JPH1036284A - プロテアソーム阻害剤 - Google Patents
プロテアソーム阻害剤Info
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- JPH1036284A JPH1036284A JP8214209A JP21420996A JPH1036284A JP H1036284 A JPH1036284 A JP H1036284A JP 8214209 A JP8214209 A JP 8214209A JP 21420996 A JP21420996 A JP 21420996A JP H1036284 A JPH1036284 A JP H1036284A
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- JP
- Japan
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- group
- proteasome
- compound
- general formula
- cells
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/55—Design of synthesis routes, e.g. reducing the use of auxiliary or protecting groups
Landscapes
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【解決手段】下記式(I)
〔式中、R1は、アシル基、又はアミノ基の保護基を表
し、R2は、水素原子又は水酸基を表し、R3は、n−
プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基又はsec−ブチル基を表し、R4は、アルデヒド
基、又は保護されたアルデヒド基を表わす。〕で表され
る化合物よりなるプロテアソーム阻害剤、およびこれを
有効成分とする自己免疫疾患治療剤、炎症性腸炎疾患治
療剤、喘息治療剤。 【効果】上記のプロテアソーム阻害剤を用いれば、自己
免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等を抑制することが
できる。従って、この製剤は、自己免疫疾患、炎症、神
経細胞変性等にかかわる疾患(例えば、慢性関節炎リウ
マチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイマー病等)の
治療に有効である。
し、R2は、水素原子又は水酸基を表し、R3は、n−
プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基又はsec−ブチル基を表し、R4は、アルデヒド
基、又は保護されたアルデヒド基を表わす。〕で表され
る化合物よりなるプロテアソーム阻害剤、およびこれを
有効成分とする自己免疫疾患治療剤、炎症性腸炎疾患治
療剤、喘息治療剤。 【効果】上記のプロテアソーム阻害剤を用いれば、自己
免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等を抑制することが
できる。従って、この製剤は、自己免疫疾患、炎症、神
経細胞変性等にかかわる疾患(例えば、慢性関節炎リウ
マチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイマー病等)の
治療に有効である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は、プロテアソーム
阻害剤、およびそれを含有することを特徴とする自己免
疫疾患、炎症性腸炎疾患、喘息などの治療剤に関する。
阻害剤、およびそれを含有することを特徴とする自己免
疫疾患、炎症性腸炎疾患、喘息などの治療剤に関する。
【0002】
【従来の技術】プロテアソームは、最初、沈降係数20
Sの触媒ユニットとして発見され、多機能性プロテアー
ゼと呼ばれていたが、現在ではプロテアソームの名前が
定着している。プロテアソームの構造は、特徴的な構造
を持つ巨大な多成分複合体である。例えば、26Sプロ
テアソームは、触媒ユニットである20Sプロテアソー
ム(円筒型分子)の両端にU字型の調整ユニットが会合
した分子量約200万のダンベル型分子であり、真核生
物のATP依存性プロテアーゼであることが明らかにさ
れている(組織培養, 22, 75-105 (1996))。近年、プロ
テアソームが、TNF−α、IL−1等の炎症性サイト
カインの転写調節因子NF−kBの活性化に重要な役割
を担っていることが明らかになってきている(Vito J.
Palombella, et al., Cell, 78, 773-785 (1994)、Dimi
trisThanos, et al., Cell, 80, 529-532 (1995))。こ
のように、プロテアソームが細胞の増殖や免疫系をはじ
めとする生命現象と深く関連している多くの蛋白質の分
解制御に重要な役割を果たしていることが明確になって
きた。
Sの触媒ユニットとして発見され、多機能性プロテアー
ゼと呼ばれていたが、現在ではプロテアソームの名前が
定着している。プロテアソームの構造は、特徴的な構造
を持つ巨大な多成分複合体である。例えば、26Sプロ
テアソームは、触媒ユニットである20Sプロテアソー
ム(円筒型分子)の両端にU字型の調整ユニットが会合
した分子量約200万のダンベル型分子であり、真核生
物のATP依存性プロテアーゼであることが明らかにさ
れている(組織培養, 22, 75-105 (1996))。近年、プロ
テアソームが、TNF−α、IL−1等の炎症性サイト
カインの転写調節因子NF−kBの活性化に重要な役割
を担っていることが明らかになってきている(Vito J.
Palombella, et al., Cell, 78, 773-785 (1994)、Dimi
trisThanos, et al., Cell, 80, 529-532 (1995))。こ
のように、プロテアソームが細胞の増殖や免疫系をはじ
めとする生命現象と深く関連している多くの蛋白質の分
解制御に重要な役割を果たしていることが明確になって
きた。
【0003】一方で、このプロテアソームに対する阻害
剤の研究も進められており、例えば、有効なプロテアソ
ーム阻害剤として、Z−IE(OBut ) AL−H(以
後、PSIと略す)が作られ、NF−kBの活性化を阻
害することが見出されている。また、Z−LLL−Hが
作られ、内在性抗原のプロセッシングや前駆体NF−k
Bの成熟型への転換を阻害するとともに、NGF(nerv
e growth factor)と同等以上の神経突起伸長効果を有す
ることが認められている。
剤の研究も進められており、例えば、有効なプロテアソ
ーム阻害剤として、Z−IE(OBut ) AL−H(以
後、PSIと略す)が作られ、NF−kBの活性化を阻
害することが見出されている。また、Z−LLL−Hが
作られ、内在性抗原のプロセッシングや前駆体NF−k
Bの成熟型への転換を阻害するとともに、NGF(nerv
e growth factor)と同等以上の神経突起伸長効果を有す
ることが認められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、新規
なプロテアソーム阻害剤を提供するとともに、それを有
効成分として含有する、自己免疫疾患治療剤、炎症性腸
疾患治療剤、および喘息治療剤を提供するものである。
なプロテアソーム阻害剤を提供するとともに、それを有
効成分として含有する、自己免疫疾患治療剤、炎症性腸
疾患治療剤、および喘息治療剤を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、プロテア
ソーム阻害剤を探索する目的で微生物代謝産物をスクリ
ーニングして来たが、ある種のカビ(FERM P−1
5737) の代謝産物の一つである、トリペプチド誘導
体が特異的にプロテアソームを阻害することを見出し
た。このトリペプチド誘導体は、構造解析研究の結果、
特開平1−279899号公報及びテトラヘドロン、4
7巻、8529〜8534頁(1991年)に記載の抗
腫瘍ペプチド(フェルタマイドB)と同一化合物である
ことが明らかとなった。さらに、本発明者らは、本化合
物の機能を評価し、プロテアソーム阻害活性以外にも、
TNF−α阻害活性(自己免疫疾患の抑制機能を果た
