JPH1034790A - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH1034790A
JPH1034790A JP19473596A JP19473596A JPH1034790A JP H1034790 A JPH1034790 A JP H1034790A JP 19473596 A JP19473596 A JP 19473596A JP 19473596 A JP19473596 A JP 19473596A JP H1034790 A JPH1034790 A JP H1034790A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 少なくとも、高分子成形体(A)10、
酸化珪素、窒化珪素、または酸化珪素と窒化珪素との混
合物からなるガスバリヤ層(B)20をABなる順序で
形成した積層体において、該ガスバリヤ層(B)20の
表面に金属を含むプラズマによって表面処理21を行う
ことを特徴とする積層体。 【効果】 ガス遮断性に優れ、LCDの液晶を封止する
ためのシール剤との密着性にも優れた積層体が得られ
る。LCDの透明電極用基体として好適に使用できる積
層体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は積層体に関し、より
詳しくは、酸素ガスや水蒸気ガスを遮断する機能を有す
るものであり、さらに液晶のシール剤との間に強い密着
力が得られることを特徴としており、液晶ディスプレイ
の基材として好適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ(LCD:Liqui
d Crystal Display)は平面型の表示
デバイスとして広く利用されている。平面型の形状は、
代表的な表示体であるブラウン管では実現できない形状
であり、特に省スペースが要求される用途、例えばラッ
プトップ型パソコン、時計、自動車表示機器、カーナビ
ゲーション、壁掛けテレビ等の表示体として利用されて
いる。
【0003】LCDは基本的には、二枚の透明電極間
に、配向処理を施した液晶を注入しシール剤で四方を封
止した構造をとっており、透明電極間に印加する電界に
よって液晶の配向を変化させ、偏光板や偏光フィルムに
よって偏光された光の透過を制御する表示体である。
【0004】LCDの基本構造の中に用いられている透
明電極の材料としては、透明度と導電率が高く、パター
ンニング配線が酸によるエッチングで簡単に行えること
から、インジウムとスズとの酸化物(ITO:Indi
um Tin Oxide)が用いられている。このI
TO膜を形成するための基材としてはガラス板を用いる
のが一般的であり、一部高分子成形体も使用されてい
る。基材として高分子成形体を使用することはガラス板
を使用するのに比べて、軽い、薄い、割れない、屈曲可
能といった特長を備えており、携帯用情報機器の表示体
として用いる場合に適している。LCDの基本構造を
[図1]に掲げた。図中の01は基材、02は透明電
極、03は液晶、04はシール剤、05は配向膜、06
は偏光板を表す。
【0005】LCDは前述したように二枚の透明電極間
に液晶を注入して封止しているが、透明電極を形成する
基材を通して空気中の酸素ガスや水蒸気ガスが液晶中に
侵入しないようにしなければならない。気体が液晶中に
侵入すると、それが気泡となって表示体の品質を落とす
ことになるからである。基材にガラス板を用いる場合に
は、ガラス板自体にガスを遮断する性質があるため、ガ
スの侵入による液晶中での気泡の発生は起こらなかっ
た。
【0006】一方、高分子成形体を基材として使用する
場合には、ガラス板のようなガス遮断性を有していない
ために何らかのガスバリヤ性を付与する処理が必要であ
る。その中には、高分子成形体の表面に薄いガラス質
(酸化珪素)の層を形成したり、ガス遮断性を有する有
機物を塗布するといった方法が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高分子成形体をLCD
の透明電極の基材として用いるために、高分子成形体の
表面上に酸化珪素層や窒化珪素層を形成すればガス遮断
性が得られ、しかも有機物をガスバリヤ層として使用す
るよりも加湿条件下でガス遮断性能を維持するためLC
Dの透明電極用基材として利用できるが、以下に掲げる
ような問題点があることを見いだした。 (1)シール剤との密着性が悪い。 (2)ITO膜をエッチングする際のアルカリ処理にお
いてガスバリヤ層にひび割れや剥離が生じガス遮断性能
が著しく悪くなる。
【0008】本発明は上記事情を鑑み、高分子成形体を
基材とし、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの
混合物をガスバリヤ層としたLCDの透明電極用基材に
おいて、基材とシール剤との密着性を改善することを目
的としている。さらにはアルカリ処理においてガス遮断
性能の悪化を生じない透明電極用基材をも得ることを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、酸化珪素、
または窒化珪素、またはそれらの混合物からなるガスバ
リヤ層の、シール剤と接することになる表面に金属を付
着させることでシール剤との密着性を強くできることを
発見し本発明に到達した。すなわち本発明は、(1)
少なくとも、高分子成形体(A)、酸化珪素、窒化珪
素、または酸化珪素と窒化珪素との混合物からなるガス
バリヤ層(B)をABなる順序で形成した積層体におい
て、該ガスバリヤ層(B)の表面に金属を含むプラズマ
によって表面処理を行うことを特徴とする積層体、
(2) 金属を含むプラズマによる表面処理によりガス
バリヤ層(B)の表面処理面に付着する金属原子が、4
×1014原子/cm2 〜2×1016原子/cm2である
ことを特徴とする(1)記載の積層体、(3) 金属を
含むプラズマによる表面処理において、該金属が少なく
ともチタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、
