JPH1038814A - 欠陥検査装置、欠陥検査方法及び平面度検査装置 - Google Patents

欠陥検査装置、欠陥検査方法及び平面度検査装置

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JPH1038814A
JPH1038814A JP21198096A JP21198096A JPH1038814A JP H1038814 A JPH1038814 A JP H1038814A JP 21198096 A JP21198096 A JP 21198096A JP 21198096 A JP21198096 A JP 21198096A JP H1038814 A JPH1038814 A JP H1038814A
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JP
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pellicle
stage
light beam
light
defect inspection
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JP21198096A
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English (en)
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Fumitomo Hayano
史倫 早野
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Original Assignee
Nikon Corp
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  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、欠陥検査装置及び欠陥検査方法にお
いて、ペリクルの膨らみを防止して検出感度の低下を回
避し得るようにし、また平面度検査装置において、検査
対象物の平面度を容易に検出し得るようにする。 【解決手段】ペリクルフレームに張り付けられたペリク
ルを載置するステージと、ペリクルに光ビームを照射す
る第1の照射手段と、光ビームをペリクルに照射した際
にペリクルからの光を受光する受光部と、受光部から得
られる信号からペリクルの欠陥の有無を検出する第1の
検出手段と、ペリクルをステージに載置した際にペリク
ル、ステージ及びペリクルフレームで形成される内部空
間と内部空間と異なる空間とを接続する通気手段とを設
ける。通気手段によつて、ペリクルとステージとの間の
空間に巻き込まれた、または熱により膨張した空気等を
外部に逃がすことができ、ペリクル表面の膨らみを防止
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は欠陥検査装置、欠陥
検査方法及び平面度検査装置に関し、例えば半導体露光
工程において露光原版となるフオトマスク又はレチクル
上に装着されるペリクルの検査に適用して好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体の露光工程においては、表
面に所望の回路パターンを形成したフオトマスク又はレ
チクルを原版として、この所望の回路パターンをウエハ
上に露光転写することによりウエハ上に所望の回路パタ
ーンを形成するようになされている。この際、原版とな
るフオトマスク又はレチクルの表面に塵等の異物が付着
していた場合、この塵等の異物によつてウエハ上に回路
パターンを露光転写する照射光が遮光されてしまい、異
物の付着部分がウエハ上に露光されずにパターンの転写
に不具合が生じる。このため、所望の回路パターンを形
成したフオトマスク又はレチクルの表面には、ペリクル
と呼ばれる保護膜を装着して異物の付着を防止するよう
になされている。
【0003】図7(A)に示すように、ペリクル1はフ
オトマスク2にペリクルフレーム3を介して、接着剤4
を用いて接着固定されるようになされている。ペリクル
1は厚さが数 [μm]の光透過性を有する薄膜でなり、ペ
リクルフレーム3に張設されている。こうして張設され
たペリクル1をフオトマスク2に接着固定する接着剤4
は、ペリクルフレーム3のフオトマスク2との当接面に
塗布されている。このようにペリクル1は、接着剤4が
塗布されたペリクルフレーム3に張設された状態で製品
化されている。この際、図7(B)に示すように、ペリ
クル1はペリクルフレーム3に、接着剤4の塗布面を保
護するためのバツクシート5を貼付した状態でケース
(図示せず)に梱包されて出荷される。このためペリク
ル1をフオトマスク2に装着する際には、まずペリクル
1が張設されたペリクルフレーム3をケースから把持し
て取り出す。次にバツクシート5の端部に設けられてい
るつまみ5Aを用いて、接着剤4が塗布されているペリ
クルフレーム3からバツクシート5を剥がす。こうして
ペリクル1は、ペリクルフレーム3の接着剤4の塗布面
を露出させた後に、フオトマスク2に装着するようにな
されている。
【0004】バツクシート5はペリクルフレーム3の形
状に対応した形状でなり、ペリクルフレーム3に沿つた
ものが大半である。例えば、一般にペリクルフレーム3
の幅d1 (図7(B))は2[mm]であり、形状が長方形
等の矩形形状であるものが多い。そのため、バツクシー
ト5も約2[mm]幅の矩形枠状になつている。またペリク
ルフレーム3はアルミやジユラルミン等の金属で形成さ
れており、ペリクル1を張設する接着剤4の塗布面及び
当該塗布面に対向する裏面が共に完全な平面となるよう
に形成されている。
【0005】ここで接着剤4は合成樹脂系の接着剤であ
り、ゴム程度の硬さを有するものである。このためペリ
クルフレーム3に塗布される厚みが均等で無い場合、接
着剤4のフオトマスク2との当接面とフオトマスク2表
面との間が密着しないことによる隙間(以下、これをエ
アパスと呼ぶ)が生じ、このエアパスを通して入つてき
た異物がフオトマスク2表面に付着する可能性がある。
したがつて、このような異物の侵入を防止するために接
着剤4の厚みは厳重に管理されている。同様にバツクシ
