JPH10338863A - 接着剤組成物 - Google Patents

接着剤組成物

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JPH10338863A
JPH10338863A JP15260197A JP15260197A JPH10338863A JP H10338863 A JPH10338863 A JP H10338863A JP 15260197 A JP15260197 A JP 15260197A JP 15260197 A JP15260197 A JP 15260197A JP H10338863 A JPH10338863 A JP H10338863A
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JP
Japan
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adhesive composition
synthetic resin
groups
urethane prepolymer
weight
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JP15260197A
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English (en)
Inventor
Masaya Kobayashi
正也 小林
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被着体選択性が無くプライマーが不要であ
り、且つ、優れた密着力や接着強度及び弾性並びに貯蔵
安定性等を有する1液型の湿気硬化型ウレタン系接着剤
組成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 両末端にイソシアネート基を有するウレ
タンプレポリマーに対し、2個以上の反応性珪素基を有
する合成樹脂化合物及びシラノール縮合触媒が含有され
てなり、且つ、上記両末端にイソシアネート基を有する
ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有量が3
〜16重量%であることを特徴とする接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1液型の湿気硬化型
ウレタン系接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物は、
1液型で作業性が良く、硬化物は優れた接着強度や弾性
等を有するので、接着剤、目地剤、シーリング剤、被覆
剤等(以下、単に「接着剤等」と記す)として広く使用
されている。
【0003】しかし、従来の湿気硬化型ウレタン系接着
剤組成物は、金属やガラス等に対する密着性が十分でな
く、いわゆる被着体選択性があるため、金属やガラス等
に対する密着性を向上させるためには、一般にプライマ
ー(下塗剤)を用いる必要があり、作業性が良くないと
いう問題点がある。
【0004】上記問題点に対応するため、例えば、特開
平7−292059号公報では、プライマーを用いる必
要のないウレタン系接着剤組成物として、「活性のポリ
イソシアネート及びイソシアネート基含有ウレタンプレ
ポリマー、エポキシ樹脂及びケチミンのようなアミンを
必須成分として含有することを特徴とする硬化性組成
物」が提案されている。
【0005】しかし、上記提案による硬化性組成物の場
合、1液化するためにアミンとしてケチミンを用いる
と、ケチミンは水分が存在しなくても微量ではあるがア
ミンとケトンに解離するため、解離したアミンとイソシ
アネートとの反応により、硬化性組成物が粘度上昇を起
こし、貯蔵安定性(経時粘度安定性)が極めて悪くなる
という問題点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、被着体選択性が無くプライマー
が不要であり、且つ、優れた密着力や接着強度及び弾性
並びに貯蔵安定性等を有する1液型の湿気硬化型ウレタ
ン系接着剤組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明(以
下、「第1発明」と記す)による接着剤組成物は、両末
端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーに
対し、2個以上の反応性珪素基を有する合成樹脂化合物
及びシラノール縮合触媒が含有されてなり、且つ、上記
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ー中のイソシアネート基含有量が3〜16重量%である
ことを特徴とする。
【0008】又、請求項2記載の発明(以下、「第2発
明」と記す)による接着剤組成物は、上記第1発明によ
