JPH1037229A - 浚渫汚濁防止装置 - Google Patents

浚渫汚濁防止装置

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JPH1037229A
JPH1037229A JP21185196A JP21185196A JPH1037229A JP H1037229 A JPH1037229 A JP H1037229A JP 21185196 A JP21185196 A JP 21185196A JP 21185196 A JP21185196 A JP 21185196A JP H1037229 A JPH1037229 A JP H1037229A
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UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSHO
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UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSH
UNYUSHO KOWAN GIJUTSU KENKYUSHO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 グラブ浚渫時に発生する汚濁水の水中への拡
散を有効に防止し得る浚渫汚濁防止装置を提供する。 【解決手段】 ビニールシート等からなりグラブバケッ
トの周囲を被覆するとともに下部に開口4aを有する袋
状体4と、袋状体4に接続され袋状体4の内部と連通す
るパイプ5aと、パイプ5aに接続され袋状体4内部の
水を排出する排水ポンプを備え、海底の土砂等の浚渫時
に発生する汚濁水を袋状体4内に閉じ込め、排水ポンプ
により海中に拡散させずに除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グラブバケットを
用いて行うグラブ浚渫においてグラブバケットの周囲に
発生する汚濁水の水中への拡散を防止する浚渫汚濁防止
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、港湾等において、航路や停泊箇所
の水深を増加させるため、又は防波堤等の水中構造物の
基礎工事を行うため、あるいは埋立工事や骨材として使
用するため等を目的として、海底の土砂を掘削する「浚
渫」が行われていた。
【0003】この浚渫は、工事用船舶にジブクレーン等
を取り付け、クレーンワイヤー等の先端に開閉可能なグ
ラブバケットを装着し、グラブバケットを海底に下降さ
せ、海底の土砂をグラブバケットによりつかみ上げ、こ
の土砂を土運搬船等に積み込む「グラブ浚渫」と呼ばれ
る方式で行われることが多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来のグラブ浚渫においては、海底の土砂をつかむ
時、及びつかんだ土砂を海面上まで運び上げる途中で土
砂等が海水中に拡散して汚濁水が発生する。この汚濁水
は、海中の環境を悪化させたり、水中工事の場合の水中
視界を妨げるため、種々の防止対策が講じられてきた。
【0005】例えば、浚渫箇所の周囲に膜状の部材を配
置し、グラブバケットを包囲する対策が行われている。
しかし、この対策では、汚濁水を膜状部材の内部に閉じ
込めるだけであり汚濁水の除去はできないこと、汚濁水
の拡散を完全に防止するためには海底から海面まで膜状
部材を配置する必要があり非常に多くの費用がかかるこ
と等の問題があった。
【0006】また、グラブバケットの構造に工夫をこら
し、土砂をつかみ取った後にグラブバケットが完全に密
閉され内部に格納された土砂及び水が外部に漏れないよ
うにした例もある。しかし、この場合には、グラブバケ
ットが海底の土砂をつかむときにグラブバケットの外部
で発生する汚濁水についてはその拡散を防止できない、
という問題があった。
【0007】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、グ
ラブ浚渫時に発生する汚濁水の水中への拡散を有効に防
