JPH1036621A - 窓枠構造体およびその製造方法 - Google Patents

窓枠構造体およびその製造方法

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JPH1036621A
JPH1036621A JP18766796A JP18766796A JPH1036621A JP H1036621 A JPH1036621 A JP H1036621A JP 18766796 A JP18766796 A JP 18766796A JP 18766796 A JP18766796 A JP 18766796A JP H1036621 A JPH1036621 A JP H1036621A
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JP
Japan
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window frame
component
frame structure
propylene
thermoplastic elastomer
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Pending
Application number
JP18766796A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuhiro Igawa
勝弘 井川
Osamu Ozawa
小沢  修
Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1036621A publication Critical patent/JPH1036621A/ja
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  • Joining Of Corner Units Of Frames Or Wings (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 住居、オフィス・ビル等の窓枠構造体の製造
及び施工の簡素化。 【解決手段】 接合部が、(A)ポリプロピレン成分及
びプロピレン・エチレンランダム共重合体成分を含む、
ブロック共重合体単独又はそれとポリプロピレン樹脂と
の混合物である熱可塑性樹脂組成物を連続相とし、
(B)エチレン・プロピレン共重合ゴム及び/又はエチ
レン・プロピレン・ジエン共重合ゴムを含みかつ、その
少なくとも1部が架橋されてなる分散相からなり並びに
任意成分の(C)有機過酸化物を含んで成り、A/Bの
重量比が80/20〜15/85で、成分Cが成分A及
びBのポリマー100重量部に対し0.05〜2重量
部、硬度が40以下メルトインデックスが0.1以上及
び圧縮永久歪95%以下の、成分Bが成分Aに分散され
ており、成分Cにより成分Aの少なくとも一部が分解さ
れている熱可塑性エラストマー組成物よりなる窓枠構造
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の熱可塑性エ
ラストマー組成物からなる接合部を介して接合される2
以上の窓枠部材よりなる窓枠構造体およびそれらの製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】住居、オフィス・ビル等の窓枠(サッ
シ)としては、アルミ等の長尺成型材料を所定長さに切
断し、枠上に接合した構造のものが用いられているが、
その接合に際し、接合部の緩衝および密閉性保持のため
にパッキング部材が用いられ、従来は、未加硫ブチルゴ
ムのテープが多用されてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような窓
枠構造体の製造にあたっては、従来は、アルミ・サッシ
に用いられる窓枠部材の接合部の形状に合わせ、ブチル
ゴムのテープを切出し、あるいは、打抜きアルミ・サッ
シに貼付けているため、その製造、施工における工数が
かかるという欠点があった。さらに、現地での組立が必
要な場合に取扱中に剥がれたり、未加硫の為に経年によ
り形状が崩れる等の欠点があった。しかしながら、これ
らの欠点を改良する窓枠の構造および製造方法は現在ま
で開発されておらず、それに対するニーズは依然として
非常に高い。
【0004】従って、本発明は、住居、オフィス・ビル
等の窓枠(サッシ)接合部の構造に関する前記問題点を
解決して窓枠構造体の製造工程が簡略化でき、かつ施工
での工数を低減を図れると共に、硬度の低下を図れる窓
枠構造体およびその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、接合部
を介して接合される2以上の窓枠部材よりなる窓枠構造
体であって、前記接合部が、(A)ポリプロピレン成分
及びプロピレン・エチレンランダム共重合体成分を含
む、ブロック共重合体単独又はそれとポリプロピレン樹
脂との混合物である熱可塑性樹脂組成物を連続相とし、
(B)エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)およ
び/またはエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム
(EPDM)の少なくとも一種を含み、かつその少なく
とも一部が架橋されてなる分散層から成り、成分(A)
/成分(B)の重量比が80/20〜15/85で、硬
度(ASTM−D)が40以下、メルトインデックスが
0.1以上(230℃ 2.16kgf )で圧縮永久歪が
95%以下(100℃×72時間)の熱可塑性エラスト
マー組成物により構成される窓枠構造体が提供される。
【0006】本発明に従えば、また、接合部を介して接
合される2以上の窓枠部材よりなる請求項1に記載の窓
枠構造体の製造方法であって、接合しようとする窓枠部
材の一方を覆うように、成形用型を取付け、成形用型の
任意の部分から、前記熱可塑性エラストマー組成物を、
溶融状態で、注入し、冷却硬化後前記の型を取り外し、
他方の窓枠部材を硬化後の熱可塑性エラストマー組成物
を介して接合する窓枠構造体の製造方法が提供される。
【0007】本発明に従えば、更に、接合部を介して接
合される2以上の窓枠部材よりなる窓枠構造体であっ
て、前記接合部が、(A)ポリプロピレン成分及びプロ
