JP2015043047A - 視線解析手段を有する表示媒体 - Google Patents

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智子 嶋田
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Abstract

【課題】視線データの誤差や、偏り、攪乱を生じることのない視線解析手段30を有する表示媒体100を実現することを課題とする。
【解決手段】画像表示手段20と視線解析手段30と前記画像表示手段20と対峙する透明体からなる表面板10を有している表示媒体100であって、前記表面板10は、前記画像表示手段20の表示面20fと対峙する一方の面及び該表示面20fとは反対方向を向いた他方の面1fとを有する透明基板1からなり、少なくとも該表面板10の他方の面1f上には、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されており、隣接する前記微小突起の平均突起間距離が、可視光波長帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体100とする。
【選択図】図1

Description

本願発明は、人物(観察者)の視線を計測する視線解析手段を有する表示媒体に関するものである。特に、日光や電燈光等の外光の映り込みによる視線データの偏りや攪乱を低減できる視線解析手段を有する表示媒体に関する。
視線解析は、人の眼球の動きを記録して分析する調査手法であり、アイトラッキング(Eye Tracking)とも呼ばれ、印刷物やウェブサイト画面などを見るときの眼の動きを調べることで、人の判断に与える影響について探る手法の一つである。このような視線解析を実現する手段として視線解析手段は、アイトラカーとも呼ばれ、評価対象物を見る人物の視線を推定・追跡し、評価対象物への視線を解析する手段である。評価対象物への見る人の視線を計測、評価することで、注視の度合いや関心の度合いを解析し、生活者の購買動向を評価分析することなどに応用することが知られている。
視線を推定、追跡する視線解析手段としては、さまざまな方式が存在し、被測定者への負担の軽減、視線の正確な測定、測定精度及び信頼性の向上を目指して多数の異なる技術が開発されてきた。
例えば、特許文献1には、挟帯域に同調可能な光源と、前記光源を変調周波数で変調する変調手段と、光検出器と、前記光検出器がユーザの目の角膜から返される光と網膜から返される光とにより形成される干渉縞を計測するために、変調された光を前記光源から前記ユーザの目まで通しかつ前記角膜及び前記網膜から前記光検出器へと返される光を反射させる走査手段と、ユーザの注視方向を表す出力信号を発生するために、前記ユーザの目の前記角膜及び前記網膜から返された光の間に計測された干渉縞を処理するべく前記光検出器へ接続された信号処理手段とを有する視線追跡システムが記載されている。
また、特許文献2には、少なくとも1人の対象者の少なくとも1個の眼を自動的に登録しトラッキングするシステムであって、空間的に分布した光を登録しそこから生じるプライマリデータを生成するよう構成されたイメージセンサと、前記少なくとも1人の対象者を含むシーンから反射された入射光を受光し少なくとも前記入射光の一部を前記イメージセンサへ導くよう構成されたレンズ構造とを含み、基本光伝達機能を有する光学系と、前記プライマリデータに基づいてアイトラッキングデータを得るよう構成された処理部とを備え、前記光学系はさらに前記少なくとも1人の対象者と前記イメージセンサとの間に配されたマスクを備え、前記マスクは前記基本光伝達機能を空間の1点から前記イメージセンサのセンサ面の1つ以上のセンサ要素に画像を展開するよう構成される強化光伝達機能に変更するよう構成され、前記強化光伝達機能は実質的に前記光学系と前記少なくとも1人の対象者との間の未知の距離の変化量に対して前記基本光伝達機能よりも感度が低く、前記処理部は、前記プライマリデータを受信し、前記プライマリデータを処理して、そこから生じる、前記少なくとも1個の眼の位置推定および前記少なくとも1個の眼の視線方向のうち少なくとも一方を表すアイトラッキングデータを生成するよう構成されることにより特徴付けられたシステムが記載されている。
また、被験者の側に検出装置を備える形態として、特許文献3に、基準画像と、座標情報と特徴量を含む基準特徴点データと、を記憶する記憶手段と、視線追跡メガネからシーン画像データとシーン画像上の注視点座標情報を含む注視点データを受信する受信手段と、シーン画像データからシーン特徴点を検出して、シーン特徴点の特徴量を抽出して、シーン特徴点データを作成する特徴点抽出手段と、基準特徴点データの特徴量と、シーン特徴点データの特徴量を用いて、類似度を判定し、最も類似度の高い基準特徴点とシーン特徴点の組合せを求める特徴点組合せ手段と、組み合わされた基準特徴点データの座標情報とシーン特徴点データの座標情報に基づいて、座標変換行列を算出する座標変換行列算出手段と、算出した座標変換行列とシーン画像上の注視点座標情報に基づいて、シーン画像上の注視点を基準画像上の座標情報に変換する注視点写像手段と、変換された基準画像上の座標情報に基づいて、注視点マークを生成して、基準画像に合成する画像合成手段と、を備えることを特徴とする視線分析装置が記載されている。
特許第3480793号公報 特表2009−512009号公報 特開2013−81762号公報
近年、視線解析手段の精度は、撮像装置の高性能化、演算装置の高性能化も相まって、十分に実用のレベルに到達したと言っても差し支えない。現実に、これらの情報を反映して表示媒体の効果を測定しフィードバックする広告媒体の作製、視線解析手段の結果に応じて表示内容を変化させる効果的な広告媒体等の試みも現実のものとなっている。
しかしながら、視線解析手段を有する表示媒体の適用範囲が広がるとともに、視線追跡手段を用いて広告等の表示媒体への視線の追跡、及び、そのデータの解析を行う際に、画像表示手段の表示面における日光、電燈光など外光、広告照明光による映り込みによる視線データの誤差やデータの偏りや攪乱が無視しえない問題として明らかになってきた。
