JPH1037425A - ワイヤ用端子金具 - Google Patents

ワイヤ用端子金具

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JPH1037425A
JPH1037425A JP21195396A JP21195396A JPH1037425A JP H1037425 A JPH1037425 A JP H1037425A JP 21195396 A JP21195396 A JP 21195396A JP 21195396 A JP21195396 A JP 21195396A JP H1037425 A JPH1037425 A JP H1037425A
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JP
Japan
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wire
inner cylinder
terminal fitting
outer cylinder
hole
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JP21195396A
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English (en)
Inventor
Yasuo Matsuda
康雄 松田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 かしめ加工が容易でありながら、十分な解離
強度を備えていて、比較的小サイズのワイヤに適用され
る端子金具を提供する。 【解決手段】 ワイヤ1に外嵌する軸部23を有する。
この軸部23は、ステンレス鋼で形成した外筒25と、
銅合金で形成した内筒26とで形成する。内筒26は外
筒25に設けた嵌合穴27に圧嵌装着する。内筒26は
柔らかな銅合金で形成し、その分だけ軸部23のかしめ
に要する力を軽減化する。柔らかな内筒26は、ワイヤ
1の表面のストランド間の隙間や素線間の隙間に喰い込
んで、ワイヤ1との接触面積が増加する。硬い外筒25
は、内筒26の変形状態を維持し、全体として解離強度
を増強する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、手すりや柵用の保
護索、商品陳列用に張られたワイヤ、照明器具や案内板
等を天井に吊持するワイヤ等の比較的小サイズのワイヤ
にかしめ固定される端子金具に関する。
【0002】
【従来の技術】小サイズのワイヤを手すりの保護索に適
用することは、例えば特開平8−93167号公報や実
開平4−111944号公報に公知である。そこでは、
ワイヤの一端をボールチャックで固定し、ワイヤの他端
にかしめ固定した端子金具をワイヤ緊張具で引き寄せ
て、隣接する支柱間にワイヤをぴんと張り渡している。
本出願人も同趣旨のワイヤ緊張装置を先に提案している
(特開平8−166046号、同8−166047
号)。そこでは、ワイヤの端部に外嵌する軸部と、軸部
の一端に張り出したフランジ部とで端子金具を形成して
いる。ワイヤを軸部に差し込んだのち軸部をかしめ固定
することにより、端子金具はワイヤに固定できる。な
お、端子金具はステンレス鋼材で形成してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】先に述べたようにワイ
ヤを保護索として使用するような場合には、ワイヤに人
がもたれ掛かったり、他物がワイヤに衝突する状況を避
けられない。こうした状況において、ワイヤが金具から
解離するのを阻止するには、端子金具の解離強度を向上
する必要がある。この点、ステンレス鋼材で形成した端
子金具は、大きな解離強度を備えていて、ワイヤに大き
な外力や衝撃が作用する場合でも、連結状態を維持し続
けることができる。
【0004】但し、外力に十分に対抗できるステンレス
鋼材製の端子金具は、そのかしめ加工に要するかしめ力
も大きくなる。そのため作業現場においてかしめ加工を
行えない点に問題がある。例えば、軸部の外径を10mm
とし、ワイヤの連結穴の内径を5mmとした従来の端子金
具の場合には、そのかしめ処理を公称圧力が20トンク
ラスのプレス機を用いて行っており、これを作業現場へ
持ち込むことは実用上無理がある。こうした理由から、
従来は端子金具を予めかしめ連結した多数本のワイヤを
作成し、これを現場に持ち込んで保護索を形成してい
る。しかし、予め端子金具を固定したワイヤは、その張
架距離が設計値より大きい場合に備えて、その設計寸法