ピレン・エチレンランダム共重合体成分を含むブロック
共重合体単独又はそれとポリプロピレン樹脂との混合物
である熱可塑性樹脂組成物、(B)エチレン・プロピレ
ン共重合ゴム(EPM)および/またはエチレン・プロ
ピレン・ジエン共重合ゴム(EPDM)の少なくとも一
種を含み、かつその少なくとも一部が架橋されてなる分
散層並びに(C)有機過酸化物を含んで成り、成分
(A)/成分(B)の重量比が80/20〜15/85
で成分(C)が成分(A)及び(B)のポリマー成分を
100重量部に対し0.05〜10重量部で硬度(AS
TM−D)が40以下でメルトインデックスが0.1以
上(230℃2.16kgf )でかつ圧縮永久歪が95%
以下(100℃×72時間)の熱可塑性エラストマー組
成物より構成され、かつ、前記成分(B)が前記成分
(A)に分散されており、成分(C)により成分(A)
の少なくとも一部が分解されている窓枠構造体が提供さ
れる。
【0008】本発明に従えば、更にまた、接合部を介し
て接合される2以上の窓枠部材よりなる前記窓枠構造体
の製法であって、接合しようとする窓枠部材の一方を覆
うように、成形用型を取付け、型の任意の部分から、前
記熱可塑性エラストマー組成物を、溶融状態で注入し、
冷却硬化後前記型を取り外し、他方の窓枠部材を硬化後
の熱可塑性エラストマー組成物を介して接合することか
ら成る窓枠構造体の製造方法が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において使用する熱可塑性
エラストマー組成物は、溶融成型する際は、流動性を示
し、使用時には、ゴム弾性を示すと共に、さらに、窓枠
構造体の製造工程を簡略化でき、かつ施行での工数の低
減を図ることができる。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明
は、接合部を介して接合される2以上の窓枠部材よりな
る窓枠構造体で、本発明の窓枠構造体は、基本的には、
溝部を有する長尺部材を所定の長さに切断して窓枠部材
とし、これらを接合部を介して接合した構造を有してお
り、上述したガラスを挟持する窓枠として使用すること
ができ、あるいは何枚かのガラスを組み合わせる場合の
桟として使用してもよく、また、住居・オフィスビルな
どの壁面に固定し上記窓枠を支持する窓枠框体としても
使用してもよい。上記窓枠部材が接合部を介して接合さ
れる場合、窓枠部材の形状は種々あり、その接合部の形
状も種々あるので接合部が複数あってもよい。さらに、
本発明の窓枠構造体は、使用する窓枠部材の長さおよび
窓枠部材を接合する角度を調節することにより、長方
形、五角形、三角形などといった様々な形状の窓に用い
られる窓枠および窓枠框体としても使用することができ
る。
【0011】本発明の窓枠構造体に使用する長尺部材
は、アルミ、ステンレスなど、一般的に窓枠部材として
用いられるものであればよく、窓枠構造体の大きさや窓
の開閉の有無、開閉方向などに応じて、長尺部材の材
質、巾、長さ、厚みなどを適宜選択して用いる。本発明
の窓枠構造体は、その接合部に後述する組成の熱可塑性
エラストマー組成物を配した構造を有しており、接合部
の緩衝および密閉性を保持している。
【0012】図1に、本発明の住居、オフィス・ビルな
どに用いられる窓枠構造体の一例を斜視図で示し、これ
を用いて本発明を説明する。図1に示す本発明の窓枠構
造体1は、建物の壁面に対して水平方向に摺動し、開閉
する方形の窓に応用された例であり、具体的には、窓ガ
ラス10を挟持する窓枠12a,bおよび窓枠框体14
a,bとして応用されている。溝部を有するアルミなど
の長尺部材を所定の長さに切断し、窓枠部材12aおよ
び12bが形成され、窓枠部材12aはその端面で窓枠
部材12bの端部近傍の側面と接合される。ここで、窓
枠部材12aの端面と窓枠部材12bの側面とにより形
成される窓枠接合部24aおよび24bには、本発明に
従った、以下に述べる特定組成の熱可塑性エラストマー
組成物が配されている。
【0013】窓枠部材14aおよび14bをアルミなど
の長尺部材を所定の長さに切断して得る。窓枠12は窓
枠部材14bの上を水平方向に移動して開閉されるた
め、窓枠部材14bには窓枠部材12bとかみあう軌条
となる突起構造を有する長尺部材が切断されて用いられ
る。窓枠部材14aはその端面で窓枠部材14bの端部
の側面と接合され、窓枠部材14aの端面と窓枠部材1
4bの端部の側面とで形成される接合部26a、26b
および26cには、本発明に従って、特定組成の熱可塑
性エラストマー組成物が配されている。
【0014】このようにして窓枠部材12aと12b、
ならびに14aと14bは、方形の窓枠構造体とするた
めに、それぞれ窓枠接合部24aおよび24b、または
26a,26bおよび26cを介して一般に直角に接合
される。方形の窓枠框体14は住居やオフィス・ビルな
どの壁面の開口部に嵌め込まれて固定され、一方、方形
の窓枠12は窓ガラス10を挟持し、上記窓ガラス10
はパッキング22により固定される。上記窓ガラス10
を挟持する窓枠12a.bはその窓枠框体14a,bに
支持され、窓枠部材12bが有する溝部が、窓枠部材1
4bの有する軌条となる突起部分とかみ合って、建物の
壁面に対して平行に開閉できる。
【0015】図2に、方形の窓にするために、一方の窓
枠部端面と他方の窓枠部材の端部近傍の側面とを接合部
30を介して直角に接合した窓枠16に応用された窓枠
構造体の接合部の一例を一部破断図で示す。図2では、
H型の窓枠部材16aの端面と、底面の一部に溝部を有
する窓枠部材16bの端部の側面とが、接合部30を介
して接合されている。接合部30は、窓枠部材16bの
上面の端部近傍に密着して設けられ、H型の窓枠部材1
6aのH型の端面と密着される。従って、窓枠部材16
aは窓枠部材16bと隙間なく接合され、接合部30は
窓枠部材16aおよび16bの緩衝材として作用すると
ともに密閉性(気密性)を高めるとともに、雨水や風な
どが侵入することを防止する。
【0016】本発明の窓枠構造体は、例えば以下のよう
にして製造する。まず、上述した長尺部材を所定の長さ
に切断して2以上の窓枠部材とし、これら窓枠部材の一
方の端部の接合しようとする側面に予め成型用型を取り
付ける。ここで使用する成型用型は、筒型または一方の
底面を有する筒型のものであってもよい。上記成型用型
で仕切られる空間の形状は、直方体、楕円柱、円柱な