る接着剤組成物において、合成樹脂化合物が2個以上有
する反応性珪素基がメチルジメトキシシリル基であるこ
とを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3記載の発明(以下、「第
3発明」と記す)による接着剤組成物は、上記第1発明
による接着剤組成物において、合成樹脂化合物が2個以
上のメチルジメトキシシリル基を有するポリエーテル系
樹脂であることを特徴とする。
【0010】第1発明による接着剤組成物に用いられる
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーとは、イソシアネート基が水と反応することにより、
ウレア結合を形成しながら硬化し高分子化する化合物で
あり、ポリヒドロキシ化合物とポリイソシアネート化合
物との反応により得られる反応生成物である。
【0011】ウレタンプレポリマーの製造に用いられる
ポリヒドロキシ化合物としては、特に限定されるもので
はないが、ウレタン系化合物の製造に一般的に用いられ
るポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオー
ル、ポリマーポリオール等が挙げられ、好適に用いられ
る。
【0012】上記ポリヒドロキシ化合物は、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0013】ポリエーテル系ポリオールとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、活性水素を2個以
上有する低分子量活性水素化合物の存在下でアルキレン
オキサイドを開環重合させて得られる重合体が挙げら
れ、好適に用いられる
【0014】上記活性水素を2個以上有する低分子量活
性水素化合物としては、特に限定されるものではない
が、例えば、ビスフェノールA、エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、1,6−
ヘキサンジオール等のジオール類;グリセリン、トリメ
チロールプロパン等のトリオール類;エチレンジアミ
ン、ブチレンジアミン等のアミン類等が挙げられ、好適
に用いられる。
【0015】上記活性水素を2個以上有する低分子量活
性水素化合物は、単独で用いられても良いし、2種類以
上が併用されても良い。
【0016】又、上記アルキレンオキサイドとしては、
特に限定されるものではないが、例えば、エチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、
アミレンオキサイド、ヘキシレンオキサイド、テトラヒ
ドロフラン等が挙げられ、好適に用いられる。
【0017】上記アルキレンオキサイドは、単独で用い
られても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0018】ポリエステル系ポリオールとしては、特に
限定されるものではないが、例えば、アジピン酸、アゼ
ライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
琥珀酸等の多塩基酸とビスフェノールA、エチレングリ
コール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキサン
グリコール、ネオペンチルグリコール等の多価アルコー
ルとを脱水縮合して得られる重合体;ε−カプロラクト
ン、α−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンの重
合体;ひまし油、ひまし油とエチレングリコールとの反
応生成物等のようなヒドロキシカルボン酸と上記多価ア
ルコールとの縮合物等が挙げられ、好適に用いられる。
【0019】上記ポリエステル系ポリオールは、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0020】ポリマーポリオールとしては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、上記ポリエーテル系ポリ
オールやポリエステル系ポリオールにアクリロニトリ
ル、スチレン、メチル(メタ)アクリレート等のエチレ
ン性不飽和化合物をグラフト重合して得られるグラフト
重合体;1,2−ポリブタジエンポリオール、1,4−
ポリブタジエンポリオール並びにこれらの水素添加物等
が挙げられ、好適に用いられる。
【0021】上記ポリマーポリオールは、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0022】又、上記ポリマーポリオールの重量平均分
子量は、特に限定されるものではないが、100〜50
000程度であることが好ましく、500〜5000程
度であることがより好ましい。
【0023】ウレタンプレポリマーの製造に用いられる