ート5の厚みも管理されている。このように、ペリクル
フレーム3、接着剤4及びバツクシート5の厚みd
2 (図7(B))は、ペリクルフレーム3の平面度と共
に正確に管理されるようになされている。
【0006】次に、このようなペリクル1を検査する欠
陥検査装置について説明する。図7との対応部分に同一
符号を付して示す図8において、10は全体として従来
の欠陥検査装置の構成を示し、フオトマスク2(図7
(A))に装着するペリクル1表面の欠陥を検査するよ
うになされている。ここでペリクル1の欠陥の一例とし
て異物の付着があげられる。フオトマスク2に装着する
ペリクル1に異物が付着していた場合、この異物がペリ
クル1を介してフオトマスク2に付着してしまい、露光
処理されるフオトマスク2に欠陥が生じてしまうことに
なる。このため、ペリクル1はフオトマスク2に装着さ
れる前に検査され、ペリクルフレーム3にバツクシート
5が貼付されたままの状態でステージ11上に載置され
る。
【0007】欠陥検査装置10は、光源(図示せず)か
ら出射する光ビームL1の光路上にガルバノスキヤナミ
ラー又はポリゴンスキヤナミラー等の偏向走査器12を
配している。偏向走査器12は所定範囲内で連続的にミ
ラーを回転するようになされており、ビーム拡大器(図
示せず)等で適切な光径に変換され入射する光ビームL
1を反射する。こうして反射された光ビームL1は、走
査レンズ13を介してステージ11に載置されたペリク
ル1に所定の傾斜角で照射される。これにより欠陥検査
装置10は、ペリクル1の表面に照射する光ビームL1
を所定の角度範囲内で図中に示すX軸方向に走査するこ
とができる。なお、このような光ビームL1の走査によ
つて、ペリクル1の表面には走査線14が形成される。
また欠陥検査装置10はステージ11に駆動部15を接
続しており、ステージ11を図中に示すY軸方向に移動
可能な構成としている。このため欠陥検査装置10は、
光ビームL1をX軸方向に走査する速度に比して十分に
ゆつくりした速度でステージ11をY軸方向に移動する
ことによつて、ペリクル1の全面に光ビームL1を走査
することができる。
【0008】ペリクル1表面に異物16が付着している
場合、欠陥検査装置10が走査する光ビームL1は異物
16によつて反射されて散乱光L2となる。欠陥検査装
置10は散乱光L2を受光レンズ17によつて集光し、
フオトマルチプライヤやシリコンフオトダイオード等の
受光素子18で受光することにより光電変換信号を得る
ことができる。なお欠陥検査装置10は、受光レンズ1
7と受光素子18との間の走査線14と共役な位置にス
リツト19を設けており、走査線14以外で生じる光、
例えばペリクル1を透過した光ビームL1がステージ1
1に反射して生じる不要な反射光等を遮光するようにな
されている。このように欠陥検査装置10は散乱光L2
を受光して光電変換信号を得、例えばこの光電変換信号
の信号レベルが予め設定される基準値を越えるか否かを
判定することで、ペリクル1表面に異物16が付着して
いるか否かを検出することができる。
【0009】なお欠陥検査装置10は、散乱光L2を受
光した時の偏向走査器12によるミラーの偏向角を検出
することでX軸方向の位置を又散乱光L2を受光した時
のステージ11の位置を検出することでY軸方向の位置
を、検出する異物の付着位置について確認することがで
きるようになされている。ここでステージ11のY軸方
向の位置は、例えば予め基準位置の座標を設定してお
き、これに対する駆動部15による移動量を検出するこ
とで容易に得ることができる。
【0010】図8との対応部分に同一符号を付して示す
図9において、20は全体として欠陥検査装置を示し、
欠陥検査装置10(図8)とは別の方式によつてペリク
ル1表面の異物の有無を検出するものである。欠陥検査
装置20は、バツクシート5をステージ11に当接させ
てペリクル1を載置し、ステージ11のみを移動して異
物の有無を検出するようになされている。
【0011】すなわち欠陥検査装置20は、ステージ1
1を図中に示すY軸方向に駆動する駆動部15A及びス
テージ11を図中に示すX軸方向に駆動する駆動部15
Bを設けており、これによつてステージ11をX、Y軸
方向に自在に移動し得るようになされている。また欠陥
検査装置20はレーザ等の光源21から光ビームL1を
ペリクル1に対して所定の傾斜角で照射する。照射され
たビーム光L1はペリクル1によつて垂直な方向(図中
に示すZ軸方向)に反射される。また欠陥検査装置20
はペリクル1の上方に対物レンズ22を設け、対物レン
ズ22の更に上方にCCD(Charage Coupled Device)
等の撮像素子23を配している。対物レンズ22及び撮
像素子23は、光ビームL1がペリクル1によつて垂直
な方向に反射して得られる反射光の光軸上に配されてい
る。また撮像素子23は、対物レンズ22を介して入射
する反射光によつて、ペリクル1表面に存在する物体の
像が結像する共役位置に配置されている。ここで欠陥検
査装置20は撮像素子23として2次元CCDを用いる
場合、光ビームL1によるペリクル1表面の照射領域
を、撮像素子23の大きさと対物レンズ22の倍率とで
決まるペリクル1表面での視野よりも大きい領域に設定
する必要がある。但し領域が大きすぎる場合、ペリクル
1表面での光ビームL1の照射面輝度が下がるため、考
慮が必要である。
【0012】また欠陥検査装置20は駆動部15A及び
15Bによるステージ11の移動について、まず駆動部
15BによつてX軸方向に一視野毎にスキツプ送りす
る。こうして光ビームL1の照射領域がペリクル1のX
軸方向での端部まで移動したら、次に駆動部15Aによ
つてステージ11をY軸方向に一視野分移動する。この
後、欠陥検査装置20は駆動部15Bによつて再びX軸
方向に、先程とは逆方向でステージ11を一視野毎にス
キツプ送りをする。欠陥検査装置20は、このようなス
テージ11の移動を繰り返すことによつて、ペリクル1
全面で光ビームL1を走査することができる。欠陥検査
装置20は、このようにして走査する光ビームL1が異
物に照射された場合、異物が光ビームL1を反射して生
じる散乱光が撮像素子23に受光され、膜表面の像が結
像される。これにより欠陥検査装置20は、ペリクル1
表面に付着した異物の有無を検出することができる。ま
たこの際、駆動部15A及び15Bによるステージ11