ど、特に限定されない。また、上記型の大きさは、取り
付けようとする窓枠構造体に用いられている窓枠部材の
巾などに応じて適宜選択して使用する。さらに、上記成
型用型は、一端に大きさ調節用のネジなどを有するもの
であってもよい。一方の底面を有する筒型の型の場合、
本発明に係る特定の熱可塑性エラストマー組成物を注入
することができる注入口を、上記型の側面に有するもの
が好適であり、注入口の位置は特に限定されない。上記
の成型用型は、窓枠部材の接合部に水平に取り付ける場
合には、筒型の型または一方の底面を有する筒型の型の
いずれを用いてもよい。
【0017】接合部30を形成するために使用する熱可
塑性エラストマー組成物は、ペレット状、粒状、棒状、
ひも状、帯状、プロック状など種々の形状とし得るが、
押出機などのアプリケーターに充填して施工する。ペレ
ット状の上記熱可塑性エラストマー組成物を用いる場合
には、これらを上記アプリケーターに充填して加熱して
溶融し、上述のように窓枠部材の接合しようとする側面
上に取り付けた成型用型の中に注入する。すなわち、成
型用型が底面を有しない筒型の場合には筒の上部から、
また、成型用型が一方の底面を有する筒型の場合には所
定の位置に設けられた注入口から溶融された熱可塑性エ
ラストマー組成物を注入する。
【0018】一般的には、注入した熱可塑性エラストマ
ー組成物が半硬化した後、上記成型用型を取り外し、上
記窓枠部材16bの端部近傍に接合部30を形成する。
窓枠部材16bは、その端部近傍に上述のようにして設
けられた接合部30の位置で窓枠部材16aの端面と直
角に接合され、本発明の窓枠構造体1が形成される。
【0019】本発明の窓枠構造体は、例えば上述のよう
にして製造されるが、ここで用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物は、以下に説明するように、ホットメルト接着
剤のような性質を有し、溶融時に流動性と粘着性とを有
するので、上記成型用型が一方の窓枠部材の端部近傍に
取り付けられ、この型中に溶融し注入された熱可塑性エ
ラストマー組成物が半硬化した後、上記成型用型を取り
外す際には上記一方の窓枠部材に接着している。そし
て、この硬化した熱可塑性エラストマー組成物が接合部
となり、この接合部を介して他方の窓枠部材をその端面
で接合し、本発明の窓枠構造体1を製造することができ
るため、接合部の形成が簡便であり、また、接合部を形
成する工数が少ない。さらに、これらの工程は、従来の
未加硫プチルゴムテープを切出し、貼付ける工程に比
し、自動化等の生産性向上手段を講じやすい長所があ
る。
【0020】本発明の窓枠構造体1は、その接合部30
に用いる組成物に特徴があり、(A)ポリプロピレン成
分及びプロピレン・エチレンランダム共重合体成分を含
むブロック共重合体単独又はそれとポリプロピレン樹脂
との混合物である熱可塑性樹脂組成物を連続相とし、
(B)エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)およ
び/またはエチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム
(EPDM)の少なくとも一種を含み、かつその一部が
加硫されてなる分散層並びに、場合によっては(C)有
機過酸化物を含んで成り、成分(A)/成分(B)の重
量比が80/20〜15/85で成分(C)を含む場合
には成分(C)が成分(A)及び(B)のポリマー成分
100重量部に対し0.05〜10重量部で、硬度(A
STM−D)が40以下でメルトインデックスが0.1
以上で(230℃ 2.16Kgf )でかつ圧縮永久歪が
95%以下(100℃×72時間)の、熱可塑性エラス
トマー組成物を用いる。本発明の窓枠構造体1において
は、このような良好な溶融流動性および溶融時粘着性を
有する熱可塑性エラストマー組成物よりなる接合物30
を、接合しようとする一方の窓枠部材の接合しようとす
る部分に形成することにより、製造工程を簡略化するこ
とができ、窓枠構造体1の組み立て工程を大幅に簡略化
したものである。
【0021】本発明の成分(A),(B)及び(C)に
ついて説明する。本発明の第一の態様では(A)ポリプ
ロピレン成分及びプロピレン・エチレンランダム共重合
体成分を含むブロック共重合体単独又はそれとポリプロ
ピレン樹脂との混合物である熱可塑性樹脂組成物を連続
相として(B)エチレン・プロピレン共重合ゴム(EP
M)および/またはエチレン・プロピレン・ジエン共重
合ゴム(EPDM)の少なくとも一種を含み、かつその
一部が加硫されてなる分散層から成り、成分(A)/成
分(B)の重量比が80/20〜15/85好ましくは
80/20〜20/80で、硬度(ASTM−D)が4
0以下、好ましくは8〜20、メルトインデックスが
0.1以上(230℃ 2.16kgf )好ましくは1.
0以上で、圧縮永久歪が95%以下(100℃×72時
間)好ましくは80%以下の熱可塑性エラストマー組成
物を用いる。
【0022】本発明の第二の態様では、(A)ポリプロ
ピレン成分及びプロピレン・エチレンランダム共重合体
成分を含むブロック共重合体単独又はそれとポリプロピ
レン樹脂との混合物である熱可塑性樹脂組成物、(B)
エチレン・プロピレン共重合ゴムおよび/またはエチレ
ン・プロピレン・ジエン共重合ゴムの少なくとも一種を
含み、かつその一部が加硫されてなる分散層並びに
(C)有機過酸化物を含んで成り、成分(A)/成分
(B)の重量比が80/20〜15/85、好ましくは
80/20〜20/80で成分(C)が成分(A)及び
(B)のポリマー成分100重量部に対し0.05〜1
0重量部、好ましくは0.5〜5重量部で硬度(AST
M−D)が40以下でメルトインデックスが0.1以上
で(230℃2.16kgf )でかつ圧縮永久歪が95%
以下(100℃×72時間)の熱可塑性エラストマー組
成物を用いる。
【0023】以下、本発明に用いる各成分について詳細
に説明する。マトリックスとなる熱可塑性樹脂組成物
(A)としては、例えばポリプロピレン成分及び、プロ
ピレン・エチレンランダム共重合体を含むブロック共重
合体のポリプロピレン成分が0.1〜30重量%であ
り、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分が9
9.9〜70重量%であり、エチレンに基づく単量体単
位は15〜80モル%プロピレンに基づく単量体単位を
