JPH10337482A - 脱硝触媒の活性再生方法及び装置 - Google Patents

脱硝触媒の活性再生方法及び装置

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JPH10337482A
JPH10337482A JP9150935A JP15093597A JPH10337482A JP H10337482 A JPH10337482 A JP H10337482A JP 9150935 A JP9150935 A JP 9150935A JP 15093597 A JP15093597 A JP 15093597A JP H10337482 A JPH10337482 A JP H10337482A
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由美 早川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、脱硝触媒を洗浄した後の廃
液を再生し、洗浄液として再利用可能な脱硝触媒の活性
再生方法及び装置を提供することである。 【解決手段】 バナジウム分が付着した脱硝触媒を、有
機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液を含む洗浄
液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法
において、洗浄後の廃液にイオンとして溶出したバナジ
ウム分をイオン交換によって除去して上記廃液を再生す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱硝装置の脱硝触
媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等を
含む洗浄液で洗浄してその活性を再生させる脱硝触媒の
活性再生方法及び装置に係り、特に、洗浄後に出る廃液
を再生し、その洗浄性能を回復させて洗浄液として再利
用する脱硝触媒の活性再生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】重油,オリマルジョン等を燃料とするボ
イラ燃焼システムにおいては、排ガス中の窒素酸化物
(NOX )を除去するため、ボイラの後段に脱硝装置が
設けられる(図1の符号1参照)。脱硝装置1内には、
酸化チタンを主成分とするハニカム状の脱硝触媒2が互
いに適当な間隔を取って設置される。この脱硝触媒2の
上流で、アンモニア注入装置3によってアンモニア(還
元剤)が排ガス中に注入される。すると、排ガスが脱硝
触媒2を通過するとき、排ガス中のNOX (主にNO)
がアンモニアによって窒素に還元されて脱硝が行われ
る。
【0003】さて、上述のような脱硝装置1の場合、重
油等の燃料中に含まれるバナジウム(V)分が排ガス中
を飛来して脱硝触媒2に付着して蓄積することにより、
SO3 転化率(SO2 がSO3 に転化される率)が経時
的に上昇し、脱硝装置1出口付近でのSO3 濃度が上昇
する。脱硝装置1から排出される排ガス中のSO3 濃度
が上昇すると、排ガス温度がSO3 の酸露点以下に下が
ったとき後段のダクト(一部のみ図示)等の腐食すなわ
ち酸食を引き起こすと共に、残存NH3 とSO3 とが反
応して生成した酸性硫安(NH4 HSO4 )がダクト閉
塞を引き起こしたり、電気集塵器(EP,図示せず)で
除去しきれなかったヒューム状の酸性硫安が有色煙とな
って煙突(図示せず)から排出される等の問題の原因と
なる。
【0004】つまり、バナジウム分の付着によるSO3
転化率の上昇は、バナジウム分と同様に燃料に含まれる
アルカリ分(Na,K等)の付着によって起こる脱硝率
の低下と共に、脱硝触媒の活性(性能)低下の主な要因
となっている。
【0005】そこで、このように活性の低下した脱硝触
媒の活性を再生するため、一般に、こうした脱硝触媒2
を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から
成る洗浄液で洗浄し、脱硝触媒2に付着したバナジウム
