JPH1035457A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH1035457A
JPH1035457A JP19605196A JP19605196A JPH1035457A JP H1035457 A JPH1035457 A JP H1035457A JP 19605196 A JP19605196 A JP 19605196A JP 19605196 A JP19605196 A JP 19605196A JP H1035457 A JPH1035457 A JP H1035457A
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valve
control
circuit
gate valve
side gate
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JP19605196A
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Chiharu Nakazawa
千春 中澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メインポンプと加給ポンプが直列に設けられ
てABS制御・安定制御を行うブレーキ装置において、
安定制御の終了時にイン側ゲート弁の下流に残留負圧が
生じるのを防止して、ひいては装置の小型化・コストダ
ウンを図ること。 【解決手段】 マスタシリンダMCとホイルシリンダF
L,RRとを結ぶ第1チャンネル回路1に、常開のアウ
ト側ゲート弁3と、流入弁5,流出弁6からなる液圧制
御弁とが設けられ、リザーバ7の液を吸入して液圧制御
弁に吐出するメインポンプ4、メインポンプ4の吸入側
に液を吐出する加給ポンプ8が設けられ、この加給ポン
プ8の上流に常閉のイン側ゲート弁9が設けられている
ブレーキ制御装置において、両ポンプ4,8を作動さ
せ、アウト側ゲート弁3を閉じイン側ゲート弁9を開く
安定制御の終了時には、イン側ゲート弁3を閉弁しアウ
ト側ゲート弁9を開弁しモータMへ逆起電流を所定時間
出力するよう構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、制動時の車輪ロ
ック防止制御(この制御を以下、ABS制御という)な
らびに制動力を発生させて車輪の駆動力制御あるいは車
両の姿勢を安定させる方向にヨーモメントを発生させる
運動制御(以下、駆動力制御および運動制御を総称して
安定制御という)を行うことが可能なブレーキ制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、安定制御を実行するブレーキ制
御装置として、例えば、特公開平7−80445号公報
に記載のものが知られている。この従来技術は、操作液
圧発生手段としてのマスタシリンダと各車輪のホイルシ
リンダとの間に2系統の油圧制御回路が設けられ、各油
圧制御回路は、マスタシリンダで発生した液圧およびメ
インポンプの吐出圧を導入してホイルシリンダに向けて
出力可能に構成されているとともに、ホイルシリンダ圧
に対する出力圧を制御可能な増圧弁・減圧弁が設けられ
ている。さらに、メインポンプの吸入側にはマスタシリ
ンダ側から液を吸入してメインポンプの吸入側に供給す
る加給ポンプが直列に設けられている。そして、前記マ
スタシリンダと油圧制御回路との間に常開のアウト側ゲ
ート弁が設けられているとともに、加給ポンプの吸入側
に常閉のイン側ゲート弁が設けられている。上述のよう
な従来技術によれば、ABS制御時には、イン側ゲート
弁を閉状態に維持しながらモータを駆動させて、メイン
ポンプの吐出圧を油圧制御回路に供給しながら各流入弁
ならびに流出弁を作動させて、ホイルシリンダ圧力の減
圧・保持・増圧制御を行って、車輪のスリップ率を所定
の範囲内に納めて、車輪のロックを防止する。なお、こ
