JP3915173B2 - 脱硝触媒の活性再生方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脱硝装置の脱硝触媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等を含む洗浄液で洗浄してその活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法及び装置に係り、特に、洗浄後に出る廃液を再生し、その洗浄性能を回復させて洗浄液として再利用する脱硝触媒の活性再生方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
重油,オリマルジョン等を燃料とするボイラ燃焼システムにおいては、排ガス中の窒素酸化物(NOX )を除去するため、ボイラの後段に脱硝装置が設けられる(図1の符号1参照)。脱硝装置1内には、酸化チタンを主成分とするハニカム状の脱硝触媒2が互いに適当な間隔を取って設置される。この脱硝触媒2の上流で、アンモニア注入装置3によってアンモニア(還元剤)が排ガス中に注入される。すると、排ガスが脱硝触媒2を通過するとき、排ガス中のNOX (主にNO)がアンモニアによって窒素に還元されて脱硝が行われる。
【0003】
さて、上述のような脱硝装置1の場合、重油等の燃料中に含まれるバナジウム(V)分が排ガス中を飛来して脱硝触媒2に付着して蓄積することにより、SO3 転化率(SO2 がSO3 に転化される率)が経時的に上昇し、脱硝装置1出口付近でのSO3 濃度が上昇する。脱硝装置1から排出される排ガス中のSO3 濃度が上昇すると、排ガス温度がSO3 の酸露点以下に下がったとき後段のダクト(一部のみ図示)等の腐食すなわち酸食を引き起こすと共に、残存NH3 とSO3 とが反応して生成した酸性硫安(NH4 HSO4 )がダクト閉塞を引き起こしたり、電気集塵器(EP,図示せず)で除去しきれなかったヒューム状の酸性硫安が有色煙となって煙突(図示せず)から排出される等の問題の原因となる。
【0004】
つまり、バナジウム分の付着によるSO3 転化率の上昇は、バナジウム分と同様に燃料に含まれるアルカリ分(Na,K等)の付着によって起こる脱硝率の低下と共に、脱硝触媒の活性(性能)低下の主な要因となっている。
【0005】
そこで、このように活性の低下した脱硝触媒の活性を再生するため、一般に、こうした脱硝触媒2を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄し、脱硝触媒2に付着したバナジウム分等を洗い落とすことが行われる。
【0006】
そのような洗浄においては、まず脱硝装置1から脱硝触媒2を取り出すと共に、水で予備洗浄する。予備洗浄の済んだ脱硝触媒2は、次に、図1の符号4で示されるような洗浄槽の中で有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄される。
【0007】
洗浄後、脱硝触媒2は水によって洗浄(すすぎ洗浄)され、その後、乾燥されてから脱硝装置1内に戻される。
【0008】
一方、洗浄に使用された洗浄液(廃液)は、重金属イオンなど処理の必要な物質を含むため、洗浄槽4から抜き出されて適宜処理されてから廃棄される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来の脱硝触媒の活性再生方法の場合、洗浄後に排出される廃液は、バナジウム等の重金属を含むため、廃棄する前にこれらの重金属を除去する必要がある。又、この廃液は、COD(chemical oxygen demand)の高い有機酸や、pH調整の必要な無機酸を含んでいる可能性があり、これらを除去・調整するための処理も必要である。
【0010】
つまり、従来の脱硝触媒の活性再生方法においては、洗浄後の廃液を廃棄する前に多くの廃液処理工程を行わなければならないという問題があった。
【0011】
又、洗浄に使用した洗浄液の再利用を行わず、洗浄の度に新しい洗浄液を使用するため、薬剤コストが高いという問題があった。
【0012】
そこで、本発明の目的は、脱硝触媒を洗浄した後の廃液を再生し、洗浄液として再利用可能な脱硝触媒の活性再生方法及び装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1の発明は、バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法において、上記脱硝触媒を脱硝装置から取り外した後、その脱硝触媒を、水にて予備洗浄してアルカリ分を除去し、その後、有機酸水溶液と無機酸水溶液からなる洗浄液にて、脱硝触媒を、酸性且つ還元性の雰囲気に保って付着したバナジウムを陽イオンとして溶出させて再生し、洗浄後の廃液中に陽イオンとして溶出したバナジウム分を、陽イオン交換によって除去して、廃液を洗浄液として再生するように構成される。