すなわち、本来注目すべき表示情報が表示されている部分に、映り込みが生じ、読取が困難になることによって、視線は、本来注目すべき表示情報が表示されている部位とは異なる場所に移動したり、表示媒体の表示面上を彷徨したり、甚だしい場合には、広告媒体から視線が外れてしまう。
このような映り込みは、特に画面表示手段の保護等を目的として画面表示手段の表示面の全面に硝子や樹脂からなる保護板などの表面板を設けた場合に顕著となります。
本願発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、視線データの誤差や、偏り、攪乱を生じることのない視線解析手段を有する表示媒体を実現することを課題とする。
以上の状況を鑑み、鋭意研究開発を進め、本願発明の請求項1は、画像表示手段と視線解析手段と前記画像表示手段と対峙する透明体からなる表面板を有している表示媒体であって、前記表面板は、前記画像表示手段の表示面と対峙する一方の面及び該表示面とは反対方向を向いた他方の面とを有する透明基板からなり、少なくとも該表面板の他方の面上には、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、隣接する前記微小突起の平均突起間距離が、可視光波長帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体である。
加えて、本願発明の請求項2は、請求項1において、更に、前記画像表示手段の前記表示面と対峙している前記表面板の一方の面にも、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体である。
加えて、本願発明の請求項3は、筐体内部に光源、視線解析手段、及び画像表示手段を有する表示媒体であって、筐体の一面に設けられた開口部に表面板が設けられており、前記表面板の両面は、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体である。
加えて、本願発明の請求項4は、微小突起を構成する材料は、平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のいずれかの視線解析手段を有する表示媒体である。
請求項1に記載の発明によれば、視線解析手段を有する表示媒体において、視線データの誤差や、偏り、攪乱を生じることのない視線解析手段を有する表示媒体を供給することが可能となる。
本願発明の一実施形態である第一の形態の模式図である。 本願発明の一実施形態である第二の形態の模式図である。 図1、図2、図4、図5に示したAの部位の拡大図である。 本願発明の一実施形態である第三の形態の模式図である。 本願発明の一実施形態である第四の形態の模式図である。 ドロネー図を示す図である。
以下、本願発明の実施形態について、図面を用いて以下に詳しく説明する。なお、本願発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本願発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
まず、図1、図2、図4、図5に本実施形態の視線解析手段を有する表示媒体100を例示する。本実施形態の表示媒体100は、画像表示手段20と視線解析手段30と前記画像表示手段20と対峙する透明体である表面板10とを有している。前記表面板10は透明基板1からなり、該透明基板1は前記画像表示手段20の表示面20fと対峙する一方の面1rと表示面20fとは反対方向を向いている他方の面1fとからなる。前記表面板10の他方の面1fは、図1、図2、図4、図5のA部分の拡大図である図3に示したように、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されており、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である事を特徴とする視線解析手段30を有する、表示媒体100である。
本実施形態において、可視光の波長帯域は個人差、照明条件等にも多少依存するが、通常、380〜780nmとされ、本発明ではこれにならう。即ち、可視光波長帯域の最短波長は380nmとする。また、隣接する微小突起3の間隔とは、後述する間隔dから算出される平均突起間距離Daveを指し示す。
[画像表示手段]
本実施形態において、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20を有している。画像表示手段20は、表示面20fに観察者60の観察対象となる文字や記号などを含む画像などの表示情報20gを表示するものである。同時に、画像表示手段20の表示面20fに表示された表示情報20gは、視線解析手段30の解析対象であり評価対象物となる。
具体的には、画像表示手段20は、紙、織布、不織布、樹脂フィルム等の表面にインキ、塗料等で表示情報20gを形成した手書きのポスターや印刷物でもよく、映写幕の前面または背面から文字や映像を投射する物であってもよく、また、液晶表示装置、プラズマ表示装置、電子ペーパー、或いは有機又は無機電界発光表示装置などの電子表示装置であってもよい。
画像表示手段20に表示される表示情報20gとしては、観察者60が視認可能な情報であれば限定されるものではない。典型的には、文字や記号、数字、図面、人物、風景、各種コンピュータグラフィックス等の映像、及びこれらの組み合わせなどでよい。表示される具体的情報としては、広告宣伝、標語、注意事項、地図、案内情報、避難経路、ニュース(報道記事)、絵画、風景、人物像等が挙げられる。さらに、電子表示装置などの書き換え可能な画像表示手段であれば、静止画像を表示させてもよいし、動画を表示させてもよい。さらに、ある条件で静止画像や動画を差し替えて表示させてもよい。また、これらを組み合わせた物であってもよい。
[視線解析手段]
本実施形態において、表示媒体100は、視線解析手段30を有する。視線解析手段30は、観察者60(図1等では、簡略化して、眼の片側面のみを図示している)が、評価対象物である画像表示手段20の表示面20fに表示された表示情報20gのどの位置を目視しているか画像表示手段20を見る人物の視線を推定・追跡し、評価対象物への視線を解析する手段である。
