JPH10340468A - 光ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

光ヘッド及びその製造方法

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JPH10340468A
JPH10340468A JP10097963A JP9796398A JPH10340468A JP H10340468 A JPH10340468 A JP H10340468A JP 10097963 A JP10097963 A JP 10097963A JP 9796398 A JP9796398 A JP 9796398A JP H10340468 A JPH10340468 A JP H10340468A
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範夫 宮武
Masahiro Orukawa
正博 尾留川
Tadashi Nakamura
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 集束された光ビームの中心部分の光のみを通
過させるフィルタ(ピンホールフィルタ)を容易に且つ
高精度に形成・位置決めすることを可能にして、光ヘッ
ド超解像再生方式による高密度の光ディスクの再生を可
能にする光ヘッドの製造方法、並びにそれによって得ら
れる光ヘッドを提供する。 【解決手段】 光源と、受光する光に基づいて所定の信
号を生成する光検出器と、該光源から出射された光ビー
ムを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系と、
該所定の反射部材からの反射光を該光検出器に導く再生
光学系と、を備える光ヘッドを、該再生光学系を、光を
所定の集束点に集束させるように構成する工程と、該集
束点の近傍に所定の材料の膜を設ける工程と、該再生光
学系の少なくとも一部を通過して集束された光を該所定
の材料の膜に照射して、該集束された光の中心近傍の部
分を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタを
形成する工程と、を包含する方法によって、製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を利用し
てデータの再生や記録を行う光ディスク装置に用いられ
得て、信号の読み取り及び/或いは記録を行う光ヘッ
ド、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク媒体が大容量データフ
ァイルとして実用化されるに至っているが、更に様々な
用途への適用を目指して、その更なる大容量化の実現が
課題となっている。光ディスク装置の記録密度は、線密
度方向については、パーシャルレスポンス技術により約
0.3μm/bitの記録密度が実用化されてきてお
り、一方、トラック方向については、約1.2μm/t
rackの記録密度が実用化されてきている。
【0003】光ディスク装置の記録密度の向上は、光ヘ
ッドによって集光される光ビームが光ディスク媒体の上
に形成する光スポットのサイズの減少によって、実現さ
れ得る。光ヘッドにより形成されるこのような光スポッ
トのサイズは、一般に、使用される光源の波長及び集光
レンズの開口で決まる。そこで、これらのパラメータの
改良によって光スポットのサイズを減少し、それによっ
て光ディスク装置の記録密度を向上させようとする様々
なシステムが、提案されている。
【0004】その一つは、例えば特開平5−13540
1号公報や米国特許第5,590,110号に開示され
ているような、光ディスク媒体からの反射光をレンズを
使ってもう一度集束させ、この集束された光ビームの中
心部の光だけをピンホールフィルタのピンホール領域を
透過させることによって分離して検出するシステム(方
式)である。このようなシステムでは、光源の波長及び
集光レンズの開口で決まる本来の分解能の値に比べて、
さらに高い分解能で信号を再生することが可能となり、
高密度の光ディスク装置が実現できる。以下では、この
方式を「光ヘッド超解像再生方式」と呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術による光ヘッ
ド超解像再生方式では、集束された光ビームの中心部
に、ピンホールフィルタのピンホール領域をミクロンオ
ーダの高精度で位置決めする必要がある。この場合、レ
ンズからの焦点距離方向での位置決めは、設計に基づく
所定の位置にピンホールフィルタを配置することで、あ
る程度まで容易に実現され得る。しかし、光ヘッド超解
像再生方式を十分に機能させるためには、集束された光
ビームがピンホールフィルタの微少なピンホール領域を
正確に通過することが必要であり、そのためには、レン
ズから焦点距離だけ離れた位置における光軸に垂直な平
面(以下では、「焦点距離面」とも称する)の面内で、
ピンホールフィルタを2次元的に正確に位置決めしなけ
ればならない。
【0006】しかし、実際には、このようなピンホール
領域の位置決め作業(特に、上記の焦点距離面内での2
次元的な位置決め作業)の精度を十分に確保することが
できず、結果として、光ヘッド超解像再生方式の実用化
が非常に困難となっている。
【0007】本発明は、上記の課題を考慮してなされた
ものであり、その目的は、(1)集束された光ビームの
中心部分の光のみを通過させるフィルタ(ピンホールフ
ィルタ)を容易に且つ高精度に形成・位置決めして、光
ヘッド超解像再生方式による高密度の光ディスクの再生
を可能にする光ヘッドの製造方法を提供すること、並び
に(2)上記によって形成される光ヘッドを提供するこ
と、である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の光ヘッドは、光
源と、受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検
出器と、該光源から出射された光ビームを集光して所定
の反射部材に照射する集光光学系と、該所定の反射部材
からの反射光を該光検出器に導く再生光学系と、を備
え、該再生光学系は、光を所定の集束点に集束させるよ
うに構成されており、該集束点の近傍には、該集束され
た光の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域
を有するフィルタが設けられており、該フィルタの該光
透過領域は、該再生光学系の少なくとも一部を通過して
きた光によって形成されたものであり、そのことによっ