分等を洗い落とすことが行われる。
【0006】そのような洗浄においては、まず脱硝装置
1から脱硝触媒2を取り出すと共に、水で予備洗浄す
る。予備洗浄の済んだ脱硝触媒2は、次に、図1の符号
4で示されるような洗浄槽の中で有機酸水溶液,無機酸
水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄され
る。
【0007】洗浄後、脱硝触媒2は水によって洗浄(す
すぎ洗浄)され、その後、乾燥されてから脱硝装置1内
に戻される。
【0008】一方、洗浄に使用された洗浄液(廃液)
は、重金属イオンなど処理の必要な物質を含むため、洗
浄槽4から抜き出されて適宜処理されてから廃棄され
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の脱
硝触媒の活性再生方法の場合、洗浄後に排出される廃液
は、バナジウム等の重金属を含むため、廃棄する前にこ
れらの重金属を除去する必要がある。又、この廃液は、
COD(chemical oxygen demand)の高い有機酸や、p
H調整の必要な無機酸を含んでいる可能性があり、これ
らを除去・調整するための処理も必要である。
【0010】つまり、従来の脱硝触媒の活性再生方法に
おいては、洗浄後の廃液を廃棄する前に多くの廃液処理
工程を行わなければならないという問題があった。
【0011】又、洗浄に使用した洗浄液の再利用を行わ
ず、洗浄の度に新しい洗浄液を使用するため、薬剤コス
トが高いという問題があった。
【0012】そこで、本発明の目的は、脱硝触媒を洗浄
した後の廃液を再生し、洗浄液として再利用可能な脱硝
触媒の活性再生方法及び装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、バナジウム分が付着した脱硝触媒
を、有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液を含
む洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再
生方法において、洗浄後の廃液にイオンとして溶出した
バナジウム分をイオン交換によって除去して上記廃液を
再生するように構成される。
【0014】請求項2の発明は、バナジウム分が付着し
た脱硝触媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水
溶液を含む洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒
の活性再生装置において、上記洗浄液で満たされ、上記
脱硝触媒を収容する洗浄槽と、上記洗浄槽に上記洗浄液
を供給する洗浄液供給手段と、上記洗浄槽から排出され
る廃液中のバナジウム分をイオン交換によって除去して
上記廃液を再生するイオン交換装置とを備えて構成され
る。
【0015】請求項3の発明は、上記イオン交換装置に
よって再生された廃液を上記洗浄槽に戻して循環する洗
浄液循環手段を上記イオン交換装置及び上記洗浄槽に接
続して設けて構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適実施の形態を
添付図面により説明する。
【0017】石炭,重油,ガス等を燃料とするボイラ燃
焼システムにおいては、排ガス中の窒素酸化物(N
X )を除去するため、ボイラの後段に脱硝装置が設け
られる。
【0018】図1に、そのような脱硝装置1が概略的に
示されている。脱硝装置1の上流側には図示されないボ
イラ等が接続され、その下流側には同じく図示されない
後段の諸装置(エアヒータ,EP,脱硫装置あるいは煙
突等)が接続される。
【0019】脱硝装置1の内部には、酸化チタンを主成
分とする脱硝触媒2が、触媒バスケット(図示せず)に
格納されて設置されている。又、脱硝装置1の入口部に
は、アンモニア注入装置3が図示されるように接続さ
れ、脱硝装置1入口部のダクトを介して脱硝装置1に導
入される排ガス中にアンモニアを注入するように構成さ
れている。
【0020】脱硝装置1に隣接して、図示されるよう
