JPH104002A - 電気回路保護用ptc抵抗素子 - Google Patents
電気回路保護用ptc抵抗素子Info
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- JPH104002A JPH104002A JP15525696A JP15525696A JPH104002A JP H104002 A JPH104002 A JP H104002A JP 15525696 A JP15525696 A JP 15525696A JP 15525696 A JP15525696 A JP 15525696A JP H104002 A JPH104002 A JP H104002A
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- Japan
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- ptc
- epoxy resin
- conductive
- conductive particles
- resistance
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】熱硬化性エポキシ樹脂と、平均粒径Dfが
0.5〜50μmの導電性粒子を含む導電性組成物を熱
硬化させたものであり、導電性粒子の体積分率Vcと熱
硬化性エポキシ樹脂の体積分率Vpとの比Vc/Vpが
35/65〜65/35であり、20℃における抵抗率
が10Ωcm以下であり、スイッチング温度以上で10
3 Ωcm以上のピーク抵抗率を示す。 【効果】耐熱性に優れ、経年使用しても抵抗値変化の安
定したPTC抵抗素子を提供することができる。したが
って信頼性の要求される各種電気・電子回路に安心して
組み込むことができる。
0.5〜50μmの導電性粒子を含む導電性組成物を熱
硬化させたものであり、導電性粒子の体積分率Vcと熱
硬化性エポキシ樹脂の体積分率Vpとの比Vc/Vpが
35/65〜65/35であり、20℃における抵抗率
が10Ωcm以下であり、スイッチング温度以上で10
3 Ωcm以上のピーク抵抗率を示す。 【効果】耐熱性に優れ、経年使用しても抵抗値変化の安
定したPTC抵抗素子を提供することができる。したが
って信頼性の要求される各種電気・電子回路に安心して
組み込むことができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、PTC(Positive Tem
perature Coefficient;正温度係数)特性を示す導電性
組成物(以下「PTC導電性組成物」又は単に「導電性
組成物」という)を用いた電気回路保護素子に関するも
のである。本発明の電気回路保護素子は、軽量の二次電
池を利用した携帯電話機を始め、小型の通信機器、電気
機器、電子機器に用いられ、これらの機器における異常
発生時に流れる過電流を防止するものである。
perature Coefficient;正温度係数)特性を示す導電性
組成物(以下「PTC導電性組成物」又は単に「導電性
組成物」という)を用いた電気回路保護素子に関するも
のである。本発明の電気回路保護素子は、軽量の二次電
池を利用した携帯電話機を始め、小型の通信機器、電気
機器、電子機器に用いられ、これらの機器における異常
発生時に流れる過電流を防止するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体材料は、通常、温度上昇とともに
抵抗が小さくなるので、異常時過電流が流れやすくな
る。したがって、電気回路保護素子としては、室温で低
抵抗であり、温度上昇とともに抵抗が増大して電流を制
限する素子、特に所望のスイッチング温度(抵抗が急激
に上昇する温度)で急激に抵抗が大きくなる所謂PTC
特性を示すPTC導電性組成物が用いられる。
抵抗が小さくなるので、異常時過電流が流れやすくな
る。したがって、電気回路保護素子としては、室温で低
抵抗であり、温度上昇とともに抵抗が増大して電流を制
限する素子、特に所望のスイッチング温度(抵抗が急激
に上昇する温度)で急激に抵抗が大きくなる所謂PTC
特性を示すPTC導電性組成物が用いられる。
【0003】PTC導電性組成物には、Y2 O3 を微量
添加したチタン酸バリウム(BaTiO3 )等の無機導
電性組成物、結晶性有機ポリマーマトリックスにカーボ
ン粉末、銀粉末、表面を銀等の金属で被覆したシリコー
ン粒子等の微細な導電性粒子を分散させた有機導電性組
成物(後者の例として、特開昭46−2724号公報参
照)等が知られている。
添加したチタン酸バリウム(BaTiO3 )等の無機導
電性組成物、結晶性有機ポリマーマトリックスにカーボ
ン粉末、銀粉末、表面を銀等の金属で被覆したシリコー
ン粒子等の微細な導電性粒子を分散させた有機導電性組
成物(後者の例として、特開昭46−2724号公報参
照)等が知られている。
【0004】有機導電性組成物においては、ポリマーマ
トリックスの結晶融点よりも低い温度にある間は、導電
性粒子はポリマーマトリックスの非結晶領域のみに存在
し、導電性粒子相互に接続された鎖を通って移動する電
子により低い抵抗率を示す。温度が上昇し、ポリマーマ
トリックスが融解し始めると、ポリマーマトリックスの
粘度を保ったまま非結晶相の体積が相対的に増加するた
め、非結晶相の導電性粒子の濃度が部分的に減少し、そ
の結果抵抗率が上昇する(正温度特性)。さらに温度が
上昇すると、ポリマーマトリックスの粘度が減少し、導
電性粒子は全体的に非結晶になった中を自由に動き回
り、再配列して十分な導電性を示すようになる(負温度
特性)。
トリックスの結晶融点よりも低い温度にある間は、導電
性粒子はポリマーマトリックスの非結晶領域のみに存在
し、導電性粒子相互に接続された鎖を通って移動する電
子により低い抵抗率を示す。温度が上昇し、ポリマーマ
トリックスが融解し始めると、ポリマーマトリックスの
粘度を保ったまま非結晶相の体積が相対的に増加するた
め、非結晶相の導電性粒子の濃度が部分的に減少し、そ
の結果抵抗率が上昇する(正温度特性)。さらに温度が
上昇すると、ポリマーマトリックスの粘度が減少し、導
電性粒子は全体的に非結晶になった中を自由に動き回
り、再配列して十分な導電性を示すようになる(負温度
特性)。
【0005】PTC導電性組成物に関する基礎的な文献
としては、例えば、ポリマー・エンジニアリング・アン
ド・サイエンス,Vol 13, No.6 November, 1973 があ
り、製造方法まで詳細に記述した文献としては、例え
ば、特公昭64−3322号公報が挙げられる。特公昭