視線解析手段30は、視線の解析するために、どのような情報を利用するか、また、その情報を用いてどのように解析するかによって、さまざまな方式が存在しており、それらの方式に応じた様々な装置が提唱されている。本実施形態においては、特に限定するものではない。
いずれの方法においても基本は、観察者60の眼の動きを追跡し、観察者60の眼の動きから視線の着眼点の座標を特定し、その滞留時間や軌跡といったデータを記録するものである。表示情報20gのどの部分からどの部分へ視線が移ったか(軌跡)、また、その部分を何秒間見たか(滞留時間)を解析することによって、例えば、「重要な写真やフレーズがあまり見られていない」「見られていても滞留時間が短く関心を引くことができていない」といった事実を類推することが可能となる。
本実施形態における視線解析手段30は、一例として、撮像装置31と演算装置32から構成することができる。撮像装置31は解析に必要な観察者60の眼を含む情報(画像)もしくは、観察者の視線に映るものの情報(画像)を取得するための装置であり、一般にはビデオカメラ、スチルカメラなどが流用される。演算装置32は、これら撮像装置31から得られた情報を、それぞれ使用される視線解析手法に合わせて計算し視線位置の情報を得る装置であり、通常コンピュータが使用される。視線情報の表示や活用のための機能を含む場合も多い。
視線解析手段30を形成する、撮像装置31と演算装置32は、一体に形成される場合もあれば、別々に設けられている場合もある。特に撮像装置31が観察者の視線に映る情報を取得する必要がある場合には、撮像装置は、眼鏡などに形状をとって観察者60の頭部に設ける場合が多く、演算装置32とは、有線もしくは無線にて情報交換可能としたうえで別々に設けられる場合が多い。
このような構成をとる視線解析手段30の一つは、特許文献1、特許文献2に記載されているようにテレビカメラに代表される撮像装置31を、観察者60と独立して設けて、観察者60の眼を含める観察者60の画像を取得して演算装置32によって視線を解析する構成である(図1、図4、図5)。
また、このような構成をとる視線解析手段30のもう一つは、特許文献3に記載されているように、テレビカメラに代表される撮像装置31を、観察者60に取り付け、観察者の目の動き、又は、観察者の視界に模した映像を取得して演算装置32によって視線を解析する構成が知られている。
本実施形態において、表示媒体100が、視線解析手段30を有するとは、視線解析手段30と視線解析手段30の解析対象としての画像表示手段20が解析可能に存在していればよく、必ずしも画像表示手段20と視線解析手段30とが物理的に一体のパッケージとして形成されている必要はない。
[表面板]
本実施形態において、表示媒体100は、画像表示手段20の表示面20fと対峙する透明体である表面板10を有する。前記表面板10は図1の如く透明基板1を含む。透明基板1は前記画像表示手段20の表示面20fと対峙する一方の面1rと、前記画像表示手段20の表示面20fとは反対方向を向いている他方の面1fとなら成る。そして、少なくとも、前記透明基板1の他方の面1fに、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されており、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である構成である。
このような構成とすることで、視線解析手段30を有する表示媒体100は、観察者60の眼に入る日光や電燈光等の外光に由来する映り込みが大幅に減じる為、視線データの誤差や、偏り、攪乱を低減できる視線解析手段30を有する表示媒体100とすることができる。
すなわち、従来の表示媒体は、映り込みが生じないように十分検討さえた特殊な環境でない限り、多くの場合、表示情報20gを観察者60が見た場合に太陽光、電燈光など外部光源による映り込みが生じることは避けがたい。例えば、広告媒体として公衆の空間に設置する場合には、さまざまな制約から設置可能な場所も限定されるため、映り込みに対する考慮が可能な場合はまれである。このような映り込みの存在は、観察者が表示情報20gを目視する際に阻害要因となり、映り込みに気をとられて視線が映り込みに集中してしまう、もしくは映り込みの下にある表示情報20gを確認し難いため、本来であれば最も注視すべき情報が記載されている部位であるにも関わらず他の読みやすい部位に視線が移動するといった。ことにより本来表示情報20gによってもたらされるべき視線データに大きな誤差や、偏り、攪乱を生じることとなる。
一方、本実施形態の表示媒体は、前記表面板10の他方の面1f上に、微小突起3が密接して配置され、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である微小突起群2が形成されていることにより、映り込みは、ほぼ観察者60が認識する必要がないレベルまで低減されるため視線データに大きな誤差や、偏り、攪乱を大幅に低減することができる。
視線解析手段30を有する表示媒体100において、画像表示手段20と観察者60の間に画像表示手段20の保護を目的として保護板を設ける場合が多い。このような場合には、表面板10に保護板の役割兼ね備えることにより、表示媒体100として見た際に表示面20fと観察者60の間に映り込みが生じる面が減少して好適である。
さらに、画像表示手段20の表示面20fと対峙している透明基板1の一方の面1rにも、他方の面1fと同様の微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2を形成してもよい。このような構成とすることで、図4、図5のように視線解析装置30の撮像装置31が表面板10を通して観察者60を撮影することにより視線データを取得するばあいに設営された映像に表面板10の一方の面1rに生じる映り込みをとらえることがなくなるので視線データの精度の向上に貢献し好適である。
特に、図5に記載したように表示媒体100が筐体50により包囲されてなり、該筐体50の内部に表示情報20gを照らすための光源40が設けられている場合には、透明基板1の一方の面1fに光源40による映り込みを生じやすく、一方の面1fへも微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2を形成することにより視線データの精度向上に貢献する。
