性である。ここでいう光損傷とは、短波長光照射によ
る屈折率変化である。屈折率が変化すると擬似位相整合
型デバイスの位相整合波長がシフトするため、安定に高
調波出力を得るためには、半導体レーザの波長が位相整
合波長に一致するように、常に制御する必要がある。
【0013】本発明は、DBR領域を有する半導体レー
ザ及びそれを用いた短波長光源における上記のような課
題を解決するためになされたものであり、その目的は、
(1)安定した発振波長の制御を行う半導体レーザのた
めの発振波長安定化装置を提供すること、(2)安定し
た短波長出力を提供できる光源の高調波出力安定化装置
を提供すること、及び、(3)それらを使用した光ディ
スクシステムを提供すること、である。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のある局面によれ
ば、光源の発振波長安定化装置において、該光源は、利
得を与えるための活性領域と発振波長を制御するための
分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備える半導体レー
ザであり、該装置は、該半導体レーザの出力光の発振波
長を検出しつつ、該DBR領域へ注入するDBR電流を
第1の方向に単調に変化させながら所定の発振波長値に
相当するDBR電流値I0を検出し、その後に該DBR
電流を該検出値I0を超えて該第1の方向とは逆の第2
の方向に単調に変化させ、その後に該DBR電流を再び
該第1の方向に単調に変化させて該検出値I0に設定
し、それによって、該半導体レーザの該発振波長を該所
定の発振波長値に固定する、制御部を備えており、その
ことによって上記目的が達成される。
【0015】ある実施形態では、前記制御部は、前記D
BR電流の変化範囲で、前記発振波長にモードホップが
生じるDBR電流値の近傍と、該発振波長が連続的に変
化する該DBR電流値の範囲とで、該DBR電流の前記
DBR領域への注入レートを異ならせる。
【0016】モードホップが生じる第1のDBR電流値
1と該第1のDBR電流値I1の次にモードホップが生
じる第2のDBR電流I2とに対して、前記DBR電流
の検出値をI0=(I1+I2)/2に固定し得る。
【0017】本発明の他の局面によれば、光源の発振波
長安定化装置において、該光源は、利得を与えるための
活性領域と発振波長を制御するための分布ブラッグ反射
(DBR)領域と電子冷却素子とを備える半導体レーザ
であり、該装置は、該DBR領域へ注入するDBR電流
を変化して該半導体レーザの出力光の発振波長を所定の
発振波長値の近傍に設定し、その後に該電子冷却素子に
より該半導体レーザの温度を変化させ、それによって、
該半導体レーザの該発振波長を該所定の発振波長値に固
定する、制御部を備えており、そのことによって上記目
的が達成される。
【0018】好ましくは、前記制御部は、初期状態にお
いては、前記半導体レーザの温度を環境温度の近傍に設
定する。
【0019】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
発振波長安定化装置において、該光源は、利得を与える
ための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラッ
グ反射(DBR)領域と電子冷却素子とを備える半導体
レーザであり、該装置は、該電子冷却素子により該半導
体レーザの温度を変化させて該半導体レーザの該発振波
長を変化させ、且つ該DBR領域へ注入するDBR電流
を変化させて、それによって、該半導体レーザに生じる
位相変化を補償する、制御部を備えており、そのことに
よって上記目的が達成される。
【0020】ある実施形態では、前記制御部は、さら
に、前記半導体レーザの出力変化に対して前記活性領域
へ注入する電流を調整する。
【0021】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
発振波長安定化装置において、該光源は、利得を与える
ための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラッ
グ反射(DBR)領域と位相制御領域と温度センサとを
備える半導体レーザであり、該装置は、該半導体レーザ
の出力が一定になるように、前記活性領域に注入する電
流を調整する第1の制御回路と、該半導体レーザの前記
発振波長が所定の発振波長値になるように、前記DBR
領域へ注入するDBR電流値を調整する第2の制御回路
と、該第1の制御回路と該第2の制御回路と該温度セン
サとにより検出された該半導体レーザの位相変化を補償
するように、前記位相制御領域へ注入する電流を調整す
る第3の制御回路と、を備えており、そのことによって
上記目的が達成される。
【0022】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
発振波長安定化装置において、該光源は、利得を与える
ための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラッ
グ反射(DBR)領域と位相制御領域とを備える半導体
レーザであり、該装置は、初期状態において、該DBR
領域へ注入するDBR電流を変化して該半導体レーザの
該発振波長を所定の発振波長値の近傍に設定し、その後
に、該位相制御領域へ注入する電流と該DBR電流とを
ともに変化させて、それによって、該半導体レーザの該
発振波長を該所定の発振波長値に固定する、制御部を備
えており、そのことによって上記目的が達成される。
【0023】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
高調波出力安定化装置において、該光源は、利得を与え
るための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域とを備える半導体レーザと、非
線形光学結晶からなる波長変換素子と、を備える短波長
光源であって、該装置は、該短波長光源の高調波光出力
を検出しつつ、該DBR領域へ注入するDBR電流を第
1の方向に単調に変化させながら該高調波光出力の最大
値に相当するDBR電流値I0を検出し、その後に該D
BR電流を該検出値I0を超えて該第1の方向とは逆の
第2の方向に単調に変化させ、その後に該DBR電流を
再び該第1の方向に単調に変化させて該検出値I0に設
定し、それによって、該半導体レーザの該発振波長を該
波長変換素子の位相整合波長に固定する、制御部を備え
ており、そのことによって上記目的が達成される。
【0024】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
高調波出力安定化装置において、該光源は、利得を与え
るための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域とを備える半導体レーザと、非
線形光学結晶からなる波長変換素子と、電子冷却素子
と、を備える短波長光源であって、該装置は、該DBR
領域へ注入するDBR電流を変化して該半導体レーザの
出力光の発振波長を該波長変換素子の位相整合波長の近
傍に設定し、その後に該電子冷却素子により該短波長光
源の温度を変化させ、それによって、該半導体レーザの
該発振波長を該波長変換素子の該位相整合波長に固定す
る、制御部を備えており、そのことによって上記目的が
達成される。
【0025】ある実施形態では、前記制御部は、初期状
態においては、前記半導体レーザの温度を環境温度の近
傍に設定する。
【0026】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
高調波出力安定化装置において、該光源は、利得を与え
るための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域とを備える半導体レーザと、非
線形光学結晶からなる波長変換素子と、電子冷却素子
と、を備える短波長光源であって、該装置は、該電子冷
却素子により該短波長光源の温度を変化させて該半導体
レーザの該発振波長を該波長変換素子の位相整合波長に
向けて変化させ、且つ該DBR領域へ注入するDBR電
流を変化させて、それによって、該半導体レーザに生じ
る位相変化を補償する、制御部を備えており、そのこと
によって上記目的が達成される。
【0027】ある実施形態では、前記制御部は、さら
に、前記半導体レーザの出力変化に対して前記活性領域
へ注入する電流を調整する。
【0028】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
高調波出力安定化装置において、該光源は、利得を与え
るための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域と位相制御領域と温度センサと
を備える半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長
変換素子と、を備える短波長光源であって、該装置は、
該半導体レーザの出力が一定になるように、前記活性領
域に注入する電流を調整する第1の制御回路と、該半導
体レーザの前記発振波長が前記波長変換素子の位相整合
波長になるように、前記DBR領域へ注入するDBR電
流値を調整する第2の制御回路と、該第1の制御回路と
該第2の制御回路と該温度センサとにより検出された該
短波長光源の位相変化を補償するように、前記位相制御
領域へ注入する電流を調整する第3の制御回路と、を備
えており、そのことによって上記目的が達成される。
【0029】本発明のさらに他の局面によれば、光源の
高調波出力安定化装置において、該光源は、利得を与え
るための活性領域と発振波長を制御するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域と位相制御領域とを備える半導
体レーザと、非線形光学結晶からなる波長変換素子と、
を備える短波長光源であって、該装置は、初期状態にお
いて、該DBR領域へ注入するDBR電流を変化して該
半導体レーザの該発振波長を該波長変換素子の位相整合
波長の近傍に設定し、その後に、該位相制御領域へ注入
する電流と該DBR電流とをともに変化させて、それに
よって、該半導体レーザの該発振波長を該位相整合波長
に固定する、制御部を備えており、そのことによって上
記目的が達成される。
【0030】ある実施形態では、前記波長変換素子が周
期的分極反転領域を有する疑似位相整合方式の波長変換
素子である。
【0031】ある実施形態では、前記波長変換素子が光
導波路型である。或いは、前記波長変換素子がバルク型
である。
【0032】前記非線形光学結晶がLiTaxNb1-x
3(0≦x≦1)結晶であり得る。
【0033】本発明のさらに他の局面によれば、光ディ
スクシステムは、利得を与えるための活性領域と発振波
長を制御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と
を備える半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長
変換素子と、が一体化されている短波長光源を備え、該
短波長光源からの光を光ディスク上で走査して信号の記
録動作或いは再生動作の少なくとも一方を行う光ディス
クシステムであって、システムの動作における所定の期
間に該半導体レーザの発振波長を該波長変換素子の位相
整合波長に再制御する制御部をさらに備えており、その
ことによって上記目的が達成される。
【0034】ある実施形態では、前記所定の期間が前記
システムの動作待機期間である。
【0035】他の実施形態では、前記所定の期間が、前
記光ディスクの信号の前記再生動作から前記記録動作へ
移行期間、或いは、該記録動作から該再生動作への移行
時の頭出し期間、の少なくとも一方である。
【0036】さらに他の実施形態では、該光ディスクシ
ステムが再生した信号を蓄積するためのメモリをさらに
備え、前記所定の期間が、該メモリに蓄積された信号を
利用する前記短波長光源の高調波光の出力変動期間であ
る。
【0037】さらに他の実施形態では、該光ディスクシ
ステムが再生した信号を蓄積するためのメモリをさらに
備え、前記所定の期間が、該再生した信号を該メモリに
蓄積するレートが該メモリより信号を取り出すレートよ
り大きくて該メモリが蓄積された信号により充填されて
いて、該メモリに蓄積された信号を利用する期間であ
る。
【0038】さらに他の実施形態では、該光ディスクシ
ステムが前記短波長光源に一体化された電子冷却素子を
さらに備えていて、前記制御部は、該短波長光源の温度
を該電子冷却素子により環境温度の近傍に再調整し、且
つ、前記DBR領域へ注入するDBR電流を変化させ
