JP4105281B2 - 光ヘッド及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を利用してデータの再生や記録を行う光ディスク装置に用いられ得て、信号の読み取り及び/或いは記録を行う光ヘッド、並びにその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光ディスク媒体が大容量データファイルとして実用化されるに至っているが、更に様々な用途への適用を目指して、その更なる大容量化の実現が課題となっている。光ディスク装置の記録密度は、線密度方向については、パーシャルレスポンス技術により約0.3μm/bitの記録密度が実用化されてきており、一方、トラック方向については、約1.2μm/trackの記録密度が実用化されてきている。
【0003】
光ディスク装置の記録密度の向上は、光ヘッドによって集光される光ビームが光ディスク媒体の上に形成する光スポットのサイズの減少によって、実現され得る。光ヘッドにより形成されるこのような光スポットのサイズは、一般に、使用される光源の波長及び集光レンズの開口で決まる。そこで、これらのパラメータの改良によって光スポットのサイズを減少し、それによって光ディスク装置の記録密度を向上させようとする様々なシステムが、提案されている。
【0004】
その一つは、例えば特開平5−135401号公報や米国特許第5,590,110号に開示されているような、光ディスク媒体からの反射光をレンズを使ってもう一度集束させ、この集束された光ビームの中心部の光だけをピンホールフィルタのピンホール領域を透過させることによって分離して検出するシステム(方式)である。このようなシステムでは、光源の波長及び集光レンズの開口で決まる本来の分解能の値に比べて、さらに高い分解能で信号を再生することが可能となり、高密度の光ディスク装置が実現できる。以下では、この方式を「光ヘッド超解像再生方式」と呼ぶ。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術による光ヘッド超解像再生方式では、集束された光ビームの中心部に、ピンホールフィルタのピンホール領域をミクロンオーダの高精度で位置決めする必要がある。この場合、レンズからの焦点距離方向での位置決めは、設計に基づく所定の位置にピンホールフィルタを配置することで、ある程度まで容易に実現され得る。しかし、光ヘッド超解像再生方式を十分に機能させるためには、集束された光ビームがピンホールフィルタの微少なピンホール領域を正確に通過することが必要であり、そのためには、レンズから焦点距離だけ離れた位置における光軸に垂直な平面(以下では、「焦点距離面」とも称する)の面内で、ピンホールフィルタを2次元的に正確に位置決めしなければならない。
【0006】
しかし、実際には、このようなピンホール領域の位置決め作業(特に、上記の焦点距離面内での2次元的な位置決め作業)の精度を十分に確保することができず、結果として、光ヘッド超解像再生方式の実用化が非常に困難となっている。
【0007】
本発明は、上記の課題を考慮してなされたものであり、その目的は、(1)集束された光ビームの中心部分の光のみを通過させるフィルタ(ピンホールフィルタ)を容易に且つ高精度に形成・位置決めして、光ヘッド超解像再生方式による高密度の光ディスクの再生を可能にする光ヘッドの製造方法を提供すること、並びに(2)上記によって形成される光ヘッドを提供すること、である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の光ヘッドは、光源と、受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器と、前記光源から出射された光ビームを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系と、前記所定の反射部材からの反射光を前記光検出器に導く再生光学系と、を備え、前記再生光学系は、光を所定の集束点に集束させるように構成されており、前記集束点の近傍には、該集束された光の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタが設けられていて、該フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の少なくとも一部を通過して集束された光によって形成されたものであり、前記再生光学系が、前記反射光を集束させる集束レンズを含んでおり、該集束レンズのレンズ形成面に対向する端面に、前記フィルタが設けられており、そのことによって、上記の目的が達成される。
【0009】
前記所定の反射部材は、光ディスク媒体であり得る。さらに、前記光ディスク媒体は、光磁気ディスク媒体であり得る。
【0011】
好ましくは、前記フィルタの前記光透過領域が、前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって形成される。
【0013】
他の実施形態では、前記集束レンズのレンズ形成面に対向する前記端面と前記フィルタとの間に、該集束レンズよりも高い屈折率を有する材料の膜が形成されている。
【0014】
ある実施形態では、前記フィルタは、融点が約500℃以下である材料の膜を利用して形成されている。例えば、前記材料の膜は、Te−C膜である。
【0015】
或いは、前記フィルタは、照射される光の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の膜を利用して形成され得る。例えば、前記色素は、フォトクロミック系色素であり得る。
【0016】
ある実施形態では、前記フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に設けられている。