す)、神経細胞突起伸展活性(神経の損傷に係わる神経
変性疾患を治癒すると考えられる)、神経細胞死の抑制
活性(神経細胞死を伴う神経変性疾患を治癒すると考え
られる)等があることを明らかにするとともに、これら
の事実に基づき更に研究を重ねて、本発明を完成するに
至った。 特に、本発明のトリペプチド化合物は、公知
のプロテアソーム阻害剤と比較して、薬剤の有効濃度範
囲が広く、より有効性が高いものであることが明らかと
なった。
ソーム阻害剤を探索する目的で微生物代謝産物をスクリ
ーニングして来たが、ある種のカビ(FERM P−1
5737) の代謝産物の一つである、トリペプチド誘導
体が特異的にプロテアソームを阻害することを見出し
た。このトリペプチド誘導体は、構造解析研究の結果、
特開平1−279899号公報及びテトラヘドロン、4
7巻、8529〜8534頁(1991年)に記載の抗
腫瘍ペプチド(フェルタマイドB)と同一化合物である
ことが明らかとなった。さらに、本発明者らは、本化合
物の機能を評価し、プロテアソーム阻害活性以外にも、
TNF−α阻害活性(自己免疫疾患の抑制機能を果た
す)、神経細胞突起伸展活性(神経の損傷に係わる神経
変性疾患を治癒すると考えられる)、神経細胞死の抑制
活性(神経細胞死を伴う神経変性疾患を治癒すると考え
られる)等があることを明らかにするとともに、これら
の事実に基づき更に研究を重ねて、本発明を完成するに
至った。 特に、本発明のトリペプチド化合物は、公知
のプロテアソーム阻害剤と比較して、薬剤の有効濃度範
囲が広く、より有効性が高いものであることが明らかと
なった。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 (1) 一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】〔式中、R1 は、アシル基、又はアミノ基
の保護基を表し、R2 は、水素原子又は水酸基を表し、
R3 は、n−プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル
基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、R
4 は、アルデヒド基、又は保護されたアルデヒド基を表
わす。〕で表される化合物よりなるプロテアソーム阻害
剤、 (2) 一般式(1)において、下記により規定される
ものである前記(1)記載のプロテアソーム阻害剤、 R1 =アシル基、又はアミノ基の保護基 R2 =水素原子 R3 =イソブチル基 R4 =アルデヒド基 (3) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患
治療剤、 (4) 自己免疫疾患が慢性関節炎リウマチである前記
(3)記載の治療剤、 (5) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする炎症性腸炎疾
患治療剤、 (6) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする喘息治療剤、
に関する。
の保護基を表し、R2 は、水素原子又は水酸基を表し、
R3 は、n−プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル
基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、R
4 は、アルデヒド基、又は保護されたアルデヒド基を表
わす。〕で表される化合物よりなるプロテアソーム阻害
剤、 (2) 一般式(1)において、下記により規定される
ものである前記(1)記載のプロテアソーム阻害剤、 R1 =アシル基、又はアミノ基の保護基 R2 =水素原子 R3 =イソブチル基 R4 =アルデヒド基 (3) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患
治療剤、 (4) 自己免疫疾患が慢性関節炎リウマチである前記
(3)記載の治療剤、 (5) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする炎症性腸炎疾
患治療剤、 (6) 前記(1)又は(2)において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする喘息治療剤、
に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のプロテアソーム阻害剤は、一般式(1)で
表される化合物よりなるものである。
る。本発明のプロテアソーム阻害剤は、一般式(1)で
表される化合物よりなるものである。
【0010】
【化3】
【0011】〔式中、R1 は、アシル基、又はアミノ基
の保護基を表し、R2 は、水素原子又は水酸基を表し、
R3 は、n−プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル
基、又はsec−ブチル基を表し、R4 は、アルデヒド
基、又は保護されたアルデヒド基を表わす。〕
の保護基を表し、R2 は、水素原子又は水酸基を表し、
R3 は、n−プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル
基、又はsec−ブチル基を表し、R4 は、アルデヒド
基、又は保護されたアルデヒド基を表わす。〕
【0012】ここで、R1 におけるアシル基とは、置換
されていてもよい、脂肪族アシル基又は芳香族アシル基
を表し、脂肪族アシル基とは、炭素数2から30の直鎖
状、分枝状あるいは環状のものを表し、具体的には、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、ドデカノイル基などが挙げられる。芳
香族アシル基としては、ベンゾイル基、ベンジルカルボ
ニル基、フエネチイルカルボニル基、ナフチイルカルボ
ニル基、ナフチイルメチイルカルボニル基等が挙げられ
る。ここで、置換基としては、一つまたはそれ以上のも
ので置換されていてよいが、具体的には水酸基、アミノ
基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メト
キシ基,エトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられ
る。
されていてもよい、脂肪族アシル基又は芳香族アシル基
を表し、脂肪族アシル基とは、炭素数2から30の直鎖
状、分枝状あるいは環状のものを表し、具体的には、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル
基、バレリル基、ドデカノイル基などが挙げられる。芳
香族アシル基としては、ベンゾイル基、ベンジルカルボ
ニル基、フエネチイルカルボニル基、ナフチイルカルボ
ニル基、ナフチイルメチイルカルボニル基等が挙げられ
る。ここで、置換基としては、一つまたはそれ以上のも
ので置換されていてよいが、具体的には水酸基、アミノ
基、ニトロ基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メト
キシ基,エトキシ基等のアルコキシ基などが挙げられ
る。
【0013】R1 におけるアミノ基の保護基としては、
通常使用されるものを用いることができるが、好ましく
は、ベンジルオキシカルボニル基(カルボベンゾキシ
基)、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、t−ブ
チルオキシカルボニル基等が挙げられる。なお、R1 の
好適なものとしては、ベンジルオキシカルボニル基(カ
ルボベンゾキシ基)、−COCH2 −CH(OH)−
(CH2 )8 −CH3 、アセチル基、4−フェニルブチ
リイル基等が挙げられる。
通常使用されるものを用いることができるが、好ましく
は、ベンジルオキシカルボニル基(カルボベンゾキシ
基)、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、t−ブ
チルオキシカルボニル基等が挙げられる。なお、R1 の
好適なものとしては、ベンジルオキシカルボニル基(カ
ルボベンゾキシ基)、−COCH2 −CH(OH)−
(CH2 )8 −CH3 、アセチル基、4−フェニルブチ
リイル基等が挙げられる。
【0014】本発明における一般式(1)のトリペプチ
ド化合物は、そのP3部位が公知のトリペプチドからな
るプロテアソーム阻害剤ではロイシン残基であるのに対