銅、亜鉛、タングステン、及びバナジウムから選択され
る一種からなる金属、またはそれら二種以上の金属から
なる合金であることを特徴とする(1)及至(2)記載
の積層体、(4) 少なくとも、高分子成形体(A)、
酸化珪素、窒化珪素、または酸化珪素と窒化珪素との混
合物からなるガスバリヤ層(B)、金属薄膜層(C)を
ABCなる順序で形成した積層体、(5) 金属薄膜層
(C)の金属材料が、少なくともチタン、アルミニウ
ム、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、タングステン、
及びバナジウムから選択される一種からなる金属、また
はそれら二種以上の金属からなる合金であることを特徴
とする(4)記載の積層体、(6) ガスバリヤ層
(B)の上に、更に透明導電層(D)を積層する(1)
及至(5)のいずれかに記載の積層体、(7) 透明導
電層(D)が、インジウムとスズとの酸化物からなるこ
とを特徴とする(6)記載の積層体、(8) 高分子成
形体(A)とガスバリヤ層(B)との間に、少なくとも
ニッケルを含む酸化物を中間層として形成することを特
徴とする(1)及至(7)のいずれかに記載の積層体、
(9) 少なくともニッケルを含む酸化物層が、少なく
ともニッケルを含む金属層を形成した後、酸素雰囲気下
で酸化物に転化せしめた層であることを特徴とする
(8)記載の積層体、(10) 高分子成形体(A)が
透明なポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルホ
ンフィルム、ポリアリレートフィルムから選択された一
種であることを特徴とする(1)及至(9)のいずれか
に記載の積層体、(11) 高分子成形体(A)が、有
機ガスバリヤ層がコーティングされたコーティング加工
フィルムであることを特徴とする(1)及至(10)の
いずれかに記載の積層体に関するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。まず本発明を添付図面でもって説明する。[図2]
は本発明の積層体の一例を示す構造断面図である。図中
の、10は高分子成形体(A)、20はガスバリヤ層
(B)、21は金属を含むプラズマによって処理した面
である。金属を含むプラズマによって処理するのは、L
CDを製造した時に、シール剤との密着力を強くするた
めに実施する処理であるので、該処理は少なくともシー
ル剤と接する部分に施されていればよく、必ずしも全面
に施す必要はない。[図2]には全面に処理を施した場
合を掲げた。
【0011】また、本発明はガスバリヤ層の上に金属薄
膜層を形成してもよく、[図3]はその一例を示す構造
断面図である。図中の10は高分子成形体(A)、20
はガスバリヤ層(B)、30は金属薄膜層(C)であ
る。これもシール剤との密着力を強くするために形成さ
れる層であるため、シール剤との接触部分にのみ形成さ
れていればよい。この場合、全面に金属薄膜層を形成す
ると、表示部分の透明性が損なわれるので必要な部分の
みに形成するのが望ましい。
【0012】本発明ではガスバリヤ層の上に透明導電層
が形成されていてもよく、該層が形成されることで透明
導電性を有する積層体ができる。[図4]はその一例を
示す断面図である。図中の10は高分子成形体、20は
ガスバリヤ層、21は金属を含むプラズマによって処理
した面、40は透明導電層である。[図4]ではシール
剤との密着力向上のための処理が施された上に透明導電
層を形成しているが、該処理は少なくとも、シール剤と
の接触部分に施されていればよいものであるので、透明
導電層は未処理部分に形成しても何等問題はない。
【0013】本発明においては、アルカリ処理における
ガスバリヤ層のひび割れや剥離を防止するために、高分
子成形体とガスバリヤ層との間にニッケルを含む酸化物
層を挿入してもよく、その一例を示す断面図を[図5]
に示す。[図5]において、10は高分子成形体、15
はニッケル酸化物層、20はガスバリヤ層、21は金属
を含むプラズマによって処理した面である。
【0014】本発明を実施するにあたってはまず基材と
なる高分子成形体を準備する。本発明で使用できる高分
子成形体の材料を例示すれば、ポリカーボネート(P
C)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルホ
ン(PES)、ノロボルネン系樹脂成形体(商標名:A
RTON)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピ
レン(PP)、ポリイミドなどが挙げられる。これら高
分子成形体はガスバリヤ層を形成する面がある程度平滑
で、可視光に対する透明性を有していればよいが、LC
Dの透明電極として使用するので、偏光板を通して偏光
された光の偏光を維持するために複屈折率は小さいこと
が望まれ、その点を考慮に入れれば、ポリカーボネー
ト、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン、ARTO
Nが好適に使用できる。高分子成形体の厚さは特に限定
されず、可とう性を有するフィルム状であっても、板状
にカットされたシートでもよい。フィルムを使用すれば
可とう性を有するため、屈曲可能なLCDが得られるの
と、ロール・ツ・ロールでの加工が可能となる。また板
状のシートを用いた場合には形状を保持するためこれも
使用できる。高分子成形体の厚さを具体的に挙げれば1
0〜3000μm程度である。材料によって異なるが、
通常250μmより薄い場合に可とう性を有するフィル
ム、厚い場合に形状を保持するシートと分類されるが、
もちろんこの境界は厳密なものではない。高分子成形体
を用いる場合、その厚さは通常10〜250μmのもの
が用いられる。フィルムの厚さが10μm未満では、基
材としての機械的強度に不足し、250μmを超えると
可撓性が不足するためフィルムをロール状に巻きとるこ
とが困難になる。一方、シート状の成形体を使用した場
合には、厚さが3000μmを超えると、高分子成形体
をLCDの透明電極用基材に使用することの利点である
薄型化の効果が損なわれる。