【0018】
本発明の光ヘッドの製造方法は、光源と、受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器と、前記光源から出射された光ビームを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系と、前記所定の反射部材からの反射光を前記光検出器に導く再生光学系と、を備える光ヘッドの製造方法であって、該方法は、前記再生光学系を、光を所定の集束点に集束させるように構成する工程と、該集束点の近傍に所定の材料の膜を設ける工程と、前記再生光学系の少なくとも一部を通過して集束された光を前記所定の材料の膜に照射して、該集束された光の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタを形成する工程とを包含し、前記所定の材料の膜は、前記再生光学系に含まれていて前記反射光を集束させる集束レンズのレンズ形成面に対向する端面に設けられる。
【0020】
前記所定の反射部材は、光ディスク媒体であり得る。さらに、前記光ディスク媒体は、光磁気ディスク媒体であり得る。
【0023】
他の実施形態では、上記の製造方法は、前記集束レンズのレンズ形成面に対向する前記端面と前記所定の材料の膜との間に、該集束レンズよりも高い屈折率を有する材料の膜を形成する工程をさらに含む。
【0024】
ある実施形態では、前記所定の材料の膜は、融点が約500℃以下である材料の膜を利用して形成されている。例えば、前記材料の膜は、Te−C膜である。
【0025】
或いは、前記所定の材料の膜は、照射される光の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の膜を利用して形成され得る。例えば、前記色素は、フォトクロミック系色素であり得る。
【0026】
ある実施形態では、前記フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に設けられる。
【0028】
ある実施形態では、前記フィルタの前記光透過領域を、前記反射部材で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって形成する。例えば、前記反射部材として光ディスク媒体を使用し、該光ディスク媒体で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって前記フィルタの前記光透過領域を形成してもよい。
【0029】
他の実施形態では、前記フィルタの形成工程が、前記所定の反射部材として反射板を置く工程と、該反射板で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光を前記所定の材料の膜に照射する工程と、を含む。
【0030】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。
【0031】
図1の光学系において、光源である半導体レーザ101から発せられた出射光は、コリメートレンズ102によって平行光にされた後に、出射光と反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ103、及び、偏光ビームスプリッタ103での出射光と反射光との分離を可能にするために光の偏光面を回転させる1/4波長板104を通過し、集光レンズ105によって光ディスク媒体112の面上に集光される。以上の構成を、本明細書では「集光光学系」とも称する。
【0032】
光ディスク媒体112からの反射光は、集光レンズ105で平行光にされた後に、1/4波長板104を通過し、偏光ビームスプリッタ103によって出射光の光路から分離されて、ハーフプリズム106に向かう。ハーフプリズム106では、反射光の一部が、フォーカストラッキング制御における誤差信号を検出するための光として分離される。分離された光は、検出レンズ110によって光検出器111に集光されて、そこでフォーカストラッキング制御のためのフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号が検出される。一方、ハーフプリズム106を通過した残りの光は、集束レンズ107によって再び集束され、集束レンズ107と一体的に形成されているピンホールフィルタ108のピンホール領域(光透過領域)108aを通過して、光検出器109に入射する。光検出器109は、この入射光に基づいて、再生信号を生成する。以上のような偏光ビームスプリッタ103で分岐されてから光検出器111或いは109に至る構成を、本明細書では「再生光学系」とも称する。
【0033】
以上のような図1の光学系の構成におけるピンホールフィルタ108について、以下でさらに説明する。
【0034】
集束レンズ107は、その一方の面(入射面)にレンズ形状が形成されており、入射面に対向している他方の面(集光面)が、集束レンズ107(具体的には、入射面に形成されているレンズ形状)の焦点距離に相当する長さだけ入射面から離れているように、設計されている。この集光面に、スパッタリング法によってTi薄膜を厚さ約100nmに形成する。なお、以下の説明では、説明の簡略化のために、ピンホールフィルタに含まれるTi薄膜に、ピンホールフィルタと同じ参照番号「108」を付す)。
【0035】
次に、集束レンズ107の焦点位置に相当する箇所のTi薄膜108に、光学的なフィルタの役割を果たすピンホール領域108aを、例えば以下のようにして形成する。
【0036】