し、アスパラギン残基であるという構造上の特徴を有す
る。
ド化合物は、そのP3部位が公知のトリペプチドからな
るプロテアソーム阻害剤ではロイシン残基であるのに対
し、アスパラギン残基であるという構造上の特徴を有す
る。
【0015】一般式(1)において、好適な化合物とし
て下記により規定されるものが挙げられる。 R1 =アシル基、又はアミノ基の保護基 R2 =水素原子 R3 =イソブチル基 R4 =アルデヒド基 なかでも、R1 がベンジルオキシカルボニル基(カルボ
ベンゾキシ基)、−COCH2 −CH(OH)−(CH
2 )8 −CH3 、4−フェニルブチリイル基などが好ま
しい。即ち、カルボベンゾキシ−L−アスパラギニル−
L−グルタミニル−ロイシナール、3−(R)−ヒドロ
キシドデカノイル−L−アスパラギニル−L−グルタミ
ニル−ロイシナールなどが好適例として挙げられる。
て下記により規定されるものが挙げられる。 R1 =アシル基、又はアミノ基の保護基 R2 =水素原子 R3 =イソブチル基 R4 =アルデヒド基 なかでも、R1 がベンジルオキシカルボニル基(カルボ
ベンゾキシ基)、−COCH2 −CH(OH)−(CH
2 )8 −CH3 、4−フェニルブチリイル基などが好ま
しい。即ち、カルボベンゾキシ−L−アスパラギニル−
L−グルタミニル−ロイシナール、3−(R)−ヒドロ
キシドデカノイル−L−アスパラギニル−L−グルタミ
ニル−ロイシナールなどが好適例として挙げられる。
【0016】本発明における一般式(1)で表される化
合物を製造するには、常法により合成することができ
る。また、3−(R)−ヒドロキシドデカノイル−L−
アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナールは、
Emericella variecolor の培養物から単離・精製して得
ることもできる。本明細書において、該化合物を#12
40−PIA1と表示する。
合物を製造するには、常法により合成することができ
る。また、3−(R)−ヒドロキシドデカノイル−L−
アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナールは、
Emericella variecolor の培養物から単離・精製して得
ることもできる。本明細書において、該化合物を#12
40−PIA1と表示する。
【0017】以下にEmericella variecolor (エメリセ
ラ・バリエカラー)の培養により#1240−PIA1
を一例として本発明の化合物を製造する方法について述
べる。Emericella variecolor としては、例えばEmeric
ella variecolor #1240株を使用することができ
る。この株は、米国内で採集された土壌試料より分離さ
れたもので工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M P−15737として寄託されている。本菌株の菌
学的性質を以下に述べる。
ラ・バリエカラー)の培養により#1240−PIA1
を一例として本発明の化合物を製造する方法について述
べる。Emericella variecolor としては、例えばEmeric
ella variecolor #1240株を使用することができ
る。この株は、米国内で採集された土壌試料より分離さ
れたもので工業技術院生命工学工業技術研究所にFER
M P−15737として寄託されている。本菌株の菌
学的性質を以下に述べる。
【0018】(a)形態的性質 本菌株は、麦芽エキス寒天培地、ポテト・グルコース寒
天培地、オートミール寒天培地等で良好に生育し、27
℃、10〜20日間の培養でテレオモルフとしての子の
う果およびアナモルフとしての分生子果の形成が認めら
れる。子のう果は表在性から一部潜在性でコロニー表面
に散在し、灰紫色から灰オリーブ色、直径約150〜2
50μmであり、その外側は直径約15〜20μmの厚
壁細胞で覆われている。子のう胞子はレンズ形、赤紫色
で胞子本体の直径2.5〜3μm、厚さ2〜2.5μ
m、レンズ面は滑面、赤道面に2枚の隆起を生じ、各隆
起からは長さ2.5〜3μmの7〜8個の突起を生じる
ため胞子全体としては特徴ある星形の外観を呈す。分生
子頭は放射状、緑色からオリーブ色の外観を呈し、分生
子柄は長さ60〜150μm、頂のうは亜球状からフラ
スコ状、フィアライドは1〜2列、分生子は球形から亜
球形で直径2〜2.5μm、表面は平滑である。
天培地、オートミール寒天培地等で良好に生育し、27
℃、10〜20日間の培養でテレオモルフとしての子の
う果およびアナモルフとしての分生子果の形成が認めら
れる。子のう果は表在性から一部潜在性でコロニー表面
に散在し、灰紫色から灰オリーブ色、直径約150〜2
50μmであり、その外側は直径約15〜20μmの厚
壁細胞で覆われている。子のう胞子はレンズ形、赤紫色
で胞子本体の直径2.5〜3μm、厚さ2〜2.5μ
m、レンズ面は滑面、赤道面に2枚の隆起を生じ、各隆
起からは長さ2.5〜3μmの7〜8個の突起を生じる
ため胞子全体としては特徴ある星形の外観を呈す。分生
子頭は放射状、緑色からオリーブ色の外観を呈し、分生
子柄は長さ60〜150μm、頂のうは亜球状からフラ
スコ状、フィアライドは1〜2列、分生子は球形から亜
球形で直径2〜2.5μm、表面は平滑である。
【0019】(b)培養的性質 各種培地上で27℃、14日間培養した本菌株の観察結
果を表1に示す。
果を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】(c)生理学的性質 最適生育条件:pH6〜8(麦芽エキスブロス)、
温度25〜30℃(ポテト・グルコース寒天培地) 生育の範囲:pH2〜9(麦芽エキスブロス)、温
度9〜37℃(ポテト・グルコース寒天培地)
温度25〜30℃(ポテト・グルコース寒天培地) 生育の範囲:pH2〜9(麦芽エキスブロス)、温
度9〜37℃(ポテト・グルコース寒天培地)
【0022】以上の菌学的性質は、文献(堀江:日菌報
21,483−493,1980)記載の不整子のう菌
類Emericella variecolor の性質とよく一致する。
21,483−493,1980)記載の不整子のう菌
類Emericella variecolor の性質とよく一致する。
【0023】本発明化合物の#1240−PIA1は、
後述の製造例1に示した方法によりEmericella varieco
lor の培養液から単離・精製して得ることができる。得
られた#1240−PIA1について構造解析を実施し
た結果、本化合物は公知のフェルタマイドB((R)−
ヒドロキシドデカノイル−L−アスパラギニル−L−グ
ルタミニル−ロイシナール;シゲモリ他、テトラヘドロ
ン、47巻、8529〜8534頁、1991年)と同
定されている。
後述の製造例1に示した方法によりEmericella varieco
lor の培養液から単離・精製して得ることができる。得
られた#1240−PIA1について構造解析を実施し
た結果、本化合物は公知のフェルタマイドB((R)−
ヒドロキシドデカノイル−L−アスパラギニル−L−グ
ルタミニル−ロイシナール;シゲモリ他、テトラヘドロ
ン、47巻、8529〜8534頁、1991年)と同
定されている。
【0024】本発明のプロテアソーム阻害剤は、前記の
一般式(1)で表される化合物よりなるものであり、本
明細書において、プロテアソーム阻害剤の有するプロテ
アソーム阻害作用とは、プロテアソームの蛋白質(高分
子量)分解活性、およびペプチド(低分子量)分解活性
を言う。
一般式(1)で表される化合物よりなるものであり、本
明細書において、プロテアソーム阻害剤の有するプロテ
アソーム阻害作用とは、プロテアソームの蛋白質(高分
子量)分解活性、およびペプチド(低分子量)分解活性
を言う。
【0025】また、本発明における一般式(1)で表さ
れる化合物は、プロテアソームの阻害作用を有すること
から、プロテアソームに起因すると考えられる種々の疾
患の治療剤として用いることができる。プロテアソーム
に起因すると考えられている種々の疾患としては、自己
免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等が挙げられ、より
具体的には、特に慢性関節炎リウマチ、炎症性腸炎疾
患、喘息、アルツハイマー病等を挙げることができる。
さらに、本発明における一般式(1)で表される化合物
は、TNF−αに対する阻害活性、神経細胞突起伸展活