本実施形態における表面板10は、透明体であり、本実施形態において、光、特に可視光領域の波長(380nm以上780nm以下)の光を透過する固体の透明基板1に、微小突起群2を形成したものを示している。可視光領域における透過率は、分光透過率が80%以上のであることが望ましい。前記分光透過率は、例えば分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて測定することができる。
(透明基板)
本発明に用いられる透明基板1の材料は、用途に応じて適宜選択することができ、透明であれば特に限定されない。前記透明基板1に用いられる材料としては、例えばTAC(Triacetyl cellulose)、等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の無機材料、及びこれらの複合材料等が挙げられる。
透明基板1と微小突起群2が一体となって形成される場合は、透明基板1の材料としては、例えば、熱可塑性樹脂や後述する微小突起形成用の樹脂組成物を用いることができる。
また、前記透明基板1は、シートであってもフィルムであってもよく、また、巻き取れるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常10〜5000μmである。
本発明に用いられる透明基板1の構成は、単一の層からなる構成に限られるものではなく、複数の層が積層された構成を有してもよい。複数の層が積層された構成を有する場合は、同一組成の層が積層されてもよく、また、異なった組成を有する複数の層が積層されてもよい。
微小突起群2が、透明基板1とは別の材料からなる微小突起層として形成される場合は、層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の基材表面性能を向上させる点から、透明基板1上に中間層を形成してもよい。
本発明に用いられる透明基板1は、その可視光領域における透過率は、分光透過率が80%以上の透明基板1を用いることが望ましい。前記分光透過率は、例えば分光光度計(島津製作所製、UV−3100PC)を用いて測定することができる。
(微小突起群)
本実施形態において、微小突起群2は、図3に示したように微小突起(3u、3v、3w・・・)が密接して配置されることにより形成されており、隣接する前記微小突起3u、3v、3w・・・)の間隔dから算出される平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である。
「微小突起」における「微小」とは、「微小突起」の平均突起間距離Daveが可視光の最短波長λminに対して、Dave≦Λminとなる小ささを意味する。
本発明においては、前記の如く、可視光の最短波長Λminは380nmとする。この条件は、可視光波長帯域の最短波長Λmin以上の波長の光に対しては、微小突起群2それ自体として映り込み防止効果を奏する条件である。この結果、微小突起3の集合体である微小突起群2それ自体は、可視光及び可視光よりも長波長の赤外光に対する反射防止性能を有するものとなる。
従って平均突起間距離Daveは、380nm以下であることが好ましく、表面板10の法線方向から45度以上の角度である斜め方向から見た場合の白濁(斜めヘイズ)が低減され観察者60による視線挙動への影響がより少なくなる点からは平均突起間距離Daveは200nm以下とすることがより好ましい。平均突起間距離Daveが380nm超過であると、観察者によっては、表示情報20gの色彩が実物とは異なって見える場合があるからである。又、十分な反射防止性能の発現及び製造の容易性の点から、平均突起間距離Daveは50nm以上とすることが好ましい。
(平均突起間距離Daveとその計測法)
平均突起間距離Daveとは、微小突起3が、その配置に一定の周期で規則的配列をしている場合には、その配列周期に等しい。(図3)
本実施形態においては、微小突起3は一定の配列周期を持たない。したがって、個々の微小突起3に注目すると、その微小突起3の周囲に隣接して配置される微小突起3との距離は一定ではなく、ばらつきを有する。このように、隣接する微小突起3同士の間の距離が一定ではなく、ばらつきを有するときは、特定の隣接する2つの微小突起3同士の間の距離dの「平均的な値」を、「平均突起間距離Dave」とする。より具体的には、本発明においては、有限の個数の微小突起3についてみた有限の個数の個々の突起間距離dから、統計的手法を用いて、「平均突起間距離Dave」を定義する。以下、その説明をする。
(1)先ず、微小突起群2について、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope;AFM)、或いは走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて、微小突起群2における微小突起3の配置を検出する。
本実施形態においては、微小突起3の配置の検出に、原子間力顕微鏡を用いたが、本発明においては、これ以外の検出方法を採用してもよい。
微小突起3の配置を検出する領域の面積は、微小突起群2に要求される映り込み防止機能に関与する平均突起間距離Daveを、統計的手法で算出される平均値に対して許容される誤差範囲内で算出し得る程度以上の微小突起3の計測個数となる面積であれば十分である。例えば、微小突起3の個数で言えば200個以上、より高精度とするならば、500個以上とするとよい。
(2)続いてこの求められた面内配列から各微小突起3の高さの極大点3p(以下、単に極大点3pと称する。)を検出する。なお極大点3pを求める方法としては、平面視形状と対応する断面形状の拡大写真とを逐次対比して極大点3pを求める方法、高さ情報を含む平面視拡大写真の画像処理によって極大点3pを求める方法等、微小突起3の配置を検出した高さ情報を含む画像データ(画像中では高さを表示した三次元座標データ)を、画像処理することによって求める方法等、種々の手法を適用することができる。本実施形態においては、高さ情報を含む画像データの画像処理により求めたが、本発明においては、これ以外の方法によってもよい。
