JPH1039197A - 視線検出機能付き光学装置及び視線検出機能付きカメラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度の視線検出を可能にする。 【解決手段】 正立像形成用光学部材１４の最終反射面
を、視線検出に有効な光束範囲１４ｂを除いて遮光面と
し、視線検出用赤外光のみを視線検出手段の構成要素で
ある視線検出センサに導くようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、視線検出を正立像
形成用光学部材を介して行う視線検出機能付き光学装
置、及び、視線検出機能付きカメラの改良に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、視線検出機能を有するカメラは、
米国特許第５２６０７３４号に示される様に、赤外発光
ダイオード（ＩＲＥＤ）の発する赤外光を眼球に当て、
その反射光を接眼レンズ，正立像形成用光学部材，視線
検出用受光光学系を介して視線検出用センサに結像させ
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では、正立像形成用光学部材の最終反射面の視野範
囲全面を可視光反射，赤外光透過のダイクロ面としてい
るため、以下の様な欠点があった。

【０００４】撮影レンズから入射した太陽光（自然光）
に含まれている赤外光が、正立像形成用光学部材の最終
反射面の視野範囲全面から透過し、視線検出用センサに
廻り込み、眼球から反射した視線検出用赤外光と重な
り、視線検出の精度の低下を招いていた。

【０００５】（発明の目的）本発明の目的は、視線検出
用赤外光のみを視線検出用センサに導き、精度の高い視
線検出を行うことのできる視線検出機能付き光学機器及
び視線検出機能付きカメラを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、正立像形成用光学部材の最終反射面を、
視線検出に有効な光束範囲を除いて遮光面とし、視線検
出用赤外光のみを視線検出手段の構成要素である視線検
出センサに導くようにしている。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。

【０００８】図１は本発明の実施の一形態に係る視線検
出機能を有するカメラの要部構成を示す機構図である。

【０００９】同図において、１は実際にフィルム１２に
露光する時を除いて不図示の撮影レンズからの被写体
（反射）光をファインダ系へ導く為のハーフミラー、２
は前記ハーフミラー１で反射された被写体光を結像する
ためのスクリーン、３は前記スクリーン２上の被写体像
を正立像にする為のルーフミラー、４は光束が通過する
両面に反射防止コーティングを施された接眼レンズ、５
は前記接眼レンズ４の近傍に配置され、赤外光を撮影者
の眼に投光し、瞳孔の中心と角膜の表面の反射光（プル
キニエ像）を測定できるようにするための赤外発光ダイ
オード（ＩＲＥＤ）である。６は、前記接眼レンズ４，
後述するｅ面ミラー１４を透過して来た、撮影者の眼か
らの反射光を下方へ反射させるためのミラー、７は視線
検出光学系の絞り、８は視線検出用レンズ、９は視線検
出用のセンサである。

【００１０】１０はファインダ系へ反射されずに前記ハ
ーフミラー１を透過した光束を後述のＡＦ（オートフォ
ーカス）装置１１へ導くためのサブミラー、１１は被写
体像のデフォーカス量に応じて不図示の撮影レンズを合
焦させるためのＡＦ装置、１２は記録媒体であるところ
のフィルムである。１３は、ルーフミラー３，ミラー
６，絞り７，視線検出用レンズ８，視線検出用センサ９
を保持しているホルダーである。１４は、接眼レンズ４
の光軸と撮影レンズの光軸を一致させるための正立像形
成用光学部材の最終反射面であると共に、赤外発光ダイ
オード５で投光され、眼球で反射されて来た赤外光を透
過させる、すなわち可視光反射，赤外光透過のダイクロ
イックミラーとなっているｅ面ミラーである。

【００１１】図２は、上記構成のカメラに具備されたｅ
面ミラー１４を裏面から見た図である。

【００１２】同図において、１４ａはファインダ有効反
射部（視野範囲）であり、１４ｂは視線検出に有効な光
束範囲であり、視線検出に有効な光束範囲１４ｂを除い
た部分（斜線部）には、遮光用の塗装が施されている。