85〜20モル%含む、ランダム共重合体で構成されて
なる高分子量体であるのが好ましい。また、他のポリブ
テン成分等も必要に応じて5重量%以下で含まれていて
良い。従来、ポリオレフィン系樹脂よりなる軟質材料
は、バナジウム系触媒を用いて製造された、非晶質エチ
レン・プロピレンゴム(EPR)等をポリプロピレンに
混合することによって製造されている。本材料は、ペレ
ット粒子の固結性の防止、及び柔軟化を目的とし、ポリ
プロピレンとプロピレン・エチレンランダム共重合体の
エラストマー成分を一つの重合槽で、チタン化合物及び
有機アルミニウム化合物等を用い、同時に重合し、エチ
レン分を増した、いわゆるリアクタータイプの共重合体
である。即ち、本材料は、触媒表面にホモポリプロピレ
ンあるいはランダムポリプロピレンの殻を重合で形成さ
せてから、エラストマー成分を重合させて、殻の中に閉
じ込めることにより流動性の良好なベトつきのないパウ
ダーが得られる新規の重合方法により上記の特性を併せ
持つことが出来る工業的に有効な重合方法である。
【0024】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物において、このような成分(A)に分散される成分
(B)は、少なくとも一部が加硫されたゴム組成物(以
下、ゴム組成物ともいう)である。ここで、本発明に用
いる熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)の少な
くとも一部は連続相(いわゆるマトリックス)を成し、
成分(B)の少なくとも一部が分散相(ドメイン)とな
るような分散構造を有する。このような分散構造を有す
ることにより、マトリックスを成す熱可塑性樹脂相の溶
融特性(軟化特性)を利用し、成型時における良好な流
動性を実現することにより押出成型や射出成型の制御、
特に200℃以下の溶融成型としては比較的低温域での
容易な流動を可能とし、分散相となる少なくとも一部が
加硫されたゴム組成物を有することにより、得られた成
形品の耐熱軟化(軟化温度)の制御に加え、柔軟性と熱
時においても良好なゴム弾性を発現することができる。
【0025】成分(B)として利用されるゴム組成物と
しては、例えばエチレン・プロピレン共重合ゴム(EP
M)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合ゴム(EP
DM)、さらにこれらEPMおよび/またはEPDMを
無水マレイン酸等で変成してなるマレイン酸変性EPM
および/またはEPDMなどをあげることができる。
【0026】特に、EPM系ゴムやEPDM系ゴム(あ
るいはこれらを含むゴム組成物)等のオレフィン系ゴム
(組成物)が、後述する熱可塑性エラストマー組成物の
製造方法による混練加工時や、熱可塑性エラストマー組
成物を用いた押出成型や射出成型等の成型加工時におけ
る良好な熱安定性等の理由で好適に利用される。中でも
特に、エチレンおよびプロピレン、あるいはさらに若干
のジシクロペンタジェン、エチリデンノルボーネン、
1,4−ヘキサジエン等の若干のジエン成分を有する2
元または3元共重合体であるEPMおよび/またはEP
DM、さらにこれらEPMおよび/またはEPDMを無
水マレイン酸等で変性してなるマレイン酸変性EPMお
よび/またはEPDMは好適に利用可能である。
【0027】なお、本発明に用いる熱可塑性エラストマ
ー組成物において、成分(B)には前記ゴム成分以外
に、カーボンブラックや可塑剤、軟化剤、老化防止剤、
加工助剤等の各種の添加剤を含有してもよいのはもちろ
んであるが、成分(B)中におけるゴム成分の含有量
は、20〜99重量%程度、好ましくは30〜98重量
%程度とするのが好ましい。
【0028】前述のように、本発明に用いる第一の熱可
塑性エラストマー組成物は、成分(A)をマトリックス
とし、成分(B)の少なくとも一部が分散相(ドメイ
ン)として分散し、かつ、成分(B)の少なくとも一部
例えば40〜99%が加硫された構成を有する。このよ
うな構成は、あらかじめ成分(A)を構成する熱可塑性
樹脂と、成分(B)を構成するゴム組成物(基本的に加
硫剤は含まない)とを、2軸混練押出機等で溶融混練
し、連続相を形成する熱可塑性樹脂中にゴム組成物を分
散させ、この状態(混練下)で引き続き加硫剤を添加
し、ゴム組成物を混練中にすなわち動的に加硫させるこ
とにより形成することができる。また熱可塑性樹脂やゴ
ム成分に各種の配合剤(加硫剤を除く)を添加する際に
は、この混練中に添加してもよいが、混練の前にあらか
じめ添加しておくのが好ましい。
【0029】なお、加硫剤の種類や動的な加硫条件(温
度、時間)等は、添加する成分(B)に応じて適宜決定
すればよく、特に限定はない。加硫剤としては、一般的
なゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的
には、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオ
ウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、
ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジ
サルファイド等が例示され、例えば、0.5〜4phr
(成分B中のゴム成分(ポリマー)100重量部あたり
の重量部)程度を用いればよい。
【0030】また、有機過酸化物系の加硫剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜15phr程度を用いればよい。
【0031】さらに、フェノール樹脂系の加硫剤として
は、アルキルフェノール樹脂の臭素化物や、塩化スズ、
クロロプレン等のハロゲンドナーとアルキルフェノール
樹脂とを含有する混合架橋系等が例示され、例えば1〜
20phr程度を用いればよい。その他の加硫剤とし
て、亜鉛華(5phr程度)、酸化マグネシウム(4p
hr程度)、リサージ(10〜20phr程度)、p−
キノンジオキシム、p−ジベンゾイルキノンジオキシ
ム、テトラクロロ−p−ベンゾキノン、ポリ−p−ジニ
トロソベンゼン(2〜10phr程度)、メチレンジア
ニリン(0.2〜10phr程度)が例示される。
【0032】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば0.5〜2phr程度用いれ
