JP3329446B2 - コヒーレント光源およびその制御方法 - Google Patents

コヒーレント光源およびその制御方法

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JP3329446B2 JP30317699A JP30317699A JP3329446B2 JP 3329446 B2 JP3329446 B2 JP 3329446B2 JP 30317699 A JP30317699 A JP 30317699A JP 30317699 A JP30317699 A JP 30317699A JP 3329446 B2 JP3329446 B2 JP 3329446B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザと非
線形光学結晶からなる光波長変換素子を用いたコヒーレ
ント光源およびその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、波長780nm帯の近赤外半導体
レーザや波長650nmの赤色半導体レーザを用いた光
ディスクシステムの開発が活発である。このような光デ
ィスクシステムに用いられる光ディスクにおいて、記録
情報の高密度化を実現するためには、小さなスポット形
状の光源を用いて記録情報を再生することが望まれる。
そのためには、集光レンズの高NA(開口数)化や光源
の短波長化が必要となる。このうち、短波長化技術とし
ては、近赤外半導体レーザと擬似位相整合(以下、QP
Mと記す)方式の分極反転型導波路(山本他、Optics L
etters Vol.16, No.15, 1156(1991))デバイスを用いた
第2高調波発生(以下、SHGと記す)技術が知られて
いる。
【0003】図24に、上記分極反転型導波路デバイス
を用いたSHG光源の概略構成図を示す。この図24に
おいて、42は850nm帯で100mW級の出力が可
能なAlGaAs系半導体レーザであり、利得を得るた
めの活性領域、発振波長を制御するためのDBR(分布
ブラッグ反射)領域および波長を連続的に変化させるた
めの位相領域を備えている。また、43はNA=0.5
のコリメートレンズであり、44はNA=0.39のフ
ォーカスレンズである。さらに、光波長変換素子である
分極反転型光導波路デバイスは、Mgを注入したLiN
bO3基板45に形成された光導波路46と周期的な分
極反転領域47から構成されている。光波長変換素子の
素子長は10mmであり、分極反転周期は3.2μmで
ある。
【0004】このSHG光源において、コリメートレン
ズ43によって平行になったレーザ光は、フォーカスレ
ンズ44によって分極反転型光導波路デバイスの光導波
路46の端面に集光され、分極反転領域47を有する光
導波路46を伝搬する。そして、光導波路46の出射端
面から、高調波と変換されなかった基本波とが出射され
る。例えば、光導波路46内への入射光強度70mWに
対して、波長425nmのブルー光が17mW程度得ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図10に、上記光波長
変換素子の位相整合波長スペクトルを示す。この図10
に示すように、光波長変換素子は基本波である半導体レ
ーザの発振波長に対して、基本波から高調波への変換効
率が異なる。例えば、光波長変換素子長が10mmの場
合、高調波出力がピーク出力の半値となる位相整合波長
許容幅は0.08nmと非常に狭い。この図10からわ
かるように、高調波を出力させるためには半導体レーザ
の発振波長を光波長変換素子の位相整合波長スペクトル
内に合わせる必要がある。このため、分布ブラッグ反射
領域を備えた半導体レーザ(以下DBR−LDとする)
を用いて半導体レーザの発振波長を光波長変換素子の位
相整合波長スペクトル内に固定し、高調波出力を得る方
法が知られている。
【0006】図9に、DBR−LDのDBR領域への注
入電流量(以下、Idbrと記す)と発振波長の関係を
示す。さらに、図23(a)にIdbrを変化させた場
合の高調波出力と発振波長のモードホップ間隔との関係
を示し、図23(b)にSHG光源の出力特性を示す。
図23中のλIdbr1〜λIdbr4は図9中のλI
dbr1〜λIdbr4に対応している。図9に示すよ
うに、Idbrの変化に対してDBR−LDの発振波長
が0.12nmおきにモードホップを繰り返すため、図
23(b)に示すように凸凹な高調波出力が得られる。
ここで、図23(a)からわかるように、光波長変換素
子の位相整合波長スペクトルに対してDBR−LDのモ
ードホップ間隔が大きいために、Idbrの変化だけで
はある一定の高調波出力しか得ることができず、必ずし
も所望の高調波出力を得ることはできなかった。
【0007】また、従来のSHG光源においては、環境
温度の変化によって半導体レーザの出力が変化したり、
光波長変換素子の位相整合波長が変化して、波長変換さ
れた高調波の出力変動が生じるため、ペルチエ素子を用
いてSHG光源の温度を一定に保っていた。しかし、こ
のようにペルチエ素子を用いるために、SHG光源の省
電力化や小型化が非常に困難であった。
【0008】さらに、従来のSHG光源においては、半
導体レーザから出射されたレーザ光の光導波路への結合
効率が変化することによっても、波長変換された高調波
の出力変動が生じており、この場合にも高調波出力の安
定化ができなかった。
【0009】本発明は上記従来技術の課題を解決するた
めになされたものであり、SHG光源から所望の高調波
出力を得ることができ、ペルチエ素子を用いることなく
環境温度変化が生じても高調波出力を安定化することが
でき、さらに、レーザ光の光導波路への結合効率の変化
が生じても高調波出力を安定化することができるコヒー
レント光源およびその制御方法を提供することを目的と
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記従来技術の課題を解
決するため、本発明のコヒーレント光源の制御方法は、
利得を与えるための活性領域および発振波長を制御する
ための分布ブラッグ反射領域(DBR領域)を備えた半
導体レーザと、非線形光学結晶からなる光波長変換素子
とを具備したコヒーレント光源において、該分布ブラッ
グ反射領域への注入電流量を変化させて該半導体レーザ
の発振波長を該光波長変換素子の位相整合波長スペクト
ル内に固定した後、該活性領域への注入電流量を変化さ
せて該半導体レーザの発振波長を該光波長変換素子の位
相整合波長スペクトル内の傾斜部に固定することによっ