【0015】本発明に使用する高分子成形体には、ガス
遮断性能をより高めるために有機ガスバリヤ層がコーテ
ィングされていてもよい。ここでいうガスとは主に大気
中に存在する、酸素、窒素、水蒸気を指すが、コーティ
ングする有機ガスバリヤ層の材料は、これらすべてを遮
断するものであっても、いずれか一種類のガスを遮断す
るものであってもよい。ここで用いることのできる有機
ガスバリヤ層の材料としては、透明で高分子成形体との
密着力が得られるものであればよく、具体的にはエバー
ルやポバールが挙げられる。該層の厚さに特に制限はな
いが、2μm〜40μm程度が好ましい。薄すぎるとピ
ンホール等ができやすくガス遮断性能が得られない。逆
に厚すぎると剥離が生じやすくなる。
【0016】本発明では高分子成形体の少なくとも一方
の面上に酸化珪素、または窒化珪素、またはそれらの混
合物からなるガスバリヤ層を形成する。その形成方法と
しては物理蒸着法、湿式法、化学気相成長法等の従来公
知の手法を採用することができる。
【0017】物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱
蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビー
ム蒸着法では、酸化珪素、または窒化珪素、またはそれ
らの混合物をそれぞれ抵抗加熱、電子ビーム加熱の手法
で蒸発させ、対向して配置させた高分子成形体の表面上
に析出させる手法である。また、珪素を酸化性ガス、あ
るいは窒化性ガスの雰囲気下で加熱蒸発させる反応性蒸
着法や、酸化性ガスや窒化性ガスのプラズマ中で蒸着す
るイオンプレーティング法も使用できる。また、スパッ
タリング法においては、ターゲットに酸化珪素を用い、
スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガス
を用いた高周波スパッタリング法が利用できる。あるい
はターゲットに珪素を用い、スパッタガスに不活性ガス
と酸化性ガスあるいは窒化性ガスを混合したガスを使用
した直流スパッタリング法、又は高周波スパッタリング
法も使用することができる。何れの方法によってもガス
遮断性能に優れたガスバリヤ層を得ることができる。酸
化性ガスを具体的に挙げれば、酸素(O2 )、オゾン
(O3 )、水蒸気(H2 O)が、窒化性ガスを具体的に
挙げれば、窒素(N2)、アンモニア(NH3 )等があ
る。
【0018】湿式法は、例えばゾル−ゲル法が挙げられ
る。また、湿式法では、ポリシラザンを溶融した溶液を
塗布し、それを大気中で又は水蒸気雰囲気中で加熱して
酸化珪素を形成する方法も挙げられる。ここでいうポリ
シラザンとは、(SiNa b n (a=1〜3、b=
0〜1)の構造をもつ、ペルヒドロポリシラザンであ
り、主鎖の(−Si−N−)に側鎖として水素のみが結
合している。該ポリシラザンは、ベンセン、トルエン、
キシレン、エーテル、THF、塩化メチレン、四塩化炭
素等の溶媒に20重量%以上溶解することができるの
で、これら溶媒にポリシラザンを溶解した後にフィルム
成形体に塗布し、加熱処理を施すことにより酸化珪素を
得ることができる。一般に、無機物の酸化珪素を得るに
は450℃以上の加熱処理が必要なのであるが、アミン
や遷移金属の触媒を用いることにより低温で、例えば、
80℃〜150℃の加熱処理によって無機物の酸化珪素
が得られる。この際の加熱処理時間は、概ね1〜3時間
程度である。また、塗布に用いるポリシラザンの分子量
は600〜900のものが好ましく用いられる。
【0019】化学気相成長法は、原料に有機珪素化合物
を用い、それにエネルギーを投入することによって分解
し、無機物である酸化珪素を析出させる手法である。エ
ネルギーを投入する手法は、熱、光、高周波プラズマ等
があり適宜選択すればよい。化学気相成長法では、有機
珪素化合物の蒸気を原料としているため、高分子成形体
の表面の凹凸に関係なく酸化珪素が形成されるため、フ
ィルム成形体の表面平滑性があまり高くない場合におい
ても表面被覆性が高く、ガスバリヤ層の成膜手法として
は好適に利用できる。なかでも減圧プラズマ化学気相成
長法は、高分子成形体にダメージを与えることなくガス
バリヤ性に優れた酸化珪素を成形することができる。
【0020】減圧プラズマ化学気相蒸着法により酸化珪
素、または窒化珪素を形成する場合には、少なくとも有
機珪素化合物と酸化性ガスあるいは窒化性ガスを用いて
作成されることが好ましい。具体的に使用される有機珪
素化合物としては、アセトキシトリメチルシラン、アリ
ルオキシトリメチルシラン、アリルトリメチルシラン、
ビストリメチルシリルアジペート、ブトキシトリメチル
シラン、ブチルトリメトキシシラン、シクロヘキシルオ
キシトリメチルシラン、デカメチルシクロペンタシロキ
サン、デカメチルテトラシロキサン、ジアセトキシジメ
チルシラン、ジアセトキシメチルビニルシラン、ジエト
キシジメチルシラン、ジエトキシジフェニルシラン、ジ
エトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジ
エトキシメチルオクタデシルシラン、ジエトキシメチル
シラン、ジエトキシメチルフェニルシラン、ジエトキシ
メチルビニルシラン、ジメトキシジメチルシラン、ジメ
トキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシ
ラン、ジメチルエトキシフェニルシラン、ジメチルエト
キシシラン、ジメチルイソペンチルオキシビニルシラ
ン、1,3−ジメチル−1,1,3,3−テトラフェニ
ルジシロキサン、ジフェニルエトキシメチルシラン、ジ
フェニルシラネジオール、1,3−ジビニル−1,1,
3,3−テトラメチルジシラキサン、2−(3,4−エ
ポキシシクロフェニルエチル)トリメトキシシラン、エ
トキシジメチルビニルシラン、エトキシトリメチルシラ
ン、エチルトリアセトキシシラン、エチルトリエトキシ
シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリメチル
シラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシ
ロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ヘキサ
メチルジシロキサン、ヘキシルトリメトキシシラン、3
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン、メトキシトリメ
チルシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリ
エトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルイ
ソプロペノキシシラン、メチルプロポキシシラン、オク
タデシルトリエトキシエトキシシラン、オクタメチルシ
クロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,
7−オクタメチルテトラシロキサン、オクタメチルトリ
シロキサン、オクチルトリエトキシシラン、1,3,
5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、ペ
ンタメチルジシロキサン、1,1,3,5,5−ペンタ
フェニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン、フ
ェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメチルシラン、プロポキシトリメチル
シラン、プロピルトリエトキシシラン、テトラアセトキ
シシラン、テトラブトキシシラン、テトラテエトキシシ
ラン、テトライソプラポキシシラン、テトラメトキシシ
ラン、1,3,5,7−テトラメトキシシクロテトラシ
ロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジロキサン、
テトラメチルシラン、1,3,3,5−テトラメチルー
1,1,5,5−テトラフェニルトリシロキサン、1,
3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビ
ニルシクロテトラシロキサン、テトラプロポキシシラ
ン、トリアセトキシビニルシラン、トリエトキシビニル
シラン、トリエチルシラン、トリヘキシルシラン、トリ
メトキシシラン、トリメトキシビニルシラン、トリメチ
ルシラノール、1,3,5−トリメチル−1,3,5−
トリビニルシクロトリシロキサン、トリメチルビニルシ
ラン、トリフェニルシラノール、トリス(2−メトキシ
エトキシ)ビニルシラン等を用いることができるが、こ
れらに限定されるものではなく、アミノシラン、シラザ
ン等も用いられる。
【0021】これら有機化合物の上記を反応容器に導入
するには、ヘリウムやアルゴン等の希ガスをキャリヤー
ガスとして用いることができる。また、有機珪素化合物
を加熱し蒸気圧を上げて、有機珪素ガスを直接導入する
こともできる。ガスバリヤ層として酸化珪素を採用し、
導入する酸化性ガスに酸素を用いる場合においては、有
機珪素ガスと酸素ガスの流量の比は有機珪素化合物の種
類にもよるが、酸素ガス/有機珪素ガス=0.2〜1.
2の流量比の範囲が好ましい。ヘリウム等の希ガスをキ
ャリヤーガスとして用いるときには、ヘリウム中の有機
ガスの流量と酸素ガスの流量の範囲が上記0.2〜1.
2の範囲が好ましい。酸素流量が少なすぎると、生成さ
れる膜の光線透過率ならびにガスバリヤ性が低下し、酸
素流量が多いときには膜の密着性ならびにガスバリヤー
性が低下する。また、反応中の圧力はプラズマ放電が起
こる範囲であればよく、通常の平行平板型高周波プラズ
マ装置で成膜を行う場合には、0.05〜2.5Tor
rが好ましく、より好ましくは、0.1〜1.5Tor
rである。圧力が低すぎるとプラズマ放電の維持が困難
になり、圧力が高すぎると膜の密着性が低下する傾向に
ある。しかしながら、より低圧で放電させることが可能
な電子サイクロトロン共鳴放電やヘリコン波放電、マグ
ネトロン放電を用いる場合においては圧力範囲は上記の
範囲に限定されるものではない。流量の計測と制御は、
マスフローコントローラー、浮き子式フローメター、バ
ブルメーター等を使用することができる。圧力の測定に
は、ピラニ真空計、隔膜真空計、スピニングローター真
空計、熱伝導真空計、電離真空計等が使用し得るが、隔
膜真空計が好ましく用いられる。
【0022】ガスバリヤ層の厚みについては特に限定す
るものではないが、透明性を損ねない範囲で、かつガス
バリヤー性を保ち、高分子成形体との密着性を確保でき
る厚さであれば良い。具体的には、5nm〜500nm
がよく、さらには5nm〜100nmがより好ましい。
酸化珪素薄膜の厚さが薄すぎると均一で連続した膜を形
成することができず十分なガスバリヤ性能が得られず、
逆に厚すぎると高分子成形体との密着力が低下したり、
ガスバリヤ層にひび割れが生じ易くなる。
【0023】膜厚の測定には、触針粗さ計、繰り返し反
射干渉計、マイクロバランス、水晶振動子法等がある
が、水晶振動子法では成膜中の膜厚測定が可能なので、
膜厚をリアルタイムでモニターしながら、所望の膜厚を
得るのに適している。また、前もって成膜の条件を定め
ておき、試験基材上に成膜を行い、成膜時間と膜厚の関
係を調べた上で、成膜時間により膜厚を制御する方法も
採用できる。
【0024】また、上記ガスバリヤ層には、鉄、ニッケ
ル、クロム、チタン、マグネシウム、アルミニウム、イ
ンジュウム、亜鉛、錫、アンチモン、タングステン、モ
リブデン、銅等が微量含まれても良い。また、膜の可撓
性を改善する目的で、炭素や弗素を適宜含有させても良
い。
【0025】酸化珪素、または酸化珪素、またはそれら
の混合物からなるガスバリヤ層の組成は、ガス遮断性能
が得られ、透明性が保たれる範囲内であれば特に制限さ
れない。酸化珪素は一般的にSiOx と記述できるが、
xの範囲は通常1.0〜2.5程度である。また窒化珪
素は一般的にSiNx と記述できるが、xの範囲は通常
0.8〜2.0程度である。またこれらの混合物でもよ
く、この場合はSiO x y と記述される。xの範囲は
通常0.1〜2.5程度、yの範囲は通常0.1〜2.