ばよい。
【0033】本発明のエラストマー組成物において、例
えば、成分(B)としてEPM系ゴムやそのマレイン酸
変性物を用いる場合には、好ましい加硫剤として、メチ
レンジアニリン(MDA)が例示される。なお、量比は
エラストマー組成物の用途等によっても異なるが、通
常、0.2〜10phr、好ましくは0.5〜5phr
程度である。また、必要に応じて加硫助剤を併用しても
よく、好ましい加硫助剤として、ステアリン酸、亜鉛
華、ステアリン酸亜鉛等が利用される。また、好ましい
架橋剤の別の態様として、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン等の有機過酸化物
が例示され、通常、1〜10phr、好ましくは1.5
〜5phr程度が使用される。さらに、成分(B)とし
てEPM系ゴム等を用いて動的な熱処理による加硫を行
う場合には、加硫時における成分(A)と成分(B)と
の混練の温度(本発明のエラストマー組成物の製造温
度)を180〜300℃程度とすればよい。
【0034】あるいは、成分(B)としてEPDM系ゴ
ムやそのマレイン酸変性物を利用する場合には、好まし
い加硫剤および加硫促進剤(加硫系)として、粉末イオ
ウ、スルフェンアミド系、チウラム系、チアゾール系の
各種の加硫剤(加硫促進剤)の単独または2種以上を組
み合わせた加硫系が例示される。好ましい一例として、
粉末イオウ/CBS/TMTD/DMの加硫系が例示さ
れる。なお、量比は加硫剤(系)によっても異なるが、
通常、合計量で0.5〜10phr、好ましくは0.8
〜5phrである。また、必要に応じて加硫助剤を併用
してもよく、好ましい加硫助剤として、ステアリン酸等
の脂肪酸類やステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩類(こ
れらの併用)が例示される。また、好ましい架橋剤の別
の態様として、臭素化アルキルフェノール樹脂を用いた
樹脂架橋系が例示され、通常、1〜20phr、好まし
くは3〜10phr程度が使用される。さらに成分
(B)としてEPDM系ゴムを用いて動的な熱処理によ
る加硫を行う場合には、加硫時における成分(A)と成
分(B)との混練の温度(本発明のエラストマー組成物
の製造温度)は、前述のEPM系ゴムと同様でよい。
【0035】本発明のエラストマー組成物において、成
分(A)および成分(B)の含有量や組成比は、成分
(A)および(B)の種類に応じて適宜決定すればよい
が、成分(A)/成分(B)の重量比で、成分(A)/
成分(B)=80/20〜15/85、好ましくは、成
分(A)/成分(B)=80/20〜20/80程度で
ある。両成分の組成比を上記範囲とすることにより、得
られた熱可塑性エラストマー組成物(あるいはその成型
品)の100℃以上の高温域でのゴム弾性および200
℃以下での溶融成型性を前述の如く良好なものとするこ
とができる。
【0036】本発明に用いる第二の熱可塑性エラストマ
ー組成物においては、成分(C)、すなわち有機過酸化
物を成分(A)及び(B)のポリマー成分100重量部
に対し0.05〜10重量部、好ましくは0.5〜5重
量部を配合する。本発明によれば、有機過酸化物(C)
は成分(A)の一部を分解して熱可塑性樹脂成分の分解
による易流動化とゴム成分の架橋によるゴム弾性の付与
および柔軟性の付与に有効である。
【0037】ここで、前述のように、本発明に用いる熱
可塑性エラストマー組成物は、成分(A)を連続相(マ
トリックス)とし、成分(B)の少なくとも一部が分散
相(ドメイン)として分散してなる構成を有するもので
あり、成分(B)を混練下に加硫(動的に加硫)するこ
とにより製造することができる。
【0038】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物には、上記特性を損なわない範囲で、このような成分
(A)及び(B)並びに第二の態様では成分(C)から
成る。本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成物は、
基本的にこれらの合成分より構成されるが、これ以外に
も、本発明の趣旨を損なわない範囲で、加硫促進剤、老
化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料や染料等の
着色剤、充填剤、軟化剤、可塑剤、カーボンブラックや
シリカ等の補強剤等を添加してもよい。又、本発明の所
望の特性を損わない範囲で、接着性及び粘着性付与の目
的で例えばスチレン・ブタジエン(スチレン)共重合エ
ラストマーあるいはその水素添加物、スチレン・イソプ
レン(スチレン)共重合エラストマーあるいはその水素
添加物、テルペン系樹脂あるいはその水素添加物、ロジ
ン系樹脂あるいはその水素添加物、石油系樹脂あるいは
その水素添加物の汎用の添加剤を配合にもよい。
【0039】本発明に用いる熱可塑性エラストマー組成
物の製造において、成分(A)及び(B)又は成分
(A),(B)及び(C)の混練に使用する機械には特
に限定はないが、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリ
ミキサー、2軸混練押出機等が例示される。なかでも成
分(A)(熱可塑性樹脂)と成分(B)(ゴム組成物)
の混練および成分(B)の動的加硫を考慮すると、2軸
混練押出機を使用するのが好ましい。さらに、2種類以
上の混練機を使用し、順次混練してもよい。また、混練
温度は成分(A)が溶融する温度以上であればよい。混
練時の剪断速度は2500〜7500 sec-1であるのが
好ましい。混練全体の時間は30秒〜10分で、加硫系
を添加した後の加硫時間は15秒から5分程度とするの
が好ましい。
【0040】以下、通常行われる2軸混練機による混練
に基づいて、製造方法の一例をより具体的に例示する。
まず、2軸混練機の第1の投入口より、ペレット状に成
形した成分(A)を投入し、2軸スクリューによって混
合して溶融・加熱する。一方、成分(B)は、バンバリ
ミキサー等のゴム用混練機を用い、ゴム成分に必要に応
じて補強剤、軟化剤、老化防止剤等を添加して混練した
後、加硫系を含まない、いわゆるマスターバッチとし
て、ゴム用ロール等で厚さ2〜2.5mmのシート状に成
形し、さらに、このシートをゴム用ペレタイザーでペレ
ット化して調製しておく。このように、成分(A)を2
