JPH09143119A - セスキテルペン誘導体およびその製造方法並びにそれを有効成分とするicam−1発現抑制剤 - Google Patents

セスキテルペン誘導体およびその製造方法並びにそれを有効成分とするicam−1発現抑制剤

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JPH09143119A
JPH09143119A JP30140795A JP30140795A JPH09143119A JP H09143119 A JPH09143119 A JP H09143119A JP 30140795 A JP30140795 A JP 30140795A JP 30140795 A JP30140795 A JP 30140795A JP H09143119 A JPH09143119 A JP H09143119A
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JP
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sesquiterpene
sesquiterpene derivative
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icam
formula
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JP30140795A
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English (en)
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Junko Takashima
純子 高嶋
Takanori Komatsubara
孝則 小松原
Junko Kimura
淳子 木村
Noriko Chiba
紀子 千葉
Takashi Mikawa
隆 三川
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 不完全菌に属する微生物ピトマイセス・
キャタラムにより生産される、新規なセスキテルペン誘
導体及びその製造方法。 【効果】 本発明のセスキテルペン誘導体は、ICAM
−1発現抑制作用を示し、これを含有するICAM−1
発現抑制剤は、免疫抑制剤、抗炎症剤及び抗アレルギー
剤等として期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なセスキテル
ペン誘導体およびその製造方法並びにそれを有効成分と
するICAM−1発現抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、免疫抑制剤、抗炎症剤、抗アレル
ギー剤として、副腎皮質ホルモン、代謝拮抗剤、アルキ
ル化剤、アルカロイド、抗生物質、サリチル酸誘導体、
ピラゾリジン誘導体、インドメタシンなどが知られてお
り、自己免疫疾患(膠原病、慢性リウマチ、乾癬等)、
アレルギー性疾患、臓器移植後の拒絶反応、敗血症、炎
症性腸疾患、喘息、腎炎、各種関節炎、多臓器不全など
の治療薬として用いられている。しかしながら、これら
の治療薬は有効性、持続性、副作用などの点で必ずしも
満足されるものではなく、さらに優れた免疫抑制剤、抗
炎症剤、抗アレルギー剤の開発が求められている。
【0003】ところで、細胞接着分子であるICAM−
1(Intercellularadhesion m
olecules−1)が炎症の進展に重要な役割を果
たしていることが明らかになってきた(Carlos,
T.M.et al.,(1994) Leukocy
te−endothelial adhesionmo
lecules Blood 84,2068−210
1;Springer,T.A.et al.,(19
94) Traffic signalsfor ly
mphocyte recirculation an
d leukocyte emigration:th
e mulistep paradigm Cell
301−314)。すなわち、ICAM−1は白血球と
血管内皮細胞との接着に重要な役割を果しており、この
ステップは炎症の進展に非常に大切と考えられている。
したがって、ICAM−1の発現を抑制する物質は新し
いメカニズムの免疫抑制剤、抗炎症剤、抗アレルギー剤
となることが期待される。しかし、現在ICAM−1発
現を抑制する物質としては下記式(A)で表わされるM
G132等のproteasomeの阻害剤が報告され
ている(Read,M.A.,et al.,Immu
nity,,493(1995))にすぎず、ICA