のX軸方向及びY軸方向への移動量と、撮像素子23上
の散乱光を受光した画素位置とを検出することにより、
ペリクル1に付着した異物の位置を確認することができ
る。なお、異物のサイズは光ビームL1を反射すること
により生じる散乱光量と相関があり、大きいサイズの異
物ほど散乱光量も大きい。このため、欠陥検査装置10
又は20のどちらの場合でも、この性質を利用すること
によつて大体の異物サイズを判定することができる。
【0013】ところで光源21として輝度の高いレーザ
を用いた欠陥検査装置20の場合、光ビームL1は一般
にガウスビームと呼ばれる光ビームの中心が最も光量が
大きく、光ビームの周辺に行くに従つて光量が下がる山
形の光量分布になる。したがつて、光ビームL1をペリ
クル1に照射した際に形成されるスポツト光の光量分布
は中心部で最大となり、周辺に行くにつれて低下する。
このため撮像素子23による視野中心と周辺では、照射
光量の違いにより同一サイズの異物であつても散乱光量
が違つて検出され、違うサイズの異物として判定される
ことになる。例えば周辺の方では照射光量が少ないため
に、小さいサイズの異物として判定される。欠陥検査装
置20は、撮像素子23の画素に視野中心と周辺とで受
光する光量に応じた電気的補正をかけ、このような誤検
出を防止している。すなわち撮像素子23の視野中心か
ら周辺方向に外れるに応じて増幅率を増やしていき、こ
れらの画素に当該増幅率で電気的増幅をかけるようにし
ている。
【0014】また撮像素子23として1次元CCD、例
えばX軸方向に画素が並んだ配置の撮像素子を用いた場
合、欠陥検査装置20はステージ11を駆動部15Aに
よつてY軸方向に一定速度で移動させた後、駆動部15
BによつてX軸方向へ一視野分移動させて再度X軸方向
に逆方向で移動させることにより、このような撮像素子
23を用いた場合に対応することができる。この場合、
欠陥検査装置20は撮像素子23の画素中でX軸方向の
どの位置の画素が散乱光を受光したかを検出すると共
に、駆動部15A及び15Bによるステージ11の移動
量を検出することで、ペリクル1に付着した異物の付着
位置を確認することができる。この際、撮像素子23の
視野周辺での光量分布に応じた電気的補正の増幅率につ
いては、画素がX軸方向にのみ並んでいるため、この方
向にのみ行う。また光ビームL1は、X軸方向に視野を
カバーするように長くY軸方向に狭い照射領域を形成す
るような直線形状の光ビームとする。
【0015】なお、欠陥検査装置10ではステージ11
の移動速度が検査中一定であり、検査開始時及び終了時
の場合のみ加減速が行われる。このため加減速の際の加
速度に係わらず、検査時間はほぼ一定である。これに対
して特に撮像素子23として2次元CCDを用いた欠陥
検査装置20では、一視野分ステージ11を移動する度
に加減速が行われるため、加減速の際の加速度の大きさ
によつて検査時間が変化する。すなわち加速度が大きい
程、検査時間が短縮されることになる。したがつて短時
間で検査を行うために加速度を上げる場合、ペリクルフ
レーム3にズレを生じる可能性があるため、バツクシー
ト5を真空吸着する等してペリクルフレーム3を確実に
固定することが望ましい。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところでかかる構成の
欠陥検査装置10及び20では、上述したように、バツ
クシート5の平面度が管理されており、ステージ11上
に載置した際にエアパスが生じないようになされている
ため、ペリクル1の膜面が膨らんでしまう場合があつ
た。
【0017】例えばステージ11上にペリクル1を載置
する際、ステージ11とペリクル1との間に空気を巻き
込んでしまい、これにより膜面が膨らんでしまう場合が
ある。また光源としてハロゲンランプ等の白色光を用い
た際、白色光の波長成分のうちの赤外域の光によつてス
テージ11が温度上昇し、ステージ11とペリクル1と
の間の空気が温められて膜面が膨らむ場合がある。さら
にステージ11の移動速度が高速であると共に比較的移
動時間が長く、ペリクル1のサイズが大きい場合は、速
度の違うものには気圧差が生じるというベルヌーイの定
理から膜面が膨らむことがある。
【0018】このようにペリクル1の膜面が膨らんだ場
合、以下のような問題が生じることになる。第1に、異
物16を検出するために照射される光ビームL1はペリ
クル1の表面上で集光しているが、膜面が膨らんだ場
合、膜面のZ軸方向での位置が変化してしまい、光ビー
ムL1が集光して形成されるスポツト光のペリクル1表
面での大きさが変化することになる。このため、ペリク
ル1表面でのスポツト光の輝度が低下して異物16の検
出感度が低下することになる。また第2に、欠陥検査装
置10のようにスリツト19を設けて余計な入射光を遮
光している場合、膜面の膨らみによつて異物16の有無
を検出するために受光している散乱光L2まで遮光され
てしまう。すなわち膜面が膨らんでいる場合、光ビーム
L1が照射されて形成される走査線14の位置がズレる
ことになる。こうしてズレた位置で生じる散乱光L2
は、位置がズレる以前に比して受光素子18への入射角
が異なつているためにスリツト19によつて、一部又は
全部が遮光されてしまう。このため、受光素子18で散
乱光L2を受光することにより得られる異物16の検出
感度が低下することになる。さらにこの場合、走査線1
4の位置がズレているために、異物16の付着位置も同
一のズレ量で検出されることになり、誤つた付着位置を
得ることになる。
【0019】また第3に、欠陥検査装置20のように撮
像素子23を用いて異物の有無を検出している場合、膜
面の膨らみによつて膜表面と撮像素子23との間の距離
が狭まることになる。すなわち、撮像素子23に入射さ
れる膜表面からの反射光の焦点距離が狭まり、撮像素子
23上に結像される像がピンぼけ状態となる。このた
め、撮像素子23に入射される反射光の光量が低下して
検出感度の低下につながる。さらに第4として、欠陥検
査装置20において光ビームL1が上述したガウスビー
ムである場合、光ビームL1が斜入射しているために、
ペリクル1の膜表面の高さが変化することによつて照射
位置がずれることになり、光ビームL1による光量最大
位置が視野中心から外れることになる。このため、撮像
素子23による視野内での検出感度が低下することにな