にある程度の余裕を加えた長さに切断しておく必要があ
り、ワイヤの材料ロスを避けられない。および現場でワ
イヤを再切断する手間が必要な点で問題がある。なお、
作業現場へ持ち運びが可能な小形のプレス機もあるが、
この種のプレス機の公称圧力は最大でも10トン程度で
しかない。
【0005】本発明の目的は、ワイヤのストランド間の
隙間に喰い込んで、かしめ変形時の接触面積を増加で
き、その分だけ解離強度を増強できるにも拘らず、より
小さなかしめ力でかしめ加工を行えるワイヤ用端子金具
を提供することにある。本発明の目的は、作業現場で小
形のプレス機を用いて手軽にかしめ加工を行うことがで
き、従ってワイヤの材料ロスを解消し、しかも施工に要
する手間を軽減して、施工コストを減少できるワイヤ用
端子金具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の端子金具は、比
較的小径のワイヤ1にかしめ固定される端子金具Eを対
象とする。端子金具Eは、ワイヤ1に外嵌する穴30を
備えている筒状の軸部23を有する。軸部23は鋼合金
で形成した外筒25と、外筒25に内嵌固定される内筒
26とからなり、内筒26を外筒25よりかしめ変形し
やすい軟質金属で形成することを特徴とする。
【0007】具体的には、軸部23に外筒25の一端か
ら他端へ向かって内筒26を挿嵌するための嵌合穴27
と、嵌合穴27より小径の抜止め穴28とを形成する。
嵌合穴27に内嵌固定した内筒26のかしめ穴29と抜
止め穴28とで、ワイヤ1の挿嵌を許す穴30を形成す
る。外筒25はステンレス鋼材で形成し、内筒26は
銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金のいずれ
かを素材にして形成することができる。
【0008】
【作用】端子金具Eの軸部23は、鋼合金で形成した外
筒25と、外筒25よりやわらかく、かしめ変形しやす
い金属で形成した内筒26とからなるので、端子金具E
をワイヤ1にかしめ固定したとき、内筒26のワイヤ1
に対する密着度、即ち接触面積を向上できる。詳しく
は、かしめ変形した内筒26はワイヤ1のストランドの
間の隙間や、素線の間の隙間に喰い込んで、ワイヤ1と
の接触面積が増加する。このように内筒26をワイヤ表
面に喰い込ませる端子金具Eは、軸部23の全体をステ
ンレス鋼材で形成した端子金具に比べて、より小さなか
しめ力でワイヤ1にかしめ固定できる。因みに、軸部2
3の全体を銅やアルミニウムなどの軟質金属で形成した
端子金具の場合には、さらに小さなかしめ力でかしめ処
理できるが、十分な解離強度が得られにくい。こうした
不利を克服し、一旦かしめ変形した軸部23の解離強度
を十分なものとするために、軸部23の外筒25を鋼合
金やステンレス鋼材で形成している。
【0009】外筒25の一端に設けた抜止め穴28は、
ワイヤ1に大きな外力が作用する場合に、内筒26のか
しめ変形部分がワイヤ1に同行移動しようとするのを受
け止めて、ワイヤ1が端子金具Eから解離するのを確実
に阻止する。つまり、ワイヤ1はその端部を抜止め穴2
8の側から軸部23の穴30に挿嵌した後、軸部23を
かしめ処理する。
【0010】
【実施例】図1ないし図5は本発明に係る端子金具を保
護索用のワイヤ緊張装置に適用した実施例を示す。図4
において、符号1はワイヤ、2はワイヤ1の一端を固定
保持するワイヤ固定具、3はワイヤ1の他端をクランプ
固定してワイヤ1をワイヤ固定具2から遠ざかる側へ引
っ張って緊張させるワイヤ緊張具である。ワイヤ固定具
2およびワイヤ緊張具3は、それぞれ支柱4に溶接した
ブラケット5に連結する。
【0011】図5において、ワイヤ固定具2は有底筒状
のケース7と、ケース7の右側の開口端にねじ込まれる
取付金具8とを有し、ワイヤ1の端部にかしめ固定した
端子金具Eをケース7内に収容し、端子金具Eを圧縮コ
イル形のばね9と、ベアリング10を介してケース内奥
端(図で左側)で抜止め状に受け止め支持する。ばね9
はワイヤ1のたるみを吸収除去する。ベアリング10
は、ケース7およびワイヤ緊張具3をねじ込み操作する
際に、ワイヤが捻じられるのを避ける。
【0012】同じ図5において、ワイヤ緊張具3は、ワ
イヤ1の遊端をクランプ固定するボールチャック11
と、ボールチャック11の全体を図上右側に収容する有
底筒状の主ケース12と、主ケース12の左側の開口端
にねじ込まれる取付金具13とを有し、それにボールチ
ャック11と主ケース12の右側の内奥端との間にベア
リング14が内装されている。
【0013】ボールチャック11は、内面にテーパー面