に、使用済みの脱硝触媒2を洗浄するための洗浄槽4が
設置される(図1参照)。洗浄槽4には、脱硝触媒2を
洗浄(本洗浄)するとき、洗浄槽4に有機酸水溶液,無
機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液を洗浄液
として供給する洗浄液供給手段5が接続される。なお、
この洗浄液供給手段5を、有機酸水溶液を供給する有機
酸供給手段と、無機酸水溶液を供給する無機酸供給手段
と、アルカリ水溶液等を供給するアルカリ水溶液供給手
段(いずれも図示せず)とに分離して構成してよいのは
勿論である。洗浄槽4には、また、洗浄槽4内の洗浄液
をポンプ8を介して循環する洗浄液循環手段7が、図示
されるように設けられる。
【0021】洗浄液循環手段7には、又、これに付随し
て、洗浄後に洗浄槽4から排出される洗浄液(廃液)か
ら重金属イオン等を除去して洗浄液として再生するイオ
ン交換装置6が、図示されるように設けられる。
【0022】尚、本実施の形態において、このイオン交
換装置6は、陽イオン交換塔6aもしくは陰イオン交換
塔6bとして構成される。
【0023】陽イオン交換塔6aは、内部に強酸性陽イ
オン交換樹脂(図示せず)を充填した既知の陽イオン交
換塔でよく、又、陰イオン交換塔6bは、内部に強アル
カリ性陰イオン交換樹脂(図示せず)を充填した既知の
陰イオン交換塔でよい。各イオン交換塔6a,6bは、
図1に示されるように、その一方の端部(下部)から廃
液を導入すると共に内部でイオン交換を行い、イオン交
換された液が他方の端部(上部)から排出されて洗浄液
循環手段7に戻されるように構成される。
【0024】又、本実施の形態において、脱硝触媒2に
付着したバナジウム分が陽イオンとして洗浄液中に溶出
する場合(下記参照)は、陽イオン交換塔6aをイオン
交換装置6として使用する。一方、脱硝触媒2に付着し
たバナジウム分が陰イオンとして洗浄液中に溶出する場
合(下記参照)は、陰イオン交換塔6bをイオン交換装
置6として使用する。
【0025】本実施の形態において、イオン交換装置6
は、図示されるように洗浄液循環手段7に付随して設け
られ、廃液を洗浄液循環手段7から導入すると共に再生
後の液を洗浄液循環手段7を介して洗浄槽4に戻すよう
に構成されているが、イオン交換装置6を洗浄液循環手
段7から独立して設け、廃液再生処理を洗浄終了後に単
独に行うように構成してよいのは、勿論である。
【0026】上述の洗浄槽4及びこれに付随の洗浄液供
給手段5,洗浄液循環手段7,ポンプ8,イオン交換装
置6が、本発明の脱硝触媒の活性再生装置10を構成す
る。
【0027】尚、本発明の脱硝触媒の活性再生装置10
を可動に構成し、これを脱硝装置1の脱硝触媒2を洗浄
するときだけ脱硝装置1に隣接した位置に移動させてよ
いのは、勿論である。あるいは、本発明の脱硝触媒の活
性再生装置10を脱硝装置1から離れた場所に設置し、
脱硝装置1から取り外した脱硝触媒2を活性再生装置1
0に移送して洗浄を行ってもよい。
【0028】燃料がボイラで燃焼されて発生した排ガス
が、脱硝装置1に導入される。このときアンモニア注入
装置3によって、排ガスにアンモニアが注入される。脱
硝装置1に導入された排ガス及びアンモニアは、脱硝触
媒2において酸化チタン等の脱硝触媒に接触する。する
と、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOX )及びアン
モニアが脱硝触媒2に接触することにより、NOX (主
にNO)がアンモニアによって窒素に還元されて、脱硝
が行われる。
【0029】このように脱硝処理された排ガスは、後段
の諸装置(脱硫装置,煙突等)に導入されて適宜処理さ
れた後、大気排出される。
【0030】さて、上記の脱硝処理過程において、脱硝
装置1の脱硝触媒2には、燃料中に含まれるバナジウム
(V)分及びアルカリ(Na,K)分が付着して、上述
のようにSO3 転化率が上昇し、触媒の脱硝活性を低下
させる。そこで、こうした脱硝触媒2を有機酸水溶液,
無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄
し、脱硝触媒2に付着したV分等を除去することによ
り、劣化した脱硝触媒2の活性の再生が図られる。
【0031】まず、V分,Na分等が付着して触媒活性
の低下した脱硝触媒2を、クレーン等により脱硝装置1
から取り出し、洗浄前の準備作業として、エアブローに
よる煤塵除去(エアーブロー)及び水による予備洗浄を
行う。エアーブローにより、脱硝触媒2に付着した煤塵
等が除去され、又、水による予備洗浄により、Na分等
のアルカリ分が溶出する。尚、エアーブローについて
は、脱硝触媒2における煤塵の付着状態に応じて、これ
を省略してもよい。
【0032】煤塵及びNa分等を除去された触媒2は、
次に、洗浄槽4内に移される。有機酸水溶液,無機酸水
溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液が、洗浄液供給
手段5によって洗浄槽4内に供給される。このとき、有
機酸水溶液と、無機酸水溶液と、アルカリ水溶液とを、
それぞれ別々の供給手段によって洗浄槽4内に供給して
よいのは勿論である。洗浄槽4内に供給された洗浄液
は、洗浄液循環手段7により、ポンプ8を介して適宜循
環される。この結果、洗浄槽4内を流れる洗浄液によ
り、脱硝触媒2が効果的に洗浄される(本洗浄)。
【0033】上記の本洗浄において、洗浄槽4に例えば
クエン酸等の有機酸水溶液及び硫酸等の無機酸水溶液が
供給された場合、洗浄槽4内に酸性且つ還元性の雰囲気
がもたらされる。そして、この酸性且つ還元性の雰囲気
においては、図2に示されるようにバナジウムが陽イオ
ンとしてイオン化し易くなるので、脱硝触媒2に付着し
ていたバナジウム分が陽イオンとして洗浄液中に溶出
し、結果的にバナジウム分等が脱硝触媒2から除去され
る。
【0034】又、洗浄槽4に例えばH2 2 等の酸化剤
水溶液とNaOH水溶液等のアルカリ水溶液とが供給さ
れた場合、洗浄槽4内にアルカリ性且つ酸化性の雰囲気
がもたらされる。そして、このアルカリ性且つ酸化性の
雰囲気においては、図2に示されるようにバナジウムが
陰イオンとしてイオン化し易くなるので、脱硝触媒2に
付着していたバナジウム分が陰イオンとして洗浄液中に
溶出し、この場合も、結果的にバナジウム分等が脱硝触
媒2から除去される。
【0035】なお、洗浄時間,固液比(洗浄液の体積/
触媒の体積)は、洗浄液中の薬剤の種類,その濃度,洗
浄される触媒の状態等に応じて、最適な洗浄効果が得ら
れるように適宜変更してよい。洗浄時の温度について
は、一般に、常温でよい(つまり、常温で洗浄しても充
分な洗浄効果が得られる)が、条件によっては比較的高
い温度が必要なこともある。
【0036】このように、脱硝触媒2を脱硝触媒活性再
生装置10により、有機酸水溶液,無機酸水溶液,アル
カリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄することにより、脱
硝触媒2に付着したV分が効果的に洗い落とされ、その
結果、脱硝率がフレッシュな触媒以上のレベルに回復す
ると共に、SO3 転化率が大きく減少し、SO3 転化率
においてもほぼ完全に使用前のフレッシュな状態に戻る
(再生される)。
【0037】上述のように本洗浄が行われ、バナジウム
分が陽イオン(もしくは陰イオン)として洗浄液中に溶
出すると、この陽イオン(もしくは陰イオン)を含んだ
洗浄液(廃液)が洗浄液循環手段7を介して洗浄槽4か
ら抜き出され、イオン交換装置6に導入されて廃液の再
生が行われる。イオン交換装置6で再生されて洗浄性能
を回復した洗浄液は、再び洗浄槽4に導入されて再利用
され、その廃液がイオン交換装置6に送られて、上記の
過程が繰り返される。そこで、以下、この廃液の再生方
法を、イオン交換装置6が洗浄液循環手段7に組み込ま
れて設けられた本実施の形態(図1参照)について説明
する。
【0038】先ず、洗浄液として例えばクエン酸等の有
機酸水溶液及び硫酸等の無機酸水溶液が供給され(洗浄
槽4内は酸性且つ還元性の雰囲気になる)、バナジウム
分が陽イオンとして溶出した場合の廃液処理について述