る。
【0020】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、ペリクルの膨らみを防止して検出感度の低下を回避
し得る欠陥検査装置及び欠陥検査方法、並びに検査対象
物の平面度を容易に検出し得る平面度検査装置を提案し
ようとするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、ペリクルフレーム(3)に張り付
けられたペリクル(1)を載置するステージ(31、4
1又は51)と、ペリクル(1)に光ビームを照射する
第1の照射手段(12及び13)と、光ビームをペリク
ル(1)に照射した際にペリクル(1)からの光を受光
する受光部(18)と、受光部(18)から得られる信
号からペリクル(1)の欠陥の有無を検出する第1の検
出手段(34)と、ペリクル(1)をステージ(31、
41又は51)に載置した際にペリクル(1)、ステー
ジ(31、41又は51)及びペリクルフレーム(3)
で形成される内部空間と内部空間と異なる空間とを接続
する通気手段(42及び43、52、53、55)とを
設ける。
【0022】通気手段によつて、ペリクルとステージと
の間の空間に巻き込まれた、または熱により膨張した空
気等を外部に逃がすことができ、ペリクル表面の膨らみ
を防止することができる。
【0023】また第2の照射手段(63、64、65)
を設けてペリクル(1)に直線形状でなる光ビームを照
射し、第2の検出手段(68)によつてこの光ビームが
ペリクル(1)に反射して生じる反射光を受光して、直
線形状でなる光ビームに比して受光した光ビームの形状
に歪みが生じているか否かに基づきペリクル(1)の平
面度を検出し、この検出結果に応じて、ペリクル(1)
とステージ(61)との間の内部空間を外部の空間に接
続する通気手段(52、53、55)を介して空圧供給
手段(62)から内部空間に所定の圧力でなる気体を供
給又は吸引し、この圧力を空圧制御手段(69)によつ
てペリクル(1)が平面となるように制御する。
【0024】ペリクルに直線形状の光ビームを照射する
と共にこの反射光を受光するようにしたことによつて、
反射光による光ビームの形状が歪んでいるか否かに基づ
きペリクル表面の平面度を容易に検出でき、これに応じ
てペリクルとステージとの間の内部空間に供給又は吸引
する気体の圧力を制御することにより、どのような状態
でもペリクル表面を平面に維持することができる。
【0025】さらに検査対象物(1)の検査対象面に直
線形状の光ビームを照射する光照射手段(63、64、
65)と、光ビームの検査対象面による反射光を受光し
て、直線形状でなる光ビームに比して反射光による光ビ
ームの形状に歪みが生じているか否かに基づき検査対象
面の平面度を検出する平面度検出手段(68)を設け
る。
【0026】検査対象物に直線形状の光ビームを照射す
ると共にこの反射光を受光するようにしたことによつ
て、反射光による光ビームの形状が歪んでいるか否かに
基づき検査対象面の平面度を容易に検出できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0028】(1)第1実施例 図8との対応部分に同一符号を付して示す図1におい
て、30は全体として欠陥検査装置を示し、検査対象と
なるペリクル1(図8)を載置するために設けられてい
るステージに所定形状の凸部を設けている。ここで欠陥
検査装置30は、欠陥検査装置10(図8)のステージ
11に換えてステージ31を適用するものであり、新規
構成でない部分、すなわち偏向走査器12〜スリツト1
9については共通であるため説明を省略する。
【0029】欠陥検査装置30は、ペリクル1を載置す
るステージ31の載置面に凸部32及び33を形成して
おり、凸部32及び33とステージ31との高低差によ
り得られる空間を通気手段としている。すなわち欠陥検
査装置30は、ステージ31にペリクル1を載置する際
には凸部32及び33の部分だけにペリクル1を接触載
置する。ステージ31は、ペリクル1を接触載置する載
置面上の凸部32及び33以外の部分が凸部32及び3
3に比して低くなつており、これにより形成される空間
を介して空気等を通気するようになされている。
【0030】また図2に示すように、欠陥検査装置30
は散乱光L2を受光することにより受光素子18から与
えられる検出信号を制御部34に供給する。制御部34
は検出信号の信号レベルが予め設定された規定値以上か
否かに応じて、ペリクル1表面に異物16が存在するか
否かを判定し、判定した結果をモニタ35に表示する。
この際、制御部34には偏向走査器12からミラーの偏
向角を示す状態信号が、また駆動部15からステージ3
1のY軸方向への移動量を示す状態信号がそれぞれ与え
られている。制御部34は、これらの信号から光ビーム
L1が照射しているペリクル1表面のX及びY座標での
位置を判別することができ、異物16が検出された際
に、この位置情報をモニタ35に表示するようになされ
ている。
【0031】以上の構成において、欠陥検査装置30は
凸部32及び33の部分だけに接触させてステージ31
にペリクル1を載置する。この際、ペリクル1とステー
ジ31との間の空間は、凸部32及び33とステージ3
1の載置面との高低差により形成される空間を介して通
気性が保たれており、ペリクル1とステージ31との間
に巻き込まれた空気や、光ビームL1による熱によつて
膨張した空気を、この空間を介して外部に逃がすことが
できる。これにより欠陥検査装置30は、ペリクル1の
表面が膨らむことにより生じる光ビームL1の照射位置
の輝度低下や、当該照射位置のずれ等を防止して、異物
16の検出感度の低下を回避することができる。
【0032】以上の構成により、ステージ31の載置面
に凸部32及び33を設けて、これにより形成される空
間を介することにより、ペリクル1とステージ31間の
空間に巻き込まれた、又は熱膨張により膨らんだ空気等
をステージ31の外部空間に逃がすことができる。かく
するにつき、ペリクル1の膨らみを防止して異物16の
検出感度の低下を回避し得る欠陥検査装置30を実現す
ることができる。
【0033】(2)第2実施例 図3において、41は全体として欠陥検査装置40(図
示せず)に設けられたステージを示し、通気手段をペリ
