JPH1037482A - 外壁構造 - Google Patents

外壁構造

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JPH1037482A
JPH1037482A JP19780496A JP19780496A JPH1037482A JP H1037482 A JPH1037482 A JP H1037482A JP 19780496 A JP19780496 A JP 19780496A JP 19780496 A JP19780496 A JP 19780496A JP H1037482 A JPH1037482 A JP H1037482A
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堯 石川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 既存壁の改修時、および新築の際に壁強度を
容易に向上することができる外壁構造とすることであ
る。 【構成】 基礎Eから躯体Aを構成する土台3、胴差し
9、軒桁もしくは妻梁4にかけて、強度を補強する金属
帯状の補強板Cを複数配設固定したことにより、既存壁
Bを新規壁Dで改修する際には、改修しながらにして、
建物全体の強度を向上させることができ、また、新築の
際にも容易に壁倍率を向上することができる外壁構造と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は既存外壁の改修時、およ
び新築の際の外壁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の外壁構造としては、改
修の場合はモルタルやコンクリートの既存壁上に直にあ
るいは縦胴縁を介して乾式壁材を施工した構造であっ
た。新築場合は単に主柱や間柱上に防水シートや縦胴
縁を介して乾式壁材を施工した構造であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな外壁構造では、改修時においては、既存の柱や土
台等が一部腐食しており、従来の強度を発揮しない場合
があり、この欠陥を既存壁上からはなかなか発見するこ
とができず、知らずに既存壁上に新規壁を形成してしま
う場合もあり、壁の耐久性や耐震性に問題があった。
新築の際には柱間にすじかいを入れて壁の強度を向上し
ているが、まだまだ壁倍率(壁面の強度)が十分でない
場合があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、基礎から躯体を構成する土台、胴差
し、軒桁もしくは妻梁にかけて、強度を補強する金属帯
状の補強板を複数配設固定したことにより、既存壁を
新規壁で改修する際には、改修しながらにして、建物全
体の強度を向上させることができる。また、新築の際
にも容易に壁倍率を向上することができる外壁構造を提
案するものである。
【0005】
【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る外壁構造の
一実施例について詳細に説明する。図1(a)、(b)
においてAは建物の躯体、Bは既存壁、Cは補強板、D
は新規壁、Eは基礎、Fは役物である。
【0006】躯体Aは図1(b)に示すように、垂直方
向に伸びる主柱1、間柱2、および水平方向に伸びる土
台3、軒桁もしくは妻梁4とから構成される一般的なも
のである。勿論、これらは木造構造の建物での名称であ
り、鉄骨造構造ではこれらの位置に、H型鋼材、角形鋼
材、C型鋼材等が配設されているものである。なお、図
1(b)では便宜上既存壁Bを一点鎖線で示し省略して
あるものである。
【0007】また、既存壁Bは躯体Aの外側面に例えば
木摺、防水シート、ラスシート、モルタル壁材の順に配
設、施工されたモルタル壁からなるもの、もしくは、躯
体A上に胴縁を設け、防水シート、金属サイディング、
窯業系サイディング、ALCパネル、タイル、塩ビ押出
サイディング等の乾式壁材等からなるもの、その他コン
クリート壁等からなるものである。
【0008】さらに、補強板Cは図1(a)、(b)に
示すように既存壁B上に基礎Fから土台3、主柱1、間
柱2を介して軒桁もしくは妻梁4にかけて斜めに配設さ
れるものであり、図に示すように2本以上たすき状に交
差して配設されるものである。また、補強板Cはその下
端部を基礎にコンクリートネイルやコンクリートアンカ
ー、コンクリート釘、釘、スクリュウビス等の固定具α
にて固定し、その上端を軒桁もしくは妻梁4に固定具α
にて固定するものである。勿論、補強板Cと交差する主
柱1、間柱2、土台3の部分にも固定具αにて固定すれ
ば、なお強度の向上が図られるものである。
【0009】補強板Cを配設することにより、古くなっ
た躯体Aおよび既成壁Bの強度を向上する筋交いの機能
を有するものであり、主柱1、間柱2、土台3の一部が
腐食しており、強度的に弱点があったとしても、それを
補う機能も有するものである。
【0010】なお、図1(a)、(b)は改修時の外壁
構造を示すものであるが、新築時の際は図1(a)、
(b)において既存壁Bが存在しないだけで、その他は
同様な構造となるものであり、新築時に躯体Aに補強板
Cを配設することで、壁倍率を容易に向上することがで