64−3322号公報では、導電性粒子(本明細書で
「導電性粒子」というときは、1つ1つの粒子を示す意
味と、粒子の集合物である粒子材料を示す意味との両方
を用いることにする)としてカーボンブラックを用い、
ポリマーマトリックスとして例えばポリエチレン、エチ
レン/アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、ポリビ
ニリデンフルオリド等のポリオレフィン系の結晶性熱可
塑性ポリマーを用いたPTC導電性組成物が開示されて
いる。
としては、例えば、ポリマー・エンジニアリング・アン
ド・サイエンス,Vol 13, No.6 November, 1973 があ
り、製造方法まで詳細に記述した文献としては、例え
ば、特公昭64−3322号公報が挙げられる。特公昭
64−3322号公報では、導電性粒子(本明細書で
「導電性粒子」というときは、1つ1つの粒子を示す意
味と、粒子の集合物である粒子材料を示す意味との両方
を用いることにする)としてカーボンブラックを用い、
ポリマーマトリックスとして例えばポリエチレン、エチ
レン/アクリル酸コポリマー、ポリプロピレン、ポリビ
ニリデンフルオリド等のポリオレフィン系の結晶性熱可
塑性ポリマーを用いたPTC導電性組成物が開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、結晶性ポリマ
ーを利用した従来のPCT導電性組成物は、熱可塑性樹
脂を利用しているので、おのずから耐熱性に限界があ
り、繰り返し使用に耐えない。そこで、熱硬化性樹脂を
ポリマーマトリックスとして利用することが考えられる
が、熱硬化性樹脂は、加熱成形時、熱膨張と架橋による
体積収縮が複雑に関連し、PTC特性の制御を困難にし
ていた。すなわち、熱硬化性樹脂にあっては、同一組成
のものであっても、硬化条件と以後の熱履歴により、物
性が変化するので、後養生も含め、実用性能を満足させ
るよう、種々工夫を施す必要がある。
ーを利用した従来のPCT導電性組成物は、熱可塑性樹
脂を利用しているので、おのずから耐熱性に限界があ
り、繰り返し使用に耐えない。そこで、熱硬化性樹脂を
ポリマーマトリックスとして利用することが考えられる
が、熱硬化性樹脂は、加熱成形時、熱膨張と架橋による
体積収縮が複雑に関連し、PTC特性の制御を困難にし
ていた。すなわち、熱硬化性樹脂にあっては、同一組成
のものであっても、硬化条件と以後の熱履歴により、物
性が変化するので、後養生も含め、実用性能を満足させ
るよう、種々工夫を施す必要がある。
【0007】初期特性のみを考えると任意の熱硬化性樹
脂が利用できるが、ゲル化点において未反応の架橋性反
応基が残り、実用時の熱、水分等で架橋密度が変化する
ものは設計仕様からはずれる性質を有し、好ましくな
い。例えば、末端NCOを有するウレタン樹脂系、シリ
コーン樹脂等は、残存反応基が水分により架橋し、経時
物性が変化し易い。
脂が利用できるが、ゲル化点において未反応の架橋性反
応基が残り、実用時の熱、水分等で架橋密度が変化する
ものは設計仕様からはずれる性質を有し、好ましくな
い。例えば、末端NCOを有するウレタン樹脂系、シリ
コーン樹脂等は、残存反応基が水分により架橋し、経時
物性が変化し易い。
【0008】ポリエステル系にあっては、比較的安定で
あるが、有効反応基が残存し、架橋が進む。不飽和基を
有する樹脂類の利用は、分子鎖末端に有効に不飽和基を
導入するのに高度の技術を必要とする上、熱その他の外
部エネルギーで架橋し易くなるので、好ましくない。
あるが、有効反応基が残存し、架橋が進む。不飽和基を
有する樹脂類の利用は、分子鎖末端に有効に不飽和基を
導入するのに高度の技術を必要とする上、熱その他の外
部エネルギーで架橋し易くなるので、好ましくない。
【0009】そこで本発明の目的は、繰り返し使用に対
して安定で、かつ、再現性の良好なPTC効果を有する
電気回路保護用PTC抵抗素子を提供することにある。
して安定で、かつ、再現性の良好なPTC効果を有する
電気回路保護用PTC抵抗素子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電気回路保護用
PTC抵抗素子は、熱硬化性エポキシ樹脂と、平均粒径
Dfが0.5〜50μmの導電性粒子を含む導電性組成
物を熱硬化させたものであり、導電性粒子の体積分率V
cと熱硬化性エポキシ樹脂の体積分率Vpとの比Vc/
Vpが35/65〜65/35であり、20℃における
抵抗率が10Ωcm以下であり、スイッチング温度以上
で103 Ωcm以上のピーク抵抗率を示す(請求項
1)。
PTC抵抗素子は、熱硬化性エポキシ樹脂と、平均粒径
Dfが0.5〜50μmの導電性粒子を含む導電性組成
物を熱硬化させたものであり、導電性粒子の体積分率V
cと熱硬化性エポキシ樹脂の体積分率Vpとの比Vc/
Vpが35/65〜65/35であり、20℃における
抵抗率が10Ωcm以下であり、スイッチング温度以上
で103 Ωcm以上のピーク抵抗率を示す(請求項
1)。
【0011】前記「体積分率の比」とは、樹脂中に平滑
な(表面吸着が無視できる)導電性粒子を充填した時
の、導電性組成物の体積100の中の、樹脂の体積Vp
と導電性粒子の体積Vcの比をいう。前記熱硬化性エポ
キシ樹脂は、分子中にグリシジルエーテル基(以下単に
「エポキシ基」という)を有するエポキシ化合物と硬化
剤を反応させたものである。
な(表面吸着が無視できる)導電性粒子を充填した時
の、導電性組成物の体積100の中の、樹脂の体積Vp
と導電性粒子の体積Vcの比をいう。前記熱硬化性エポ
キシ樹脂は、分子中にグリシジルエーテル基(以下単に
「エポキシ基」という)を有するエポキシ化合物と硬化
剤を反応させたものである。
【0012】熱硬化性樹脂を導電性組成物として利用す
るには、熱変形特性の制御のために、分子鎖長の調整が
必要で、その為には分子鎖末端に反応基が導入されたも
のが有利である。前記エポキシ化合物は、1分子中に分
子鎖(分岐鎖も含む)末端にエポキシ基を1個以上、好
ましくは1.5〜3個含むもので、より好ましくは2個
含むものであればよい。その値はエポキシ化合物及び硬
化剤の種類、所望のスイッチング温度に基づき選定され
る。
るには、熱変形特性の制御のために、分子鎖長の調整が
必要で、その為には分子鎖末端に反応基が導入されたも
のが有利である。前記エポキシ化合物は、1分子中に分
子鎖(分岐鎖も含む)末端にエポキシ基を1個以上、好
ましくは1.5〜3個含むもので、より好ましくは2個
含むものであればよい。その値はエポキシ化合物及び硬
化剤の種類、所望のスイッチング温度に基づき選定され
る。
【0013】1分子中に含まれるエポキシ基の数が1.