性、神経細胞死の抑制活性を有している。従って、本発
明における自己免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等の
抑制作用は、プロテアソーム阻害活性と共に、これらの
TNF−αに対する阻害活性、神経細胞突起伸展活性、
神経細胞死の抑制活性等によっても確認することができ
る。
れる化合物は、プロテアソームの阻害作用を有すること
から、プロテアソームに起因すると考えられる種々の疾
患の治療剤として用いることができる。プロテアソーム
に起因すると考えられている種々の疾患としては、自己
免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等が挙げられ、より
具体的には、特に慢性関節炎リウマチ、炎症性腸炎疾
患、喘息、アルツハイマー病等を挙げることができる。
さらに、本発明における一般式(1)で表される化合物
は、TNF−αに対する阻害活性、神経細胞突起伸展活
性、神経細胞死の抑制活性を有している。従って、本発
明における自己免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等の
抑制作用は、プロテアソーム阻害活性と共に、これらの
TNF−αに対する阻害活性、神経細胞突起伸展活性、
神経細胞死の抑制活性等によっても確認することができ
る。
【0026】本発明のプロテアソーム阻害剤は、自己免
疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等に由来する慢性関節
炎リウマチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイマー病
等の治療剤として経口的又は非経口的に投与することが
できる。すなわち、通常用いられる投与形態、例えば錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等として経口投与するこ
とができ、あるいは液剤、乳剤、懸濁液剤、リポソーム
剤などとして筋肉内注射又は皮下注射することができ、
また、坐剤として直腸投与することもできる。このよう
な剤形は、医薬として許容される通常の担体、賦型剤、
結合剤、安定剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等と本発
明の有効成分を配合することにより製造することができ
る。投与量、投与回数は、患者の症状、症歴、年齢、体
重、投与形態等によって異なるが、例えば成人に経口投
与する場合、通常、1日当たり5〜500mg、好ましく
は10〜100mgの範囲で適宜調節して、1回又は数回
に分けて投与することができる。
疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等に由来する慢性関節
炎リウマチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイマー病
等の治療剤として経口的又は非経口的に投与することが
できる。すなわち、通常用いられる投与形態、例えば錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等として経口投与するこ
とができ、あるいは液剤、乳剤、懸濁液剤、リポソーム
剤などとして筋肉内注射又は皮下注射することができ、
また、坐剤として直腸投与することもできる。このよう
な剤形は、医薬として許容される通常の担体、賦型剤、
結合剤、安定剤、緩衝剤、溶解補助剤、等張剤等と本発
明の有効成分を配合することにより製造することができ
る。投与量、投与回数は、患者の症状、症歴、年齢、体
重、投与形態等によって異なるが、例えば成人に経口投
与する場合、通常、1日当たり5〜500mg、好ましく
は10〜100mgの範囲で適宜調節して、1回又は数回
に分けて投与することができる。
【0027】
【実施例】以下、製造例および実施例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例などに
よりなんら限定されるものではない。
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例などに
よりなんら限定されるものではない。
【0028】製造例13−(R)−ヒドロキシドデカノイル−L−アスパラギ
ニル−L−グルタミニル−ロイシナール(#1240−
PIA1)の製造 (1)エメリセラ・バリエカラー#1240株をグルコ
ース3%、可溶性デンプン2%、大豆粉2%、ポリペプ
トン0.3%、肉エキス0.3%、酵母エキス0.3
%、リン酸1カリ0.05%の組成からなる液体培地1
00mlを入れた500ml容の坂口フラスコ33本お
よび同様の液体培地400mlを入れた2リットル容の
坂口フラスコ8本に接種し、27℃で7日間浸透培養し
た。
ニル−L−グルタミニル−ロイシナール(#1240−
PIA1)の製造 (1)エメリセラ・バリエカラー#1240株をグルコ
ース3%、可溶性デンプン2%、大豆粉2%、ポリペプ
トン0.3%、肉エキス0.3%、酵母エキス0.3
%、リン酸1カリ0.05%の組成からなる液体培地1
00mlを入れた500ml容の坂口フラスコ33本お
よび同様の液体培地400mlを入れた2リットル容の
坂口フラスコ8本に接種し、27℃で7日間浸透培養し
た。
【0029】(2)得られた培養液6.5リットルを4
℃、10000rpmで20分間高速遠心し、培養上清
6リットルを得た。この上清液をダイヤイオンHP−2
0(三菱化学工業社製)0.5リットルを充填したカラ
ムに通液し吸着させた。溶出液としてメタノール水溶液
を使用しメタノール濃度を段階的に増加させ溶出させ
た。80%メタノールおよび100%メタノールで溶出
させた画分を集め減圧濃縮し590mgの黄色粉末を得
た。この粉末に1.5リットルの水および1.5リット
ルの酢酸エチルエステルを加え抽出した。酢酸エチルエ
ステル抽出液を減圧濃縮し190mgの黄色粉末を得
た。この粉末を10mlのメタノールに溶解し、クロロ
ホルム−メタノール(3:1)の混合溶媒で平衡化させ
たシリカゲル(メルク社製)300mlを充填したカラ
ムに吸着させた後に、同一の混合溶媒を用いて溶出させ
た。プロテアソーム阻害活性画分を集め減圧濃縮し白色
粉末を得た。この粉末を少量のジメチルスルフォキシド
に溶解し、20%メタノールで平衡化させた逆相系高速
液体クロマト用ODSカラム(山村化学社製、直径20
mm、長さ250mm)に通液吸着させた後に、流速1
0ml/minでメタノール濃度を増加させ溶出させ
た。プロテアソーム阻害活性画分を集め減圧濃縮し35
mgの白色粉末を得た。この粉末を少量のジメチルスル
フォキシドに溶解し、20%アセトニトリルで平衡化さ
せた逆相系高速液体クロマト用ODSカラム(山村化学
社製、直径20mm、長さ250mm)に通液吸着させ
た後に、流速10ml/minでアセトニトリル濃度を
増加させ溶出させた。プロテアソーム阻害活性画分を集
め減圧濃縮し、3−(R)−ヒドロキシドデカノイル−
L−アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナール
の白色粉末9mgを得た。なお、本実験におけるプロテ
アソーム阻害活性画分の取得は、実施例1に記載の方法
によりプロテアソーム阻害活性を検出することにより行
った。
℃、10000rpmで20分間高速遠心し、培養上清
6リットルを得た。この上清液をダイヤイオンHP−2
0(三菱化学工業社製)0.5リットルを充填したカラ
ムに通液し吸着させた。溶出液としてメタノール水溶液
を使用しメタノール濃度を段階的に増加させ溶出させ
た。80%メタノールおよび100%メタノールで溶出
させた画分を集め減圧濃縮し590mgの黄色粉末を得
た。この粉末に1.5リットルの水および1.5リット
ルの酢酸エチルエステルを加え抽出した。酢酸エチルエ
ステル抽出液を減圧濃縮し190mgの黄色粉末を得
た。この粉末を10mlのメタノールに溶解し、クロロ
ホルム−メタノール(3:1)の混合溶媒で平衡化させ
たシリカゲル(メルク社製)300mlを充填したカラ
ムに吸着させた後に、同一の混合溶媒を用いて溶出させ
た。プロテアソーム阻害活性画分を集め減圧濃縮し白色
粉末を得た。この粉末を少量のジメチルスルフォキシド
に溶解し、20%メタノールで平衡化させた逆相系高速
液体クロマト用ODSカラム(山村化学社製、直径20
mm、長さ250mm)に通液吸着させた後に、流速1
