JPH1036127A - 光学素子用成形型、及び、その製造方法 - Google Patents

光学素子用成形型、及び、その製造方法

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JPH1036127A
JPH1036127A JP8192026A JP19202696A JPH1036127A JP H1036127 A JPH1036127 A JP H1036127A JP 8192026 A JP8192026 A JP 8192026A JP 19202696 A JP19202696 A JP 19202696A JP H1036127 A JPH1036127 A JP H1036127A
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JP
Japan
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mold
intermediate layer
optical element
molding
base material
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JP8192026A
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Takeharu Komiya
毅治 小宮
Hiroaki Iguchi
裕章 井口
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B11/00Pressing molten glass or performed glass reheated to equivalent low viscosity without blowing
    • C03B11/06Construction of plunger or mould
    • C03B11/08Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses
    • C03B11/084Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor
    • C03B11/086Construction of plunger or mould for making solid articles, e.g. lenses material composition or material properties of press dies therefor of coated dies
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
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    • C03B2215/02Press-mould materials
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    • C03B2215/10Die base materials
    • C03B2215/12Ceramics or cermets, e.g. cemented WC, Al2O3 or TiC
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  • Organic Chemistry (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】離型性に優れ、しかも、表面粗れが抑止される
光学素子用成形型、及び、その製造方法を提供する。 【解決手段】タングステンカーバイド(WC)を主体と
した型母材1と、型母材1上に設けられた中間層2と、
中間層2上に設けられた表面層3とを備える。中間層2
は、型母材1と表面層3との間に生じる拡散を防止する
拡散防止層である。表面層3は、純度99.9重量パー
セント以上の純白金(Pt)で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学素子の成形
型、及び、その製造方法に関し、特に、後工程に光学素
子の研削・研磨を必要としない高精度のプレス成形に用
いられる光学素子用成形型、及び、その製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光学機器の分野では、機器構成の
簡略化、軽量化などを達成し得る非球面レンズの需要が
増加する傾向にある。非球面レンズの素材には、例えば
ガラスが用いられるが、一般的なガラスレンズは、従
来、研磨法によって製造されていた。しかし、非球面レ
ンズについては、複雑な形状を有しており、研磨法によ
る量産化は困難である。そこで最近では、研磨法に代わ
る製造方法として、後工程に光学素子の研削・研磨を必
要としない高精度のプレス成形の研究が盛んに行われて
いる。
【0003】このプレス成形では、ガラス及び成形型が
数百度まで加熱されるのが普通である。したがって、使
用する成形型には、加工性の他に高温強度、耐熱衝撃
性、化学的安定性などが要求される。これらを満足する
ため、現在では、タングステンカーバイドや各種サ−メ
ットを母材とし、その上にガラスとの化学的反応の少な
い貴金属薄膜を形成した成形型が一般的に使用されてい
る。
【0004】しかしながら、この成形型は、加熱・成形
を重ねることで成形面の表面粗さが著しく悪化し、更
に、型とガラスとが化学的に反応することで成形面上に
ガラスが付着するなどの問題がある。
【0005】このような問題を解決する手法は、例えば
特公昭62−28093号公報に記載されている。ここ
では、金属とセラミックスからなる複合材を母材として
その母材上に窒化物、炭化物、酸化物および金属の中か
ら選ばれた一種以上の中間層を介して貴金属層を被覆
し、この貴金属層として、Ir、Os、Pd、Rh、R
uからなる群より選ばれた少なくとも一つの元素とPt
(60〜99重量%)との貴金属合金を用いている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た特公昭62−28093号公報の成形型は、高温強
度、耐熱衝撃性などの点で優れているものの、最表面に
形成される薄膜の離型性にやはり問題があり、加熱と成
形を繰り返すうちに型とガラスとが化学的に反応し、成
形面上にガラスが付着してしまう。ガラスが付着した成
形型は、当然使用不可能となる。
【0007】このような問題点に鑑み、本発明の目的
は、離型性に優れ、成形面の劣化が抑止される光学素子
用成形型、及び、その製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの本発明の一態様によれば、タングステンカーバイド
(WC)を主体とした型母材と、前記型母材上に設けら
れた中間層と、前記中間層上に設けられた表面層とを備
えた光学素子用成形型において、前記中間層は、前記型
母材と前記表面層との間に生じる拡散を防止する拡散防
止層であり、前記表面層は、純度99.9重量パーセン
ト以上の純白金(Pt)で形成されている光学素子用成
形型が提供される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学素子用成
形型の一実施形態について図面を用いて説明する。図1
は、本実施形態の成形型の断面図である。この成形型
は、成形時には2つ用意され、これらは、成形素材を挾
むように重ね合わされて用いられる。ここでは、成形素
材としてガラスを用いることとする。
【0010】そして、本実施形態の成形型は、同図に示