5以下になると、熱可塑性が大きく耐熱性に乏しくな
り、3以上であれば、硬化剤の種類にもよるが、架橋密
度が大きくなり、スイッチング温度で膨張しにくく、P
TC特性が出にくい。代表的なものとして、ノボラック
型、ジカルボン酸型、ジオール型、トリオール型、多価
アルコール型、チオコール型等がある。特に、ビスフェ
ノール型、ジカルボン酸型、ジオール型、チオコール型
等の二官能性化合物が好ましい。ノボラック型、トリオ
ール型、多価アルコール型は、側鎖にエポキシ基を有
し、1分子中に3個以上のエポキシ基を含むものである
ので、架橋密度の調整剤として利用するのが好ましい。
5以下になると、熱可塑性が大きく耐熱性に乏しくな
り、3以上であれば、硬化剤の種類にもよるが、架橋密
度が大きくなり、スイッチング温度で膨張しにくく、P
TC特性が出にくい。代表的なものとして、ノボラック
型、ジカルボン酸型、ジオール型、トリオール型、多価
アルコール型、チオコール型等がある。特に、ビスフェ
ノール型、ジカルボン酸型、ジオール型、チオコール型
等の二官能性化合物が好ましい。ノボラック型、トリオ
ール型、多価アルコール型は、側鎖にエポキシ基を有
し、1分子中に3個以上のエポキシ基を含むものである
ので、架橋密度の調整剤として利用するのが好ましい。
【0014】なお、多官能型エポキシ化合物を利用する
時は、平均官能基数調整のため、単官能のモノエポキシ
ドを同時に併用すると好ましい。前記エポキシ化合物
は、PTC抵抗素子の利用目的、製造工程の工夫によ
り、任意の形態のものが利用できる。しかし、一般に電
極と接合して利用されるので、製造時、電極と一体成形
するため液状化合物を利用するのが好ましい。
時は、平均官能基数調整のため、単官能のモノエポキシ
ドを同時に併用すると好ましい。前記エポキシ化合物
は、PTC抵抗素子の利用目的、製造工程の工夫によ
り、任意の形態のものが利用できる。しかし、一般に電
極と接合して利用されるので、製造時、電極と一体成形
するため液状化合物を利用するのが好ましい。
【0015】最も好ましい形態は加工時、特に室温付近
で液体か、低融点のものである。固体であれば、高濃度
(50%以上)の溶液として調製できるものが好まし
い。熱硬化性エポキシ樹脂を得るには、エポキシ化合物
のエポキシ基を開環重合させる硬化剤及び/又は触媒を
共用する。これらの硬化剤及び触媒はエポキシ基を開環
重合させるものであれば、常用されている任意のものが
使用できるが、加熱による反応が好ましく、アルキルア
ミン類、芳香族ジアミン類、ジシアンジアミド、ピペラ
ジン化合物、イミダゾール化合物、ポリアミド化合物、
エポキシのアミノアダクト等が適している。
で液体か、低融点のものである。固体であれば、高濃度
(50%以上)の溶液として調製できるものが好まし
い。熱硬化性エポキシ樹脂を得るには、エポキシ化合物
のエポキシ基を開環重合させる硬化剤及び/又は触媒を
共用する。これらの硬化剤及び触媒はエポキシ基を開環
重合させるものであれば、常用されている任意のものが
使用できるが、加熱による反応が好ましく、アルキルア
ミン類、芳香族ジアミン類、ジシアンジアミド、ピペラ
ジン化合物、イミダゾール化合物、ポリアミド化合物、
エポキシのアミノアダクト等が適している。
【0016】硬化剤は、2官能に近いものが好ましい。
硬化剤は、熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させた後の残存
エポキシ基が少ないことが好ましいので、エポキシ基よ
り、硬化剤の反応基を多くするのが好ましい。好ましい
硬化剤として、
硬化剤は、熱硬化性エポキシ樹脂を硬化させた後の残存
エポキシ基が少ないことが好ましいので、エポキシ基よ
り、硬化剤の反応基を多くするのが好ましい。好ましい
硬化剤として、
【0017】
【化1】
【0018】(式中、Xは任意の直鎖構造である)で表
されるジエポキシ化合物、
されるジエポキシ化合物、
【0019】
【化2】
【0020】(式中、Yは任意の直鎖構造である)で表
されるジアミン化合物等を挙げることができる。アミノ
基は、それ自体では、水分等と反応しないので、高温環
境でも安定な熱硬化されたエポキシ樹脂が得られる。さ
らに硬化剤として、ポリアミド化合物、イミダゾール化
合物、ジシアンジアミド等を使用することも可能であ
る。
されるジアミン化合物等を挙げることができる。アミノ
基は、それ自体では、水分等と反応しないので、高温環
境でも安定な熱硬化されたエポキシ樹脂が得られる。さ
らに硬化剤として、ポリアミド化合物、イミダゾール化
合物、ジシアンジアミド等を使用することも可能であ
る。
【0021】本発明のPTC抵抗素子は、常態では良導
電性が必要であり、一般に抵抗率は20Ωcm以下、好
ましくは10Ωcm以下(下限は制限されない)が望ま
れる。したがって利用できる導電性粒子も良導電性が要
求され、圧粉体抵抗率が1Ωcm以下、好ましくは0.
1Ωcm以下がよい。
電性が必要であり、一般に抵抗率は20Ωcm以下、好
ましくは10Ωcm以下(下限は制限されない)が望ま
れる。したがって利用できる導電性粒子も良導電性が要
求され、圧粉体抵抗率が1Ωcm以下、好ましくは0.
1Ωcm以下がよい。
【0022】導電性粒子の代表的なものとして、カーボ
ンビーズなどがある。また銀、銅、ニッケル等の金属粒
子の利用も可能である。また、球状粒子の表面を物理的
又は化学的に金属、金属酸化物、カーボン等の一種又は
二種以上を沈着被覆させたものでもよい。球状粒子とし
て、中空体であっても、表面粗度の高いものでも利用で
きる。
ンビーズなどがある。また銀、銅、ニッケル等の金属粒
子の利用も可能である。また、球状粒子の表面を物理的
又は化学的に金属、金属酸化物、カーボン等の一種又は
二種以上を沈着被覆させたものでもよい。球状粒子とし
て、中空体であっても、表面粗度の高いものでも利用で
きる。
【0023】その他、PTCスイッチング温度以上で安
定であれば導電性を持たせた高分子材料でもよい。導電
性粒子の粒径は0.1〜50μm、特に0.5〜30μ
mの範囲であればよく、粒径が揃ったものが好ましい。
導電性粒子は、体積変化を起し易いポリマー成分を少な
くして、不揃いの材料を併用すると安定な導電性を示す
が、PTC抵抗素子導電性組成物では、粒界抵抗の変化
が瞬時に起ることが好ましいので、粒径が揃ったものを
用いると効果的なことが明らかとなり、本発明におい
て、これらの点を実施例で確認できた。
定であれば導電性を持たせた高分子材料でもよい。導電
性粒子の粒径は0.1〜50μm、特に0.5〜30μ
mの範囲であればよく、粒径が揃ったものが好ましい。
導電性粒子は、体積変化を起し易いポリマー成分を少な
くして、不揃いの材料を併用すると安定な導電性を示す
が、PTC抵抗素子導電性組成物では、粒界抵抗の変化
が瞬時に起ることが好ましいので、粒径が揃ったものを
用いると効果的なことが明らかとなり、本発明におい
て、これらの点を実施例で確認できた。
【0024】導電性粒子の粒径分布としては、平均粒子
径の2倍〜1/2のものが50%以上、好ましくは70