0ml/minでメタノール濃度を増加させ溶出させ
た。プロテアソーム阻害活性画分を集め減圧濃縮し35
mgの白色粉末を得た。この粉末を少量のジメチルスル
フォキシドに溶解し、20%アセトニトリルで平衡化さ
せた逆相系高速液体クロマト用ODSカラム(山村化学
社製、直径20mm、長さ250mm)に通液吸着させ
た後に、流速10ml/minでアセトニトリル濃度を
増加させ溶出させた。プロテアソーム阻害活性画分を集
め減圧濃縮し、3−(R)−ヒドロキシドデカノイル−
L−アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナール
の白色粉末9mgを得た。なお、本実験におけるプロテ
アソーム阻害活性画分の取得は、実施例1に記載の方法
によりプロテアソーム阻害活性を検出することにより行
った。
【0030】得られた3−(R)−ヒドロキシドデカノ
イル−L−アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシ
ナール(#1240−PIA1)の構造解析データを以
下に示す。 (1)質量分析値: 陽イオンFABMSスペクトル:m/z 556(M+
H)+ 陰イオンFABMSスペクトル:m/z 554(M+
H)- (2)高分解能FABMS: (M+H) m/z 実測値: 556.3700 C27H50N5O7 として計算値: 556.3713 (3)〔α〕D 25 −21.5° (c=0.29、メ
タノール溶液)
イル−L−アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシ
ナール(#1240−PIA1)の構造解析データを以
下に示す。 (1)質量分析値: 陽イオンFABMSスペクトル:m/z 556(M+
H)+ 陰イオンFABMSスペクトル:m/z 554(M+
H)- (2)高分解能FABMS: (M+H) m/z 実測値: 556.3700 C27H50N5O7 として計算値: 556.3713 (3)〔α〕D 25 −21.5° (c=0.29、メ
タノール溶液)
【0031】(4)1 H−NMRスペクトル:重ジメチ
ルスルフォキシド(d6 −DMSO)中、500MHz
で測定したスペクトルを図2に示す。 (5)13C−NMRスペクトル:重ジメチルスルフォキ
シド(d6 −DMSO)中、125MHzで測定したス
ペクトルを図3に示す。
ルスルフォキシド(d6 −DMSO)中、500MHz
で測定したスペクトルを図2に示す。 (5)13C−NMRスペクトル:重ジメチルスルフォキ
シド(d6 −DMSO)中、125MHzで測定したス
ペクトルを図3に示す。
【0032】製造例2カルボベンゾキシ−L−アスパラギニル−L−グルタミ
ニル−ロイシナールの製造 a)Boc−Gln−Leu−olの調製 L−ロイシノール5.0g(42.7mmol)をジメ
チルホルムアミド30mlに溶解し、氷冷下に1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール7.84g(51.2mmo
l)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミド9.82g(51.2mmol)
を加えた。次いで、Boc−Gln−OH 11.60
g(46.9mmol)のジメチルホルムアミド溶液5
0mlを滴下して加えた後、氷冷下で30分、室温で
1.5時間攪拌した。反応液を濃縮したのち酢酸エチル
で抽出し、1N−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾
液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲ
ル500g、クロロホルム−メタノール15:1)によ
って精製して表題化合物8.86gを得た。1 H−NMR(270MHz、CD3 OD)δ4.02
〜3.95(2H,m),δ3.47〜3.44(2
H,m),δ1.45(9H,s),δ0.91(6
H,t,J=6.9Hz),SI−MSm/e346
(M+H+ )
ニル−ロイシナールの製造 a)Boc−Gln−Leu−olの調製 L−ロイシノール5.0g(42.7mmol)をジメ
チルホルムアミド30mlに溶解し、氷冷下に1−ヒド
ロキシベンゾトリアゾール7.84g(51.2mmo
l)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピ
ル)−カルボジイミド9.82g(51.2mmol)
を加えた。次いで、Boc−Gln−OH 11.60
g(46.9mmol)のジメチルホルムアミド溶液5
0mlを滴下して加えた後、氷冷下で30分、室温で
1.5時間攪拌した。反応液を濃縮したのち酢酸エチル
で抽出し、1N−塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄
後、硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去後、濾
液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(シリカゲ
ル500g、クロロホルム−メタノール15:1)によ
って精製して表題化合物8.86gを得た。1 H−NMR(270MHz、CD3 OD)δ4.02
〜3.95(2H,m),δ3.47〜3.44(2
H,m),δ1.45(9H,s),δ0.91(6
H,t,J=6.9Hz),SI−MSm/e346
(M+H+ )
【0033】b)Z−Asn−Gln−Leu−olの
調製 (a)の化合物1g(2.90mmol)をアセトニト
リル20mlに懸濁し、氷冷下メタンスルホン酸2.2
2g(23.2mmol)を滴下したのち、室温で2時
間攪拌した。再び氷冷し、ジメチルホルムアミド20m
lを滴下し、さらにトリエチルアミン2.05g(2
0.3mmol)を滴下した。続いて、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール548mg(4.06mmol)、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カ
ルボジイミド778mg(4.06mmol)を加え、
さらにZ−Asn−OH 926mg(3.48mmo
l)のジメチルホルムアミド溶液10mlを滴下して加
えた後、氷冷下で30分、室温で2時間攪拌した。反応
液に水150mlを加えて攪拌した後、濃縮し、逆相ク
ロマトグラフィー(カラム:YMC−ODS 30mm
φ×250mm、15〜30μm;流速:7ml/m
l;検出波長:220nm;溶出液:(A)水−0.1
%トリフルオロ酢酸、(B)アセトニトリル−0.1%
トリフルオロ酢酸;グラジェント:(B)0%→(60
分)20%→(240分)35%)によって精製して表
題化合物401mgを得た。1 H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ7.3
8〜7.25(5H,m),δ7.23(1H,b
s),δ7.02(1H,bs),δ6.74(1H,
bs),δ5.01(2H,s),δ4.08〜3.9
3(3H,m),δ3.32〜3.15(2H,m),
δ0.86(6H,dd,J=6.5,10.9Hz)
SI−MSm/e494(M+H+ )
調製 (a)の化合物1g(2.90mmol)をアセトニト
リル20mlに懸濁し、氷冷下メタンスルホン酸2.2
2g(23.2mmol)を滴下したのち、室温で2時
間攪拌した。再び氷冷し、ジメチルホルムアミド20m
lを滴下し、さらにトリエチルアミン2.05g(2
0.3mmol)を滴下した。続いて、1−ヒドロキシ
ベンゾトリアゾール548mg(4.06mmol)、
1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カ
ルボジイミド778mg(4.06mmol)を加え、
さらにZ−Asn−OH 926mg(3.48mmo
l)のジメチルホルムアミド溶液10mlを滴下して加
えた後、氷冷下で30分、室温で2時間攪拌した。反応
液に水150mlを加えて攪拌した後、濃縮し、逆相ク
ロマトグラフィー(カラム:YMC−ODS 30mm
φ×250mm、15〜30μm;流速:7ml/m
l;検出波長:220nm;溶出液:(A)水−0.1
%トリフルオロ酢酸、(B)アセトニトリル−0.1%
トリフルオロ酢酸;グラジェント:(B)0%→(60