M−1発現抑制作用を有する新たな物質の開発が望まれ
ている。
【0004】
【化3】
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、新しいタイプの免疫抑制剤、抗炎
症剤、抗アレルギー剤の開発を最終的な目的とし、その
ためにICAM−1発現抑制剤を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは微生物が抗
生物質等の生理活性物質を生産することに着目し、自然
界より多数の微生物を採取してそれらの微生物を培養
し、得られた多種類の生産物の生理活性について検討を
重ねた結果、不完全菌に属する微生物の培養物中にIC
AM−1発現抑制作用を有する物質が含有されているこ
とを見出し、その物質の構造を明らかにして、本発明を
完成するに至った。すなわち、本発明によれば下記一般
式(I)
【0007】
【化4】
【0008】但し、上記一般式(I)中、Rは下記式
(II)又は下記式(III)で示される基を表わす
【0009】
【化5】 で表されるセスキテルペン誘導体が提供される。本発明
の別の態様によれば、不完全菌に属し上記一般式(I)
のセスキテルペン誘導体を生産する能力を有する微生物
を培養し、その培養物からセスキテルペン誘導体を採取
することを特徴とするセスキテルペン誘導体の製造方法
が提供される。さらに、この発明の好ましい態様によれ
ば、不完全菌に属する微生物がピトマイセス属に属する
微生物である上記方法;ピトマイセス属に属する微生物
がピトマイセス・キャタラムである上記方法が提供され
る。本発明のさらに別の態様によれば、上記一般式
(I)のセスキテルペン誘導体を有効成分とするICA
M−1発現抑制剤が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のセスキテルペン誘導体は、上記一般式(I)で
表わされる化合物である。上記一般式(I)で表わされ
る本発明化合物は、不斉炭素を有しており、諸種の異性
体が存在してする。これらの異性体のいずれも本発明化
合物に包含される。本発明化合物は、これを医薬として
用いるに当たり、通常の製剤担体とともに投与経路に応
じた製剤とする事が出来る。例えば、経口投与では錠
剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等の形態に調剤さ
れる。経口投与用固形製剤に調製するに当たり、慣用の
賦形剤、結合剤、滑沢剤、その他着色剤、崩壊剤等を用
いることができる。賦形剤としては、例えば、乳糖、デ
ンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セル
ロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、グリセリン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム
等が挙げられ、結合剤としてはポリビニルアルコール、
ポリビニルエーテル、エチルセルロース、アラビアゴ
ム、シエラック、白糖等が挙げられ、滑沢剤としてはス
テアリン酸マグネシウム、タルク等が挙げられる。その
他、着色剤、崩壊剤も通常公知のものを用いることがで
きる。なお錠剤は周知の方法によりコーティングしても
よい。また液状製剤は、水性または油性の懸濁液、溶
液、シロップ、エリキシル剤、その他であってもよく、
通常用いられる方法にて調製される。注射剤を調製する
場合は本発明化合物にpH調製剤、緩衝剤、安定化剤、
等張剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉
内、静脈内用注射剤を製造することができる。坐剤を製
造する際の基剤としては、例えばカカオ脂、ポリエチレ
ングリコール、ラノリン、脂肪酸トリグリセライド、ウ
イテプゾール(登録商標ダイナマイトノーベル社)等の
油脂性基剤を用いることができる。かくして調製される
製剤の投与量は患者の症状、体重、年齢等によって異な
り、一様に服用することは出来ないが、通常成人1日当
たり本発明化合物を約1〜2000mgの範囲となる量
とするのがよく、これは通常1日1〜4回に分けて投与
されるのが好ましい。
【0011】次に本発明化合物の製造方法について説明
する。本発明の上記一般式(I)で表されるセスキテル
ペン誘導体は、化学合成するとこもできるが、通常、該
セスキテルペン誘導体を生産する能力を有する微生物を
培養し、その培養物、すなわち菌体及び/又は培養上清
から、セスキテルペン誘導体を単離することによって得
られる。本発明のセスキテルペン誘導体の製造法に使用
される微生物としては、上記セスキテルペン誘導体を産