て高調波出力を所望の値に固定することを特徴とする。
【0011】前記位相整合波長スペクトル内の傾斜部
は、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力が
ピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分
であるのが好ましい。
【0012】さらに、高調波出力をモニターして、該高
調波出力が変動した場合に前記半導体レーザの活性領域
への電流注入量を変化させることによって高調波出力を
安定化することができる。
【0013】この場合、前記位相整合波長スペクトル内
の傾斜部が、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調
波出力がピーク出力の15%以上、かつ、85%以下と
なる分であるのが好ましい。
【0014】前記分布ブラッグ反射領域への注入電流量
を、前記半導体レーザの発振波長がモードホップしたと
ころで固定するのが好ましい。
【0015】本発明のコヒーレント光源は、活性領域、
分布ブラッグ反射領域および位相領域を備えた半導体レ
ーザと、非線形光学結晶からなる光波長変換素子とを具
備したコヒーレント光源であって、請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載のコヒーレント光源の制御方法によ
り制御されることを特徴とし、そのことにより上記目的
が達成される。
【0016】また、本発明のコヒーレント光源の制御方
法は、利得を得るための活性領域、発振波長を制御する
ための分布ブラッグ反射領域(DBR領域)および波長
を連続的に変化させるための位相領域を備えた半導体レ
ーザと、非線形光学結晶からなる光波長変換素子とを具
備したコヒーレント光源において、該分布ブラッグ反射
領域および位相領域への注入電流量を変化させて該半導
体レーザの発振波長を該光波長変換素子の位相整合波長
スペクトルの傾斜部に固定することによって高調波出力
を所望の値に固定することを特徴とする。
【0017】前記位相整合波長スペクトル内の傾斜部
は、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力が
ピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分
であるのが好ましい。
【0018】さらに、高調波出力をモニターして、該高
調波出力が変動した場合に前記半導体レーザの分布ブラ
ッグ反射領域と位相領域への電流注入量を変化させるこ
とによって高調波出力を安定化することができる。
【0019】または、高調波出力をモニターして、該高
調波出力が変動した場合に前記半導体レーザの活性領域
への電流注入量を変化させることによって高調波出力を
安定化することができる。
【0020】この場合、前記位相整合波長スペクトル内
の傾斜部が、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調
波出力がピーク出力の15%以上、かつ、85%以下と
なる部分であるのが好ましい。
【0021】また、前記位相整合波長スペクトル内の傾
斜部が、該位相整合波長スペクトルにおいて、ピーク波
長より低波長側の部分であるのが好ましい。なお、高調
波出力が最大(ピーク出力)となる波長をピーク波長と
する。
【0022】さらに、前記半導体レーザの分布ブラッグ
反射領域と位相領域への電流注入量は一定比であるのが
好ましい。
【0023】本発明のコヒーレント光源は、活性領域、
分布ブラッグ反射領域および位相領域を備えた半導体レ
ーザと、非線形光学結晶からなる光波長変換素子とを具
備したコヒーレント光源であって、請求項7乃至請求項
13のいずれかに記載のコヒーレント光源の制御方法に
より制御されることを特徴とし、そのことにより上記目
的が達成される。
【0024】以下、本発明の作用について説明する。
【0025】活性領域およびDBR領域を備えた半導体
レーザ(以下、DBR−LDと記する)と、非線形光学
結晶からなる光波長変換素子を具備したコヒーレント光
源(SHG光源)において、高調波を出力するためにD
BR領域への注入電流量を変化させて半導体レーザの発
振波長を光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内に
固定しても、図9に示したように、ある一定の高調波し
か得られず、必ずしも所望の高調波出力を得ることがで
きない。そこで、本発明にあっては、DBR領域への注
入電流量を変化させて半導体レーザ(DBR−LD)の
発振波長を光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内
に固定した後、活性領域への注入電流量を変化させて半
導体レーザの発振波長を光波長変換素子の位相整合波長
スペクトル内の傾斜部内で移動させて固定する。これに
より、高調波出力を所望の値に変化させて固定すること
が可能となる。
【0026】この場合、位相整合波長スペクトル内の傾
斜部は、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力
がピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部
分であるのが好ましい。この理由は、高調波出力がピー
ク出力の10%未満の部分では、図10に示すようなサ
イドローブ部にDBR−LDの発振波長が固定されるお
それがあるからである。また、高調波出力がピーク出力
の95%を超える部分では、制御回路の誤差精度が±5
%程度あるため、DBR−LDの発振波長を変化させて
も所望の値が得られないおそれがあるからである。
【0027】このようにして所望の高調波出力が得られ
ても、環境温度の変化によってDBR−LDから出力さ
れる基本波が変動したり、光波長変換素子の位相整合波
長の変化が生じて高調波出力が変動することがある。ま
た、DBR−LDからの出射光が光波長変換素子上の光
導波路に結合する割合(結合効率)が変化した場合に
も、高調波出力が変動してしまう。そこで、本発明にあ
っては、高調波出力をモニターして、高調波出力が変動
した場合に、その高調波出力の変動に応じてDBR−L
Dの活性領域への電流注入量を変化させる。これによ
り、発振波長および基本波出力を変化させて、もとの高
調波出力を保つことが可能となる。
【0028】この場合、位相整合波長スペクトル内の傾
斜部は、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力