べる。この場合、上述のように、イオン交換装置6とし
て陽イオン交換塔6aが用いられる。
【0039】陽イオンとしてのバナジウム分を含んだ廃
液は、洗浄槽4から洗浄液循環手段7を介して抜き出さ
れると共に、陽イオン交換塔6aの一方の端部(下部)
に導入される。陽イオン交換塔6aの下部に導入された
廃液は、陽イオン交換塔6a内を通過し、このとき陽イ
オン交換塔6a内部の強酸性陽イオン交換樹脂により、
陽イオンであるバナジウムイオンが除去される。一方、
陰イオン(洗浄液としての有効成分を含む)は、除去さ
れずに陽イオン交換塔6aを通過し、洗浄液循環手段7
を介して再び洗浄槽4に戻される。
【0040】このように陽イオン交換塔6aを介して洗
浄槽4に戻された洗浄液は、陽イオン交換塔6aによっ
てバナジウム分(のみ)が除去されており、これにより
有効成分である有機酸及び無機酸の溶解力が増加してい
るので(すなわち洗浄液としての洗浄性能を回復してい
るので)、再度バナジウム分を陽イオンとして溶出させ
ることが可能であり、よって、洗浄液として再利用でき
る。
【0041】又、陽イオン交換塔6aの陽イオン交換樹
脂に経時的にバナジウム分が蓄積して効率が悪くなった
場合は、塩酸等で再生してその交換性能を回復できる。
その上、この陽イオン交換樹脂の再生時に出る廃液に
は、高濃度のバナジウム分が含まれており、従って、バ
ナジウム分の回収をより簡便かつ効率的に行うことがで
きる。
【0042】次に、洗浄液として例えばH2 2 等の酸
化剤水溶液とNaOH水溶液等のアルカリ水溶液が供給
され(洗浄槽4内はアルカリ性且つ酸化性の雰囲気にな
る)、バナジウム分が陰イオンとして溶出した場合の廃
液処理について述べる。この場合、上述のように、イオ
ン交換装置6として陰イオン交換塔6bが用いられる。
【0043】陰イオンとしてのバナジウム分を含んだ廃
液は、洗浄槽4から洗浄液循環手段7を介して抜き出さ
れると共に、陰イオン交換塔6bの一方の端部(下部)
に導入される。陰イオン交換塔6bの下部に導入された
廃液は、陰イオン交換塔6b内を通過し、このとき陰イ
オン交換塔6b内部の強アルカリ性陰イオン交換樹脂に
より、陰イオンであるバナジウムイオンが除去される。
一方、陽イオン(洗浄液としての有効成分を含む)は、
除去されずに陰イオン交換塔6bを通過し、洗浄液循環
手段7を介して再び洗浄槽4に戻される。
【0044】このように陰イオン交換塔6bを介して洗
浄槽4に戻された洗浄液は、陰イオン交換塔6bによっ
てバナジウム分(のみ)が除去されており、これにより
有効成分である酸化剤及びアルカリ分の溶解力が増加し
ているので(すなわち洗浄液としての洗浄性能を回復し
ているので)、再度バナジウム分を陰イオンとして溶出
させることが可能であり、よって、洗浄液として再利用
できる。
【0045】又、陰イオン交換塔6bの陰イオン交換樹
脂に経時的にバナジウム分が蓄積して効率が悪くなった
場合は、これを適当な薬剤で再生してその交換性能を回
復できる。この陰イオン交換樹脂の再生時に出る廃液に
は、高濃度のバナジウム分が含まれており、従って、バ
ナジウム分の回収をより簡便かつ効率的に行うことがで
きる。
【0046】本実施の形態においては、このように、イ
オン交換装置6としての陽イオン交換塔6a(もしくは
陰イオン交換塔6b)を洗浄液循環手段7の一部として
洗浄液循環手段7に組み込んで廃液の再生を行うので、
洗浄液の(再生)循環サイクルがクローズドサイクルに
なる。すなわち、同じ洗浄液を再生しながら繰り返し利
用するため、洗浄液を廃棄したり、廃棄した分の洗浄液
を新たに導入する必要がない。
【0047】つまり、いったん洗浄液を導入すれば、そ
の後の運転において薬剤を新規に投入・調整する必要が
ほぼなくなる。従って、廃液の再生を行わず本洗浄の度
に薬剤を新たに投入していた従来の方法に較べ、洗浄の
ための薬剤の投入量を著しく減少でき、コスト節減にな
る。
【0048】尚、本発明のイオン交換装置6が洗浄液循
環手段7に組み込まれず、洗浄液循環手段7から独立し
て設けられている場合は(上記参照)、洗浄終了後に洗
浄槽4から洗浄液を抜き取り、これをイオン交換装置6
