JPH10337756A - 成形方法および成形品 - Google Patents

成形方法および成形品

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JPH10337756A
JPH10337756A JP9152118A JP15211897A JPH10337756A JP H10337756 A JPH10337756 A JP H10337756A JP 9152118 A JP9152118 A JP 9152118A JP 15211897 A JP15211897 A JP 15211897A JP H10337756 A JPH10337756 A JP H10337756A
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mold
movable
molding
cavity
molded product
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Tomokazu Abe
知和 阿部
Yoshiaki Saito
義昭 齋藤
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C44/00Shaping by internal pressure generated in the material, e.g. swelling or foaming ; Producing porous or cellular expanded plastics articles
    • B29C44/34Auxiliary operations
    • B29C44/58Moulds
    • B29C44/582Moulds for making undercut articles

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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品の意匠面に優れた外観品質が確保され、
金型製造の便宜が図れ、かつ、成形面の意匠面全体を覆
おう表皮面材が一体成形可能となる成形方法および成形
品の提供。 【解決手段】固定金型11の一部である移動型13を、キャ
ビティ10A に対して進退駆動する金型移動装置20に開口
28を設け、この開口28を通って、射出装置2のノズル2A
が金型20のスプル14に接続されるので、固定金型11およ
び移動型13の境界線の跡は、ゲート14A の跡が形成され
る裏側の面に形成可能となり、成形品の外観品質が確保
される。また、アンダーカット部を回避するための可動
コアは、可動金型12側に設置可能なので、金型10の構造
が簡単なものとなり、金型の製造が容易となるうえ、可
動金型12の成形面全体に表皮面材が装着可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、膨張性を与えた溶
融樹脂で成形された軽量成形品の表面状態の改良を図る
ための成形方法およびこの成形方法で得られる成形品に
関する。
【0002】
【背景技術】
【0003】従来より、熱可塑性樹脂の射出成形品は、
インパネコア、バンパービーム、ドアステップ、ルーフ
・ラック、リア・クォターパネルおよびエアクリーナ・
ケース等の自動車部品、家電製品の部品、日用品、なら
びに、外壁用パネル、間仕切壁用パネルおよびケーブル
・トラフ等の建築・土木用部材等として広く利用されて
いる。このような射出成形品を製造するにあたり、予め
金型内に射出される溶融樹脂に発泡剤または補強用繊維
を含有させておく、あるいは、金型内に射出された溶融
樹脂にガスを注入することにより、金型内の溶融樹脂を
膨張させ、成形品の内部に気泡、空隙または中空部を形
成し、これにより、重量の軽い軽量成形品の製造を図る
ことができる。ここで、金型内の溶融樹脂を膨張させる
際、金型のキャビティを、最初から成形品の大きさに応
じた容積にしておくと、金型内に射出された当初の溶融
樹脂は、容量がキャビティの容積よりも小さく、その
後、膨張して当該キャビティの容積に達するので、金型
内の溶融樹脂全体を射出圧で成形面に押しつけることが
難しく、転写性を確保できない場合がある。
【0004】そこで、転写性を確保するために、射出開
始時には、金型のキャビティを、射出される溶融樹脂の
容量に応じた容積にし、これにより、金型内に射出され
た溶融樹脂全体が射出圧で成形面に押しられるように
し、溶融樹脂の表面に成形面が転写された後、金型のキ
ャビティを拡張し、溶融樹脂を膨張させる手順を採用す
ることが考えられる。金型のキャビティを拡張するにあ
たり、二つに分割された金型のうち、一方の固定金型
を、射出成形機の固定盤側に取り付けるとともに、他方
の可動金型を可動盤に取り付け、可動金型を移動型とし
てキャビティに対して進退可能、かつ、任意の位置に停
止可能に設け、そして、可動金型全体を後退させれば、
キャビティの拡張を行うことができる。あるいは、可動
盤に取り付けられた可動金型に、キャビティに対して進
退可能となった移動型を設け、可動金型の一部を後退さ
せることでも、キャビティの拡張を行うことができる。
ここで、可動金型全体の後退駆動には、可動金型全体を
任意の位置まで駆動するように改造された、射出成形機
の型締装置、あるいは、射出成形機の可動盤および可動
金型の間に介装され、可動金型全体を任意の位置まで駆
動する金型移動装置を利用することができる。このよう
に、可動金型全体を後退させる成形方法によれば、可動