の時、加給ポンプは駆動させたとしてもイン側ゲート弁
が閉じているから液を吸入・吐出できず、加給機能は成
さない。安定制御時には、アウト側ゲート弁を閉じる一
方、イン側ゲート弁を開状態に切り替え、モータを駆動
させて加給ポンプによりマスタシリンダの液を吸引して
メインポンプに向けて供給するとともに、メインポンプ
では、立ち上がり時は加給ポンプから供給される液を、
その後はリザーバの液を吸入しながら吐出圧を油圧制御
回路に供給し、各流入弁ならびに流出弁を作動させて、
所望のホイルシリンダにブレーキ液圧を供給して制動力
を発生させ、車輪のトルクを制御したり、あるいは制動
力により車両にヨーモメントを発生させて車両の姿勢を
安定方向に制御する。なお、この従来技術では、上述の
ように安定制御時には、加給ポンプによりメインポンプ
に液圧を供給するよう構成しているため、メインポンプ
の吐出圧の立ち上がりが速く、よって制御応答性に優れ
るもので、メインポンプの容量を大きくすることなく安
定制御時には高い制御応答性が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上述
の従来技術にあっては、メインポンプと直列に加給ポン
プを設けて、安定制御時の制御応答性を高くしているも
のの、以下に述べる理由により制御応答性が低下する場
合があるという問題点を有していた。すなわち、安定制
御時には、イン側ゲート弁を開く一方、アウト側ゲート
弁を閉じて、加給ポンプならびにメインポンプを駆動さ
せて、ホイルシリンダ圧力を制御するが、この安定制御
を終了する時には、モータの停止と各ゲート弁を通常の
状態に戻す切り替えとを同時に行うようにしていた。と
ころが、この制御終了時に、モータは通電停止後も惰性
により回転を続けるため、両ポンプも作動を続行し、イ
ン側ゲート弁よりも下流の液が両ポンプに吸入されてこ
の部位が負圧となり、イン側ゲート弁と加給ポンプの吐
出弁との間に負圧が残留する。このため、次回に安定制
御を実行する際に、前記残留負圧により加給ポンプによ
る加給が遅れてメインポンプの吐出圧の上昇が遅れてし
まい、制御応答性が低下するという問題があり、加え
て、この残留負圧を見込んでモータ・ポンプ容量などを
設定すると、モータ・ポンプ容量が大きくなって油圧ユ
ニットの大型化やコストアップを招くという問題があっ
た。本発明は、上述の従来の問題点に着目してなされた
もので、メインポンプの吸入弁の上流に常閉のイン側ゲ
ート弁が設けられている構造のABS制御・安定制御を
行うブレーキ制御装置において、安定制御終了時にイン
側ゲート弁の下流に負圧が残留するのを防止して、この
残留負圧を原因とする制御応答遅れを防止することを装
置の大型化・コストアップを招くことなく達成すること
を目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】 上述の目的を達成する
ために本発明では、運転者のブレーキ操作に応じて液圧
を発生させる操作液圧発生手段と、この操作液圧発生手
段と車輪において制動力を発生させるホイルシリンダと
を結ぶ主回路と、この主回路の途中に設けられて、ホイ
ルシリンダ圧力を減圧・保持・増圧可能な液圧制御弁
と、この液圧制御弁のドレーン側に設けられたリザーバ
と、前記リザーバに吸入弁を有したメイン吸入回路が接
続されている一方、前記液圧制御弁に向けて液圧を供給
可能に吐出弁を有したメイン吐出回路が接続されたモー
タ駆動のメインポンプと、前記メイン吸入回路に向けて
作動液を供給可能に吐出弁を有した加給吐出回路が接続
されている一方、操作液圧発生手段に吸入弁を有した加
給吸入回路が接続されたモータ駆動の加給ポンプと、前
記メイン吸入回路の吸入弁から加給吸入回路に至る経路
の途中に設けられて回路を開閉する常閉のイン側ゲート
弁と、前記主回路の液圧制御弁と操作液圧発生手段との
間の位置に設けられて、回路を開閉する常開のアウト側
ゲート弁と、前記液圧制御弁および両ゲート弁の作動な