止し得る浚渫汚濁防止装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載した発明は、グラブバケットを水底
に下降させ前記水底の土砂を前記グラブバケットにより
つかみ上げるグラブ浚渫において前記グラブバケットの
周囲に発生する汚濁水の水中への拡散を防止する浚渫汚
濁防止装置であって、柔軟性材料からなり前記グラブバ
ケットの周囲を被覆するとともに下部に開口を有する袋
状体と、前記袋状体に接続され前記袋状体の内部と連通
する管と、前記管に接続され、前記袋状体内部の水を排
出する排水機構とを備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の発明は、請求項1記
載の浚渫汚濁防止装置において、前記袋状体の内部に、
前記グラブバケットの下方を閉塞する閉塞部材を設けた
ことを特徴とする。
【0010】また、請求項3記載の発明は、請求項1又
は請求項2記載の浚渫汚濁防止装置において、前記袋状
体を末広がり形状とし、かつ前記袋状体の下端より上方
に鎖状の重錘を取り付けたことを特徴とする。
【0011】また、請求項4記載の発明は、請求項1な
いし請求項3のうちのいずれか1項に記載の浚渫汚濁防
止装置において、前記排水機構には、前記排出された袋
状体内部の水を貯留し、汚濁物を沈澱させた後に端部を
開放し海底上に堆積させるタンクが設けられたことを特
徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は、本発明の第1実施形態である浚渫
汚濁防止装置の全体構成を示したものであり、図2は、
図1に示す浚渫汚濁防止装置をグラブバケットに装着し
た状態を示したものである。図に示すように、この浚渫
汚濁防止装置101は、フレーム1と、扉部2と、着底
部3と、袋状体4と、排出部5と、浮力部6を備えて構
成されている。
【0014】フレーム1は、棒状の部材を略四角錐台形
状に組み合わせることにより構成されており、四角錐台
の側部を構成する4本の斜材1a,1b,1c,1d
と、四角錐台の底部を構成する4本の下枠材1e,1
f,1g,1hと、四角錐台の頂部を構成する4本の上
枠材1i,1j,1k,1mを有している。各斜材、各
下枠材、各上枠材は、アルミニウムや鋼等からなる中空
棒状部材である。このフレーム1は、後述する袋状体4
内において略四角錐台形状の空間を確保し、浚渫時にお
いてグラブバケットがこの空間内で袋状体4に妨げられ
ずに動くことを許容する。
【0015】扉部2は、フレーム1の底部に取り付けら
れており、閉塞部材である2枚の板材2a,2bを有し
ている。板材2a,2bの外面は、外側の袋状体4と接
合されている。板材2aは、蝶番2e,2fにより下枠
材1eに取り付けられ、板材2bは、蝶番2g,2hに
より下枠材1gに取り付けられている。各板材には、蝶
番とは逆側の位置に細長い筒状のフローター2c,2d
が取り付けられている。フローター2c,2dには、パ
イプ2i,2jが接続している。また、パイプ2i,2
jには空気ポンプ(図示せず)が接続している。
【0016】上記のような構成により、空気ポンプ(図
示せず)から空気を送ると、フローター2c,2d内に
空気が注入されるので、海中ではフローター2c,2d
に浮力が生じ、板材2a,2bは蝶番2e,2fや2
g,2hを回転中心としてフレーム1の底部を閉塞する
方向に上昇するように回転する。また、空気ポンプ(図
示せず)を逆に作動させると、フローター2c,2d内
の空気が排出されるので、海中ではフローター2c,2
dの浮力が失われ、板材2a,2bは蝶番2e,2fや
2g,2hを回転中心としてフレーム1の底部を開放す
る方向に下降するように回転する。
【0017】着底部3は、フレーム1の底部に取り付け
られており、2個の重錘3a,3bを有している。重錘
3aは、ワイヤー3cにより下枠材1fに取り付けら
れ、重錘3bは、ワイヤー3dにより下枠材1hに取り
付けられている。重錘の合計重量は、重錘を除いた浚渫
汚濁防止装置101全体の浮力よりも重くなるように設
定される。このため、フレーム1はつねに垂直方向を向
くように規制される。また、フレーム1の底部ではなく
重錘3a.3bが海底Fに着底するため、海底Fが傾斜
していたり、海底Fに凹凸があっても、着底時に装置1
01全体が傾斜することが防止される。
【0018】袋状体4は、防水加工を施したナイロン等
