JPH08246635A - 外壁改修構造 - Google Patents

外壁改修構造

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JPH08246635A
JPH08246635A JP4818295A JP4818295A JPH08246635A JP H08246635 A JPH08246635 A JP H08246635A JP 4818295 A JP4818295 A JP 4818295A JP 4818295 A JP4818295 A JP 4818295A JP H08246635 A JPH08246635 A JP H08246635A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 建物の躯体強度を向上させつつ開口部周囲の
外壁を改修する。 【構成】 既存壁B面に形成されている開口部βの左右
部分に補強材Cを配設固定し、補強材C上に新規外壁D
を形成すると共に、開口部βの左右に配設した補強材C
同士を長尺状の新規壁材Dで連結した構造としたので、
建物の開口部周囲の躯体A強度を補強し、地震等の振動
や台風等の外圧に強い建物となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築、構築物の既存壁を
新規外壁で改修するための構造に関するものであり、さ
らに詳しくは、古くなった既存の躯体、既存壁の強度を
向上する補強材および補強補助材を配設して、建物の強
度を向上させた後に新規外壁を形成する改修の構造に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の外壁改修構造としては、
古くなった既存の外壁をすべて撤去して、既存の躯体や
胴縁等の壁下地材に新規外壁を形成する構造や、既存の
外壁材上に直に、もしくは、新規胴縁や防水シートを介
して新規外壁を取り付ける構造が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな改修構造では古くなった既存の外壁と新規外壁を交
換することや、傷んだ既存の外壁上に新規外壁を形成し
て、既存壁を隠蔽することの技術思想のみであり、古く
なった建物の既存の躯体、あるいは既存壁を補強し、強
度を向上させる技術思想は全く考慮に入れられていなか
った。このため、改修後の建物の躯体には負担が係り、
強度的に弱く、特に耐震性に極端に劣り、地震等の発生
で新規外壁が脱落したり、躯体の破損、建物の崩壊等の
被害が発生することもあった。また、既存壁に窓や玄関
等の開口部が形成してあった際には、特に開口部周囲の
躯体強度に弱点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような欠点
を除去するため、既存壁を新規外壁で改修する前に、少
なくとも開口部の左右どちらか一方以上に、建築、構築
物の躯体を構成する少なくとも土台、胴差し、棟桁もし
くは妻梁のいずれか2つ以上を連結する補強材を既存壁
上から配設、固定すると共に、補強材上に横張り状の乾
式壁材からなる新規外壁を形成し、開口部上下に位置す
る新規外壁は長尺状として開口部左右の補強材同士を連
結する改修構造としたので、改修により躯体強度を向上
させると共に、特に強度に劣る開口部周囲の強度を向上
させ、耐震性に強い外壁改修構造を提案するものであ
る。
【0005】
【実施例】以下に図面を用いて本発明に係る外壁改修構
造の一実施例について詳細に説明する。図1(a)、
(b)および図2(a)、(b)は上記外壁改修構造の
一例を示す説明図であり、Aは既存建物の躯体、Bは既
存壁、Cは補強材、Dは新規外壁である。すなわち、図
1(a)、(b)は新規外壁Dの施工後を示すものであ
り、図1(b)は補強材Cの配設位置を2点鎖線で示し
たものである。図2(a)、(b)は新規外壁Dの施工
前、すなわち既存壁Bに補強材Cを配設したところを説
明するものであり、特に図2(b)では便宜上既存壁B
を省略して示すと共に、新規外壁を一点鎖線で示したも
のである。
【0006】躯体Aは図2(b)に示すように、垂直方
向に伸びる主柱1、間柱2、および水平方向に伸びる土
台3、軒桁もしくは妻梁4とから構成される一般的なも
のである。勿論、これらは木造構造の建物での名称であ
り、鉄骨造構造ではこれらの位置に、H型鋼材、角形鋼
材、C型鋼材等が配設されているものである。なお、図
では便宜上既存壁Bを省略して示してあるものである。
【0007】また、既存壁Bは、躯体Aの外側面に例え
ば木摺、防水シート、ラスシート、モルタル壁材の順に
配設、施工されたモルタル壁からなるもの、もしくは、
躯体A上に胴縁を設け、防水シート、金属サイディン
グ、窯業系サイディング、ALCパネル、タイル、塩ビ