て、上記の目的が達成される。
【0009】前記所定の反射部材は、光ディスク媒体で
あり得る。さらに、前記光ディスク媒体は、光磁気ディ
スク媒体であり得る。
【0010】ある実施形態では、上記の光ヘッドは有限
光束系の光学配置を有している。
【0011】好ましくは、前記フィルタの前記光透過領
域が、前記再生光学系を通過してきて集束された前記反
射光によって形成される。
【0012】ある実施形態では、前記再生光学系が、前
記反射光を集束させる集束レンズを含んでおり、該集束
レンズのレンズ形成面に対向する端面に、前記フィルタ
が設けられている。
【0013】他の実施形態では、前記集束レンズのレン
ズ形成面に対向する前記端面と前記フィルタとの間に、
該集束レンズよりも高い屈折率を有する材料の膜が形成
されている。
【0014】ある実施形態では、前記フィルタは、融点
が約500℃以下である材料の膜を利用して形成されて
いる。例えば、前記材料の膜は、Te−C膜である。
【0015】或いは、前記フィルタは、照射される光の
光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の
膜を利用して形成され得る。例えば、前記色素は、フォ
トクロミック系色素であり得る。
【0016】ある実施形態では、前記フィルタの前記光
透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂
直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセ
ットした位置に設けられている。
【0017】前記光源と前記集光光学系と前記再生光学
系とは、一体的に構成され得る。
【0018】本発明の他の局面によれば、光源と、受光
する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器と、該
光源から出射された光ビームを集光して所定の反射板に
照射する集光光学系と、該所定の反射部材からの反射光
を該光検出器に導く再生光学系と、を備える光ヘッドの
製造方法が提供される。具体的には、該方法は、該再生
光学系を、光を所定の集束点に集束させるように構成す
る工程と、該集束点の近傍に所定の材料の膜を設ける工
程と、該再生光学系の少なくとも一部を通過して集束さ
れた光を該所定の材料の膜に照射して、該集束された光
の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有
するフィルタを形成する工程と、を包含しており、その
ことによって、前述の目的が達成される。
【0019】ある実施形態では、上記の製造方法は、前
記所定の反射部材から前記再生光学系に導かれる反射光
の光量を増大させる工程をさらに含む。例えば、前記反
射光の光量を増大させる工程は、該反射光の偏光状態を
変化させる工程を含み得る。
【0020】前記所定の反射部材は、光ディスク媒体で
あり得る。さらに、前記光ディスク媒体は、光磁気ディ
スク媒体であり得る。
【0021】ある実施形態では、有限光束系の光学配置
を有している光ヘッドが構成される。
【0022】ある実施形態では、前記所定の材料の膜
は、前記再生光学系に含まれていて前記反射光を集束さ
せる集束レンズのレンズ形成面に対向する端面に設けら
れる。
【0023】他の実施形態では、上記の製造方法は、前
記集束レンズのレンズ形成面に対向する前記端面と前記
所定の材料の膜との間に、該集束レンズよりも高い屈折
率を有する材料の膜を形成する工程をさらに含む。
【0024】ある実施形態では、前記所定の材料の膜
は、融点が約500℃以下である材料の膜を利用して形
成されている。例えば、前記材料の膜は、Te−C膜で
ある。
【0025】或いは、前記所定の材料の膜は、照射され
る光の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する
色素の膜を利用して形成され得る。例えば、前記色素
は、フォトクロミック系色素であり得る。
【0026】ある実施形態では、前記フィルタの前記光
透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂
直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセ
ットした位置に設けられる。
【0027】前記光源と前記集光光学系と前記再生光学
系とは、一体的に構成され得る。
【0028】ある実施形態では、前記フィルタの前記光
透過領域を、前記反射部材で反射された後に前記再生光
学系を通過してきて集束された前記反射光によって形成
する。例えば、前記反射部材として光ディスク媒体を使
用し、該光ディスク媒体で反射された後に前記再生光学
系を通過してきて集束された前記反射光によって前記フ
ィルタの前記光透過領域を形成してもよい。
【0029】他の実施形態では、前記フィルタの形成工
程が、前記所定の反射部材として反射板を置く工程と、
該反射板で反射された後に前記再生光学系を通過してき
て集束された前記反射光を前記所定の材料の膜に照射す
る工程と、を含む。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)図1は、本発明の第1の実施形態に
おける光ヘッドの構成を模式的に示す図である。
【0031】図1の光学系において、光源である半導体
レーザ101から発せられた出射光は、コリメートレン
ズ102によって平行光にされた後に、出射光と反射光
とを分離する偏光ビームスプリッタ103、及び、偏光
ビームスプリッタ103での出射光と反射光との分離を
可能にするために光の偏光面を回転させる1/4波長板
104を通過し、集光レンズ105によって光ディスク
媒体112の面上に集光される。以上の構成を、本明細
書では「集光光学系」とも称する。
【0032】光ディスク媒体112からの反射光は、集
光レンズ105で平行光にされた後に、1/4波長板1
04を通過し、偏光ビームスプリッタ103によって出
射光の光路から分離されて、ハーフプリズム106に向
かう。ハーフプリズム106では、反射光の一部が、フ
ォーカストラッキング制御における誤差信号を検出する
ための光として分離される。分離された光は、検出レン
ズ110によって光検出器111に集光されて、そこで
フォーカストラッキング制御のためのフォーカス誤差信
号及びトラッキング誤差信号が検出される。一方、ハー
フプリズム106を通過した残りの光は、集束レンズ1
07によって再び集束され、集束レンズ107と一体的
に形成されているピンホールフィルタ108のピンホー
ル領域(光透過領域)108aを通過して、光検出器1