クル1の載置面上に設けて、ペリクル1との間の空間を
外部の空間と接続して通気性を得るようになされてい
る。ここで欠陥検査装置40は、ステージ41以外の新
規構成でない部分、すなわち偏向走査器12〜スリツト
19については欠陥検査装置30(図1及び図2)と共
通であるため、図示及び説明を省略する。
【0034】ステージ41はペリクル1を載置する載置
面上に溝形状の凹部42及び43を通気手段として設け
ている。欠陥検査装置40は、ステージ41にペリクル
1を載置する際に図中、破線で示す載置枠44Aと44
Bとの間にバツクシート5を接触させて載置するように
なされている。このためステージ41は凹部42及び4
3の部分が、ペリクル1を接触載置する載置面に比して
低くなつており、これにより形成される空間を介して空
気等を通気することができるようになされている。また
ステージ41の載置枠44Aと44Bとの間には、吸着
穴45A及び45Bが設けられており、これを介して載
置したペリクル1を真空吸着するようになされている。
【0035】以上の構成において、欠陥検査装置40は
載置枠44Aと44Bとの間にバツクシート5を接触さ
せてペリクル1をステージ41に載置する。この際、ペ
リクル1とステージ41との間の空間は、凹部42及び
43とステージ41の載置面との高低差により形成され
る空間を介して通気性が保たれており、ペリクル1とス
テージ41との間に巻き込まれた空気や、光ビームL1
による熱によつて膨張した空気を、この空間を介して外
部に逃がすことができる。これにより欠陥検査装置40
は、ペリクル1の表面が膨らむことにより生じる光ビー
ムL1の照射位置の輝度低下や、当該照射位置のずれ等
を防止して、異物16の検出感度の低下を回避すること
ができる。またステージ41は、ステージ31(図1)
に比してペリクル1の接触面積が広くなるようになされ
ており、ペリクル1をより安定して固定載置することが
できる。この際、吸着穴45A及び45Bによる真空吸
着を併用することによつて、より確実にペリクル1を固
定載置することができる。
【0036】以上の構成により、ステージ41の載置面
に凹部42及び43を設けて、これにより形成される空
間を介することによつて、ペリクル1とステージ41間
の空間に巻き込まれた、又は熱膨張により膨らんだ空気
等をステージ41の外部空間に逃がすことができる。ま
たペリクル1の載置面積が広くなるようになされている
ため、より安定した固定載置を行うことができる。かく
するにつき、ペリクル1を安定して固定載置すると共
に、ペリクル1の膨らみを防止して異物の検出感度の低
下を回避し得る欠陥検査装置40を実現することができ
る。
【0037】(3)第3実施例 図4において、51は全体として欠陥検査装置50(図
示せず)に設けられたステージを示し、通気手段をペリ
クル1の載置面上に設けて、ペリクル1との間の空間を
外部の空間と接続して通気性を得るようになされてい
る。ここで欠陥検査装置50は、ステージ51以外の新
規構成でない部分、すなわち偏向走査器12〜スリツト
19については欠陥検査装置30(図1)と共通である
ため、図示及び説明を省略する。
【0038】ステージ51はペリクル1を載置する載置
面上に所定形状の開口部52を設けており、ステージ5
1内部に形成した貫通孔である通気孔53によつて開口
部52をステージ51の周側面に設けた所定形状の開口
部54と接続している。また開口部54には防塵フイル
タ55が配されており、通気孔53内への異物の侵入を
防止している。この際、防塵フイルタ55は空気等の通
気は妨げない。欠陥検査装置50は、ステージ51にペ
リクル1を載置する際に図中、破線で示す載置枠56A
と56Bとの間にバツクシート5を接触させて載置する
ようになされている。このためステージ51は開口部5
2及び54と通気孔53とによつてペリクル1とステー
ジ51の載置面との間の空間の外部への通気性を保つて
いる。
【0039】以上の構成において、欠陥検査装置50は
載置枠56Aと56Bとの間にバツクシート5(図1)
を接触させてペリクル1をステージ51に載置する。こ
の際、ペリクル1とステージ51との間の空間は、開口
部52、54及び通気孔53によつてステージ51の外
部空間と接続されており、これを介して通気性が保たれ
ている。欠陥検査装置50はペリクル1とステージ51
との間に巻き込まれた空気や、光ビームL1による熱に
よつて膨張した空気を、この空間を介して外部に逃がす
ことができる。これにより欠陥検査装置50はペリクル
1の膨みを防止して、このような膨らみにより生じる光
ビームL1の照射位置の輝度低下や、当該照射位置のず
れ等を防止でき、異物16の検出感度の低下を回避する
ことができる。
【0040】また欠陥検査装置50は開口部54に配さ
れた防塵フイルタ55によつて、ペリクル1とステージ
51との間の空間への異物の侵入を防止している。特に
ステージ51は駆動部15(図1)によつて移動するよ
うになされているために発塵源となり易く、モータ等の
駆動部ステージのベアリング他(図示せず)、こすれ合
うものからゴミが発生する。ペリクル1に付着する異物
はウエハへの転写影響を考えると50〔μm〕程度のサイ
ズの異物まで許容されるが、これはずつとペリクル1に
付着していた場合であり、もしペリクル1の内側、すな
わちフオトマスク側に異物が付着している場合、フオト
マスクに転移することがある。こうした場合、この異物
はフオトマスク上の50〔μm〕の異物ということにな
り、確実にウエハに転写して共通欠陥という問題を引き
起こすことになる。欠陥検査装置50は、このように防
塵フイルタ55を介して通気性をもたせるようにしたこ
とにより、上述した空間の清浄性を保つことができ、ペ
リクル1に異物が付着して欠陥が生じることを防止する
ことができる。
【0041】以上の構成により、ステージ51の載置面
に設けた開口部52、周側面に設けた開口部54及び通
気孔53によつて、ペリクル1とステージ51との間の
空間をステージ51の外部空間と接続し、また開口部5
4に防塵フイルタ55を配してペリクル1とステージ5
1との間の空間への異物の侵入を防止することにより、
開口部52、54及び通気孔53によつて形成される空
間を介して、ペリクル1とステージ51間の空間に巻き
込まれた、又は熱膨張により膨らんだ空気等をステージ
51の外部空間に逃がすことができ、また防塵フイルタ