分)20%→(240分)35%)によって精製して表
題化合物401mgを得た。1 H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ7.3
8〜7.25(5H,m),δ7.23(1H,b
s),δ7.02(1H,bs),δ6.74(1H,
bs),δ5.01(2H,s),δ4.08〜3.9
3(3H,m),δ3.32〜3.15(2H,m),
δ0.86(6H,dd,J=6.5,10.9Hz)
SI−MSm/e494(M+H+ )
【0034】c)Z−Asn−Gln−Leu−alの
調製 (b)の化合物75mg(0.15mmol)を乾燥し
たジメチルスルホキシド3mlに溶解し、氷冷下、トリ
エチルアミン106μl(0.76mmol)および三
酸化硫黄−ピリジン錯体121mg(0.76mmo
l)のジメチルスルホキシド溶液3mlを加え、室温で
20分攪拌した。反応液を氷水10mlに注いで濃縮
後、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:セファデッ
クスG−10,15mmφ×330mm)、ついで逆相
クロマトグラフィー(カラム:YMC−ODS 30m
mφ×250mm,15〜30μm;流速:7ml/m
l;検出波長:220nm;溶出液:(A)水−0.1
%トリフルオロ酢酸、(B)アセトニトリル−0.1%
トリフルオロ酢酸;グラジェント:(B)0%→(60
分)15%→(240分)30%)によって精製して表
題化合物3.1mgを得た。1 H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ9.4
3(1H,s),δ8.38(1H,d,J=3.3H
z),δ7.42〜7.25(5H,m),δ7.06
(1H,bs),δ6.78(1H,bs),δ5.0
1(2H,s),δ4.18〜3.93(3H,m),
δ0.87(6H,dd,J=6.2,10.3Hz)
SI−MSm/e492(M+H+ )
調製 (b)の化合物75mg(0.15mmol)を乾燥し
たジメチルスルホキシド3mlに溶解し、氷冷下、トリ
エチルアミン106μl(0.76mmol)および三
酸化硫黄−ピリジン錯体121mg(0.76mmo
l)のジメチルスルホキシド溶液3mlを加え、室温で
20分攪拌した。反応液を氷水10mlに注いで濃縮
後、ゲル濾過クロマトグラフィー(カラム:セファデッ
クスG−10,15mmφ×330mm)、ついで逆相
クロマトグラフィー(カラム:YMC−ODS 30m
mφ×250mm,15〜30μm;流速:7ml/m
l;検出波長:220nm;溶出液:(A)水−0.1
%トリフルオロ酢酸、(B)アセトニトリル−0.1%
トリフルオロ酢酸;グラジェント:(B)0%→(60
分)15%→(240分)30%)によって精製して表
題化合物3.1mgを得た。1 H−NMR(270MHz、DMSO−d6)δ9.4
3(1H,s),δ8.38(1H,d,J=3.3H
z),δ7.42〜7.25(5H,m),δ7.06
(1H,bs),δ6.78(1H,bs),δ5.0
1(2H,s),δ4.18〜3.93(3H,m),
δ0.87(6H,dd,J=6.2,10.3Hz)
SI−MSm/e492(M+H+ )
【0035】実施例1#1240−PIA1、およびカルボベンゾキシ−L−
アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナールのプ
ロテアソーム阻害活性 プロテアソームはラット脳組織より公知の方法(コジマ
他、FEBS、304巻、57〜60頁、1992年)
により精製した酵素溶液を使用した。具体的にはラット
脳組織に5倍量の0.1M HEPESバッファー(p
H7.25)を加え、氷冷下ホモゲナイズ抽出した溶液
を40000Gで冷却下30分高速遠心し上清を酵素粗
精製液として得た。酵素粗精製液130mlを20mM
トリス塩酸バッファー(pH7.5)で平衡化した陰イ
オン交換樹脂EMD−DEAEを充填したカラムに通液
しプロテアソームを吸着させた。樹脂に吸着したプロテ
アソームを塩化ナトリウム濃度を増加させることにより
溶出させた。プロテアソームは塩化ナトリウム濃度約
0.5Mで溶出した。プロテアソーム阻害活性を測定す
るための基質としてSuc−Leu−Leu−Val−
Tyr−MCA(ペプチド研究所社製)を用いた。
アスパラギニル−L−グルタミニル−ロイシナールのプ
ロテアソーム阻害活性 プロテアソームはラット脳組織より公知の方法(コジマ
他、FEBS、304巻、57〜60頁、1992年)
により精製した酵素溶液を使用した。具体的にはラット
脳組織に5倍量の0.1M HEPESバッファー(p
H7.25)を加え、氷冷下ホモゲナイズ抽出した溶液
を40000Gで冷却下30分高速遠心し上清を酵素粗
精製液として得た。酵素粗精製液130mlを20mM
トリス塩酸バッファー(pH7.5)で平衡化した陰イ
オン交換樹脂EMD−DEAEを充填したカラムに通液
しプロテアソームを吸着させた。樹脂に吸着したプロテ
アソームを塩化ナトリウム濃度を増加させることにより
溶出させた。プロテアソームは塩化ナトリウム濃度約
0.5Mで溶出した。プロテアソーム阻害活性を測定す
るための基質としてSuc−Leu−Leu−Val−
Tyr−MCA(ペプチド研究所社製)を用いた。
【0036】被験化合物として、製造例1で得られた#
1240−PIA1、および製造例2により合成したカ
ルボベンゾキシ−L−アスパラギニル−L−グルタミニ
ル−ロイシナールを用いた。1μlのDMSOに溶解し
た各化合物に0.1MのHEPESバッファー(pH
7.25)で調製した20μMのSuc−Leu−Le
u−Val−Tyr−MCA溶液50μlを添加した
後、プロテアソーム溶液50μlを加え37℃で1時間
インキュベートした。遊離したアミノメチルクマリンの
蛍光強度をEx355nm、Em460nmで測定し
た。化合物を添加しない場合の蛍光強度を100として
プロテアソームの活性を50%阻害する化合物の量(I
C50)を算出した。その結果を表2に示す。
1240−PIA1、および製造例2により合成したカ
ルボベンゾキシ−L−アスパラギニル−L−グルタミニ
ル−ロイシナールを用いた。1μlのDMSOに溶解し
た各化合物に0.1MのHEPESバッファー(pH
7.25)で調製した20μMのSuc−Leu−Le
u−Val−Tyr−MCA溶液50μlを添加した
後、プロテアソーム溶液50μlを加え37℃で1時間
インキュベートした。遊離したアミノメチルクマリンの
蛍光強度をEx355nm、Em460nmで測定し
た。化合物を添加しない場合の蛍光強度を100として
プロテアソームの活性を50%阻害する化合物の量(I
C50)を算出した。その結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例2#1240−PIA1のTNF−α阻害作用 ヒト血管内皮細胞HUVEC細胞(クラボウ社製)を使
用し、TNF−αで処理した際に発現するE−セレクチ
ンの発現量を測定することによりTNF−α阻害活性を
アッセイした。
用し、TNF−αで処理した際に発現するE−セレクチ
ンの発現量を測定することによりTNF−α阻害活性を
アッセイした。
【0039】HUVEC細胞をトリプシン処理によりフ
ラスコから剥離し、細胞をヒト血管内皮細胞増殖用低血
清液体培地(クラボウ社製)で約40000細胞/ml
に希釈した。細胞希釈液を組織培養用96穴培養プレー
ト(Falcon社製)に100μl/ウエルとなるよ
うにまき込んだ後、#1240−PIA1の溶液を最終
濃度0から20μg/mlになるように加え、CO2 イ
ンキュベーター内(5%CO2 )で37℃で培養した。
1時間後、リコンビナントヒトTNF−α(ギブコ社
製)を30pg/mlになるように添加し4時間培養
後、細胞を0.1%グルタルアルデヒド溶液で固定し
た。0.05%Tween20添加PBS(−)(以
下、T−PBSと略す)で一回洗浄後、PBS(−)で
5000倍に希釈したE−セレクチン抗体(Serot
ec社製)を50μl/ウエルになるように添加したあ
と、37℃で1.5時間反応を行った。反応後、T−P
BSで1回洗浄を行った後、PBS(−)で1000倍
に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体
(Kirkegaard & Perry Laboratories 社製)を50μl