生する能力を有する微生物である限り特に制限はされな
いが、例えば不完全菌に属する微生物、好ましくはピト
マイセス(Pithomyces)属に属する微生物、
例えばピトマイセス・キャタラム(Pithomyce
chartarum)等が挙げられ、より好ましく
は後述するピトマイセス・キャタラム MCI3228
株が挙げられる。以下に上記微生物の培養、セスキテル
ペン誘導体の単離、精製について詳述する。
【0012】(1)培養 本発明においては、不完全菌、例えばピトマイセス属に
属し、セスキテルペン誘導体を産生する能力を有する微
生物を、通常の微生物が利用しうる栄養物を含有する培
地で培養する。栄養源としては、従来菌類の培養に利用
されている公知のものが使用できる。例えば、炭素源と
しては、米、グルコース、水飴、デキストリン、澱粉、
糖蜜、動・植物油等を使用しうる。また、窒素源として
は、大豆粉、小麦胚芽、コーンスティープリカー、綿実
粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウ
ム、硝酸ナトリウム、尿素等を使用しうる。その他必要
に応じて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネ
シウム、コバルト、塩素、リン酸、硫酸およびその他の
イオンを生成することのできる無機塩類を添加すること
も有効である。また、菌の生育を助け、セスキテルペン
誘導体の生産を促進するような有機物および無機物を適
宜添加することもできる。
【0013】培養法としては、好気的条件での培養法、
特に固体培養法や深部培養法が適している。培養に適当
な温度は、15〜35℃であるが、より好ましくは20
〜30℃付近で培養する。セスキテルペン誘導体の生産
は培地や培養条件により異なるが、固体培養、振とう培
養、タンク培養のいずれにおいても通常5〜30日間で
その蓄積が最高に達する。培養中のセスキテルペン誘導
体の蓄積量が最高になった時に培養を停止し、培養液か
ら目的物質を単離精製する。
【0014】(2)セスキテルペン誘導体の単離、精製 本発明の前記式(I)で表されるセスキテルペン誘導体
は、脂溶性物質であるので、培養物から単離精製するに
あたっては、この特性を利用して行なうことができる。
すなわち、例えば酢酸エチル、クロロルホルム等による
溶媒抽出法;シリカゲル、アルミナ、ODS、ダイヤイ
オンHP−20(三菱化成(株)製)等の合成吸着剤
や、セファデックスLH−20(ファルマシア社製)等
のゲルろ過剤等を用いたカラムクロマトグラフィー、あ
るいは高速液体クロマトグラフィー;さらにシリカゲル
等を担体とした分取薄層クロマトグラフィー等が有効で
ある。
【0015】(3)セスキテルペン誘導体の製造に用い
る新規菌株 上記セスキテルペン誘導体を生産するピトマイセス属に
属する微生物として、本発明者らにより新たに、植物落
葉落枝上より分離された不完全菌ピトマイセス・キャタ
ラムMCI3228株(以下、「本菌株」、「MCI3
228」または「MCI3228株」と略記することも
ある。)について説明する。本菌株の微生物学的性質は
下記のとおりである。
【0016】1.形態学的性状 コロニーの生育はポテト・デキストロース寒天培地(P
DA)上、27℃、7日間の培養で速やかに拡散する。
ビロード状〜やや羊毛状を呈し、多量の分生子を形成
し、暗オリーブ色〜黒灰色である。コロニー裏面は暗灰
オリーブ色である。基底菌糸は表在性で分枝し、隔壁を
有し、無色〜淡褐色で幅は4.0〜4.8μmである。
気生菌糸は豊富に発達し、分枝しかつ隔壁を有してお
り、無色で淡褐色である。分生子柄は気生菌糸より側生
で、直立またはやや屈曲しており、無色〜ほぼ無色で、
短く、ときに未発達である。大きさは7.5〜12.5
μm×2.5〜3.5μmで、先端部は分生子形成細胞
となる。分生子はアレウロ型分生子で、各分生子柄は先
端に単生し、幅広い卵形〜だ円形を呈している。大きさ
は22〜30μm×11.6〜20μmで、通常3個の
横隔壁を有し、中央の細胞は縦の隔壁で仕切られ、隔壁
部はしばしばくびれる。成熟時は褐色〜暗褐色で、いぼ
状〜いがぐり状に粗面となっており、基部は裁断状で、
分生子形成細胞の壁が破れて離脱する。
【0017】2.生理学的性状 生育温度(PDA上、1週間培養):20〜30℃ 37℃では生育せず 至適温度:27℃ 生育pH(LCA液体培地上、27℃、1週間):2〜
9 至適pH:5〜6
【0018】3.分類学的考察 本菌株(MCI3228)は、1)分生子柄は、気生菌
糸より側生で、短く、未発達である、2)分生子はアレ
ウロ型分生子であり、3)分生子は分生子柄先端に単生
する特徴を有し、不完全菌亜門−不完全糸状菌網−アレ
ウロ型分生子形成群のPithomyces属に属す