55によつてペリクル1とステージ51間の空間の清浄
性を保つことができる。かくするにつき、ペリクル1の
膨らみを防止して異物の検出感度の低下を回避し得ると
共に、ペリクル1に異物が付着して欠陥が生じることを
防止することができる欠陥検査装置50を実現すること
ができる。
【0042】(4)第4実施例 図5において、60は全体として欠陥検査装置を示し、
ステージ51(図4)と同一構成でなるステージ61を
有すると共に、検査対象となるペリクル1(図1)の平
面度を検出し、この結果に応じてペリクル1表面を平面
に保つための制御を行うようになされている。ここで欠
陥検査装置60は、上述した平面度の検出系及び制御系
以外の部分が欠陥検査装置30(図1)と共通でなるた
め、この部分については図示及び説明を省略する。
【0043】欠陥検査装置60は、ステージ61に設け
られている開口部52及び54、通気孔53及び防塵フ
イルタ55(図示せず)を介して、ペリクル1とステー
ジ61との間の空間を圧力制御部62に接続している。
圧力制御部62は空圧供給手段であり、ペリクル1とス
テージ61との間の空間に所定圧の気体を供給又は吸引
して該空間の気圧を制御するようになされている。また
欠陥検査装置60は光源63、凹シリンドリカルレンズ
64及び凸シリンドリカルレンズ65でなる第2の照射
手段を設けている。光源63は、光ビームL3を凹シリ
ンドリカルレンズ64及び凸シリンドリカルレンズ65
を介して出射することにより、光ビームL3を図中に示
すY軸方向に拡大された直線形状の光ビームL4に変換
する。こうしてY軸方向に拡大された光ビームL4は、
図中に示すXZ平面に対する所定の傾斜角でペリクル1
に照射される。
【0044】さらに欠陥検査装置60は受光レンズ66
及び撮像素子67でなる第2の検出手段を設けている。
光源63からペリクル1に照射された光ビームL4はペ
リクル1表面で正反射し、反射光L5として受光レンズ
66を介して撮像素子67に受光される。撮像素子67
は例えば2次元CCD等でなり、反射光L5を受光する
ことによりペリクル1表面に形成される像を撮像する。
撮像素子67は、こうして受光した光ビームL5により
結像されるペリクル1表面の像を画像信号S1として制
御部68に供給する。
【0045】制御部68は、画像信号S1により供給さ
れるペリクル1表面の光ビームL4の像の歪みに応じて
ペリクル1を平面に保つための制御を行う空圧制御手段
である。すなわち制御部68は画像信号S1によるペリ
クル1表面の画像データを画像処理して、ペリクル1表
面に光ビームL4の照射により形成される直線形状の像
に歪みが生じているか否かを判別する。制御部68は、
この結果に応じて圧力制御部62に制御信号S2を送出
し、ペリクル1表面を平面に維持するような空圧制御を
行う。このように欠陥検査装置60は、ペリクル1表面
に照射される直線形状の光ビームL4が正反射した反射
光L5を受光して、光ビームL4によつてペリクル1表
面に形成される像が歪んでいるか否かに応じてペリクル
1とステージ61との間の空間の気圧を制御することに
より、ペリクル1表面を平面に維持するようになされて
いる。
【0046】以上の構成において、欠陥検査装置60は
光源63から出射される光ビームL3をY軸方向に拡大
した光ビームL4に変換してペリクル1表面に照射し、
この直線形状の光ビームL4が正反射した反射光L5を
撮像素子67により受光して、光ビームL4によつてペ
リクル1表面に形成される像が歪んでいるか否かを制御
部68によつて判別する。
【0047】例えばペリクル1表面が膨らんでいる場
合、光ビームL4によつてペリクル1表面に形成される
像は円弧状に歪むことになる。欠陥検査装置60は、こ
のような像が撮像素子67に結像された場合、制御部6
8による画像処理によつてペリクル1表面が膨らんでい
ることを判別することができる。このような結果が得ら
れた場合、制御部68は圧力制御部62に制御信号S2
を送出して、ペリクル1とステージ61との間の空間か
ら所定量の気体を吸引させる。これにより欠陥検査装置
60は、ペリクル1とステージ61との間の空間の気圧
を低下させてペリクル1表面を平面に戻すことができ
る。
【0048】またペリクル1表面が凹んでいる場合、光
ビームL4によつてペリクル1表面に形成される像は上
述の場合とは逆の円弧状に歪むことになる。欠陥検査装
置60は、このような像が撮像素子67に結像された場
合、制御部68による画像処理によつてペリクル1表面
が凹んでいることを判別することができる。このような
結果が得られた場合、制御部68は圧力制御部62に制
御信号S2を送出して、ペリクル1とステージ61との
間の空間に所定量の気体を供給させる。これにより欠陥
検査装置60は、ペリクル1とステージ61との間の空
間の気圧を上昇させてペリクル1表面を平面に戻すこと
ができる。
【0049】欠陥検査装置60は、このような空圧制御
を常時行つており、ペリクル1とステージ61との間へ
の空気の巻き込み又は熱膨張によるペリクル1の膨らみ
や、ステージ61の移動に際してベルヌーイの定理から
生じるペリクル1内外の気圧差による膨らみを防止し
て、常にペリクル1の平面状態を維持することができ
る。このような空圧制御による平面状態の維持は、大型
のペリクルの場合に特に有効である。例えば液晶プレー
トを露光装置で製造する場合に使用するフオトマスク
は、縦横の寸法が 500〔mm〕程度あり、これに装着され
るペリクルもほぼ同サイズとなる。そのためステージ6
1の移動速度、移動時間共に大きくなるし、ペリクルフ
レーム3の剛性の関係上、ペリクル1を張設する張力も
それほど大きくできない。したがつて上述したような空
圧制御を行うようにしたことにより、ペリクル1のサイ
ズ及びペリクルフレーム3への張力、ステージ61の移
動速度及び移動時間等に係わり無く、実時間の制御によ
つてペリクル1の平面状態を維持することができ、これ
によりペリクル1の膨らみを防止して異物の検出感度の
低下を回避することができる。
【0050】以上の構成によれば、光源63、凹シリン
ドリカルレンズ64及び凸シリンドリカルレンズ65を
設けてペリクル1にY軸方向に拡大した直線形状の光ビ
ームL4を照射すると共に、受光レンズ66及び撮像素
子67を設けて光ビームL4の反射光L5を受光し、さ