09に入射する。光検出器109は、この入射光に基づ
いて、再生信号を生成する。以上のような偏光ビームス
プリッタ103で分岐されてから光検出器111或いは
109に至る構成を、本明細書では「再生光学系」とも
称する。
【0033】以上のような図1の光学系の構成における
ピンホールフィルタ108について、以下でさらに説明
する。
【0034】集束レンズ107は、その一方の面(入射
面)にレンズ形状が形成されており、入射面に対向して
いる他方の面(集光面)が、集束レンズ107(具体的
には、入射面に形成されているレンズ形状)の焦点距離
に相当する長さだけ入射面から離れているように、設計
されている。この集光面に、スパッタリング法によって
Ti薄膜を厚さ約100nmに形成する。なお、以下の
説明では、説明の簡略化のために、ピンホールフィルタ
に含まれるTi薄膜に、ピンホールフィルタと同じ参照
番号「108」を付す)。
【0035】次に、集束レンズ107の焦点位置に相当
する箇所のTi薄膜108に、光学的なフィルタの役割
を果たすピンホール領域108aを、例えば以下のよう
にして形成する。
【0036】図2(a)は、ピンホール領域108aを
形成するための光学系の配置を模式的に示す図である。
具体的には、光源である半導体レーザ113から発せら
れた光を、コリメータレンズ114で平行光にした後
に、半導体レーザ113からの出射光の光軸に垂直にな
るように位置調整されて配置されている集束レンズ10
7の入射面に入射させて、Ti薄膜108が形成されて
いる集光面の上に焦点を結ばせる。これにより、集束レ
ンズ107の焦点位置(集光部分)に相当する箇所のT
i薄膜108の温度が上昇して融解し、ピンホール領域
108aが形成される。これによって、光ビームの中心
部分の光のみをピンホール領域108aを通って通過さ
せるピンホールフィルタ108が、再生光学系(少なく
とも、その一部である集束レンズ107)を実際に通過
してきた光によって、集束レンズ107の集光面の上に
形成される。
【0037】このようにして集束レンズ107と一体的
に形成されたピンホールフィルタ108を、図1の光学
系における所定の位置に配置する。
【0038】本実施形態の以上のような方法では、半導
体レーザ113のレーザパワーを95mWに設定し、5
00nsのパルス光を照射することによって、良好なピ
ンホール領域108aが形成される。
【0039】図2(b)は、以上のようにして形成され
るピンホールフィルタ108のピンホール領域(光透過
領域)108aの近傍の断面形状を、拡大して模式的に
示す図である。本実施形態によるピンホール領域108
aは、Ti薄膜の熱的な融解によって形成されるので、
ピンホール領域108aの周辺部が若干盛り上がった形
状になっている。
【0040】このようにして構成される本実施形態の光
ヘッドの再生特性を、図3に示す。具体的には、図3
は、横軸に示す長さを有するピットに対する再生処理に
よって得られる再生信号の信号強度(縦軸)を、本発明
によるピンホールフィルタを有する光ヘッドにおける結
果と、従来技術によるピンホールフィルタを有さない光
ヘッドにおける結果とを比較して示している。
【0041】これより、ピンホールフィルタを有さない
従来の光ヘッドに比べて、本実施形態のピンホールフィ
ルタを有する光ヘッドでは、再生分解能が向上し、より
短い記録マーク(ピット)の再生が可能となっている。
具体的には、同じ強度の再生信号が、従来の約2/3の
長さのピットに関して得られている。これより、本実施
形態の光ヘッドによれば、従来技術の約1.5倍の高密
度での光ディスク媒体の記録再生が、ピンホールフィル
タ108の位置決め(集束レンズ107からの焦点距離
方向における位置決め)を必要とせずに、実現される。
【0042】(第2の実施形態)図4は、本発明の第2
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。図4の構成において、図1を参照して説明した第
1の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照
符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0043】図4に示す本実施形態の構成では、集束レ
ンズ107にピンホールフィルタ108を一体的に形成
するにあたって、集光面に直接にTi薄膜108を形成
するのではなく、集光面にZnS膜115をまず形成
し、そのZnS膜115の上にTi薄膜108を形成し
ている。ZnS膜115及びTi薄膜108は、何れも
スパッタリング法によって形成される。
【0044】ZnS膜115の屈折率は2.3であり、
これは、集束レンズ107の屈折率1.5に比べて大き
い値である。このため、集束レンズ107とTi薄膜1
08との間で多重反射が生じて、Ti薄膜108に吸収
される光の量が増加する。さらに、ZnS膜115は集
束レンズ107よりも熱伝導率が小さいので、照射され
た光によって生じた熱が拡散し難い。これらの結果とし
て、本実施形態では、第1の実施形態の場合に比べて、
より小さいレーザパワー(光エネルギー)でTi薄膜1
08にピンホール領域(光透過領域)108aが形成さ
れる。
【0045】具体的には、先に説明した方法でピンホー
ルフィルタ108のピンホール領域108aを形成する
にあたって、本実施形態の以上のような構成では、半導
体レーザ113のレーザパワーを32mW(第1の実施
形態では95mW)に設定し、500nsのパルス光を
照射することによって、良好なピンホール領域108a
が形成される。
【0046】(第3の実施形態)図5は、本発明の第3
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。図5の構成において、図1を参照して説明した第
1の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照
符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0047】先に説明した第1の実施形態では、平行光
を再生光学系の集束レンズで集束させて得られる光を用
いて、ピンホールフィルタ108を集束レンズ107に
一体的にあらかじめ形成し、これを再生光学系の所定の
位置に配置している。これによれば、集束レンズ107
からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ108の位
置決めは不必要であるものの、再生光学系の光軸と集束
レンズ107に一体化されたピンホールフィルタ108
