JP2015043047A - 視線解析手段を有する表示媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像表示手段20と視線解析手段30と前記画像表示手段20と対峙する透明体からなる表面板10を有している表示媒体100であって、前記表面板10は、前記画像表示手段20の表示面20fと対峙する一方の面及び該表示面20fとは反対方向を向いた他方の面1fとを有する透明基板1からなり、少なくとも該表面板10の他方の面1f上には、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されており、隣接する前記微小突起の平均突起間距離が、可視光波長帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体100とする。
【選択図】図1
Description
本実施形態において、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20を有している。画像表示手段20は、表示面20fに観察者60の観察対象となる文字や記号などを含む画像などの表示情報20gを表示するものである。同時に、画像表示手段20の表示面20fに表示された表示情報20gは、視線解析手段30の解析対象であり評価対象物となる。
本実施形態において、表示媒体100は、視線解析手段30を有する。視線解析手段30は、観察者60(図1等では、簡略化して、眼の片側面のみを図示している)が、評価対象物である画像表示手段20の表示面20fに表示された表示情報20gのどの位置を目視しているか画像表示手段20を見る人物の視線を推定・追跡し、評価対象物への視線を解析する手段である。
本実施形態において、表示媒体100は、画像表示手段20の表示面20fと対峙する透明体である表面板10を有する。前記表面板10は図1の如く透明基板1を含む。透明基板1は前記画像表示手段20の表示面20fと対峙する一方の面1rと、前記画像表示手段20の表示面20fとは反対方向を向いている他方の面1fとなら成る。そして、少なくとも、前記透明基板1の他方の面1fに、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されており、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である構成である。
本発明に用いられる透明基板1の材料は、用途に応じて適宜選択することができ、透明であれば特に限定されない。前記透明基板1に用いられる材料としては、例えばTAC(Triacetyl cellulose)、等のセルロース(纖維素)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィンポリマー、シクロオレフィンコポリマー等のオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリエーテルケトン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、等の樹脂、ソーダ硝子、カリ硝子、無アルカリガラス、鉛ガラス等の硝子、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン(PLZT)等のセラミックス、石英、蛍石等の無機材料、及びこれらの複合材料等が挙げられる。
また、前記透明基板1は、シートであってもフィルムであってもよく、また、巻き取れるもの、巻き取れるほどには曲がらないが負荷をかけることによって湾曲するもの、完全に曲がらないもののいずれであってもよい。基材の厚みは、用途に応じて適宜選択することができ、特に限定されないが、通常10〜5000μmである。
本実施形態において、微小突起群2は、図3に示したように微小突起(3u、3v、3w・・・)が密接して配置されることにより形成されており、隣接する前記微小突起3u、3v、3w・・・)の間隔dから算出される平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である。
「微小突起」における「微小」とは、「微小突起」の平均突起間距離Daveが可視光の最短波長λminに対して、Dave≦Λminとなる小ささを意味する。
平均突起間距離Daveとは、微小突起3が、その配置に一定の周期で規則的配列をしている場合には、その配列周期に等しい。(図3)
本実施形態においては、微小突起3は一定の配列周期を持たない。したがって、個々の微小突起3に注目すると、その微小突起3の周囲に隣接して配置される微小突起3との距離は一定ではなく、ばらつきを有する。このように、隣接する微小突起3同士の間の距離が一定ではなく、ばらつきを有するときは、特定の隣接する2つの微小突起3同士の間の距離dの「平均的な値」を、「平均突起間距離Dave」とする。より具体的には、本発明においては、有限の個数の微小突起3についてみた有限の個数の個々の突起間距離dから、統計的手法を用いて、「平均突起間距離Dave」を定義する。以下、その説明をする。