の柔軟で水密性を有しかつ破損しにくい材料からなり略
釣鐘状に形成された袋状部材であり、フレーム1の周囲
を被覆するように、フレーム1の隅角部等に番線等によ
って取り付けられている。袋状体4の下部には開口4a
が設けられており、この開口4aによりフレーム1を袋
状体4内に収容可能となっている。また、袋状体4の頂
部には小さな開口4bが設けられており、袋状体4内に
収容されるグラブバケット(後述)の支持部をこの開口
4bに挿通可能となっている。また、袋状体4の裾の部
分は、グラブバケットよりも長くなるように設定され
る。このため、重錘3a,3bが海底Fに着底しても、
発生した汚濁水が袋状体4の外部に漏れないようになっ
ている。また、グラブバケットを被覆する袋状体4の裾
の部分が柔軟であるため、海底Fが傾斜していたり、海
底Fに凹凸があっても、その部分を着底時に覆うことが
でき、発生した汚濁水が袋状体4の外部に漏れることを
防止する。
【0019】排出部5は、袋状体4の上部に取り付けら
れており、パイプ5aと、パイプ5aを袋状体4に接続
する開口5bを有している。パイプ5aは、袋状体4の
内部と連通している。また、パイプ5aには排水ポンプ
(図示せず)が接続している。このような構成により、
海中において排水ポンプ(図示せず)を作動させると、
袋状体4内の海水が排出されるようになっている。ま
た、パイプ5aには、開放弁(図示せず)が設けられて
いる。排水ポンプ(図示せず)は、排水機構に相当して
いる。
【0020】浮力部6は、フレーム1の上部に取り付け
られており、2個のフローター6a,6bを有してい
る。各フローター6a,6bは、フレーム1を介して浚
渫汚濁防止装置101全体に適度な浮力、例えば、浚渫
汚濁防止装置101全体の重量よりもやや小さい浮力等
を付与する。このため、フレーム1は、着底時には浮い
た状態で垂直方向を向くように規制され、フレーム1が
グラブバケットの作業の障害になることが防止される。
【0021】上記した浚渫汚濁防止装置101は、図2
に示すように、フレーム1の内部にグラブバケットGを
収容し、その周囲に袋状体4がかぶせられ、グラブバケ
ットGを浚渫船のクレーン等(図示せず)に接続する支
持部Sがフレーム1の4本の上枠材1i〜1mの間に挿
通され、袋状体4の上部の開口4bに挿通されて外部に
出るような状態で使用される。
【0022】次に、上記した浚渫汚濁防止装置101に
よる浚渫作業の手順について、図3を参照しつつ説明す
る。図3においては、フレーム1,扉部2,着底部3,
浮力部6は図示が省略されている。
【0023】まず、グラブバケットGを浚渫船のクレー
ン等(図示せず)に接続する支持部Sに取り付け、グラ
ブバケットGを収容するように浚渫汚濁防止装置101
を装着した後、グラブバケットGを海底Fに向けて下降
させる(図3(A)参照)。この際、扉部2の空気ポン
プ(図示せず)を作動させることによりフローター2
c,2d内の空気を排出しておき、板材2a,2bを垂
下させ、グラブバケットGの下方を開放させておく。
【0024】海底Fに近づくと、まず袋状体4の裾の部
分が着底し、次いで重錘3a,3bが着底する。この場
合、若干の汚濁水Mが発生するが、袋状体4の裾の内部
の汚濁水Mは袋状体4の内部に閉じ込められる。着底
後、浚渫船のクレーン等(図示せず)を下降させること
により、グラブバケットGを袋状体4内で下降させる。
グラブバケットGの着底後、グラブバケットGを閉じ
る。これにより、海底Fの土砂等がグラブバケットG内
につかみ取られる。この際汚濁水Mが発生するが、この
汚濁水Mは袋状体4の内部に閉じ込められ外部に漏れる
ことはない(図3(B)参照)。
【0025】次に、浚渫船のクレーン等(図示せず)を
上昇させることにより、グラブバケットGを袋状体4内
で上昇させる。次に、グラブバケットGが海底Fから離
れた時点で、グラブバケットGの引上げを停止する。こ
の状態で、排出部5の排水ポンプ(図示せず)を作動さ
せ、パイプ5aにより袋状体4内の海水を排出する。こ
れにより、同時に袋状体4内に閉じ込められていた汚濁
水Mも排出される(図3(C)参照)。この際、扉部2
の空気ポンプ(図示せず)を作動させることによりフロ
ーター2c,2d内に空気を注入し、板材2a,2bを
上昇させ、グラブバケットGの下方を閉塞させ、袋状体