とをお互いに垂直に配置する工程が、依然として必要で
ある。
【0048】図5には、例えばビームスプリッタ103
の取り付け誤差によって再生光学系の光軸(再生光軸)
が傾いた場合の光路を実線で示し、そのような再生光軸
の傾きが発生していない理想的な光路を点線で示してい
る。これより、再生光軸が傾いている場合の集束レンズ
107の焦点位置は、集束レンズ107の集光面の中心
位置116b(すなわち、平行光に対する集束レンズ1
07の焦点位置)からずれている。第1の実施形態で説
明したピンホール領域の形成方法では、あらかじめ平行
光によってピンホール領域を形成しているので、ピンホ
ール領域は、集束レンズの集光面の中心位置(図5に示
す構成においては参照番号116bの位置)に形成され
る。従って、光ヘッドを正しく機能させるためには、集
束レンズに一体化されたピンホールフィルタを、再生光
学系の光軸に正確に垂直に配置させる必要がある。
【0049】これに対して本実施形態では、ピンホール
フィルタ116のピンホール領域(光透過領域)116
aを、以下のようにして形成する。
【0050】集束レンズ107の集光面に、CH4ガス
とArガスとの混合雰囲気中でTeのスパッタリングを
行うことによって、厚さ約100nmのTe−C薄膜1
16を形成する。Te−C薄膜116は、約450℃と
いう低い融点を有しているので、低いレーザパワーでの
ピンホール領域116bの形成が可能である。但し、T
e−C薄膜116が形成された集束レンズ107を図5
の光学系に配置する段階では、ピンホール領域116a
はまだ形成されておらず、Te−C薄膜116はピンホ
ールフィルタとしての機能を発揮しない。ピンホール領
域116aは、光学系に含まれる各構成要素の配置工程
が完了した後に、以下のようにして形成する。
【0051】すなわち、図5に示すように、本来は光デ
ィスク媒体が置かれるべき位置に反射板118を配置
し、光検出器111からのフォーカス誤差信号を利用し
て、集光レンズ105の焦点を反射板118に合わせ
る。この状態で光源(半導体レーザ)101の光量を増
加させて、反射板118からの反射光を集束レンズ10
7で集光面上のTe−C薄膜116に集光させる。これ
によって、実際に再生光学系を通過してきた光に対する
集束レンズ107の焦点位置に相当する箇所で、Te−
C薄膜116の温度が上昇して融解し、ピンホール領域
116aが形成される。これによって、理想的な平行光
に対する集束レンズ107の焦点位置116b(集束レ
ンズ107の集光面の中心位置)ではなく、実際の再生
光学系における集束レンズ107の焦点位置に、ピンホ
ール116aが形成される。言い換えれば、本実施形態
におけるピンホールフィルタ116のピンホール領域1
16aは、再生光学系の光軸とピンホールフィルタ11
6とが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点か
らオフセットした位置に、設けられることになる。
【0052】或いは、反射板118の代わりに、実際に
記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディスク
媒体を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用し
て、上記に従ってピンホールフィルタ116のピンホー
ル領域116aを形成しても良い。
【0053】本実施形態の以上のような構成では、半導
体レーザ101のレーザパワーを6mWに設定し、50
0nsのパルス光を照射することによって、良好なピン
ホール116aが形成される。また、このようにして製
造された光ヘッドにおいては、従来技術の約1.5倍の
高密度での光ディスク媒体の記録再生が、集束レンズ1
07からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ116
の位置決めだけではなく、焦点距離面の面内における2
次元的なピンホールフィルタ116の位置決めも必要と
せずに、実現される。
【0054】(第4の実施形態)図6は、本発明の第4
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。図6の構成において、図5を参照して説明した第
3の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照
符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0055】図6においても、例えば偏光ビームスプリ
ッタ103の取り付け誤差によって再生光学系の光軸
(再生光軸)が傾いた場合の光路を実線で示し、そのよ
うな再生光軸の傾きが発生していない理想的な光路を点
線で示している。本実施形態では、ピンホールフィルタ
117を、温度上昇によって透明になり且つ温度の低下
に伴って再び不透明になる色素(すなわち、温度変化に
伴ってその透過率が可逆的に変化する)を用いて形成す
ることによって、このような再生光軸の傾きに起因する
問題点の克服を図っている。
【0056】具体的には、図6に示すように、光ヘッド
の光源101からの出射光に対する集光レンズ105の
焦点を、光検出器111からのフォーカス誤差信号を利
用して、光ディスク媒体112に合わせる。この状態で
光源(半導体レーザ)101の光量を増加させて、光デ
ィスク媒体112からの反射光を集束レンズ107で集
光面上の色素膜117に集光させる。これによって、実
際に再生光学系を通過してきた光に対する集束レンズ1
07の焦点位置に相当する箇所で、色素膜117の温度
が上昇して透明化する。一方、再生動作が終了して光デ
ィスク媒体112からの反射光がなくなって色素膜11
7の温度が低下すると、色素膜117は再び不透明にな
る。この結果、これまでの実施形態におけるような物理
的な開口部として不可逆的なピンホール領域ではなく、
光の照射に伴う温度変化に応じて可逆的に状態が変化す
る透明領域117aとしてのピンホール領域(光透過領
域)117aが、形成される。
【0057】以上の方法によっても、光を透過させる領
域117aを、理想的な平行光に対する集束レンズ10
7の焦点位置117b(集束レンズ107の集光面の中
心位置)ではなく、実際の再生光学系における集束レン
ズ107の焦点位置に有するピンホールフィルタ117
が、形成される。すなわち、本実施形態におけるピンホ
ールフィルタ117のピンホール領域117aは、再生
光学系の光軸とピンホールフィルタ117とが垂直な位
置関係で配置されている場合の集束点からオフセットし