図6は微小突起3よりなる微小突起群2を模式的に示す平面図である。同図は、表面板10の面に対してその法線方向から微小突起群2を観察したときの平面視の図面である。図6では、極大点を符号3pで表記すると共に微小突起3に黒点を付して図示してある。同図は説明のための概念図であるので、微小突起3の平面視形状は円で示してあるが、実際の微小突起3の平面視形状はこの限りではない。
高さの基準となる基準高さは任意である。ただし、微小突起3の谷部を連結する部分の高度にうねりが存在する場合は、うねりを除去した高さを基準高さとする。うねりが存在すると、平均突起間距離Daveの寸法に比べて表面板10の面に平行な方向で大きな寸法で、微小突起3の極大点3pの基準高さとの高度差ではない絶対高度が変化する。うねりの除去は、例えば、微小突起3間の谷底の高度について、複数の谷底の高度の平均値が収束するに足る面積の中で算出し、この平均値の高度を基準高さとする。前記平均値を算出する面積の領域を移動させることで、前記面積よりも大きい面積におけるうねりを除去した基準高さを得ることができる。
(3)次に、検出した極大点を母点とするドロネー図(Delaunary Diagram)を作成する。ドロネー図とは、各極大点3pを母点としてボロノイ分割を行った場合に、ボロノイ領域が隣接する母点同士を隣接母点と定義し、各隣接母点同士を線分3Lで結んで得られる三角形の集合体からなる網状図形である。各三角形は、ドロネー三角形と呼ばれ、各三角形の辺は、隣接母点同士を結ぶ線分に該当し、ドロネー線3Lと呼ばれる。図6は、ドロネー図のドロネー線3Lを白い線分3Lとして示してある。ドロネー線3Lの長さが、隣接する極大点3p同士の間の距離であり、これを、「隣接極大点間距離」と呼ぶことにする。尚、2つの微小突起3の極大点3pが1つのドロネー線の両端に属する場合、即ち2つの微小突起の極大点3p同士が互いに隣接する場合、これら2つの微小突起3同士を互いに隣接する微小突起と呼称する。
微小突起群2を構成する微小突起3のなかに、後述する一つの微小突起3が複数の極大点を有する多峰性微小突起が存在しないときは、「隣接極大点間距離」が、「平均突起間距離Dave」を統計的に算出する元になる平均化前の「突起間距離d」でもある。
(4)次に、隣接極大点間距離の度数分布を求める。
なお、微小突起3の中には、その頂部に複数の極大点3p(頂点)を有する多峰性微小突起が存在することがある。多峰性微小突起が存在すると、1つの微小突起が複数の極大点3pを与えることになり、微小突起3の個数と、極大点3pの個数とが一致しなくなる。
そこで、平均突起間距離Daveの算出にあたって、多峰性微小突起が存在するときは、次のようにして、多峰性微小突起に起因する隣接極大点間距離を除外するとよい。
1つの多峰性微小突起について、その1つの多峰性微小突起に属する複数の極大点同士から得られる隣接極大点間距離は、複数の単峰性微小突起から得られる隣接極大点間距離とは、明らかに大きく異なる小さな値となる。そこで、5〜20個程度の互いに隣接する単峰性微小突起を選んで標本抽出して、この標本抽出した中での隣接極大点間距離の複数の値の数値範囲から、小さな方向に明らかに外れる値を除外する。例えば、標本抽出した中での隣接極大点間距離の平均値の1/2以下の値を除外する。
尚、其の頂部に極大点が1個のみ有する微小突起を単峰性微小突起と呼称する。
(4)次に、隣接極大点間距離の度数分布から、平均突起間距離Daveを算出する。
(最大突起間距離Dmax)
隣接極大点間距離が分布を有するとき、換言すると、微小突起3の配置に周期性がなく、ばらつきを有するときは、下式で算出する最大突起間距離Dmaxが、可視光の最短波長Λminに対して、Dmax≦Λminであることがより好ましい。微小突起群2それ自体について、その映り込み防止性能がより効果的に発揮され、より確実に得ることができるからである。
最大突起間距離Dmax=Dave+2σ
(σは標準偏差である。)
(平均突起高さHaveとその計測法)
平均突起高さHaveは、個々の微小突起3の高さhの平均値である。平均突起高さHaveは、上述した平均突起間距離Daveと同様の手法で算出することができる。例えば、平均突起間距離Daveの算出に用いた原子間力顕微鏡の画像データの元になった三次元座標データから、個々の微小突起3の極大点の高さhを求め、この高さhから、平均突起高さHaveを算出することができる。
なお、多峰性微小突起が存在するときは、多峰性微小突起が有する複数の極大点の中で高度が最も高い極大点を、当該多峰性微小突起の高さhとして計測するとよい。
平均突起高さHaveは、150nm以上であることが好ましい。平均突起高さHaveが上記値未満であると、表面板10による映り込み防止性が充分に得られないことがあるからである。
前記微小突起3のアスペクト比(平均突起高さHave/平均隣接突起間距離Dave)は、特に限定されないが、0.4〜2.5であることが好ましく、0.8〜2.1であることが特に好ましい。
また、前記微小突起群2を構成する各微小突起3は、透明基板1に植立するように形成され、その形状は、特に限定されないが、中でも、得られる表面板10の撥水撥油性及び反射防止性能が向上する点から、当該微小突起3の深さ方向と直交する水平面で切断したと仮定したときの水平断面内における当該微小突起3を形成する材料部分の断面積占有率が、当該微小突起3の頂部から最深部方向に近づくに従い連続的に漸次増加する構造、すなわち各微小突起が先細りとなる構造を有するものが好ましい。このような微小突起3の形状の具体例としては、半円状、半楕円状、三角形状、放物線状、釣鐘状等の垂直断面形状を有するものが挙げられる。複数ある微小突起3は、同一の形状を有していても異なる形状を有していてもよい。
(微小突起3の形成方法)
本発明においては、表面板10を構成する微小突起3の形成方法としては特に制限はなく、公知の方法によって形成することができる。例えば、微小突起3の形成方法には、電離放射線硬化性樹脂を用いた2P法(フォトポリマー法とも言う)を利用することができ、熱硬化性樹脂を用いる場合には熱プレス法(エンボス加工)などを利用することができ、熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱プレス法、射出成形法、押出し成形法などを利用することができる。