き、耐久性、耐震性に優れた建物とすることができる。
【0011】また、補強板Cは図2に示すように、例え
ば幅狭の長尺薄板状の金属鋼板(スチール、ステンレ
ス、チタン、アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板、ホーロー鋼
板、クラッド鋼板、ラミネート(塩ビ鋼板等)鋼板、サ
ンドイッチ鋼板、ガルバリウム鋼板、等)の薄板で金属
帯状物からなるものである。
【0012】補強板Cは金属製とすることにより、金属
が持つ特有の粘りと引っ張り強度の強さにより、壁倍率
を大幅に向上させることができると共に、薄板状とする
ことにより、補強板Cを2重、3重に交差して配設した
としても、その厚さが邪魔にならずに、新規壁を直接施
工することができるものである。
【0013】新規壁Dは金属サイディング材、もしく
は、窯業系サイディング材、塩ビ押出サイディング材、
ALCパネル、タイル、金属パネル等からなる乾式外壁
材からなるものであり、特に図3に示すような、金属薄
板からなる表面材5とシート状物からなる裏面材6と
で、合成樹脂発泡体からなる芯材7をサンドイッチした
金属サイディングが軽量で強度にも優れ、なおかつ、施
工容易な点から好ましいものである。
【0014】また、新規壁Dは図1(a)、(b)に示
すように、改修の際には補強板Cおよび既存壁B上か
ら、新築の際には補強板C上から直接、主柱1、間柱2
等の躯体Aに固定具αを介して順次取り付けられ、建物
の外表面を多い、意匠性、断熱性、防音性、防火性等を
さらに向上させるものである。勿論、新規壁Dを形成す
る際には、水切り、スタータ、止縁、ジョイナ、出隅、
入隅、等の役物Fを必要に応じて配設するものである。
【0015】次に、本発明に係る外壁構造の施工方法に
ついて説明する。先ず、図1(a)、(b)に示すよう
に、改修の際にはモルタル壁等からなる既存壁B上に、
新築の際には躯体A上に、図2に示すような長尺帯状の
補強板C2本を建物の壁面4隅から対角線上にクロスさ
せるように配設し、固定具αによって、補強板Cの下端
部を基礎Eに、上端部を軒桁もしくは妻梁4をそれぞれ
固定する。そして、補強板Cと交差する主柱1、間柱
2、土台3の部分をそれぞれ固定具αによって固定し、
躯体Aおよび既存壁Bの強度を補強し、向上させる。
【0016】そして、図3に示すような金属サイディン
グ材からなる新規壁Dを補強板C上から、主柱1、間柱
2等の躯体Aに釘等の固定具αを用いて、順次取り付
け、施工するものである。なお、基礎Eの表面に表れる
補強板Cの下端部、基礎E上に化粧モルタルや、化粧吹
き付け材を施工し、内部に隠蔽して、美観を向上させる
こともできる。
【0017】以上説明したのは、本発明に係る外壁構造
の一実施例であり、図4〜図14に示すような構造とし
たり、各部材を用いることもできる。
【0018】すなわち、図4(a)〜(f)は新規壁D
に用いられる乾式壁材のその他の例を示すものであり、
図4(a)〜(c)は金属サイディング、図4(d)は
塩ビサイディング(硬質樹脂製の表面材5で形成したも
の)、図4(e)、(f)は窯業系サイディングの断面
形状を示すものである。
【0019】図5(a)は補強板Cと新規壁Dとの間に
防水シートGを介在した例、図5(b)は補強板Cと新
規壁Dとの間に新規壁Dの取付下地となる胴縁8を介在
した例、図6は新規壁Dを縦張り状の乾式壁材とした例
である。
【0020】図7(a)は改修する既存壁Bの面積の広
さによって、補強板Cの数を任意に増やしたものであ
る。また、図7(b)は改修する既存壁Bに窓、玄関等
の開口部βが存在する際の補強板Cの配設例を示したも
のであり、開口部βの左右に補強板Cを交差して配設す
ると共に、開口部βの上下部分にも水平に伸びる補強板
Cを配設することで、既存壁Bに開口部βが存在しても
強度を向上させることができるものである。
【0021】図8は建物が2階建て以上の際の例を示す
ものであり、建物が2階建て以上の際には土台3と軒桁
もしくは妻梁4との間に胴差し9が介在する躯体Aの構
造を示す例である。なお、図7、図8においては既存壁
Bを便宜上一点鎖線で示しており、新築の際には既存壁
Bが存在しないものである。
【0022】図9は補強板Cが垂直方向に伸びる躯体A
と交差する部分の固定の仕方を示すものであり、例えば
図9(a)に示すような幅のある主柱1の場合は、水平
方向に3箇所固定具αを打設するものである。また、図
9(b)に示すような幅の狭い間柱2の場合は、垂直方
向に2箇所固定具αをそれぞれ固定するものである。
【0023】図10は補強板Cの上端部が、躯体Aの軒
桁もしくは妻梁4に固定される部分を抽出して示したも
のであり、軒桁もしくは妻梁4の上端にそって補強板C
の上端部を切り揃え、約5箇所ほど固定具αにて固定す
るものである。また、軒桁もしくは妻梁4が主柱1と交
差する部分にも3箇所ほど固定するものである。
【0024】図11は、補強板Cの下端部を補強板Cが
たるみ無く基礎Eに固定するために用いられる、取付金
具Hを示すものである。すなわち、この取付金具Hは長
方形状の板状金属物からなり、下端部に下部下孔10を
3箇所、上端部の略中央部分を切り欠き両サイドに舌片
14を形成すると共に、舌片14に上部下孔11を2箇
所形成し、さらには、取付金具Hの中心部に空洞孔12