た位置に、設けられることになる。
【0058】さらに、上記のような色素膜117におけ
る光透過率の変化(透明領域117aの形成)は、温度
変化に伴って可逆的に発生する。これより、実際に光デ
ィスク媒体112からデータを再生する際に、実際の再
生光の光路に基づいて上記の透明領域117aが形成さ
れる。この結果、何らかの理由で再生光学系の光路(再
生光軸)が変化しても、それに対応するように、透明領
域117aの形成箇所が変化する。従って、光ヘッドの
組立完了後に再生光学系の光路(再生光軸)に経時変化
による位置ずれが発生しても、ピンホールフィルタ11
7の透明領域117aは、例えば実際の再生動作中に、
自動的に最適な位置に形成される。
【0059】このようにして製造された光ヘッドにおい
ては、従来技術の約1.3倍の高密度での光ディスク媒
体の記録再生が、集束レンズ107からの焦点距離方向
でのピンホールフィルタ117の位置決めだけではな
く、焦点距離面の面内における2次元的なピンホールフ
ィルタ117の位置決めも必要とせずに、実現される。
【0060】なお、本実施形態の構成における色素膜1
17としては、フォトクロミック系色素の膜、例えばフ
ッ素環系ジアリールエテンの膜を使用することができ
る。
【0061】(第5の実施形態)図7は、本発明の第5
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。具体的には、本実施形態は、光ディスク媒体とし
て光磁気ディスク媒体が使用される場合の光ヘッドの構
成に関する。
【0062】図7の光学系において、光源である半導体
レーザ201から発せられた出射光は、コリメートレン
ズ202によって平行光にされた後に、出射光と反射光
とを分離する偏光ビームスプリッタ203を通過し、集
光レンズ204によって、光磁気ディスク媒体215に
集光される。以上の構成が、集光光学系に相当する。な
お、集光レンズ204と光磁気ディスク媒体215との
間に描かれている1/4波長板214は、ピンホールフ
ィルタ207におけるピンホール領域(光透過領域)2
07aの形成時のみに挿入される。
【0063】光磁気ディスク媒体215からの反射光
は、1/4波長板214を再び通過し、集光レンズ20
4で平行光にされた後に、偏光ビームスプリッタ203
によって出射光の光路から分離されて、ハーフプリズム
205に向かう。ハーフプリズム205では、反射光の
一部が、フォーカストラッキング制御における誤差信号
を検出するための光として分離される。分離された光
は、検出レンズ212によって光検出器213に集光さ
れて、そこでフォーカストラッキング制御におけるフォ
ーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号が検出され
る。
【0064】一方、ハーフプリズム205を通過した残
りの光は、集束レンズ206によって再び集束され、集
束レンズ206と一体的に形成されているピンホールフ
ィルタ207のピンホール領域207aを通過して、1
/2波長板208に向かう。この1/2波長板208
は、再生信号の差動検出のために偏光面を45度回転さ
せるため目的で、挿入されている。1/2波長板208
を通過した光は、ビームスプリッタ209によって2つ
に分離されて光検出器210及び211にそれぞれ入射
し、そこで再生信号が差動検出される。
【0065】なお、以上のような偏光ビームスプリッタ
203で分岐されてから光検出器213、211或いは
210に至る構成が、再生光学系に相当する。
【0066】上記のような図7の光学系におけるピンホ
ールフィルタ207は、Te−C薄膜を用いて、第3の
実施形態と同様に光磁気ディスク媒体215の位置に所
定の反射板を代わりに設置して、そこからの実際の反射
光を利用して形成される。或いは、反射板の代わりに、
実際に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光磁
気ディスク媒体215を所定の位置に配置し、そこから
反射光を利用して、上記に従ってピンホールフィルタ2
07のピンホール領域207aを形成しても良い。
【0067】ここで、本実施形態のような光磁気ディス
ク媒体215のための光ヘッドに含まれる偏光ビームス
プリッタ203は、光磁気ディスク媒体215からの反
射光に含まれるS偏光成分を、再生光学系に導くように
(すなわち、ハーフプリズム205に向けるように)反
射する。しかし、光磁気ディスク媒体215からの反射
光は、実際にはほとんどがP偏光成分の光であり、偏光
ビームスプリッタ203は、そのようなP偏光成分に対
しては、そのうちの僅かに20〜30%を反射するに過
ぎない。このため、光磁気ディスク媒体215の再生の
ための一般的な光学系の構成のままでは、Te−C薄膜
207にピンホール領域207aを形成するための集束
光のパワーが不足する。
【0068】そこで、ピンホール領域207aの形成時
には、図7に描くように、集光レンズ204と光磁気デ
ィスク媒体215に相当する反射板との間に、1/4波
長板214を挿入する。これによって、光磁気ディスク
媒体215に相当する反射板からの反射光は、S偏光成
分の光に変換される。この結果、偏光状態が変換された
反射光は、偏光ビームスプリッタ203によって再生光
学系側に十分なパワーで導かれて、所定の形状のピンホ
ール領域207aがTe−C薄膜207に形成される。
【0069】このようにして製造された光ヘッドにおい
ても、従来技術の約1.5倍の高密度での光ディスク媒
体の記録再生が、集束レンズ206からの焦点距離方向
でのピンホールフィルタ207の位置決めだけではな
く、焦点距離面の面内における2次元的なピンホールフ
ィルタ207の位置決めも必要とせずに、実現される。
【0070】(第6の実施形態)図8は、本発明の第6
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。具体的には、本実施形態は、有限光束系の光ヘッ
ドの構成に関する。
【0071】図8の光学系において、光源である半導体
レーザ301から発せられた出射光は、出射光と反射光
とを分離する偏光ビームスプリッタ302、及び、偏光
ビームスプリッタ302での出射光と反射光との分離を
可能にするために光の偏光面を回転させる1/4波長板
303を通過し、集光レンズ304によって光ディスク
媒体310に集光される。以上の構成が、集光光学系に
相当する。
【0072】光ディスク媒体310からの反射光は、集
光レンズ304及び1/4波長板303を再び通過し、
偏光ビームスプリッタ302によって出射光の光路から
分離されて、ハーフプリズム305に向かう。ハーフプ