軸混練機で溶融・加熱した後、このようにあらかじめペ
レット化した成分(B)を2軸混練機の第2の投入口よ
り投入し、成分(A)中に成分(B)を分散させる。な
お、成分(B)の添加時には、ステアリン酸等の加工助
剤を併用してもよい。この場合には、成分(B)とステ
アリン酸等とをバンバリミキサ等によって混合した後、
前述のようにペレット状にして2軸混練機成分に投入し
てもよい。
【0041】この後、2軸混練機の第3の投入口より加
硫剤あるいはさらに加硫助剤を投入し、混練下に、成分
(B)の少なくとも一部を加硫(動的加硫)させる。加
硫をこのようにして行うことにより、成分(B)を成分
(A)に十分な分散した状態で、しかも成分(B)が十
分に微細な状態のまま加硫を行い、連続相(マトリック
ス)をなす成分(A)中に、分散相(ドメイン)として
少なくとも一部が加硫された成分(B)が安定して分散
してなる、本発明のエラストマー組成物を好適に製造す
ることができ、得られたエラストマー組成物(成型品)
の溶融流動性、ゴム弾性等の点で好ましい結果を得るこ
とができる。
【0042】なお、成分(C)を用いる場合にはその過
酸化物の半減期により、設定した温度条件および滞留時
間にて、第1、第2、第3、第4のいずれかの投入口よ
り投入すれば良い。また、炭酸カルシウム、シリカ等の
無機材料に分散させて又はEVA等のポリマーに分散し
た希釈品を使用すれば、安全上より好ましい。
【0043】このようにして得られた本発明に用いる熱
可塑性エラストマー組成物は、2軸混練押出機でストラ
ンド状に押し出し、樹脂用ペレタイザーでペレット化
し、このペレットを使用して溶融押し出し機構を有する
押出機または簡易型押出機、一般の樹脂用射出成型機や
簡易型射出成型機を使用して、シーティング形状の押出
や種々の形状をしたモールドに押出または射出成型する
ことが可能である。すなわち、本発明に用いる熱可塑性
エラストマー組成物は、従来使用されてきたホットメル
ト材料の成型に通常使用される方法で成型加工が可能で
ある。しかも得られた成型品は、良好な耐熱溶融性およ
びゴム弾性を有するのは、前述のとおりである。溶融条
件は、熱可塑性エラストマー組成物の特性および成形品
の形状等に応じて適宜決定すればよいが、通常溶融温度
は、150〜250℃程度、好ましくは、160〜21
0℃程度である。
【0044】本発明の窓枠構造体1においては、以上の
ようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物を用い
て、接合部30を形成する。上記熱可塑性エラストマー
組成物は、溶融成型時には流動性、粘着性を有している
ため、押出機などの各種アプリケータを用いて窓枠12
および窓枠框体14に予め取り付けられた成型用型中に
簡単に注入することができ、注入された後はホットメル
ト系接着剤と同様の機能を発揮して、窓枠12および窓
枠框体14の施工面とよく接着させることが可能であ
る。したがって、本発明の窓枠構造体においては、従来
のプチル系未加硫ゴムを用いる場合に必要とされたよう
な窓枠の構造に合わせてテープを一々切り出す、あるい
は貼り付けるという手間を省くことができ、上述したよ
うに簡便な装置で施工できることから、従来工数の関係
から行われることが難しかった工場における窓枠構造体
の組立てが可能となり、また、施工現場においても容易
に組み立てることができるようになり、施工の自由度が
広がった。
【0045】さらに、この熱可塑性エラストマー組成物
は冷却硬化すると、接合部30として優れたゴム弾性、
耐候性および耐熱軟化性を有するため、住居やオフィス
・ビルの壁面にはめ込まれた窓枠構造体1の一方の窓枠
部材の端面と他方の窓枠部材の接合部30を形成した側
面とを上記接合部30を介して隙間なく密着させるの
で、長期間使用においても密閉性および気密性を十分に
保つことができる。なお、上記接合部30は、基本的に
は窓枠12または窓枠框体14の接合しようとする側面
に予め成型用型を取り付け、上記型中に上記熱可塑性エ
ラストマー組成物を注入し、この熱可塑性エラストマー
組成物が半硬化した後にこの型をとり外す。しかし、こ
のような型を使用せずに、上記熱可塑性エラストマー組
成物をアプリケーターを用いて接合しようとする窓枠部
材上の位置に施工し、冷却硬化させることによって形成
することも可能である。また、上記熱可塑性エラストマ
ー組成物のアプリケーターは公知のものであればよく、
特に限定されるものではない。以上、本発明の窓枠構造
体およびその製造方法の一例について詳細に説明した
が、本発明は上記構成には限定されず、本発明の要旨を
逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行っ
てもよいのはもちろんである。
【0046】
【実施例】以下、本発明によって本発明を更に説明する
が、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものでな
いことは言うまでもない。
【0047】熱可塑性エラストマー組成物の調製に用い
た原料I〜VIIIの組成及び物性値(MI、硬度及び圧縮
永久歪値)を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】実施例1〜10及び比較例1〜8 表2に示す配合のエラストマー組成物を表1で調製した
表1に示す特性の原料を用いて以下の様にして製造し、
得られた組成物の物性(MI、硬度及び圧縮永久歪値)
を測定した。結果を表2に示す。
【0050】熱可塑性エラストマー組成物の調製 2軸混練機の第1の投入口より、ペレット状に成形した
成分(A)を例示する原料で各々を投入し、第2の投入
口より、上記組成物Iを投入した。また、加硫剤あるい
はさらに加硫助剤は加硫系1を第3の投入口より投入し
た。また、成分(C)の有機過酸化物は、パーカドック
ス14をEPDM:パーカドックス14=60:40で
希釈したものであり表中の配合量はパーカドックス14
の成分(A)と成分(B)である組成物Iのポリマー成
分の合計量を100とした時の添加量を示す。成分
(C)は第4の投入口より投入した。 〔加硫系1〕 成分 商品名 メーカー 重量部 粉末硫黄 0.5 BZ ZN−ジ−n−ブチル・ ノクセラーBZ−O 大内新興 1 ジチオカーバメート 化学(株) TRA ジペンタメチレンチウラム サンセラ−TRA −C 三新化学 0.5 テトラスルフィド (株) TT テトラメチルチウラム ノクセラ−TT 大内新興 0.5 ジスルフィド 化学(株) CZ N−シクロヘキシル−2− ノクセラ−CZ−G 大内新興 1 ペンゾチアゾル 化学(株) スルフェンアミド