/ウエルとなるように添加した後、37℃で1時間反応
を行った。反応後、T−PBSで2回洗浄を行った後、
3,3',5,5' −tetramethylbenzidine溶液(Kirkegaard &
Perry Laboratories 社製)を100μl/ウエルとな
るように添加して、遮光下で10分間反応させた後、1
Mリン酸溶液を100μl/ウエルとなるように添加し
て反応を停止させた。各吸光度はマイクロプレートリー
ダーを用いて、波長570nmで測定を行った。なお、
TNF−α阻害活性は薬剤を添加しない場合のE−セレ
クチンの発現量を100として換算した。その結果、#
1240−PIA1は濃度依存的にTNF−α阻害作用
を示し、最終濃度10μg/mlで50%阻害を示し
た。
ラスコから剥離し、細胞をヒト血管内皮細胞増殖用低血
清液体培地(クラボウ社製)で約40000細胞/ml
に希釈した。細胞希釈液を組織培養用96穴培養プレー
ト(Falcon社製)に100μl/ウエルとなるよ
うにまき込んだ後、#1240−PIA1の溶液を最終
濃度0から20μg/mlになるように加え、CO2 イ
ンキュベーター内(5%CO2 )で37℃で培養した。
1時間後、リコンビナントヒトTNF−α(ギブコ社
製)を30pg/mlになるように添加し4時間培養
後、細胞を0.1%グルタルアルデヒド溶液で固定し
た。0.05%Tween20添加PBS(−)(以
下、T−PBSと略す)で一回洗浄後、PBS(−)で
5000倍に希釈したE−セレクチン抗体(Serot
ec社製)を50μl/ウエルになるように添加したあ
と、37℃で1.5時間反応を行った。反応後、T−P
BSで1回洗浄を行った後、PBS(−)で1000倍
に希釈したペルオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体
(Kirkegaard & Perry Laboratories 社製)を50μl
/ウエルとなるように添加した後、37℃で1時間反応
を行った。反応後、T−PBSで2回洗浄を行った後、
3,3',5,5' −tetramethylbenzidine溶液(Kirkegaard &
Perry Laboratories 社製)を100μl/ウエルとな
るように添加して、遮光下で10分間反応させた後、1
Mリン酸溶液を100μl/ウエルとなるように添加し
て反応を停止させた。各吸光度はマイクロプレートリー
ダーを用いて、波長570nmで測定を行った。なお、
TNF−α阻害活性は薬剤を添加しない場合のE−セレ
クチンの発現量を100として換算した。その結果、#
1240−PIA1は濃度依存的にTNF−α阻害作用
を示し、最終濃度10μg/mlで50%阻害を示し
た。
【0040】実施例3#1240−PIA1の神経突起伸展作用 神経突起伸展作用の活性測定にはラット褐色細胞PC1
2細胞(大日本製薬社製)を使用した。ラット褐色細胞
PC12細胞を10%非働化ウシ胎児血清(ギブコ社
製)を含むダルベッコ改変イーグル培地(ギブコ社製)
に接種し、ラット尾腱コラーゲンで処理した75cm2
培養フラスコ (ベクトンデッキンソン社製) を用いてC
O2 インキュベーター内(5%CO2 )で、37℃で1
日から5日間間隔で継代培養した。
2細胞(大日本製薬社製)を使用した。ラット褐色細胞
PC12細胞を10%非働化ウシ胎児血清(ギブコ社
製)を含むダルベッコ改変イーグル培地(ギブコ社製)
に接種し、ラット尾腱コラーゲンで処理した75cm2
培養フラスコ (ベクトンデッキンソン社製) を用いてC
O2 インキュベーター内(5%CO2 )で、37℃で1
日から5日間間隔で継代培養した。
【0041】次いで、ラット褐色細胞PC12細胞をト
リプシン処理によりフラスコから剥離し、遠心し細胞を
集めた。細胞を1%非働化ウシ胎児血清(ギブコ社製)
を含むRPMI−1640培地(ギブコ社製)で約10
000細胞/mlに希釈した。細胞希釈液100μlを
ラット尾腱コラーゲンで処理した96穴培養プレート
(岩城硝子社製)の穴に入れ、#1240−PIA1の
溶液を最終濃度0から1250ng/mlになるように
加えCO2 インキュベーター内(5%CO2 )で37℃
で2日間培養した。比較対照として神経栄養因子NGF
を用い最終濃度50ng/mlになるように細胞に加え
同様に培養した。2日後、位相差顕微鏡を用いて細胞の
形態を観察し神経突起伸展作用の活性測定を実施した。
判定基準として神経突起が細胞体の長さより長く、しか
もほとんどの細胞が神経突起を保有している場合を神経
突起が伸展したと見なした。その結果、#1240−P
IA1は最終濃度50ng/ml以上の濃度でNGF5
0ng/mlとほぼ同等の強い神経突起伸展作用を示し
た。
リプシン処理によりフラスコから剥離し、遠心し細胞を
集めた。細胞を1%非働化ウシ胎児血清(ギブコ社製)
を含むRPMI−1640培地(ギブコ社製)で約10
000細胞/mlに希釈した。細胞希釈液100μlを
ラット尾腱コラーゲンで処理した96穴培養プレート
(岩城硝子社製)の穴に入れ、#1240−PIA1の
溶液を最終濃度0から1250ng/mlになるように
加えCO2 インキュベーター内(5%CO2 )で37℃
で2日間培養した。比較対照として神経栄養因子NGF
を用い最終濃度50ng/mlになるように細胞に加え
同様に培養した。2日後、位相差顕微鏡を用いて細胞の
形態を観察し神経突起伸展作用の活性測定を実施した。
判定基準として神経突起が細胞体の長さより長く、しか
もほとんどの細胞が神経突起を保有している場合を神経
突起が伸展したと見なした。その結果、#1240−P
IA1は最終濃度50ng/ml以上の濃度でNGF5
0ng/mlとほぼ同等の強い神経突起伸展作用を示し
た。
【0042】また、公知のカルボベンゾキシ−L−ロイ
シル−L−ロイシル−ロイシナール(ペプチド研究所社
製)について同様に実験を行ったところ、200ng/
ml以上の濃度で細胞毒性が観察されたが、#1240
−PIA1の細胞毒性は弱く、1250ng/ml以上
の濃度で細胞毒性が観察された。以上のごとく、本発明
化合物の有効濃度範囲はより広いことが認められた(表
3)。
シル−L−ロイシル−ロイシナール(ペプチド研究所社
製)について同様に実験を行ったところ、200ng/
ml以上の濃度で細胞毒性が観察されたが、#1240
−PIA1の細胞毒性は弱く、1250ng/ml以上
の濃度で細胞毒性が観察された。以上のごとく、本発明
化合物の有効濃度範囲はより広いことが認められた(表
3)。
【0043】
【表3】
【0044】実施例4#1240−PIA1による神経細胞死抑制作用 (1)神経細胞の培養 エスディー系ラット胎仔(妊娠21日令)の上頚神経節
を摘出し、血管・脂肪組織を取り除いた後、1mg/m
lのコラゲナーゼ含有L15培地中で37℃、30分間
処理した。コラゲナーゼ含有L15培地を除去し、新鮮
なL15培地を加えた。この操作を3回繰り返すことで
コラゲナーゼを洗い去った後、ピペッティングにより単
細胞懸濁液を調製した。これをAM100培地(10%
非働化ウシ胎仔血清、100ng/mlのNGFを含む
MEM(Gibco 社製))で約3000細胞/100μL
となるように希釈した。これをラット尾腱コラーゲンで
コートした96穴培養プレート(コーニング社製)に、
約3000細胞/ウェル/100μLとなるように播種
し、このプレートをCO2 インキュベータ(5%C
O2 、37℃)内に置き、6〜10日間培養した。培地
交換は2〜3日毎に行った。
を摘出し、血管・脂肪組織を取り除いた後、1mg/m
lのコラゲナーゼ含有L15培地中で37℃、30分間
処理した。コラゲナーゼ含有L15培地を除去し、新鮮
なL15培地を加えた。この操作を3回繰り返すことで
コラゲナーゼを洗い去った後、ピペッティングにより単
細胞懸濁液を調製した。これをAM100培地(10%
非働化ウシ胎仔血清、100ng/mlのNGFを含む
MEM(Gibco 社製))で約3000細胞/100μL
となるように希釈した。これをラット尾腱コラーゲンで
コートした96穴培養プレート(コーニング社製)に、
約3000細胞/ウェル/100μLとなるように播種
し、このプレートをCO2 インキュベータ(5%C
O2 、37℃)内に置き、6〜10日間培養した。培地
交換は2〜3日毎に行った。
【0045】(2)神経細胞死の惹起 上述の培養後、培地をAMO培地(10%非働化ウシ胎
仔血清、0ng/mlのNGFを含むMEM(Gibco 社
製))に交換し、同時に終濃度0.5%となるように抗