らびにモータの駆動を制御する制御手段と、を備え、前
記制御手段は、操作液圧発生手段の作動時には、車輪が
ロックするのを防止すべく液圧制御を行うアンチブレー
キロック制御を実行し、また、操作液圧発生手段の非作
動時には、車両挙動に応じて必要な時には少なくとも駆
動輪スリップを防止する駆動力制御あるいは、制動力に
より車両姿勢の安定化を図る運動制御の一方からなる安
定制御を実行し、この安定制御実行時には、イン側ゲー
ト弁を開くとともにアウト側ゲート弁を閉じる制御を行
うよう構成されたブレーキ制御装置において、前記制御
手段を、安定制御の終了時には、イン側ゲート弁を閉弁
状態に切り替える一方、アウト側ゲート弁を開弁状態に
切り替える信号を出力するとともに、モータに逆起電流
を所定時間出力する終了時制御を実行するよう構成した
ことを特徴とする。なお、前記モータは、請求項2に記
載のように、前記加給ポンプとメインポンプとで共用し
てもよい。
【0005】
【作用】 本発明では、通常は、イン側ゲート弁が閉弁
されアウト側ゲート弁が開弁されている。よって、運転
者がブレーキ操作を行った時には、操作液圧発生手段に
おいて操作液圧が発生し、この操作液圧が主回路を介し
てホイルシリンダに伝達されてホイルシリンダ圧力が上
昇し、制動力が発生する。この時、制御手段において車
輪がロックしそうであると判断された時には、液圧制御
弁を作動させてホイルシリンダ圧力をリザーバ側に抜い
て、車輪のスリップ率が所定値に低下するまでホイルシ
リンダ圧力を低下させ、また、スリップ率が所定範囲の
間は液圧制御弁によりホイルシリンダ圧力を保持させ
る。また、この液圧制御弁の作動を開始させた時点で、
モータを駆動させ、メインポンプを作動させて、液圧制
御弁に対して液圧を供給可能な状態としておくもので、
車輪のスリップ率が低下し過ぎた場合には液圧制御弁は
この供給液圧をホイルシリンダへ供給してホイルシリン
ダ圧力を上昇させる。
【0006】次に、安定制御を実行する時、すなわち、
駆動輪の駆動力が大きくなり過ぎて駆動輪がスリップし
た場合にこのスリップを抑制させたり、あるいは、車両
姿勢がアンダステアやオーバステア状態などのように乱
れてしまった場合に車両姿勢を安定させる方向にヨーモ
ーメントを発生させたりする制御を実行する時には、制
御手段は、モータを駆動させてメインポンプならびに加
給ポンプの駆動を開始させると同時に、イン側ゲート弁
を開く一方、アウト側ゲート弁を閉じ、液圧制御弁によ
りホイルシリンダ圧力の制御を行って、所望の車輪にお
いて制動力を発生させる。その後、車両姿勢が上述の安
定制御が不要な状態に変化すると、制御手段は、終了時
制御を実行し、イン側ゲート弁を閉弁させる一方、アウ
ト側ゲート弁を開弁させ、さらに、モータに対して逆起
電流を所定時間出力する。なお、この時、請求項2記載
のように加給・メイン両ポンプがモータを共用している
場合には、この共用モータに逆起電流を出力し、各ポン
プにそれぞれモータが設けられている場合には、両モー
タに逆起電流を出力する。このようにモータに起電流を
出力する結果、モータは惰性回転を殆ど行うことなく即
座に停止し、それにより、両ポンプも即座に作動を停止
する。よって、モータの惰性回転を原因とした両ポンプ
の作動で、イン側ゲート弁とメインポンプとの間に負圧
が残留することがなく、したがって、次回の安定制御の
実行時に、加給ポンプの吐出圧が直ちに上昇するととも
に、メインポンプの吐出圧も直ちに上昇し、昇圧後れに
よる安定制御の応答後れが生じることがない。
【0007】
【発明の実施の形態】 以下に、本発明の実施の形態を
図面に基づいて説明する。まず、本発明の実施の形態の
全体の構成について図1により説明する。図において、
FLは左前輪のホイルシリンダ、RRは右後輪のホイル
シリンダ、FRは右前輪のホイルシリンダ、RLは左後
輪のホイルシリンダ、MCは各ホイルシリンダFL〜R
Lに供給する液圧発生源としてのマスタシリンダであ
る。このマスタシリンダMCは、ブレーキペダルBPを