%以上であり、10倍又は1/10以下のものが10%
以下が好ましい。本発明では、粒径が揃い、0.1〜5
0μm、好ましくは0.5〜30μmの粒径で、Vp/
VC=35/65〜65/35に調整されたものを利用
する。
径の2倍〜1/2のものが50%以上、好ましくは70
%以上であり、10倍又は1/10以下のものが10%
以下が好ましい。本発明では、粒径が揃い、0.1〜5
0μm、好ましくは0.5〜30μmの粒径で、Vp/
VC=35/65〜65/35に調整されたものを利用
する。
【0025】導電性粒子の粒子径の大きいものほど、成
型時、抵抗源となるポリマー成分で形成される粒界間隔
にばらつきが生じ、一部短絡した粒界ができ易く、しか
も粒子が大きいとポリマーの熱変形(膨張)に鋭敏に反
応せず、スイッチング効果が鈍くなる。逆に粒子が小さ
すぎると、ポリマーの熱変形が分散され、抵抗変化が小
さくなり、PTC効果が劣る。
型時、抵抗源となるポリマー成分で形成される粒界間隔
にばらつきが生じ、一部短絡した粒界ができ易く、しか
も粒子が大きいとポリマーの熱変形(膨張)に鋭敏に反
応せず、スイッチング効果が鈍くなる。逆に粒子が小さ
すぎると、ポリマーの熱変形が分散され、抵抗変化が小
さくなり、PTC効果が劣る。
【0026】また、球状体を示す真球度として、長径/
短径が2以下、好ましくは1.5以下である。また本発
明の電気回路保護用PTC抵抗素子は、(1)熱硬化性
エポキシ樹脂、(2)平均粒径Dfが0.5〜50μm
の導電性粒子、(3)平均粒径Dpが0.1≦Df/D
p≦50である熱可塑性充填剤を含む導電性組成物を熱
硬化させたものであり、前記導電性粒子の体積分率Vc
と、前記熱硬化性エポキシ樹脂の体積分率と熱可塑性充
填剤の体積分率の和Vpとの比Vc/Vpが35/65
〜65/35であり、熱可塑性充填剤と熱硬化性エポキ
シ樹脂との重量比Mp/Epが1/99〜80/20で
あることを特徴とする(請求項2)。
短径が2以下、好ましくは1.5以下である。また本発
明の電気回路保護用PTC抵抗素子は、(1)熱硬化性
エポキシ樹脂、(2)平均粒径Dfが0.5〜50μm
の導電性粒子、(3)平均粒径Dpが0.1≦Df/D
p≦50である熱可塑性充填剤を含む導電性組成物を熱
硬化させたものであり、前記導電性粒子の体積分率Vc
と、前記熱硬化性エポキシ樹脂の体積分率と熱可塑性充
填剤の体積分率の和Vpとの比Vc/Vpが35/65
〜65/35であり、熱可塑性充填剤と熱硬化性エポキ
シ樹脂との重量比Mp/Epが1/99〜80/20で
あることを特徴とする(請求項2)。
【0027】この発明では、熱可塑性充填剤を併用す
る。通常、導電性粒子と熱硬化性エポキシ樹脂からなる
PTC抵抗素子導電性組成物は、非常に鋭敏なPTCス
イッチング特性を示すが、スイッチング温度がエポキシ
樹脂の組成(エポキシ化合物及び硬化剤の種類、組み合
わせ)により相違し、一般に100℃以下では良導電体
で、120℃以上で急激に抵抗が変化するものが多い。
さらに、電気回路保護用素子として利用する場合には、
過電流排除機能が重要であり、過電流が流れた初期に自
己発熱して抵抗が増大する自己発熱スイッチング機能が
必要である。
る。通常、導電性粒子と熱硬化性エポキシ樹脂からなる
PTC抵抗素子導電性組成物は、非常に鋭敏なPTCス
イッチング特性を示すが、スイッチング温度がエポキシ
樹脂の組成(エポキシ化合物及び硬化剤の種類、組み合
わせ)により相違し、一般に100℃以下では良導電体
で、120℃以上で急激に抵抗が変化するものが多い。
さらに、電気回路保護用素子として利用する場合には、
過電流排除機能が重要であり、過電流が流れた初期に自
己発熱して抵抗が増大する自己発熱スイッチング機能が
必要である。
【0028】本発明者等は導電性粒子と熱硬化性エポキ
シ樹脂からなるPTC導電性組成物に、特定の熱可塑性
充填剤を併用することにより、70〜120℃の中温領
域にゆるやかなPTC抵抗特性を示す導電性組成物が得
られることを見い出した。熱可塑性充填剤とは、熱可塑
性樹脂粉体のことである。熱可塑性であれば、樹脂の種
類は特に制限はない。熱可塑性充填剤は、利用目的に応
じて、軟化点及び粒径が種々選択可能である。
シ樹脂からなるPTC導電性組成物に、特定の熱可塑性
充填剤を併用することにより、70〜120℃の中温領
域にゆるやかなPTC抵抗特性を示す導電性組成物が得
られることを見い出した。熱可塑性充填剤とは、熱可塑
性樹脂粉体のことである。熱可塑性であれば、樹脂の種
類は特に制限はない。熱可塑性充填剤は、利用目的に応
じて、軟化点及び粒径が種々選択可能である。
【0029】熱可塑性充填剤の軟化点は、初期PTC抵
抗特性に影響する。一般に熱可塑性樹脂又は熱硬化樹脂
を利用したPTC抵抗素子は、特定温度で急激に抵抗が
増大するが、本発明では、導電性粒子及び熱可塑性充填
剤が熱硬化エポキシ樹脂の架橋構造内に封鎖されるた
め、熱可塑性充填剤の熱融解特性が緩やかに発現し、中
温度域でのPTC抵抗特性が改善される。
抗特性に影響する。一般に熱可塑性樹脂又は熱硬化樹脂
を利用したPTC抵抗素子は、特定温度で急激に抵抗が
増大するが、本発明では、導電性粒子及び熱可塑性充填
剤が熱硬化エポキシ樹脂の架橋構造内に封鎖されるた
め、熱可塑性充填剤の熱融解特性が緩やかに発現し、中
温度域でのPTC抵抗特性が改善される。
【0030】このような立ち上がり特性は、一般に、T
g(ガラス転移点)より20〜50℃高温側又は融点付
近に認められるため、熱可塑性充填剤は0℃<Tg<1
50℃、好ましくは20℃<Tg<130℃のものが好
ましい。本発明では、導電性粒子の平均粒子径Dfと熱
可塑性充填剤の平均粒子径Dpが、1/50≦Dp/D
f≦10、好ましくは1/20≦Dp/Df≦2である
ことが望ましい。
g(ガラス転移点)より20〜50℃高温側又は融点付
近に認められるため、熱可塑性充填剤は0℃<Tg<1
50℃、好ましくは20℃<Tg<130℃のものが好
ましい。本発明では、導電性粒子の平均粒子径Dfと熱
可塑性充填剤の平均粒子径Dpが、1/50≦Dp/D
f≦10、好ましくは1/20≦Dp/Df≦2である
ことが望ましい。
【0031】導電性粒子に比し熱可塑性充填剤の粒子径
が大きすぎると、常態でも導電性を示しにくく、加温し
たとき熱可塑性充填剤が熱流動により導電性粒子を接近
させ、導電性が良くなり、PTCとは逆の性質(NT
C)を示すことがある。逆に熱可塑性充填剤粒子が細か
すぎると、遮断効果が低減する。なお、熱可塑性充填剤
を構成する粒子の形状は特に制限されないが、球状に近
いものが、安定な複合材料が得られる点で有効である。
が大きすぎると、常態でも導電性を示しにくく、加温し
たとき熱可塑性充填剤が熱流動により導電性粒子を接近
させ、導電性が良くなり、PTCとは逆の性質(NT
C)を示すことがある。逆に熱可塑性充填剤粒子が細か
すぎると、遮断効果が低減する。なお、熱可塑性充填剤
を構成する粒子の形状は特に制限されないが、球状に近
いものが、安定な複合材料が得られる点で有効である。
【0032】本発明では、熱硬化性エポキシ樹脂と熱可