がピーク出力の15%以上、かつ、85%以下となる部
分であるのが好ましい。この理由は、光ディスク装置用
の光源としては±10%以内に出力変動を抑える必要が
あり、制御回路の誤差(±5%)を考慮すると15%以
上のマージンをとっておくのが好ましいからである。
【0029】さらに、DBR領域への注入電流量は、図
9に示すようなモードホップする近傍のB点やC点等で
固定すると、環境温度変化等に対してモードホップが生
じやすく、発振波長が不安定になって高調波出力が変動
しやすい。よって、図9に示すようなモードホップした
A点で固定するのが好ましい。
【0030】また、活性領域、DBR領域および位相領
域を備えた半導体レーザ(以下、3電極LDと記する)
にあっては、位相領域に電流を加えて屈折率を変化させ
ることにより、半導体レーザの実質的な共振器長を変え
て、モードホップすることなく発振波長を連続的に変化
させることが可能である。そこで、本発明にあっては、
DBR領域および位相領域への注入電流量を変化させて
半導体レーザ(3電極LD)の発振波長を光波長変換素
子の位相整合波長スペクトルの傾斜部に固定する。これ
により、高調波出力を所望の値に固定することが可能と
なる。
【0031】この場合、位相整合波長スペクトル内の傾
斜部は、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力
がピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部
分であるのが好ましい。この理由は、高調波出力がピー
ク出力の10%未満の部分では、図10に示すようなサ
イドローブ部に3電極LDの発振波長が固定されるおそ
れがあるからである。また、高調波出力がピーク出力の
95%を超える部分では、制御回路の誤差精度が±5%
程度あるため、3電極LDの発振波長を変化させても所
望の値が得られないおそれがあるからである。
【0032】このようにして所望の高調波出力が得られ
ても、環境温度の変化によって3電極LDから出力され
る基本波が変動したり、光波長変換素子の位相整合波長
の変化が生じて高調波出力が変動することがある。ま
た、3電極LDからの出射光が光波長変換素子上の光導
波路に結合する割合(結合効率)が変化した場合にも、
高調波出力が変動してしまう。そこで、本発明にあって
は、高調波出力をモニターして、高調波出力が変動した
場合に、その高調波出力の変動に応じて3電極LDのD
BR領域と位相領域への電流注入量を変化させる。これ
により、発振波長および基本波出力を変化させて、もと
の高調波出力を保つことが可能となる。また、3電極L
DにおいてもDBR−LDと同様に、活性領域への電流
注入量を変化させることによっても発振波長および基本
波出力を変化させて、もとの高調波出力を保つことが可
能である。
【0033】この場合、位相整合波長スペクトル内の傾
斜部は、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力
がピーク出力の15%以上、かつ、85%以下となる部
分であるのが好ましい。この理由は、光ディスク装置用
の光源としては±10%以内に出力変動を抑える必要が
あり、制御回路の誤差(±5%)を考慮すると15%以
上のマージンをとっておくのが好ましいからである。
【0034】また、3電極LDにおいては、位相整合波
長スペクトル内の傾斜部が、位相整合波長スペクトルに
おいて、ピーク波長より低波長側の部分である方が、消
費電力が小さくなるので好ましい。
【0035】さらに、3電極LDにおいては、DBR領
域と位相領域への電流注入量を一定の比率で変化させる
ことにより、モードホップすることなく連続的に発振波
長を変化させることが可能であり、所望の高調波出力を
得るのが容易である。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0037】(実施の形態1)本実施の形態1において
は、利得を与えるための活性領域および発振波長を制御
するための分布ブラッグ反射領域(DBR領域)を備え
た半導体レーザ(DBR−LD)と、非線形光学結晶か
らなる光波長変換素子を具備したSHG光源の制御方法
について説明する。なお、DBR−LDはDBR領域へ
電流を注入することによって半導体レーザの発振波長を
変えることが可能である。
【0038】図1は、実施の形態1におけるSHG光源
の出力安定化装置の概略構成を示す図である。この出力
安定化装置は、活性領域2およびDBR領域3を有する
半導体レーザ(DBR−LD)1と、コリメートレンズ
4およびフォーカスレンズ5と、光波長変換素子6と、
光波長変換素子6から出射された高調波を平行光にする
ためのコリメートレンズ7および基本波をカットするた
めの波長選択フィルター8と、高調波出力をモニターす
るためのフォトディテクター(以下、PDと記する)9
と、各部を制御する制御回路10とから構成される。こ
の図1において、活性領域2とDBR領域3は説明のた
めに分割して示しているが、実際には一体となってい
る。
【0039】上記制御回路10には、制御を行うための
マイクロコンピュータ11と、半導体レーザの活性領域
2への注入電流(以下、Iopと記する)を制御するた
めのレーザ駆動回路13と、DBR領域3への注入電流
(以下、Idbrと記する)を制御するためのDBR駆
動回路12とが組み込まれている。
【0040】本実施の形態1において、DBR−LD1
の出力はIopに対して図2に示すような特性を有して
おり、Idbr=0の場合、しきい値は30mA、10
0mW出力時の動作電流は150mAであった。また、
光波長変換素子6としては分極反転型光導波路デバイス
を用い、マグネシウムをドーピングしたニオブ酸リチウ
ム(以下、MgO:LiNbO3と記する)基板上に、
光導波路と周期的な分極反転領域を設けたものを用い
た。
【0041】以下に、本実施の形態1のSHG光源にお
いて所望の出力を得ると共に、その出力を安定化する制
御方法について説明する。
【0042】図3に、Iopの変化に対するDBR−L
Dの発振波長の変化を示す。ここではIdbr=0mA
としている。この図3から、Iopの増加と共にDBR
−LDの発振波長がモードホップを繰り返しながら長波
長側へシフトしているのが分かる。このようにモードホ
ップが生じるのは、DBR領域の影響を受けているため
である。また、図3に示すように、Iopの変化に対す
るDBR−LDの発振波長は、ヒステリシス特性を有し
ている。本実施の形態1のDBR−LDでは、モードホ
ップした直後の点(E点)から±30mAの間モードホ