踏み込むのに連動して、左前輪および右後輪側のホイル
シリンダFL,RRに接続された主回路を構成する第1
チャンネル回路1と、右前輪および左後輪側のホイルシ
リンダFR,RLに接続された主回路を構成する第2チ
ャンネル回路2とのX配管された2系統のブレーキ液圧
を発生するように構成されている。なお、前記マスタシ
リンダMCには、作動液を溜めておくリザーバタンクR
Tが設けられている。
【0008】以下、構成を説明するにあたり両チャンネ
ル回路1,2の構成は、同一であるので、以下に第1チ
ャンネル回路1の構成についてのみ説明するとともに、
両チャンネル回路1,2において同一の構成には同じ符
号を付けて、第2チャンネル回路2の構成の説明を省略
する。前記第1チャンネル回路1は、右後輪のホイルシ
リンダRRに至る後輪分岐回路1rと、左前輪のホイル
シリンダFLに至る前輪分岐回路1fとに分岐されてい
る。
【0009】前記第1チャンネル回路1の上流には、ア
ウト側ゲート弁3が設けられているとともに、このアウ
ト側ゲート弁3を迂回するゲート弁バイパス回路1bな
らびにリリーフ回路1mが設けられている。なお、前記
アウト側ゲート弁3は、非作動時にスプリング力で第1
チャンネル回路1を連通状態とし、一方、作動時に第1
チャンネル回路1を遮断する、常閉の2ポート2ポジシ
ョンの電磁切替弁により構成されている。また、前記ゲ
ート弁バイパス回路1bは、途中に設けられている一方
弁1cにより上流側(マスタシリンダMC側)から下流
側への流通のみが可能に構成されている。また、リリー
フ回路1mの途中には、所定圧以上となると液圧を逃が
すリリーフ弁1nが設けられている。
【0010】また、このアウト側ゲート弁3と両分岐回
路1f,1rとの間に設けられた接続点1dにメインポ
ンプ4から吐出作動液を供給するメイン吐出回路4aが
接続されている。そして、このメイン吐出回路4aの途
中には、逆流防止用の一方弁構造の吐出弁4bと、吐出
脈動を吸収するダンパ4cとが設けられている。
【0011】前記各分岐回路1r,1fには、各ホイル
シリンダFL,RRのブレーキ液圧を減圧・保持・増圧
するための流入弁5および流出弁6が設けられている。
すなわち、前記流入弁5は、前記各分岐回路1r,1f
の途中に設けられ、非作動時にスプリング力によりそれ
ぞれ分岐回路1r,1fを連通状態とし、作動時に各分
岐回路1r,1fを遮断する常開の2ポート2ポジショ
ンの電磁切替弁により構成されている。また、前記流出
弁6は、前記各分岐回路1r,1fの流入弁5よりも下
流(ホイルシリンダFL,RR側)に設けられた分岐点
1e,1eから分岐されてリザーバ7に至る排出回路1
0aの途中に設けられて、非作動時に排出回路10aを
遮断し、作動時に排出回路10aを連通させる常閉の2
ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されてい
る。なお、各分岐回路1r,1fには、流入弁5を迂回
して下流から上流への流通のみを許す一方弁1gを有し
た流入弁バイパス路1hが設けられている。また、前記
排出回路10aには、前記メインポンプ4の吸入側につ
ながるメイン吸入回路4fが接続され、このメイン吸入
回路4fの途中には、メインポンプ4がリザーバ7から
作動液を吸引するのを許す一方弁構造の吸入弁4hが設
けられている。
【0012】さらに、前記メイン吸入回路4fの吸入弁
4hよりもメインポンプ4側の位置に設けられている分
岐点4jに、加給ポンプ8の吐出側に接続されて途中に
吐出弁8dを有した加給吐出回路8aが接続されてい
る。すなわち、前記加給ポンプ8は、安定制御時におい
てメインポンプ4と直列に駆動してメインポンプ4の吸
入側にマスタシリンダMC側から作動液を供給してメイ
ンポンプ4の吐出圧の立ち上がりを良くするもので、前
記加給ポンプ8の吸入側に接続されている加給吸入回路
8bは、前記マスタシリンダMCあるいはリザーバタン
クRTに接続されている。なお、前記メインポンプ4お