0程度である。
【0026】本発明においては、ガスバリヤ層の表面に
金属を含むプラズマによって表面処理を行う。ここでい
う「金属を含む表面処理」は、金属を含むプラズマに、
ガスバリヤ層を曝露させることにより達成される。金属
を含むプラズマは、例えば、真空装置内に放電ガスを導
入し、DCグロー放電またはRFグロー放電によりプラ
ズマを生成したとことに、電子ビーム、抵抗加熱、誘導
加熱等により蒸発させた金属の蒸発粒子を導入すること
で得られる。また、グロー放電によるプラズマ中で金属
のハロゲン化物、水素化物等を分解反応させることによ
っても金属を含むプラズマを生成することができる。ま
た、所望の金属を陰極にしたDCグロー放電またはRF
グロー放電によりプラズマを発生させることにより、金
属を含むプラズマを得ることもできる。簡便な手法とし
ては、所望金属を陰極とするスパッタ法によって得るこ
とができる他に、上記以外の既存の蒸着法(アーク蒸着
法、レーザー蒸着法、クラスタービーム蒸着法等)とR
F及びDCグロー放電によるプラズマを組み合わせるこ
とによっても金属を含むプラズマを得ることができる。
【0027】金属を含むプラズマによる表面処理の処理
量は、ガスバリヤ層の処理面に付着した金属原子量を用
いて表すことができる。付着金属の量は、膜厚モニター
等で測定できるが、一般的には連続膜として考えられる
100nm程度の膜を形成する際に要する時間を参考に
表面処理時間から計算で求めることができる。具体的に
は、t(秒)間、ある特定の条件において表面処理を行
った際に付着した金属の膜厚がD(nm)であったとす
ると、該金属の密度ρ(g/cm3 )、原子量Mから、
付着した金属の量Nは、N=D×ρ×6.02×1016
/Mなる式で求めることができる。実際の計算例を示す
と、ガスバリヤ層表面にチタンを含むプラズマ処理を施
し、連続膜であると考えられる厚みの100nmの膜が
形成されるほどチタン原子を付着させるのに1000秒
要した。付着したチタン量は上記式により、約6×10
17原子/cm2 である。従って、例えば該チタンを含む
プラズマ処理によって3×1015原子/cm2 のチタン
原子を付着させるためには、1000秒×(3×1015
原子/cm2 )/(6×1017原子/cm2 )=5秒よ
り、5秒間プラズマに曝露させればよいことになる。
【0028】金属を含むプラズマによる表面処理を実施
することによって、ガスバリヤ層の表面が改質され、シ
ール剤との密着力を強くすることができる。この処理
は、シール剤との密着力向上のための処理であるので、
少なくともシール剤と接触することになる部分にさえ処
理がなされればよい。すなわちシール剤が接触する部分
のみが開口しているマスクを装着させて、プラズマ中に
曝露させればよいのである。
【0029】マスクを装着させるためには、そのための
マスクを製造しなければならないことと、ガスバリヤ層
を形成した後にマスクを装着する工程が加わることにな
る。しかしながら、表示体となる部分の透明性がプラズ
マ処理によって損なわれなければ、金属を含むプラズマ
による表面処理は全面にわたって実施しても問題ない。
【0030】金属を含むプラズマによる処理を施した後
においても透明性を維持するためには、金属を含むプラ
ズマによる表面処理によって、処理表面に付着する金属
の量は4×1014〜2×1016原子/cm2 の範囲が好
ましく、より好ましくは1×1015〜8×1015原子/
cm2 である。表面処理面に付着する金属の量があまり
少なすぎると、本発明の目的とするシール剤の密着力向
上の効果が得られず、逆に多すぎると透明性が損なわれ
るため好ましくない。
【0031】また、LCDの表示部分となる箇所には形
成されないこと、液晶を駆動させるための電極を外部へ
取り出す際に不都合が生じないこと、の条件二点が満た
されれば、シール材と接触する部分金属薄膜層を形成し
ても、金属を含むプラズマによる処理を施したのと同様
の効果が得られることも見いだした。但し金属薄膜層を
形成した部分の透明性は損なわれる。表示部分となる箇
所に金属薄膜層を形成させないためには、その箇所を覆
い隠すマスクを使用するか、全面に金属薄膜層を形成し
た後にエッチング処理等でその箇所の金属薄膜を除去し
てもよい。
【0032】金属薄膜層の厚さは、5nm〜200nm
の範囲が好ましい。薄すぎると、局部的にしか金属が付
着しないため薄膜を構成しない。逆に厚すぎると金属薄
膜層とガスバリヤ層との密着力が低下するのに加え、こ
の範囲の厚さで十分な効果が得られるのでいたずらに時
間をかけて厚い薄膜層を形成するのは好ましくない。
【0033】金属薄膜層の形成方法としては物理蒸着
法、湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手法を採用
することができるが、中でも物理蒸着法はガスバリヤ層
に変質をきたす恐れが少ないので好適に用いられる。
【0034】物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱
蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビー
ム蒸着法では、所望の金属を抵抗加熱、電子ビーム加熱
の手法で蒸発させ、対向して配置させた基体の表面上に
析出させる手法である。また、スパッタリング法におい
ては、ターゲットに所望の金属を用い、スパッタリング
ガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを用いた直流、
あるいは高周波スパッタリング法が利用できる。
【0035】プラズマ処理に用いる金属の材料、または
金属薄膜層の金属材料は、少なくともチタン、アルミニ
ウム、ニッケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、タングステ