て、それによって、前記半導体レーザの発振波長を前記
波長変換素子の前記位相整合波長に再制御する。
【0039】さらに他の実施形態では、前記半導体レー
ザがさらに位相制御領域を備え、前記制御部は、該位相
制御領域へ注入する電流をリセットし、且つ、該位相制
御領域と前記DBR領域とへそれぞれ注入する電流を変
化させて、それによって、前記半導体レーザの発振波長
を前記波長変換素子の前記位相整合波長に再制御する。
【0040】ある実施形態では、前記波長変換素子が周
期的分極反転領域を有する疑似位相整合方式の波長変換
素子である。
【0041】ある実施形態では、前記波長変換素子が光
導波路型である。或いは、前記波長変換素子がバルク型
である。
【0042】前記非線形光学結晶がLiTaxNb1-x
3(0≦x≦1)結晶であり得る。
【0043】
【発明の実施形態】本発明は、DBR領域を有する半導
体レーザ(DBR半導体レーザ)において、その発振波
長の所望の波長への安定した固定や、波長可変を行う場
合の安定した発振波長の制御を、実現しようとするもの
である。また、そのような半導体レーザを波長変換素子
と組み合わせた短波長光源において、安定な高調波出力
を実現することを目的としている。
【0044】具体的な実施形態の説明に先立って、ま
ず、本発明に至る過程で本願発明者らによって行われた
検討結果を説明する。
【0045】図2に、DBR半導体レーザのDBR領域
への注入電流(DBR電流)と発振波長の関係を、図4
に、半導体レーザの温度と発振波長の関係を示す。
【0046】図2に示すように、DBR電流を変化させ
て発振波長を可変する場合、発振波長は、実際には、モ
ードホップを繰り返しながら、DBR電流の増加に対し
て長波長側に波長シフトしていく。また、DBR電流を
上昇させるときと下降させるときで、同じ電流量に対す
る発振波長が異なるヒステリシスな特性を示す。そのた
め、DBR電流を値A〜値Bの範囲で変化させて発振波
長を可変する場合に、DBR電流を値Aから徐々に増加
(或いは減少)させながら所望の波長に相当する電流値
を見いだし、値Bに到達した後に値Aに向けて減少(或
いは増加)させて先に見いだした電流値に設定しても、
得られる発振波長は所望の値ではなくなってしまう。こ
れは、ヒステリシス特性のために、最初の上昇(或いは
減少)過程と引き続く減少(或いは増加)過程との間
で、同一のDBR電流に対して得られる発振波長が異な
るためである。発明者らは、DBR領域に電流を注入し
て発振波長を可変する場合に所望の波長値に正しく固定
することが困難になるのは、このようなヒステリシス特
性の影響であると考えた。
【0047】一方、半導体レーザ温度を変化させた場合
は、図4に示すように連続的な波長可変が可能であり、
半導体レーザ温度と発振波長が1対1の関係となる。し
かし、図4に示されているように、温度変化の過程でモ
ードホップ現象が生じて、波長変化が不連続になる場合
があることが、発明者らの検討により確認された。発明
者らは、使用環境温度の変化幅が大きくなると信頼性に
悪影響が及ぼされるのは、このような点に起因する可能
性があると考えた。
【0048】本発明は、上記のような検討結果に基づい
てなされたものである。
【0049】以下、本発明の発振波長安定化装置及び高
調波出力安定化装置の実施形態について、図面を参照し
ながら説明する。
【0050】(DBR半導体レーザの発振波長安定化) (第1の実施形態)図1(a)は、本実施形態における
DBR半導体レーザの発振波長安定化装置の構成を示す
ブロック図である。本実施形態では、DBR領域へ注入
するDBR電流を一方向に電流制御することにより、安
定に発振波長を可変する方法について説明する。
【0051】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ1と、発
振波長を検出するための波長計5と、それらの各部を制
御する3つの回路系7〜9と、各回路系7〜9を制御す
るシステム制御部6と、から構成される。第1の回路系
は、半導体レーザ1の活性領域2への注入電流を制御す
るためのレーザ駆動部7である。第2の回路系は、レー
ザ光の波長を検出するための波長検出部9である。第3
は、発振波長を所望の波長に調整するためにDBR領域
3へ注入するDBR電流を制御するためのDBR制御部
8である。
【0052】半導体レーザ1は、MOCVD装置を用い
たエピタキシャル成長により作製される。n−GaAs
基板上に、n−AlGaAsを成長させた後、AlGa
Asの導波領域と活性領域が形成され、クラッド層とし
てp−AlGaAsが積層される。次に、フォトリソグ
ラフィー技術により、導波路が形成される。レジストが
ウェハ上にコートされ、干渉露光によりグレーティング
パターンが形成された後、導波領域のみにエッチングに
よりグレーティング(DBR)が形成される。2回目の
MOCVD成長では、接触抵抗を低減するため、ウェハ
上にp−GaAsが形成される。DBR領域3及び活性
領域2の上には、電流注入するための電極4b及び4a
が形成される。得られたDBR半導体レーザ1は、典型
的には、しきい電流値が約30mAで、約100mW出
力時の動作電流は約150mAである。
【0053】本実施形態の発振波長を所望の波長に調整
する方法について、図1(a)及び(b)を参照して詳
しく説明する。
【0054】第1に、活性領域2上の電極4aに電流注
入するように、システム制御部6からレーザ駆動部7に
信号を入力し、半導体レーザ11の光強度が設定値であ
る100mWになるように、電流注入を行う。第2に、
レーザ光の発振波長を波長計5により検出し、波長検出
部9より信号を出力する。次に、DBR制御部8に信号
を入力し、DBR領域3上の電極4bに電流を注入し、
レーザ光の発振波長を調整する。
【0055】ここで、図2に示すDBR電流と発振波長
の関係図に示されるように、DBR電流を変化させて発
振波長を可変すると、発振波長はモードホップを繰り返
しながら、注入電流の増加に対して長波長側に波長シフ
トする。このときのDBR電流に対する波長シフトの傾
きは、0.21nm/10mAであった。そして、DB
R電流を上昇させるときと下降させるときで、電流量に
対する発振波長が異なり、ヒステリシスな特性を示す。
本発明では、このヒステリシス特性を回避し、発振波長
を正確に調整するため、次のような方法で調整を行って
いる。
【0056】第1に、DBR電流を0mAから100m
Aまで増加させ、発振波長をスキャンする。このとき、
波長検出部9から出力される信号を検出し、レーザ光の
波長が設定波長と一致するDBR電流をシステム制御部
6に記憶する。第2に、100mAレベルに到達したD
BR電流を、記憶されたDBR電流よりも10mA低い
電流値まで下げる(DBR電流リセット)。第3に、検
出時と同方向にDBR電流を変化させ(すなわち増加さ
せ)、システム制御部6に記憶されたDBR電流に設定
して、半導体レーザ1の発振波長を設定波長に調整す
る。
【0057】本実施形態のように、レーザ光の波長を設
定波長に調整する際、DBR電流を増加させながら設定
波長に対応した電流値を検出し、その後にDBR電流を
設定波長に対応した電流よりも低い値に一度設定してか
ら、電流を再び増加させながら所望の注入電流に固定す
ることで、DBR領域を有する半導体レーザのチューニ
ング特性がもつヒステリシス特性を回避することができ
る。或いは、DBR電流をまず所定の範囲で減少させ、
所定の発振波長に相当する電流値を記憶した後に、ある
レベルまで一旦増加させ、再び減少させながら記憶され
た電流値に設定してもよい。
【0058】DBR電流をモードホップ電流近傍に固定
すると、環境温度変化などに対してモードホップを起こ
しやすい。そのため、本実施形態では、図2においてモ
ードホップを生じるDBR電流I1及びI2の中間のDB
R電流I0=(I1+I2)/2に固定することで、より
安定な波長制御を実現している。
【0059】DBR電流により発振波長を可変するとき
のもう一つの課題は、モードホップ時にノイズが発生す
ることである。このノイズ発生は、DBR電流による波
長可変が、DBR領域内部のヒータでの熱的現象である
ことに起因する。しかし、モードホップ現象は10ns
以下の高速現象であるため、光ディスクなどで用いられ
る数10MHz以下の周波数帯域では無視し得る。その
ため、モードホップが生じる近傍のみ電流注入のレート
を遅くすることで、数10MHz以下の周波数帯域では
ノイズ発生のない波長可変が実現できる。
【0060】図18は、DBR電流の注入レートの一例
である。この場合では、連続波長可変領域では1mA/
10μs、モードホップが生じる電流の近傍では1mA
/100μsで、DBR電流を変化させる。図18のよ
うな電流注入を行うことで、ノイズ発生のない波長可変
が実現できる。
【0061】なお、図18では、モードホップが生じる
電流の近傍で1mA/100μsのレートで電流注入を
行っているが、1mA/100μsよりも遅いレートで
電流注入すれば、同様にノイズのない波長可変が実現で
きる。
【0062】(第2の実施形態)図3(a)は、本実施
形態における電子冷却素子を用いたDBR半導体レーザ
の発振波長安定化装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、電子冷却素子(ペルチエ素子)11に
より、半導体レーザ1の発振波長を可変する方法につい
て説明する。
【0063】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ1と、発
振波長を検出するための波長計5と、半導体レーザ1を
温度を検出するための温度センサ16と、半導体レーザ
1を温度制御するための電子冷却素子11と、それらの
各部を制御する4つの回路系7〜9及び12と、各回路
系7〜9及び12を制御するシステム制御部6と、から
なる。第1の回路系は、半導体レーザ1の活性領域2へ
電流を注入するためのレーザ駆動部7である。第2の回
路系は、レーザ光の波長を検出するための波長検出部9
である。第3の回路系は、発振波長を所望の波長に調整
するためにDBR領域3へ注入するDBR電流を制御す
るためのDBR制御部8である。第4の回路系は、半導
体レーザ1を温度制御するためのペルチエ制御部12で
ある。
【0064】図3(a)及び(b)を参照して、本実施
形態のレーザ光の波長を設定波長に調整する方法につい
て、詳しく説明する。
【0065】初期設定として、第1の実施形態と同様
に、第1に、システム制御部6から活性領域2に電流を
注入するようにレーザ駆動部7に信号を入力し、半導体
レーザ1の光強度が設定値(100mW)になるよう
に、電流を制御する(ループI)。第2に、温度センサ
16で環境温度を検出し、半導体レーザ1の温度が環境
温度の近傍に一定になるように、システム制御部6から
ペルチエ制御部12に信号を入力し、電子冷却素子11
への電流を調整する(ループII)。第3に、第1の実施
形態と同様の方法により、レーザ光の発振波長が設定波
長近傍になるように、波長検出部9からの出力を検出し
ながらシステム制御部6からDBR制御部8に信号を入
力し、DBR領域3への注入電流を制御する(ループII
I)。このようにして、初期設定が完了する。
【0066】DBR電流による波長可変では、その波長
可変特性が連続的でなく、約0.1nm間隔のモードホ
ップを有する不連続な特性となる。そのため、半導体レ
ーザ1の発振波長を0.1nm以下の精度で所望の波長
に固定することが、実際には困難である。本実施形態で
は、半導体レーザ1の温度変化による連続波長可変を行
う。
【0067】図4に、DBR半導体レーザ温度と発振波
長の関係を示す。DBR半導体レーザの場合、温度変化
に対して0.07nm/℃の関係で、温度の上昇ととも
に発振波長は長波長側にシフトする。また、図2に示し
たようにモードホップを繰り返しながら波長可変するの
ではなく、1nm程度の波長範囲を連続的に波長可変す
ることができる。そのため本実施形態では、初期設定後
に、電子冷却素子11により半導体レーザ1の温度を変
化させて、発振波長を可変する。
【0068】まず、波長計5により発振波長が検出され
て波長検出部9から信号が出力され、設定波長との差分
が、信号として得られる。その波長差分を補償するよう
に、ペルチエ制御部12に信号を入力し、電子冷却素子
11への電流を調整してレーザ光の発振波長を制御する
(ループIV)。
【0069】これらのループを何回か繰り返して、設定
波長にレーザ光の波長を一致させる。
【0070】このように半導体レーザ1の温度変化によ
る波長可変を行うことにより、0.1nm以下の精度で
波長可変することが可能となる。
【0071】本実施形態のように電子冷却素子11によ
