JP2741482B2 - 衝撃吸収用クリップ - Google Patents

衝撃吸収用クリップ

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JP2741482B2
JP2741482B2 JP18650094A JP18650094A JP2741482B2 JP 2741482 B2 JP2741482 B2 JP 2741482B2 JP 18650094 A JP18650094 A JP 18650094A JP 18650094 A JP18650094 A JP 18650094A JP 2741482 B2 JP2741482 B2 JP 2741482B2
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rope
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博 吉田
和夫 南
正輝 笠間
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博 吉田
金森藤平商事株式会社
帝国金属株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、落石防止柵やガイドロ
ープなどの衝撃吸収柵に用いられる衝撃吸収用クリップ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の衝撃吸収柵としては、鋼製の支柱
間に金網等のネットを張り巡らしたり、或いは支柱間に
複数のワイヤーロープを平行に張設した落石防護柵やガ
イドロープなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】前記した従来の衝撃
吸収技術にあっては、次のような問題点がある。
【0004】<イ> 従来の落石防止柵やガイドロープ
は、支柱の塑性変形やネットまたはワイヤーロープの弾
性伸びを利用して落石などの衝突物の衝撃を吸収する方
式である。このため、落石防止柵やガイドロープの衝撃
吸収率を高めるためには、支柱に剛性の高い部材を使用
し、ネットまたはワイヤーロープに引張耐力の大きなも
のを使用しなければならない。従って、衝撃吸収率のア
ップを期待できる反面、部材のコストアップや重量増加
に伴う施工性の低下という問題が生じる。
【0005】<ロ> 従来の落石防止柵やガイドロープ
では、一般的に高い衝撃吸収効果を期待できない。
【0006】<ハ> 落石などの衝突の都度、変形した
支柱を交換しなければならず、落石防止柵やガイドロー
プの維持管理に多大な費用をかかる。
【0007】
【本発明の目的】本発明は以上の問題を解決するために
成されたもので、その目的とするところは、高い衝撃吸
収効果を得られ、衝撃吸収柵の維持管理に多大な費用を
要しない衝撃吸収用クリップを提供することにある。
【0008】
【問題点を解決するための手段】即ち本発明は、二本の
ロープの交差部分を圧着しロープに一定以上の張力が作
用したときロープの摺動を許容する衝撃吸収用クリップ
において、相対向する圧接片を有し各圧接片に貫通孔を
開設した本体と、一端に螺着部を形成すると共に他端に
楔状頭部を形成し前記各圧接片を貫通して配するボルト
と、該ボルトの螺着部に取り付けたナットとにより構成
し、前記本体は該圧接片間に各ロープ方向へ向けた収容
溝を形成してロープ交差部分を収容可能とし、前記ボル
トは楔状頭部に本体内に収容したロープを斜めに圧接す
る押圧面を形成したことを特徴とする、衝撃吸収用クリ
ップである。
【0009】また本発明は、前記に記載の衝撃吸収用ク
リップにおいて、前記ボルトの螺着部端部に角柱体を形
成したことを特徴とする、衝撃吸収用クリップである。
【0010】
【実施例1】以下図面を参照しながら本発明の一実施例
について説明する。
【0011】<イ>全体の構造 図1に衝撃吸収用クリップ70の斜視図を示す。衝撃吸
収用クリップ70は、クリップ本体10とボルト20と
ナット30とワッシャ40により構成されている。図1
中の51、52はロープであって、衝撃吸収用クリップ
70の圧着対象となる部材である。以下各部について詳
述する。
【0012】<ロ>本体 本体10は、相対向する二枚の圧接片11、12を有
し、それらの間にロープ51、52の交差部分を収容す
るための部材である。この本体10は、例えば図1のよ