よび加給ポンプ8はそれぞれ1つのモータMにより駆動
されるように構成されている。そして、前記加給吸入回
路8bの途中にイン側ゲート弁9と、逆流防止用の吸入
弁8cが設けられている。前記イン側ゲート弁9は、非
作動時はスプリングに力より加給吸入回路8bを遮断
し、作動時には加給吸入回路8bを連通させる、常閉の
2ポート2ポジションの電磁切替弁により構成されてい
る。なお、図2に示すとおり、前記電磁弁構造の各弁
3,5,5,6,6,9の作動ならびにモータMの駆動
は、コントロールユニットCUにより制御される。すな
わち、コントロールユニットCUには、図外車輪の回転
速度を検出する車輪速センサS,車体のヨーレイトを検
出するヨーレイトセンサYR,車両の舵角を検出する舵
角センサHなどを有したセンサ群SGが接続されてお
り、コントロールユニットCUは、これらセンサ群SG
から入力される信号に基づいてスリップ率を求めて、制
動時にスリップ率が所定以上になるとこのスリップ率を
低下させるABS制御あるいは、非制動時に駆動輪スリ
ップが生じた場合にそれを抑制させるTCS制御ならび
に車両姿勢が乱れた時にこれを抑制させる方向にヨーレ
イトを発生させる制動を行う運動制御からなる安定制御
を行うが、これらの制御に関しては本願の主要な構成で
はないため詳細な説明を省略する。また、前記ABS制
御時にはメインポンプ4を作動させ、安定制御時にはメ
インポンプ4および加給ポンプ8を作動させる必要があ
るが、両ポンプ4,8は共通のモータMにより駆動され
るので、前記コントロールユニットCUは、いずれのポ
ンプ4,8を作動させる場合もモータMを駆動させる。
【0013】次に、本実施の形態のブレーキ制御装置の
作動を説明する。なお、この作動についても第1・第2
チャンネル回路1,2の作動はそれぞれ同様であるの
で、第1チャンネル回路1についてのみ説明する。 a)通常のブレーキ操作時 通常は、各弁3,5,5,6,6,9は、図示の非作動
状態となっており、この状態でブレーキペダルBPを踏
むと、マスタシリンダMCで発生したブレーキ液圧が、
第1チャンネル回路1をアウト側ゲート弁3および流入
弁5を経ながら各分岐回路1f,1rを通って各ホイル
シリンダFL,RRに伝達され、ブレーキペダルBPの
踏力に応じた車輪の制動が行われる。
【0014】b)ABS制御時 上述のブレーキ操作時に、車輪がロックしたり、あるい
はロックしそうな状態となった時には、コントロールユ
ニットCUは、スリップ率に基づいてその状態を検出し
て、車輪のスリップ率を所定の範囲内に納めて車輪のロ
ックを防止するABS制御を行う。すなわち、このAB
S制御は、車輪がロックしないようにブレーキ液圧を減
圧・保持・増圧するもので、まず、上述のブレーキ操作
により生じたブレーキ液圧により、左前輪・右後輪のい
ずれかあるいは両方のスリップ率が所定値以上となる
と、コントロールユニットCUは、モータMの駆動を開
始するとともに、ロックしそうになっている車輪を制動
するホイルシリンダFL,RRに接続されている分岐回
路1r,1fの流入弁5ならびに流出弁6に通電して流
入弁5を閉弁し、流出弁6を開弁する。この流入弁5の
閉弁の結果、ホイルシリンダFL,RRに対してマスタ
シリンダMC側から増圧されることが無くなるととも
に、ホイルシリンダFL,RRの作動液が流出弁6を介
しながら排出回路10aを経てリザーバ7に排出されて
減圧されて、制動力が弱まる。なお、リザーバ7に貯留
された作動液は、メインポンプ4の駆動によりメイン吸
入回路4fから吸引された後、メイン吐出回路4aを経
て第1チャンネル回路1に還流される。そして、この制
動力の低下の結果、車輪のスリップ率が所定値未満に低
下したら、コントロールユニットCUは、流出弁6への
通電を停止して流出弁6を閉弁させてホイルシリンダF
L,RRの液圧を保持させる。さらに、この保持作動の
結果、スリップ率が他の所定値未満まで低下すると、コ