図2(a)は、ピンホール領域108aを形成するための光学系の配置を模式的に示す図である。具体的には、光源である半導体レーザ113から発せられた光を、コリメータレンズ114で平行光にした後に、半導体レーザ113からの出射光の光軸に垂直になるように位置調整されて配置されている集束レンズ107の入射面に入射させて、Ti薄膜108が形成されている集光面の上に焦点を結ばせる。これにより、集束レンズ107の焦点位置(集光部分)に相当する箇所のTi薄膜108の温度が上昇して融解し、ピンホール領域108aが形成される。これによって、光ビームの中心部分の光のみをピンホール領域108aを通って通過させるピンホールフィルタ108が、再生光学系(少なくとも、その一部である集束レンズ107)を実際に通過してきた光によって、集束レンズ107の集光面の上に形成される。
【0037】
このようにして集束レンズ107と一体的に形成されたピンホールフィルタ108を、図1の光学系における所定の位置に配置する。
【0038】
本実施形態の以上のような方法では、半導体レーザ113のレーザパワーを95mWに設定し、500nsのパルス光を照射することによって、良好なピンホール領域108aが形成される。
【0039】
図2(b)は、以上のようにして形成されるピンホールフィルタ108のピンホール領域(光透過領域)108aの近傍の断面形状を、拡大して模式的に示す図である。本実施形態によるピンホール領域108aは、Ti薄膜の熱的な融解によって形成されるので、ピンホール領域108aの周辺部が若干盛り上がった形状になっている。
【0040】
このようにして構成される本実施形態の光ヘッドの再生特性を、図3に示す。具体的には、図3は、横軸に示す長さを有するピットに対する再生処理によって得られる再生信号の信号強度(縦軸)を、本発明によるピンホールフィルタを有する光ヘッドにおける結果と、従来技術によるピンホールフィルタを有さない光ヘッドにおける結果とを比較して示している。
【0041】
これより、ピンホールフィルタを有さない従来の光ヘッドに比べて、本実施形態のピンホールフィルタを有する光ヘッドでは、再生分解能が向上し、より短い記録マーク(ピット)の再生が可能となっている。具体的には、同じ強度の再生信号が、従来の約2/3の長さのピットに関して得られている。これより、本実施形態の光ヘッドによれば、従来技術の約1.5倍の高密度での光ディスク媒体の記録再生が、ピンホールフィルタ108の位置決め(集束レンズ107からの焦点距離方向における位置決め)を必要とせずに、実現される。
【0042】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。図4の構成において、図1を参照して説明した第1の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0043】
図4に示す本実施形態の構成では、集束レンズ107にピンホールフィルタ108を一体的に形成するにあたって、集光面に直接にTi薄膜108を形成するのではなく、集光面にZnS膜115をまず形成し、そのZnS膜115の上にTi薄膜108を形成している。ZnS膜115及びTi薄膜108は、何れもスパッタリング法によって形成される。
【0044】
ZnS膜115の屈折率は2.3であり、これは、集束レンズ107の屈折率1.5に比べて大きい値である。このため、集束レンズ107とTi薄膜108との間で多重反射が生じて、Ti薄膜108に吸収される光の量が増加する。さらに、ZnS膜115は集束レンズ107よりも熱伝導率が小さいので、照射された光によって生じた熱が拡散し難い。これらの結果として、本実施形態では、第1の実施形態の場合に比べて、より小さいレーザパワー(光エネルギー)でTi薄膜108にピンホール領域(光透過領域)108aが形成される。
【0045】
具体的には、先に説明した方法でピンホールフィルタ108のピンホール領域108aを形成するにあたって、本実施形態の以上のような構成では、半導体レーザ113のレーザパワーを32mW(第1の実施形態では95mW)に設定し、500nsのパルス光を照射することによって、良好なピンホール領域108aが形成される。
【0046】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。図5の構成において、図1を参照して説明した第1の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0047】
先に説明した第1の実施形態では、平行光を再生光学系の集束レンズで集束させて得られる光を用いて、ピンホールフィルタ108を集束レンズ107に一体的にあらかじめ形成し、これを再生光学系の所定の位置に配置している。これによれば、集束レンズ107からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ108の位置決めは不必要であるものの、再生光学系の光軸と集束レンズ107に一体化されたピンホールフィルタ108とをお互いに垂直に配置する工程が、依然として必要である。
【0048】
図5には、例えばビームスプリッタ103の取り付け誤差によって再生光学系の光軸(再生光軸)が傾いた場合の光路を実線で示し、そのような再生光軸の傾きが発生していない理想的な光路を点線で示している。これより、再生光軸が傾いている場合の集束レンズ107の焦点位置は、集束レンズ107の集光面の中心位置116b(すなわち、平行光に対する集束レンズ107の焦点位置)からずれている。第1の実施形態で説明したピンホール領域の形成方法では、あらかじめ平行光によってピンホール領域を形成しているので、ピンホール領域は、集束レンズの集光面の中心位置(図5に示す構成においては参照番号116bの位置)に形成される。従って、光ヘッドを正しく機能させるためには、集束レンズに一体化されたピンホールフィルタを、再生光学系の光軸に正確に垂直に配置させる必要がある。