本実施形態においては、アルミニウムの陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しにより成形型を作成し、この成形型で紫外線硬化性樹脂と2P法を用いて、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂層の表面に微小突起3を形成した。
(微小突起を構成する材料)
上述の実施形態のように、微小突起3を構成する賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用する場合には、微小突起の構成材料として、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の各種紫外線硬化性樹脂が利用できる。また、微小突起3の形成方法に応じて、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電子線硬化性樹脂、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦型用樹脂を使用する場合にも広く適用することができる。さらには例えば加熱溶融したポリオレフィン系、ポリカーボネート系等の熱可塑性の樹脂を押圧して賦型することによっても形成が可能である。
また、上述の実施形態では、図1等からもわかるように、透明基板1の一方の面上に受容層(紫外線硬化性樹脂層)を積層してなる積層体の該受容層上に微小突起群2を賦形し、該受容層を硬化せしめて微小突起群2を形成している。層構成としては2層の積層体となる。但し、本願発明は、かかる形態のみに限定される訳では無い。本願発明の微小突起群2は、図示は略すが、透明基板1の一方の面上に、他の層を介さずに直接、微小突起群(3、3u、3v、3w、・・)を賦形した単層構成であっても良い。或いは、透明基板1の一方の面に1層以上の中間層(層間の密着性、塗工適性、表面平滑性等の基材表面性能を向上させる層。プライマー層、アンカー層等とも呼称される。)を介して受容層を形成し、該受容層表面に微小突起群を賦形した3層以上の積層体であっても良い。
更に、上述の実施形態のうち、図1に図示の如き実施形態では、透明基板1の他方の表面1f上にのみ(直接或いは他の層を介して)微小突起群2を形成しているが、本願発明はかかる形態には限定されない。図4に図示の如く透明基板1の一方の表面1r及び他方の表面1fの両面上に(直接或いは他の層を介して)各々微小突起群2を形成した構成であっても良い。
本実施形態における微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下であることが好ましい。
θ/2法による水の静的接触角とは、被測定表面上に水を滴下して生じた液滴の平面視に於ける半径をr、被測定表面から液滴の頂点迄の高さをh、水の静的接触角をθとしたときに、
θ/2=arctan(h/r)
の関係が有ることを用いて求めた水の静的接触角である(勿論、斯かる関係式は水以外の液体の接触角に対しても適用出來る)。
即ち、
水の静的接触角θ=2arctan(h/r)
である。以下、これを単に水の接触角、或いは水接触角とも呼称する。
従来から、表面に微細凹凸が存在する粗面の水接触角の挙動、特に平坦面との差異については各種研究がなされており、Wenzelの式及びCassie−Baxterの式が知られている。これらの式から得られる知見によれば、同じ物質に於いて表面粗さを各種変えた場合、粗面の水接触角は平坦面に比べて、表面の水接触角の大小、即ち表面の親水性乃至疎水性が極端化することが知られている。具体的には、平坦面に於ける水接触角90°が臨界値となり、
平坦面に於ける水接触角θ>90°
となる弗素系樹脂、珪素系樹脂等の疎水性の物質の表面は、極端に接触角が大きくなり、例えば、平坦面の水接触角100°の場合に粗面の水接触角が150°と超疎水性(撥水性)となる。
一方、
平坦面に於ける水接触角<90°
となるセルロース系樹脂等の親水性の物質の表面は極端に接触角が小さくなり、例えば、平坦面の水接触角60°の場合に粗面の水接触角が7°と超親水性となる。
尚、此処で、平坦面とはJIS B0601(1994年)規定の10点平均粗さRzが50nm以下である表面を言う。
但し、本発明の如く、
微小突起の平均突起間距離Dave≦可視光線帯域の最短波長Λmin
である微小突起群が形成された表面について、本発明者らが測定、確認したところ、同様な臨界的効果が発現するものの、その臨界値は従来の知見とは異なり、
平坦面に於ける水接触角=70°
となることが判明した。
微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下とすることで、雨等の水濡れや、結露による表面板10の観察者側の面(他方の面1f)の曇りを防止し、視線データの誤差や、偏り、攪乱を大幅に緩和できる。
すなわち、微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下であると微小突起群2の形状と相まって、微小突起群2の表面は、水接触角≦10°の超親水状態となる。従って、屋外に設置した際の雨や、結露に生じる水滴は、微小突起群2の表面に急速に広がることによって、観察者60の視線や撮像装置31にて認識されることが無くなる。これは塗布した表面は親水化されているため、水蒸気により塗膜表面に付着した水滴は濡れ広がり、塗布面側は曇りを発生しないという親水化塗膜の機能に起因している。微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以上となると一転して水接触角≧120°の超撥水状態となるため水滴は、球状となり速やかに落下するが、この際に観察者60の視線や撮像装置31にて認識される。従って、微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下である場合に比べて、雨等の水濡れや、結露による視線データの誤差や、偏り、攪乱の緩和は限定的である。
本実施形態に於いては、下記の樹脂組成物を紫外線照射によって架橋、硬化せしめた樹脂から微小突起群2を構成した。この樹脂は、10点平均粗さRz=10nmの平坦面に於ける水接触角が42°となるものである。そして、此の樹脂を用いて、表面に平均突起間距離Dave=153μm、平均突起高さHave=181nmの微小突起群を形成した状態に於ける水接触角は7°であった。