金型の成形面の全面を覆う表皮面材の装着が容易に行え
るので、成形面の意匠面全体を覆おう表皮面材の一体成
形が可能となる。また、可動金型の一部である移動型の
後退には、射出成形機の可動盤および可動金型の間に介
装され、移動型を任意の位置まで駆動する金型移動装置
を利用することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述のように、キャビ
ティを拡張しながら成形を行う成形方法では、可動金型
の後退方向に沿った成形面の面積が、可動金型の後退に
より拡張される。ここで、金型内部に射出された溶融樹
脂は、その表面が成形面と接触すると、熱を奪われて固
化を開始するので、成形中に成形面の面積が拡張される
と、固化を開始した溶融樹脂の表面は、成形面に完全に
追従せず、転写性が不十分となることがある。このた
め、可動金型全体を後退して、キャビティを拡張する従
来の成形方法では、成形品の端面部分を成形する成形面
が、可動金型の後退で拡張されるので、成形品の端面部
分が意匠面となる場合には、外観品質が不十分となるこ
とがあるという問題がある。また、この成形方法では、
可動金型の後退で拡張される成形面は、固定金型と接触
しながら摺動する摺動面となるので、成形品の端面形状
が入り組んだ複雑なものであると、金型の製造が煩雑と
なるという問題がある。さらに、成形品の端面に孔等の
アンダーカット部があると、型開きの際に、アンダーカ
ット部を回避する方向に移動させる可動コアを設ける必
要があり、この可動コアの移動方向が可動金型の移動方
向と交差し、金型の構造が複雑となるので、金型の製造
が困難となりやすいという問題がある。
【0006】一方、可動金型の一部である移動型を後退
して、キャビティを拡張する成形方法によれば、成形品
の内部となるキャビティの内側部分を後退させれば、成
形面が拡張されることがなく、成形品の端面部分が意匠
面となる場合でも、当該端面部分の外観品質が不十分と
なることはない。このような移動型の後退でキャビティ
を拡張すると、移動型の成形面と可動金型の成形面とで
同一面を成形した成形品は、可動金型側の表面に、移動
型と可動金型との境界線の跡が形成される。一方、キャ
ビティ内に溶融樹脂を射出するために、ゲートが設けら
れた固定金型側の表面には、ゲートの跡が形成される。
このため、可動金型側の表面および固定金型側の表面の
いずれを意匠面としても、境界線の跡およびゲートの跡
の一方が必ず当該意匠面に現れるので、成形品の外観品
質が損なわれるという問題がある。また、この成形方法
では、表面に表皮面材が一体化された積層成形品を成形
するにあたり、成形前に、固定金型側に設けられたゲー
トと対向する、可動金型側の成形面に表皮面材を、バキ
ュームによる吸引等で装着している。ここで、可動金型
側の成形面は、成形完了時には、移動型の成形面が可動
金型の成形面と同一面となる位置まで当該移動型が後退
しているが、表皮面材の装着時には、移動型の成形面が
可動金型の成形面よりもキャビティ側に前進した位置に
あり、この状態で表皮面材を装着すると、成形完了時に
は、移動型の後退により、表皮面材が弛んでしまうの
で、可動金型側の成形面全体を覆う一枚の表皮面材を装
着することができず、成形面の意匠面全体を覆おう表皮
面材の一体成形が困難であるという問題がある。
【0007】なお、ゲートの跡は、成形品の端面となる
部分を成形する金型の成形面に開口されたサイドゲート
を採用することで、ゲート跡が目立たなくなるので、外
観品質の低下をある程度抑制できる。しかしながら、サ
イドゲートを採用すると、溶融樹脂を流通させるため
に、金型内部に設けられる流路の長さが長くなり、溶融
樹脂の流動抵抗が増すので、流動抵抗の増大を抑えるた
めに、ゲートの数を増やす必要があり、これにより、金
型構造が複雑になるという問題がある。また、溶融樹脂
内にガスを注入するにあたり、金型内部の溶融樹脂の圧
力分布と、溶融樹脂内部で流動するガスの挙動とには、
所定の関係があるので、サイドゲートを設けた金型で
は、溶融樹脂の流路が長くなることから、射出圧やガス
圧等の成形条件を設定するにあたり、制約が多いという
問題がある。
【0008】本発明の目的は、成形品の意匠面に優れた
外観品質が確保され、金型製造の便宜が図れ、かつ、成
形面の意匠面全体を覆おう表皮面材が一体成形可能とな
る成形方法および成形品を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の第1発明は、成
形装置の固定盤側に取付けられる固定金型と、可動盤側
に取付けられる可動金型とに分割された金型の前記固定
金型側に、溶融樹脂が充填されるキャビティに対して進
退可能となった移動型を設け、この移動型を進退させる
ために、内部が二つに仕切られることにより、前記移動
型の移動方向に沿って並設された二つの圧力室と、ロッ
ドを介して一体化された受圧面の大きさが異なる二枚の
ピストンプレートとを有し、かつ、前記二枚のピストン
プレートおよびロッドには、これらを貫通する開口が設
けられている金型移動装置を設け、この金型移動装置を
前記固定盤と前記移動型との間に介装し、前記金型のキ
ャビティに溶融樹脂を射出する射出装置のノズルが前記
ピストンプレートおよび前記ロッドの前記開口を通っ
て、前記金型のスプルに接続させて、成形品の成形を行
う成形方法であって、前記金型内への膨張性溶融樹脂の
射出を開始した後、前記金型移動装置の作動により、前
記キャビティの容積が成形すべき成形品の寸法に応じた
位置まで前記移動型を後退させることを特徴とする。こ
こで、膨張性溶融樹脂とは、スプリングバック現象を引
き起こす補強用繊維を包含した溶融樹脂、成形時にガス