ントロールユニットCUは、流入弁5への通電をカット
して開弁させ、この結果、高圧となっている第1チャン
ネル回路1の作動液が開弁されている流入弁5を経てホ
イルシリンダFL,RRに供給されて制動力が再増加さ
れる。以上の作動を繰り返すことで、ブレーキペダルB
Pを踏んでいる間、各車輪のスリップ率を所定の範囲内
に保持して、車輪のロックを防止させながら最大制動力
が得られるABS制御が成される。その後、所定のAB
S制御条件がなくなると、コントロールユニットCU
は、モータMの駆動を停止させる。また、以上のABS
制御時には、イン側ゲート弁9には通電されず、閉弁状
態を維持しているため、加給ポンプ8はモータMにより
駆動されていても作動液を吸引できず、加給機能は果た
していない。
【0015】c)安定制御時 急発進・急加速により駆動輪のスリップ率が高くなった
のに応じてスリップ率を所定の範囲内に納める制御を行
ったり、あるいは車両の姿勢が乱れそうになったのに応
じて、車両の姿勢を制動力により安定方向に制御すると
いうような安定制御を行う時には、コントロールユニッ
トCUは、図3のタイムチャートに示すように、安定制
御フラグをONとして、モータMを駆動させるとともに
両ゲート弁3,9に通電する(アウト側ゲート弁3の動
作は図示省略)。よって、アウト側ゲート弁3が閉弁さ
れて第1チャンネル回路1が接続点1dよりも上流で遮
断され、かつ、イン側ゲート弁9が開弁されて加給吸入
回路8bが連通される。したがって、加給ポンプ8がマ
スタシリンダMC内の作動液を吸引して加給吐出回路8
aに向けて吐出する結果、メインポンプ4は加給吐出回
路8aから作動液を吸引してメイン吐出回路4aに作動
液を吐出して第1チャンネル回路1の圧力を上昇させる
ことができる。なお、この時、図3に示すようにモータ
Mの実回転数は傾きを持って上昇し、それに伴ってホイ
ルシリンダ圧力Pcも傾きを持って上昇する。そして、
メイン吐出回路4aに吐出された作動液は、流入弁5な
らびに流出弁6の作動に基づき増圧・保持・減圧されな
がら第1チャンネル回路1を介してホイルシリンダFL
あるいはRRに供給されて制動作動が成される。これに
より、スリップ率を低下させたり、車体にヨーモメント
を生じさせて車両姿勢を制御することができる。ちなみ
に、オーバステア時には旋回外輪の後輪に制動力を与え
ることによりアンダステア方向のヨーモーメントを生じ
させ、また、アンダステア時には旋回外輪の前輪に制動
力を与えてオーバステア方向のヨーモーメントを生じさ
せて車両姿勢を安定方向に制御することができる。
【0016】次に、上述の安定制御により車輪のスリッ
プ率が所定範囲に収まったり、車両姿勢の乱れが収まっ
たりして安定制御を実行することが不要になったと判断
された時には、図3に示すように安定制御フラグをOF
Fとし、かつ、アウト側ゲート弁3ならびにイン側ゲー
ト弁9への通電を停止させるとともに、モータMに対し
ては、所定時間t1の間、逆起電流を出力する。この逆
起電流の出力の結果、モータMは惰性回転を殆ど行うこ
となく直ちに回転を停止する。なお、この所定時間t1
は、例えば、200mmsec以下の極短い時間であ
る。ちなみに、従来のように安定制御フラグをOFFと
した時点でモータMへの通電を停止しただけでは、モー
タMは図において点線で示すように、惰性回転を行って
即座に停止することがない。そして、本実施の形態で
は、上述のように逆起電流によりモータMの回転を直ち
に停止させる結果、両ポンプ4,8が、モータMの惰性
回転により作動を続けることがなく、よって、イン側ゲ
ート弁9の下流の圧力Pvが負圧になることはない。ち
なみに、従来では、イン側ゲート弁9の閉弁後のモータ
Mの惰性回転によるポンプ4,8の作動により、図にお
いて点線で示すように、イン側ゲート弁9の下流の圧力
Pvが負圧になる。
【0017】以上説明したように、本実施の形態では、
安定制御の終了時に、イン側ゲート弁Pvの下流の圧力
Pvが負圧にならないために、次回の安定制御時の実行