ン、及びバナジウムから選択された一種からなる金属、
またはそれら二種以上の金属からなる合金を用いた場合
にシール剤との密着力向上の効果が顕著に得られるため
好ましく使用できる。なお、金属材料としては、これら
の金属以外にさらに別の金属を含んでいてもよい。
【0036】ガスバリヤ層の組成、表面処理によって付
着した金属、あるいは金属薄膜層の原子あるいは組成
は、X線光電子分光法やX線マイクロ分析法、オージェ
電子分光法、ラザフォード後方散乱法等を用いて分析す
ることができる。例えば、ラザフォード後方散乱法を用
いる場合には、供試体フィルムを真空容器内に設置、供
試体表面から、1〜4MeVに加速したα粒子を照射
し、後方散乱されてくるイオンのエネルギーを分析する
ことにより膜の深さ方向の組成やその組成の均一性を調
査することができる。表面層の帯電を防ぐために適宜表
面に金等を蒸着しても良い。また、オージェ電子分光法
で分析を行う場合には超高真空の容器の中に供試体を設
置し、供試体表面に1〜10keVに加速した電子線を
照射し、その時に放出されるオージェ電子を検出するこ
とにより組成を調べることができる。この場合、供試体
の電気抵抗が高い場合があるので帯電の影響が出ないよ
うに、1次電子線の電流を10pA以下に抑え更にエネ
ルギーも2keV以下にすることが好ましい。電子線の
代わりにX線を用いた光電子分光法は、オージェ電子分
光よりも帯電の影響が出にくい点が有利である。
【0037】LCDの透明電極とするためにはガスバリ
ヤ層の上に、さらに透明導電層を形成する。該透明導電
層はLCDの表示部分に必要な層であり、該層が形成さ
れるのは、ガスバリヤ層の上の金属を含むプラズマ処理
が施された部分表面上でも、なされていない部分表面上
でも、いずれでもかまわない。ただし、ガスバリヤ層の
形成、プラズマ処理、透明導電膜の形成まで一貫して行
えば、効率的に積層体が得られるため、プラズマ処理を
ガスバリヤ層の全面に行い、その表面上に形成するのが
好ましい。透明導電膜は酸によって溶解するので、湿式
エッチング法によって所望の配線パターンに加工するこ
とは容易に実施できる。
【0038】透明導電層の材料としては、インジウムと
スズとの酸化物が、透明性及び導電性が高いこと、湿式
エッチングが容易であることから好ましい。インジウム
とスズとの酸化物の組成は、一般的インジウムに対する
スズの組成が3重量%〜20重量%程度のものが導電性
が高くなるため好ましく使用できる。該層の厚さは所望
される抵抗値により異なるが、15nm〜400nm程
度が好ましい。薄すぎると所望される抵抗値が得られ
ず、厚すぎると透明性が損なわれる。
【0039】透明導電層の形成方法としては物理蒸着
法、湿式法、化学気相成長法等の従来公知の手法を採用
することができるが、中でも物理蒸着法は導電性の高い
透明導電層が得られるため好適に用いられる。
【0040】物理蒸着法を具体的に挙げれば、抵抗加熱
蒸着法、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、
スパッタリング法等がある。抵抗加熱蒸着法、電子ビー
ム蒸着法では、所望の酸化物を抵抗加熱、電子ビーム加
熱の手法で蒸発させ、対向して配置させた基体の表面上
に析出させる手法である。また、導電性及び可視光透過
性向上させるために、酸素プラズマ中で蒸着を行うイオ
ンプレーティング法も好適に使用できる。スパッタリン
グ法においては、ターゲットに所望の酸化物を用い、ス
パッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性ガスを
用いた直流、あるいは高周波スパッタリング法が利用で
きる。導電性及び透明性を向上させる目的でスパッタリ
ングガス中に酸素、水蒸気等の酸化性ガスを導入しても
よい。また、ターゲットにインジウム・スズ合金を使用
し、スパッタリングガスにアルゴン、ネオン等の不活性
ガスと、酸素、水蒸気等の酸化性ガスを混合したガスを
用いた、反応性スパッタリング法も好適に利用できる。
【0041】LCDの場合、透明導電層は所望の画像パ
ターンに適合するようにエッチングしてパターンを形成
する。その加工工程は、(1)レジスト塗布、(2)レ
ジストの乾燥、(3)露光、(4)、透明導電層のエッ
チング、(5)洗浄、(6)レジスト除去、(7)洗
浄、であるが(4)の透明導電層のエッチングには塩酸
等の酸溶液が、(6)のレジスト除去には水酸化カリウ
ム等のアルカリ溶液が用いられる場合が多い。高分子成
形体に酸化珪素、または窒化珪素からなるガスバリヤ層
を形成した積層体をアルカリ溶液に浸漬すると、ガスバ
リヤ層が剥離したり、ひび割れが生じたりすることが多
い。ガスバリヤ層の変質は、ガス遮断性能の低下につな
がりLCDの地名的な欠陥である気泡が液晶中に発生し
てしまう。
【0042】アルカリ浸漬によるガスバリヤ層の剥離や
ひび割れを防止する目的で、高分子成形体とガスバリヤ
層との間に、少なくともニッケルを含む酸化物を中間層
として設けることができる。アルカリ浸漬工程がない場
合には、該中間層は特に必要ない。ニッケルを含む酸化
物層は、ニッケルを主体とする合金をスパッタ法等真空
成膜法を用いて成膜したものであることが好ましい。ニ
ッケルを主体とする合金とは、ニッケル含有量が構成元
素中最も多い合金を意味する。ターゲットに用いる材料
としては、純ニッケルの他に、Nickel200、N
ickel201、Nickel210、Durani
ckel301(”Z”Nickel合金)、モネル・
メタル、Monel1400(モネル)、Rモネル、K
モネル(Monel K−500)、Monel41
1、Hモネル、Sモネル(Monel505)、ニッケ
ル系合金であるニクロムV(クロメルA)、ニクロム
