JPH10339210A

JPH10339210A - 駆動が最適化された可動スポイラを備えたドアを有するターボファンエンジンの逆スラスト装置

Info

Publication number: JPH10339210A
Application number: JP10157415A
Authority: JP
Inventors: Patrick Gonidec; パトリツク・ゴニデツク; Guy Bernard Vauchel; ギイ・ベルナール・ボーシエル
Original assignee: Hispano Suiza Aerostructures; Hispano Suiza SA
Current assignee: Safran Transmission Systems SAS; Safran Nacelles SAS
Priority date: 1997-06-05
Filing date: 1998-06-05
Publication date: 1998-12-22
Also published as: FR2764340A1; DE69816715D1; EP0882881A1; US6151884A; CA2239462A1; DE69816715T2; FR2764340B1; CA2239462C; EP0882881B1

Abstract

(57)【要約】【課題】各ドア（７）が格納式の可動スポイラ（２
０）を上流端に含む回転ドア（７）を有するターボファ
ンエンジンの逆スラスト装置を提供する。【解決手段】ドア（７）に対する可動スポイラ（２
０）の移動制御手段（２６）は、ドア（７）を開く最初
の段階の間、非作動位置を保持し、スポイラ（２０）が
格納位置に留まり、一方でドア（７）を開き終わる時だ
け、該移動制御手段がスポイラ（２０）を確実に展開す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ターボファンエン
ジンの逆スラスト装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ターボファンエンジンは、いわゆる冷却
二次流を一定方向に導くための管路をファンの後方に備
え、この管路は、ファンの後方にある厳密な意味でのエ
ンジン構造を囲む内壁と、ファンを囲むエンジンカウリ
ングに上流部分が連続する外壁とからなる。この外壁
は、二次流および一次流をその下流部分の一定方向に同
時に導くが、たとえば混合流または合流ナセルの場合に
は高温の一次流の排出手段の後方に導き、その他の場
合、すなわち分流ナセルの場合には、外壁は二次流だけ
を一定方向に導く。

【０００３】推進装置の抗力を最小化するために、エン
ジンの外側すなわちファンを囲むカウリングの外側と、
上記の管路の外壁の外側とを一つの壁で同様に流線型に
囲むことができる。これは航空機の外側に推進装置をは
め込む場合であり、特に、これらの推進装置を翼の下ま
たは胴体の後方に取り付ける場合である。

【０００４】ナセルの外壁からなる全体を外側エンジン
カバーと呼ぶことにする。

【０００５】添付の図１は、このタイプの逆スラスト装
置を、図２の部分斜視図が示すようにターボファンエン
ジンに取り付けた既知の実施形態を示す。

【０００６】逆スラスト装置は、直接ジェット動作にお
ける非作動位置で外側エンジンカバーの一部を構成する
可動部分をなすドア７と、この外側エンジンカバーにお
いて、上流部分１によってドアの上流を、下流部分３に
よってドアの下流を構成するとともに、外側エンジンカ
バーの下流部分３を外側エンジンカバーの上流部分に接
続するビーム１８を介してドア７の間を構成する固定構
造とからなる。ドア７は外側エンジンカバーの外周に取
り付けられ、ドアの側壁の中間ゾーンにおいて、これら
のドアの両側に設けられたビーム１８に回転式に装着さ
れる。ドアの側壁は、ドア７の外部を結合する壁を上流
および下流の壁と共に構成し、ドア７の下部１１でナセ
ルの外壁の一部を構成するとともに、管路の外壁の一部
をなす。

【０００７】固定構造の上流部分１は、たとえばジャッ
キ４からなるドア７の移動制御手段に対して支持手段の
役割をする前フレーム６を含む。

【０００８】作動位置でドア７は回転し、ピボットの下
流に設けられたドア部分が管路を多かれ少なかれ全面的
に塞ぐように、またドアの上流部分が外側エンジンカバ
ー内で通路を解放することにより管路の軸に対して二次
流を径方向に導くことができるようにする。ドア７の上
流部分は、エンジンの動作を妨害せずに二次流が通過で
きるように通路の寸法を決定しなければならないことか
ら、外側エンジンカバーの外部に突出している。ドアの
回転角は、二次流が通過できるように、またこの二次流
のスラストをなくすように、すなわち上流に向かう偏向
二次流の成分を発生することによって逆スラストを発生
し始めるように調整される。既知の実施形態は、たとえ
ばＦＲ１，４８２，５３８号またはＦＲ−Ａ−２，０３
０，０３４号に記載されている。