リズム305では、反射光の一部が、フォーカストラッ
キング制御において誤差信号を検出するための光として
分離される。分離された光は、検出レンズ308によっ
て光検出器309に集光されて、そこでフォーカストラ
ッキング制御のためのフォーカス誤差信号及びトラッキ
ング誤差信号が検出される。一方、ハーフプリズム30
5を通過した残りの光は、ピンホールフィルタ306の
ピンホール領域(光透過領域)306aを通過して、光
検出器307に入射する。光検出器307は、この入射
光に基づいて、再生信号を生成する。以上のような偏光
ビームスプリッタ302で分岐されてから光検出器30
9或いは307に至る構成が、再生光学系に相当する。
【0073】先に述べたように、図8の構成は有限光学
系であり、光ディスク媒体310からの反射光は、再生
光学系の光路において、光源である半導体レーザ301
に対応する位置で集束する。従って、これまでの実施形
態とは異なって、反射光を意図的に再集束させるための
集束レンズを必要とせず、再生光学系における上記の集
束点にピンホールフィルタ306を設置することによっ
て、これまでの実施形態においてと同様の効果が得られ
る。具体的には、従来技術の約1.4倍の高密度での光
ディスク媒体の記録再生が、ピンホールフィルタ306
の位置決め作業を必要とせずに、実現される。
【0074】ピンホールフィルタ306は、プラスチッ
ク板の表面に例えばTe−C薄膜をスパッタリングによ
って形成し、その所定の箇所にピンホール領域306a
を設けることによって形成される。このピンホール領域
306aの形成は、第3の実施形態と同様に、光ディス
ク媒体310の代わりに所定の反射板を配置し、これか
ら反射して実際に再生光学系を通過してきた光を利用し
て形成することが、望ましい。これによって、理想的な
光学系配置における集束点ではなく、実際の再生光学系
における集束点の位置にピンホール領域306aが形成
され、ピンホールフィルタ306の高精度の位置決め作
業(特に、焦点距離面の面内での2次元的な位置決め作
業)が、不要になる。或いは、反射板の代わりに、実際
に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディス
ク媒体310を所定の位置に配置し、そこから反射光を
利用して、上記に従ってピンホールフィルタ306のピ
ンホール領域306aを形成しても良い。
【0075】(第7の実施形態)図9は、本発明の第7
の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図で
ある。具体的には、本実施形態は、有限光束系に対する
光ヘッドを構成する光源、光検出器、及びその他の光学
要素が一体化されている構成に関する。
【0076】図9の光学系において、光源である半導体
レーザ401から発せられた出射光は、出射光と反射光
とを分離する偏光ビームスプリッタ面402で光路の向
きが変えられ、偏光ビームスプリッタ面402での出射
光と反射光との分離を可能にするために光の偏光面を回
転させる1/4波長板403を通過して、集光レンズ4
04によって光ディスク媒体410に集光される。以上
の構成が、集光光学系に相当する。
【0077】光ディスク媒体410からの反射光は、集
光レンズ404及び1/4波長板403を再び通過し、
偏光ビームスプリッタ面402によって出射光の光路か
ら分離されて、ハーフプリズム面405に向かう。ハー
フプリズム面405には、反射光の一部をフォーカスト
ラッキング制御において誤差信号を検出するための光と
して分離し、分離された光を光検出器408の上に集光
するためのホログラムパターンが形成されている。光検
出器408は、上記によって得られる入射光に基づい
て、フォーカストラッキング制御のためのフォーカス誤
差信号及びトラッキング誤差信号を検出する。一方、ハ
ーフプリズム面405を通過した残りの光は、例えばス
パッタリングで形成されたTe−C薄膜からなるピンホ
ールフィルタ406のピンホール領域(光透過領域)4
06aを通過し、ミラー面407で反射された後に、上
記と同じ光検出器408に入射して、そこで再生信号が
検出される。以上のような偏光ビームスプリッタ面40
2で分岐されてから光検出器408に至る構成が、再生
光学系に相当する。
【0078】先に述べたように、図9の構成は有限光学
系であり、光ディスク媒体410からの反射光は、再生
光学系の光路において、光源である半導体レーザ401
に対応する位置で集束する。従って、反射光を意図的に
再集束させるための集束レンズを必要とせず、上記の再
生光学系における集束点にピンホールフィルタ406を
形成するのみで、これまでの実施形態においてと同様の
効果が得られる。
【0079】ピンホールフィルタ406におけるピンホ
ール領域406aの形成は、第3の実施形態と同様に、
光ディスク媒体410の代わりに所定の反射板を配置
し、これから反射して実際に再生光学系を通過してきた
光を利用して形成することが望ましい。これによって、
理想的な光学系配置における集束点ではなく、実際の再
生光学系における集束点の位置にピンホール領域406
aが形成される。或いは、反射板の代わりに、実際に記
録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディスク媒
体410を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用
して、上記に従ってピンホールフィルタ406のピンホ
ール領域406aを形成しても良い。
【0080】なお、図9の光ヘッドの構成では、ピンホ
ールフィルタ406が形成される接合面(ピンホールフ
ィルタ406を構成する薄膜がスパッタリングで形成さ
れる面)の近傍に所定の空間409を設けることによっ
て、ピンホール領域406aの形成時の熱の拡散を防
ぎ、低いレーザパワーでピンホール領域406aを形成
することが可能となっている。
【0081】本実施形態の光ヘッドでは、光源(半導体
レーザ)401、光検出器408、並びに偏光ビームス
プリッタ面402、1/4波長板403、ハーフプリズ
ム面405、ピンホールフィルタ406、及びミラー面
407などの光学素子が、一つの構成要素として一体化
されている。従来では、このような一体構成の光ヘッド
にピンホールフィルタを組み込むことは、その高精度の
位置合わせが極めて困難であることから、ほとんど不可
能であった。しかし、本発明によれば、組み立て作業の
完了後に、実際の再生光学系における集束点の位置にピ
ンホールフィルタ406のピンホール領域406aを形