(クロメルC)、クロメルP、アルメル、ニッケル−ク
ロム−鉄合金であるインコネル、Inconel61
0、625、705、等が挙げられる。
【0043】形成したニッケルを主体とする合金層は、
酸素雰囲気下で主としてニッケルの酸化物からなる層に
転化されるが、転化の方法としては、酸素プラズマ処理
が有効である。すなわち、真空容器内に酸素ガスを導入
し、高周波電極から高周波電力を導入することで生成し
たプラズマに曝すことにより合金層を酸化物からなる層
に転化させ、透明性を向上させることができる。その他
の転化方法を例示するならば、オゾン処理、イオンビー
ム処理、熱酸化処理等が適用できる。
【0044】ニッケルを主体とする合金層は、主として
ニッケルの酸化物からなる層に転化することで可視光に
対する透明性が向上するが、形成した中間層が厚いと透
明性が低下する。このような光学的判断の他に、酸化物
層に転化したことは、X線光電子スペクトロメトリー
(XPS)、オージェ電子分光法(AES)等の分析手
段で確かめられる。また、薄いと、透明性は十分ではあ
るが耐アルカリ性向上の効果が得られなくなる。このた
め、形成する中間層の厚さは0.2〜3nmが好まし
く、より好ましくは1.0〜2.5nmである。このよ
うに、中間層は薄膜であるためため、バルクの金属と同
じ性質をもつと考えることはできない。さらに、大気中
では完全な金属状態ではなく酸化状態である部分も存在
する。また、合金ターゲットを使用した場合には、一般
的にできた薄膜の組成は異なったものになっている。
【0045】本発明において酸素プラズマ中処理によっ
て中間層を酸化物に転化せしめるためには、中間層の厚
さ、材料にもよるが基材がプラズマや熱で変質しない程
度の高周波電力を導入することが必要である。通常、電
力は20〜400W、処理時間は10〜1200秒程度
が適している。より簡便な酸化方法は、単に大気中に放
置することであり、時間は20〜80時間程度要するが
特別な処理装置が必要とされないため好適に使用できる
処理方法である。
【0046】
【実施例】つぎに、本発明を実施例により具体的に説明
する。 [実施例1]ポリカーボネートフィルム(厚さ・100
μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学式:SiO2
を原料とした電子ビーム加熱による真空蒸着法により厚
さ15nmの酸化珪素薄膜を形成した。引き続き酸化珪
素薄膜の表面を、放電ガスとして純度99.9%のアル
ゴンを2×10-3Torr導入し、陰極にチタンを用い
てDCグロー放電によりプラズマを生成して作りだした
チタンを含むプラズマ中に曝露し、チタン付着量が5×
1014原子/cm2 となるようにプラズマ処理を行い、
積層体を得た。
【0047】[実施例2]〜[実施例9]プラズマ処理
に用いる金属を、アルミニウム(実施例2)、ニッケル
(実施例3)、クロム(実施例4)、銅(実施例5)、
亜鉛(実施例6)、タングステン(実施例7)、バナジ
ウム(実施例8)、ニッケル・クロム合金(実施例9)
とした以外は実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0048】[実施例10]〜[実施例11]チタン付
着量を5×1015原子/cm2 (実施例10)、1×1
16原子/cm2 となるようにプラズマ処理時間を調整
した以外は実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0049】[実施例12]ポリカーボネートフィルム
(厚さ・100μm)の一方の面に、二酸化珪素(化学
式:SiO2 )を原料とした電子ビーム加熱による真空
蒸着法により厚さ15nmの酸化珪素薄膜を形成した。
酸化珪素薄膜のLCDの表示部分となる箇所をマスクで
覆い、ターゲットにチタン、スパッタリングガスにアル
ゴンを用い、圧力2×10-3TorrのもとでDCスパ
ッタリング法により厚さ100nmのチタン薄膜を形成
し、積層体を得た。
【0050】[実施例13]酸化珪素薄膜の代わりに、
シリコンをターゲットに、アルゴンをスパッタリングガ
スに、反応性ガスに窒素(導入量比、Ar:N2 =1:
1)用い、圧力2mTorrのもとでDCスパッタリン
グ法により、厚さ15nmの窒化珪素薄膜を形成した以
外は、実施例1と同じ手法で積層体を得た。
【0051】[実施例14]ポリカーボネートフィルム
(厚さ・100μm)の両方の面にエバールを厚さ10
μmコーティングしたものを基材として使用した以外
は、実施例1と同じ手法により積層体を得た。
【0052】[実施例15]〜[実施例28]酸化珪素
薄膜を形成する前に、ニッケル・クロム合金をターゲッ
トに、アルゴンをスパッタリングガスに用い、圧力2m
TorrのもとでDCスパッタリング法により厚さ1n
mのニッケルを含む中間層を形成した以外は実施例1〜
実施例14と同じ手法により積層体を得た。
【0053】実施例1〜実施例28により得た積層体の
プラズマ処理面あるいはガスバリヤ層の上に、ターゲッ
トに酸化インジウム・酸化スズ(組成比(重量比)、I
23 :SnO2 =95:5)を、スパッタリングガ
スにアルゴン・酸素(流量比、Ar:O2 =50:1)
を用い、圧力2mTorrのもとでのDCスパッタリン
グ法により厚さ100nmの透明導電層を形成したとこ
ろ、シート抵抗が60Ω/□、可視光透過率は75%以
上の積層体が得られた。
【0054】[比較例1]プラズマ処理を行わなかった
こと以外は実施例1と同じ手法で積層体を作製した。 [比較例2]〜[比較例3]チタン付着量を2×1014
原子/cm2 (比較例2)、4×1016原子/cm 2
なるようにプラズマ処理時間を調整した以外は実施例1
と同じ手法により積層体を得た。 [比較例4]比較としてポリカボネートフィルム(厚
さ:100μm)を、ガスバリヤ層を形成することなく