塑性充填剤の配合割合は、重量比(熱硬化性エポキシ樹
脂)/(熱可塑性充填剤)で99/1〜20/80、好
ましくは95/5〜40/60の範囲であり、熱硬化性
エポキシ樹脂が少なすぎると、PTC特性のヒステリシ
ス(繰り返し安定性)が劣り、逆に多すぎるとPTC効
果及び鋭敏性が低下する。
塑性充填剤の配合割合は、重量比(熱硬化性エポキシ樹
脂)/(熱可塑性充填剤)で99/1〜20/80、好
ましくは95/5〜40/60の範囲であり、熱硬化性
エポキシ樹脂が少なすぎると、PTC特性のヒステリシ
ス(繰り返し安定性)が劣り、逆に多すぎるとPTC効
果及び鋭敏性が低下する。
【0033】導電性粒子の体積分率Vcと、熱硬化性エ
ポキシ樹脂と熱可塑性充填剤の合計の体積分率Vpとの
比は、Vc/Vp=35/65〜65/35、好ましく
は40/60〜60/40であり、導電性粒子が少なす
ぎると常温導電性が不足し、逆に多すぎると強度が不十
分となり、PTC特性が発現しにくい。なお、上述の配
合割合は、請求項1記載の発明に係る導電性粒子と熱硬
化性エポキシ樹脂において説明されている。
ポキシ樹脂と熱可塑性充填剤の合計の体積分率Vpとの
比は、Vc/Vp=35/65〜65/35、好ましく
は40/60〜60/40であり、導電性粒子が少なす
ぎると常温導電性が不足し、逆に多すぎると強度が不十
分となり、PTC特性が発現しにくい。なお、上述の配
合割合は、請求項1記載の発明に係る導電性粒子と熱硬
化性エポキシ樹脂において説明されている。
【0034】本発明の電気回路保護用PTC抵抗素子の
製造方法は、従来公知の方法で混合、成型することで可
能であるが、特に好ましい代表例を以下に示す。 (1)導電性粒子の一部と熱硬化性エポキシ樹脂を混合
分散させる。 (2)残余の導電性粒子と熱可塑性充填剤を混合する。 この時混合は単に密閉式の撹拌機でも良いが、好ましい
方法は、乾式ボールミルの使用、乾式擂潰機の使用、軟
化点近くの温度に加熱される雰囲気下で流動床中で混合
等、導電性粒子の表面に均質に熱可塑性充填剤を付着さ
せる方法が適用される。 (3)前記(1)(2)で得られた混合物を通常の密閉
撹拌機中で均質混合して本発明に係るPTC導電性組成
物を得る。
製造方法は、従来公知の方法で混合、成型することで可
能であるが、特に好ましい代表例を以下に示す。 (1)導電性粒子の一部と熱硬化性エポキシ樹脂を混合
分散させる。 (2)残余の導電性粒子と熱可塑性充填剤を混合する。 この時混合は単に密閉式の撹拌機でも良いが、好ましい
方法は、乾式ボールミルの使用、乾式擂潰機の使用、軟
化点近くの温度に加熱される雰囲気下で流動床中で混合
等、導電性粒子の表面に均質に熱可塑性充填剤を付着さ
せる方法が適用される。 (3)前記(1)(2)で得られた混合物を通常の密閉
撹拌機中で均質混合して本発明に係るPTC導電性組成
物を得る。
【0035】なお、上述いずれの段階においても、従来
公知の触媒、流動調整剤、溶剤、安定剤、可塑剤、導電
性及び/又は補強用の充填剤等、通常利用される添加剤
が利用できる。本発明の導電性組成物を利用するには、
所望の形状に成型する必要がある。導電性組成物は、電
極材料と併用されるので、一般に100μm〜数mmの
厚みが必要になる。
公知の触媒、流動調整剤、溶剤、安定剤、可塑剤、導電
性及び/又は補強用の充填剤等、通常利用される添加剤
が利用できる。本発明の導電性組成物を利用するには、
所望の形状に成型する必要がある。導電性組成物は、電
極材料と併用されるので、一般に100μm〜数mmの
厚みが必要になる。
【0036】最も簡便な方法は、電極材(一般に金属
箔)と一体成型する方法であり、導電性組成物を電極材
の表面に供給、加圧成型させる。この時、熱可塑性充填
剤の軟化点近くに加温するとさらに好適である。なお、
本発明において、製造段階での残存エポキシ基の少量化
は、アルミ化合物等で封鎖された熱硬化性エポキシ樹脂
の設計により可能となる。
箔)と一体成型する方法であり、導電性組成物を電極材
の表面に供給、加圧成型させる。この時、熱可塑性充填
剤の軟化点近くに加温するとさらに好適である。なお、
本発明において、製造段階での残存エポキシ基の少量化
は、アルミ化合物等で封鎖された熱硬化性エポキシ樹脂
の設計により可能となる。
【0037】また、安定なPTC特性を発現させるた
め、所望するスイッチング温度前後、好ましくはスイッ
チング温度以上に加熱して熱硬化させるとよい。他方、
導電性組成物のみでPTC抵抗素子を作成し、導電性接
着剤等で電極と接合(単に圧締してもよい)する場合に
は、通常の加圧成型機を用いて加熱下で成型させる。
め、所望するスイッチング温度前後、好ましくはスイッ
チング温度以上に加熱して熱硬化させるとよい。他方、
導電性組成物のみでPTC抵抗素子を作成し、導電性接
着剤等で電極と接合(単に圧締してもよい)する場合に
は、通常の加圧成型機を用いて加熱下で成型させる。
【0038】なお、安定なPTC特性を得るには、所望
するスイッチング温度付近で加熱養生すると更に好まし
い。養生時間は配合により適宜選択すればよいが、通常
5分〜2時間程度である。本発明で、加熱、加圧する効
果は、加熱により熱可塑性充填剤を導電性粒子の粒子表
面により均質に付着させること、及び熱硬化性エポキシ
樹脂の硬化を速めることである。加圧により、ボイドを
なくし、常温(室温等)での高導電性を付与することに
ある。
するスイッチング温度付近で加熱養生すると更に好まし
い。養生時間は配合により適宜選択すればよいが、通常
5分〜2時間程度である。本発明で、加熱、加圧する効
果は、加熱により熱可塑性充填剤を導電性粒子の粒子表
面により均質に付着させること、及び熱硬化性エポキシ
樹脂の硬化を速めることである。加圧により、ボイドを
なくし、常温(室温等)での高導電性を付与することに
ある。
【0039】さらに、その後、高温加熱下で熟成又は養
生することにより、架橋が進行しなくなる状態まで安定
化される。
生することにより、架橋が進行しなくなる状態まで安定
化される。
【0040】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明を具体的に説明
する。なお、以下において「部」とあるのは「重量部」
を意味する。 <実施例1>ビスフェノール系エポキシ樹脂(商品名:
アダルライトAER260、旭チバ(株)製)35.9
部とエポキシ用硬化剤(ジエチレントリアミン、試薬、
ナカライテスク(株)製)4.1部を混合し(比重1.
14)、さらに、球状導電性カーボン(商品名:MCM
B6−28、平均粒径7μm、粒径5〜7μmのものが
90%、比重2.2、真球度1.05、大阪ガス(株)
製)60部を加え、3本ロールにより均質に分散させ
て、粘稠な本発明の導電性組成物を製造した。
する。なお、以下において「部」とあるのは「重量部」
を意味する。 <実施例1>ビスフェノール系エポキシ樹脂(商品名:
アダルライトAER260、旭チバ(株)製)35.9
部とエポキシ用硬化剤(ジエチレントリアミン、試薬、
ナカライテスク(株)製)4.1部を混合し(比重1.