成できるので、一体型光ヘッドを簡単に実現することが
できる。
【0082】このように、光源であるレーザ401と各
々の光学素子を一体型とすることによって、発光点(光
源)401の位置ずれが抑制され、安定性の高い光ヘッ
ドが実現できる。
【0083】なお、以上の説明では、Ti膜のような金
属材料の膜やTe−C膜のような低融点(具体的には融
点が約500℃以下)を有する材料の膜、或いは可逆的
に透過率が変化する色素膜(例えば、フッ素環系ジアリ
ールエテンなどのフォトクロミック系色素の膜)を用い
て、ピンホールフィルタを構成している。或いは、再生
光学系の少なくとも一部を通って集束された光による光
学的或いは熱的な変化(可逆的変化或いは不可逆的変
化)によってピンホール形状が構成される材料であれ
ば、その他の材料を使用しても、上記と同様の効果を得
ることができる。
【0084】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、光ヘッド超解像再生方式による光ディスクの高密度
再生を実現するために光ヘッドに設けられるフィルタ
(ピンホールフィルタ)が、集束レンズと一体化して構
成され得る。具体的には、集束レンズを、そのレンズ形
状が形成されている面(入射面)とそれに対向する面
(集光面)とが集束レンズの焦点距離だけ離れているよ
うに設計し、その集光面に、実際に集束レンズによって
集束された光によって、ピンホールフィルタ(より正確
には、ピンホールフィルタの光透過領域であるピンホー
ル領域)を形成する。これにより、従来技術において必
要であった、あらかじめ形成されたピンホールフィルタ
を集束レンズの焦点位置に正確に位置決めする作業が、
本発明によれば不要になり得る。
【0085】さらに、ピンホールフィルタの形成にあた
って、他の装置によってあらかじめ形成されたピンホー
ルフィルタを用いるのではなく、光ヘッドの光学系の中
にピンホールフィルタの構成部材を組み込み、実際に光
ディスク媒体やそれに代わる所定の反射板から反射され
て再生光学系を通過してきた光ビームによってピンホー
ル領域を形成することによって、集束される光ビームの
実際の焦点位置に、正確に、集束光ビームの中心近傍の
光を通過させるピンホール領域を形成することが可能に
なる。これによって、集束光ビームの焦点距離面の面内
での2次元的なピンホールフィルタの位置合わせ作業
も、不必要になり得る。
【0086】また、ピンホールフィルタの構成材料とし
て、光エネルギーに伴う光学的或いは熱的な作用によっ
て透過率が可逆的に増加する材料を使用すれば、光ディ
スク媒体からの信号再生時に、光ディスク媒体から反射
されて再生光学系を通過してきた光ビームの集束点の近
傍で、上記の透過率の増加を可逆的に生じさせることが
できる。これによって、光ヘッドの組立後に再生光学系
の光軸のずれが生じても、自動的に最適な位置に光透過
領域が形成されるピンホールフィルタを得ることができ
る。
【0087】以上のような特徴により、本発明によれ
ば、ピンホールフィルタの高精度の位置合わせ作業を行
うことなく、超解像光ヘッドを安定に且つ容易に実現す
ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図2】(a)は、図1の光ヘッドの構成に含まれ得る
ピンホールフィルタの作成方法を示す図であり、(b)
は、(a)によって作成されるピンホールフィルタのピ
ンホール領域の近傍の形状を示す拡大断面図である。
【図3】図1の光ヘッドの再生特性を、従来技術におけ
る結果との比較として示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図5】本発明の第3の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図6】本発明の第4の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図7】本発明の第5の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図8】本発明の第6の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【図9】本発明の第7の実施例による光ヘッドの構成図
である。
【符号の説明】
101 光源(半導体レーザ) 102 コリメートレンズ 103 偏光ビームスプリッタ 104 1/4波長板 105 集光レンズ 106 ハーフプリズム 107 集束レンズ 108 ピンホールフィルタ 108a ピンホール領域(光透過領域) 109 光検出器 110 検出レンス 111 光検出器 112 光ディスク媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 正 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器
    と、 該光源から出射された光ビームを集光して所定の反射部
    材に照射する集光光学系と、 該所定の反射部材からの反射光を該光検出器に導く再生
    光学系と、を備え、 該再生光学系は、光を所定の集束点に集束させるように
    構成されており、 該集束点の近傍には、該集束された光の中心近傍の部分
    を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタが設
    けられていて、 該フィルタの該光透過領域は、該再生光学系の少なくと
    も一部を通過して集束された光によって形成されたもの
    である、光ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記所定の反射部材が光ディスク媒体で
    ある、請求項1に記載の光ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記光ディスク媒体が光磁気ディスク媒
    体である、請求項2に記載の光ヘッド。
  4. 【請求項4】 有限光束系の光学配置を有している、請
    求項1に記載の光ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記フィルタの前記光透過領域が、前記
    再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によっ
    て形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記再生光学系が、前記反射光を集束さ
    せる集束レンズを含んでおり、該集束レンズのレンズ形