【0049】
これに対して本実施形態では、ピンホールフィルタ116のピンホール領域(光透過領域)116aを、以下のようにして形成する。
【0050】
集束レンズ107の集光面に、CH4ガスとArガスとの混合雰囲気中でTeのスパッタリングを行うことによって、厚さ約100nmのTe−C薄膜116を形成する。Te−C薄膜116は、約450℃という低い融点を有しているので、低いレーザパワーでのピンホール領域116bの形成が可能である。但し、Te−C薄膜116が形成された集束レンズ107を図5の光学系に配置する段階では、ピンホール領域116aはまだ形成されておらず、Te−C薄膜116はピンホールフィルタとしての機能を発揮しない。ピンホール領域116aは、光学系に含まれる各構成要素の配置工程が完了した後に、以下のようにして形成する。
【0051】
すなわち、図5に示すように、本来は光ディスク媒体が置かれるべき位置に反射板118を配置し、光検出器111からのフォーカス誤差信号を利用して、集光レンズ105の焦点を反射板118に合わせる。この状態で光源(半導体レーザ)101の光量を増加させて、反射板118からの反射光を集束レンズ107で集光面上のTe−C薄膜116に集光させる。これによって、実際に再生光学系を通過してきた光に対する集束レンズ107の焦点位置に相当する箇所で、Te−C薄膜116の温度が上昇して融解し、ピンホール領域116aが形成される。これによって、理想的な平行光に対する集束レンズ107の焦点位置116b(集束レンズ107の集光面の中心位置)ではなく、実際の再生光学系における集束レンズ107の焦点位置に、ピンホール116aが形成される。言い換えれば、本実施形態におけるピンホールフィルタ116のピンホール領域116aは、再生光学系の光軸とピンホールフィルタ116とが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に、設けられることになる。
【0052】
或いは、反射板118の代わりに、実際に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディスク媒体を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用して、上記に従ってピンホールフィルタ116のピンホール領域116aを形成しても良い。
【0053】
本実施形態の以上のような構成では、半導体レーザ101のレーザパワーを6mWに設定し、500nsのパルス光を照射することによって、良好なピンホール116aが形成される。また、このようにして製造された光ヘッドにおいては、従来技術の約1.5倍の高密度での光ディスク媒体の記録再生が、集束レンズ107からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ116の位置決めだけではなく、焦点距離面の面内における2次元的なピンホールフィルタ116の位置決めも必要とせずに、実現される。
【0054】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。図6の構成において、図5を参照して説明した第3の実施形態における構成と同じ構成要素には同じ参照符号を付しており、ここではそれらの説明を省略する。
【0055】
図6においても、例えば偏光ビームスプリッタ103の取り付け誤差によって再生光学系の光軸(再生光軸)が傾いた場合の光路を実線で示し、そのような再生光軸の傾きが発生していない理想的な光路を点線で示している。本実施形態では、ピンホールフィルタ117を、温度上昇によって透明になり且つ温度の低下に伴って再び不透明になる色素(すなわち、温度変化に伴ってその透過率が可逆的に変化する)を用いて形成することによって、このような再生光軸の傾きに起因する問題点の克服を図っている。
【0056】
具体的には、図6に示すように、光ヘッドの光源101からの出射光に対する集光レンズ105の焦点を、光検出器111からのフォーカス誤差信号を利用して、光ディスク媒体112に合わせる。この状態で光源(半導体レーザ)101の光量を増加させて、光ディスク媒体112からの反射光を集束レンズ107で集光面上の色素膜117に集光させる。これによって、実際に再生光学系を通過してきた光に対する集束レンズ107の焦点位置に相当する箇所で、色素膜117の温度が上昇して透明化する。一方、再生動作が終了して光ディスク媒体112からの反射光がなくなって色素膜117の温度が低下すると、色素膜117は再び不透明になる。この結果、これまでの実施形態におけるような物理的な開口部として不可逆的なピンホール領域ではなく、光の照射に伴う温度変化に応じて可逆的に状態が変化する透明領域117aとしてのピンホール領域(光透過領域)117aが、形成される。
【0057】
以上の方法によっても、光を透過させる領域117aを、理想的な平行光に対する集束レンズ107の焦点位置117b(集束レンズ107の集光面の中心位置)ではなく、実際の再生光学系における集束レンズ107の焦点位置に有するピンホールフィルタ117が、形成される。すなわち、本実施形態におけるピンホールフィルタ117のピンホール領域117aは、再生光学系の光軸とピンホールフィルタ117とが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に、設けられることになる。
【0058】
さらに、上記のような色素膜117における光透過率の変化(透明領域117aの形成)は、温度変化に伴って可逆的に発生する。これより、実際に光ディスク媒体112からデータを再生する際に、実際の再生光の光路に基づいて上記の透明領域117aが形成される。この結果、何らかの理由で再生光学系の光路(再生光軸)が変化しても、それに対応するように、透明領域117aの形成箇所が変化する。従って、光ヘッドの組立完了後に再生光学系の光路(再生光軸)に経時変化による位置ずれが発生しても、ピンホールフィルタ117の透明領域117aは、例えば実際の再生動作中に、自動的に最適な位置に形成される。