ポリイソシアネート化合物としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、2,4−トリレンジイソシアネ
ート、フェニレンジイソシアネート、キシレンジイソシ
アネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、イソフォロ
ンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート、エチレンジイソシアネート、メチレンジイソ
シアネート、プロピレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシ
アネート並びにこれらの水素添加物等が挙げられ、好適
に用いられる。
【0024】上記ポリイソシアネート化合物は、単独で
用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0025】第1発明による接着剤組成物に用いられる
ウレタンプレポリマーの製造方法は、特別なものではな
く、例えば、前記ポリヒドロキシ化合物と上記ポリイソ
シアネート化合物とをポリヒドロキシ化合物の有する水
酸基(−OH)に対するポリイソシアネート化合物の有
するイソシアネート基(−NCO)の比率が1より大き
くなるような割合で混合し、60〜100℃程度の温度
で数時間反応させることにより行えば良い。
【0026】第1発明による接着剤組成物においては、
上記両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポ
リマー中のイソシアネート基含有量が3〜16重量%、
好ましくは4〜12重量%、であることが必要である。
【0027】上記イソシアネート基含有量が3重量%未
満であると、得られる接着剤組成物の硬化後の架橋密度
が低くなるため凝集力が不十分となり、逆に16重量%
を超えると、得られる接着剤組成物の硬化時に発泡が起
こり凝集力が低下する。
【0028】第1発明による接着剤組成物は、上述した
両末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基含
有量が3〜16重量%であるウレタンプレポリマーに対
し、2個以上の反応性珪素基を有する合成樹脂化合物及
びシラノール縮合触媒が含有されてなる。
【0029】上記合成樹脂化合物の骨格を形成する化合
物としては、特に限定されるものではないが、例えば、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒ
ドロフラン等の環状エーテルの重合で得られるポリエー
テル系化合物;アジピン酸、テレフタル酸、琥珀酸等の
多塩基酸とビスフェノールA、エチレングリコール、ネ
オペンチルグリコール等の多価アルコールとの縮合重合
体やラクトン類の開環重合体等のポリエステル系化合
物;ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−アクリロニトリル共重合体等のジエン系化合
物;アクリル酸アルキルエステル類をラジカル重合して
得られるポリアクリル酸アルキルエステルやアクリル酸
アルキルエステル類と酢酸ビニル、アクリロニトリル等
との共重合体等のアクリル系化合物等が挙げられ、好適
に用いられるが、なかでも反応性珪素基を導入させ易い
と共に、耐水性が良好であり、且つ、比較的低粘度で取
扱い性が良く、安価でもあるポリエーテル系化合物がよ
り好適に用いられる。
【0030】上記合成樹脂化合物の骨格を形成する化合
物に2個以上導入される反応性珪素基とは、加水分解性
基が結合している珪素原子を含有し、シラノール縮合反
応により架橋可能な基を言う。
【0031】上記反応性珪素基は、合成樹脂化合物の骨
格を形成する化合物の分子末端に導入されても良いし、
側鎖に導入されても良い。
【0032】上記加水分解性基としては、特に限定され
るものではないが、ハロゲン原子、アルコキシ基、アシ
ルオキシ基、アミノオキシ基等が挙げられ、好適に用い
られるが、なかでも加水分解性が中庸(マイルド)であ
り、取扱い性が良好なアルコキシ基がより好適に用いら
れる。
【0033】上記アルコキシ基が結合している珪素原子
を含有する反応性珪素基の具体例としては、特に限定さ
れるものではないが、メチルジメトキシシリル基が挙げ
られ、好適に用いられる。
【0034】両末端にイソシアネート基を有し、イソシ
アネート基含有量が3〜16重量%であるウレタンプレ
ポリマーに対する上記2個以上の反応性珪素基を有する
合成樹脂化合物の含有量は、特に限定されるものではな
いが、ウレタンプレポリマー100重量部に対し、合成
樹脂化合物1〜100重量部であることが好ましい。
【0035】ウレタンプレポリマー100重量部に対す
る合成樹脂化合物の含有量が1重量部未満であると、合
成樹脂化合物による希釈効果が乏しくなって、得られる
接着剤組成物の塗布作業性が低下することがあり、逆に
100重量部を超えると、得られる接着剤組成物の貯蔵