〔微小突起群を構成する樹脂組成物〕
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・メチルメタクリレート 5質量部
・ヘキシルメタクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
なお、本実施形態において、静的接触角の測定は、微小突起3と同一材料にて形成した微小突起を形成していない平坦面のサンプルについて測定するものであり、静的接触角は、測定対象物の表面に静的接触角を測定しようとする液体(純水)の1.0μLの液滴を滴下し、着滴1秒後に、滴下した液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から前記式にて静的接触角を算出するθ/2法に従って測定した静的接触角とする。ただし、1.0μLの液滴を測定対象物の表面に接触させても表面に液滴が残らない場合は、3.0μLの液滴を滴下する。測定装置としては、例えば、協和界面科学社製 静的接触角計DM 500を用いることができる。
材料自体の有する低水接触角に由来する以上に、更に、微小突起の水に対する接触角を低減(親水化)する場合は、微小突起群2もしくは微小突起群2形成した表面板10を酸素供給下でプラズマエッチングすることによって実現できる。また、光触媒作用を有する酸化チタン薄膜の蒸着、アナターゼ型二酸化チタン膜の塗布形成により、長期間θ/2法による水の静的接触角が70°以下を維持することが可能である。
また、θ/2法による水の静的接触角が70°以下である微小突起群2を実現する手段としては、微小突起3の表面を形成する材料への界面活性剤の塗布もしくは基材へ直接混練、微小突起3の表面への親水性樹脂の塗布、アルカリケイ酸塩等の無機系コート処理等によって実現可能である。
本実施例においては、微小突起群2への光触媒作用を利用した表面処理として、スパッタリング蒸着にてアナターゼ型二酸化チタンの薄膜の形成を行った。
また、微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以上であると小突起群2の形状と相まって、超撥水、撥油性を示し、防曇効果、汚れの防止効果を示すことにより、撮像装置31の撮影精度の向上に貢献する。雨等の水濡れや、結露による視線データの誤差や、偏り、攪乱の緩和は限定的である点は上述した通りである。
微小突起3を構成する材料は平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°未満の材料の表面を水接触角70°以上とするためには、酸素原子を含有したにパーフルオロアルキル基を有するフッ素化合物を蒸着源とする化学蒸着が有効である。
[視線解析手段を有する表示媒体]
本実施形態において、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20と視線解析手段30と一方の面1rが前記画像表示手段20と対峙する基明基板1からなる表面板10を有している。前記透明基板1は、少なくとも、前記画像表示手段20の表示面20fとは反対方向(即ち、観察者60側)を向いた他方の面1f上に微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。微小突起群2は、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である事を特徴とする視線解析手段30を有する表示媒体100である。
個々の構成要素については、上述のとおりである。
本実施形態において、視線解析手段30は、図5に示したように筐体50内に画像表示手段20と一体に形成されて視線解析手段を有する表示媒体100を形成してもよい。また、視線解析手段30は、図1、図2に示したように画像表示媒体とは、離れて設けられていても視線解析可能に設けられていればよい。
(第一の実施形態)
例えば、図1に示した第一の実施形態では、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20の表示面20fに一方の面1rを対峙した透明基板1からなる表面板10が設けられている。表面板10の画像表示手段20の表示面20fと対峙しているのとは異なる他方の面1fには、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。観察者60は、表面板10の微小突起群2を形成した面から。表面板10を通して表示手段20の表示面20fに表示された、表示情報20gを視認する。視線解析手段30は、観察者60の眼を撮像装置31にて撮像することにより視線座標位置を解析するものであり、観察者60の眼を撮像装置31にて撮像可能な位置に演算手段32とともに設けられている。
この際、観察者60は、表面板10の微小突起群2を通して表示情報20gを観察することとなるため、表面板10の微小突起群2により映り込みは大幅に減少している。従って、観察者60は、映り込みを気にすることなく表示面20fに表示された表示情報20gを確認することが可能であり、視線解析手段30により得られた観察者の視線データは、誤差や、偏り、攪乱なく、表示情報20gの反映したものであった。
(第二の実施形態)
図2に示した第二の実施形態では、第一の実施形態において、観察者60側に(観察者60と一体で)眼鏡型の視線解析手段30に代表される、視線解析手段30が装着されている。観察者の視線が注視する対象を観察者60側から撮像装置31にて撮像可能な位置に演算手段32とともに設けられている形態である。
この際、観察者60は、表面板10の微小突起群2を通して表示情報20gを観察することとなるため、表面板10の微小突起群2により映り込みは大幅に減少している。従って、観察者60は、映り込みを気にすることなく表示面20fに表示さえた表示情報20gを確認することが可能である。また、撮像装置31により得られる画像にも映り込みは映らない。従って、視線解析手段30により得られた観察者の視線データは、誤差や、偏り、攪乱なく、表示情報20gの反映したものであった。