すように、タングステンカーバイド(WC)を主体とし
た型母材1と、型母材1上に設けられた中間層2と、中
間層2上に設けられた表面層3とを有して構成されてい
る。タングステンカーバイド(WC)は、加工性、高温
強度、耐熱衝撃性に優れ、型母材として用いるには最適
な素材である。表面層3は、いわゆる離型膜として機能
するもので、純度99.9重量パーセント以上の純白金
(Pt)で形成されている。この純白金薄膜は、成形素
材であるガラスとの化学的反応が少なく、成形時に発生
する型とガラスとの融着を抑止する。また、この純白金
薄膜は、高真空下にて加熱硬化処理が施されている。離
型膜として使用していた従来の貴金属合金系薄膜は、そ
の表面が軟らかいために傷等が入り易く、また、成形圧
力によって薄膜自体が変形するといった問題があった。
そこで、本実施形態では、加熱硬化処理で硬度を高めた
純白金薄膜を表面層3として用いている。また、本願の
発明者らは、貴金属薄膜を型母材に直接形成した場合に
は、これらの間に拡散が生じて膜質が変化してしまい、
これが、成形面の劣化やガラスの付着などの現象を引き
起こすことを確認した。そこで、本実施形態では、拡散
防止層として機能する中間層2を型母材1と表面層3と
の間に設けている。
【0011】以上のように本実施形態の成形型では、離
型性に優れた純度99.9重量パーセント以上の純白金
(Pt)を最表面に設ける共に、この表面層と型母材と
の間に拡散防止層として機能する中間層を設け、600
℃以上の高温における高精度なプレス成形を長期に渡っ
て行うことができるようにしている。
【0012】つぎに、図1の光学素子用成形型の具体的
な実施例について説明する。
【0013】
【実施例】
(実施例1)本実施例では、図1の光学素子用成形型を
以下の手法で製造した。
【0014】先ず、外径20mm、厚さ15mm、凹面
曲率半径100mmのタングステンカーバイドを型母材
1として用意し、型母材1の凹面を研削・研磨して、そ
の表面粗さをRMS値(root-mean-square value:2乗
平均平方根値)で6.0〜8.0Å程度にした。その
後、この面には、中間層2として、SiO2薄膜をスパ
ッタ法により約700Å形成した。このSiO2薄膜の
上には、表面層3として、純白金薄膜を約700Å形成
した。純白金薄膜を形成した後は、この成形型を真空加
熱炉内に配置し、真空度5×10-5Torrで最大800℃
まで加熱し、純白金薄膜の加熱硬化処理を行った。
【0015】なお、同一形状のタングステンカーバイド
母材の凹面を研削・研磨して、この上に純白金薄膜を約
700Å形成し、この純白金薄膜に先程と同様な加熱硬
化処理を施した成形型も比較例として作製した。
【0016】その後、本実施例の成形型及び比較例とし
て作製した成形型の成形試験を行った。具体的には、こ
れらの成形型を真空中で700℃まで加熱し、それぞれ
の成形型で各種の光学ガラスを加圧成形した。各成形型
の成形前後の表面粗さについては、光学式表面粗さ計お
よび走査型プロ−ブ顕微鏡で観察した。観察結果は、図
2に示されている。図2では、比較例として作製した成
形型を試料0とし、本実施例の成形型を試料1としてい
る。
【0017】このように試料0、1の成形前の表面粗さ
は、ほとんど変らないものであったが、成形後の試料0
については、RMS値36.8Å程度の粗さが生じた。
一方、試料1については、成形後も、RMS値7.1Å
程度で、表面状態に特に変化は見られなかった。また、
試料0では部分的にガラスとの反応が見られたが、試料
1ではガラスとの反応が皆無であった。
【0018】(実施例2)本実施例では、中間層2とし
て、SiC薄膜をスパッタ法により約700Å形成し
た。型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型の
試験方法については、実施例1と同様である。本実施例
の成形型の成形前後の表面粗さについては、図2に示さ
れている。図2では、本実施例の成形型を試料2として
いる。
【0019】試料2の表面粗さは、成形後もRMS値
7.3Å程度で、表面状態に特に変化は見られなかっ
た。また、ガラスとの反応も皆無であった。
【0020】(実施例3)本実施例では、中間層2とし
て、Al23薄膜をスパッタ法により約700Å形成し
た。型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型の
試験方法については、実施例1と同様である。
【0021】本実施例の成形型(試料3)の表面粗さ
は、成形後もRMS値7.1Å程度で、表面状態に特に
変化は見られなかった。また、ガラスとの反応も皆無で
あった。
【0022】(実施例4)本実施例では、中間層2とし
て、AlN薄膜をスパッタ法により約700Å形成し
た。型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型の
試験方法については、実施例1と同様である。
【0023】本実施例の成形型(試料4)の表面粗さ
は、成形後もRMS値6.3Å程度で、表面状態に特に
変化は見られなかった。また、ガラスとの反応も皆無で
あった。
【0024】(実施例5)本実施例では、中間層2とし
て、ZrO2薄膜をスパッタ法により約700Å形成し
た。型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型の
試験方法については、実施例1と同様である。
【0025】本実施例の成形型(試料5)の表面粗さ
は、成形後もRMS値7.8Å程度で、表面状態に特に
変化は見られなかった。また、ガラスとの反応も皆無で
あった。
【0026】(実施例6)本実施例では、中間層2とし
て、BN薄膜をスパッタ法により約700Å形成した。
型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型の試験
方法については、実施例1と同様である。
【0027】本実施例の成形型(試料6)の表面粗さ
は、成形後もRMS値7.6Å程度で、表面状態に特に
変化は見られなかった。また、ガラスとの反応も皆無で
あった。
【0028】(実施例7)本実施例では、中間層2とし
て、TiAlN薄膜をスパッタ法により約700Å形成
した。型母材1及び表面層3の構成や、作製した成形型
の試験方法については、実施例1と同様である。
【0029】本実施例の成形型(試料7)の表面粗さ
は、成形後もRMS値7.5Å程度で、表面状態に特に
変化は見られなかった。また、ガラスとの反応も皆無で
あった。
【0030】以上、実施例1から実施例7まで説明した
が、各実施例の成形型は何れも成形後の表面粗さがRM
S値で6.0〜8.0Åに収まっており、成形前のRM
S値と比較して、ほとんど変化が見られなかった。ま
た、各成形型は、ガラスとの反応も皆無であった。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る光学素子用成形型によれ
ば、成形素材であるガラスとの離型性に優れた純白金薄
膜が最表面に形成され、さらに、純白金薄膜と型母材と
の間に生じる拡散を抑止する中間層が形成されているの
で、成形時においてガラスとの化学的な反応が抑えら
れ、表面粗れのない成形面による高精度なプレス成形を
長期間に渡って行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る成形型の一実施形態の縦
断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る成形型の各実施例におけ
る成形試験結果を示した図表である。
【符号の説明】
1・・・母材、 2・・・中間層、 3・・・表面層