り半導体レーザ1の波長可変を行う場合、電子冷却素子
11の吸熱容量が大きな問題となる。電子冷却素子11
の吸熱容量は、周辺温度と設定温度の差に大きく依存す
る。本実施形態では、初期状態において半導体レーザ1
の温度を環境温度に設定するので、電子冷却素子11の
吸熱容量は極端に低減でき、その実用的効果は大きい。
【0072】また、波長可変や環境温度変化により半導
体レーザ1の温度と環境温度の間に温度差が生じて、そ
の結果として電子冷却素子11の吸熱容量が増大した場
合に、上記のような初期設定を繰り返すことで、半導体
レーザ1の温度を環境温度に再設定し、電子冷却素子1
1の吸熱容量を低減することができる。
【0073】(第3の実施形態)図5は、本実施形態に
おける電子冷却素子11を用いたDBR半導体レーザ1
の発振波長安定化装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、動作温度変化により発生した位相変化
をDBR電流により補償する方法について説明する。
【0074】本実施形態の発振波長安定化装置は、第2
の実施形態と同様に、活性領域2及びDBR領域3を有
する半導体レーザ1と、発振波長を検出するための波長
計5と、半導体レーザ1を温度制御するための電子冷却
素子11と、それらの各部を制御する4つの回路系7〜
9及び12と、各回路系7〜9及び12を制御するシス
テム制御部6と、からなる。第1の回路系は、半導体レ
ーザ1の活性領域2へ電流を注入するためのレーザ駆動
部7である。第2の回路系は、レーザ光の波長を検出す
るための波長検出部9である。第3の回路系は、発振波
長を所望の波長に調整するためにDBR領域3へ注入す
るDBR電流を制御するためのDBR制御部8である。
第4の回路系は、半導体レーザ1を温度制御するための
ペルチエ制御部12である。
【0075】初期設定として、第2の実施形態と同様
に、活性領域2はレーザ駆動部7により電流注入され
(ループI)、半導体レーザ1の温度はペルチエ制御部
12により環境温度に設定され(ループII)、またDB
R制御部8により発振波長は設定波長近傍に調整される
(ループIII)。第2の実施形態で説明したように、温
度変化により発振波長を可変する場合、1nm程度の波
長範囲で連続的な波長可変が可能となる。しかしなが
ら、それ以上の波長範囲で波長可変を行うと、図4に示
すようにモードホップを生じる。これは、DBR領域3
により光フィードバックされるDBR波長と、実効的D
BR長により定義される共振器長に対応するファブリペ
ローモードの温度に対するシフト量に、微妙なずれがあ
るためである。本実施形態では、このずれを補償するた
め、DBR領域3へ注入するDBR電流を調整する(ル
ープIV)。
【0076】図6は、動作温度変化とモードホップが生
じるDBR電流(以下では、「モードホップDBR電
流」とも称する)の関係を示す。動作温度が変化する
と、動作電流変化に対して生じるモードホップDBR電
流が大きくなる。そのため、動作温度の上昇に対して、
DBR電流を増加することで位相変化を補償することが
可能である。典型的には、動作温度10℃の上昇に対し
て、DBR電流を3mA程度増加することにより位相変
化を補償でき、1nm以上の連続波長可変が実現され
る。
【0077】本実施形態のように、DBR電流を調整す
ることにより、いろいろな要因により生じる位相変化を
補償することが可能であり、温度による連続波長可変を
広範囲の波長領域で実現でき、その実用的効果は大き
い。
【0078】(第4の実施形態)図7は、本実施形態に
おける電子冷却素子11を用いたDBR半導体レーザ1
の発振波長安定化装置の構成を示すブロック図である。
本実施形態では、動作電流変化に対して発生した位相変
化を、DBR電流の可変により補償する方法について説
明する。
【0079】本実施形態の発振波長安定化装置は、第2
の実施形態と同様に、活性領域2及びDBR領域3を有
する半導体レーザ1と、発振波長を検出するための波長
計5と、半導体レーザ1を温度を検出するための温度セ
ンサ16と、半導体レーザ1を温度制御するための電子
冷却素子11と、レーザ出力を検出するための出力検出
器13と、それらの各部を制御する4つの回路系7〜9
及び12と、各回路系7〜9及び12を制御するシステ
ム制御部6と、からなる。第1の回路系は、半導体レー
ザ1の活性領域2へ電流を注入するためのレーザ駆動部
7である。第2の回路系は、レーザ光の波長を検出する
ための波長検出部9である。第3の回路系は、発振波長
を所望の波長に調整するためにDBR領域3へ注入する
DBR電流を制御するためのDBR制御部8である。第
4の回路系は、半導体レーザ1を温度制御するためのペ
ルチエ制御部12である。
【0080】本実施形態では、半導体レーザ1の動作温
度を電子冷却素子11により調整することにより、発振
波長を可変する。一般に半導体レーザ1は、動作温度を
変化させると得られるレーザ出力が変動する。図8は、
動作温度とレーザ出力の関係を示している。レーザ波長
を1nm程度可変しようとすると、動作温度を35℃程
度変化する必要がある。しかし、動作温度が15℃程度
変化すると、レーザ出力は±7.5%変動する。
【0081】本実施形態では、レーザ出力が一定になる
ようにレーザ駆動部7を制御し、それにより生じた位相
変化をDBR電流の可変により補償する。
【0082】発振波長の制御方法、レーザ出力の制御方
法及びDBR制御部での位相補償について詳しく説明す
る。
【0083】初期設定として、第2の実施形態と同様
に、活性領域2にレーザ駆動部7により設定電流が注入
され(ループI)、半導体レーザ1の温度はペルチエ制
御部12により環境温度に設定され(ループII)、また
DBR制御部8により発振波長は設定波長近傍に調整さ
れる(ループIII)。第2の実施形態と同様に、初期設
定後は、電子冷却素子11により半導体レーザ1の温度
を変化させて、発振波長を可変する。
【0084】まず、波長計5により発振波長が検出さ
れ、波長検出部9から信号が出力されて、設定波長との
差分が信号として得られる。その波長差分を補償するよ
うに、ペルチエ制御部12に信号を入力して電子冷却素
子11の電流を調整し、レーザ光の発振波長を制御する
(ループIV)。
【0085】これらのループを何回か繰り返し、設定波
長にレーザ光を波長を一致させる。
【0086】次に、温度変化により生じた出力変動を補
償するように、レーザ駆動部7を制御する。以下では、
設定波長を変化させてペルチエ制御部12により連続的
に波長シフトさせる場合について、説明する。
【0087】半導体レーザ1の波長を1nmシフトさせ
るためには、半導体レーザ1の温度を15℃程度可変す
る必要がある。このとき、レーザ出力は、7.5%程度
変動する。本実施形態においては、出力検出器13によ
りレーザ光出力は常に検出されている。そのため、出力
検出器13から得られた信号とシステム制御部6から出
力される設定出力信号との差分を補償するように、レー
ザ駆動部7により活性領域2への注入電流量が制御さ
れ、レーザ出力が一定に保持される。
【0088】半導体レーザ1を15℃程度温度変化させ
る場合には、出力変動が10%程度あるために、活性領
域2への動作電流量も10%程度変化させる必要があ
る。図9は、動作電流と発振波長の関係を示している。
動作電流が上昇すると活性領域の温度も上昇し、結果と
して位相変化が起こり、モードホップを生じる。波長シ
フトの傾きは、典型的には0.02nm/10mAであ
る。動作電流が150mAの時に、15℃の温度変化に
対して出力を一定に保持するためには、20mA程度変
化させる必要がある。しかし、このような幅の電流変化
では、図9に示すようにモードホップが生じる。
【0089】本実施形態では、動作電流を調整すること
により生した位相変化を、DBR領域3により補償す
る。20mAの動作電流変化(△I)に対して、活性領
域2の位相が変化し、ファプリペローモードが0.04
nmシフトする。そのため、DBR制御部8によりDB
R電流を2mA(0.02nm/0.21nm×△I)
程度だけ変化させることにより、モードホップを回避で
きる(ループV)。その後に、再びペルチエ制御部12
にて、発振波長が設定波長になるように調整する。
【0090】これらのループを何回か繰り返し、設定波
長及び設定出力に調整する。
【0091】本実施形態では、半導体レーザ1の温度変
化により生した出力変動を出力検出器13で検出し、設
定出力信号との差分を補償する際に、レーザ駆動部7と
DBR制御部8を同時に制御して、モードホップのない
制御によりレーザ出力も一定に保持される。そのため、
広範囲での連続波長可変を出力一定で実現できるため、
その実用的効果は大きい。
【0092】(第5の実施形態)図10(a)は、本実
施形態における位相領域14を有するDBR半導体レー
ザ1の発振波長安定化装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0093】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2、DBR領域3及び位相領域14を有する半導体
レーザ1と、発振波長を検出するための波長計5と、半
導体レーザ1を温度を検出するための温度センサ16
と、レーザ出力を検出するための出力検出器13と、そ
れらの各部を制御する4つの回路系7〜9及び15と、
からなる。第1の回路系は、半導体レーザ1の活性領域
2へ電流を注入するためのレーザ駆動部7である。第2
の回路系は、レーザ光の波長を検出するための波長検出
部9である。第3の回路系は、発振波長を所望の波長に
調整するためにDBR領域3へ注入する電流を制御する
ためのDBR制御部8である。第4の回路系は、位相領
域14への注入電流を制御する位相制御部15である。
【0094】図10(a)及び(b)を参照して、本実
施形態による位相領域14を有するDBR半導体レーザ
1の発振波長安定化方法について詳しく説明する。
【0095】初期設定として、第1に、活性領域2に電
流注入するようにシステム制御部6からレーザ駆動部7
に信号を入力し、半導体レーザ1の光強度が設定値であ
る100mWになるように電流注入を行う(ループ
I)。第2に、レーザ光の発振波長を波長計5により検
出し、波長検出部9より信号を出力する。システム制御
部6から設定の波長が出力され、その波長差を補償する
ようにDBR制御部8に信号を入力し、DBR領域3に
電流を注入してレーザ光の発振波長を調整する(ループ
II)。調整方法は第1の実施形態と同様で、DBR領域
3への注入電流を0mA〜100mAの範囲で可変(具
体的には、0mAから100mAへ増加)させ、発振波
長をスキャンする。このとき、波長検出部から出力され
る信号を検出し、レーザ光の波長が設定波長と一致する
注入電流を記憶する。次に、その注入電流よりも10m
A低い電流まで注入電流を下げる。最後に、記憶された
電流注入をDBR領域に注入し、レーザ光の発振波長を
設定波長に調整する。
【0096】本実施形態では、初期設定以降において位
相領域14を用いて連続的な波長可変が実現される。そ
の方法について説明する。
【0097】DBR半導体レーザの発振波長を変化させ
る方法には、一般に、以下の3つの方法がある。
【0098】(1)DBR領域への注入電流(DBR電
流)の変化 (2)DBR半導体レーザの動作温度の変化 (3)活性領域への注入電流(動作電流)の変化 これらの方法では、DBR電流により波長可変させたり
(波長制御)、環境温度を変化させたり(温度制御)、
レーザ出力制御のために動作電流を変化させたり(出力
制御)することで、発振波長を変化させるが、その際
に、半導体レーザの共振器モード(ファブリペローモー
ド)の位相状態が変化してモードホップを生じる。本実
施形態では、位相領域14を用いて、モードホップのな
い各制御を可能にする。
【0099】位相領域14への注入電流と発振波長の関
係を、図11に示す。連続波長可変部分の注入電流変化
に対する波長シフトの割合は、0.07nm/10mA
である。DBR電流変化及び動作電流変化に対する波長
シフトの割合は、それぞれ0.21nm/10mA及び
0.02nm/10mAである。そのため、波長制御に
対しては、DBR電流の変化量の3倍の電流を位相領域
14に注入し、また出力制御に対しては、動作電流の変
化量の約3分の1の電流を位相領域14に注入すればよ
いことになる。さらに、温度制御に対しては、約10℃
の動作温度上昇に対して、位相領域の注入電流を約5m
A低減させればよい。
【0100】以上のことを考慮して、本実施形態では、
環境温度変化、動作電流変化、及びDBR電流変化に対
して、レーザ駆動部7及びDBR制御部8を用いて制御