うに、対向する圧接片11、12を連結片13で連結し
た構造で、圧接片11、12間に収容口14を形成して
いる。この収容口14から圧接対象となるロープ51、
52を収容可能であり、その奥部には図2または図3の
ようにロープ収容用の収容溝15、16が刻設されてい
る。収容溝15、16は、図3のように平面から見て圧
接片11、12と平行であって、図1のように側面から
見て交差するように形成されている。収容溝15、16
の溝幅はロープ51、52の外径とほぼ同寸法として設
定されている。この為、ロープ51、52は溝15、1
6内で横ずれすることなく、圧接片11、12間に横並
び状態で収容される。
【0013】図1のように圧接片11、12にはボルト
20挿通用の長孔111、丸孔121がそれぞれ開設さ
れている。丸孔121はボルト20の螺着部22の外径
よりやや大きく円形状に開設されている。一方、長孔1
11はボルト20の楔状頭部21の外径に合わせたほぼ
楕円状の孔であって縦長に開設されており、挿通したボ
ルト20がナット締結時にナット30と共に回転しない
ようになっている。
【0014】<ハ>ボルト 図1のように、ボルト20は、その一端に雄ネジを刻設
した螺着部22を形成し、他端に楔状頭部21を一体に
形成している。楔状頭部21は、端に向けて拡径してボ
ルト20の軸方向に対して傾斜した押圧面211を形成
している。このボルト20は、押圧面211を直線溝1
5側へ向けて、即ち上向きにして前記長孔111、丸孔
121内へ挿入される。また、ボルト20は、図2のよ
うに本体10に取り付けた後、ナット30の締め付け力
に応じて収容されるロープ51を押し付け力が加減でき
るようになっている。更に、前記押圧面211の表面は
ロープ51方向に対して湾曲状であるから、ロープ51
を圧接した際に傷付けることがない。
【0015】
【作用】次に落石防止柵に用いた場合の衝撃吸収用クリ
ップの使用方法について説明する。
【0016】<イ>落石防止柵への設置 図4に落石防止柵50を概略図を示す。落石防止柵50
は、斜面などに支柱54を所定間隔で立設し、その支柱
54、54間を平行して二本の太径のロープ53、53
を張設し、そのロープ53の間に細径のロープ51(5
2)を多数張設して網状とし、ロープ51とロープ52
の交差位置に衝撃吸収用クリップ70を取り付け、ロー
プ53とロープ51(52)の交差位置に公知の締結具
55を取り付けて構成されている。衝撃吸収用クリップ
70の取り付けは、図1に示すように、ロープ51と5
2の交差部分に本体10を上方から外装して、ロープ5
2、51をそれぞれ収容溝15、16内へそれぞれ挿通
した状態とし、ボルト20を長孔111、丸孔121へ
螺着部22側から挿通し、その螺着部22にワッシャ4
0を介しナット30を取り付けて行う。
【0017】<ロ>衝撃吸収用クリップの締め付け設定 図2のように、ナット30の締め付けにより、ボルト2
0の押圧面211が本体10内のロープ51周面を圧接
し、ロープ51がロープ52を圧接して、ロープ51お
よびロープ52がクリップ体10内で圧着される。その
際、連結片13の内面とロープ52周面、ロープ51周
面とロープ52周面が大きな接触面積をもって圧接され
るから、押圧面211からの小さな締結力で大きな圧着
力が得られる。また、ナット30の回転により、傾斜し
た楔状頭部21がロープ51を斜め方向に圧接していく
構造であるから、ナット30の締め付けに強い力を必要
としないと共に、その圧接力を微調整することが可能で
ある。この為、衝撃吸収用クリップ70の締め付け具
合、即ちナット30の締め付け具合は、網状としたロー
プ51、52へ落石があったとき、本体10に対してロ
ープ51、52が多少ずれる程度の微妙な調整ができ
る。
【0018】<ハ>落石時 落石防止柵50の斜面の上方で落石が発生すると、図5
のように、その落石80は網状のロープ51、52に衝
突する。その衝突が所定以上の衝撃力であると、収容溝
15、16内で圧着していたロープ51、51が摺動し
て、衝撃吸収用クリップ70が落石80から広がる方向
へ移動する。しかしながら、衝撃吸収用クリップ70は
前述したように所定の圧着力で確実にロープ51、52
と圧着されているので、落石80が網状のロープ51、
52を通り抜けることはない。この衝撃吸収用クリップ
70の移動により、落石80の衝撃が吸収され、落石8
0の落下は阻止される。従って、落石の衝撃により支柱
54などの落石防止柵50の構成部材が変形することは