安定性(経時粘度安定性)が悪くなることがある。
【0036】第1発明による接着剤組成物に含有される
シラノール縮合触媒としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ジブチル錫ジラウレイト、ジブチル錫
ジオキサイド、ブチル錫フタレート、ジブチル錫ビスチ
オグリコール酸エステル塩、ジブチル錫ジクロライド等
の有機錫触媒が挙げられ、好適に用いられる。
【0037】上記シラノール縮合触媒は、単独で用いら
れても良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0038】上記シラノール縮合触媒の含有量は、特に
限定されるものではないが、前記2個以上の反応性珪素
基を有する合成樹脂化合物100重量部に対し、シラノ
ール縮合触媒0.3〜5重量部、より好ましくは1〜3
重量部、であることが好ましい。
【0039】2個以上の反応性珪素基を有する合成樹脂
化合物100重量部に対するシラノール縮合触媒の含有
量が0.3重量部未満であると、十分な触媒効果を得ら
れず、逆に5重量部を超えると、もはや触媒効果の向上
は認められないにもかかわらずコスト高となる。
【0040】第1発明による接着剤組成物には、必須成
分である上述の両末端にイソシアネート基を有し、イソ
シアネート基含有量が3〜16重量%であるウレタンプ
レポリマー、2個以上の反応性珪素基を有する合成樹脂
化合物及びシラノール縮合触媒以外に、本発明の課題達
成を阻害しない範囲で必要に応じて、アミン系触媒、充
填剤、チクソ性付与剤、可塑剤、接着性付与剤、安定
剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤等の各種添加剤
の1種もしくは2種以上が含有されていても良い。
【0041】アミン系触媒としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、トリエチルアミン、N−メチル
モルホリンビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテ
ル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレ
ントリアミン、N,N,N’−トリメチルアミノエチル
−エタノールアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチ
ル)エーテル、N−メチル−N’−ジメチルアミノエチ
ルピペラジン、イミダゾール環中の第2級アミン官能基
をシアノエチル基で置換したイミダゾール化合物等が挙
げられ、好適に用いられる。
【0042】上記アミン系触媒は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0043】充填剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、雲母粉末、炭酸カルシウム、表面疎水
化処理炭酸カルシウム、カーボンブラック、タルク、酸
化チタン、ゴム粉末、有機バルーン、無機バルーン、ウ
ォラストナイト等が挙げられ、好適に用いられる。
【0044】上記充填剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0045】又、上記充填剤の形状は、特に限定される
ものではなく、粉末状、鱗片状、球状、塊状、針状等の
いずれの形状であっても良い。
【0046】チクソ性付与剤としては、特に限定される
ものではないが、例えば、コロイド状シリカ、水素添加
ヒマシ油、有機ベントナイト等が挙げられ、好適に用い
られる。
【0047】上記チクソ性付与剤は、単独で用いられて
も良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0048】可塑剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、ジオクチルフタレート(DOP)、ジ
ブチルフタレート、ジラウリルフタレート、ジオクチル
アジペート、ジイソデシルアジペート、トリブチルホス
フェート、トリオクチルホスフェート、アジピン酸プロ
ピレングリコールポリエステル、アジピン酸ブチレング
リコールポリエステル、エポキシ化大豆油、塩素化パラ
フィン、流動パラフィン等が挙げられ、好適に用いられ
る。
【0049】上記可塑剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0050】接着性付与剤としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、チタネート系カップリング剤、
シラン系カップリング剤、チタネート系もしくはシラン
系カップリング剤とポリイソシアネート化合物との反応
生成物等が挙げられ、好適に用いられる。
【0051】上記接着性付与剤は、単独で用いられても
良いし、2種類以上が併用されても良い。