    成面に対向する端面に、前記フィルタが設けられてい
    る、請求項1に記載の光ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記集束レンズのレンズ形成面に対向す
    る前記端面と前記フィルタとの間に、該集束レンズより
    も高い屈折率を有する材料の膜が形成されている、請求
    項6に記載の光ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記フィルタは、融点が約500℃以下
    である材料の膜を利用して形成されている、請求項1に
    記載の光ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記材料の膜がTe−C膜である、請求
    項8に記載の光ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記フィルタは、照射される光の光エ
    ネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の膜を
    利用して形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記色素がフォトクロミック系色素で
    ある、請求項10に記載の光ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記フィルタの前記光透過領域は、前
    記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で
    配置されている場合の集束点からオフセットした位置に
    設けられている、請求項1に記載の光ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記光源と前記集光光学系と前記再生
    光学系とが一体的に構成されている、請求項1に記載の
    光ヘッド。
  14. 【請求項14】 光源と、受光する光に基づいて所定の
    信号を生成する光検出器と、該光源から出射された光ビ
    ームを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系
    と、該所定の反射部材からの反射光を該光検出器に導く
    再生光学系と、を備える光ヘッドの製造方法であって、
    該方法は、 該再生光学系を、光を所定の集束点に集束させるように
    構成する工程と、 該集束点の近傍に所定の材料の膜を設ける工程と、 該再生光学系の少なくとも一部を通過して集束された光
    を該所定の材料の膜に照射して、該集束された光の中心
    近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有するフ
    ィルタを形成する工程と、を包含する、光ヘッドの製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記所定の反射部材から前記再生光学
    系に導かれる反射光の光量を増大させる工程をさらに含
    む、請求項14に記載の光ヘッドの製造方法。
  16. 【請求項16】 前記反射光の光量を増大させる工程
    は、該反射光の偏光状態を変化させる工程を含む、請求
    項15に記載の光ヘッドの製造方法。
  17. 【請求項17】 前記所定の反射部材が光ディスク媒体
    である、請求項14に記載の光ヘッドの製造方法。
  18. 【請求項18】 前記光ディスク媒体が光磁気ディスク
    媒体である、請求項17に記載の光ヘッドの製造方法。
  19. 【請求項19】 有限光束系の光学配置をもたらす、請
    求項14に記載の光ヘッドの製造方法。
  20. 【請求項20】 前記所定の材料の膜は、前記再生光学
    系に含まれていて前記反射光を集束させる集束レンズの
    レンズ形成面に対向する端面に設けられる、請求項14
    に記載の光ヘッドの製造方法。
  21. 【請求項21】 前記集束レンズのレンズ形成面に対向
    する前記端面と前記所定の材料の膜との間に、該集束レ
    ンズよりも高い屈折率を有する材料の膜を形成する工程
    をさらに含む、請求項20に記載の光ヘッドの製造方
    法。
  22. 【請求項22】 前記所定の材料の膜が、融点が約50
    0℃以下である材料の膜である、請求項14に記載の光
    ヘッドの製造方法。
  23. 【請求項23】 前記材料の膜がTe−C膜である、請
    求項22に記載の光ヘッドの製造方法。
  24. 【請求項24】 前記所定の材料の膜は、照射される光
    の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素
    の膜である、請求項14に記載の光ヘッドの製造方法。
  25. 【請求項25】 前記色素がフォトクロミック系色素で
    ある、請求項24に記載の光ヘッドの製造方法。
  26. 【請求項26】 前記フィルタの前記光透過領域は、前
    記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で
    配置されている場合の集束点からオフセットした位置に
    設けられる、請求項14に記載の光ヘッドの製造方法。
  27. 【請求項27】 前記光源と前記集光光学系と前記再生
    光学系とを一体的に構成する工程をさらに含む、請求項
    14に記載の光ヘッドの製造方法。
  28. 【請求項28】 前記フィルタの前記光透過領域を、前
    記反射部材で反射された後に前記再生光学系を通過して
    きて集束された前記反射光によって形成する、請求項1
    4に記載の光ヘッドの製造方法。
  29. 【請求項29】 前記反射部材として光ディスク媒体を
    使用し、該光ディスク媒体で反射された後に前記再生光
    学系を通過してきて集束された前記反射光によって前記
    フィルタの前記光透過領域を形成する、請求項28に記
    載の光ヘッドの製造方法。
  30. 【請求項30】 前記フィルタの形成工程は、 前記所定の反射部材として反射板を置く工程と、 該反射板で反射された後に前記再生光学系を通過してき
    て集束された前記反射光を前記所定の材料の膜に照射す
    る工程と、を含む、請求項14に記載の光ヘッドの製造
    方法。
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