評価した。
【0055】上記の如く作製した積層体の波長550n
mにおける可視光の透過率を日立製作所(株)製分光光
度計U−3400により測定した。また、ガス透過率の
測定は、酸素と水蒸気に対して23℃の温度でASTM
1434−75に準拠して行った。シール剤との密着力
を評価するために、得られた積層体の上に一液性特殊変
性熱効果型エポキシ樹脂シール剤(三井東圧化学株式会
社製、商品名:ストラクトボンド、型番:XN−21−
S)を厚さ10μm塗布し、100℃で90分の熱処理
で硬化させた。さらにシール剤塗布層に1mm間隔の碁
盤目を入れ、それをテープで引き剥すテープ剥離試験に
より密着力を評価した。また積層体のアルカリ溶剤に対
する耐久性を評価するために、水酸化カリウム(5重量
%)水溶液に30分間、及び60分間浸漬しガスバリヤ
層の剥離、変質の有無を光学顕微鏡により観察した。
[表1]〜[表5]にその測定結果を示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
【表4】
【0060】
【表5】
【0061】以上の結果から本発明品は、高いガス遮断
性能を有し、さらにシール剤との密着性にも優れたもの
であることが分かる。また、アルカリに対する耐久性を
得る必要のある場合には、中間層を挿入することで極め
てアルカリに強い積層体が得られることが分かる。
【0062】
【発明の効果】本発明においては、高分子成形体にガス
バリヤ層を形成し、さらに金属を含むプラズマで表面を
処理することによりシール剤との密着力を向上した、L
CDの基体として好適に使用できる積層体が得られる。
またさらに、高分子成形体とガスバリヤ層との間に中間
層を設けることで体アルカリ性をも向上させることがで
き、透明導電層をパターニングするのにも適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】LCDの基本構造の断面図
【図2】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図3】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図4】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【図5】本発明の積層体の一例を示す構造断面図
【符号の説明】
01 基材 02 透明電極 03 液晶 04 シール剤 05 配向膜 06 偏光板 10 高分子成形体 15 中間層 20 ガスバリヤ層 21 金属を含むプラズマによって処理した面 30 金属薄膜層 40 透明導電層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、高分子成形体(A)、酸化
    珪素、窒化珪素、または酸化珪素と窒化珪素との混合物
    からなるガスバリヤ層(B)をABなる順序で形成した
    積層体において、該ガスバリヤ層(B)の表面に金属を
    含むプラズマによって表面処理を行うことを特徴とする
    積層体。
  2. 【請求項2】 金属を含むプラズマによる表面処理によ
    りガスバリヤ層(B)の表面処理面に付着する金属原子
    が、4×1014原子/cm2 〜2×1016原子/cm2
    であることを特徴とする請求項1記載の積層体。
  3. 【請求項3】 金属を含むプラズマによる表面処理にお
    いて、該金属が少なくともチタン、アルミニウム、ニッ
    ケル、クロム、鉄、銅、亜鉛、タングステン、及びバナ
    ジウムから選択される一種からなる金属、またはそれら
    二種以上の金属からなる合金であることを特徴とする請
    求項1及至2記載の積層体。
  4. 【請求項4】 少なくとも、高分子成形体(A)、酸化
    珪素、窒化珪素、または酸化珪素と窒化珪素との混合物
    からなるガスバリヤ層(B)、金属薄膜層(C)をAB
    Cなる順序で形成した積層体。
  5. 【請求項5】 金属薄膜層(C)の金属材料が、少なく
    ともチタン、アルミニウム、ニッケル、クロム、鉄、
    銅、亜鉛、タングステン、及びバナジウムから選択され
    る一種からなる金属、またはそれら二種以上の金属から
    なる合金であることを特徴とする請求項4記載の積層
    体。
  6. 【請求項6】 ガスバリヤ層(B)の上に、更に透明導
    電層(D)を積層する請求項1及至5のいずれかに記載
    の積層体。
  7. 【請求項7】 透明導電層(D)が、インジウムとスズ
    との酸化物からなることを特徴とする請求項6記載の積
    層体。
  8. 【請求項8】 高分子成形体(A)とガスバリヤ層
    (B)との間に、少なくともニッケルを含む酸化物を中
    間層として形成することを特徴とする請求項1及至7の
    いずれかに記載の積層体。
  9. 【請求項9】 少なくともニッケルを含む酸化物層が、
    少なくともニッケルを含む金属層を形成した後、酸素雰
    囲気下で酸化物に転化せしめた層であることを特徴とす
    る請求項8記載の積層体。
  10. 【請求項10】 高分子成形体(A)が透明なポリカー
    ボネートフィルム、ポリエーテルスルホンフィルム、ポ
    リアリレートフィルムから選択された一種であることを
    特徴とする請求項1及至9のいずれかに記載の積層体。
  11. 【請求項11】 高分子成形体(A)が、有機ガスバリ
    ヤ層がコーティングされたコーティング加工フィルムで
    あることを特徴とする請求項1及至10のいずれかに記
    載の積層体。
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