が注入される溶融樹脂、および、発泡剤を含有した溶融
樹脂等、金型内で膨張可能となった溶融樹脂をいう。な
お、溶融樹脂に膨張性を付与するにあたり、補強用繊維
の含有、発泡剤の含有、および、ガスの注入のいずれか
を単独で用いること、ならびに、これらを複数組み合わ
せることの両方が可能である。
【0010】このような本第1発明では、ゲートを有す
る固定盤側の移動型が前進するので、固定金型の一部分
を移動型としたために、成形品に、固定金型および移動
型の境界線の跡が形成されても、成形品の境界線の跡
は、ゲートを有する固定金型側の成形面で形成されるの
で、ゲートの跡と同じ側の面に形成される。このため、
ゲートおよび境界線の跡は、固定金型側の成形面で成形
された面に両方とも形成されるので、ゲートおよび境界
線の跡が成形される面を、成形品の裏側の面等、意匠面
ではない面に設定しておけば、ゲートおよび境界線の跡
が目立つことがなく、成形品の外観品質が確保されるよ
うになる。また、固定金型の一部分を移動型とすれば、
成形品の端面部分を成形する成形面が拡張されることが
なく、成形品の端面部分の外観品質が損なわれることも
ないうえ、成形品の端面形状が入り組んだ複雑な金型の
製造も容易となる。さらに、成形品の端面に孔等のアン
ダーカット部があっても、固定金型側が移動型となるの
で、アンダーカット部を回避する方向に移動させる可動
コアは、成形時に移動させる必要のない可動金型に設け
れば、金型の構造が複雑となることがなく、この点から
も、金型の製造が容易となる。いずれにしても、成形品
の意匠面は、固定されて、移動型の移動前の状態から動
くことがない。
【0011】以上において、原材料としては、補強用繊
維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットが含まれて
いるもの、および、発泡剤が含まれているもののいずれ
もが採用でき、さらに、補強用繊維および発泡剤の両方
を含むものも採用できる。このような原材料を採用すれ
ば、成形時に移動型を後退し、キャビティを拡張するこ
とで、溶融樹脂が膨張するようになる。この際、原材料
に含有させる補強用繊維としては、長さが2〜100mm
の範囲にされた補強用繊維を採用するのが好ましく、こ
のような補強用繊維を包含した原材料としては、当該補
強繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレットを含
み、前記補強用繊維が当該原材料全体の5〜70重量%
とされたものを採用するのが望ましい。このような原材
料を採用すれば、成形時にスプリングバック現象が確実
に起きるようになり、移動型の後退でキャビティを拡張
することで、溶融樹脂をスプリングバック現象により所
定の大きさまで膨張させることが可能となる。一方、溶
融樹脂を膨張させるには、金型内への樹脂射出が開始さ
れた後、溶融樹脂の内部にガスを注入することでも行え
る。このように成形時にガスを注入しても、成形時に、
移動型の後退でキャビティを拡張することにより、溶融
樹脂が膨張するようになる。
【0012】また、前記移動型の後退を開始する前に、
前記金型移動装置を作動させて、前記移動型を前記キャ
ビティに対して前進させることにより、前記キャビティ
に射出された溶融樹脂を圧縮することが好ましい。この
ように移動型の前進で溶融樹脂を圧縮すれば、圧縮によ
り金型のキャビティ内部に溶融樹脂が充満するようにな
るので、射出圧で溶融樹脂を充満させる必要がなくな
り、成形面の転写性を損なうことなく、射出圧を低く設
定することで、成形品の反り等が未然に防止される。さ
らに、射出成形を開始する前に、成形品の表面に一体化
される表皮面材を、前記金型の前記可動金型に装着する
ことができる。このような表皮面材は、成形時に移動し
ない可動金型の成形面に装着することが可能となるの
で、可動金型側の成形面全体を覆う一枚の表皮面材を装
着すれば、成形面の意匠面全体を覆おう表皮面材を有す
る成形品の一体成形が行える。また、移動型としては、
前記固定金型全体を前記キャビティに対して進退可能に
設けて移動型としたもの、および、前記固定金型の一部
分を移動可能とすることで、この一部分をキャビティに
対して進退可能としたものの、いずれもが採用できる。
ここで、固定金型全体をキャビティに対して進退可能に
設けて移動型としたものを採用すれば、固定金型および
可動金型の両方の成形面に表皮面材を装着することが可
能となるので、成形品の両面のほぼ全面が表皮面材で覆
われた成形品の一体成形が可能となる。ただし、固定金
型に装着される表皮面材には、ゲートに対応した位置
に、溶融樹脂を通過させるための孔が形成される。一
方、固定金型の一部をキャビティに対して進退可能に設
けて移動型としたものを採用すれば、成形品の内部とな
るキャビティの内側部分を移動型が後退するようにな
り、成形面が拡張されることがなく、成形品の端面部分
が意匠面となる場合でも、当該端面部分の外観品質が確
保されるようになる。
【0013】本発明の第2発明は、キャビティに溶融樹
脂を導入するための樹脂射出口と、前記キャビティに対
して進退可能となった移動型とを有する金型に溶融樹脂
を射出して成形された成形品であって、前記移動型によ
り成形された面に前記樹脂射出口の跡が形成され、か
つ、内部に空隙が形成されていることを特徴とする。な
お、ここにおいて、前述の空隙とは、連続した空隙、気
泡状、中空状、あるいは、これらの複数が混在したもの
をいう。このような本第2発明では、ゲートを有する固
定盤側の移動型が前進するので、固定金型の一部分を移
動型としても、境界線の跡およびゲートの跡は、成形品