る。M.B.Ellis(1971)のDematia
ceous Hyphomycetesによれば、本属
に11種が含まれている。これらの種は分生子の形状、
隔壁数、大きさによって区別されている。本菌株(MC
I3228)は、1)分生子は幅広い卵形〜だ円形で、
大きさは22〜30μm×11.6〜20μmであり、
2)3個の横隔壁を有し、中央の細胞は縦隔壁で仕切ら
れている、3)成熟時は褐色〜暗褐色で、いぼ状〜いが
ぐり状の突起を有す。これらの性状について、Elli
s(1971)の検索表に従って種の検索を行ったとこ
ろ、本菌株(MCI3228)は、Pithomyce
chartarumの特徴に一致した。従って、本
菌株はchartarumと同定し、ピトマイセス
・キャタラム(Pithomyceschartaru
)MCI3228と命名した。尚、MCI3228株
は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P
−15265として寄託されている。
【0019】一般に、ピトマイセス属菌は他の菌類の場
合に見られるように、その性状が変化しやすいが、MC
I3228株に由来する突然変異株(自然発生または人
為誘発性)も本発明に使用することができる。また本菌
株に由来する形質接合体や遺伝子組換え体であっても、
セスキテルペン誘導体を産生する能力を有するものは、
すべて本発明の方法に使用することができる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示すが、セスキテ
ルペン誘導体の性状に基づき、その製造法を種々考案す
ることができる。従って本発明は本実施例に限定される
ものではなく、実施例の修飾手段は勿論、セスキテルペ
ン誘導体の性状に基づいて公知の手段を施して生産、濃
縮、抽出、精製する方法をすべて包括する。実施例1 <1>MCI3228株の培養 水飴2.0%、大豆粉1.0%、大豆油0.15%、サ
ングレイン0.25%、綿実粕0.5%、FeSO4
7H2 O0.0005%、NiCl2 ・6H2O0.0
0005%、CoCl2 ・6H2 O0.00005%及
びCaCO3 0.1%を含有する培地(pH6.0)を
40mlずつ200ml三角フラスコ20本に分注し、
121℃で20分間オートクレーブ滅菌した。これに本
菌株を1白金耳ずつ植菌し、27℃で3日間、210回
転にて振とう培養した。別に米60gと水道水20ml
を500ml三角フラスコ100本に分注し、121℃
で20分間、オートクレーブ滅菌した。この主発酵培地
に前記種培養液を4mlずつ接種し、27℃において1
4日間静置培養した。
【0021】<2>セスキテルペン誘導体の精製 得られた菌体を含む固形培養物にフラスコ1本当たり5
0%アセトン水160mlを加え、撹拌抽出して11L
のアセトン水溶液を得た。これを減圧下で溶媒を留去し
た後、水5Lと酢酸エチル5Lを加え、水層を塩酸でp
H2に調製して抽出した。酢酸エチル層を減圧留去して
1.87gの残渣を得た。これを蒸留水に懸濁し、オク
タデシルシリカゲル(MCI GEL ODS IM
Y)200gを充填したカラム上にチャージした。カラ
ムをアセトニトリル−水混液(2:3)1Lで洗った
後、アセトニトリル−水混液(3:2)1Lで溶出した
画分を減圧下で濃縮し240mgの残渣を得た。
【0022】上記で得られた残渣を、さらにCAPCE
LL PAK C18カラム(30mm×250mm)
(資生堂(株)製)を装着した分取高速液体クロマトグ
ラフィーにより精製した。アセトニトリル−水の80分
間のグラジエント(アセトニトリル濃度40〜80%、
流速9ml/分)で溶出を行なった。溶出液を、溶出開
始10分後から1分毎のフラクションに分画し、画分1
(フラクション44〜45)と画分2(フラクション4
6〜47)を得た。画分1の溶媒を留去し、セスキテル
ペン誘導体1を6.8mg、画分2の溶媒を留去し、セ
スキテルペン誘導体2を8.8mg得た。
【0023】<3>セスキテルペン誘導体の構造決定 上記で得られたセスキテルペン誘導体1及び2の理化学
的性質を諸種の方法により測定し、その構造を解析し
た。その結果は次のとおりであった. (1)セスキテルペン誘導体1の構造 下記の理化学的性質より、セスキテルペン誘導体1は前
記一般式(I)中、Rが式(II)で示される基を有する
化合物であると決定した。 1)FDMS,m/z:392(M+ ) EIMS,m/z:374(〔M−H2 O〕+ ),35
6(〔M−2H2O〕+ ),232,204 SIHRMS,C23365 (〔M+H〕+ ,obs
d.m/z393.2697,calcd.m/z39
3,2639) 2)UV(メタノール中)λmax (nm):243.