を、側部中央に切り欠き13をそれぞれ形成したもので
ある。
【0025】次にこの取付金具Hの使用方法を説明する
と、まず図12(a)に示すように、補強板Cの下端に
それぞれ側から切り込み溝15を形成し、図12(b)
に示すように、補強板Cの切り込み溝15に取付金具H
の舌片14を挿入する。そして図12(b)の矢印に示
すように、取付金具Hの空洞孔12と切り欠き13を視
点にして、取付金具Hをある程度折りたたむ。
【0026】この状態で、図13に示すように、取付金
具Hの真ん中の下部下孔10を介して、固定具αを用い
て取付金具Hを基礎Eに仮止めする。次に図14(a)
および図14(a)の断面図である図14(b)に示す
ように、取付金具Hの舌片14に形成した上部下孔11
から下部下孔10にかけて、固定具αを挿入し、基礎E
に次第に打ちこんで固定する。そうすると、取付金具H
が次第に折りたたまれるとと同時に、補強板Cが引っ張
られ、たわみなく補強板Cを固定することができるもの
である。
【0027】なお、この取付金具Hは補強板Cの下部
(通常は、高所作業にならないように基礎E側のみ取付
金具Hを用いる)ばかりでなく、上部にも用いることが
できるものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る外壁修
構造によれば、新築時でも、改修時でも容易に壁の強
度を向上させることができ、耐久性、耐震性に優れた建
物とすることができる。補強板は基礎に取り付けるの
で土台や柱等に一部腐食や強度状の弱点部があっても、
それに影響されずに強度を向上することができる。補
強板は薄板状であるので、重ねても厚みや段差を気にせ
ずとも、新規壁を容易に形成することができる。補強
板を金属製としたので、金属特有の引っ張りにつよく粘
りがあるので、外圧が加わった際も建物が一気に破壊す
ることがない。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外壁構造の代表例を示す説明図で
ある。
【図2】本発明に用いる補強板の例を示す説明図であ
る。
【図3】本発明に用いる新規壁の例を示す説明図であ
る。
【図4】新規壁のその他の例を示す説明図である。
【図5】本発明に係る外壁構造のその他の例を示す説明
図である。
【図6】本発明に係る外壁構造のその他の例を示す説明
図である。
【図7】本発明に係る外壁構造のその他の例を示す説明
図である。
【図8】本発明に係る外壁構造のその他の例を示す説明
図である。
【図9】補強板の取り付け方の例を示す説明図である。
【図10】補強板の取り付け方の例を示す説明図であ
る。
【図11】補強板の取り付ける際に用いることができる
取付金具の例を示す説明図である。
【図12】取付金具の取り付け方の例を示す説明図であ
る。
【図13】取付金具の取り付け方の例を示す説明図であ
る。
【図14】取付金具の取り付け方の例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
α 固定具 β 開口部 A 躯体 B 既成壁 C 補強板 D 新規壁 E 基礎 F 役物 G 防水シート H 取付金具 1 主柱 2 間柱 3 土台 4 軒桁もしくは妻梁 5 表面材 6 裏面材 7 芯材 8 胴縁 9 胴差し 10 下部下孔 11 上部下孔 12 空洞孔 13 切り欠き 14 舌片 15 切り込み溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 E04B 2/56 651 E04B 2/56 651D 651S 651U 651M 651V 652 652H E04F 13/08 0231−2E E04F 13/08 N 101 0231−2E 101S 0231−2E 101D 0231−2E 101F

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 既存壁上に建築、構築物の基礎から軒桁
    もしくは妻梁に、斜めに伸びる金属帯状の補強板が配設
    され、少なくとも該補強板の上端部は既存壁を介して軒
    桁もしくは妻梁に固定されていると共に、下端部は基礎
    に固定され、さらには、該補強板上に既存壁を覆うよう
    に新規壁が形成されていることを特徴とする外壁構造。
  2. 【請求項2】 建築、構築物の基礎から軒桁もしくは妻
    梁に、斜めに伸びる金属帯状の補強板が配設され、少な
    くとも該補強板の上端部は軒桁もしくは妻梁に固定され
    ていると共に、下端部は基礎に固定され、さらには、該
    補強板上に壁が形成されていることを特徴とする外壁構
    造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007177432A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nichiha Corp 外壁リフォーム構造およびリフォーム用外壁の施工方法
JP2014234646A (ja) * 2013-06-03 2014-12-15 積水ハウス株式会社 耐力壁及び住宅

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