の同じ側の面に形成され、この面を意匠面ではない面に
設定しておけば、ゲートおよび境界線の跡が目立つこと
がなく、成形品の外観品質が確保される。このため、裏
表が明確に設定される製品に広く応用できるようになる
うえ、樹脂が膨張することから製品の軽量化も達成され
る。従って、自動車部品、家電製品の部品、日用品、な
らびに、外壁用パネル、間仕切壁用パネルおよびケーブ
ル・トラフ等の建築・土木用部材等に適用すれば、外観
品質を損なうことなく、これらの部品の軽量化が可能と
なり、その機械的効率や、組立作業の効率を向上を図る
ことが可能となる。以上において、前記樹脂射出口の跡
が形成された面は、当該成形品の裏側の面であることが
望ましい。このように、樹脂射出口の跡を成形品の裏側
の面に設ければ、成形品の外観品質が確保されるだけで
なく、成形品の表側の面の転写性が向上され、成形品の
表側の面の加工精度が確保されるので、機械部品として
採用すれば、その組立作業の効率向上を図ることが可能
となる。また、成形品の表側の面には、織布、不織布お
よびレザー等の表皮面材を一体化でき、このように表皮
面材を一体化すれば、装飾性の向上および感触の改善等
を図れるようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1には、本発明の第1実施形態
に係る射出成形機1が示されている。この射出成形機1
は、射出装置2のノズル2Aから射出される溶融樹脂を金
型10の内部に充填して成形を行うものである。射出成形
機1には、射出装置2側に固定された固定盤3と、この
固定盤3に対して近接・離隔可能となった可動盤4と、
この可動盤4を固定盤3に対して移動させる型締装置5
と、射出装置2とは反対側に固定された固定プレート6
とが設けられている。射出装置2は、図示しない射出シ
リンダの内部に供給された樹脂ペレットを、図示しない
スクリュで混練しながら可塑化して、この可塑化した溶
融樹脂を先端のノズル2Aから射出するものである。な
お、可動盤4は、対向配置された固定盤3および固定プ
レート6の間に架け渡されたタイバー7に沿って摺動自
在に設けられたものであり、固定プレート6には型締め
用の油圧シリンダ装置8が取り付けられている。型締装
置5は、油圧シリンダ装置8のピストンロッド8Aが連結
されたトグル機構9を有するもので、油圧シリンダ装置
8の押圧力をトグル機構9で増力して可動盤4を駆動し
て、金型10の閉鎖・型締および開放を行うようになって
いる。
【0015】金型10は、射出成形機1の固定盤3側に取
付けられる固定金型11と、可動盤4側に取付けられる可
動金型12と、固定金型11の一部分として設けられた移動
型13とを備えたものである。このうち、移動型13は、金
型10のキャビティ10A に対して進退可能となったもので
あり、固定金型11の中央部分を貫通する貫通孔10B に沿
って摺動可能に設けられている。この移動型13には、射
出装置2からの溶融樹脂をキャビティ10A の内部に導入
するための通路であるスプル14が設けられ、このスプル
14のキャビティ10A 側の端部は、溶融樹脂の射出口であ
るゲート14A となっている。このスプル14には、射出装
置2のノズル2Aが接続され、射出装置2からの溶融樹脂
がゲート14A を通ってキャビティ10A 内に射出されるよ
うになっている。このような金型10で成形される成形品
は、固定金型11側の面に、固定金型11の成形面および移
動型13の成形面の境界線の跡と、ゲート14A の跡とが形
成されるものであり、通常、固定金型11側の面が表側の
面とされ、可動金型12側の面が裏側の面とされる。
【0016】移動型13と固定盤3との間には、移動型13
をキャビティ10A に対して前後に駆動する金型移動装置
20が介装されている。金型移動装置20は、図2に示され
るように、図中の矢印で示される移動型13の移動方向に
沿って並んだ二つの圧力室21, 22が形成されるように、
隔壁23で内部が二つに仕切られたシリンダ24を備えた油
圧シリンダ装置である。シリンダ23の圧力室21, 22の各
々には、二枚のピストンプレート25, 26がそれぞれ設け
られている。ピストンプレート25の受圧面25A は、ピス
トンプレート26の受圧面26A よりも大きく設定されてい
る。これらのピストンプレート25, 26は、所定の直径を
有するロッド27を介して一体化され、全体としてH字状
の断面を有している。ピストンプレート25, 26およびロ
ッド27には、これらの中心を貫通する開口28が設けられ
ている。このうち、ピストンプレート25には、スペーサ
20A を介して移動型13が取付けられている。ここで、
射出装置2のノズル2Aは、開口28を通って、金型10のス
プル14に接続可能となっている。シリンダ23の圧力室2
1, 22は、図1の如く、圧力導入路21A, 22Aを介して油
圧ユニット31に接続され、この油圧ユニット31は、その
動作が制御装置32により制御されるようになっている。
ここで、油圧ユニット31の油圧を圧力室21に加えること
で、ピストンプレート25, 26が前進する一方、油圧ユニ
ット31の油圧を圧力室22に加えることで、ピストンプレ
ート25, 26が後退するようになっている。このピストン
プレート25, 26の進退動作により、移動型13がキャビテ
ィ10A に対して前後に移動するようになっている。
【0017】次に、本実施形態の成形動作(成形手順)
について説明する。本実施形態では、原材料として、発
泡剤を包含する熱可塑性樹脂ペレットが含まれているも
の、および、補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹
脂ペレットが含まれているものの少なくとも一方を採用
する。これにより、金型10内に射出する溶融樹脂に膨張
性を付与する。溶融樹脂としては、熱可塑性のものであ
り、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、A
BS等のような汎用樹脂、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリアセタール等のエンジニアプラスチック、さら
には、これらの樹脂に、タルク等の充填剤、ならびに、
各種の添加剤を含有させたもの等、その他全ての射出成
形可能な高分子材料が採用できる。発泡剤としては、ア
ゾジカルボンアミド等のアゾ化合物、ニトロソ化合物、
スルホニル・ヒドラジド化合物等の有機化合物、重炭酸
ナトリウム等の無機化合物を採用することができる。補
強用繊維としては、ロックウール等のセラミック繊維、
炭素繊維等の無機繊維、ケブラー(商品名)等の有機繊
維および金属繊維のいずれもが採用できるが、特に、ガ
ラス繊維を採用することが望ましい。このような補強用
繊維は、全長が5〜100mmの範囲にされた樹脂ペレッ
トの内部に、その全長と等しい長さとされるとともに、
互いに平行に配列された状態にされて含有されることが
好ましい。なお、補強用繊維の含有量は、原材料全体の
5〜70重量%とするのが望ましい。
【0018】まず、金型10および金型移動装置20を、図
1の如く、一般的な射出成形機1に装着することによ
り、射出膨張成形機とする。この際、金型移動装置20
は、そのピストンプレート25を後退させておく。そし
て、射出成形機1を起動し、射出装置2の射出シリンダ
内に供給された樹脂ペレットの可塑化および混練を開始
する。ここで、射出成形機1を起動し、型締装置5を作
動させて、可動盤4を固定盤3に向かって移動させ、金
型10を閉鎖するとともに、金型移動装置20を作動させ
て、図3に示されるように、金型10のキャビティ10A
が、これから射出される樹脂量に応じた容積となる位置
Uまで、移動型13を移動させて当該位置Uに静止させ、
キャビティ10A の厚さ寸法をt1にする。この状態で、射
出装置20から金型10に溶融樹脂を射出して、キャビティ
10A に溶融樹脂を充満させ、射出圧力で溶融樹脂が金型
10の成形面に向かって押圧されて密着している状態に
し、ここで、溶融樹脂の射出を完了する。溶融樹脂の射
出完了直前、直後、あるいは、射出完了から所定時間が
経過したら、移動型10B を、図4に示されるように、ゆ
っくり後退させ、膨張性が付与された溶融樹脂の膨張を
開始させる。そして、移動型13が、図5に示されるよう
に、金型10のキャビティが成形品に応じた容積となる位
置Vに到達したら、当該移動型13を静止させ、キャビテ
ィ10A の厚さ寸法をt2にする。この状態で、溶融樹脂を
冷却・固化し、所定の冷却時間が経過したら、型締装置
5を作動させて可動盤4を後退させ、金型10を開く。そ
して、金型10の内部から成形品を取出し、成形を完了す
る。以降、必要に応じて、以上のような成形作業を繰り
返す。
【0019】前述のような本実施形態によれば、次のよ
うな効果が得られる。すなわち、ゲート14A を有する固
定盤3側の移動型13を前進させるので、固定金型11およ
び移動型13の境界線の跡が成形品に形成されても、成形
品の境界線の跡は、ゲート14A を有する固定金型11側の
成形面で形成されるので、ゲート14Aの跡と同じ側の面
に形成される。さらに、成形品の表側の面は、成形初期
に形成され、移動型13の移動による影響は受けない。こ
のため、ゲート14Aおよび境界線の跡は、ともに成形品
の裏側の面等、意匠面ではない面に設定可能となり、ゲ
ート14A および境界線の跡が目立つことがなく、成形品
に優れた外観品質を確保することができる。
【0020】また、固定金型11の一部分を移動型13とし
たので、固定金型11全体を移動型とするのと異なり、成
形品の端面部分を成形する成形面が拡張されることがな
く、成形品の端面部分の外観品質が損なわれることもな
いうえ、成形品の端面形状が入り組んだ複雑な金型の製
造を容易に行うことができる。さらに、成形品の端面に
孔等のアンダーカット部があっても、固定金型11側が移
動型13となるので、アンダーカット部を回避する方向に
移動させる可動コアを、成形時に移動させる必要のない
可動金型12に設けることができ、移動方向が交差する可
動部が一部分に集中することが回避され、金型10の構造
が複雑となることがなく、この点からも、金型の製造を
容易に行うことができる。
【0021】また、補強用繊維または発泡剤あるいはそ
の両者を含有させることで、膨張性が付与された溶融樹
脂を金型10内に射出したので、成形時に移動型13の後退
でキャビティ10A を拡張することで、溶融樹脂が膨張す
るようになり、得られる成形品を軽量化できる。この
際、補強用繊維を採用すれば、軽量化とともに、成形品
の強度も向上できる。
【0022】さらに、移動型13の境界線の跡およびゲー
ト14A の跡が、成形品の同じ側の面に形成されるように
したので、この面を意匠面ではない面に設定しておけ
ば、ゲート14A および境界線の跡が目立つことがなく、
成形品の外観品質を確保できるうえ、当該面を成形品の
裏側の面とすれば、成形品の表側の面の転写性が向上さ
れ、成形品の表側の面の加工精度が確保されるので、機
械部品として採用すれば、その組立作業の効率向上を図
ることができる。従って、自動車部品、家電製品の部
品、日用品、ならびに、外壁用パネル、間仕切壁用パネ
ルおよびケーブル・トラフ等の建築・土木用部材等の広
い範囲で適用可能となり、かつ、外観品質を損なうこと