5,286 3)旋光度(C=0.3、メタノール中)
【数1】 4) 1H−NMR (重メタノール中、500MHz)
δ(ppm):0.78(3H,t,J=7.4H
z)、0.82(3H,d,J=6.8Hz)、0.9
5(3H,d,J=6.8Hz)、1.07(3H,
s)、1.09(3H,d,J=6.9Hz)、1.8
6(3H,s)、2.03(3H,s)、2.16(1
H,d,J=13.4Hz)、2.57(1H,dq,
J=6.5Hz)、2.98(1H,d,J=13.4
Hz)、3.51(1H,dd,J=6.0Hz)、
3.85(1H,m)、5.20(1H,s)、5.9
0(1H,s) 5)13C−NMR (重メタノール中、125MHz)
δ(ppm):11.7(q),12.0(q),1
5.4(q),16.1(q),18.1(q),2
2.6(q),23.0(q),24.6(t),3
3.9(t),35.2(d),39.3(d),4
1.9(s),43.0(t),44.5(d),6
8.5(d),77.0(d),77.6(d),12
9.1(s),134.3(d),146.8(s),
162.1(s),175.4(s),193.5
(s)
【0024】(2)セスキテルペン誘導体2の構造 下記の理化学的性質より、セスキテルペン誘導体2は、
前記一般式(I)中Rが式(III)で示される基を有する
化合物であると決定した。 1)SIMS,m/z:393(〔M+H〕+ ) SIHRMS,C23365 (〔M+H〕+ ),obs
d,m/z 393.2678,calcd.m/z
393.2639) 2)UV(メタノール中)λmax (nm):235,2
80(sh) 3)旋光度(C=0.4、メタノール中)
【数2】 4) 1H−NMR (重メタノール中、500MHz)
δ(ppm):0.83(6H,m)、0.91(3
H,d,J=6.5Hz)、1.10(3H,d,J=
7.0Hz)、1.28(3H,s)、1.57(1
H,m)、1.61(3H,s)、1.88(1H,
m)、2.62(1H,dq,J=5.3Hz,7.0
Hz)、3.56(1H,dd,J=5.3Hz,7.
1Hz)、3.87(1H,m)、4.78(1H,b
rs)、4.88(1H,brs)、5.20(1H,
brs)、5.89(1H,s) 5)13C−NMR (重メタノール中、500MHz)
δ(ppm):11.24(q),11.57(q),
15.07(q),15.99(q),18.03
(q),20.16(q),25.08(t),33.
77(t),36.28(d),39.20(d),3
9.93(s),43.98(t),44.40
(d),52.51(d),68.56(d),77.
32(d),77.32(d),114.78(t),
144.67(s),132.15(d),163.4
1(s),175.37(s),201.38(s)
【0025】実施例2 セスキテルペン誘導体のICAM−I発現抑制作用 上記で得られたセスキテルペン誘導体について、T.W
illiamsらの方法(Anal.Bioche
m.,176,28−32(1989))に準じて、I
CAM−1発現抑制活性を測定した。すなわち、ヒトI
CAM−1遺伝子発現調節領域の支配の下に、ルシフェ
ラーゼ遺伝子を発現するベクターを構築し、これをヒト
肺腺癌細胞株A−549(ATCC CCL185)に
導入した。この細胞株は、腫瘍壊死因子−α(Tumo
r Necrosis Factor−α;TNF−
α)の刺激に応答してルシフェラーゼを発現し、その酵
素活性の測定により、ICAM−1発現を定量的に測定
することを可能にするものである。実際の測定では、上
記A−549をプレートに接種・培養し、上記セスキテ
ルペン誘導体(最終濃度10-5M)を添加し、TNF−
α(最終濃度2000U/ml)にて6時間刺激した。
さらに、細胞溶解液処理の後、ルシフェリンを基質とし
て、ルシフェラーゼ酵素活性をルミノメータを用いて測
定した。その結果、上記セスキテルペン誘導体1,2
は、被検薬を加えない時と比較して、それぞれ60%及
び44%のICAM−1発現抑制作用を示した。
【0026】
【発明の効果】本発明のセスキテルペン誘導体は、低濃
度でICAM−1発現抑制作用を示すので、これを含有
するICAM−1発現抑制剤は、免疫抑制剤、抗炎症
剤、抗アレルギー剤等として期待される。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12P 7/62 C12R 1:645) (72)発明者 千葉 紀子 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 三川 隆 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表わされるセスキテ
    ルペン誘導体。 【化1】 但し、上記一般式(I)中、Rは下記式(II)又は下記
    式(III)で示される基を表わす。 【化2】
  2. 【請求項2】 不完全菌に属し、請求項1記載のセスキ
    テルペン誘導体を生産する能力を有する微生物を培養
    し、その培養物からセスキテルペン誘導体を採取するこ
    とを特徴とするセスキテルペン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】 不完全菌がピトマイセス属に属する微生
    物であることを特徴とする請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 ピトマイセス属に属する微生物がピトマ
    イセス・キャタラムであることを特徴とする請求項3記
    載の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の化合物を有効成分とする
    ICAM−1発現抑制剤。
JP30140795A 1995-11-20 1995-11-20 セスキテルペン誘導体およびその製造方法並びにそれを有効成分とするicam−1発現抑制剤 Pending JPH09143119A (ja)

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EP1031348A2 (en) * 1999-02-22 2000-08-30 Kao Corporation Interleukin-4 production inhibitors
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