【0014】
請求項2の発明は、バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を、洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法において、上記脱硝触媒を脱硝装置から取り外した後、その脱硝触媒を、水にて予備洗浄してアルカリ分を除去し、その後、酸化剤水溶液とアルカリ水溶液からなる洗浄液にて、脱硝触媒を、アルカリ性且つ酸化性の雰囲気に保って付着したバナジウムを陰イオンとして溶出させて再生し、その洗浄後の廃液中に陰イオンとして溶出したバナジウム分を、陰イオン交換によって除去して、廃液を洗浄液として再生するように構成される。
【0015】
請求項3の発明は、バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を、洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生装置において、脱硝装置から取り外した後の脱硝触媒を、水にて予備洗浄する手段と、脱硝触媒を収容する洗浄槽と、その洗浄槽に、有機酸水溶液と無機酸水溶液からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、上記洗浄槽から排出される廃液中に陽イオンとして溶出したバナジウム分を陽イオン交換によって除去して洗浄液として洗浄槽に戻すイオン交換装置とを備えて構成される。
また、請求項4の発明は、バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を、洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生装置において、脱硝装置から取り外した後の脱硝触媒を、水にて予備洗浄する手段と、脱硝触媒を収容する洗浄槽と、その洗浄槽に、酸化剤水溶液とアルカリ水溶液からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、上記洗浄槽から排出される廃液中に陰イオンとして溶出したバナジウム分を陰イオン交換によって除去して洗浄液として洗浄槽に戻すイオン交換装置とを備えて構成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面により説明する。
【0017】
石炭,重油,ガス等を燃料とするボイラ燃焼システムにおいては、排ガス中の窒素酸化物(NOX )を除去するため、ボイラの後段に脱硝装置が設けられる。
【0018】
図1に、そのような脱硝装置1が概略的に示されている。脱硝装置1の上流側には図示されないボイラ等が接続され、その下流側には同じく図示されない後段の諸装置(エアヒータ,EP,脱硫装置あるいは煙突等)が接続される。
【0019】
脱硝装置1の内部には、酸化チタンを主成分とする脱硝触媒2が、触媒バスケット(図示せず)に格納されて設置されている。又、脱硝装置1の入口部には、アンモニア注入装置3が図示されるように接続され、脱硝装置1入口部のダクトを介して脱硝装置1に導入される排ガス中にアンモニアを注入するように構成されている。
【0020】
脱硝装置1に隣接して、図示されるように、使用済みの脱硝触媒2を洗浄するための洗浄槽4が設置される(図1参照)。洗浄槽4には、脱硝触媒2を洗浄(本洗浄)するとき、洗浄槽4に有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液を洗浄液として供給する洗浄液供給手段5が接続される。なお、この洗浄液供給手段5を、有機酸水溶液を供給する有機酸供給手段と、無機酸水溶液を供給する無機酸供給手段と、アルカリ水溶液等を供給するアルカリ水溶液供給手段(いずれも図示せず)とに分離して構成してよいのは勿論である。洗浄槽4には、また、洗浄槽4内の洗浄液をポンプ8を介して循環する洗浄液循環手段7が、図示されるように設けられる。
【0021】
洗浄液循環手段7には、又、これに付随して、洗浄後に洗浄槽4から排出される洗浄液(廃液)から重金属イオン等を除去して洗浄液として再生するイオン交換装置6が、図示されるように設けられる。
【0022】
尚、本実施の形態において、このイオン交換装置6は、陽イオン交換塔6aもしくは陰イオン交換塔6bとして構成される。
【0023】