なく、これらの部品の軽量化が可能となり、その機械的
効率や、組立作業の効率向上を図ることができる。
【0023】図6には、本発明の第2実施形態が示され
ている。本実施形態は、第1実施形態における発泡剤ま
たは補強用繊維の含有により、溶融樹脂に膨張性を付与
していたのを、金型内にガスを注入することにより、溶
融樹脂に膨張性を付与したものである。なお、以下の説
明では、既に説明した部材と同じ部材には、同一符号を
付し、その説明を省略もしくは簡略に行う。すなわち、
図6において、移動型13および固定金型11には、キャビ
ティ10A 内にガスを送り込むための通路40, 41がそれぞ
れ設けられている。また、移動型13および固定金型11の
一方(ここでは固定金型11)には、通路40,41の端部を
接続する気室42が設けられている。気室42は、移動型13
の移動方向に沿うとともに、当該移動型13の移動範囲に
応じた長さを有する空間である。これにより、その移動
範囲内のいかなる位置へ移動型13が移動しても、常に通
路40, 41同士が連通するようにされ、成形の開始から完
了までの間において、ガスの注入が自在に行えるように
なっている。
【0024】次に、本実施形態の成形動作(成形手順)
について説明する。まず、型締装置5を作動させて、可
動盤4を固定盤3に向かって移動させ、金型10を閉鎖す
るとともに、金型移動装置20を作動させて、図7に示さ
れるように、キャビティ10A が、これから射出される樹
脂量に応じた容積となる位置Uまで、移動型13を移動さ
せて当該位置Uに静止させ、キャビティ10A の厚さ寸法
をt1にする。この状態で、射出装置20から金型10に溶融
樹脂を射出して、成形品に応じた容積よりも縮小された
キャビティ10A に溶融樹脂を充満させ、射出圧力で溶融
樹脂が金型10の成形面に向かって押圧されて密着してい
る状態にし、ここで、溶融樹脂の射出を完了する。溶融
樹脂の射出完了直前、直後、あるいは、射出完了から所
定時間が経過したら、移動型10B を、図8に示されるよ
うに、ゆっくり後退させるとともに、ガスの注入を開始
して、溶融樹脂に膨張性を付与する。これにより、溶融
樹脂を膨張させる。そして、移動型13が、図9に示され
るように、金型10のキャビティが成形品に応じた容積と
なる位置Vに到達したら、当該移動型13を静止させ、キ
ャビティ10A の厚さ寸法をt2にする。この状態で、溶融
樹脂を冷却・固化し、所定の冷却時間が経過したら、型
締装置5を作動させて可動盤4を後退させ、金型10を開
く。そして、金型10の内部から成形品を取出し、成形を
完了する。以降、必要に応じて、以上のような成形作業
を繰り返す。このような本実施形態においても、前記第
1実施形態と同様な作用、効果を奏することができる。
【0025】
【実施例】次に、本発明の効果を具体的な実施例に基づ
いて説明する。 [実施例1]本実施例1は、前記第1実施形態に基づい
て成形を行う実験である。本実施例1では、以下の原材
料、金型および成形条件等を採用する。 (1) 原材料:ポリプロピレンペレットに発泡剤を添加したもの ポリプロピレンペレット;ブロックタイプ(MI=24g/10分; 230℃,2.16k gf、出光石油化学株式会社製 商品名:IDEMITSU PP J-750HP) 発泡剤;発泡剤含有樹脂ペレット(永和化成工業株式会社製 商品名 ポ リスレンEE106 ) 発泡剤の含有量:樹脂ペレット 100重量部に対し 1.5重量部 (2) 成形機:横型射出成形機(三菱重工業株式会社製850MGW、型締力850t) (3) 金型移動装置:油圧駆動式、最大後退力300t (4) 成形品:平面矩形のコンクリート型枠 寸法:縦 900mm×横 450mm×厚さ12mm (5) 金型:移動型13にダイレクトゲートを一点有する金型 移動型13の成形面の寸法;縦 890mm×横 440mm 固定金型11の側壁の寸法;高さ12mm、厚さ 5mm (6) 成形条件 成形温度 :240℃(射出シリンダ温度) 金型温度 : 30℃ 樹脂の射出時間 : 3.0秒 樹脂の射出圧力 : 60Mpa(ゲ−ジ油圧) 金型に加える型締力 :800t(冷却完了まで一定に保持) キャビティ10A の厚さ寸法(図3,5参照) 射出時の寸法t1 : 4mm 冷却時の寸法t2 : 12mm (移動型のストローク: 8mm) 移動型に加える後退力 :100t 後退速度 : 0.5mm/sec 後退開始タイミング : 2.0秒後(射出完了から) 冷却時間 :120秒
【0026】〔実験結果〕このような本実施例1では、
成形品の意匠面を可動金型12の成形面で成形するように
したので、当該意匠面が平滑なものとなった。また、成
形品は、膨張により厚さ寸法が12mmとなり、所期の値
が達成され、かつ、その比重が0.3となり、発泡倍率
が約3倍となった。このことから、本実施例1によれ
ば、意匠面に優れた外観品質を付与できるうえ、成形品
を軽量化できることが判る。
【0027】[実施例2]本実施例2は、前記第2実施
形態に基づいて成形を行う実験である。本実施例2で
は、溶融樹脂に膨張性を付与するのに、前記実施例1に
おける発泡剤添加の代わりに、ガス注入を行う以外は、
前記実施例1と同様にして成形を行う(このため、ガス
注入条件以外の条件は、前記実施例1を参照のこと)。 (1) 原材料:前記実施例1と同じポリプロピレンペレット (ただし、発泡剤の添加は行わない) (2) ガス注入条件 注入ガス圧力 : 5Mpa ガス注入タイミング : 1.8秒後(射出完了から) ガス注入時間 : 7.0秒 ガス圧保持時間 :100秒
【0028】〔実験結果〕このような本実施例2では、