【０００９】ジャッキによるドアの位置制御はそれ自体
既知であるが、ここでは非常に簡単な解決法を挙げてお
く。それによれば、各ドアにジャッキがあり、このジャ
ッキは、たとえばＦＲ１，４８２，５３８号に記載され
ているように、上流部分では外側エンジンカバーの上流
固定構造に固定され、下流部分では上流部分に位置する
一点でドアに固定される。

【００１０】一般にドア７は、このタイプの逆スラスト
装置に対して、逆スラスト装置がスラスト反転位置にあ
ってドア７が開いたまたは広げた位置にあるとき流れを
逆に導くための偏向装置を備える。偏向装置は特に、側
面部に結合するまたは結合しない前面部からなるディフ
レクタ１３をドアの上流部分に含む。スラストを反転す
る開いた位置でドア７が十分な性能を発揮するために通
常必要なのは、図１に示された既知の例のように、内部
パネル１１の前部が、理論の上の面である外面１４から
径方向に外側に離れることであり、この外面は、矢印１
５によって示された二次ガス流の流れを空気力学的に完
全に連続制限する理論上のケーシングに相当する。かく
して空洞１６がドア７の内側に形成されるが、このとき
空洞は、直接スラストに対応する閉鎖位置にあり、ドア
のディフレクタ１３と固定上流部分１の偏向端８とによ
って前部が、ドアの内部パネル１１の前部によって外側
が、該理論上の面１４によって径方向に内側が画定され
る。それによって流れの一部は該空洞１６の偏向端８に
よって偏向され、流れの歪みおよび空気力学的な損失を
生ずるが、これは、直接スラスト機能において不利であ
る。

【００１１】ＦＲ−Ａ−２，６１８，８５３号は、ドア
７の空洞１６をなくす、または最小化することにより、
この問題への解決法を提案している。これは、ジェット
の反転段階でドアの底からスポイラを突出する位置ま
で、格納式の可動スポイラをドアジャッキで作動するこ
とにより、必要な性能を得るというものである。

【００１２】このシステムは、ドア７の駆動ジャッキの
シャフトまたはスポイラの自動駆動手段に結合されてい
る。ドアを作動し始めるとドアの底からスポイラが出る
が、これはジャッキによりスポイラを駆動する場合のよ
うに徐々に、あるいはばねシステムによりスポイラを自
動的に駆動する場合のようにドアを開ける第一の作動段
階から完全に行われる。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】この解決法の主な欠点
は、ドアを開く間、反転流が通過する断面の一部が隠れ
るため、こうした中間リバース段階の間、エンジン性能
に一定の問題が生じうることにある。

【００１４】本発明による回転ドアを持つ逆スラスト装
置は、従来技術の既知の実施形態におけるこれらの欠点
を解消することを目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】このために、ドアに対す
る可動スポイラの移動制御手段が、ドアを開く最初の段
階の間、非作動位置を保持し、該スポイラが格納位置に
保たれ、一方でドアを開き終わるときだけ、該制御手段
がスポイラを展開することを特徴とする。

【００１６】有利には、ドアに対する可動スポイラの移
動制御手段は、逆スラスト装置の固定構造に結合された
ジャッキまたはコネクティングロッドからなる。該可動
スポイラの該移動制御手段はまた、逆スラスト装置のド
アの移動を制御するジャッキに結合することができる。

【００１７】本発明の構成により、可動スポイラに結合
する空洞のないドアを用いて逆スラスト装置のドアを開
けるときにターボファンエンジンの流量を最適化するこ
とができる。

【００１８】本発明の他の特徴ならびに長所は、添付の
図面に関する本発明による実施形態の下記説明を読め
ば、いっそう明らかになろう。

【００１９】

【発明の実施の形態】図３は、本発明の原理を概略的に
示す。スポイラ２０は、その軸２１を中心に回転する。
当業者が知っている一つまたは複数の自動作動機構、こ
こでは、ばねの他端がドア７に結合された牽引ばね２２
によって示されているが、ドアを開く作動の一部の間ず
っと、逆スラスト装置の固定構造１に結合された固定ス
トッパ２３にスポイラ２０が接するまで、この機構がス
ポイラをドアに対して固定位置に保持し、固定ストッパ
２３により所定の角位置で該スポイラが停止し、一方で
ドア７はジェットが反転する最終位置までその回転を続
ける。このようにして二個の回転の間に差動が生じるこ
とから、スポイラ２０の下部２４が反転ジェット位置で
ドア７の内面を越えることができる。