【0051】
【表2】
【0052】実施例11〜22及び比較例9〜12 表1に示す原料を用いて実施例1−10と同様に第3に
示すような配合の成分(A),(B)及び(C)を以下
のようにして窓枠構造体を製造した。なお、参考例はE
PDMゴム板を用いた例である。また、加硫系2を、以
下に示す。 〔加硫系2〕 成分 商品名 メーカー 重量部 ステアリン酸 ビーズステアリン酸 日本油脂社製 1.0 MDA メチレンジアニリン スミキュア−M 日本油脂社製 0.6
【0053】〔製造の可否評価〕各実施例および比較例
の熱可塑性エラストマー組成物を、所定の長さに切断し
た窓枠構造体として汎用されるアルミ製の長尺成型材料
に以下のようにして施工し、製造の可否を評価した。ま
ず、上述した長尺部材を切断し、一端に予め成型用型を
取り付け、アプリケータに充填した実施例、比較例の各
熱可塑性エラストマー組成物を溶融して成型用型中に注
入し、半硬化した後に型をとり外して接合部を形成し、
その状態を目視で観察した。所定形状に成形できたもの
を○、所定形状に成形できなかったものを×として評価
した。なお、本評価で製造可(○)であった実施例、比
較例の熱可塑性エラストマー組成物についてさらに以下
の評価を行った。
【0054】〔工数〕窓枠部材を組み上げて接合部にパ
ッキングを作製し、窓枠構造体を完成するまでの工数
を、従来の未加硫ブチルゴムテープを用いた窓枠構造体
(参考例1)の場合の工数を100として評価した。
【0055】物性評価は以下の方法で行なった。 硬度; ASTM−D(ASTM−D硬度計使用) MI; 230℃ 2.16kgf 荷重、メルトインデク
サー使用 圧縮永久歪; 100℃×72h 25%圧縮 混練性; 2軸混練機での混合可否をストランド外観の
目視にて判断した。 工程; 従来の未加硫ブチルゴムのテープを使用した場
合(参考例)を100として評価した。
【0056】変形性の評価 巾5cm×長さ10cm×厚さ2mmのアルミ板上に、巾4cm
×長さ6cm×厚さ1mmの形状に各実施例、比較例の熱可
塑性エラストマー組成物を成形し、窓枠構造体として、
汎用されるアルミ製の部材(長さ10cm)の断面がアル
ミ板上に成形した熱可塑性エラストマー組成物に当たる
ようにして所定の治具を用いて5kgf/cm 2 の圧力で圧着
し、その変形状態を目視で観察し、変形性を評価した。
断面形状に追従し、変形するものを○とし、断面形状に
追従せず、隙間等の見られるものを×とした。
【0057】回復性の評価 さらに上記のサンプル(試験片)を室温(23℃)で2
4時間放置後、治具および窓枠部材を取り外し、30分
間放置後、変形部分の最大深さを計測し、回復性を評価
した。変形部分の最大深さが0.8mm未満のものを○と
し、変形部分の最大深さが0.8mm以上のものを×とし
た。
【0058】密着力の評価 成分Dを配合した実施例について、前記の変形性の評価
と同様に、巾5cm×長さ10cm×厚さ2mmのアルミ板上
に、巾4cm×長10cm×厚さ1mmの形状に各実施例、比
較例の熱可塑性エラストマー組成物を成形した。この
時、後の剥離試験で「つかみしろ」とするべき部分は、
セロハン紙を介入させ密着しないようにした。この試験
片を24時間室温で放置した後、JIS K 6301
に記載の引張試験機で剥離試験を行ない、密着力を評価
した。剥離力3kgf/cm2 以上を○とし、剥離力3kgf/cm
2 未満を×とした。尚、変形性及び回復性の両者が○の
ものか窓枠材用パッキングをして優れており、回復性が
○で変形性が×のものは実用可である。
【0059】比較例1〜6および実施例1〜3 比較例1〜6は成分A(マトリックス樹脂)に通常のポ
リプロピレン系樹脂もしくはハイフローポリプロピレン
樹脂を使用した例であるがD硬度が40以上と高く、十
分な柔軟性を有していない。これに対し、1〜3は成分
Aにポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンラン
ダム共重合体成分を含むブロック共重合体の単独物を使
用することにより、D硬度が40以下という、十分な柔
軟性を有している。
【0060】比較例7および8 比較例7は成分Aが過多であるため、成分Bのゴム弾性
への寄与が少なく、圧縮永久歪が悪く、実用に供するこ
とは困難である。比較例8は成分Bが過多であるため、
ドメイン相が均一とならず加工自体が困難である。すな
わち、成分A/成分Bの組成比は80/20〜20/8
0が適切であるとわかる。
【0061】実施例5および6 成分Aとして、実施例5はポリプロピレン成分及びいわ
ゆるリアクターポリプロピレン成分であるポリプロピレ
ン成分とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分を
含むブロック共重合体の混合物を使用している。また実
施例6はその単独物とハイフローポリプロピレン樹脂と
の混合物を使用している。どちらもMI,D硬度、圧縮
永久歪のいずれの特性も優れている。
【0062】実施例7〜10 実施例7〜10は、成分Aとして、いわゆるリアクター
ポリプロピレンであるポリプロピレン成分及びプロピレ
ン・エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重
合体の単独物を使用している。また成分Cとして、動的
加硫の最終段階で、アルキルパーオキサイドを添加して
いる。有機過酸化物の使用により、D硬度や圧縮永久歪
を変化することなく、MIを向上できることがわかる。
表3は窓枠構造体用シール材料としての特性の相関を示
すものである。
【0063】比較例9及び10 比較例9および10は成分Aに通常のポリプロピレン樹
脂もしくはハイフローポリプロピレン樹脂を使用した例
である。D硬度が高く、十分な柔軟性を有していない。
シール材料としては、変形性が悪く、実用に供すること
は困難である。
【0064】比較例11及び12 比較例11は成分A/成分Bの組成比は90/10であ
る。成分Aが過多であるため成分Bのゴム弾性への寄与
が少なく圧縮永久歪が悪い。窓枠構造体とした場合、回
復性、変形性が悪く、実用に供することは困難である。
比較例12は成分A/成分Bの組成比は10/90であ