前記実施例1と同様に、成形品の意匠面を可動金型12の
成形面で成形するようにしたので、当該意匠面が平滑な
ものとなった。また、成形品は、膨張により厚さ寸法が
12mmとなり、所期の値が達成され、かつ、その中空率
が60%となった。このことから、本実施例2によって
も、意匠面に優れた外観品質を付与できるうえ、成形品
を軽量化できることが判る。
【0029】以上、本発明について好適な実施形態およ
び実施例を挙げて説明したが、本発明は、これらの実施
形態および実施例に限られるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変
更が可能である。すなわち、前記実施形態および実施例
では、キャビティが射出される樹脂量に応じた容積とし
た状態で、樹脂射出を行い、射出圧力で溶融樹脂を金型
の成形面に向かって押圧して密着させる射出成形方式を
採用したが、本発明は、このような射出成形方式に限ら
ず、射出圧縮成形方式を採用することができる。
【0030】射出圧縮成形方式としては、例えば、以下
に示す成形手順が採用できる。まず、図10に示される
ように、キャビティ10A が、射出される樹脂量よりも大
きい容積となる位置Xに、移動型13を移動して静止さ
せ、この状態で、キャビティ10A 内に溶融樹脂を射出す
る。溶融樹脂の射出開始後、適宜なタイミングで、移動
型13をキャビティ10A に対して前進させ、図11に示さ
れるように、射出される樹脂量程度の容積となる位置Y
まで移動型13を移動して静止させる。これにより、キャ
ビティ10A 内の溶融樹脂を圧縮し、この圧縮により、溶
融樹脂をキャビティ10A に充満させるとともに、その圧
縮力で溶融樹脂を金型10の成形面に密着させ、当該成形
面を溶融樹脂に転写する。次いで、移動型13の後退を開
始し、溶融樹脂を膨張させ、図12に示されるように、
キャビティ10A が、成形品の容積となる位置Zまで移動
型13を移動して静止し、この状態で、溶融樹脂の冷却・
固化を行う。このようにすれば、移動型13の前進によ
り、キャビティ10A 内の溶融樹脂が圧縮されて、金型10
の成形面が溶融樹脂に転写されるようになるので、射出
圧を低く設定することが可能となり、これにより、成形
品の反り等の発生を未然に防止することが図れるように
なる。
【0031】また、射出成形を開始する前に、成形品の
表面に一体化される表皮面材50を、図13に示されるよ
うに、金型10の可動金型12の成形面に装着してもよい。
この際、金型10の成形面を溶融樹脂に転写するにあた
り、射出圧縮成形方式を採用することが望ましい。この
ように金型10に表皮面材50を装着しておけば、成形面の
意匠面全体が表皮面材50で覆われた成形品を一体成形す
ることができ、成形品の装飾性向上および感触の改善等
を図れるようになる。なお、表皮面材50としては、紙、
織布および不織布等を含む繊維製シート、ならびに、表
面に模様や文字が印刷されたフィルム、塩化ビニル製レ
ザー等の装飾用シート、および、発泡体が裏打ちされた
塩化ビニル製レザー等のクッションシート等を含む合成
樹脂製シートが採用でき、要するに、成形品の用途に応
じた機能を有する表皮面材を適宜選択すればよい。さら
に、移動型としては、固定金型の一部分を移動可能とし
た可動型13に限らず、固定金型全体をキャビティに対し
て進退可能に設け、金型移動装置で駆動するようにし、
この固定金型全体を移動型としてもよい。
【0032】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、成形品の
意匠面に優れた外観品質を確保できるうえ、金型製造の
便宜を図ることができ、かつ、成形面の意匠面全体を覆
おう表皮面材を一体成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る射出成形機の全体
を示す側面図である。
【図2】前記実施形態の要部を示す拡大断面図である。
【図3】前記実施形態に係る成形手順の一工程を示す断
面図である。
【図4】前記成形手順の図3の後の一工程を示す断面図
である。
【図5】前記成形手順の図4の後の一工程を示す断面図
である。
【図6】本発明の第2実施形態の要部を示す図2に相当
する図である。
【図7】前記実施形態に係る成形手順の一工程を示す断
面図である。
【図8】前記成形手順の図7の後の一工程を示す断面図
である。
【図9】前記成形手順の図8の後の一工程を示す断面図
である。
【図10】本発明の変形例に係る成形手順を示す図3に
相当する図である。
【図11】前記成形手順の図10の後の一工程を示す断
面図である。
【図12】前記成形手順の図11の後の一工程を示す断
面図である。
【図13】本発明の異なる変形例に係る成形手順を示す
図3に相当する図である。
【符号の説明】
1 成形装置としての射出成形機 2 射出装置 2A 射出装置のノズル 3 固定盤 4 可動盤 10 金型 10A キャビティ 11 固定金型 12 可動金型 13 移動型 14 スプル 14A 樹脂射出口としてのゲート 20 金型移動装置 21,22 圧力室 27 ロッド 25,26 ピストンプレート 28 開口 40,41 溶融樹脂の内部にガスを注入するための通路 50 表皮面材 V 成形品の寸法に応じた位置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 105:12 B29L 9:00

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】成形装置の固定盤側に取付けられる固定金
    型と、可動盤側に取付けられる可動金型とに分割された