【0059】
このようにして製造された光ヘッドにおいては、従来技術の約1.3倍の高密度での光ディスク媒体の記録再生が、集束レンズ107からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ117の位置決めだけではなく、焦点距離面の面内における2次元的なピンホールフィルタ117の位置決めも必要とせずに、実現される。
【0060】
なお、本実施形態の構成における色素膜117としては、フォトクロミック系色素の膜、例えばフッ素環系ジアリールエテンの膜を使用することができる。
【0061】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。具体的には、本実施形態は、光ディスク媒体として光磁気ディスク媒体が使用される場合の光ヘッドの構成に関する。
【0062】
図7の光学系において、光源である半導体レーザ201から発せられた出射光は、コリメートレンズ202によって平行光にされた後に、出射光と反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ203を通過し、集光レンズ204によって、光磁気ディスク媒体215に集光される。以上の構成が、集光光学系に相当する。なお、集光レンズ204と光磁気ディスク媒体215との間に描かれている1/4波長板214は、ピンホールフィルタ207におけるピンホール領域(光透過領域)207aの形成時のみに挿入される。
【0063】
光磁気ディスク媒体215からの反射光は、1/4波長板214を再び通過し、集光レンズ204で平行光にされた後に、偏光ビームスプリッタ203によって出射光の光路から分離されて、ハーフプリズム205に向かう。ハーフプリズム205では、反射光の一部が、フォーカストラッキング制御における誤差信号を検出するための光として分離される。分離された光は、検出レンズ212によって光検出器213に集光されて、そこでフォーカストラッキング制御におけるフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号が検出される。
【0064】
一方、ハーフプリズム205を通過した残りの光は、集束レンズ206によって再び集束され、集束レンズ206と一体的に形成されているピンホールフィルタ207のピンホール領域207aを通過して、1/2波長板208に向かう。この1/2波長板208は、再生信号の差動検出のために偏光面を45度回転させるため目的で、挿入されている。1/2波長板208を通過した光は、ビームスプリッタ209によって2つに分離されて光検出器210及び211にそれぞれ入射し、そこで再生信号が差動検出される。
【0065】
なお、以上のような偏光ビームスプリッタ203で分岐されてから光検出器213、211或いは210に至る構成が、再生光学系に相当する。
【0066】
上記のような図7の光学系におけるピンホールフィルタ207は、Te−C薄膜を用いて、第3の実施形態と同様に光磁気ディスク媒体215の位置に所定の反射板を代わりに設置して、そこからの実際の反射光を利用して形成される。或いは、反射板の代わりに、実際に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光磁気ディスク媒体215を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用して、上記に従ってピンホールフィルタ207のピンホール領域207aを形成しても良い。
【0067】
ここで、本実施形態のような光磁気ディスク媒体215のための光ヘッドに含まれる偏光ビームスプリッタ203は、光磁気ディスク媒体215からの反射光に含まれるS偏光成分を、再生光学系に導くように(すなわち、ハーフプリズム205に向けるように)反射する。しかし、光磁気ディスク媒体215からの反射光は、実際にはほとんどがP偏光成分の光であり、偏光ビームスプリッタ203は、そのようなP偏光成分に対しては、そのうちの僅かに20〜30%を反射するに過ぎない。このため、光磁気ディスク媒体215の再生のための一般的な光学系の構成のままでは、Te−C薄膜207にピンホール領域207aを形成するための集束光のパワーが不足する。
【0068】
そこで、ピンホール領域207aの形成時には、図7に描くように、集光レンズ204と光磁気ディスク媒体215に相当する反射板との間に、1/4波長板214を挿入する。これによって、光磁気ディスク媒体215に相当する反射板からの反射光は、S偏光成分の光に変換される。この結果、偏光状態が変換された反射光は、偏光ビームスプリッタ203によって再生光学系側に十分なパワーで導かれて、所定の形状のピンホール領域207aがTe−C薄膜207に形成される。
【0069】
このようにして製造された光ヘッドにおいても、従来技術の約1.5倍の高密度での光ディスク媒体の記録再生が、集束レンズ206からの焦点距離方向でのピンホールフィルタ207の位置決めだけではなく、焦点距離面の面内における2次元的なピンホールフィルタ207の位置決めも必要とせずに、実現される。
【0070】
(第1の参考例)
図8は、本発明の第1の参考例における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。具体的には、本実施形態は、有限光束系の光ヘッドの構成に関する。
【0071】