(第三の実施形態)
図4に示した第三の実施形態では、表面板10の内側(画像表示手段20側)に画像表示手段20と一体に視線解析手段30が設けられている。この際に、表面板10は透明基板1の両面(1r及び1f)上に微細突起群2が設けられている。従って、観察者60は、表面板10の微小突起群2を通して表示情報20gを観察することとなるため、表面板10の微小突起群2により映り込みは大幅に減少している。従って、観察者60は、映り込みを気にすることなく表示面20fに表示さえた表示情報20gを確認することが可能である。
さらに、視線解析手段30は、観察者60の眼を撮像装置31にて撮像することにより視線座標位置を解析するものである。観察者60の眼を表面板10を通して撮像装置31にて撮像可能な位置に演算手段32とともに設けられている。この際に、撮像装置31は、表面板10の両面に微小突起群2が設けられているために、撮像装置31が捉える映像は、表面板の一方の面1rすなわち、表示面と対峙する面に映りこむ映像が大幅に軽減している。このため、撮像装置31に視線解析手段30により得られた観察者の視線データは、誤差や、偏り、攪乱なく、表示情報20gの反映したものであった。
(第四の実施形態)
図5に示した第四の実施形態では、筐体50内部に光源40、視線解析手段30、及び画像表示手段20を有する表示媒体表示媒体100となっている。筐体50の一面に設けられた開口部に表面板10が設けられている。さらに、表面板10の両面(1r及び1f)上には、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。
従って、本実施形態の視線解析手段30を有する表示媒体100は夜間においても画像表示面が光源40にて照明されるため、観察者60は表示情報20g観測可能である。又、本実施形態の表示媒体100は周囲を筐体50で包囲されている為、1箇所に固定して使用する以外に、適宜設置場所を移動させて使用することも容易である。
従来このような形態をとった場合には、特に夜間、光源40に因って、表面板10の一方の面1rに強い映り込みが生じるために撮像装置31による観察者60の眼の映像を正確にとらえることは困難であった。しかし、本実施形態においては、表面板10の一方の面1rに微小突起群2が設けられており、光源40に因る表面板10の一方の面1rに生じる映り込みは大幅に軽減されるため、正確な視線データの取得が可能である。
また、観察者60は、表面板10の微小突起群2を通して表示情報20gを観察することとなるため、表面板10の微小突起群2により映り込みは大幅に減少している。従って、観察者60は、映り込みを気にすることなく表示面20fに表示された表示情報20gを確認することが可能であり、視線解析手段30により得られた観察者の視線データは、誤差や、偏り、攪乱なく、表示情報20gの反映したものであった。
これらの実施形態において、微小突起群2を構成する材料を、平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下とすることで、雨などの水滴、結露が生じないため、観察者の視線データは、水滴や結露による誤差や、偏り、攪乱も生じないことが確認された。
これらの視線データは、広告等の画像表示手段の評価、改善のため、従来デザイナーや責任者等限られた関係者だけの主観的な判断から、広範囲な人物による科学的、客観的な分析手法として用いることができる。
また、インタラクティブな広告として、観察者60の多くの視線が集中している部分や滞留時間の長い部分に表示されている表示情報20gの追加情報や、詳細情報に表示を切り替える等の応用することができる。
本実施形態の視線解析手段を有する表示媒体は、映り込みによる視線解析データの、視線データの誤差や、偏り、攪乱を生じることがないため、設置場所、特に外光環境を気にすることなく高精度な視線解析が可能である。従って、表示媒体の視覚的効果のフィールドテストへの使用のみならず、観察者の興味に従ってインタラクティブに情報を提示する広告媒体として用いることができる。
1 :透明基板
1r :(透明基板の)一方の面
1f :(透明基板の)他方の面
2 :微小突起群
3、3u、3v、3w:微小突起
10 :表面板
20 :画像表示手段
20f:表示面
20g:表示情報
30 :視線解析手段
31 :撮像装置
32 :演算装置
40 :光源
50 :筐体
60 :観察者
100:視線解析手段を有する表示媒体

Claims (4)

  1. 画像表示手段と視線解析手段と前記画像表示手段と対峙する透明体からなる表面板を有している表示媒体であって、
    前記表面板は、前記画像表示手段の表示面と対峙する一方の面及び該表示面とは反対方向を向いた他方の面とを有する透明基板からなり、少なくとも該表面板の他方の面上には、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
    隣接する前記微小突起の平均突起間距離が、可視光波長帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。
  2. 請求項1において、更に、前記画像表示手段の前記表示面と対峙している前記表面板の一方の面にも、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
    前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。
  3. 筐体内部に光源、視線解析手段、及び画像表示手段を有する表示媒体であって、筐体の一面に設けられた開口部に表面板が設けられており、
    前記表面板の両面は、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
    前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。
  4. 微小突起を構成する材料は、平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のいずれかの視線解析手段を有する表示媒体。
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