を有するケース16と、ケース16内に組み込んだコー
ン形のホルダ17と、ホルダ17で支持される大小2組
のボール18・19と、ホルダ17をクランプ付勢する
圧縮コイル形のチャックばね20で構成する。いたずら
によるホルダ17のクランプ解除操作を不可能とするた
めに、ホルダ17は操作部が省略してあり、その全体を
ケース16のワイヤ通口より内側に位置させる。大小の
ボール18・19はそれぞれ3個を一組にして設けてあ
る。ベアリング14は多数個の鋼球からなる。
【0014】取付金具8・13は、それぞれ有底筒状の
キャップ体からなり、その底壁に挿通した六角穴付ボル
ト21でブラケット5に連結する。詳しくは、六角軸か
らなるブラケット5に、取付金具8・13の底壁に通設
した六角穴を外嵌し、ボルト21をブラケット5のねじ
穴にねじ込んで、その頭部で取付金具8・13を抜け外
れ不能に受け止める。
【0015】ワイヤ1を支柱4間に張り渡す際には、主
ケース12のねじ山の数条を一方の取付金具13のねじ
山にかみ合わせた後、ワイヤ1の遊端をボールチャック
11に差し込んでクランプ固定する。次にワイヤ固定具
2を引っ張りながら他方の取付金具8に完全にねじ込ん
で、ワイヤ1を仮張設する。最後に、主ケース12の周
面にスパナを当てがって取付金具13にねじ込み、ばね
9が全圧縮するまで主ケース12をねじ込んで、ワイヤ
1にたるみが生じる余地をなくす。
【0016】上記のワイヤ緊張装置においては、端子金
具Eにワイヤ張力が常時作用し、ワイヤ1に人がもたれ
掛かったり、他物が衝突するような場合には、前記ワイ
ヤ張力を越える大きな外力が端子金具Eに作用する。こ
うした状況においてもワイヤ1との連結状態を維持でき
るようにし、さらにかしめ処理を容易化するために、端
子金具Eは次のように構成してある。
【0017】図1および図2において、端子金具Eはワ
イヤ1に外嵌する軸部23を有し、軸部23の一端にば
ね9を受け止めるフランジ24を張り出し形成する。詳
しくは、軸部23およびフランジ24を含む外筒25
と、この外筒25に内嵌固定される内筒26とで端子金
具Eを構成する。
【0018】外筒25はステンレス鋼や機械構造用炭素
鋼などの鋼合金を素材にして旋削形成してあり、その内
面に内筒26を挿嵌するための嵌合穴27をフランジ2
4側で開口するよう形成し、嵌合穴27の内奥端に連続
して、これより小径の抜止め穴28を形成する。
【0019】内筒26は外筒25よりかしめ変形しやす
い軟質金属で円筒状に形成し、外筒25の嵌合穴27に
遊動不能に圧嵌装着する。内筒26の内面のかしめ穴2
9と、外筒25の一側端に設けた抜止め穴28とは同一
直径寸法に設定してあり、これら両者28・29でワイ
ヤ1に外嵌する穴30を形成する。内筒26を形成する
軟質金属としては、銅、銅合金、アルミニウム、アルミ
ニウム合金等を適用できる。この実施例では外筒25を
ステンレス鋼材で形成し、黄銅で形成した内筒26を外
筒25に圧嵌装着した。
【0020】外筒25の厚みが増すほど、端子金具Eの
かしめ変形に要する力が増加し、施工現場でかしめ処理
を行うのが難しくなる。逆に内筒26の厚みを増せば、
端子金具Eのかしめ加工を容易化できるが、解離強度は
低下する。こうした相反する要求を満足し、さらに保護
索に要求される強度を同時に満足するには、外筒25と
内筒26との厚みの比を適正化し、施工現場でのかしめ
加工を公称圧力が10トン未満の可搬式のプレス機で容
易に行えるように設計する。内筒26および外筒25の
材質の違いや、ワイヤ1のサイズおよび撚り構造の違い
等によって、外筒25と内筒26の厚みの比は一定範囲
で変更できる。
【0021】図1に示すように、ワイヤ1はその遊端を
端子金具Eの穴30に抜止め穴28側から差し込んだ
後、軸部23の少なくとも中央一個所をプレス機で断面
長円状にかしめて端子金具Eを連結する。かしめ変形に
よって、外筒25は図3に示すように長円状に押し潰さ
れる。内筒26も同様に押し潰されてワイヤ1のストラ
ンド間の隙間や、素線間の隙間に入り込む。そのため、
内筒26はワイヤ1に対して密着し、従来の全ステンレ
ス製の端子金具に比べて、ワイヤ1との接触面積が格段
に増加できる。しかも、内筒26が元の形状へ戻ろうと
するのを外筒25で規制して密着状態を維持し続ける。
軸部23の一端側に設けた抜止め穴28は、かしめ変形
された内筒26が外筒25から抜け出すのを阻止して、
解離強度をさらに増強するのに役立つ。
【0022】図6(a)・(b)は端子金具Eの変形例
を示す。図6(a)の端子金具Eは、上記の実施例にお
けるフランジ24を省略し、軸部23のみで端子金具E