押出サイディング等の乾式壁材等からなるものである。
【0008】また、Cは補強材であり、図1(b)、図
2(a)、(b)に示すように既存壁B上から既存壁B
を介して躯体Aに、釘、スクリュービス、テクス、アン
カー、アンカーボルト等の固定具αによって取り付け、
古くなった躯体Aおよび既存壁Bの強度を向上するもの
である。
【0009】補強材Cは図3(a)に示すように、例え
ば幅狭の長尺薄板状の鋼材、木材、合成樹脂材、アルミ
押出材、カラー鋼板、あるいはこれらの複合材等からな
るものである。
【0010】また、補強材Cは図2(b)に示すように
既存壁Bに形成されている窓、玄関等の開口部βの少な
くとも左右どちらか一方に、躯体Aを構成し、水平方向
に伸びる土台3、軒桁もしくは妻梁4のいずれか2つ以
上を連結するように、既存壁B上から筋交い的に配設、
固定し、建物の躯体A強度を向上させるものである。さ
らに、補強材Cは、壁面の対角を互いにクロスするよう
に筋交い的に配設した方が強度的に好ましく、勿論、垂
直方向に伸びる主柱1、間柱2にも固定具αを用いて、
補強材Cを固定することもできるものである。また、図
3(b)に示すように、補強材Cと躯体Aとの固定は釘
等の固定具αを複数用いて固定するのが強度的に好まし
いものである。
【0011】さらに、図1、図2は1階建ての建物の例
であるので、1階部分と2階部分を連結する胴差し5が
存在しないものであり、その際は土台3と軒桁もしくは
妻梁4とを補強材Cで連結することになるものである。
また、建物が2階建て以上の際には土台3と軒桁もしく
は妻梁4との間に胴差し5の数が順次増えるものであ
り、その際には、胴差し5同士を補強材Cで連結する場
合も生じるものである。
【0012】Dは新規外壁であり、図4に示すような金
属サイディング材、もしくは、窯業系サイディング材、
塩ビ押出サイディング材、ALCパネル、タイル、金属
パネル等からなる横張り状の乾式外壁材からなるもので
あり、軽量で強度もあり施工容易な点から金属サイディ
ングが好ましいものである。また、新規外壁Dは補強材
Cおよび既存壁B上から直接、主柱1、間柱2等の躯体
Aに固定具αを介して順次取り付けられ、建物の外表面
を多い、意匠性、断熱性、防音性、防火性等をさらに向
上させるものである。
【0013】また、新規外壁Dは既存壁Bに形成されて
いる開口部βの上下部分は長尺状とするものであり、開
口部βの左右に形成される補強材C同士を少なくとも1
枚ものの新規外壁Dにて連結するものである。すなわ
ち、新規外壁Dは筋交いとして使用された補強材Cの効
果を開口部βの上下部分にわたって連続的に作用させる
ものであり、長尺状の新規外壁Dを配設することで、開
口部β周囲の上下左右すべての面の躯体A強度を大幅に
向上させるものである。
【0014】次に、本発明に係る外壁改修構造の施工方
法について説明する。先ず、図2(a)、(b)に示す
ように、モルタル壁からなる既存壁B上に図3(a)に
示すような長尺板状の補強材C2本を、図2(a)に示
すように建物の開口部βの左右に対角線上にクロスさせ
るように配設し、固定具αによって、土台3と軒桁もし
くは妻梁4をそれぞれ連結し、既存の躯体Aおよび既存
壁Bの強度を補強し、向上させる。
【0015】そして、図1に示すように、金属サイディ
ング材からなる新規外壁Dを補強材C上から、主柱1、
間柱2等の躯体Aに釘等の固定具αを用いて、順次取り
付け、施工し、特に開口部βの上下部分では、開口部β
の左右の補強材Cを連結するように長尺状で1枚ものの
新規外壁Dを開口部βの上下に水平に配設し主柱1、間
柱2に固定具αにて固定し、開口部β周囲の強度を向上
するものである。勿論、新規外壁Dの形成に際しては、
土台部6、開口部β周囲、出隅部7部分にはジョイナ
ー、水切り、スタータ、出隅セット等の各種役物を使用
するものである。
【0016】以上説明したのは、本発明に係る外壁改修
構造の一実施例であり、図5〜図13に示すような改修
構造としたり、改修ための部材を用いることもできる。
【0017】すなわち、図5(a)は開口部βが壁面の
一端部まで存在する場合の補強材Cの配設例を示すもの
であり、開口部βの一方にのみ補強材Cをクロス状に配
設した例である。図5(b)は開口部βがさらに土台3
まで拡大している場合を示すものであり、この際には補
強補助材Dを開口部βの上部にのみ配設する例である。
【0018】図6(a)は補強材Cを、図6(b)に拡
大して示すように、固定具αを固定した後に端部を折り
返して配設したものであり、固定強度を向上させた例を
示すものである。
【0019】図7および図8は建物が2階建て以上で、
土台3と軒桁もしくは妻梁4との間に胴差し5が存在す
る際に、補強材Cの配設例を各々示したものである。勿
論、図5から図8においては既存壁Bを省略して示した