本実施形態においては、微小突起3の配置の検出に、原子間力顕微鏡を用いたが、本発明においては、これ以外の検出方法を採用してもよい。
なお、微小突起3の中には、その頂部に複数の極大点3p(頂点)を有する多峰性微小突起が存在することがある。多峰性微小突起が存在すると、1つの微小突起が複数の極大点3pを与えることになり、微小突起3の個数と、極大点3pの個数とが一致しなくなる。
尚、其の頂部に極大点が1個のみ有する微小突起を単峰性微小突起と呼称する。
隣接極大点間距離が分布を有するとき、換言すると、微小突起3の配置に周期性がなく、ばらつきを有するときは、下式で算出する最大突起間距離Dmaxが、可視光の最短波長Λminに対して、Dmax≦Λminであることがより好ましい。微小突起群2それ自体について、その映り込み防止性能がより効果的に発揮され、より確実に得ることができるからである。
(σは標準偏差である。)
平均突起高さHaveは、個々の微小突起3の高さhの平均値である。平均突起高さHaveは、上述した平均突起間距離Daveと同様の手法で算出することができる。例えば、平均突起間距離Daveの算出に用いた原子間力顕微鏡の画像データの元になった三次元座標データから、個々の微小突起3の極大点の高さhを求め、この高さhから、平均突起高さHaveを算出することができる。
なお、多峰性微小突起が存在するときは、多峰性微小突起が有する複数の極大点の中で高度が最も高い極大点を、当該多峰性微小突起の高さhとして計測するとよい。
本発明においては、表面板10を構成する微小突起3の形成方法としては特に制限はなく、公知の方法によって形成することができる。例えば、微小突起3の形成方法には、電離放射線硬化性樹脂を用いた2P法(フォトポリマー法とも言う)を利用することができ、熱硬化性樹脂を用いる場合には熱プレス法(エンボス加工)などを利用することができ、熱可塑性樹脂を用いる場合には、熱プレス法、射出成形法、押出し成形法などを利用することができる。
本実施形態においては、アルミニウムの陽極酸化処理及びエッチング処理の交互の繰り返しにより成形型を作成し、この成形型で紫外線硬化性樹脂と2P法を用いて、紫外線硬化性樹脂の硬化物からなる樹脂層の表面に微小突起3を形成した。
上述の実施形態のように、微小突起3を構成する賦型用樹脂に紫外線硬化性樹脂を適用する場合には、微小突起の構成材料として、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の各種紫外線硬化性樹脂が利用できる。また、微小突起3の形成方法に応じて、アクリレート系、エポキシ系、ポリエステル系等の電子線硬化性樹脂、ウレタン系、エポキシ系、ポリシロキサン系等の熱硬化性樹脂等の各種材料及び各種硬化形態の賦型用樹脂を使用する場合にも広く適用することができる。さらには例えば加熱溶融したポリオレフィン系、ポリカーボネート系等の熱可塑性の樹脂を押圧して賦型することによっても形成が可能である。
θ/2法による水の静的接触角とは、被測定表面上に水を滴下して生じた液滴の平面視に於ける半径をr、被測定表面から液滴の頂点迄の高さをh、水の静的接触角をθとしたときに、
θ/2=arctan(h/r)
の関係が有ることを用いて求めた水の静的接触角である(勿論、斯かる関係式は水以外の液体の接触角に対しても適用出來る)。
即ち、
水の静的接触角θ=2arctan(h/r)
である。以下、これを単に水の接触角、或いは水接触角とも呼称する。
平坦面に於ける水接触角θ>90°
となる弗素系樹脂、珪素系樹脂等の疎水性の物質の表面は、極端に接触角が大きくなり、例えば、平坦面の水接触角100°の場合に粗面の水接触角が150°と超疎水性(撥水性)となる。
一方、
平坦面に於ける水接触角<90°
となるセルロース系樹脂等の親水性の物質の表面は極端に接触角が小さくなり、例えば、平坦面の水接触角60°の場合に粗面の水接触角が7°と超親水性となる。
尚、此処で、平坦面とはJIS B0601(1994年)規定の10点平均粗さRzが50nm以下である表面を言う。
微小突起の平均突起間距離Dave≦可視光線帯域の最短波長Λmin
である微小突起群が形成された表面について、本発明者らが測定、確認したところ、同様な臨界的効果が発現するものの、その臨界値は従来の知見とは異なり、
平坦面に於ける水接触角=70°
となることが判明した。
〔微小突起群を構成する樹脂組成物〕
・EO変性ビスフェノールAジアクリレート 50質量部
・EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート 30質量部
・トリデシルアクリレート 5質量部
・ドデシルアクリレート 5質量部
・メチルメタクリレート 5質量部
・ヘキシルメタクリレート 5質量部
・ジフェニル(2,4,6−トリメトキシベンゾイル)ホスフィンオキシド(ルシリンTPO) 1質量部