る。成分Bが過多であるためドメイン相が均一となら
ず、加工自体が困難である。
【0065】実施例11〜13 成分Aとして、いわゆるリアクターポリプロピレン系樹
脂即ちポリプロピレン成分及びプロピレン・エチレンラ
ンダム共重合体成分を含むブロック共重合体の単独物を
使用している。いずれも窓枠構造体用シール材料の特性
を十分満足している。
【0066】実施例14および15 成分Aとして、いわゆるリアクターポリプロピレン系樹
脂ポリプロピレン成分及びプロピレン・エチレンランダ
ム共重合体成分を含むブロック共重合体同志、または通
常のポリプロピレン樹脂との混合物を使用する。いずれ
も窓枠構造体用シール材料の特性を十分満足している。
【0067】実施例16 成分Bとしてマレイン酸変性EPM、動的加硫系として
メチレンジアニリンを使用しているが、実施例12同様
に、窓枠構造体用シール材料の特性を十分満足してい
る。
【0068】実施例17〜20 成分Cとして、動的加硫の最終段階でアルキルパーオキ
サイドを添加している。有機過酸化物の使用により、流
動性即ちMIを向上でき、窓枠構造体用シール材料の特
性も十分満足している。
【0069】実施例21および22 窓枠および窓枠框体との接着性をもたせる為、実施例2
1および22ではSEBS石油樹脂を添加している。窓
枠構造体用シール材料の特性を満足しながらも、これら
配合剤により、窓枠と取付対象部材との強固な粘着が可
能となる。
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明の住居などの窓枠構造体は特定の
易流動性を有する動的加硫性熱可塑性エラストマー組成
物を用いるのでホットメルトのような接着性を得ること
ができるため、窓枠構造体の接合部として窓枠部材上に
直接形成することができ、従来の未加硫のブチルゴムな
どを用いた構造体に比べて、窓枠構造体の製造工程を簡
略化でき、かつ施工における工数を減らすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】窓枠および窓枠框体の構造の一例を示す斜視図
である。
【図2】窓枠構造体の接合部の一例を示す一部破断図で
ある。
【符号の説明】
1…窓枠構造体 10…窓ガラス 12a…窓枠に用いられた窓枠部材 12b…窓枠に用いられた溝部を有する窓枠部材 14a…窓枠框体に用いられた窓枠部材 14b…窓枠框体に用いられた軌条となる突起部分を有
する窓枠部材 16a…窓枠に用いられたH型窓枠部材 16b…窓枠に用いられた底面に溝部を有する窓枠部材 22…窓ガラス固定用パッキング 24a…窓枠接合部 24b…窓枠接合部 26a…窓枠框体接合部 26b…窓枠框体接合部 26c…窓枠框体接合部 30…接合部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接合部を介して接合される2以上の窓枠
    部材よりなる窓枠構造体であって、前記接合部が、
    (A)ポリプロピレン成分及びプロピレン・エチレンラ
    ンダム共重合体成分を含むブロック共重合体単独又はそ
    れとポリプロピレン樹脂との混合物である熱可塑性樹脂
    組成物を連続相とし、(B)エチレン・プロピレン共重
    合ゴムおよび/またはエチレン・プロピレン・ジエン共
    重合ゴムの少なくとも一種を含み、かつその少なくとも
    1部が架橋されてなる分散相から成り、成分(A)/成
    分(B)の重量比が80/20〜15/85で、硬度
    (ASTM−D)が40以下、メルトインデックスが
    0.1以上(230℃ 2.16kgf )で圧縮永久歪が
    95%以下(100℃×72時間)の熱可塑性エラスト
    マー組成物により構成されることを特徴とする窓枠構造
    体。
  2. 【請求項2】 接合部を介して接合される2以上の窓枠
    部材よりなる請求項1に記載の窓枠構造体の製造方法で
    あって、接合しようとする窓枠部材の一方を覆うよう
    に、成形用型を取付け、成形用型の任意の部分から、前
    記熱可塑性エラストマー組成物を、溶融状態で、注入
    し、冷却硬化後前記の型を取り外し、他方の窓枠部材を
    硬化後の熱可塑性エラストマー組成物を介して接合する
    ことを特徴とする窓枠構造体の製造方法。
  3. 【請求項3】 接合部を介して接合される2以上の窓枠
    部材よりなる窓枠構造体であって、前記接合部が、
    (A)ポリプロピレン成分及びプロピレン・エチレンラ
    ンダム共重合体成分を含むブロック共重合体単独又はそ
    れとポリプロピレン樹脂との混合物である熱可塑性樹脂
    組成物を連続相とし、(B)エチレン・プロピレン共重
    合ゴム(EPM)および/またはエチレン・プロピレン
    ・ジエン共重合ゴム(EPDM)の少なくとも一種を含
    み、かつその少なくとも1部が架橋されてなる分散相、
    (C)有機過酸化物を含んで成り、成分(A)/成分
    (B)の重量比が80/20〜15/85で成分(C)
    が成分のポリマー成分の合計量100重量部に対し0.
    05〜10重量部で硬度(ASTM−D)が40以下で
    メルトインデックスが0.1以上(230℃ 2.16
    kgf )で(A)及び(B)でかつ圧縮永久歪が95%以
    下(100℃×72時間)の熱可塑性エラストマー組成
    物より構成され、かつ、前記成分(B)が前記成分
    (A)に分散されており、成分(C)により成分(A)
    の少なくとも一部が分解されていることを特徴とする窓
    枠構造体。
  4. 【請求項4】 接合部を介して接合される2以上の窓枠
    部材よりなる請求項3に記載の窓枠構造体の製法であっ
    て、接合しようとする窓枠部材の一方を覆うように、成
    形用型を取付け、型の任意の部分から、前記熱可塑性エ
    ラストマー組成物を、溶融状態で注入し、冷却硬化後前
    記型を取り外し、他方の窓枠部材を硬化後の熱可塑性エ
    ラストマー組成物を介して接合することを特徴とする窓
    枠構造体の製造方法。
JP18766796A 1996-07-17 1996-07-17 窓枠構造体およびその製造方法 Pending JPH1036621A (ja)

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