4内の容積も減少させていく。
【0026】その後、排出部5の排水ポンプ(図示せ
ず)を作動させ、パイプ5aにより袋状体4内の海水及
び汚濁水Mを排出させながら、浚渫船のクレーン等(図
示せず)を上昇させることにより、グラブバケットGを
浚渫汚濁防止装置101とともに海面に向けて上昇させ
る。この際、袋状体4内の海水・汚濁水の排出が進行す
るため、柔軟性を有する袋状体4は、水圧により内側に
へこみ始める。また、袋状体4の下部の開口4aも徐々
に狭まり、閉じてくる。このため、袋状体4は、グラブ
バケットGを密閉し包み込んだ状態となる(図3(D)
参照)。したがって、袋状体4内に閉じ込められていた
汚濁水Mが外部に漏れることはない。
【0027】上記した図3(D)の状態を維持しつつ、
浚渫船のクレーン等(図示せず)を上昇させることによ
り、グラブバケットGは浚渫汚濁防止装置101ととも
に海面に向けてさらに引き上げられる。海面近くに到達
した時点では、袋状体4内の汚濁水Mは海水とともに排
出されており、袋状体4はグラブバケットGにかなり密
着した状態となる。
【0028】その後、グラブバケットGと浚渫汚濁防止
装置101を海面上に引き上げ、浚渫船のクレーン等
(図示せず)を回動させることにより、土運搬船等(図
示せず)の土捨て位置まで移動させる。この時点で、排
出部5のパイプ5aの開放弁(図示せず)を開き、袋状
体4内を大気と同じ圧力にする。これにより、袋状体4
の下部開口4aが開き、袋状体4は略釣鐘形状に戻る。
この際には、板材2a,2bは自重により垂下している
ので、グラブバケットGを開くことにより内部の土砂等
を下方の土捨て位置に落下させることができる。
【0029】上記した手順を繰り返すことにより、海底
Fの土砂等の浚渫を行い、かつ浚渫時に発生する汚濁水
Mは、着底又は離底時のわずかな濁りを除き袋状体4内
に閉じ込め、排水機構により海中に拡散させずに除去す
ることができる。また、この浚渫汚濁防止装置101
は、専用のグラブバケット等を用いるものではなく、既
存のグラブバケットにかぶせることにより使用すること
ができ、簡易であり、かつ経済的である。また、浚渫を
行う海底に凹凸や傾斜があっても支障なく作業を行うこ
とができる。
【0030】なお、上記した図3(A)の状態におい
て、袋状体4の下端の着底前の段階から排出部5の排水
ポンプ(図示せず)を作動させ、パイプ5aにより袋状
体4内の海水を排出するようにすれば、袋状体4の下端
がその動きにより海底のヘドロや微細な泥等を巻き上げ
て汚濁水を発生させるような場合であっても、汚濁水を
袋状体4内に吸入し汚濁水の外部への拡散を防止するこ
とができる。
【0031】次に、本発明の第2実施形態について説明
する。図4は、本発明の第2実施形態である浚渫汚濁防
止装置の構成を示したものある。図に示すように、この
浚渫汚濁防止装置102は、扉部2と、チェーン3e
と、袋状体4′と、排出部5と、浮力部6を備えて構成
されている。また、この浚渫汚濁防止装置102は、図
示は省略しているが、浚渫汚濁防止装置101における
フレーム1と同様なフレームを有している。
【0032】上記した第2実施形態の浚渫汚濁防止装置
102の構成要素のうち、フレーム(図示せず)と扉部
2と排出部5と浮力部6は第1実施形態の浚渫汚濁防止
装置101と同様であり、第1実施形態の浚渫汚濁防止
装置101と異なる構成要素はチェーン3e及び袋状体
4′である。
【0033】まず、袋状体4′は、防水加工を施したナ
イロン等の柔軟で水密性を有しかつ破損しにくい材料か
らなり略釣鐘状に形成された袋状部材であり、フレーム
1の周囲を被覆するように取り付けられている。ただ
し、上記した袋状体4よりも末広がりの形状となってい
る。袋状体4′の下部には開口4a′が設けられてお
り、この開口4a′によりフレーム(図示せず)を袋状
体4′内に収容可能となっている。また、袋状体4′の
頂部には小さな開口4b′が設けられており、袋状体
4′内に収容されるグラブバケットGの支持部Sをこの
開口4b′に挿通可能となっている。
【0034】また、チェーン3eは、鎖状の重錘であ
り、浚渫汚濁防止装置101における着底部3と同様の
機能も果たすものである。このチェーン3eは、袋状体
4′の末広がり形状となった下端の部分の上方に、袋状