    金型の前記固定金型側に、溶融樹脂が充填されるキャビ
    ティに対して進退可能となった移動型を設け、この移動
    型を進退させるために、内部が二つに仕切られることに
    より、前記移動型の移動方向に沿って並設された二つの
    圧力室と、ロッドを介して一体化された受圧面の大きさ
    が異なる二枚のピストンプレートとを有し、かつ、前記
    二枚のピストンプレートおよびロッドには、これらを貫
    通する開口が設けられている金型移動装置を設け、この
    金型移動装置を前記固定盤と前記移動型との間に介装
    し、前記金型のキャビティに溶融樹脂を射出する射出装
    置のノズルが前記ピストンプレートおよび前記ロッドの
    前記開口を通って、前記金型のスプルに接続させて、成
    形品の成形を行う成形方法であって、 前記金型内への膨張性溶融樹脂の射出を開始した後、前
    記金型移動装置の作動により、前記キャビティの容積が
    成形すべき成形品の寸法に応じた位置まで前記移動型を
    後退させることを特徴とする成形方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の成形方法において、原材
    料として、補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂
    ペレットが含まれていることを特徴とする成形方法。
  3. 【請求項3】請求項1ないし請求項2に記載の成形方法
    において、原材料として、長さが2〜100mmの範囲に
    された補強用繊維を包含する繊維含有熱可塑性樹脂ペレ
    ットが含まれるとともに、前記補強用繊維が当該原材料
    全体の5〜70重量%とされた原材料が採用されている
    ことを特徴とする成形方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    の成形方法において、原材料として、発泡剤が含まれて
    いることを特徴とする成形方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項4のいずれかに記載
    の成形方法において、前記金型内への溶融樹脂の射出を
    開始した後、前記金型に射出された溶融樹脂の内部にガ
    スが注入されることを特徴とする成形方法。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかに記載
    の成形方法において、前記移動型の後退を開始する前
    に、前記金型移動装置を作動させて、前記移動型を前記
    キャビティに対して前進させることにより、前記キャビ
    ティに射出された溶融樹脂を圧縮することを特徴とする
    成形方法。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかに記載
    の成形方法において、射出成形を開始する前に、成形品
    の表面に一体化される表皮面材を、前記金型の前記可動
    金型に装着することを特徴とする成形方法。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の成形方法において、前記固定金型全体が、前記キャビ
    ティに対して進退可能とされて、前記移動型となってい
    ることを特徴とする成形方法。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項7のいずれかに記載
    の成形方法において、前記固定金型の一部分が移動可能
    とされ、この一部分が前記キャビティに対して進退可能
    となった前記移動型とされていることを特徴とする成形
    方法。
  10. 【請求項10】キャビティに溶融樹脂を導入するための
    樹脂射出口と、前記キャビティに対して進退可能となっ
    た移動型とを有する金型に溶融樹脂を射出して成形され
    た成形品であって、 前記移動型により成形された面に前記樹脂射出口の跡が
    形成され、かつ、内部に空隙が形成されていることを特
    徴とする成形品。
  11. 【請求項11】請求項10に記載の成形品において、前
    記樹脂射出口の跡が形成された面は、当該成形品の裏側
    の面であることを特徴とする成形品。
  12. 【請求項12】請求項10または請求項11に記載の成
    形品において、その表側の面に一体化される表皮面材が
    設けられていることを特徴とする成形品。
  13. 【請求項13】請求項10ないし請求項12のいずれか
    に記載の成形品において、前記金型は、成形装置の固定
    盤側に取付けられる固定金型と、可動盤側に取付けられ
    る可動金型とに分割され、前記固定金型全体が、前記キ
    ャビティに対して進退可能とされて、前記移動型となっ
    ていることを特徴とする成形品。
  14. 【請求項14】請求項10ないし請求項12のいずれか
    に記載の成形品において、前記金型は、成形装置の固定
    盤側に取付けられる固定金型と、可動盤側に取付けられ
    る可動金型とに分割され、前記固定金型の一部分が移動
    可能とされ、この一部分が前記キャビティに対して進退
    可能となった前記移動型とされていることを特徴とする
    成形品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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