ない。
【0019】<ニ>メンテナンス時 落石後における落石防止柵50のメンテナンスは、ロー
プ51、52に衝突した落石80を退し、移動した各衝
撃吸収用クリップ70のナット30を緩め、所定の位置
まで戻し、ナット30を所定の力で締め付けるだけでよ
い。
【0020】
【実施例2】前記ボルト20は、図6に示すように螺着
部22の端部に角柱体221を付設したものでもよい。
角柱体221は、ナット30の締結時にボルト20から
直接反力を得るためのものであって、例えば六角柱のも
のが採用できる。また、その他の形状であってもよい。
角柱体221に反力をとってナット30の締結を行え
ば、楔状頭部21や本体10の長孔111に押圧力が加
わることがなく、それが破損することを確実に回避でき
る。
【0021】
【発明の効果】本発明は以上説明したようになるから次
のような効果を得ることができる。
【0022】<イ> クリップ本体の収容溝内で圧接片
に沿ってロープを収容するから、ロープと本体間、各ロ
ープ間を大きな接触面積をもって圧接できる。この為、
小さな締結力で大きな圧着力を得られる。
【0023】<ロ> ボルトの一端を楔状頭部とし、そ
の楔状頭部にボルト軸方向に対し傾斜した押圧面を形成
したので、ナット締結時にボルトの移動量に対して、押
圧面のロープへの移動量を小さくできる。この為、ロー
プの圧着力の調整が容易である。従って、ロープ交差部
分の圧着力を任意に調整できるから、衝突時にロープの
ズレを許容する衝撃吸収柵の形成が可能となり、大きな
衝撃吸収効果が期待できる。
【0024】<ハ> クリップ本体にロープの配設方向
に応じて、収容溝を設けたことにより、ロープの盲動を
防止できると共に、安定した衝撃吸収効果を確保でき
る。
【0025】<ニ> ボルトに角柱体を形成したことに
より、ナット締結時にボルト楔状頭部や圧接片の貫通孔
に押圧力がかかることがないから、それらの破損を回避
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 衝撃吸収用クリップの斜視図
【図2】 図1のII−IIにおける断面図
【図3】 図2の III−III における断面図
【図4】 落石防止柵の説明図
【図5】 衝撃吸収用クリップの使用方法の説明図
【図6】 実施例2の説明図
フロントページの続き (72)発明者 南 和夫 東京都中央区八重洲2丁目11番4号 金 森藤平商事株式会社内 (72)発明者 笠間 正輝 富山県高岡市木町5番5号 帝国金属株 式会社内 (56)参考文献 特開 平5−295713(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二本のロープの交差部分を圧着し、ロー
    プに一定以上の張力が作用したときロープの摺動を許容
    する衝撃吸収用クリップにおいて、 相対向する圧接片を有し、各圧接片に貫通孔を開設した
    本体と、 一端に螺着部を形成すると共に他端に楔状頭部を形成
    し、前記各圧接片を貫通して配するボルトと、 該ボルトの螺着部に取り付けたナットと、により構成
    し、 前記本体は、該圧接片間に各ロープ方向へ向けた収容溝
    を形成してロープ交差部分を収容可能とし、 前記ボルトは、楔状頭部に本体内に収容したロープを斜
    めに圧接する押圧面を形成したことを特徴とする、 衝撃吸収用クリップ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の衝撃吸収用クリップに
    おいて、 前記ボルトの螺着部端部に角柱体を形成したことを特徴
    とする、 衝撃吸収用クリップ。
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JP5037306B2 (ja) * 2007-11-12 2012-09-26 雄三 坂本 落石エネルギーの高吸収型防護ネット工
JP2015078485A (ja) * 2013-10-15 2015-04-23 日本プロテクト株式会社 ワイヤロープ締結金具
KR200482326Y1 (ko) * 2015-05-15 2017-01-11 김종표 와이어 로프 연결장치
JP6678396B2 (ja) * 2015-05-19 2020-04-08 アズビル株式会社 衝突検知装置

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