を行い、制御により生じた位相変化量の和を位相制御部
15で補償することにより、連続的な波長可変が実現さ
れる(ループIII)。
【0101】本実施形態のように、位相領域14をDB
R半導体レーザ1に設けることにより、連続的な波長可
変が実現できる。また、位相変化の和を位相領域14で
補償することで、出力が一定で広範囲の連続波長可変が
実現される。
【0102】また、本実施形態のように位相領域14に
電流注入する場合、一定の比で電流注入するとすれば、
DBR電流を100mA程度注入して2nm程度の波長
可変を行うには、位相領域に300mA程度の電流を注
入する必要がある。これは、消費電力の上で、実用上は
大きな問題である。位相領域14では、電流注入に対し
て位相変化が周期的に繰り返される。
【0103】そこで、光ディスクシステムなどに応用す
る場合に、システムの動作待機時間などを利用して位相
電流をリセットして電流値を低減すれば、大幅な消費電
力低減を実現できる。
【0104】第1〜第5の実施形態では、AlGaAs
半導体レーザを例にとって説明したが、DBR領域が集
積化されたII−VI族系ZnS半導体レーザや、III−V
族系GaN半導体レーザについても、同様の効果が得ら
れる。
【0105】(短波長光源の出力安定化) (第6の実施形態)第1〜第5の実施形態では、DBR
半導体レーザの発振波長の設定波長への制御、或いは連
続的な波長可変を行う方法について説明した。一方、本
実施形態においては、DBR半導体レーザと波長変換素
子を用いたSHGブルーレーザの高調波出力を安定化す
るため、DBR半導体レーザの発振波長を波長変換素子
の位相整合波長に調整する方法について説明する。
【0106】図12(a)は、本実施形態における、D
BR半導体レーザ1の発振波長を波長変換素子17の位
相整合波長に調整する高調波出力安定化装置の構成を示
すブロック図である。
【0107】本実施形態の高調波出力安定化装置は、活
性領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ1と、
周期的な分極反転領域18と光導波路19を有する波長
変換素子17と、高調波出力を検出するための出力検出
器21と、それらの各部を制御する3つの回路系7、
8、及び22と、各回路系7、8、及び22を制御する
システム制御部6と、から構成される。第1の回路系
は、半導体レーザ1の活性領域2へ電流を注入するため
のレーザ駆動部7である。第2の回路系は、高調波出力
を検出するための出力検出部22である。第3の回路系
は、発振波長を所望の波長に調整するためにDBR領域
3上へ注入するDBR電流を制御するためのDBR制御
部8である。
【0108】波長変換素子17は、LiTaO3結晶基
板上に作製された擬似位相整合方式(QPM)の光導波
路型波長変換素子であり、周期的な分極反転領域18に
より基本波と高調波の位相ずれが補償され、高効率の波
長変換が実現される。位相整合波長は851nmであ
り、その波長許容幅は0.13nmである。QPM−第
2高調波発生(SHG)デバイス17の上の周期的分極
反転領域18は、例えば、瞬間熱処理法により形成され
る。また、光導波路19は、例えばピロ燐酸を用いたプ
ロトン交換法により形成される。
【0109】半導体レーザ1の光は、図12に図示され
ていない結合レンズにより、波長変換素子17の上の光
導波路19に結合される。半導体レーザ1の波長が波長
変換素子17の位相整合波長に一致するときは、光導波
路19を導波するレーザ光が高調波光に変換される。典
型的には、本実施形態で用いられるDBR半導体レーザ
1の発振波長は850〜852nmであり、得られる高
調波光の波長は425nm(ブルー光)である。
【0110】本実施形態における、レーザ光の波長を波
長変換素子17の位相整合波長許容幅内に調整し、高調
波出力を安定化する方法について、詳しく説明する。
【0111】高調波出力を安定化するためには、半導体
レーザ1の波長を波長変換素子17の位相整合波長の許
容幅内に、安定して制御することが重要である。そのた
めに、第1に、活性領域2に電流注入するようにシステ
ム制御部6からレーザ駆動部7に信号を入力し、半導体
レーザ1の光強度が設定値である100mWになるよう
に電流注入(150mA)を行う。第2に、波長変換に
より得られた高調波出力を出力検出器21により検出す
る。出力検出器21としては、典型的にはSi−PIN
フォトダイオードが用いられる。
【0112】図2に示すように、DBR領域3へ注入す
るDBR電流を変化させて発振波長を可変すると、発振
波長はモードホップを繰り返しながらDBR電流の増加
に対して長波長側に波長シフトする。このとき、DBR
領域3へ注入するDBR電流を上昇させるときと下降さ
せるときで電流に対する発振波長が異なり、ヒステリシ
スな特性を示す。本発明では、このヒステリシス特性を
回避し、DBRレーザ1の波長を波長変換素子17の位
相整合波長許容幅内に制御するため、次のような方法で
調整を行っている。
【0113】第1に、DBR電流を0〜100mAまで
可変(具体的には、0mAから100mAまで増加)さ
せ、発振波長をスキャンする。このとき、出力検出部2
2から出力される信号を検出し、高調波出力がピークに
なる注入電流をシステム制御部6に記憶する。本実施形
態では、典型的にはDBR電流が50mAの時に、ブル
ー光の最大出力2mWが得られる。第2に、100mA
からその注入電流よりも10mA低い40mAに、DB
R電流の値を下げる。第3に、記憶されたDBR電流値
(50mA)までDBR電流を再上昇させることで、レ
ーザ光の発振波長を波長変換素子17の位相整合波長8
51nmに調整する。高調波出力が低下した場合に上記
の制御を繰り返すことにより、長期の出力安定性が実現
される。
【0114】本実施形態のように、レーザ光の波長を設
定波長に調整する際に、DBR電流を増加させながら設
定波長に対応した電流値を検出し、その後にDBR電流
を設定波長に対応した電流よりも低い値に一度設定して
から、電流を再び増加させながら所望の注入電流に固定
することで、DBR領域を有する半導体レーザのチュー
ニング特性がもつヒステリシス特性を回避することがで
きる。これにより、半導体レーザの波長を波長変換素子
の位相整合波長に正確に一致できるため、安定な高調波
出力が実現される。或いは、DBR電流をまず所定の範
囲で減少させ、所定の発振波長に相当する電流値を記憶
した後に、あるレベルまで一旦増加させ、再び減少させ
ながら記憶された電流値に設定してもよい。
【0115】特に、QPM−SHGデバイスとDBR半
導体レーザから構成される短波長光源においては、QP
M−SHGデバイスの位相整合波長に対する許容幅が
0.1nm程度と小さいため、ヒステリシス特性により
生じる0.1nmの波長変化は、大きな問題となる。そ
のため、DBR電流を設定波長に対応した電流よりも低
い値に一度設定し、電流を増加させながら所望のDBR
電流に固定する方法は、実用的に大きな効果を有する。
【0116】(第7の実施形態)図13は、本実施形態
の電子冷却素子11を用いたSHGブルーレーザの高調
波出力安定化方法の構成を示すブロック図である。
【0117】第6の実施形態では、半導体レーザの発振
波長を位相整合波長内に固定することは可能であるが、
DBR電流変化による波長可変が0.1nm毎の不連続
なチューニング特性である一方で、QPM−SHGデバ
イスの波長許容幅が0.1nmn程度と小さいために最
大の変換効率が得られる位相整合波長の中心に固定する
ことが困難である。それに対して本実施形態では、温度
変化による連続波長可変により、より高効率の波長変換
が実現される。
【0118】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ1と、周
期的な分極反転領域18と光導波路19を有する波長変
換素子17と、高調波出力を検出するための出力検出器
21と、半導体レーザ1を温度を検出するための温度セ
ンサ16と、半導体レーザ1を温度制御するための電子
冷却素子11と、それらの各部を制御する4つの回路系
7、8、12及び22と、各回路系7、8、12、及び
22を制御するシステム制御部6と、からなる。第1の
回路系は、半導体レーザ1の活性領域2へ電流を注入す
るためのレーザ駆動部7である。第2の回路系は、高調
波出力を検出するための出力検出部22である。第3の
回路系は、発振波長を所望の波長に調整するためにDB
R領域3へ注入するDBR電流を制御するためのDBR
制御部8である。第4の回路系は、半導体レーザ1を温
度制御するためのペルチエ制御部12である。本実施形
態において、波長変換素子17としては、第6の実施形
態と同様にLiTaO3基板上に形成されたQPM−S
HGデバイスが用いられた。
【0119】本実施形態による、レーザ光の波長を波長
変換素子17の位相整合波長の許容幅内に調整して、高
調波出力を安定化する方法について、詳しく説明する。
【0120】高調波出力を安定化するためには、半導体
レーザ1の波長を、波長変換素子17の位相整合波長の
許容幅内に安定して制御することが重要である。そのた
めの初期設定として、第6の実施形態と同様の方法によ
り、半導体レーザ1の発振波長を波長変換素子17の位
相整合波長の近傍に固定する。具体的には、第1に、活
性領域2に電流を注入するようにシステム制御部6から
レーザ駆動部7に信号を入力し、半導体レーザ1の光強
度が設定値(100mW)になるように、注入電流を1
50mAに制御する(ループI)。第2に、温度センサ
16で環境温度(20℃)を検出し、半導体レーザ1の
温度が20℃に一定になるように、システム制御部6か
らペルチエ制御部12に信号を入力して電子冷却素子1
1への電流を調整する(ループII)。第3に、第6の実
施形態と同様の方法で、半導体レーザ1の発振波長を波
長変換素子17の位相整合波長許容幅内に固定するた
め、高調波出力を出力検出部22にて検出し、システム
制御部6からDBR制御部8に信号を入力する(ループ
III)。このようにして、初期設定が完了する。
【0121】QPM−SHGデバイスの位相整合波長は
851.05nmであり、初期設定において、DBR半
導体レーザの波長は851nmに固定される。一方、D
BR電流の変化による波長可変では、そのモード間隔が
0.1nmであるために851.05nmに波長を制御
することが不可能である。それに対して本実施形態にお
いては、温度変化により、DBR半導体レーザ1の波長
が位相整合波長に微調整される。
【0122】図4に示すように、DBR半導体レーザの
場合、温度変化に対して約0.07nm/℃の関係で、
温度の上昇とともに発振波長は長波長側に連続的にシフ
トする。また、QPM−SHGデバイスの位相整合波長
は、約0.035nm/℃の関係で長波長側にシフトす
る。そのため本実施形態では、初期設定後に電子冷却素
子11により半導体レーザ1の温度を変化させて、発振
波長を可変する。
【0123】まず、出力検出器21により高調波出力が
検出され、出力検出部22から信号が出力される。この
値が、初期値(P0)としてシステム制御部6に記憶さ
れる。次に、初期設定時の設定温度を、約20.5℃上
昇させる。ペルチエ制御部12に信号が入力され、電子
冷却素子11への電流が調整されてレーザ光の発振波長
が可変される(ループIV)。このときの高調波出力を出
力検出器21により検出し、出力検出部22からシステ
ム制御部6へ信号が出力される(P1)。P1>P0であ
る場合には、ループを繰り返して設定温度を約21℃上
昇させ、再び高調波出力を検出する(P2)。P2<P1
である場合には、設定温度を約20℃降下させる(ルー
プV)。
【0124】本実施形態においては、ループIII及びV
を繰り返すことにより、温度が約22℃の時に、高調波
出力は、典型的にはピーク出力約2.3mWに安定に固
定される。ループVの制御を常に繰り返すことにより、
長期の高調波出力安定性が実現される。
【0125】本実施形態のように、温度制御により高調
波出力を安定化する方法は、半導体レーザの波長を連続
的に可変できるため、DBR電流の変化だけでは実現で
きない高調波出力のピーク出力検出が可能となり、第6
の実施形態よりも1割程度強度が大きいブルー出力を得
ることができ、その実用的効果は大きい。特に、QPM
−SHGデバイスとDBR半導体レーザから構成される
短波長光源においては、QPM−SHGデバイスの位相
整合波長に対する許容幅が0.1nm程度と小さいた
め、DBR半導体レーザの連続波長可変が必要不可欠で
あり、本実施形態に示す温度制御による高調波出力安定
化方法は、実用的効果が大きい。
【0126】また、電子冷却素子11により半導体レー
ザ1の波長可変を行う場合、電子冷却素子11の吸熱容