ップしないことを確認できた。このときの波長変化は、
0.04nm/mAであった。このことは、DBR−L
Dの発振波長を、モードホップ無しで連続的に±0.1
2nmだけ変化させることができることを意味してい
る。
【0043】図4〜図8を用いて、位相整合波長スペク
トルの傾斜部を用いて所望の高調波出力を得る方法につ
いて、具体的に説明する。本実施の形態では、所望の値
として2mWの高調波出力を得ることとする。なお、図
4〜図8は、 ・Iopの初期値=90mA(このときのDBR−LD
出力50mW) ・光波長変換素子の位相整合波長:852nm ・光波長変換素子上の光導波路へ852nmで50mW
の入力基本波が与えられた場合の高調波出力が4mW という条件で得られたものである。
【0044】まず、高調波出力を得るために、Idbr
を変化させてDBR−LDの発振波長を位相整合波長ス
ペクトル内に固定する。このとき、DBR−LDや光波
長変換素子の個体ばらつきや環境温度の変化、または図
9に示すようにIdbrの変化に対してDBR−LDの
発振波長が不連続であることが原因となって、図4
(a)、図5(a)、図6(a)、図7(a)および図
8(a)のように、DBR−LDの発振波長が位相整合
波長スペクトル内のどこに止まるかわからない(各図中
の黒丸)。そのため、Idbrを変化させて位相整合波
長スペクトル内にDBR−LDの発振波長を固定するだ
けでは、所望の高調波出力を得ることはできなかった。
【0045】そこで、図4(a)に示すようにIdbr
を変化させて位相整合波長スペクトル内にDBR−LD
の発振波長を固定した後(図中の黒丸)、図4(b)
(左側の山)に示すようにIopを変化させてDBR−
LDの発振波長を位相整合波長スペクトルの傾斜部内で
移動させることによって、高調波出力を変化させること
が可能となる。
【0046】ここで言う傾斜部は、図10に示すよう
に、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力がピ
ーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分で
あるのが好ましい。高調波出力がピーク出力の10%未
満の点で固定する場合には、図10に示すサイドローブ
部に発振波長が固定されるおそれがあり、Iopを変化
させても所望の値を得られずに制御回路が誤動作する危
険性があるからである。また、制御回路の誤差制度が±
5%程度あるために、高調波出力をピーク出力の95%
を超える点に固定した場合においては、Iop(発振波
長)を変化させても所望の値を得られない危険性がある
からである。なお、位相整合波長(ピーク波長)を中心
として低波長側の傾斜部を左傾斜部、高波長側を右傾斜
部とする。
【0047】図4〜図8の(b)は各図の(a)で固定
された点からIopを変化させた場合の高調波出力を示
している。図4〜図8の(b)に示すように、上述した
制御方法を用いることで、どのような場合においても所
望の値である高調波出力2mWを得ることが可能である
ことがわかる。図4および図5に示すように、Idbr
を変化させてDBR−LDの発振波長が左傾斜部に止ま
った場合には、Iopを増加させると高調波出力が増加
する。逆に、図7および図8に示すように、DBR−L
Dの発振波長が右傾斜部に止まった場合には、Iopを
増加させることにより高調波出力は減少する。この関係
をもとにして、DBR−LDの発振波長が左傾斜部に止
まったか右傾斜部に止まったかを見極めた後、マイクロ
コンピュータ11を用いて、所望の値が得られるように
Iopを変化させるための制御を行っている。また、図
6に示すように、DBR−LDの発振波長が位相整合波
長スペクトルのピーク波長近傍に止まった場合には、I
opを増加させた場合でも減少させた場合でも所望の値
である2mWを得ることが可能であるが、省電力化を考
慮すると、Iopを減少させる方が好ましい。
【0048】なお、DBR−LDは、Idbrを上昇さ
せるときと、下降させるときで、Idbrに対する発振
波長が異なり、図9に示すようなヒステリシスな特性を
有する。このため、Idbrをモードホップする電流近
傍(図中のB点やC点)に固定すると、環境温度変化な
どに対してモードホップを起こしやすく、発振波長が不
安定になって高調波出力も変動しやすい。よって、高調
波の出力安定化を図るためには、Idbrを変化させて
DBR−LDの発振波長を位相整合波長スペクトル内に
固定する際に、モードホップしたところ(図中のA点)
でIdbrを固定するのが好ましい。
【0049】上述の方法により光波長変換素子の位相整
合波長スペクトルの傾斜部を用いて所望の値を得た後、
高調波出力をモニターしてその変動が見られた場合に
は、Iopを変化させることにより高調波の出力安定化
(以下APC:Auto Power Contro
l)を図ることが可能である。
【0050】この場合の傾斜部は、図11に示すよう
に、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力がピ
ーク出力の15%以上、かつ、85%以下となる部分で
あるのが好ましい。光ディスク装置用の光源としては、
±10%以内に出力変動を押さえる必要があるため、制
御回路の誤差(±5%)を考慮すると15%以上のマー
ジンをとっておくのが好ましいからである。
【0051】例えば、環境温度の変化が生じると、図1
2に示すように基本波であるDBR−LDの出力が変動
したり、図13に示すように光波長変換素子の位相整合
波長の変化が生じてしまい、高調波出力が変動してしま
う。さらに、DBR−LDからの出射光が光波長変換素
子上の光導波路へ結合する割合(結合効率)が変化した
場合にも、高調波出力が変動してしまう。このようにD
BR−LDの出力変動や結合効率の変化が高調波の出力
に影響を及ぼす理由は、高調波出力と光波長変換素子上
の光導波路への入力基本波との間に、図14に示すよう
な関係があるからである。この図14に示すように、光
導波路への入力基本波の2乗に比例して高調波出力は増
加する。
【0052】これらの要因による高調波の出力変動を抑
えるために、Iopを変化させてDBR−LDの発振波
長および出力を変化させることで、出力変動分を補償す
ることが可能である。
【0053】具体的に説明すると、例えば図15中のF
点(カーブ)に固定した後(図15は図4(b)の拡
大図である)、環境変化により光波長変換素子上の光導
波路へ入力する基本波が減少すると、Iop変化に対す
る高調波の出力特性は図15中のカーブのようにな
り、F点での高調波出力は減少する(F’点)。このた