【0052】安定剤としては、特に限定されるものでは
ないが、例えば、商品名「チヌビン327」(チバガイ
ギー社製)、商品名「イルガノックス1010」(チバ
ガイギー社製)、商品名「トミソープ800」(吉富製
薬社製)等が挙げられ、好適に用いられる。
【0053】上記安定剤は、単独で用いられても良い
し、2種類以上が併用されても良い。
【0054】次に、第2発明による接着剤組成物は、上
述した第1発明による接着剤組成物において、合成樹脂
化合物として、2個以上のメチルジメトキシシリル基を
有する合成樹脂化合物が含有されてなる。
【0055】又、第3発明による接着剤組成物は、上述
した第1発明による接着剤組成物において、合成樹脂化
合物として、2個以上のメチルジメトキシシリル基を有
するポリエーテル系樹脂が含有されてなる。
【0056】上記2個以上のメチルジメトキシシリル基
を有するポリエーテル系樹脂の具体例としては、特に限
定されるものではないが、鐘淵化学工業株式会社から市
販されている商品名「サイリルSAT010」、商品名
「サイリルSAT030」、商品名「サイリルSAT2
00」等が挙げられ、好適に用いられる。
【0057】上記2個以上のメチルジメトキシシリル基
を有するポリエーテル系樹脂は、単独で用いられても良
いし、2種類以上が併用されても良い。
【0058】
【作用】第1発明による接着剤組成物は、両末端にイソ
シアネート基を有し、イソシアネート基含有量が特定の
範囲にあるウレタンプレポリマーに対し、2個以上の反
応性珪素基を有する合成樹脂化合物及びシラノール縮合
触媒が含有されてなるので、プライマーを用いることな
く、各種被着体に対し優れた密着性を示し、且つ、優れ
た接着強度や弾性並びに貯蔵安定性等を発揮する。
【0059】又、第2発明による接着剤組成物は、第1
発明による接着剤組成物において、合成樹脂化合物とし
て、2個以上のメチルジメトキシシリル基を有する合成
樹脂化合物が含有されてなるので、プライマーを用いる
ことなく、各種被着体に対しより優れた密着性を示し、
且つ、より優れた接着強度や弾性並びに貯蔵安定性等を
発揮する。
【0060】さらに、第3発明による接着剤組成物は、
第1発明による接着剤組成物において、合成樹脂化合物
として、2個以上のメチルジメトキシシリル基を有する
ポリエーテル系樹脂が含有されてなるので、プライマー
を用いることなく、各種被着体に対し一段と優れた密着
性を示し、且つ、一段と優れた接着強度や弾性並びに貯
蔵安定性等を発揮する。
【0061】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め、以下に実施例をあげるが、本発明はこれら実施例に
限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は「重
量部」を意味する。
【0062】(実施例1)
【0063】(1)接着剤組成物の作製 分子量3000のポリプロピレングリコール(商品名
「アデカポリエーテルP−3000」、旭電化工業社
製)と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート
(「MDI」、住友バイエルウレタン社製)とから合成
した両末端にイソシアネート基を有し、イソシアネート
基含有量が5重量%であるウレタンプレポリマー(A)
100重量部に対し、2個以上のメチルジメトキシシリ
ル基を有するポリエーテル系樹脂(商品名「サイリルS
AT030」、鐘淵化学工業社製)50部、予め120
℃で12時間加熱乾燥した表面疎水化処理炭酸カルシウ
ム(商品名「白艶華CC」、白石カルシウム社製)50
部及びシラノール縮合触媒(商品名「SB−65」、三
共有機合成社製)0.5部を添加し、窒素気流中で、5
0℃に加温し均一に攪拌混合して、初期粘度(20℃)
15300mPa・sの1液型の湿気硬化型ウレタン系
接着剤組成物を得た。
【0064】(2)評価
【0065】上記で得られた接着剤組成物の性能(接
着強度、貯蔵安定性)を以下の方法で評価した。その
結果は表1に示すとおりであった。
【0066】接着強度:櫛目ゴテ(5mm山、10m
mピッチ)を用いて、塗布量が700g/m2 となるよ
うに、接着剤組成物をコンクリート板に塗布し、直ち
に、接合相手の被着体を接着し、40℃で7日間養生し
て供試体を作成した。次いで、20℃の雰囲気下で、得
られた供試体の接着強度を平面引張り法にて引張り速度
50mm/分で測定した。尚、接合相手の被着体として
は、大理石(厚み8mm、45mm×45mm)、磁器
質タイル(厚み8mm、45mm×45mm)及び硬質
塩化ビニル板(厚み5mm、45mm×45mm)の3
種類を用いた。
【0067】貯蔵安定性:20℃の雰囲気下で、BH
型回転粘度計を用い、ローター#6、20rpmの条件
で接着剤組成物の初期粘度を測定した。次いで、接着剤
組成物を密閉容器に入れ、40℃で60日間放置した