時にも、図示のようにモータMの回転に伴ってホイルシ
リンダ圧Pcが直ちに立ち上がり、よって、高い制御応
答性が得られる。これに対して、従来技術では、図にお
いて点線で示すとおり、イン側ゲート弁9の下流の圧力
Pvが負圧に保持されるため、次回の安定制御の実行時
には、ホイルシリンダ圧Pcの立ち上がりが緩やかにな
り、制御応答性も低くなる。
【0018】したがって、実施の形態では、安定制御終
了時にモータMに所定時間t1だけ逆起電流を出力する
という簡単な制御によって、イン側ゲート弁9の下流の
圧力Pvが負圧に保持されるのを防止し、次回の安定制
御時における液圧の立ち上がりを急にして高い応答性が
得られるという効果が得られる。そして、この効果によ
り、両ポンプ4,8の容量を小さく抑えて、装置のコン
パクト化ならびにコストダウンを図ることができるとい
う効果も得られる。
【0019】以上図面により実施の形態について説明し
たが本発明はこれに限定されるものではない。例えば、
実施の形態では、安定制御時にモータMへ逆起電流を出
力させる時間t1として200mmsec以下という時
間を示したが、これに限定されることはなく、適用する
モータの特性に応じて、モータを瞬時に停止させるのに
最適な時間を適宜設定すればよい。また、実施の形態で
は、加給ポンプ8の加給吐出回路8aをメインポンプ4
の吸入弁4hよりも下流に接続させたが、従来技術と同
様に吸入弁4hの上流に接続させてもよい。また、実施
の形態では、2つのメインポンプ4,4と2つの加給ポ
ンプ8,8を1つのモータMにより作動させるように構
成したが、メインポンプと加給ポンプとで異なるモータ
により作動させるように構成してもよい。また、実施の
形態では、イン側ゲート弁9は加給ポンプ8の加給吸入
回路8bの途中に設けた例を示したが、加給吐出回路8
aの途中に設けるようにしてもよい。この場合、加給ポ
ンプとイン側ゲート弁との間に所定圧を越えると液圧を
マスタシリンダCM側に逃がすリリーフ回路を設ける。
【0020】
【発明の効果】 以上説明してきたように本発明のブレ
ーキ制御装置では、安定制御の終了時には、イン側ゲー
ト弁を閉弁状態に切り替える一方、アウト側ゲート弁を
開弁状態に切り替える信号を出力するとともに、モータ
に対して逆起電流を所定時間出力する終了時制御を実行
するよう構成したため、安定制御の終了時にはモータが
殆ど惰性回転することなく即座に停止して、従来のよう
にモータの惰性回転による両ポンプの作動でイン側ゲー
ト弁の下流に負圧が残留するという不具合が生じること
がない。したがって、次回の安定制御実行時に、残留負
圧によりメインポンプの昇圧性能が低下するという従来
の問題点を解決して、高い制御応答性が得られるという
効果を奏する。さらに、この問題点を解決できるため
に、モータ,ポンプの容量を大きくする必要がなくな
り、装置の小型化ならびに原価低減を図ることができる
という効果も得られる。また、請求項2記載の装置で
は、加給ポンプとメインポンプとがモータを共用してい
るため、モータの惰性回転により加給ポンプとメインポ
ンプとの両方が必ず作動することにより、従来では残留
負圧による問題点が生じやすいもので、この構造におい
て本発明は特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のブレーキ制御装置を示す全体図で
ある。
【図2】実施の形態の要部を示すブロック図である。
【図3】実施の形態の作動を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
FL ホイルシリンダ RR ホイルシリンダ FR ホイルシリンダ RL ホイルシリンダ MC マスタシリンダ CU コントロールユニット(制御手段) 1 第1チャンネル回路 2 第2チャンネル回路 3 アウト側ゲート弁 4 メインポンプ 4a メイン吐出回路 4b 吐出弁 4f メイン吸入回路 4h 吸入弁 5 流入弁(液圧制御弁) 6 流出弁(液圧制御弁) 7 リザーバ 8 加給ポンプ 8a 加給吐出回路 8b 加給吸入回路 8c 吸入弁 8d 吐出弁 9 イン側ゲート弁 10a 排出回路(ドレーン)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転者のブレーキ操作に応じて液圧を発