体4′を包囲するように取り付けられている。
【0035】このように構成されているため、浚渫を行
う海底がヘドロ状であったり、凹凸が激しい場合であっ
ても、末広がり形状の袋状体4′の裾部分が海底面に接
触した後、チェーン3eの重量により袋状体4′の裾部
分が海底面の形状に応じて自在に変形し、その部分の海
底をすきまなく覆うことができる。このため、装置10
2が海底Fに着底した場合に発生する汚濁水が袋状体
4′の外部に漏れないようになっている。
【0036】なお、第1及び第2実施形態の浚渫汚濁防
止装置101及び102の場合に、袋状体4又は4′を
十分な柔軟性を持つ材料により形成し、排水ポンプの能
力も大きなものにすれば、扉部2がなくても開口4a又
は4a′を閉じることができるので、扉部2を設けない
構成とすることも可能である。
【0037】次に、上記した各実施例において排水ポン
プにより排出された汚濁水(排出水)の処理について説
明する。排出水は、グラブバケットGにより浚渫された
土砂と一緒に土運搬船等に積み込み、土捨て場へ捨てる
等の処理を行ってもよいが、浚渫現場において処理する
方がより効果的である。
【0038】図5は、浚渫現場における排出水処理の方
法を示したものである。図に示すように、この場合に
は、パイプ5aに袋状タンク7が取り付けられている。
この袋状タンク7は、防水加工を施したナイロン等の柔
軟で水密性を有しかつ破損しにくい材料からなり略釣鐘
状に形成された袋状部材である。この袋状タンク7は、
浚渫船(図示せず)から遠隔操作により海中を昇降可能
な構成となっている。。袋状タンク7は、開閉弁7aを
介して排出部のパイプ5aと接続している。開閉弁7a
は、浚渫船(図示せず)から遠隔操作により開閉可能な
構成となっている。また、袋状タンク7の下部の開口
は、閉塞具7bにより絞り込まれて閉塞されている。閉
塞具7bは、浚渫船(図示せず)から遠隔操作により袋
状タンク7の下方を開放可能な構成となっている。
【0039】次に、上記した袋状タンク7による排出水
の処理の手順について説明する。まず、開閉弁7aを開
放した状態にしておく。これにより、排水ポンプ(図示
せず)により排出されてきた汚濁水Mは、海底F付近に
置かれた袋状タンク7内に導入され貯留される(図5
(A)参照)。袋状タンク7が汚濁水Mにより充満した
時点で開閉弁7aを閉じ、そのまま静置する。時間が経
過するにつれ、汚濁水Mは、汚濁物が沈澱して沈澱物と
なり、清浄な海水と分離する。この時点で、袋状タンク
7を静かに引き上げ、閉塞具7bを開放させれば、袋状
タンク7の下端が開放され、海水を濁らせることなく沈
澱物Nを海底F上に堆積させることができる(図5
(B)参照)。閉塞具7bは、とじひも等で構成してお
き、袋状タンク7を引き上げる際の弱い力の作用により
切断、又はほどけてはずれるようにしておいてもよい。
【0040】なお、上記した袋状タンク7の下端開放時
において、濁りの発生をさらに防止するため、袋状タン
ク7を引き上げる直前に、パイプ5aを通して細かく砕
いた氷を袋状タンク7内へ注入してもよい。このように
すれば、汚濁水Mが冷却され、比重が増大するため、袋
状タンク7の下端が開放された場合には、汚濁水Mは周
囲の海水と混ざり合うことなく海底F付近に滞留する。
【0041】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0042】例えば、上記各実施形態においては、海底
の土砂を浚渫する場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、河底、湖底等の土砂の浚渫に用
いてもよく、一般に水底の浚渫であればよい。
【0043】また、上記各実施形態においては、フレー
ムが略四角錐台形状に形成された例について説明した
が、本発明はこれには限定されず、他の形状、例えば、
m角錐台形状(mは5以上の自然数)、n角柱形状(n
は4以上の自然数)、円錐台形状、円柱状等であっても
よい。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
柔軟性材料からなりグラブバケットの周囲を被覆すると
ともに下部に開口を有する袋状体と、袋状体に接続され
袋状体の内部と連通する管と、管に接続され袋状体内部
の水を排出する排水機構を備えたので、水底の土砂等の