図8の光学系において、光源である半導体レーザ301から発せられた出射光は、出射光と反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ302、及び、偏光ビームスプリッタ302での出射光と反射光との分離を可能にするために光の偏光面を回転させる1/4波長板303を通過し、集光レンズ304によって光ディスク媒体310に集光される。以上の構成が、集光光学系に相当する。
【0072】
光ディスク媒体310からの反射光は、集光レンズ304及び1/4波長板303を再び通過し、偏光ビームスプリッタ302によって出射光の光路から分離されて、ハーフプリズム305に向かう。ハーフプリズム305では、反射光の一部が、フォーカストラッキング制御において誤差信号を検出するための光として分離される。分離された光は、検出レンズ308によって光検出器309に集光されて、そこでフォーカストラッキング制御のためのフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号が検出される。一方、ハーフプリズム305を通過した残りの光は、ピンホールフィルタ306のピンホール領域(光透過領域)306aを通過して、光検出器307に入射する。光検出器307は、この入射光に基づいて、再生信号を生成する。以上のような偏光ビームスプリッタ302で分岐されてから光検出器309或いは307に至る構成が、再生光学系に相当する。
【0073】
先に述べたように、図8の構成は有限光学系であり、光ディスク媒体310からの反射光は、再生光学系の光路において、光源である半導体レーザ301に対応する位置で集束する。従って、これまでの実施形態とは異なって、反射光を意図的に再集束させるための集束レンズを必要とせず、再生光学系における上記の集束点にピンホールフィルタ306を設置することによって、これまでの実施形態においてと同様の効果が得られる。具体的には、従来技術の約1.4倍の高密度での光ディスク媒体の記録再生が、ピンホールフィルタ306の位置決め作業を必要とせずに、実現される。
【0074】
ピンホールフィルタ306は、プラスチック板の表面に例えばTe−C薄膜をスパッタリングによって形成し、その所定の箇所にピンホール領域306aを設けることによって形成される。このピンホール領域306aの形成は、第3の実施形態と同様に、光ディスク媒体310の代わりに所定の反射板を配置し、これから反射して実際に再生光学系を通過してきた光を利用して形成することが、望ましい。これによって、理想的な光学系配置における集束点ではなく、実際の再生光学系における集束点の位置にピンホール領域306aが形成され、ピンホールフィルタ306の高精度の位置決め作業(特に、焦点距離面の面内での2次元的な位置決め作業)が、不要になる。或いは、反射板の代わりに、実際に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディスク媒体310を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用して、上記に従ってピンホールフィルタ306のピンホール領域306aを形成しても良い。
【0075】
(第2の参考例)
図9は、本発明の第2の参考例における光ヘッドの構成を模式的に示す図である。具体的には、本実施形態は、有限光束系に対する光ヘッドを構成する光源、光検出器、及びその他の光学要素が一体化されている構成に関する。
【0076】
図9の光学系において、光源である半導体レーザ401から発せられた出射光は、出射光と反射光とを分離する偏光ビームスプリッタ面402で光路の向きが変えられ、偏光ビームスプリッタ面402での出射光と反射光との分離を可能にするために光の偏光面を回転させる1/4波長板403を通過して、集光レンズ404によって光ディスク媒体410に集光される。以上の構成が、集光光学系に相当する。
【0077】
光ディスク媒体410からの反射光は、集光レンズ404及び1/4波長板403を再び通過し、偏光ビームスプリッタ面402によって出射光の光路から分離されて、ハーフプリズム面405に向かう。ハーフプリズム面405には、反射光の一部をフォーカストラッキング制御において誤差信号を検出するための光として分離し、分離された光を光検出器408の上に集光するためのホログラムパターンが形成されている。光検出器408は、上記によって得られる入射光に基づいて、フォーカストラッキング制御のためのフォーカス誤差信号及びトラッキング誤差信号を検出する。一方、ハーフプリズム面405を通過した残りの光は、例えばスパッタリングで形成されたTe−C薄膜からなるピンホールフィルタ406のピンホール領域(光透過領域)406aを通過し、ミラー面407で反射された後に、上記と同じ光検出器408に入射して、そこで再生信号が検出される。以上のような偏光ビームスプリッタ面402で分岐されてから光検出器408に至る構成が、再生光学系に相当する。
【0078】
先に述べたように、図9の構成は有限光学系であり、光ディスク媒体410からの反射光は、再生光学系の光路において、光源である半導体レーザ401に対応する位置で集束する。従って、反射光を意図的に再集束させるための集束レンズを必要とせず、上記の再生光学系における集束点にピンホールフィルタ406を形成するのみで、これまでの実施形態においてと同様の効果が得られる。
【0079】
ピンホールフィルタ406におけるピンホール領域406aの形成は、第3の実施形態と同様に、光ディスク媒体410の代わりに所定の反射板を配置し、これから反射して実際に再生光学系を通過してきた光を利用して形成することが望ましい。これによって、理想的な光学系配置における集束点ではなく、実際の再生光学系における集束点の位置にピンホール領域406aが形成される。或いは、反射板の代わりに、実際に記録及び/或いは再生動作の対象となり得る光ディスク媒体410を所定の位置に配置し、そこから反射光を利用して、上記に従ってピンホールフィルタ406のピンホール領域406aを形成しても良い。