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンカーバイド(WC)を主体と
    した型母材と、 前記型母材上に設けられた中間層と、 前記中間層上に設けられた表面層とを備えた光学素子用
    成形型において、 前記中間層は、前記型母材と前記表面層との間に生じる
    拡散を防止する拡散防止層であり、 前記表面層は、純度99.9重量パーセント以上の純白
    金(Pt)で形成されていることを特徴とする光学素子
    用成形型。
  2. 【請求項2】前記中間層は、珪素(Si)と非金属との
    化合物で形成されていることを特徴とする請求項1記載
    の光学素子用成形型。
  3. 【請求項3】前記中間層は、珪素(Si)の酸化物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の光学素子用成形型。
  4. 【請求項4】前記中間層は、珪素(Si)の炭化物であ
    ることを特徴とする請求項2記載の光学素子用成形型。
  5. 【請求項5】前記中間層は、アルミニウム(Al)と非
    金属との化合物で形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の光学素子用成形型。
  6. 【請求項6】前記中間層は、アルミニウム(Al)の酸
    化物であることを特徴とする請求項5記載の光学素子成
    形型。
  7. 【請求項7】前記中間層は、アルミニウム(Al)の窒
    化物であることを特徴とする請求項5記載の光学素子用
    成形型。
  8. 【請求項8】前記中間層は、ジルコニウム(Zr)の酸
    化物で形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    光学素子用成形型。
  9. 【請求項9】前記中間層は、ほう素(B)の窒化物で形
    成されていることを特徴とする請求項1記載の光学素子
    用成形型。
  10. 【請求項10】前記中間層は、サイアロン(TiAl
    N)で形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    光学素子用成形型。
  11. 【請求項11】光学素子の成形に用いられる光学素子用
    成形型の製造方法において、 タングステンカーバイド(WC)の型母材上に中間層を
    形成し、 前記中間層上に純白金(Pt)の薄膜を形成し、 前記Ptの薄膜を高真空下で加熱して硬化させることを
    特徴とする光学素子用成形型の製造方法。
  12. 【請求項12】前記中間層として、前記WCの型母材と
    前記Ptの薄膜との間の拡散を防止する拡散防止層を用
    いることを特徴とする請求項11記載の光学素子用成形
    型の製造方法。
JP8192026A 1996-07-22 1996-07-22 光学素子用成形型、及び、その製造方法 Pending JPH1036127A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11236229A (ja) * 1997-12-16 1999-08-31 Ngk Insulators Ltd ガラス素子のプレス成形用金型

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11236229A (ja) * 1997-12-16 1999-08-31 Ngk Insulators Ltd ガラス素子のプレス成形用金型

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