【００２０】より正確な適用例を図４から８に示した。
可動スポイラ２０は、逆スラスト装置のドア７の上流端
に正面部を含み、ピボット２１の周囲に連結される二個
の側面部を下流に含む。ピボット２１は、ドア７のピボ
ットと同軸にしてもずらしてもよく、スポイラ２０の該
ピボット２１の場所は、所望の反転ジェット性能に達す
るべく決定される最適な場所に設ける。一つ（または複
数の）ジャッキ２６は、駆動軸２８に接続されるピスト
ンが内部を滑動する本体２７を含む。ジャッキ２６は、
逆スラスト装置の固定構造に結合する連結部２９と、ス
ポイラ２０への連結接続部３０との間に配置される。

【００２１】この場合、本体２７内部のばねがスポイラ
２０を作動させる。このばねは、ジャッキ２７に結合さ
れたジャッキ２７の外部、あるいはスポイラ２０および
ドア７の間の他のあらゆる場所に取り付け可能である。

【００２２】可動スポイラ２０は、ドアが開く最初の作
動段階の間ずっと、ドア７の内面に対して格納されたま
まである。スポイラ２０の回転は、たとえばジャッキ２
６の本体２７においてピストンの行程を制限することに
よって停止される。

【００２３】スポイラ２０の作動機構２６の場所または
位置は、所望の最適運動がスポイラ２０の側面部または
正面部で得られるように決定される。

【００２４】図９ないし１１は、本発明の他の実施形態
を示す。図３に関して説明したように、ばねを有する弾
性接続手段３１によってドア７に結合されたスポイラ２
０は、コネクティングロッド３２が、逆スラスト装置ま
たは同じ機能を実施する他のあらゆるシステムの固定構
造１の一部をなす溝３３内を滑動することによって、ド
ア７の回転が終了する前に、その回転作動を停止する。
溝３３の下流端はたとえばコネクティングロッド３２の
並進移動のストッパである。コネクティングロッド３２
は、各スポイラまたはスポイラの各側で使用可能である
ことに留意しなければならない。

【００２５】溝は、直線でも曲線でも、また水平でも傾
斜していても如何なる形に構成してもよく、これらのう
ちの幾つかのパラメータを結合することもできる。

【００２６】図１２および１３は、ドア７のジャッキ４
によりスポイラ４０を駆動する原理を示す。スポイラ４
０は、直接ジェット位置でジャッキ４を覆い、ドア７の
底に備えられたジャッキ収納スペースに挿入される構造
体４４を含む。スポイラ４０の構造体４４は、組み込む
か、はめ込むことができる。このような構造により、反
転ジェット段階でスポイラの上流を補強し、また、ジャ
ッキ４により該スポイラを駆動する連結点４２を与える
ことができる。ピボット４３は、ドア７のジャッキ４の
可動構造における任意の一点で、一つまたは複数のコネ
クティングロッドにより、一つまたは複数の位置決めさ
れた点でスポイラ４０の構造４４を結合することがで
き、その結果として、コネクティングロッド４１の駆動
により、直接ジェットにおけるスポイラ４０の位置とド
ア７に対する反転ジェットにおけるスポイラ４０の位置
との間で角方向の差動が生じるようにする。この原理に
よって、ドアが開放位置にあるとき、ドアに対してスポ
イラが必要に応じて突出する位置決めが可能になる。

【００２７】勿論、上記の全ての原理は、必要があれば
複数の空洞を含むドアに適用できる。

【００２８】図１４によれば、反転ジェット段階でスポ
イラの変形を軽減し、さらにはなくすことができる一つ
または複数の外部ガイド機構４５をドア７に組み合わせ
ることができる。これは、スポイラ２０または４０の上
流の位置または側面位置あるいはその両方で、摩擦、回
転などにより取り付け可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】既知の型の回転ドア付き逆スラスト装置が閉鎖
位置で結合されたターボファンエンジンの、回転軸が通
る面での半縦断面図である。