    生させる操作液圧発生手段と、 この操作液圧発生手段と車輪において制動力を発生させ
    るホイルシリンダとを結ぶ主回路と、 この主回路の途中に設けられて、ホイルシリンダ圧力を
    減圧・保持・増圧可能な液圧制御弁と、 この液圧制御弁のドレーン側に設けられたリザーバと、 前記リザーバに吸入弁を有したメイン吸入回路が接続さ
    れている一方、前記液圧制御弁に向けて液圧を供給可能
    に吐出弁を有したメイン吐出回路が接続されたモータ駆
    動のメインポンプと、 前記メイン吸入回路に向けて作動液を供給可能に吐出弁
    を有した加給吐出回路が接続されている一方、操作液圧
    発生手段に吸入弁を有した加給吸入回路が接続されたモ
    ータ駆動の加給ポンプと、 前記メイン吸入回路の吸入弁から加給吸入回路に至る経
    路の途中に設けられて回路を開閉する常閉のイン側ゲー
    ト弁と、 前記主回路の液圧制御弁と操作液圧発生手段との間の位
    置に設けられて、回路を開閉する常開のアウト側ゲート
    弁と、 前記液圧制御弁および両ゲート弁の作動ならびにモータ
    の駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段
    は、操作液圧発生手段の作動時には、車輪がロックする
    のを防止すべく液圧制御を行うアンチブレーキロック制
    御を実行し、また、操作液圧発生手段の非作動時には、
    車両挙動に応じて必要な時には少なくとも駆動輪スリッ
    プを防止する駆動力制御あるいは、制動力により車両姿
    勢の安定化を図る運動制御の一方からなる安定制御を実
    行し、この安定制御実行時には、イン側ゲート弁を開く
    とともにアウト側ゲート弁を閉じる制御を行うよう構成
    されたブレーキ制御装置において、 前記制御手段を、安定制御の終了時には、イン側ゲート
    弁を閉弁状態に切り替える一方、アウト側ゲート弁を開
    弁状態に切り替える信号を出力するとともに、モータに
    逆起電流を所定時間出力する終了時制御を実行するよう
    構成したことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記加給ポンプとメインポンプとがモー
    タを共用していることを特徴とする請求項1記載のブレ
    ーキ制御装置。
JP19605196A 1996-07-25 1996-07-25 ブレーキ制御装置 Pending JPH1035457A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2871762A1 (fr) * 2004-06-19 2005-12-23 Bosch Gmbh Robert Procede et installation pour eviter des impulsions de pression dans un systeme de frein de vehicule

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2871762A1 (fr) * 2004-06-19 2005-12-23 Bosch Gmbh Robert Procede et installation pour eviter des impulsions de pression dans un systeme de frein de vehicule

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