14)、さらに、球状導電性カーボン(商品名:MCM
B6−28、平均粒径7μm、粒径5〜7μmのものが
90%、比重2.2、真球度1.05、大阪ガス(株)
製)60部を加え、3本ロールにより均質に分散させ
て、粘稠な本発明の導電性組成物を製造した。
【0041】なお、エポキシ用硬化剤の配合量は、前記
のエポキシ樹脂の当量に対して5%過剰になる量であ
る。また、Vp=56.3%、Vc/Vp=0.777
である。なお、前記のエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の
混合物を別途作成し、60℃で30分、次いで150℃
で90分加熱硬化させた試料の赤外吸収スペクトル分析
によれば、エポキシ基に帰属する914cm-1の吸収が
ほぼ消失し、残存エポキシ基は5%以下であった。
のエポキシ樹脂の当量に対して5%過剰になる量であ
る。また、Vp=56.3%、Vc/Vp=0.777
である。なお、前記のエポキシ樹脂とエポキシ硬化剤の
混合物を別途作成し、60℃で30分、次いで150℃
で90分加熱硬化させた試料の赤外吸収スペクトル分析
によれば、エポキシ基に帰属する914cm-1の吸収が
ほぼ消失し、残存エポキシ基は5%以下であった。
【0042】次いで、片面を粗面加工した厚さ25μm
のニッケル箔2枚の粗面間に前記本発明の導電性組成物
を挟み、厚さ200μmになるように加圧、延展後15
0℃で90分加熱硬化させた。銅箔の片面がカーボン系
導電性粘着剤で処理された導電性粘着テープ(幅5m
m)を電極端子とし、ニッケル箔に接合された前記PT
C抵抗素子を1cm角に切り出し、導電性粘着テープを
5mm以上貼着し、周辺部に銀ペースト(ナカライテス
ク(株)製)を塗布して、粘着テープとニッケル箔電極
の接触抵抗を排除した。
のニッケル箔2枚の粗面間に前記本発明の導電性組成物
を挟み、厚さ200μmになるように加圧、延展後15
0℃で90分加熱硬化させた。銅箔の片面がカーボン系
導電性粘着剤で処理された導電性粘着テープ(幅5m
m)を電極端子とし、ニッケル箔に接合された前記PT
C抵抗素子を1cm角に切り出し、導電性粘着テープを
5mm以上貼着し、周辺部に銀ペースト(ナカライテス
ク(株)製)を塗布して、粘着テープとニッケル箔電極
の接触抵抗を排除した。
【0043】このPTC抵抗素子を、3℃/分の昇温速
度で加熱、抵抗変化を測定した。その結果を図1に示
す。図1によれば、20°Cの抵抗率ρ20=4.9Ωc
mであり、120℃まで抵抗率ρは変化せず、135℃
で抵抗率ρ=10Ωcmと2倍になり、150℃で抵抗
率ρ=490Ωcmとスイッチング温度を示し、以後急
激に上昇し103 Ωcm以上になったので、加熱をと
め、自然冷却して室温まで冷却した。下降時の抵抗は、
140℃まで昇温時より2℃高温側にずれるだけで以後
一致し、再帰性が確認された。
度で加熱、抵抗変化を測定した。その結果を図1に示
す。図1によれば、20°Cの抵抗率ρ20=4.9Ωc
mであり、120℃まで抵抗率ρは変化せず、135℃
で抵抗率ρ=10Ωcmと2倍になり、150℃で抵抗
率ρ=490Ωcmとスイッチング温度を示し、以後急
激に上昇し103 Ωcm以上になったので、加熱をと
め、自然冷却して室温まで冷却した。下降時の抵抗は、
140℃まで昇温時より2℃高温側にずれるだけで以後
一致し、再帰性が確認された。
【0044】前記の結果は、試料数n=5で全部確認さ
れ、160℃で12時間再加熱した試料の評価では、ス
イッチング温度が163〜165℃と3〜5℃高温側に
ずれたが、このものを半日間隔で5回サイクル試験を行
ったが、安定であった。抵抗率の温度特性結果を図1に
示す。なお、室温まで冷却しても初期抵抗に変化がなか
った。 <実施例2〜実施例17,比較例1〜4>実施例1と同
様にして、種々のエポキシ化合物(Ep−1〜Ep−
9)、硬化剤(Ec−1〜Ec−3)及び導電性粒子
(F−1〜F−8)を用いて、所定の配合割合になるよ
うに本発明の導電性組成物を生成した。
れ、160℃で12時間再加熱した試料の評価では、ス
イッチング温度が163〜165℃と3〜5℃高温側に
ずれたが、このものを半日間隔で5回サイクル試験を行
ったが、安定であった。抵抗率の温度特性結果を図1に
示す。なお、室温まで冷却しても初期抵抗に変化がなか
った。 <実施例2〜実施例17,比較例1〜4>実施例1と同
様にして、種々のエポキシ化合物(Ep−1〜Ep−
9)、硬化剤(Ec−1〜Ec−3)及び導電性粒子
(F−1〜F−8)を用いて、所定の配合割合になるよ
うに本発明の導電性組成物を生成した。
【0045】実施例2〜実施例17,比較例1〜4の導
電性組成物の成分及び配合割合を表1及び表2に示す。
電性組成物の成分及び配合割合を表1及び表2に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表中、符号の意味は次のとおりである。 Ep−1:ビスフェノール系エポキシ化合物(商品名:
AER−260、旭チバ(株)製) Ep−2:ポリオキシアルキレン系エポキシ化合物(商
品名:デナコールEX−830、ナガセ化成工業(株)
製) Ep−3:ポリサルファイド系エポキシ化合物(商品
名:フレップF−60、東レチオコール(株)製) Ep−4:モノエポキシ化合物(商品名:デナコールE
x−145、ナガセ化成工業(株)製) Ep−5:プロピレンオキサイド系エポキシ化合物(商
品名:デナコールEX2000、ナガセ化成工業(株)
製) Ep−6:3官能エポキシ化合物(商品名:デナコール
EX313、ナガセ化成工業(株)製) Ep−7:Ep−1/Ep−5=5/1で混合 Ep−8:アジピン酸系エポキシ化合物(商品名:デナ
コールEX701、ナガセ化成工業(株)製) Ep−9:ブロム含有エポキシ化合物(商品名:デナコ
ールEX221、ナガセ化成工業(株)製) Ec−1:ジエチレントリアミン(商品名:DETA、
ナカライテスク(株)製) Ec−2:2−エチル−4−メチルイミダゾール(商
品:EMI、四国化成(株)製) Ec−3:ポリアミド(商品名:バーサミド125S、
ヘンケル白水(株)製) F−1:球状導電性カーボン、粒径7μm、真球度1.
05(商品名:MCMB6−28、大阪ガス(株)製) F−2:球状導電性カーボン、粒径25μm、真球度
1.05(商品名:MCMB25−28、大阪ガス
(株)製) F−3:球状導電性カーボン、粒径40μm、真球度
1.15(商品名:ベルパール2000、カネボウ
(株)製) F−4:球状導電性カーボン、粒径0.1μm、真球度
1.1(商品名:HS−100、電気化学(株)製) F−5:シロキサン粒子(商品名:トスパール120,
東芝シリコーン(株)製)、粒径2μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例2に相
当) F−6:シロキサン粒子(商品名:トレフイルE-603,
トーレシリコン(株)製)、粒径5μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例9に相
当) F−7:シロキサン粒子(商品名:トレフイルE-601,
トーレシリコン(株)製)、粒径5μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例10に
相当) F−8:銀粉末、粒径5μm、球状のものが10重量%
以下 Ep/Ec:エポキシ化合物と硬化剤の重量比 (Ep+Ec)/F:(エポキシ化合物+硬化剤)と導
電性粒子の重量比 Vc:導電性粒子の体積分率 Vp:樹脂成分の体積分率 さらに、PTC抵抗素子を作成し、そのPTC効果を評
価した。結果を表3及び表4に示す。
AER−260、旭チバ(株)製) Ep−2:ポリオキシアルキレン系エポキシ化合物(商
品名:デナコールEX−830、ナガセ化成工業(株)
製) Ep−3:ポリサルファイド系エポキシ化合物(商品
名:フレップF−60、東レチオコール(株)製) Ep−4:モノエポキシ化合物(商品名:デナコールE
x−145、ナガセ化成工業(株)製) Ep−5:プロピレンオキサイド系エポキシ化合物(商
品名:デナコールEX2000、ナガセ化成工業(株)
製) Ep−6:3官能エポキシ化合物(商品名:デナコール
EX313、ナガセ化成工業(株)製) Ep−7:Ep−1/Ep−5=5/1で混合 Ep−8:アジピン酸系エポキシ化合物(商品名:デナ
コールEX701、ナガセ化成工業(株)製) Ep−9:ブロム含有エポキシ化合物(商品名:デナコ
ールEX221、ナガセ化成工業(株)製) Ec−1:ジエチレントリアミン(商品名:DETA、
ナカライテスク(株)製) Ec−2:2−エチル−4−メチルイミダゾール(商
品:EMI、四国化成(株)製) Ec−3:ポリアミド(商品名:バーサミド125S、
ヘンケル白水(株)製) F−1:球状導電性カーボン、粒径7μm、真球度1.