後、初期粘度の場合と同様の方法で、貯蔵後(経時後)
の粘度を測定し、初期粘度に対する粘度上昇率を求め
た。
【0068】(実施例2)接着剤組成物の作製におい
て、「アデカポリエーテルP−3000」とMDIとか
ら合成した両末端にイソシアネート基を有し、イソシア
ネート基含有量が12重量%であるウレタンプレポリマ
ー(B)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、初
期粘度(20℃)12500mPa・sの1液型の湿気
硬化型ウレタン系接着剤組成物を得た。
【0069】(比較例1)
【0070】接着剤組成物の作製において、「アデカポ
リエーテルP−3000」とMDIとから合成した両末
端にイソシアネート基を有し、イソシアネート基含有量
が2重量%であるウレタンプレポリマー(C)を用いた
こと以外は実施例1と同様にして、初期粘度(20℃)
38500mPa・sの1液型の湿気硬化型ウレタン系
接着剤組成物を得た。
【0071】(比較例2)接着剤組成物の作製におい
て、「アデカポリエーテルP−3000」とMDIとか
ら合成した両末端にイソシアネート基を有し、イソシア
ネート基含有量が17重量%であるウレタンプレポリマ
ー(D)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、初
期粘度(20℃)10500mPa・sの1液型の湿気
硬化型ウレタン系接着剤組成物を得た。
【0072】(比較例3)接着剤組成物の作製におい
て、「アデカポリエーテルP−3000」とMDIとか
ら合成した両末端にイソシアネート基を有し、イソシア
ネート基含有量が10重量%であるウレタンプレポリマ
ー(E)100部に対し、予め120℃で12時間加熱
乾燥した「白艶華CC」30部のみを添加し、2個以上
の反応性珪素基を有する合成樹脂化合物及びシラノール
縮合触媒を添加しなかったこと以外は実施例1と同様に
して、初期粘度(20℃)25000mPa・sの1液
型の湿気硬化型ウレタン系接着剤組成物を得た。
【0073】実施例2、及び、比較例1〜3で得られた
4種類の接着剤組成物の性能を実施例1と同様にして評
価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0074】
【表1】
【0075】表1に示されるように、本発明による実施
例1又は実施例2の接着剤組成物は、いずれの被着体に
対しても優れた密着力と接着強度を示し、破壊状態は良
好な凝集破壊であった。又、40℃で60日間放置した
後でも粘度上昇は少なく、貯蔵安定性に優れていた。
【0076】これに対し、イソシアネート基含有量が3
重量%未満であるウレタンプレポリマーを用いた比較例
1の接着剤組成物は、貯蔵安定性は優れていたが、硬化
後の凝集力が乏しく、接着強度が低かった。
【0077】又、イソシアネート基含有量が16重量%
を超えるウレタンプレポリマーを用いた比較例2の接着
剤組成物は、硬化時に発泡が起こり凝集力が低下したた
め接着強度が低く、貯蔵安定性もやや劣った。
【0078】さらに、2個以上の反応性珪素基を有する
合成樹脂化合物を含有させなかった比較例3の接着剤組
成物は、貯蔵安定性は優れていたが、磁器質タイル面や
硬質塩化ビニル面からの界面剥離が起こり、これらの被
着体に対する密着力が不十分であった。
【0079】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による接着剤
組成物は、各種被着体に対し優れた密着力を有するの
で、プライマーを用いる必要がない。又、1液型で貯蔵
安定性も優れているので、取扱い作業性が良好であると
共に、硬化後は優れた接着強度や弾性等を発揮するの
で、接着剤、目地剤、シーリング剤、被覆剤等として各
種用途に好適に用いられる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両末端にイソシアネート基を有するウレ
    タンプレポリマーに対し、2個以上の反応性珪素基を有
    する合成樹脂化合物及びシラノール縮合触媒が含有され
    てなり、且つ、上記両末端にイソシアネート基を有する
    ウレタンプレポリマー中のイソシアネート基含有量が3
    〜16重量%であることを特徴とする接着剤組成物。
  2. 【請求項2】 合成樹脂化合物が2個以上有する反応性
    珪素基がメチルジメトキシシリル基であることを特徴と
    する請求項1記載の接着剤組成物。
  3. 【請求項3】 合成樹脂化合物が2個以上のメチルジメ
    トキシシリル基を有するポリエーテル系樹脂であること
    を特徴とする請求項1記載の接着剤組成物。
JP15260197A 1997-06-10 1997-06-10 接着剤組成物 Withdrawn JPH10338863A (ja)

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