NGF抗血清を添加した。
仔血清、0ng/mlのNGFを含むMEM(Gibco 社
製))に交換し、同時に終濃度0.5%となるように抗
NGF抗血清を添加した。
【0046】(3)神経細胞死の抑制 (2)の方法で神経細胞死を惹起すると同時に、培地に
#1240−PIA1を添加した。
#1240−PIA1を添加した。
【0047】(4)神経細胞死抑制の検出 神経細胞死の確認において生細胞の検出は、位相差顕微
鏡下での形態観察により行った。生細胞は、丸く、大き
く、明位相を示す細胞体及びよく発達した神経突起ネッ
トワークを有するのに対して、死細胞は萎縮した暗位相
細胞体を有し、神経突起ネットワークも崩壊している。
一方、培地からNGFを除去すると同時に300ng/
mlの#1240−PIA1を添加した場合には、丸
く、大きく、明位相を示す細胞体及びよく発達した神経
突起ネットワークが保持され、細胞死が抑制されること
が示された。
鏡下での形態観察により行った。生細胞は、丸く、大き
く、明位相を示す細胞体及びよく発達した神経突起ネッ
トワークを有するのに対して、死細胞は萎縮した暗位相
細胞体を有し、神経突起ネットワークも崩壊している。
一方、培地からNGFを除去すると同時に300ng/
mlの#1240−PIA1を添加した場合には、丸
く、大きく、明位相を示す細胞体及びよく発達した神経
突起ネットワークが保持され、細胞死が抑制されること
が示された。
【0048】(5)神経細胞死抑制の用量依存性 #1240−PIA1について乳酸脱水素酵素量を細胞
死の指標とする細胞死抑制活性の用量依存性を試験し
た。即ち、細胞質より培地中に漏出した乳酸脱水素酵素
量をジャーナル オブ ニューロサイエンスメソッド、
20巻(1987年)、83〜90頁に記載されたチョ
イ等の方法〔乳酸脱水素酵素(LDH)遊離法〕で定量
し、細胞死の指標とした。その結果、図1に示すように
#1240−PIA1が用量依存的に細胞死を抑制する
ことが示された。
死の指標とする細胞死抑制活性の用量依存性を試験し
た。即ち、細胞質より培地中に漏出した乳酸脱水素酵素
量をジャーナル オブ ニューロサイエンスメソッド、
20巻(1987年)、83〜90頁に記載されたチョ
イ等の方法〔乳酸脱水素酵素(LDH)遊離法〕で定量
し、細胞死の指標とした。その結果、図1に示すように
#1240−PIA1が用量依存的に細胞死を抑制する
ことが示された。
【0049】
【発明の効果】本発明のプロテアソーム阻害剤を用いれ
ば、自己免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等を抑制す
ることができる。従って、本発明の製剤は、自己免疫疾
患、炎症、神経細胞変性等にかかわる疾患(例えば、慢
性関節炎リウマチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイ
マー病等)の治療において有効に利用されうる。
ば、自己免疫疾患、炎症、神経細胞変性疾患等を抑制す
ることができる。従って、本発明の製剤は、自己免疫疾
患、炎症、神経細胞変性等にかかわる疾患(例えば、慢
性関節炎リウマチ、炎症性腸炎疾患、喘息、アルツハイ
マー病等)の治療において有効に利用されうる。
【図1】図1は、NGF除去により惹起されるラット胎
仔の上頚神経節の神経細胞死に対する#1240−PI
A1の抑制効果の用量依存性を示す図である。
仔の上頚神経節の神経細胞死に対する#1240−PI
A1の抑制効果の用量依存性を示す図である。
【図2】図2は、#1240−PIA1の1 H−NMR
スペクトルを示す図である。
スペクトルを示す図である。
【図3】図3は、#1240−PIA1の13C−NMR
スペクトルを示す図である。
スペクトルを示す図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/093 A61K 37/02 ACD C12P 21/02 ACJ //(C12P 21/02 C12R 1:645)
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、R1 は、アシル基、又はアミノ基の保護基を表
し、R2 は、水素原子又は水酸基を表し、R3 は、n−
プロピル基、イソプロプル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基又はsec−ブチル基を表し、R4 は、アルデヒド
基、又は保護されたアルデヒド基を表わす。〕で表され
る化合物よりなるプロテアソーム阻害剤。 - 【請求項2】 一般式(1)において、下記により規定
されるものである請求項1記載のプロテアソーム阻害
剤。 R1 =アシル基、又はアミノ基の保護基 R2 =水素原子 R3 =イソブチル基 R4 =アルデヒド基 - 【請求項3】 請求項1又は2において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする自己免疫疾患
治療剤。 - 【請求項4】 自己免疫疾患が慢性関節炎リウマチであ
る請求項3記載の治療剤。 - 【請求項5】 請求項1又は2において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする炎症性腸炎疾
患治療剤。 - 【請求項6】 請求項1又は2において記載の一般式
(1)で表される化合物を有効成分とする喘息治療剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8214209A JPH1036284A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | プロテアソーム阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8214209A JPH1036284A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | プロテアソーム阻害剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036284A true JPH1036284A (ja) | 1998-02-10 |
Family
ID=16652045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8214209A Pending JPH1036284A (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | プロテアソーム阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1036284A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4791125A (en) * | 1987-12-02 | 1988-12-13 | Pfizer Inc. | Thiazolidinediones as hypoglycemic and anti-atherosclerosis agents |
WO2000052036A1 (en) * | 1999-03-03 | 2000-09-08 | Eli Lilly And Company | Formation and anion-exchange of crystalline echinocandin ammonium salts |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP8214209A patent/JPH1036284A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4791125A (en) * | 1987-12-02 | 1988-12-13 | Pfizer Inc. | Thiazolidinediones as hypoglycemic and anti-atherosclerosis agents |
WO2000052036A1 (en) * | 1999-03-03 | 2000-09-08 | Eli Lilly And Company | Formation and anion-exchange of crystalline echinocandin ammonium salts |
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