め、Iopを増加させてH点へ移動することで、高調波
の減少分を補償して高調波出力の安定化を図ることが可
能となる。逆に、光導波路への入力基本波が増加して高
調波出力が増加した場合には、Iopを減少させると高
調波の増加分を補償して高調波出力の安定化を実現する
ことができる。同様に、温度変化による位相整合波長波
長の変化に対しても、図16に示すように対応すればよ
い。まず、F点に固定後、温度変化による位相整合波長
の変化によって高調波の出力変動が生じた場合(Q点)
には、Iopを変化させて(この場合は減少させて)、
DBR−LDの発振波長及び基本波出力を変化させるこ
とにより、もとの出力2mWを保つことが可能である
(R点)。
【0054】このような出力安定化制御方法(F点に固
定して出力安定化を行った場合)において、Iopを増
加することによってDBR−LDの発振波長がピーク波
長を越えてしまった場合には、図15に示すように、I
opを増加させても高調波出力は増加しない。本実施の
形態において、出力安定化装置内のマイクロコンピュー
タ11は、図15に示すように左傾斜部を用いる場合、
出力が減少したときにはIopを増加して高調波出力の
減少分を補うようにプログラムされている。このため、
DBR−LDの発振波長がピーク波長を越えた場合に
は、出力安定化制御が正常に行われなくなってしまう。
そこで、事前にIopを増加しても高調波出力が増加し
ない場合(ピーク波長を越えた場合)には、それ以上I
opを増加させないようにIopの変化量に制限を加え
ておき、いったん制御を中断するようにしておく必要が
ある。実際にこのような制御を行う必要があるのは、図
15中のF”点のように高調波出力の減少があまりにも
大きく、Iopを増加することによって高調波出力の減
少分を補償できなくなった場合である(カーブ)。こ
のカーブのような場合には、図14のF”点に示すよ
うに光導波路への入力基本波が減少している。そこで、
Iopを増加して光導波路への入力基本波を増加させる
必要がある。しかしながら、上述したようにIopを増
加することによってDBR−LDの発振波長がピーク波
長を越えてしまった場合、Iopを少々増加させても高
調波出力は増加しない。
【0055】そこで、このような場合には、Iopを1
5mA〜30mA程度以上振った際にモードホップする
ことを利用するとよい。このようにモードホップさせる
ためのIopの値は半導体レーザによっても異なるが、
例えば図3に示したように、Iopを30mA以上増加
させて(例えばIopを120mA以上にして)モード
ホップした場合には、DBR−LDの発振波長が低波長
側へシフトするため、図4(b)(右側の山)に示すよ
うな高調波出力が得られる。この特性を利用すること
で、出力変動分を補償することが可能となる。
【0056】以上のように、本実施の形態1において
は、DBR−LDを用いて光波長変換素子で波長変換さ
れた高調波の出力を所望の値に設定することが可能とな
った。また、温度変化および結合効率変化による高調波
の出力変動を抑えることが可能となり、図17に示すよ
うに0℃〜70℃で出力変動の無い高調波出力が得られ
た。これにより、ペルチエ素子を必要としないSHG光
源が実現され、省電力化および小型化を図ることが可能
となった。さらには、温度変化に対する位相整合波長の
変化に対しても高調波出力の安定化を実現することが可
能となった。このことにより環境変化に対してのSHG
光源の信頼性を向上することができる。
【0057】(実施の形態2)本実施の形態2において
は、利得を与えるための活性領域、発振波長を制御する
ための分布ブラッグ反射領域(DBR領域)および波長
を連続的に変化させるための位相領域を備えた半導体レ
ーザ(3電極LD)と、非線形光学結晶からなる光波長
変換素子を具備したSHG光源の制御方法について説明
する。なお、3電極LDは、位相領域に電流を加え、位
相領域の屈折率を変化させることにより、半導体レーザ
の実質的な共振器長を変えることでモードホップするこ
となく半導体レーザの発振波長を連続的に変化させるこ
とが可能である。
【0058】図18は、実施の形態2におけるSHG光
源の出力安定化装置の概略構成を示す図である。この出
力安定化装置は、活性領域15、DBR領域17および
位相領域16を有する半導体レーザ(3電極LD)14
と、コリメートレンズ18およびフォーカスレンズ19
と、光波長変換素子20と、光波長変換素子20から出
射された高調波を平行光にするためのコリメートレンズ
21および基本波をカットするための波長選択フィルタ
ー22と、高調波出力をモニターするためのフォトディ
テクター(PD)23と各部を制御する制御回路24と
から構成される。この図18において、活性領域15、
DBR領域17および位相領域16は説明のために分割
して示しているが、実際には一体となっている。
【0059】上記制御回路24には、制御を行うための
マイクロコンピュータ25と、半導体レーザの活性領域
15への注入電流(Iop)を制御するためのレーザ駆
動回路28と、DBR領域17への注入電流(Idb
r)を制御するためのDBR駆動回路26と、位相領域
16への注入電流(以下、Iphaseと記する)を制
御するための位相部駆動回路27とが組み込まれてい
る。
【0060】本実施の形態2において、3電極LD14
は図19に示すように連続波長可変特性を有している。
ここで、IdbrとIphaseは、ある一定の比率で
変化させなければ連続的にTuningできないため、
本実施の形態2においてはIdbrとIphaseの比
率をIphase/Idbr=1.6で変化させた。な
お、光波長変換素子20としては、実施の形態1と同様
のものを用いた。
【0061】本実施の形態2のように3電極LDを用い
た場合には、半導体レーザの発振波長を連続的に可変で
きるため、光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内
に発振波長を固定することが非常に容易となる。また、
光波長変換素子の位相整合波長スペクトルの傾斜部を用
いることによって、高調波出力を容易に変化させ、所望
の高調波出力を得ることが可能である。
【0062】ここで言う傾斜部は、図10に示すよう
に、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力がピ
ーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分で
あるのが好ましい。高調波出力がピーク出力の10%未
満の点で固定する場合には、図10に示すサイドローブ