らに撮像素子67から受光結果である画像信号S1を制
御部68に供給して光ビームL4によりペリクル1表面
に形成される像が歪んでいるか否かを判別することによ
りペリクル1表面の平面度を検出し、こうして得られた
検出結果に応じて、圧力制御部62によつてペリクル1
とステージ61との間の空間の気圧を制御するようにし
たことにより、実時間の制御によつて常時ペリクル1の
平面状態を維持することができ、かくするにつき、ペリ
クル1の膨らみを防止して異物の検出感度の低下を回避
し得る欠陥検査装置60を実現することができる。
【0051】なお上述の第3実施例においては、ステー
ジ51の周側面に設けた開口部55を通気孔53によつ
て載置面上の開口部52と接続する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、例えばステージ51の底面
に開口部を設けて、これを載置面上の開口部と接続する
ようにしてもよい。
【0052】また上述の第4実施例においては、第2の
照射手段として光源63、凹シリンドリカルレンズ64
及び凸シリンドリカルレンズ65を設けてペリクル1に
Y軸方向に拡大した直線形状の光ビームL4を照射する
場合について述べたが、本発明はこれに限らず、照射手
段を異物の検出用と平面度の検出用とで別々に設けずに
共用する構成としてもよい。
【0053】例えば図1及び図5との対応部分に同一符
号を付した図6に示すように、照射手段として偏向走査
器12(図示せず)及び走査レンズ13のみを設けて光
ビームL1をペリクル1表面に照射する。また第2の検
出手段である受光レンズ66及び撮像素子67を光ビー
ムL1の正反射光L5の光軸上に設けてこれを受光させ
る。さらに第1の検出手段である受光レンズ17、受光
素子18及びスリツト19を設けて、光ビームL1が異
物に照射されて生じる散乱光L2を受光させるようにす
る。尚、この際に光レンズ17、受光素子18及びスリ
ツト19は、反射光L5による散乱光L2への干渉が極
力小さくなる位置に配するようにする。
【0054】このような構成を設けることにより、単一
の照射手段を第1の検出手段による異物の検出と第2の
検出手段による平面度の検出とで共用することができ、
簡易な構成で異物検出と平面度検出とを共に行うことが
できる。なお光ビームL1はペリクル1表面でX軸方向
に走査するようになされており(図1)、これにより形
成される走査線14(図1)の歪みを検出することでペ
リクル1表面の平面度を検出することができ、第4実施
例の場合と同様の効果を得ることができる。
【0055】さらに上述の第4実施例においては、光ビ
ームL3を凹シリンドリカルレンズ64及び凸シリンド
リカルレンズ65によつてY軸方向に拡大した光ビーム
L4に変換し、光ビームL4によつてペリクル1表面に
直線形状でなる像を単数形成する場合について述べた
が、本発明はこれに限らず、例えば光ビームL3を複数
の光ビームL4に分光して、ペリクル1表面に直線形状
でなる像を平行に複数形成させるようにしてもよい。こ
れにより、単数の像を形成する場合に比して、ペリクル
1表面の状態をより確実に検出することができる。
【0056】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、ペリクル
フレームに張り付けられたペリクルを載置するステージ
と、ペリクルに光ビームを照射する第1の照射手段と、
光ビームをペリクルに照射した際にペリクルからの光を
受光する受光部と、受光部から得られる信号からペリク
ルの欠陥の有無を検出する第1の検出手段と、ペリクル
をステージに載置した際にペリクル、ステージ及びペリ
クルフレームで形成される内部空間と内部空間と異なる
空間とを接続する通気手段とを設け、この通気手段によ
りペリクルとステージとの間の空間に巻き込まれた、ま
たは熱により膨張した空気等を外部に逃がすことによ
り、ペリクル表面の膨らみを防止することができ、かく
するにつき、ペリクルの膨らみを防止して検出感度の低
下を回避し得る。
【0057】また本発明によれば、第2の照射手段を設
けてペリクルに直線形状でなる光ビームを照射し、第2
の検出手段によつてこの光ビームがペリクルに反射して
生じる反射光を受光して、受光した光ビームの形状に歪
みが生じているか否かに基づきペリクルの平面度を検出
し、この検出結果に応じて、ペリクルとステージとの間
の内部空間を外部の空間に接続する通気手段を介して空
圧供給手段から内部空間に所定の圧力でなる気体を供給
又は吸引し、この圧力を空圧制御手段によつてペリクル
が平面となるように制御することにより、ペリクルに直
線形状の光ビームを照射すると共にこの反射光を受光す
ることによつて、反射光による光ビームの形状が歪んで
いるか否かに基づきペリクル表面の平面度を容易に検出
でき、これに応じてペリクルとステージとの間の内部空
間に供給又は吸引する気体の圧力を制御することによ
り、どのような状態でもペリクル表面を平面に維持する
ことができ、かくするにつき、ペリクルの膨らみを防止
して検出感度の低下を回避し得る。
【0058】さらに本発明によれば、検査対象物の検査
対象面に直線形状の光ビームを照射する光照射手段と、
光ビームの検査対象面による反射光を受光して、受光し
た反射光による光ビームの形状に歪みが生じているか否
かに基づき検査対象面の平面度を検出する平面度検出手
段を設け、検査対象物に直線形状の光ビームを照射する
と共にこの反射光を受光するようにしたことによつて、
反射光による光ビームの形状が歪んでいるか否かに基づ
き検査対象面の平面度を検出でき、かくするにつき、検
査対象物の平面度を容易に検出し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例による欠陥検査装置の構成を示す斜
視図である。
【図2】欠陥検査装置による検出部の回路構成を示すブ
ロツク図である。
【図3】第2実施例による欠陥検査装置のステージ形状
を示す斜視図である。
【図4】第3実施例による欠陥検査装置のステージ形状
を示す斜視図である。
【図5】第4実施例による欠陥検査装置の構成を示す斜
視図である。
【図6】異物検査用の照明光学系を平面度検査用の照明
光学系と兼用した構成でなる欠陥検査装置の構成を示す
略線図である。
【図7】ペリクルの構成を説明するために供する斜視図
である。