浚渫時に発生する汚濁水を袋状体内に閉じ込め、排水機
構により水中に拡散させずに除去することができる。ま
た、この浚渫汚濁防止装置は、専用のグラブバケット等
を用いるものではなく、既存のグラブバケットにかぶせ
ることにより使用することができ、簡易であり、かつ経
済的である。そして、浚渫を行う海底に凹凸や傾斜があ
っても支障なく作業を行うことができる、という利点も
有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態である浚渫汚濁防止装置
の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示す浚渫汚濁防止装置をグラブバケット
に装着した状態を示す図である。
【図3】図1に示す浚渫汚濁防止装置による浚渫手順を
説明する図である。
【図4】本発明の第2実施形態である浚渫汚濁防止装置
の構成を示す図である。
【図5】本発明の各実施形態における排出水の処理方法
を示す図である。
【符号の説明】
1 フレーム 1a〜1d 斜材 1e〜1h 下枠材 1i〜1m 上枠材 2 扉部 2a,2b 板材 2c,2d フローター 2g〜2h 蝶番 2i,2j パイプ 3 着底部 3a,3b 重錘 3c,3d ワイヤー 3e チェーン 4,4′ 袋状体 4a,4a′,4b,4b′ 開口 5 排出部 5a パイプ 5b 開口 6 浮力部 6a,6b フローター 7 袋状タンク 7a 開閉弁 7b 閉塞具 101,102 浚渫汚濁防止装置 F 海底 G グラブバケット M 汚濁水 N 沈澱物 S 支持部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラブバケットを水底に下降させ前記水
    底の土砂を前記グラブバケットによりつかみ上げるグラ
    ブ浚渫において前記グラブバケットの周囲に発生する汚
    濁水の水中への拡散を防止する浚渫汚濁防止装置であっ
    て、 柔軟性材料からなり前記グラブバケットの周囲を被覆す
    るとともに下部に開口を有する袋状体と、 前記袋状体に接続され前記袋状体の内部と連通する管
    と、 前記管に接続され、前記袋状体内部の水を排出する排水
    機構とを備えたことを特徴とする浚渫汚濁防止装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の浚渫汚濁防止装置におい
    て、 前記袋状体の内部に、前記グラブバケットの下方を閉塞
    する閉塞部材を設けたことを特徴とする浚渫汚濁防止装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の浚渫汚濁防
    止装置において、 前記袋状体を末広がり形状とし、かつ前記袋状体の下端
    より上方に鎖状の重錘を取り付けたことを特徴とする浚
    渫汚濁防止装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のうちのいずれ
    か1項に記載の浚渫汚濁防止装置において、 前記排水機構には、前記排出された袋状体内部の水を貯
    留し、汚濁物を沈澱させた後に端部を開放し海底上に堆
    積させるタンクが設けられたことを特徴とする浚渫汚濁
    防止装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010216178A (ja) * 2009-03-18 2010-09-30 Penta Ocean Construction Co Ltd 汚濁防止装置および水中工事施工方法
JP2014043672A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Penta Ocean Construction Co Ltd 濁水処理方法および濁水処理システム
JP2016217061A (ja) * 2015-05-25 2016-12-22 あおみ建設株式会社 浚渫装置及び浚渫方法
CN112301981A (zh) * 2020-10-31 2021-02-02 信阳市水利勘测设计院 泵吸式抓斗清污机

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