量が大きな問題となる。本実施形態のように、初期状態
において半導体レーザ1の温度を環境温度に設定するこ
とで、電子冷却素子11の吸熱容量は極端に低減でき、
その実用的効果は大きい。
【0127】また、波長可変や環境温度変化により、半
導体レーザ1の温度と環境温度の間に温度差が生じ、そ
の結果として電子冷却素子11の吸熱容量が増大した場
合に、本実施形態の初期設定を繰り返して半導体レーザ
1の温度を環境温度に再設定することで、電子冷却素子
11の吸熱容量を低減できる。
【0128】(第8の実施形態)図14は、本実施形態
における電子冷却素子を用いたSHGブルーレーザの高
調波出力安定化装置の構成を示すブロック図である。
【0129】本実施形態における発振波長安定化装置
は、活性領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ
1と、周期的な分極反転領域18と光導波路19を有す
る波長変換素子17と、高調波出力を検出するための出
力検出器21と、半導体レーザ1を温度を検出するため
の温度センサ16と、半導体レーザ1を温度制御するた
めの電子冷却素子11と、それらの各部を制御する4つ
の回路系7、8、12、及び22と、各回路系7、8、
12、及び22を制御するシステム制御系6と、からな
る。第1の回路系は、半導体レーザ1の活性領域2へ電
流を注入するためのレーザ駆動部7である。第2の回路
系は、高調波出力を検出するための出力検出部22であ
る。第3の回路系は、発振波長を所望の波長に調整する
ためにDBR領域3へ注入するDBR電流を制御するた
めのDBR制御部8である。第4の回路系は、半導体レ
ーザ1を温度制御するためのペルチエ制御部12であ
る。本実施形態においては、波長変換素子17として、
典型的には第6の実施形態と同様にQPM−SHGデバ
イスが用いられる。
【0130】初期設定として、第6の実施形態と同様の
方法により、半導体レーザ1の発振波長が波長変換素子
17の位相整合波長近傍に固定され、典型的には約2m
Wのブルー出力が得られる。活性領域2にレーザ駆動部
7により電流注入され(ループI)、半導体レーザ1の
温度はペルチエ制御部12により環境温度(20℃)に
設定され(ループII)、またDBR制御部8により発振
波長は設定波長近傍に調整される(ループIII)。
【0131】第2の実施形態で説明したように、温度変
化により発振波長を可変する場合には、1nm程度の波
長範囲で連続的な波長可変が可能となる。しかしなが
ら、それ以上の波長範囲で波長可変を行うと、図4に示
すようにモードホップを生じる。これは、DBR領域3
により光フィードバックされるDBR波長と、実効的D
BR長により定義される共振器長に対応するファブリペ
ローモードの温度に対するシフト量に、微妙なずれがあ
るためである。本実施形態では、このずれを補償するた
め、DBR領域3へ注入される電流も調整される(ルー
プIV)。
【0132】動作温度変化とモードホップ電流の関係
は、先に図6を参照して説明した通りである。動作温度
が変化すると、動作電流変化に対してモードホップが生
じるDBR電流値が小さくなる。そのため、動作温度の
上昇に対して、DBR電流を低減することで位相変化を
補償することが可能である。動作温度の約10℃の上昇
に対して、DBR電流を約1.5mA程度低下させるこ
とにより、位相変化を補償でき、1nm以上の連続波長
可変が実現される。
【0133】本実施形態のようにDBR電流を調整する
ことにより、いろいろな要因により生じる位相変化を補
償することが可能である。その結果、広範囲での連続波
長可変が実現でき、安定な高調波出力が実現される。特
に、QPM−SHGデバイスとDBR半導体レーザから
構成される短波長光源においては、QPM−SHGデバ
イスの位相整合波長に対する許容幅が0.1nm程度と
小さいため、DBR半導体レーザの連続波長可変が必要
不可欠である。その方法としては、温度変化による波長
可変が有利である。本実施形態のようにDBR電流によ
る温度変化による位相変化を補償することにより、広範
囲の波長領域において連続波長可変特性が得られるた
め、安定な短波長光源が実現される。
【0134】(第9の実施形態)図15は、本実施形態
における電子冷却素子11を用いたSHGブルーレーザ
の高調波出力安定化装置の構成を示すブロック図であ
る。
【0135】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2及びDBR領域3を有する半導体レーザ1と、周
期的な分極反転領域18と光導波路19を有する波長変
換素子17と、高調波出力を検出するための出力検出器
21と、半導体レーザ1を温度を検出するための温度セ
ンサ16と、レーザ出力を検出するための出力検出器1
3と、半導体レーザ1を温度制御するための電子冷却素
子11と、それらの各部を制御する4つの回路系7、
8、12、及び22と、各回路系7、8、12及び22
を制御するシステム制御部6と、からなる。第1の回路
系は、半導体レーザ1の活性領域2へ電流を注入するた
めのレーザ駆動部7である。第2の回路系は、高調波出
力を検出するための出力検出部22である。第3の回路
系は、発振波長を所望の波長に調整するためにDBR領
域3へ注入するDBR電流を制御するためのDBR駆動
部8である。第4の回路系は、半導体レーザ1を温度制
御するためのペルチエ制御部12である。本実施形態に
おいて、波長変換素子17として、典型的には、第6の
実施形態と同様にQPM−SHGデバイスが用いられ
る。
【0136】本実施形態では、半導体レーザ1の動作温
度を電子冷却素子11により調整することにより、発振
波長を波長変換素子の位相整合波長に調整する。一般に
半導体レーザは、動作温度を変化させると得られるレー
ザ出力が変動する。
【0137】動作温度とレーザ出力の関係について図8
を参照して先に説明したように、レーザ波長を1nm程
度可変するには、動作温度を15℃程度変化する必要が
ある。しかし、動作温度が15℃程度変化すると、レー
ザ出力は±7.5%程度変動する。本実施形態では、レ
ーザ出力が一定になるようにレーザ駆動部7を制御し、
それにより生じた位相変化を、DBR領域3で補償す
る。
【0138】発振波長の制御方法、レーザ出力の制御方
法、及びDBR制御部8での位相補償について詳しく説
明する。
【0139】初期設定として、第6の実施形態と同様の
方法により、半導体レーザ1の発振波長を波長変換素子
17の位相整合波長の近傍に固定する。具体的には、活
性領域2にレーザ駆動部7により設定電流(150m
A)が注入され(ループI)、半導体レーザ1の温度は
ペルチエ制御部12により環境温度(20℃)に設定さ
れ(ループII)、さらに、DBR制御部8により発振波
長は設定波長近傍に調整される(ループIII)。第2の
実施形態と同様に、初期設定後は、電子冷却素子11に
より半導体レーザ1の温度を変化させて、発振波長を制
御する(ループIV)。
【0140】これらのループを何回か繰り返して、高調
波出力をピーク出力に制御する。
【0141】次に、温度変化により生じた出力変動を補
償するように、レーザ駆動部7を制御する。以下では、
設定波長を変化させてペルチエ制御部12により連続的
に波長シフトさせる場合について、説明する。
【0142】半導体レーザ1の波長を1nmシフトさせ
るためには、半導体レーザ1の温度を15℃程度可変す
る必要がある。このとき、レーザ出力は、7.5%程度
変動する。本実施形態においては、出力検出器13によ
りレーザ光出力は常に検出されている。そのため、出力
検出器13から得られた信号とシステム制御部6から出
力される設定出力信号との差分を補償するように、レー
ザ駆動部7により活性領域2への注入電流量が制御さ
れ、レーザ出力が一定に保持される。
【0143】半導体レーザ1を15℃程度温度変化させ
る場合には、出力変動が7.5%程度あるために、活性
領域2への動作電流量も10%程度変化させる必要があ
る。動作電流と発振波長の関係を先に図9に示したが、
動作電流が上昇すると活性領域の温度も上昇し、結果と
して位相変化が起こり、モードホップを生じる。波長シ
フトの傾きは、典型的には0.02nm/10mAであ
る。動作電流が150mAの時に、15℃の温度変化に
対して出力を一定に保持するためには、20mA程度変
化させる必要がある。しかし、このような幅の電流変化
では、図9に示すようにモードホップが生じる。
【0144】本実施形態では、動作電流を調整すること
により生じた位相変化を、DBR領域3により補償す
る。20mAの動作電流変化(△I)に対して、活性領
域2の位相が変化し、ファプリペローモードが0.04
nmシフトする。そのため、DBR制御部8によりDB
R電流を2mA(0.02nm/0.21nm×△I)
程度だけ変化させることにより、モードホップを回避で
きる(ループV)。その後に、再びペルチエ制御部12
にて、発振波長が設定波長になるように調整する。
【0145】これらのループを何回か繰り返し、設定波
長及び設定出力に調整する。
【0146】本実施形態では、半導体レーザ1の温度変
化により生じた出力変動を出力検出器13で検出し、設
定出力信号との差分を補償する際に、レーザ駆動部7と
DBR制御部8を同時に制御して、モードホップのない
制御によりレーザ出力も一定に保持される。そのため、
広範囲での連続波長可変を出力一定で実現できるため、
安定な高調波出力が実現される。
【0147】(第10の実施形態)図16は、本実施形
態における電子冷却素子を用いたSHGブルーレーザの
高調波出力安定化装置の構成を示すブロック図である。
【0148】本実施形態の発振波長安定化装置は、活性
領域2、DBR領域3及び位相領域14を有する半導体
レーザ1と、周期的な分極反転領域18と光導波路19
を有する波長変換素子17と、高調波出力を検出するた
めの出力検出器21と、半導体レーザ1を温度を検出す
るための温度センサ16と、レーザ出力を検出するため
の出力検出器13と、それらの各部を制御する4つの回
路系7、8、15及び22と、各回路系7、8、15及
び22を制御するシステム制御部6と、からなる。第1
の回路系は、半導体レーザ1の活性領域2へ電流を注入
するためのレーザ駆動部7である。第2の回路系は、高
調波出力を検出するための出力検出部22である。第3
の回路系は、発振波長を所望の波長に調整するためにD
BR領域3へ注入するDBR電流を制御するためのDB
R制御部8である。第4の回路系は、位相領域14への
注入電流を制御する位相制御部15である。本実施形態
においても、波長変換素子17として、典型的には、第
6の実施形態と同様にQPM−SHGデバイスが用いら
れる。
【0149】本実施形態に従って、位相領域14を有す
るDBR半導体レーザ1の波長を波長変換素子17の位
相整合波長の許容幅内に調整して高調波出力を安定化す
る方法について、詳しく説明する。
【0150】初期設定として、第6の実施形態と同様の
方法により、半導体レーザ1の発振波長を波長変換素子
17の位相整合波長近傍に固定する。具体的には、第1
に、システム制御部6から活性領域2に電流注入するよ
うにレーザ駆動部7に信号を入力し、半導体レーザ1の
光強度が設定値である100mWになるように電流注入
を行う(ループI)。第2に、高調波出力を出力検出器
21により検出し、出力検出部22より信号を出力す
る。高調波出力がピークになるDBR電流をシステム制
御部6に記憶し、記憶されたDBR電流を注入してレー
ザ光の発振波長を波長変換素子17の位相整合波長に調
整する(ループII)。
【0151】本実施形態では、初期設定以降において、
位相領域14を用いて連続的な波長可変が実現される。
その方法について説明する。
【0152】DBR半導体レーザの発振波長を変化させ
る方法には、一般に、以下の3つの方法がある。
【0153】(1)DBR領域への注入電流(DBR電
流)の変化 (2)DBR半導体レーザの動作温度の変化 (3)活性領域への注入電流(動作電流)の変化 これらの方法では、DBR電流により波長可変させたり
(波長制御)、環境温度を変化させたり(温度制御)、
レーザ出力制御のために動作電流を変化させたり(出力
制御)することで、発振波長を変化させるが、その際
に、半導体レーザの共振器モード(ファブリペローモー
ド)の位相状態が変化してモードホップを生じる。本実
施形態では、位相領域14を用いて、モードホップのな
い各制御を可能にする。
【0154】位相領域14への注入電流と発振波長の関
係は、図11に示して説明した通りである。連続波長可
変部分の注入電流変化に対する波長シフトの割合は、
0.07nm/10mAである。DBR電流変化及び動
作電流変化に対する波長シフトの割合は、それぞれ0.