を形成した。図6(b)では、上記の実施例とは逆に、
フランジ24側の端部に抜止め穴28を設けて他方の端
部から内筒26を嵌合穴27に圧嵌装着した。
【0023】上記以外に本発明の端子金具Eは、ワイヤ
1を天井と床との間に張り渡し、あるいは天井から照明
器具を吊持する場合等に使用するこができる。端子金具
は原則としてワイヤ1の端部にかしめ固定して使用する
が、必要があればワイヤ1の中途部に固定して使用でき
る。内筒26の周面にねじを形成しておき、ねじ穴から
なる嵌合穴27に内筒26をねじ込んで、内筒26を外
筒25に一体化できる。内筒26の周面と嵌合穴27と
を抜止め穴28へ向かってすぼまるテーパー面で形成し
ておき、テーパー面を介して内筒26を外筒25に内嵌
装着できる。
【0024】
【発明の効果】本発明では、鋼合金で形成した外筒25
と、外筒25よりかしめ変形しやすい軟質金属で形成し
た内筒26とで軸部23を構成し、軸部23をワイヤ1
に外嵌した状態でかしめ処理することにより内筒26を
ワイヤ1の表面に密着させ、この密着状態を外筒25で
保持できるようにした。従って、全体がステンレス鋼で
形成してある従来の端子金具に比べて、かしめ処理に要
する力を減らしながら、端子金具Eとワイヤ1の解離強
度を増強でき、例えば保護索の施工現場へ持ち込んだ可
搬式の比較的小形のプレス機で端子金具Eのかしめ処理
を容易に行える。これにより、ワイヤ1の材料ロスや施
工時の手間を減少し、全体として施工費用を減らすこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ワイヤ用端子金具の縦断正面図である。
【図2】ワイヤ用端子金具を分解した状態の縦断正面図
である。
【図3】軸部をかしめ変形した状態の縦断側面図であ
る。
【図4】ワイヤ緊張装置を保護索に適用した正面図であ
る。
【図5】ワイヤ緊張装置の縦断正面図である。
【図6】端子金具のそれぞれ異なる変形例を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 ワイヤ 23 軸部 24 フランジ 25 外筒 26 内筒 27 嵌合穴 28 抜止め穴 30 穴 E 端子金具

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤ1にかしめ固定される端子金具で
    あって、 ワイヤ1に外嵌する穴30を備えている筒状の軸部23
    を有し、 軸部23が、鋼合金で形成した外筒25と、外筒25に
    内嵌固定される内筒26とからなり、 内筒26が、外筒25よりかしめ変形しやすい軟質金属
    で形成されていることを特徴とするワイヤ用端子金具。
  2. 【請求項2】 軸部23に、外筒25の一端から他端へ
    向かって内筒26を挿嵌するための嵌合穴27と、嵌合
    穴27より小径の抜止め穴28とが形成されており、 ワイヤ1の挿嵌を許す穴30が、嵌合穴27に内嵌固定
    した内筒26のかしめ穴29と抜止め穴28とで形成さ
    れている請求項1記載のワイヤ用端子金具。
  3. 【請求項3】 外筒25がステンレス鋼材で形成されて
    おり、 内筒26が銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合
    金のいずれかを素材にして形成されている請求項1又は
    2記載のワイヤ用端子金具。
JP21195396A 1996-07-22 1996-07-22 ワイヤ用端子金具 Pending JPH1037425A (ja)

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JP21195396A JPH1037425A (ja) 1996-07-22 1996-07-22 ワイヤ用端子金具

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JP (1) JPH1037425A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006189036A (ja) * 2004-12-06 2006-07-20 Konica Minolta Holdings Inc 駆動装置
JP2018057718A (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 モリト株式会社 ワイヤ端部の連結具及びその製法

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