【0080】
なお、図9の光ヘッドの構成では、ピンホールフィルタ406が形成される接合面(ピンホールフィルタ406を構成する薄膜がスパッタリングで形成される面)の近傍に所定の空間409を設けることによって、ピンホール領域406aの形成時の熱の拡散を防ぎ、低いレーザパワーでピンホール領域406aを形成することが可能となっている。
【0081】
本参考例の光ヘッドでは、光源(半導体レーザ)401、光検出器408、並びに偏光ビームスプリッタ面402、1/4波長板403、ハーフプリズム面405、ピンホールフィルタ406、及びミラー面407などの光学素子が、一つの構成要素として一体化されている。従来では、このような一体構成の光ヘッドにピンホールフィルタを組み込むことは、その高精度の位置合わせが極めて困難であることから、ほとんど不可能であった。しかし、本参考例によれば、組み立て作業の完了後に、実際の再生光学系における集束点の位置にピンホールフィルタ406のピンホール領域406aを形成できるので、一体型光ヘッドを簡単に実現することができる。
【0082】
このように、光源であるレーザ401と各々の光学素子を一体型とすることによって、発光点(光源)401の位置ずれが抑制され、安定性の高い光ヘッドが実現できる。
【0083】
なお、以上の説明では、Ti膜のような金属材料の膜やTe−C膜のような低融点(具体的には融点が約500℃以下)を有する材料の膜、或いは可逆的に透過率が変化する色素膜(例えば、フッ素環系ジアリールエテンなどのフォトクロミック系色素の膜)を用いて、ピンホールフィルタを構成している。或いは、再生光学系の少なくとも一部を通って集束された光による光学的或いは熱的な変化(可逆的変化或いは不可逆的変化)によってピンホール形状が構成される材料であれば、その他の材料を使用しても、上記と同様の効果を得ることができる。
【0084】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、光ヘッド超解像再生方式による光ディスクの高密度再生を実現するために光ヘッドに設けられるフィルタ(ピンホールフィルタ)が、集束レンズと一体化して構成され得る。具体的には、集束レンズを、そのレンズ形状が形成されている面(入射面)とそれに対向する面(集光面)とが集束レンズの焦点距離だけ離れているように設計し、その集光面に、実際に集束レンズによって集束された光によって、ピンホールフィルタ(より正確には、ピンホールフィルタの光透過領域であるピンホール領域)を形成する。これにより、従来技術において必要であった、あらかじめ形成されたピンホールフィルタを集束レンズの焦点位置に正確に位置決めする作業が、本発明によれば不要になり得る。
【0085】
さらに、ピンホールフィルタの形成にあたって、他の装置によってあらかじめ形成されたピンホールフィルタを用いるのではなく、光ヘッドの光学系の中にピンホールフィルタの構成部材を組み込み、実際に光ディスク媒体やそれに代わる所定の反射板から反射されて再生光学系を通過してきた光ビームによってピンホール領域を形成することによって、集束される光ビームの実際の焦点位置に、正確に、集束光ビームの中心近傍の光を通過させるピンホール領域を形成することが可能になる。これによって、集束光ビームの焦点距離面の面内での2次元的なピンホールフィルタの位置合わせ作業も、不必要になり得る。
【0086】
また、ピンホールフィルタの構成材料として、光エネルギーに伴う光学的或いは熱的な作用によって透過率が可逆的に増加する材料を使用すれば、光ディスク媒体からの信号再生時に、光ディスク媒体から反射されて再生光学系を通過してきた光ビームの集束点の近傍で、上記の透過率の増加を可逆的に生じさせることができる。これによって、光ヘッドの組立後に再生光学系の光軸のずれが生じても、自動的に最適な位置に光透過領域が形成されるピンホールフィルタを得ることができる。
【0087】
以上のような特徴により、本発明によれば、ピンホールフィルタの高精度の位置合わせ作業を行うことなく、超解像光ヘッドを安定に且つ容易に実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例による光ヘッドの構成図である。
【図2】(a)は、図1の光ヘッドの構成に含まれ得るピンホールフィルタの作成方法を示す図であり、(b)は、(a)によって作成されるピンホールフィルタのピンホール領域の近傍の形状を示す拡大断面図である。
【図3】図1の光ヘッドの再生特性を、従来技術における結果との比較として示す図である。
【図4】本発明の第2の実施例による光ヘッドの構成図である。
【図5】本発明の第3の実施例による光ヘッドの構成図である。
【図6】本発明の第4の実施例による光ヘッドの構成図である。
【図7】本発明の第5の実施例による光ヘッドの構成図である。
【図8】 本発明の第1の参考例による光ヘッドの構成図である。
【図9】 本発明の第2の参考例による光ヘッドの構成図である。
【符号の説明】
101 光源(半導体レーザ)
102 コリメートレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 1/4波長板
105 集光レンズ
106 ハーフプリズム
107 集束レンズ
108 ピンホールフィルタ
108a ピンホール領域(光透過領域)
109 光検出器
110 検出レンス
111 光検出器
112 光ディスク媒体
Claims (22)
- 光源と、
受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器と、