【図8】従来の欠陥検査装置の構成を示す斜視図であ
る。
【図9】従来の欠陥検査装置の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1……ペリクル、2……フオトマスク、3……ペリクル
フレーム、4……接着剤、5……バツクシート、5A…
…つまみ、10、20、30、40、50、60……欠
陥検査装置、11、31、41、51、61……ステー
ジ、12……偏向走査器、13……走査レンズ、14…
…走査線、15、15A、15B……駆動部、16……
異物、17、66……受光レンズ、18……受光素子、
19……スリツト、21、63……光源、22……対物
レンズ、23、67……撮像素子、32、33……凸
部、34、68……制御部、35……モニタ、42、4
3……凹部、44A、44B、56A、56B……載置
枠、45A、45B……吸着穴、52、54……開口
部、53……通気孔、55……防塵フイルタ、62……
圧力制御部、64……凹シリンドリカルレンズ、65…
…凸シリンドリカルレンズ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ペリクルフレームに張り付けられたペリク
    ルを載置するステージと、 前記ペリクルに光ビームを照射する第1の照射手段と、 前記光ビームを前記ペリクルに照射した際に得られる前
    記ペリクルからの光を受光する受光部と、 前記受光部から得られる信号からペリクルの欠陥の有無
    を検出する第1の検出手段と、 前記ペリクルを前記ステージに載置した際に前記ペリク
    ル、前記ステージ及び前記ペリクルフレームで形成され
    る内部空間と、該内部空間と異なる空間とを接続する通
    気手段とを具えることを特徴とする欠陥検査装置。
  2. 【請求項2】前記通気手段は、 前記ステージの前記ペリクルとの当接面に形成された溝
    でなることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装
    置。
  3. 【請求項3】前記通気手段は、 前記ステージの前記ペリクルとの当接面に設けられた凸
    部と前記当接面との高低差により形成される空間である
    ことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装置。
  4. 【請求項4】前記通気手段は、 前記ステージの前記ペリクルを載置する面に設けられた
    第1の開口部と、前記第1の開口部が設けられた面とは
    異なる前記ステージの面に設けられた第2の開口部と、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部とを接続する貫通
    口とからなることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検
    査装置。
  5. 【請求項5】前記通気手段は、 前記内部空間と該内部空間に接続された異なる空間との
    間に防塵フイルタを配することを特徴とする請求項1に
    記載の欠陥検査装置。
  6. 【請求項6】前記ペリクルに直線形状でなる光ビームを
    照射する第2の照射手段と、 前記直線形状でなる光ビームが前記ペリクルに反射して
    生じる反射光を受光し、受光した該反射光による光ビー
    ムの形状に歪みが生じているか否かに基づいて、前記ペ
    リクルの平面度を検出する第2の検出手段と、 前記通気手段を介して前記内部空間に所定圧の気体を供
    給又は吸引する空圧供給手段と、 前記第2の検出手段の検出結果に応じて、前記空圧供給
    手段による前記気体の供給量又は吸引量を制御し、前記
    ペリクルが平面となるように制御する空圧制御手段とを
    具えることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装
    置。
  7. 【請求項7】スポツト形状でなる光ビームを前記ペリク
    ルに照射し、該光ビームを所定方向に直線的に走査して
    光走査線を形成する前記第1の照射手段と、 前記第1の照射手段により形成される前記光走査線が前
    記ペリクルに反射して生じる反射光を受光し、受光した
    該反射光による光走査線に歪みが生じているか否かに基
    づいて、前記ペリクルの平面度を検出する第2の検出手
    段と、 前記通気手段を介して前記内部空間に所定圧の気体を供
    給又は吸引する空圧供給手段と、 前記第2の検出手段の検出結果に応じて、前記空圧供給
    手段による前記気体の供給量又は吸引量を制御し、前記
    ペリクルが平面となるように制御する空圧制御手段とを
    具えることを特徴とする請求項1に記載の欠陥検査装
    置。
  8. 【請求項8】フオトマスク又はレチクルに防塵のために
    装着されるペリクルに異物が付着しているか否かを検査
    する欠陥検査方法において、 前記ペリクルに直線形状でなる光ビームを照射し、 前記直線形状でなる光ビームが前記ペリクルに反射して
    生じる反射光を受光して、受光した該反射光による光ビ
    ームの形状に歪みが生じているか否かに基づいて、前記
    ペリクルの平面度を検出し、 該検出結果に応じて、前記ペリクルと前記ステージとの
    間の内部空間を該内部空間に対する外部の空間に接続す
    る通気手段を介して前記内部空間に所定の圧力でなる気
    体を供給又は吸引し、 前記圧力を制御して前記ペリクルが平面となるように制
    御することを特徴とする欠陥検査方法。
  9. 【請求項9】検査対象物の検査対象面に直線形状の光ビ
    ームを照射する光照射手段と、 前記光ビームの前記検査対象面による反射光を受光し
    て、受光した該反射光による光ビームの形状に歪みが生
    じているか否かに基づき前記検査対象面の平面度を検出
    する平面度検出手段とを具えることを特徴とする平面度
    検査装置。
  10. 【請求項10】前記光照射手段は、 前記直線形状でなる光ビームを所定間隔毎にかつ平行に
    複数照射することを特徴とする請求項9に記載の平面度
    検査装置。
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