部に3電極LDの発振波長が固定されるおそれがあり、
IdbrおよびIphaseを変化させても所望の値を
得られずに制御回路が誤動作する危険性があるからであ
る。また、制御回路の誤差制度が±5%程度あるため
に、高調波出力をピーク出力の95%を超える点に固定
した場合においては、3電極LDの発振波長を変化させ
ても所望の値を得られない危険性があるからである。
【0063】例えば、図20に示すように、2mWの出
力を得たい場合には、IdbrとIphaseをそれぞ
れの駆動回路26、27を用いて変化させて半導体レー
ザの発振波長を変化させ、PD23からの信号をモニタ
ーしながらK点に固定すればよい。同様にして、3mW
の出力を得たい場合にはL点に、1mWの出力を得たい
場合にはM点に固定すればよい。
【0064】さらに、SHG光源の出力安定化を図る場
合においても、高調波出力が最大となるピーク波長(図
20中L点)ではなく、K点やM点などの位相整合波長
スペクトルの傾斜部で3電極LDの発振波長を固定する
ことにより、APCが実現できる。
【0065】この場合の傾斜部は、図11に示すよう
に、位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力がピ
ーク出力の15%以上、かつ、85%以下となる部分で
あるのが好ましい。光ディスク装置用の光源としては、
±10%以内に出力変動を押さえる必要があるため、制
御回路の誤差(±5%)を考慮すると15%以上のマー
ジンをとっておくのが好ましいからである。
【0066】例えば、環境温度の変化が生じると、基本
波である3電極LDの出力が変動したり、図13に示す
ように光波長変換素子の位相整合波長の変化が生じてし
まい、高調波出力が変動してしまう。さらに、3電極L
Dからの出射光が光波長変換素子上の光導波路へ結合す
る割合(結合効率)が変化した場合にも、高調波出力が
変動してしまう。このように3電極LDの出力変動や結
合効率の変化が高調波の出力に影響を及ぼす理由は、高
調波出力と光波長変換素子上の光導波路への入力基本波
との間に、図14に示すような関係があるからである。
この図14に示すように、光導波路への入力基本波の2
乗に比例して高調波出力は増加する。
【0067】これらの要因による高調波の出力変動を抑
えるために、位相整合波長スペクトルの傾斜部で3電極
LDの発振波長を固定した後、Idbr及びIphas
eを変化させることにより、出力変動分を補償すること
が可能である。この場合、低波長側に固定したほうが、
IdbrおよびIphseの値が小さいため、消費電力
が小さくなるという利点がある。
【0068】具体的に説明すると、例えば図20中のK
点に3電極LDの発振波長を固定した後、環境変化によ
り光波長変換素子上の光導波路へ結合する入力基本波が
減少した場合、それに伴って高調波出力が減少してK’
点(カーブ)へ移動する。この場合には、Idbrお
よびIphaseを変化させて3電極LDの発振波長を
高波長側へシフトしN点に固定することによって、出力
の減少分を補償することができる。逆に、光導波路への
入力基本波が増加して高調波出力が増加した場合には、
低波長側(M点側)へシフトさせればよい。同様に、温
度変化による位相整合波長波長の変化にも図21に示す
ように対応すればよい。まず、K点に固定後、温度変化
による位相整合波長の変化によって高調波の出力変動が
生じた場合(S点)には、IdbrおよびIphase
を変化させて3電極LDの発振波長を変化させることに
より、もとの出力を保つことが可能である(T点)。
【0069】ここで、図20中のカーブのように高調
波出力の減少が大きすぎる場合には、3電極LDの発振
波長を変えるだけでは高調波出力の減少分を補償するこ
とができなくなる。このカーブのような場合には、図
14のK”点に示すように、光導波路への入力基本波が
減少している。このような状態になった際には、Iop
を増加させて光導波路への入力基本波を増加させた後、
3電極LDの発振波長を再度変化させることでもとの高
調波出力を得ることができる。
【0070】また、3電極LDを用いたSGH光源にお
いて高調波出力の安定化を図るもう1つの方法として
は、位相整合波長スペクトルの傾斜部で3電極LDの発
振波長を固定して所望の値を得た後、Iopを変化させ
るという方法がある。この方法では、3電極LDもDB
R−LDと同様に図2および図3に示すような特性を有
しているということを利用する。具体的に説明すると、
まず、図20中のK点に固定した後、光波長変換素子上
の光導波路への入力基本波が減少して図22中のK”’
点へ移動してしまった場合に、Iopを増加させること
によって3電極LDの発振波長および基本波出力を増加
させて、P点へ移動させる。このことによって高調波出
力の減少分を補償することが可能である。逆に、高調波
出力が増加した場合には、Iopを減少させることによ
って高調波出力の増加分を補償して出力安定化を図るこ
とができる。
【0071】以上のように、本実施の形態2において
は、3電極LDを用いてその発振波長を光波長変換素子
の位相整合波長スペクトルの傾斜部に固定することによ
り、光波長変換素子で波長変換された高調波の出力を所
望の値に設定することが可能となった。また、温度変化
および結合効率変化による高調波の出力変動を抑えるこ
とが可能となり、0℃〜70℃で出力変動のない高調波
出力が得られた。これにより、ペルチエ素子を必要とし
ないSHG光源が実現され、省電力化および小型化を図
ることが可能となった。さらには、温度変化に対する位
相整合波長の変化に対しても高調波出力の安定化を実現
することが可能となった。このことにより環境変化に対
してのSHG光源の信頼性を向上することができる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
活性領域およびDBR領域を備えた半導体レーザ(DB
R−LD)と、非線形光学結晶からなる光波長変換素子
を具備したコヒーレント光源(SHG光源)において、
まず、DBR領域への注入電流量を変化させて半導体レ
ーザ(DBR−LD)の発振波長を光波長変換素子の位
相整合波長スペクトル内に固定し、次に、活性領域への
注入電流量を変化させて半導体レーザの発振波長を光波
長変換素子の位相整合波長スペクトル内の傾斜部に固定
する。これにより、高調波出力を所望の値に固定するこ
とが可能となる。
【0073】さらに、高調波出力をモニターして、環境
温度の変化や光の結合効率に変化が生じて高調波出力に
変動が生じた場合に、DBR−LDの活性領域への電流
注入量を変化させる。これにより、環境変化に対する発