05(商品名:MCMB6−28、大阪ガス(株)製) F−2:球状導電性カーボン、粒径25μm、真球度
1.05(商品名:MCMB25−28、大阪ガス
(株)製) F−3:球状導電性カーボン、粒径40μm、真球度
1.15(商品名:ベルパール2000、カネボウ
(株)製) F−4:球状導電性カーボン、粒径0.1μm、真球度
1.1(商品名:HS−100、電気化学(株)製) F−5:シロキサン粒子(商品名:トスパール120,
東芝シリコーン(株)製)、粒径2μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例2に相
当) F−6:シロキサン粒子(商品名:トレフイルE-603,
トーレシリコン(株)製)、粒径5μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例9に相
当) F−7:シロキサン粒子(商品名:トレフイルE-601,
トーレシリコン(株)製)、粒径5μm、真球度1.1
に銀を被覆したもの(特公平4-77401号の実施例10に
相当) F−8:銀粉末、粒径5μm、球状のものが10重量%
以下 Ep/Ec:エポキシ化合物と硬化剤の重量比 (Ep+Ec)/F:(エポキシ化合物+硬化剤)と導
電性粒子の重量比 Vc:導電性粒子の体積分率 Vp:樹脂成分の体積分率 さらに、PTC抵抗素子を作成し、そのPTC効果を評
価した。結果を表3及び表4に示す。
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】表中、符号の意味は次のとおりである。 ρ20:20°Cの抵抗率ρ T 2ρ:抵抗率がρ20の2倍になる温度 Tc :抵抗率が急激に上昇し始める温度(スイッチング
温度) ρc :抵抗率が急激に上昇し始める時(スイッチング
時)の抵抗率 Tp :抵抗率がピークを示す温度(ピーク温度) ρp :ピーク抵抗率 PTCタイプ A :例えば図2に示したように抵抗率が温度とともに
比較的徐々に上昇するタイプ A1 :例えば図1に示したように抵抗率が温度とともに
急激に上昇するタイプ A2 :A1 に少し変曲点(クリープ性)のあるもの A3 :抵抗率がだらだらと上昇するので、スイッチング
特性が認められないタイプ B1 :変曲点(クリープ性) C :導電性が検出されない 表3において、PTCタイプA1 を示したものは、冷却
時も2〜3℃程度のずれでヒステリシスを示し、160
°Cで2時間耐熱試験をした後も安定なPTC特性を示
した。 <実施例18>Ep−2のエポキシ化合物15部と、E
c−2の硬化剤1.5部の混合物の全量とF−1の球状
導電性カーボン−の42部を撹拌式擂潰機で均質混合し
た。
温度) ρc :抵抗率が急激に上昇し始める時(スイッチング
時)の抵抗率 Tp :抵抗率がピークを示す温度(ピーク温度) ρp :ピーク抵抗率 PTCタイプ A :例えば図2に示したように抵抗率が温度とともに
比較的徐々に上昇するタイプ A1 :例えば図1に示したように抵抗率が温度とともに
急激に上昇するタイプ A2 :A1 に少し変曲点(クリープ性)のあるもの A3 :抵抗率がだらだらと上昇するので、スイッチング
特性が認められないタイプ B1 :変曲点(クリープ性) C :導電性が検出されない 表3において、PTCタイプA1 を示したものは、冷却
時も2〜3℃程度のずれでヒステリシスを示し、160
°Cで2時間耐熱試験をした後も安定なPTC特性を示
した。 <実施例18>Ep−2のエポキシ化合物15部と、E
c−2の硬化剤1.5部の混合物の全量とF−1の球状
導電性カーボン−の42部を撹拌式擂潰機で均質混合し
た。
【0052】「熱可塑性充填剤」としての熱可塑性樹脂
(商品名:ミクロパールMP−4009、Tg55°
C、粒径0.5μm、綜研化学(株))24.8部と、
F−1の球状導電性カーボンの残量(19.9部)を撹
拌式擂潰機で別途均質混合した。両混合物を加え、本発
明の導電性組成物を得た。
(商品名:ミクロパールMP−4009、Tg55°
C、粒径0.5μm、綜研化学(株))24.8部と、
F−1の球状導電性カーボンの残量(19.9部)を撹
拌式擂潰機で別途均質混合した。両混合物を加え、本発
明の導電性組成物を得た。
【0053】このものは、エポキシ化合物と同硬化剤の
合計(Et=Ep+Ec)と熱可塑性樹脂Mpの比率M
p/Et=60/40、樹脂成分の合計体積分率Vpは
59.7%、Vc/Vp=0.675であった。この本
発明の導電性組成物を粗面加工したニッケル箔の間に挟
み、厚さ200μmになるように、150℃で90分加
圧下で加熱して硬化させ、PTC抵抗素子を作成し、実
施例1と同様にして、そのPTC特性を評価した。結果
を図2に示す。
合計(Et=Ep+Ec)と熱可塑性樹脂Mpの比率M
p/Et=60/40、樹脂成分の合計体積分率Vpは
59.7%、Vc/Vp=0.675であった。この本
発明の導電性組成物を粗面加工したニッケル箔の間に挟
み、厚さ200μmになるように、150℃で90分加
圧下で加熱して硬化させ、PTC抵抗素子を作成し、実
施例1と同様にして、そのPTC特性を評価した。結果
を図2に示す。
【0054】図2のグラフによれば、熱可塑性樹脂の利
用により、20℃の初期抵抗抵抗率ρ20=3.7Ωcm
が2倍になる温度T 2ρが115℃と、実施例1と比べ
て低くなり、145℃あたりから抵抗率が徐々に増大
し、155〜160℃で自己発熱のため急激に抵抗率が
増大し、160℃以上で104 Ωcm以上となった。ま
た、160℃で12時間再加熱後のPTC評価、半日間
隔で5回サイクルテストした結果のPTC評価は、いず
れも安定であった。 <実施例19〜実施例48,比較例5〜7>実施例18
と同様にして、種々のエポキシ化合物(Ep−1〜Ep
−9)、硬化剤(Ec−1〜Ec−3)、熱可塑性樹脂
(Mp−1〜Mp−3)及び導電性粒子(F−1〜F−
8)を用いて、所定の配合割合になるように本発明の導
電性組成物を生成した。
用により、20℃の初期抵抗抵抗率ρ20=3.7Ωcm
が2倍になる温度T 2ρが115℃と、実施例1と比べ
て低くなり、145℃あたりから抵抗率が徐々に増大
し、155〜160℃で自己発熱のため急激に抵抗率が
増大し、160℃以上で104 Ωcm以上となった。ま
た、160℃で12時間再加熱後のPTC評価、半日間
隔で5回サイクルテストした結果のPTC評価は、いず
れも安定であった。 <実施例19〜実施例48,比較例5〜7>実施例18
と同様にして、種々のエポキシ化合物(Ep−1〜Ep
−9)、硬化剤(Ec−1〜Ec−3)、熱可塑性樹脂
(Mp−1〜Mp−3)及び導電性粒子(F−1〜F−
8)を用いて、所定の配合割合になるように本発明の導
電性組成物を生成した。
【0055】実施例19〜実施例48,比較例5〜7の
導電性組成物の成分及び配合割合を表5、表6及び表7
に示す。
導電性組成物の成分及び配合割合を表5、表6及び表7
に示す。
【0056】
【表5】
【0057】
【表6】
【0058】
【表7】
【0059】表中、表1及び表2の符号と共通する符号
の意味は、前述したとおりであり、表1及び表2にない
符号の意味は次のとおりである。 Mp−1:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ミク
ロパール MP−4009、Tg55°C、粒径0.5
μm、綜研化学(株)製) Mp−2:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ミク
ロパール MP−1400、Tg128°C、粒径1.