21nm/10mA及び0.02nm/10mAであ
る。そのため、波長制御に対しては、DBR電流の変化
量の3倍の電流を位相領域14に注入し、また出力制御
に対しては、動作電流の変化量の約3分の1の電流を位
相領域14に注入すればよい。さらに、温度制御に対し
ては、10℃の動作温度上昇に対して、位相領域の注入
電流を5mA低減させればよい。
【0155】以上のことを考慮して、本実施形態では、
環境温度変化、動作電流変化、及びDBR電流変化に対
して、レーザ駆動部7及びDBR制御部8を用いて制御
を行い、制御により生じた位相変化量の和を位相制御部
15で補償することにより、連続的な波長可変が実現さ
れる(ループIII)。
【0156】本実施形態では、環境温度変化などで生じ
る位相整合波長のシフトに対して、上記の位相領域14
を用いた連続波長可変により、常に高調波出力がピーク
出力で一定になるように制御される。特に、QPM−S
HGデバイスとDBR半導体レーザから構成される短波
長光源においては、QPM−SHGデバイスの位相整合
波長に対する許容幅が0.1nm程度と小さいため、D
BR半導体レーザの連続波長可変が必要不可欠であり、
本実施形態に示す位相制御部15を用いた高調波出力安
定化方法は、実用的効果が大きい。
【0157】なお、第6〜第10の実施形態では、波長
変換素子として導波路型の擬似位相整合方式波長変換素
子が用いられているが、バルク型の擬似位相整合方式の
波長変換素子を用いても、同様の効果が得られる。ま
た、複屈折性を利用した位相整合方式の波長変換素子を
用いても、同様の効果が得られる。
【0158】(第11の実施形態)光ディスクシステム
で用いられる光源は、長期の出力安定性を必要とする。
DBRレーザと波長変換素子から構成される短波長光源
を光ディスクシステムに応用する場合、長期の出力安定
性がひとつの課題である。この課題を解決するために
は、波長変換素子の位相整合波長に半導体レーザの波長
が常に一致するように、制御する必要がある。
【0159】第7〜第10の実施形態の構成では、半導
体レーザの波長を連続的に可変して高調波出力を安定化
する方法について説明してきた。しかしながら、環境温
度の急激な変化などに対しては、電子冷却素子などが十
分に応答できないために、出力変動を生じる可能性があ
る。また、第6の実施形態で説明した高調波出力安定化
装置を有する短波長光源では、DBR領域に注入するD
BR電流の制御によって発振波長を変化させるが、その
変化が不連続であるために、高調波出力調整時に大きな
出力変動を発生する。また、この方法の他の課題は、電
子冷却素子や位相領域に注入する電流が大きくなること
で、消費電力が大きくなることである。
【0160】本実施形態では、短波長光源を光ディスク
システムに応用する場合に、システム動作待機中を利用
して高調波出力の安定化や電子冷却素子や位相領域への
電流のリセットを行う、或いは、読み出した情報をメモ
リなどに一旦蓄積した上で高調波出力の安定化や電子冷
却素子や位相領域への電流のリセットを行う、などの手
法を用いることによって、常に安定したディスク再生特
性を実現する方法について説明する。
【0161】図19(a)及び(b)は、記録再生可能
な光ディスクシステムの動作状態を模式的に示す図であ
る。
【0162】具体的には、光ディスクシステムをコンピ
ュータ用途で用いる場合、図19(a)のように、常に
コンピュータと情報のやり取りを行っているのではな
く、再生時や記録時のみシステムは動作している。その
ため、図19(a)のシステムの動作待機中に高調波出
力の安定化を図ることで、安定な記録・再生特性を実現
できる。高調波出力の安定化は、各実施形態で説明した
以下のような方法を用いることができる。
【0163】第1に、DBR領域のみで波長可変を行う
場合、第6の実施形態のように、位相整合波長の検出時
と同方向にDBR電流を変化させて、半導体レーザの波
長を波長変換素子の位相整合波長に固定することで、ヒ
ステリシス特性を回避して安定に高調波出力を得ること
はできる。
【0164】第2に、電子冷却素子により波長可変を行
う場合には、第7の実施形態のように、電子冷却素子に
より連続的な波長可変を行う。波長変換素子の位相整合
波長が何かの要因でシフトし波長可変幅が大きくなる
と、環境温度と短波長光源温度に差が生じる。そうなる
と、電子冷却素子の吸熱容量が大きくなるため、消費電
力も大きくなる。そこで、システムの動作待機中に短波
長光源の温度を環境温度に再設定し、DBR電流を再調
整して半導体レーザの波長を位相整合波長に固定すれ
ば、消費電力の低減を図ることができる。
【0165】第3に、位相領域とDBR領域で波長可変
を行う場合、電子冷却素子により波長可変を行う場合と
同様に、波長可変幅が大きくなると位相領域に注入する
電流が大きくなる。そこで、システムの動作待機中に位
相領域への電流をリセットし、再び半導体レーザの波長
を位相整合波長に調整することで、消費電力の低減を図
ることができる。
【0166】一方、映画などのソフトが記録されている
光ディスクを再生する場合には、図19(b)のよう
に、2時問程度の連続再生を行う。そのため、2時間以
上にわたり出力を安定に維持することが望まれる。そこ
で、本実施形態では、そのような場合には、再生したデ
ィスクの情報をメモリなどに一旦蓄積し、高調波出力の
安定化制御を行うときにはメモリに蓄積された情報を画
像として取り出すことによって、常に安定な再生特性を
実現する。
【0167】ビデオ再生システムの構成を、図20に示
す。通常、メモリ34としては半導体メモリが用いら
れ、本実施形態では、例えばDRAM(ランダムアクセ
スメモリ)やフラッシュメモリが用いられる。光ピック
アップ31により再生された光ディスク32の情報は、
転送レートR1でメモリ34に送られ、さらに転送レー
トR2で、メモリ34からディスプレイ35に情報が送
られる。ここでR1>R2の時に、メモリ34には、光
ディスク32より再生された情報が徐々に蓄積される。
メモリ34の内部に情報がフルに蓄積されると、メモリ
34の情報がディスプレー35に転送され、その間に、
高調波出力の安定化制御が安定化制御御回路33により
行われる。安定化制御が終了すると、再びメモリ34へ
の情報蓄積が始まる。
【0168】この動作を繰り返すことにより、長時間安
定な再生特性を実現する。
【0169】DBR領域を有する半導体レーザは、発振
波長を所望の波長に可変することができるため、いろい
ろな用途に有用なレーザである。QPM−SHGデバイ
スのような波長変換素子と半導体レーザにより構成され
るSHGレーザにおいては、半導体レーザの発振波長を
波長変換素子の位相整合波長の許容幅内に固定する必要
がある。それに対して、DBR半導体レーザを用いれ
ば、上記の点に起因して大きな効果を得ることができ
る。
【0170】DBR半導体レーザの発振波長を可変する
方法には、(1)DBR領域に電流注入する方法、
(2)電子冷却素子などにより半導体レーザ全体の温度
を変化させる方法、などがある。しかしながら、(1)
の方法では、モードホップ現象の発生やヒステリシスな
波長可変特性の発現が、実用化における大きな課題とな
る。また、(2)の方法では、電子冷却素子の容量など
が、実用化における大きな課題となる。
【0171】(1)の課題を解決するため、本発明で
は、DBR電流を検出時と同方向に上昇させながら波長
可変を行うことでヒステリシス特性を回避し、安定な波
長可変を可能にする。特にSHGブルーレーザにおいて
は、その位相整合波長許容幅が0.1nm程度と小さい
ため、安定な波長可変が、高調波(ブルー光)の出力安
定化の絶対条件となる。これに対して、上記の波長制御
を用いることで、SHGブルーレーザの立ち上がり時に
おいても波長変換素子の位相整合波長の検出が確実に行
われ、瞬時の立ち上がり特性が実現できるため、その実
用的効果は大きい。
【0172】また、温度制御による波長可変は、連続的
な波長可変が可能であるために有用な方法である。特
に、SHGブルーレーザにおいては、その位相整合波長
許容度が0.1nm程度であり、高調波出力を安定化す
るためには、波長を細かく制御することが必要である。
SHGブルーレーザの応用用途は、光ディスクやレーザ
プリンターなどであり、その低消費電力化は、実用化に
対して重要な点である。温度制御による波長可変では、
電子冷却素子の消費電力が大きな課題となる。電子冷却
素子は、環境温度と制御温度の差が大きいと消費電力が
大きくなるため、本発明のように初期設定温度を環境温
度にすることで、小さな消費電力で連続的な波長可変を
実現できる。
【0173】また、温度制御による波長可変において
も、環境温度や動作電流の変化に対して、安定に連続波
長可変を実現することは困難である。本発明では、DB
R領域を、波長可変の目的だけに用いるのではなく、位
相変化を補償するためにも用いる。これによって、安定
な連続波長可変が実現できる。そのため、より信頼性が
高く且つブルー出力が安定化された、SHGブルーレー
ザが実現される。
【0174】連続波長可変を実現する手段として、位相
制御部を有する半導体レーザが提案されている。しかし
ながら、環境温度や動作電流の変化に対して、安定に連
続波長可変を実現することは困難である。DBR半導体
レーザにおいて、環境温度、DBR電流、動作電流、位
相制御部電流などの変化に対する波長変化量は、それぞ
れ一定の値である。そのため、本発明では、環境温度、
DBR電流及び動作電流の変化に対して発生する位相変
化を、それぞれの位相変化量の和として求め、位相制御
部電流で補償することにより、安定な連続波長可変を実
現する。これにより、電子冷却素子を用いなくても連続
波長可変が実現でき、低消費電力の光源が実現される。
消費電力が低減されると、SHGブルーレーザなどを携
帯型の光ディスクにも応用できるため、その効果は大き
い。
【0175】
【発明の効果】以上のように、本発明は、利得を与える
ための活性領域と、発振波長を固定するための分布ブラ
ッグ反射(DBR)領域と、を備えた半導体レーザにお
いて、DBR領域へ注入する電流を可変することにより
発振波長を所望の波長に固定する際に、DBR電流を一
方向に増加または減少させて半導体レーザの波長を所望
の波長に対応するDBR電流を検出し、検出時と同方向
にDBR電流を変化する。これにより、波長可変時のヒ
ステリシス特性を回避した安定な発振波長制御を実現す
る。
【0176】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と、発振波長を制御するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域と、を備えた半導体レーザにおいて、DBR
領域への電流注入により発振波長を所望の波長に制御す
る際に、モードホップが生じるDBR電流近傍と連続的
に波長可変するDBR電流近傍で、DBR電流の電流注
入レートを異ならせる。これによって、モードホップ時
のノイズ発生を回避した発振波長制御を実現する。
【0177】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と、発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域と、を備え、電子冷却素子が実装された半導
体レーザにおいて、初期状態においては半導体レーザは
電子冷却素子により環境温度の近傍に温度設定され、D
BR電流を可変することにより発振波長を所望の波長に
固定し、初期状態以降は電子冷却素子により半導体レー
ザの温度を変化させて波長可変する。これによって、電
子冷却素子の消費電力を低減した発振波長制御を実現す
る。
【0178】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と、発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域と、を備え、電子冷却素子が実装された半導
体レーザにおいて、電子冷却素子により半導体レーザの
温度を変化させることにより波長可変する際に、半導体
レーザの温度変化に対して生じる位相変化量をDBR電