振波長や基本波出力、または光の結合効率の変化による
高調波出力の変動を補償して、高調波出力を安定化する
ことが可能となる。ペルチエ素子を用いることなく環境
変化に対する高調波出力の安定化を図ることができるの
で、コヒーレント光源の省電力化および小型化を実現す
ることができる。
【0074】上記DBR領域への注入電流量Idbrを
モードホップしたところで固定することにより、コヒー
レント光源の出力をさらに安定化することができる。
【0075】また、本発明によれば、活性領域、DBR
領域および位相領域を備えた半導体レーザ(3電極L
D)と、非線形光学結晶からなる光波長変換素子を具備
したコヒーレント光源(SHG光源)において、DBR
領域および位相領域への注入電流量を変化させて半導体
レーザ(3電極LD)の発振波長を光波長変換素子の位
相整合波長スペクトルの傾斜部に固定する。これによ
り、高調波出力を所望の値に固定することが可能とな
る。
【0076】さらに、高調波出力をモニターして、環境
温度の変化や光の結合効率に変化が生じて高調波出力に
変動が生じた場合に、3電極LDのDBR領域と位相領
域への電流注入量を変化させる。または、3電極LDの
活性領域への電流注入量を変化させる。これにより、環
境変化に対する発振波長や基本波出力の変化、または光
の結合効率の変化による高調波出力の変動を補償して、
高調波出力を安定化することが可能となる。ペルチエ素
子を用いることなく環境変化に対する高調波出力の安定
化を図ることができるので、コヒーレント光源の省電力
化および小型化を実現することができる。
【0077】この場合、位相整合波長スペクトル内の傾
斜部が、位相整合波長スペクトルにおいて、ピーク波長
より低波長側の傾斜部を用いれば、さらに消費電力を小
さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるDBR−LDを用いたS
HG光源の出力安定化装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図2】半導体レーザのIop−出力特性を示す図であ
る。
【図3】DBR−LDにおいてIopを変化させたとき
の発振波長特性を示す図である。
【図4】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。(a)はIdbrを変化さ
せて位相整合波長スペクトル内にDBR−LDの発振波
長を固定するための動作を説明するための図であり、
(b)はDBR−LDを用いたSHG光源のIop−高
調波出力特性を示す図である。
【図5】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。(a)はIdbrを変化さ
せて位相整合波長スペクトル内にDBR−LDの発振波
長を固定するための動作を説明するための図であり、
(b)はDBR−LDを用いたSHG光源のIop−高
調波出力特性を示す図である。
【図6】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。(a)はIdbrを変化さ
せて位相整合波長スペクトル内にDBR−LDの発振波
長を固定するための動作を説明するための図であり、
(b)はDBR−LDを用いたSHG光源のIop−高
調波出力特性を示す図である。
【図7】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。(a)はIdbrを変化さ
せて位相整合波長スペクトル内にDBR−LDの発振波
長を固定するための動作を説明するための図であり、
(b)はDBR−LDを用いたSHG光源のIop−高
調波出力特性を示す図である。
【図8】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。(a)はIdbrを変化さ
せて位相整合波長スペクトル内にDBR−LDの発振波
長を固定するための動作を説明するための図であり、
(b)はDBR−LDを用いたSHG光源のIop−高
調波出力特性を示す図である。
【図9】DBR−LDにおいてIdbrを変化させたと
きの発振波長特性を示す図である。
【図10】光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内
の傾斜部を示す図である。
【図11】光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内
の傾斜部を示す図である。
【図12】DBR−LDの温度に対する出力特性を示す
図である。
【図13】温度変化による光波長変換素子の位相整合波
長の変化を示す図である。
【図14】光導波路への入力基本波と高調波出力の関係
を示す図である。
【図15】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG
光源において、高調波出力を安定化させる制御方法を説
明するための図である。
【図16】DBR−LDを用いた実施の形態1のSHG
光源において、高調波出力を安定化させる制御方法を説
明するための図である。
【図17】実施の形態1におけるDBR−LDを用いた
SHG光源について、環境温度変化に対して安定化され
た出力を示す図である。
【図18】実施の形態2における3電極LDを用いたS
HG光源の出力安定化装置の概略構成を示すブロック図
である。
【図19】3電極LDにおいてIdbrとIphase
の比率を一定にしてIdbrを変化させたときの発振波
長特性を示す図である。
【図20】3電極LDを用いた実施の形態2のSHG光
源において、所望の高調波出力値を得るための制御方法
を説明するための図である。
【図21】3電極LDを用いた実施の形態2のSHG光
源において、高調波出力を安定化させる制御方法を説明
するための図である。
【図22】3電極LDを用いた実施の形態2のSHG光
源において、高調波出力を安定化させる制御方法を説明
するための図である。
【図23】(a)はDBR−LDの発振波長のモードホ
ップ間隔と光波長変換素子の位相整合波長スペクトルを
示す図であり、(b)はDBR−LDを用いたSHG光
源の出力特性を示す図である。
【図24】従来のDBR−LDを用いたSHG光源の出