5μm、綜研化学(株)製) Mp−3:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ハイ
パールロー350E,Tg40°C、粒径20μm、根
上工業(株)製) Mp−4:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ハイ
パールM−5001,Tg40°C、粒径50μm、根
上工業(株)製) Mp/Ep:熱可塑性樹脂とエポキシ化合物との重量比 Tp/F:(熱可塑性樹脂+エポキシ化合物+硬化剤)
と導電性粒子との重量比PTC抵抗素子を作成し、その
PTC効果を評価した。結果を表8、表9及び表10に
示す。
の意味は、前述したとおりであり、表1及び表2にない
符号の意味は次のとおりである。 Mp−1:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ミク
ロパール MP−4009、Tg55°C、粒径0.5
μm、綜研化学(株)製) Mp−2:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ミク
ロパール MP−1400、Tg128°C、粒径1.
5μm、綜研化学(株)製) Mp−3:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ハイ
パールロー350E,Tg40°C、粒径20μm、根
上工業(株)製) Mp−4:アクリル樹脂マイクロビーズ(商品名:ハイ
パールM−5001,Tg40°C、粒径50μm、根
上工業(株)製) Mp/Ep:熱可塑性樹脂とエポキシ化合物との重量比 Tp/F:(熱可塑性樹脂+エポキシ化合物+硬化剤)
と導電性粒子との重量比PTC抵抗素子を作成し、その
PTC効果を評価した。結果を表8、表9及び表10に
示す。
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
【表10】
【0063】表中、表3及び表4の符号と共通する符号
の意味は、前述したとおりであり、表3及び表4にない
符号の意味は次のとおりである。 Tc1:抵抗率が温度とともに徐々に上昇し始める温度 ρc1:温度Tc1での抵抗率
の意味は、前述したとおりであり、表3及び表4にない
符号の意味は次のとおりである。 Tc1:抵抗率が温度とともに徐々に上昇し始める温度 ρc1:温度Tc1での抵抗率
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の本発明によれば、熱硬化
性エポキシ樹脂と導電性粒子からなる導電性組成物を混
合して熱硬化させることにより、高温になると抵抗値が
急激に増大するPTC特性を容易に得ることができ、優
れた電気回路保護用PTC抵抗素子を実現することがで
きる。
性エポキシ樹脂と導電性粒子からなる導電性組成物を混
合して熱硬化させることにより、高温になると抵抗値が
急激に増大するPTC特性を容易に得ることができ、優
れた電気回路保護用PTC抵抗素子を実現することがで
きる。
【0065】また、熱硬化性エポキシ樹脂を利用してい
るので耐熱性に優れ、経年使用しても抵抗値変化の安定
したPTC抵抗素子を提供することができる。したがっ
て信頼性の要求される各種電気・電子回路に安心して組
み込むことができる。また、請求項2記載の本発明によ
れば、熱可塑性充填剤(熱可塑性樹脂)の併用により抵
抗率が増大し始める温度を低く設定することができる。
るので耐熱性に優れ、経年使用しても抵抗値変化の安定
したPTC抵抗素子を提供することができる。したがっ
て信頼性の要求される各種電気・電子回路に安心して組
み込むことができる。また、請求項2記載の本発明によ
れば、熱可塑性充填剤(熱可塑性樹脂)の併用により抵
抗率が増大し始める温度を低く設定することができる。
【図1】実施例1のPTC抵抗素子の、抵抗温度特性を
測定した結果を示すグラフである。
測定した結果を示すグラフである。
【図2】実施例18のPTC抵抗素子の、抵抗温度特性
を測定した結果を示すグラフである。
を測定した結果を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】熱硬化性エポキシ樹脂と、平均粒径Dfが
0.5〜50μmの導電性粒子を含む導電性組成物を熱
硬化させたものであり、導電性粒子の体積分率Vcと熱
硬化性エポキシ樹脂の体積分率Vpとの比Vc/Vpが
35/65〜65/35であり、20℃における抵抗率
が10Ωcm以下であり、スイッチング温度以上で10
3 Ωcm以上のピーク抵抗率を示すことを特徴とする電
気回路保護用PTC抵抗素子。 - 【請求項2】(1)熱硬化性エポキシ樹脂、(2)平均
粒径Dfが0.5〜50μmの導電性粒子、(3)平均
粒径Dpが0.1≦Df/Dp≦50である熱可塑性充
填剤を含む導電性組成物を熱硬化させたものであり、前
記導電性粒子の体積分率Vcと、前記熱硬化性エポキシ
樹脂の体積分率と熱可塑性充填剤の体積分率の和Vpと
の比Vc/Vpが35/65〜65/35であり、熱可
塑性充填剤と熱硬化性エポキシ樹脂との重量比Mp/E
pが1/99〜80/20であることを特徴とする電気
回路保護用PTC抵抗素子。 - 【請求項3】前記導電性粒子は、その平均粒径Dfが3
0μm以下で、導電性粒子の粒径40μm以上のものの
体積分率が10%以下である請求項1記載の電気回路保
護用PTC抵抗素子。 - 【請求項4】熱可塑性充填剤が球状粒子である請求項2
記載の電気回路保護用PTC抵抗素子。 - 【請求項5】熱可塑性充填剤のガラス転移点Tgが、0
℃≦Tg≦150℃である請求項2記載の電気回路保護
用PTC抵抗素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15525696A JPH104002A (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 電気回路保護用ptc抵抗素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15525696A JPH104002A (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 電気回路保護用ptc抵抗素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH104002A true JPH104002A (ja) | 1998-01-06 |
Family
ID=15601948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15525696A Pending JPH104002A (ja) | 1996-06-17 | 1996-06-17 | 電気回路保護用ptc抵抗素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH104002A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022145125A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気デバイス |
-
1996
- 1996-06-17 JP JP15525696A patent/JPH104002A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022145125A1 (ja) * | 2020-12-28 | 2022-07-07 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | 電気デバイス |
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