に導入して再生し、再生された洗浄液を洗浄液循環手段
7もしくは洗浄液供給手段5を介して再び洗浄槽4に導
入する。この場合も、一度使用した洗浄液を再利用し、
よって薬剤の投入量を著しく減少してコスト節減を図れ
る点では、本実施の形態と同様である。
【0049】以上、要するに、本発明によれば、脱硝触
媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等か
らなる洗浄液で洗浄してバナジウム分を溶出させ、触媒
を再生する際に、洗浄後の洗浄液(廃液)からイオン交
換塔等によりバナジウム分を除去して洗浄性能を回復さ
せ、再利用するので、薬剤の投入量を著しく減少してコ
スト節減を図れる。
【0050】又、廃液を再利用しない従来の方法におい
て必要であった有機酸,無機酸等に対する廃棄前の処理
を行わずにすむので、廃液処理工程を簡素化できる。
【0051】又、イオン交換塔等から高濃度のバナジウ
ム分を回収できるので、バナジウム分の回収をより効率
的に行うことができる。
【0052】
【発明の効果】以上、要するに、本発明に係る脱硝触媒
の活性再生方法及び装置によれば、以下の優れた効果が
もたらされる。
【0053】(1) 脱硝触媒を有機酸水溶液,無機酸水溶
液,アルカリ水溶液等からなる洗浄液で洗浄してバナジ
ウム分を溶出させ触媒を再生する際に、洗浄後の洗浄液
(廃液)からイオン交換塔等によりバナジウム分を除去
して洗浄性能を回復させ、再利用するので、薬剤の投入
量を著しく減少してコスト節減を図れる。
【0054】(2) 廃液を再利用しない従来の方法におい
て必要であった有機酸,無機酸等に対する廃棄前の処理
を行わずにすむので、廃液処理工程を簡素化できる。
【0055】(3) イオン交換塔等から高濃度のバナジウ
ム分を回収できるので、バナジウム分の回収をより効率
的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硝触媒の活性再生装置及びこれが付
随する脱硝装置の一部破断概略図である。
【図2】V2 5 (及びその他のバナジウム酸化物)
が、pH及び酸化還元雰囲気の変化に伴いどのようにイ
オン化されるかを示す図である。
【符号の説明】
2 脱硝触媒 4 洗浄槽 5 洗浄液供給手段 6 イオン交換装置 7 洗浄液循環手段 10 脱硝触媒活性再生装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バナジウム分が付着した脱硝触媒を、有
    機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液を含む洗浄
    液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法
    において、洗浄後の廃液にイオンとして溶出したバナジ
    ウム分をイオン交換によって除去して上記廃液を再生す
    ることを特徴とする脱硝触媒の活性再生方法。
  2. 【請求項2】 バナジウム分が付着した脱硝触媒を有機
    酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液を含む洗浄液
    で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生装置に
    おいて、上記洗浄液で満たされ、上記脱硝触媒を収容す
    る洗浄槽と、上記洗浄槽に上記洗浄液を供給する洗浄液
    供給手段と、上記洗浄槽から排出される廃液中のバナジ
    ウム分をイオン交換によって除去して上記廃液を再生す
    るイオン交換装置とを備えたことを特徴とする脱硝触媒
    の活性再生装置。
  3. 【請求項3】 上記イオン交換装置によって再生された
    廃液を上記洗浄槽に戻して循環する洗浄液循環手段を上
    記イオン交換装置及び上記洗浄槽に接続して設けた請求
    項2記載の脱硝触媒の活性再生装置。
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