力安定化装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ(DBR−LD) 2、15 活性領域 3、17 DBR領域 4、7、18、21、43 コリメートレンズ 5、19、44 フォーカスレンズ 6、20 光波長変換素子 8、22 波長選択フィルター 9、23 フォトディテクター 10、24 制御部 11、25 マイクロコンピュータ 12、26 DBR駆動回路 13、28 レーザ駆動回路 14 半導体レーザ(3電極LD) 16 位相領域 27 位相部駆動回路 42 半導体レーザ 45 MgO:LiNbO3基板 46 光導波路 47 分極反転領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 広通 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 審査官 三橋 健二 (56)参考文献 特開 平9−189929(JP,A) 特開 平4−13118(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 H01S 5/022

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性領域および分布ブラッグ反射領域を
    備えた半導体レーザと、非線形光学結晶からなる光波長
    変換素子とを具備したコヒーレント光源において、 該光波長変換素子の高調波出力を光検出器で検出し、該
    光検出器の出力を用いて、該分布ブラッグ反射領域への
    注入電流量を変化させて、該半導体レーザの発振波長
    を、該光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内にお
    けるモードホップした直後のところで固定した後に、該
    光検出器の出力を用いて、該活性領域への注入電流量を
    変化させて該半導体レーザの発振波長を該光波長変換素
    子の位相整合波長スペクトル内の傾斜部に固定すること
    によって高調波出力を所望の値に固定することを特徴と
    するコヒーレント光源の制御方法。
  2. 【請求項2】 活性領域および分布ブラッグ反射領域を
    備えた半導体レーザと、非線形光学結晶からなる光波長
    変換素子とを具備したコヒーレント光源において、 該光波長変換素子の高調波出力を光検出器で検出し、該
    光検出器の出力を用いて、該分布ブラッグ反射領域への
    注入電流量を変化させて、該半導体レーザの発振波長を
    該光波長変換素子の位相整合波長スペクトル内に固定し
    た後に、該光検出器の出力を用いて、該活性領域への注
    入電流量を変化させて該半導体レーザの発振波長を該光
    波長変換素子の位相整合波長スペクトル内の傾斜部に固
    定し、発振波長が固定された該位相整合波長スペクトル
    内の傾斜部が、ピーク波長より低波長側の部分である
    か、ピーク波長より高波長側の部分であるかを該半導体
    レーザの波長を変化させた時の該光検出器の出力に基づ
    いて判断し、その判断に基づいて、該活性領域への注入
    電流量を変化させることにより該光波長変換素子の高調
    波出力を所望の値に固定することを特徴とするコヒーレ
    ント光源の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記位相整合波長スペクトル内の傾斜部
    が、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力が
    ピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    のコヒーレント光源の制御方法。
  4. 【請求項4】 高調波出力をモニターする該光検出器の
    出力が変動した場合に前記半導体レーザの活性領域への
    電流注入量を変化させることによって高調波出力を安定
    化させることを特徴とする請求項1または請求項2に記
    載のコヒーレント光源の制御方法。
  5. 【請求項5】 活性領域および分布ブラッグ反射領域を
    備えた半導体レーザと、非線形光学結晶からなる光波長
    変換素子とを具備したコヒーレント光源であって、 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のコヒーレント
    光源の制御方法により制御されることを特徴とするコヒ
    ーレント光源。
  6. 【請求項6】 活性領域、分布ブラッグ反射領域および
    位相領域を備えた半導体レーザと、非線形光学結晶から
    なる光波長変換素子とを具備したコヒーレント光源にお
    いて、 該光波長変換素子の高調波出力を光検出器で検出し、該
    光検出器の出力を用いて、該分布ブラッグ反射領域およ
    び位相領域への注入電流量を一定比で変化させて該半導
    体レーザの発振波長を該光波長変換素子の位相整合波長
    スペクトルの傾斜部に固定することによって高調波出力
    を所望の値に固定することを特徴とするコヒーレント光
    源の制御方法。
  7. 【請求項7】 前記位相整合波長スペクトル内の傾斜部
    が、該位相整合波長スペクトルにおいて、高調波出力が
    ピーク出力の10%以上、かつ、95%以下となる部分
    であることを特徴とする請求項6に記載のコヒーレント
    光源の制御方法。
  8. 【請求項8】 高調波出力をモニターする該光検出器の
    出力が変動した場合に前記半導体レーザの分布ブラッグ
    反射領域と位相領域への電流注入量を一定比で変化させ
    ることによって高調波出力を安定化させることを特徴と
    する請求項6に記載のコヒーレント光源の制御方法。
  9. 【請求項9】 高調波出力をモニターする該光検出器の
    出力が変動した場合に前記半導体レーザの活性領域への
    電流注入量を変化させることによって高調波出力を安定
    化させることを特徴とする請求項6に記載のコヒーレン
    ト光源の制御方法。
  10. 【請求項10】 前記位相整合波長スペクトル内の傾斜
    部が、該位相整合波長スペクトルにおいて、ピーク波長
    より低波長側の部分であることを特徴とする請求項1乃
    請求項9のいずれかに記載のコヒーレント光源の制御
    方法。
  11. 【請求項11】 活性領域、分布ブラッグ反射領域およ
    び位相領域を備えた半導体レーザと、非線形光学結晶か
    らなる光波長変換素子とを具備したコヒーレント光源で
    あって、請求項6乃至請求項10 のいずれかに記載のコヒーレン
    ト光源の制御方法により制御されることを特徴とするコ
    ヒーレント光源。
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