流を可変して補償する。これによって、温度変化に対す
るモードホップを回避した連続波長可変を実現する。
【0179】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と、発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域と、を備え、電子冷却素子が実装された半導
体レーザにおいて、電子冷却素子により半導体レーザの
温度を変化させることにより波長可変する際に、半導体
レーザの出力変化に対して活性領域への注入電流を調整
し、生じる位相変化量をDBR電流を可変して補償す
る。これによって、レーザ出力変動を低減するとともに
モードホップを回避した連続波長可変を実現する。
【0180】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と、発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域と、位相制御領域と、温度センサと、を備え
た半導体レーザにおいて、半導体レーザの出力が一定に
なるように活性領域に注入する電流を調整する第1の制
御手段と、発振波長を所望の波長になるようにDBR領
域へ注入する電流を調整する第2の制御手段と、第1の
制御手段と第2の制御手段と環境温度変化に対して生じ
る位相変化量を補償するため位相制御領域へ注入する電
流を調整する第3の制御手段と、を設ける。これによっ
て、モードホップのない連続波長可変を実現する。
【0181】さらに本発明は、利得を与えるための活性
領域と発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶
からなる波長変換素子と、から構成される短波長光源に
おいて、DBR領域へ注入する電流を可変することによ
り発振波長を波長変換素子の位相整合波長に調整する際
に、DBR電流を一方向に増加または減少して発振波長
を位相整合波長に対応するDBR電流を検出し、検出時
と同方向にDBR電流を可変する。これによって、波長
可変時のヒステリシス特性を回避し、安定な高調波出力
を実現する。
【0182】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(DB
R)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶か
らなる波長変換素子とが、電子冷却素子とともに一体化
された短波長光源において、初期状態において短波長光
源は電子冷却素子により環境温度の近傍に温度設定さ
れ、DBR部領域へ注入する電流を可変することにより
発振波長を波長変換素子の位相整合波長に調整し、初期
状態以降は電子冷却素子により半導体レーザの温度を変
化させることにより発振波長を位相整合波長に可変す
る。これによって、電子冷却素子の消費電力を低減する
とともに、連続波長可変による高調波出力のピーク出力
検出を実現する。
【0183】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(DB
R)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶か
らなる波長変換素子とが、電子冷却素子とともに一体化
された短波長光源において、電子冷却素子により半導体
レーザの温度を変化させることにより発振波長を波長変
換素子の位相整合波長に調整する際に、半導体レーザの
温度変化に対して生じる位相変化量をDBR電流を可変
して補償する。これによって、温度変化に対するモード
ホップを回避した高調波出力安定化を実現する。
【0184】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(DB
R)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶か
らなる波長変換素子とが、電子冷却素子上に固定されて
いる短波長光源において、半導体レーザが、活性領域へ
の電流注入によりレーザ発振を起こし、得られたレーザ
光が波長変換素子に導かれ、電子冷却素子により半導体
レーザの温度を変化させることにより、発振波長を波長
変換素子の位相整合波長に調整する。その際に、半導体
レーザの出力変化に対して活性領域への注入電流を調整
し、生じる位相変化量をDBR電流を可変して補償す
る。これによって、レーザ出力変動を低減し、かつモー
ドホップを回避した高調波出力安定化を実現する。
【0185】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と発振波長を固定するための分布ブラッグ反射(DB
R)領域と位相制御領域と温度センサとを備えた半導体
レーザと、非線形光学結晶からなる波長変換素子と、か
ら構成される短波長光源において、半導体レーザの出力
が一定になるように活性領域に注入する電流を調整する
第1の制御手段と、発振波長を波長変換素子の位相整合
波長になるようにDBR領域に注入する電流により可変
する第2の制御手段と、第1の制御手段と第2の制御手
段と環境温度変化に対して生じる位相変化量を補償する
ため位相制御領域へ注入する電流を調整する第3の制御
手段と、を設ける。これによって、連続波長可変を実現
し、高調波光のピーク出力検出を実現する。
【0186】さらに本発明は、利得を与えるための活性
領域と発振波長を制御するための分布ブラッグ反射(D
BR)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶
からなる波長変換素子とが、電子冷却素子とともに一体
化された短波長光源を用いて、短波長光源からの光を光
ディスク上で走査して信号を記録または再生する光ディ
スクシステムにおいて、光ディスクシステムの動作待機
中や、光ディスクの再生から記録動作へ移行、または記
録から再生動作への移行時の頭出しに要する時間(シー
クタイム)中に、短波長光源の動作温度を電子冷却素子
により環境温度に再調整し、さらにDBR領域への注入
電流を変化させて半導体レーザの波長を波長変換素子の
位相整合波長に再制御する。これによって、長時間にお
いて良好な再生特性を保証する光ディスクシステムを実
現する。
【0187】また本発明は、利得を与えるための活性領
域と発振波長を制御するための分布ブラッグ反射(DB
R)領域とを備えた半導体レーザと、非線形光学結晶か
らなる波長変換素子とが、電子冷却素子とともに一体化
された短波長光源を用いて、短波長光源からの光を光デ
ィスク上で走査して信号を記録または再生する光ディス
クシステムにおいて、再生した情報を蓄積するためのメ
モリを設ける。これによって、長時間において良好な再
生特性を保証する光ディスクシステムを実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態におけるD
BR半導体レーザの発振波長安定化装置の構成を示すブ
ロック図であり、(b)は、その制御方法を表すフロー
チャートである。
【図2】DBR半導体レーザのDBR電流と発振波長の
と関係を表す図である。
【図3】(a)は、本発明の第2の実施形態におけるD
BR半導体レーザの発振波長安定化装置の構成を示すブ
ロック図であり、(b)は、その制御方法を表すフロー
チャートである。
【図4】DBR半導体レーザの動作温度と発振波長との
関係を表す図である。
【図5】本発明の第3の実施形態におけるDBR半導体
レーザの発振波長安定化装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図6】DBR半導体レーザの動作温度とモードホップ
現象が生じるDBR電流値との関係を表す図である。
【図7】本発明の第4の実施形態におけるDBR半導体
レーザの発振波長安定化装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図8】DBR半導体レーザの動作温度とレーザ出力と
の関係を表す図である。
【図9】DBR半導体レーザの動作電流と発振波長との
関係を表す図である。
【図10】(a)は、本発明の第5の実施形態における
DBR半導体レーザの発振波長安定化装置の構成を示す
ブロック図であり、(b)は、その制御方法を表すフロ
ーチャートである。
【図11】DBR半導体レーザの位相制御部電流と発振
波長との関係を表す図である。
【図12】(a)は、本発明の第6の実施形態における
SHGブルーレーザの高調波出力安定化装置の構成を示
すブロック図であり、(b)は、その制御方法を表すフ
ローチャートである。
【図13】本発明の第7の実施形態におけるSHGブル
ーレーザの高調波出力安定化装置の構成を示すブロック
図である。
【図14】本発明の第8の実施形態におけるSHGブル
ーレーザの高調波出力安定化装置の構成を示すブロック
図である。
【図15】本発明の第9の実施形態におけるSHGブル
ーレーザの高調波出力安定化装置の構成を示すブロック
図である。
【図16】本発明の第10の実施形態におけるSHGブ
ルーレーザの高調波出力安定化装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図17】SHGブルーレーザの構成を示す図である。
【図18】本発明に従ったDBR領域への注入電流レー
トの一例を表す図である。
【図19】(a)及び(b)は、光ディスクシステムの
動作状態を表す図である。
【図20】本発明に従った光ディスクシステムの構成を
表す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 活性領域 3 DBR領域 4a 電極 4b 電極 4c 電極 5 波長計 6 システム制御部 7 レーザ駆動部 8 DBR制御部 9 波長検出部 10 サブマウント 11 電子冷却素子 12 ペルチエ制御部 13 出力検出器 14 位相領域 15 位相制御部 16 温度センサ 17 波長変換素子 18 分極反転領域 19 光導波路 20 LDカットフィルタ 21 出力検出器 22 出力検出部 23 DBR(分布ブラッグ反射型)半導体レーザ 24 コリメートレンズ 25 λ/2板(半波長板) 26 フォーカシングレンズ 27 分極反転型導波路デバイス 28 LiTaO3基板 29 光導波路 30 分極反転領域 31 光ピックアップ 32 光ディスク 33 安定化制御回路 34 メモリ 35 ディスプレイ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 誠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 西内 健一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源の発振波長安定化装置であって、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備え
    る半導体レーザであり、 該装置は、該半導体レーザの出力光の発振波長を検出し
    つつ、該DBR領域へ注入するDBR電流を第1の方向
    に単調に変化させながら所定の発振波長値に相当するD
    BR電流値I0を検出し、その後に該DBR電流を該検
    出値I0を超えて該第1の方向とは逆の第2の方向に単
    調に変化させ、その後に該DBR電流を再び該第1の方
    向に単調に変化させて該検出値I0に設定し、それによ
    って、該半導体レーザの該発振波長を該所定の発振波長
    値に固定する、制御部を備える、光源の発振波長安定化
    装置。
  2. 【請求項2】 前記制御部は、前記DBR電流の変化範
    囲で、前記発振波長にモードホップが生じるDBR電流
    値の近傍と、該発振波長が連続的に変化する該DBR電
    流値の範囲とで、該DBR電流の前記DBR領域への注
    入レートを異ならせる、請求項1に記載の装置。
  3. 【請求項3】 モードホップが生じる第1のDBR電流
    値I1と該第1のDBR電流値I1の次にモードホップが
    生じる第2のDBR電流I2とに対して、前記DBR電