本実施形態において、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20と視線解析手段30と一方の面1rが前記画像表示手段20と対峙する基明基板1からなる表面板10を有している。前記透明基板1は、少なくとも、前記画像表示手段20の表示面20fとは反対方向(即ち、観察者60側)を向いた他方の面1f上に微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。微小突起群2は、隣接する前記微小突起3の平均突起間距離Daveが、可視光波長帯域の最短波長Λmin以下である事を特徴とする視線解析手段30を有する表示媒体100である。
本実施形態において、視線解析手段30は、図5に示したように筐体50内に画像表示手段20と一体に形成されて視線解析手段を有する表示媒体100を形成してもよい。また、視線解析手段30は、図1、図2に示したように画像表示媒体とは、離れて設けられていても視線解析可能に設けられていればよい。
例えば、図1に示した第一の実施形態では、視線解析手段30を有する表示媒体100は、画像表示手段20の表示面20fに一方の面1rを対峙した透明基板1からなる表面板10が設けられている。表面板10の画像表示手段20の表示面20fと対峙しているのとは異なる他方の面1fには、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。観察者60は、表面板10の微小突起群2を形成した面から。表面板10を通して表示手段20の表示面20fに表示された、表示情報20gを視認する。視線解析手段30は、観察者60の眼を撮像装置31にて撮像することにより視線座標位置を解析するものであり、観察者60の眼を撮像装置31にて撮像可能な位置に演算手段32とともに設けられている。
図2に示した第二の実施形態では、第一の実施形態において、観察者60側に(観察者60と一体で)眼鏡型の視線解析手段30に代表される、視線解析手段30が装着されている。観察者の視線が注視する対象を観察者60側から撮像装置31にて撮像可能な位置に演算手段32とともに設けられている形態である。
図4に示した第三の実施形態では、表面板10の内側(画像表示手段20側)に画像表示手段20と一体に視線解析手段30が設けられている。この際に、表面板10は透明基板1の両面(1r及び1f)上に微細突起群2が設けられている。従って、観察者60は、表面板10の微小突起群2を通して表示情報20gを観察することとなるため、表面板10の微小突起群2により映り込みは大幅に減少している。従って、観察者60は、映り込みを気にすることなく表示面20fに表示さえた表示情報20gを確認することが可能である。
図5に示した第四の実施形態では、筐体50内部に光源40、視線解析手段30、及び画像表示手段20を有する表示媒体表示媒体100となっている。筐体50の一面に設けられた開口部に表面板10が設けられている。さらに、表面板10の両面(1r及び1f)上には、微小突起3が密接して配置されてなる微小突起群2が形成されている。
1r :(透明基板の)一方の面
1f :(透明基板の)他方の面
2 :微小突起群
3、3u、3v、3w:微小突起
10 :表面板
20 :画像表示手段
20f:表示面
20g:表示情報
30 :視線解析手段
31 :撮像装置
32 :演算装置
40 :光源
50 :筐体
60 :観察者
100:視線解析手段を有する表示媒体
Claims (4)
- 画像表示手段と視線解析手段と前記画像表示手段と対峙する透明体からなる表面板を有している表示媒体であって、
前記表面板は、前記画像表示手段の表示面と対峙する一方の面及び該表示面とは反対方向を向いた他方の面とを有する透明基板からなり、少なくとも該表面板の他方の面上には、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
隣接する前記微小突起の平均突起間距離が、可視光波長帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。 - 請求項1において、更に、前記画像表示手段の前記表示面と対峙している前記表面板の一方の面にも、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。 - 筐体内部に光源、視線解析手段、及び画像表示手段を有する表示媒体であって、筐体の一面に設けられた開口部に表面板が設けられており、
前記表面板の両面は、微小突起が密接して配置されてなる微小突起群が形成されており、
前記微小突起の平均突起間距離は可視光線帯域の最短波長以下である事を特徴とする視線解析手段を有する表示媒体。 - 微小突起を構成する材料は、平坦面表面におけるθ/2法による水の静的接触角が70°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3に記載のいずれかの視線解析手段を有する表示媒体。
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