ものである。
【0020】図9は補強材Cの変形例であり、(a)図
は断面をL字状に、(b)図はコ字状に、(c)図は凸
状を形成、(d)図は断面ハット状に、(e)図は中空
角形に、(f)図は中空楕円もしくは円型にそれぞれ形
成したものであり、いずれも平板状の補強材Cと比較し
て強度を向上させたものである。
【0021】また、(g)図は補強材Cを略コ字状に形
成し、さらに、先端部分を針状に形成したものであり、
別途固定具αを使用せず、先端部分をそのまま既存壁B
上から躯体Aにかけて打ち込んで使用する例である。さ
らに、(g)図はターンバックル状の補強材Cであり、
補強材Cを既存壁B上に配設した後に、ボルト部8を締
結し強固に締め付け、躯体A、既存壁Bの強度を向上さ
せたものである。
【0022】図10〜図13は新規外壁Dに用いられる
乾式壁材の例を示すものであり、図10(a)〜(e)
および、11(a)は、特に横張り状金属サイディング
の断面形状を示す説明図で、表面材9としてカラー鋼
板、アルミニウム鋼板等の各種薄型金属板を用い、芯材
10としてポリウレタンフォーム、イソシアヌレートフ
ォーム、フェノールフォーム等の合成樹脂発泡体、もし
くは、石膏ボード、ロックウール等の各種断熱材を用
い、裏面材11としては各種薄型金属板もしくはクラフ
ト紙、アルミニウム蒸着紙、防水紙等のシート状物を用
いたものである。
【0023】図11(b)〜(d)は窯業系サイディン
グ、押出陶板の例、図12(a)〜(c)は縦横兼用張
りの金属サイディングの断面形状を示す説明図、図13
(a)、(b)は塩ビ押出サイディング、もしくはアル
ミ押出サイディングの例である。勿論、これらの部材を
各々組み合わせた改修構造とすることもできる。また、
補強材Cと新規外壁Dとの間に防水シートを介在した
り、胴縁を介在させて新規外壁Dを形成したりすること
もできる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る外壁改
修構造によれば、従来の欠点を解決し、既存の躯体も
しくは既存の外壁の強度を補強する補強材を開口部の左
右に配設し、長尺状の乾式壁材で左右の補強材を連結す
るので既存壁に開口部が存在しても建物全体の強度を向
上させ、水平方向の荷重に強く地震等の振動や、台風等
の外圧に強い構造となる。既存壁を解体する必要がな
いので、施工工数を省略できると共に、工期を大幅に短
縮することができ、しかも施工中の居住に何等支障を来
さない。既存壁上に直接新規外壁を形成するので、施
工が簡単でコストを節約できる。既存壁と新規外壁の
2重壁構造となり、断熱性、防音性、防火性に富む構造
となる。等の特徴、効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る外壁改修構造の代表例を示す説明
図である。
【図2】本発明に係る外壁改修構造の代表例を示す説明
図である。
【図3】本発明に用いる補強材の例を示す説明図であ
る。
【図4】本発明に用いる新規外壁の例を示す説明図であ
る。
【図5】本発明に係る外壁改修構造のその他の例を示す
説明図である。
【図6】本発明に係る外壁改修構造のその他の例を示す
説明図である。
【図7】本発明に係る外壁改修構造のその他の例を示す
説明図である。
【図8】本発明に係る外壁改修構造のその他の例を示す
説明図である。
【図9】補強材のその他の例を示す説明図である。
【図10】新規外壁を形成する乾式壁材のその他の例を
示す説明図である。
【図11】新規外壁を形成する乾式壁材のその他の例を
示す説明図である。
【図12】新規外壁を形成する乾式壁材のその他の例を
示す説明図である。
【図13】新規外壁を形成する乾式壁材のその他の例を
示す説明図である。
【符号の説明】
α 固定具 β 開口部 A 躯体 B 既存壁 C 補強材 D 新規外壁 1 主柱 2 間柱 3 土台 4 軒桁もしくは妻梁 5 胴差し 6 土台部 7 出隅部 8 ボルト部 9 表面材 10 芯材 11 裏面材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築、構築物の既存壁に開口部が形成さ
    れている既存壁面を新規外壁で改修する構造において、
    少なくとも開口部の左右どちらか一方以上に、建築、構
    築物の躯体を構成する土台、胴差し、棟桁もしくは妻梁
    のいずれか2つ以上を連結する補強材を既存壁上から配
    設、固定すると共に、該補強材上から乾式横張り外壁材
    からなる新規外壁を形成し、かつ、開口部の上下に位置
    する乾式横張り外壁材は長尺状で開口部左右の補強材同
    士を連結することを特徴とする外壁改修構造。
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