【００１３】上記構成において、撮影者が不図示のレリ
ーズ釦を半押しすると、赤外発光ダイオード５より赤外
光が撮影者の眼球に投光される。そして、この赤外光の
眼球での反射光は、光軸両面に反射防止コーティングの
施された接眼レンズ４を透過し、ルーフミラー３内に入
射する。さらに、その反射光はルーフミラー３に取り付
けられたｅ面ミラー１４を透過した後、ミラー６により
撮影光軸側（下方）へ折り曲げられ、視線検出光学系の
絞り７，視線検出用レンズ８を介して、視線検出用セン
サ９上に導かれ、ここに眼球像が結像される。

【００１４】そして、前記視線検出用センサ９の出力に
基づいて、撮影者の視線位置が公知の方法によって割り
出される。

【００１５】この時、不図示の撮影レンズから入射した
撮影光束のうち一部の光束もハーフミラー１で反射して
被写体光を結像するスクリーン２を透過し、ルーフミラ
ー３内に入光し、ファインダ像を形成するが、この際撮
影光束に含まれている赤外光も同様にルーフミラー３内
に入光しており、ｅ面ミラー１４の視野範囲全面を透過
し、視線検出用センサ９へ廻り込もうとするが、ｅ面ミ
ラー１４の裏面に施されている遮光用塗装により殆どの
光束がカットできる為、眼球から反射した赤外光のみが
ｅ面ミラー１４を透過し、前記視線検出用センサ９へ導
かれるので、前述の視線検出精度は大幅に向上すること
になる。

【００１６】また、撮影光束のもう一部の光束は、ハー
フミラー１を透過し、サブミラー１０によりＡＦ装置１
１へ導かれる。この時、上記視線検出の結果、割り出さ
れた視線位置の被写体像が合焦となるようにＡＦ装置１
１により不図示の撮影レンズが駆動され、焦点合わせが
行われる。

【００１７】更に、撮影者がレリーズ釦を全押しする
と、ハーフミラー１は撮影光路から退避し、サブミラー
１０も前記ハーフミラー１に連動して撮影光路から退避
する。そして、この状態で不図示のシャッタ幕が制御さ
れ、フィルム１２への露光動作が為される。

【００１８】上記実施の形態によれば、正立像形成用光
学部材の最終反射面であるｅ面ミラー１４の、視線検出
に有効な光束範囲以外を遮光するようにしている為、撮
影レンズから入射した自然光に含まれている赤外光の視
線検出用センサ９の廻り込みを防止でき、眼球から反射
した視線検出用赤外光のみで視線検出が可能となり、高
精度な視線検出を行うことができる。

【００１９】（変形例）本発明は、一眼レフカメラに適
用した例を述べているが、ビデオカメラや電子スチルカ
メラ等の映像装置にも適用可能である。更には、顕微鏡
やヘッドマウントディスプレイ装置やゲーム機等の光学
装置にも適用可能である。その他の光学機器や他の装
置、更には構成ユニットとしても適用することができる
ものである。

【００２０】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
正立像形成用光学部材の最終反射面を、視線検出に有効
な光束範囲を除いて遮光面とし、視線検出用赤外光のみ
を視線検出手段の構成要素である視線検出センサに導く
ようにした為、精度の高い視線検出を行うことが可能に
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態に係る視線検出機能を有
するカメラの要部構成を示す機構図である。

【図２】図１のｅ面ミラー１４の裏面図である。

【符号の説明】

１ ハーフミラー ４ 接眼レンズ ５ ＩＲＥＤ ７ 視線検出用絞り ８ 視線検出用レンズ ９ 視線検出用センサ １４ ｅ面ミラー １４ａ ファインダ有効反射部 １４ｂ 視線検出に有効な光束範囲

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 観察者の視線を検出する視線検出手段を
   備え、視線検出を正立像形成用光学部材を介して行う視
   線検出機能付き光学装置において、 前記正立像形成用光学部材の最終反射面を、視線検出に
   有効な光束範囲を除いて遮光面としたことを特徴とする
   視線検出機能付き光学装置。
2. 【請求項２】 撮影者の視線を検出する視線検出手段を
   備え、視線検出を正立像形成用光学部材を介して行う視
   線検出機能付きカメラにおいて、 前記正立像形成用光学部材の最終反射面を、視線検出に
   有効な光束範囲を除いて遮光面としたことを特徴とする
   視線検出機能付きカメラ。