    流の検出値をI0=(I1+I2)/2に固定する、請求
    項1に記載の装置。
  4. 【請求項4】 光源の発振波長安定化装置であって、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と電子冷
    却素子とを備える半導体レーザであり、 該装置は、該DBR領域へ注入するDBR電流を変化し
    て該半導体レーザの出力光の発振波長を所定の発振波長
    値の近傍に設定し、その後に該電子冷却素子により該半
    導体レーザの温度を変化させ、それによって、該半導体
    レーザの該発振波長を該所定の発振波長値に固定する、
    制御部を備える、光源の発振波長安定化装置。
  5. 【請求項5】 前記制御部は、初期状態においては、前
    記半導体レーザの温度を環境温度の近傍に設定する、請
    求項4に記載の装置。
  6. 【請求項6】 光源の発振波長安定化装置であって、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と電子冷
    却素子とを備える半導体レーザであり、 該装置は、該電子冷却素子により該半導体レーザの温度
    を変化させて該半導体レーザの該発振波長を変化させ、
    且つ該DBR領域へ注入するDBR電流を変化させて、
    それによって、該半導体レーザに生じる位相変化を補償
    する、制御部を備える、光源の発振波長安定化装置。
  7. 【請求項7】 前記制御部は、さらに、前記半導体レー
    ザの出力変化に対して前記活性領域へ注入する電流を調
    整する、請求項6に記載の装置。
  8. 【請求項8】 光源の発振波長安定化装置であって、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と位相制
    御領域と温度センサとを備える半導体レーザであり、 該装置は、 該半導体レーザの出力が一定になるように、前記活性領
    域に注入する電流を調整する第1の制御回路と、 該半導体レーザの前記発振波長が所定の発振波長値にな
    るように、前記DBR領域へ注入するDBR電流値を調
    整する第2の制御回路と、 該第1の制御回路と該第2の制御回路と該温度センサと
    により検出された該半導体レーザの位相変化を補償する
    ように、前記位相制御領域へ注入する電流を調整する第
    3の制御回路と、を備える、光源の発振波長安定化装
    置。
  9. 【請求項9】 光源の発振波長安定化装置であって、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と位相制
    御領域とを備える半導体レーザであり、 該装置は、初期状態において、該DBR領域へ注入する
    DBR電流を変化して該半導体レーザの該発振波長を所
    定の発振波長値の近傍に設定し、その後に、該位相制御
    領域へ注入する電流と該DBR電流とをともに変化させ
    て、それによって、該半導体レーザの該発振波長を該所
    定の発振波長値に固定する、制御部を備える、光源の発
    振波長安定化装置。
  10. 【請求項10】 光源の高調波出力安定化装置であっ
    て、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備え
    る半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長変換素
    子と、を備える短波長光源であって、 該装置は、該短波長光源の高調波光出力を検出しつつ、
    該DBR領域へ注入するDBR電流を第1の方向に単調
    に変化させながら該高調波光出力の最大値に相当するD
    BR電流値I0を検出し、その後に該DBR電流を該検
    出値I0を超えて該第1の方向とは逆の第2の方向に単
    調に変化させ、その後に該DBR電流を再び該第1の方
    向に単調に変化させて該検出値I0に設定し、それによ
    って、該半導体レーザの該発振波長を該波長変換素子の
    位相整合波長に固定する、制御部を備える、光源の高調
    波出力安定化装置。
  11. 【請求項11】 光源の高調波出力安定化装置であっ
    て、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備え
    る半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長変換素
    子と、電子冷却素子と、を備える短波長光源であって、 該装置は、該DBR領域へ注入するDBR電流を変化し
    て該半導体レーザの出力光の発振波長を該波長変換素子
    の位相整合波長の近傍に設定し、その後に該電子冷却素
    子により該短波長光源の温度を変化させ、それによっ
    て、該半導体レーザの該発振波長を該波長変換素子の該
    位相整合波長に固定する、制御部を備える、光源の高調
    波出力安定化装置。
  12. 【請求項12】 前記制御部は、初期状態においては、
    前記半導体レーザの温度を環境温度の近傍に設定する、
    請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 光源の高調波出力安定化装置であっ
    て、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域とを備え
    る半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長変換素
    子と、電子冷却素子と、を備える短波長光源であって、 該装置は、該電子冷却素子により該短波長光源の温度を
    変化させて該半導体レーザの該発振波長を該波長変換素
    子の位相整合波長に向けて変化させ、且つ該DBR領域
    へ注入するDBR電流を変化させて、それによって、該
    半導体レーザに生じる位相変化を補償する、制御部を備
    える、光源の高調波出力安定化装置。
  14. 【請求項14】 前記制御部は、さらに、前記半導体レ
    ーザの出力変化に対して前記活性領域へ注入する電流を
    調整する、請求項13に記載の装置。
  15. 【請求項15】 光源の高調波出力安定化装置であっ
    て、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と位相制
    御領域と温度センサとを備える半導体レーザと、非線形
    光学結晶からなる波長変換素子と、を備える短波長光源
    であって、 該装置は、 該半導体レーザの出力が一定になるように、前記活性領
    域に注入する電流を調整する第1の制御回路と、 該半導体レーザの前記発振波長が前記波長変換素子の位
    相整合波長になるように、前記DBR領域へ注入するD
    BR電流値を調整する第2の制御回路と、 該第1の制御回路と該第2の制御回路と該温度センサと
    により検出された該短波長光源の位相変化を補償するよ
    うに、前記位相制御領域へ注入する電流を調整する第3
    の制御回路と、を備える、光源の高調波出力安定化装
    置。
  16. 【請求項16】 光源の高調波出力安定化装置であっ
    て、 該光源は、利得を与えるための活性領域と発振波長を制
    御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と位相制
    御領域とを備える半導体レーザと、非線形光学結晶から
    なる波長変換素子と、を備える短波長光源であって、 該装置は、初期状態において、該DBR領域へ注入する
    DBR電流を変化して該半導体レーザの該発振波長を該
    波長変換素子の位相整合波長の近傍に設定し、その後
    に、該位相制御領域へ注入する電流と該DBR電流とを
    ともに変化させて、それによって、該半導体レーザの該
    発振波長を該位相整合波長に固定する、制御部を備え
    る、光源の高調波出力安定化装置。
  17. 【請求項17】 前記波長変換素子が周期的分極反転領
    域を有する疑似位相整合方式の波長変換素子である、請
    求項10から16のいずれかに記載の装置。
  18. 【請求項18】 前記波長変換素子が光導波路型であ
    る、請求項10から16のいずれかに記載の装置。
  19. 【請求項19】 前記波長変換素子がバルク型である、
    請求項10から16のいずれかに記載の装置。
  20. 【請求項20】 前記非線形光学結晶がLiTaxNb
    1-x3(0≦x≦1)結晶である、請求項10から16
    のいずれかに記載の装置。
  21. 【請求項21】 利得を与えるための活性領域と発振波
    長を制御するための分布ブラッグ反射(DBR)領域と
    を備える半導体レーザと、非線形光学結晶からなる波長
    変換素子と、が一体化されている短波長光源を備え、該
    短波長光源からの光を光ディスク上で走査して信号の記
    録動作或いは再生動作の少なくとも一方を行う光ディス
    クシステムであって、 システムの動作における所定の期間に該半導体レーザの
    発振波長を該波長変換素子の位相整合波長に再制御する
    制御部をさらに備える、光ディスクシステム。
  22. 【請求項22】 前記所定の期間が前記システムの動作
    待機期間である、請求項21に記載のシステム。
  23. 【請求項23】 前記所定の期間が、前記光ディスクの
    信号の前記再生動作から前記記録動作へ移行期間、或い
    は、該記録動作から該再生動作への移行時の頭出し期
    間、の少なくとも一方である、請求項21に記載のシス
    テム。
  24. 【請求項24】 再生した信号を蓄積するためのメモリ
    をさらに備え、前記所定の期間が、該メモリに蓄積され
    た信号を利用する前記短波長光源の高調波光の出力変動
    期間である、請求項21に記載のシステム。
  25. 【請求項25】 再生した信号を蓄積するためのメモリ
    をさらに備え、前記所定の期間が、該再生した信号を該
    メモリに蓄積するレートが該メモリより信号を取り出す
    レートより大きくて該メモリが蓄積された信号により充
    填されていて、該メモリに蓄積された信号を利用する期
    間である、請求項21に記載のシステム。
  26. 【請求項26】 前記短波長光源に一体化された電子冷
    却素子をさらに備えていて、 前記制御部は、該短波長光源の温度を該電子冷却素子に
    より環境温度の近傍に再調整し、且つ、前記DBR領域
    へ注入するDBR電流を変化させて、それによって、前
    記半導体レーザの発振波長を前記波長変換素子の前記位
    相整合波長に再制御する、請求項21から25のいずれ
    かに記載のシステム。
  27. 【請求項27】 前記半導体レーザがさらに位相制御領
    域を備え、 前記制御部は、該位相制御領域へ注入する電流をリセッ
    トし、且つ、該位相制御領域と前記DBR領域とへそれ
    ぞれ注入する電流を変化させて、それによって、前記半
    導体レーザの発振波長を前記波長変換素子の前記位相整
    合波長に再制御する、請求項21から25のいずれかに
    記載のシステム。
  28. 【請求項28】 前記波長変換素子が周期的分極反転領
    域を有する疑似位相整合方式の波長変換素子である、請
    求項21から25のいずれかに記載のシステム。
  29. 【請求項29】 前記波長変換素子が光導波路型であ
    る、請求項21から25のいずれかに記載のシステム。
  30. 【請求項30】 前記波長変換素子がバルク型である、
    請求項21から25のいずれかに記載のシステム。
  31. 【請求項31】 前記非線形光学結晶がLiTaxNb
    1-x3(0≦x≦1)結晶である、請求項21から25
    のいずれかに記載のシステム。
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