【図２】図１の逆スラスト装置を、取付位置でドアを閉
じて示したナセルの斜視図である。

【図３】本発明の実施形態の原理を示す図である。

【図４】本発明の実施形態による直接ジェット位置での
逆スラスト装置を示す、図１と同様の図である。

【図５】図４に示された逆スラスト装置の前方からの斜
視図である。

【図６】図４の装置の、ドアを開く中間段階を示す図で
ある。

【図７】図４の装置の、ジェットの反転段階を示す図で
ある。

【図８】図７で示された逆スラスト装置の前方からのの
斜視図である。

【図９】本発明の他の実施形態を、図４と同様に示す図
である。

【図１０】本発明の他の実施形態を、図６と同様に示す
図である。

【図１１】本発明の他の実施形態を、図７と同様に示す
図である。

【図１２】ドアジャッキによるスポイラの駆動法を示す
第１の図である。

【図１３】ドアジャッキによるスポイラの駆動法を示す
第２の図である。

【図１４】スポイラのガイド方法を示す図である。

【符号の説明】

１固定構造の上流部分３下流部分４ジャッキ７回転ドア２０可動スポイラ２１ピボット２６移動制御手段２７本体２９固定連結部３０連結接続部

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】直接ジェット動作の際にターボジェット
エンジンのファン後方の流管の外壁に閉鎖位置で組み込
み可能であり、さらに、逆スラスト動作の際に流の偏向
障害物を構成するように、ジャッキ（４）の作用でそれ
ぞれが回転可能である回転ドア（７）を含み、ドア
（７）は固定長手方向ビーム（１８）によって分離さ
れ、各ドア（７）は、移動制御手段に結合された格納式
の可動スポイラ（２０；４０）をその上流端に含んでお
り、直接ジェットの際にドア（７）が閉じる場合、スポ
イラ（２０；４０）が格納位置をとり、反転ジェットの
際にドア（７）が開く場合、スポイラ（２０；４０）が
ドアの底から突出する位置をとる、ターボファンエンジ
ンの逆スラスト装置において、ドア（７）に対する可動
スポイラ（２０；４０）の移動制御手段は、ドア（７）
を開く最初の段階の間、非作動位置を保持し、該スポイ
ラ（２０；４０）が格納位置に留まり、ドア（７）が開
き終わる時だけ、該制御手段がスポイラ（２０）を展開
することを特徴とする逆スラスト装置。
【請求項２】前記可動スポイラ（２０）は、ドアの上
流端に前面部と、下流でピボット（２１）を中心に連結
された二個の側面部を含み、該スポイラ（２０）は、固
定連結部（２９）とスポイラ（２０）への連結接続部
（３０）との間に配置された少なくとも一つのジャッキ
（２６）によって逆スラスト装置の固定構造に接続さ
れ、ジャッキ（２６）のピストン行程制限手段により、
ドア（７）が開き終わるときにスポイラ（２０）が展開
され、ドア（７）とスポイラ（２０）との間のばねによ
る弾性接続によって、ドア（７）を開く最初の作動段階
の間、スポイラ（２０）が格納位置とされることを特徴
とする請求項１に記載の逆スラスト装置。
【請求項３】前記可動スポイラ（２０）は、ドアの上
流端に前面部を含むとともに、下流でピボットを中心に
連結された二個の側面部を含み、該スポイラ（２０）
は、少なくとも一つのコネクティングロッド（３２）に
よって逆スラスト装置の固定構造に接続され、コネクテ
ィングロッドの一端が、該固定構造に配置された溝（３
３）を滑動することによって、ドア（７）を開く最初の
作動段階の間、スポイラ（２０）が、その格納位置を保
持しながら、ばね（３１）による弾性接続によってドア
の移動に従い、ドア（７）が開き終わる時に、コネクテ
ィングロッド（３２）が溝（３３）で止められてスポイ
ラ（２０）を展開することを特徴とする請求項１に記載
の逆スラスト装置。
【請求項４】前記可動スポイラ（４０）は、ドア
（７）の作動ジャッキ（４）を配置したドア（７）の底
の溝に、直接ジェット位置で挿入される構造体（４４）
を含み、スポイラの該構造体（４４）は、該ジャッキ
（４）を被覆し、少なくとも一つのコネクティングロッ
ド（４１）が、スポイラ（４０）の該構造体（４４）に
位置する連結点（４２）と、ドア（７）のジャッキ
（４）の軸に配されたピボット（４３）とを接続し、コ
ネクティングロッド（４１）の長さと、その両端（４
２，４３）の各位置とは、ドア（７）の作動ジャッキ
（４）の軸の移動によって決定され、それによって、ド
ア（７）が開き終わるときにスポイラ（４０）が展開す
る選択された位置を確保することを特徴とする請求項１
に記載の逆スラスト装置。
【請求項５】前記ドア（７）に結合されたガイド装置
（４５）が、スポイラ（２０；４０）の変形を制限する
ように、スポイラ（２０；４０）の移動の間、スポイラ
を支持することを特徴とする請求項１から４のいずれか
一項に記載の逆スラスト装置。