前記光源から出射された光ビームを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系と、
前記所定の反射部材からの反射光を前記光検出器に導く再生光学系と、
を備え、
前記再生光学系は、光を所定の集束点に集束させるように構成されており、
前記集束点の近傍には、該集束された光の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタが設けられていて、
該フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の少なくとも一部を通過して集束された光によって形成されたものであり、
前記再生光学系が、前記反射光を集束させる集束レンズを含んでおり、該集束レンズのレンズ形成面に対向する端面に、前記フィルタが設けられている、光ヘッド。 - 前記所定の反射部材が光ディスク媒体である、請求項1に記載の光ヘッド。
- 前記光ディスク媒体が光磁気ディスク媒体である、請求項2に記載の光ヘッド。
- 前記フィルタの前記光透過領域が、前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
- 前記集束レンズのレンズ形成面に対向する前記端面と前記フィルタとの間に、該集束レンズよりも高い屈折率を有する材料の膜が形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
- 前記フィルタは、融点が約500℃以下である材料の膜を利用して形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
- 前記材料の膜がTe−C膜である、請求項6に記載の光ヘッド。
- 前記フィルタは、照射される光の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の膜を利用して形成されている、請求項1に記載の光ヘッド。
- 前記色素がフォトクロミック系色素である、請求項8に記載の光ヘッド。
- 前記フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に設けられている、請求項1に記載の光ヘッド。
- 光源と、受光する光に基づいて所定の信号を生成する光検出器と、前記光源から出射された光ビームを集光して所定の反射部材に照射する集光光学系と、前記所定の反射部材からの反射光を前記光検出器に導く再生光学系と、
を備える光ヘッドの製造方法であって、該方法は、
前記再生光学系を、光を所定の集束点に集束させるように構成する工程と、
該集束点の近傍に所定の材料の膜を設ける工程と、
前記再生光学系の少なくとも一部を通過して集束された光を前記所定の材料の膜に照射して、該集束された光の中心近傍の部分を選択的に透過させる光透過領域を有するフィルタを形成する工程とを包含し、
前記所定の材料の膜は、前記再生光学系に含まれていて前記反射光を集束させる集束レンズのレンズ形成面に対向する端面に設けられる、光ヘッドの製造方法。 - 前記所定の反射部材が光ディスク媒体である、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記光ディスク媒体が光磁気ディスク媒体である、請求項12に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記集束レンズのレンズ形成面に対向する前記端面と前記所定の材料の膜との間に、該集束レンズよりも高い屈折率を有する材料の膜を形成する工程をさらに含む、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記所定の材料の膜が、融点が約500℃以下である材料の膜である、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記材料の膜がTe−C膜である、請求項15に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記所定の材料の膜は、照射される光の光エネルギーによって透過率が可逆的に変化する色素の膜である、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記色素がフォトクロミック系色素である、請求項17に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記フィルタの前記光透過領域は、前記再生光学系の光軸と該フィルタとが垂直な位置関係で配置されている場合の集束点からオフセットした位置に設けられる、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記フィルタの前記光透過領域を、前記反射部材で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって形成する、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記反射部材として光ディスク媒体を使用し、該光ディスク媒体で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光によって前記フィルタの前記光透過領域を形成する、請求項20に記載の光ヘッドの製造方法。
- 前記フィルタの形成工程は、
前記所定の反射部材として反射板を置く工程と、
該反射板で反射された後に前記再生光学系を通過してきて集束された前記反射光を前記所定の材料の膜に照射する工程と、
を含む、請求項11に記載の光ヘッドの製造方法。
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