陽イオン交換塔6aは、内部に強酸性陽イオン交換樹脂(図示せず)を充填した既知の陽イオン交換塔でよく、又、陰イオン交換塔6bは、内部に強アルカリ性陰イオン交換樹脂(図示せず)を充填した既知の陰イオン交換塔でよい。各イオン交換塔6a,6bは、図1に示されるように、その一方の端部(下部)から廃液を導入すると共に内部でイオン交換を行い、イオン交換された液が他方の端部(上部)から排出されて洗浄液循環手段7に戻されるように構成される。
【0024】
又、本実施の形態において、脱硝触媒2に付着したバナジウム分が陽イオンとして洗浄液中に溶出する場合(下記参照)は、陽イオン交換塔6aをイオン交換装置6として使用する。一方、脱硝触媒2に付着したバナジウム分が陰イオンとして洗浄液中に溶出する場合(下記参照)は、陰イオン交換塔6bをイオン交換装置6として使用する。
【0025】
本実施の形態において、イオン交換装置6は、図示されるように洗浄液循環手段7に付随して設けられ、廃液を洗浄液循環手段7から導入すると共に再生後の液を洗浄液循環手段7を介して洗浄槽4に戻すように構成されているが、イオン交換装置6を洗浄液循環手段7から独立して設け、廃液再生処理を洗浄終了後に単独に行うように構成してよいのは、勿論である。
【0026】
上述の洗浄槽4及びこれに付随の洗浄液供給手段5,洗浄液循環手段7,ポンプ8,イオン交換装置6が、本発明の脱硝触媒の活性再生装置10を構成する。
【0027】
尚、本発明の脱硝触媒の活性再生装置10を可動に構成し、これを脱硝装置1の脱硝触媒2を洗浄するときだけ脱硝装置1に隣接した位置に移動させてよいのは、勿論である。あるいは、本発明の脱硝触媒の活性再生装置10を脱硝装置1から離れた場所に設置し、脱硝装置1から取り外した脱硝触媒2を活性再生装置10に移送して洗浄を行ってもよい。
【0028】
燃料がボイラで燃焼されて発生した排ガスが、脱硝装置1に導入される。このときアンモニア注入装置3によって、排ガスにアンモニアが注入される。脱硝装置1に導入された排ガス及びアンモニアは、脱硝触媒2において酸化チタン等の脱硝触媒に接触する。すると、排ガス中に含まれる窒素酸化物(NOX )及びアンモニアが脱硝触媒2に接触することにより、NOX (主にNO)がアンモニアによって窒素に還元されて、脱硝が行われる。
【0029】
このように脱硝処理された排ガスは、後段の諸装置(脱硫装置,煙突等)に導入されて適宜処理された後、大気排出される。
【0030】
さて、上記の脱硝処理過程において、脱硝装置1の脱硝触媒2には、燃料中に含まれるバナジウム(V)分及びアルカリ(Na,K)分が付着して、上述のようにSO3 転化率が上昇し、触媒の脱硝活性を低下させる。そこで、こうした脱硝触媒2を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄し、脱硝触媒2に付着したV分等を除去することにより、劣化した脱硝触媒2の活性の再生が図られる。
【0031】
まず、V分,Na分等が付着して触媒活性の低下した脱硝触媒2を、クレーン等により脱硝装置1から取り出し、洗浄前の準備作業として、エアブローによる煤塵除去(エアーブロー)及び水による予備洗浄を行う。エアーブローにより、脱硝触媒2に付着した煤塵等が除去され、又、水による予備洗浄により、Na分等のアルカリ分が溶出する。尚、エアーブローについては、脱硝触媒2における煤塵の付着状態に応じて、これを省略してもよい。
【0032】
煤塵及びNa分等を除去された触媒2は、次に、洗浄槽4内に移される。有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液が、洗浄液供給手段5によって洗浄槽4内に供給される。このとき、有機酸水溶液と、無機酸水溶液と、アルカリ水溶液とを、それぞれ別々の供給手段によって洗浄槽4内に供給してよいのは勿論である。洗浄槽4内に供給された洗浄液は、洗浄液循環手段7により、ポンプ8を介して適宜循環される。この結果、洗浄槽4内を流れる洗浄液により、脱硝触媒2が効果的に洗浄される(本洗浄)。
【0033】
上記の本洗浄において、洗浄槽4に例えばクエン酸等の有機酸水溶液及び硫酸等の無機酸水溶液が供給された場合、洗浄槽4内に酸性且つ還元性の雰囲気がもたらされる。そして、この酸性且つ還元性の雰囲気においては、図2に示されるようにバナジウムが陽イオンとしてイオン化し易くなるので、脱硝触媒2に付着していたバナジウム分が陽イオンとして洗浄液中に溶出し、結果的にバナジウム分等が脱硝触媒2から除去される。
【0034】
又、洗浄槽4に例えばH2 2 等の酸化剤水溶液とNaOH水溶液等のアルカリ水溶液とが供給された場合、洗浄槽4内にアルカリ性且つ酸化性の雰囲気がもたらされる。そして、このアルカリ性且つ酸化性の雰囲気においては、図2に示されるようにバナジウムが陰イオンとしてイオン化し易くなるので、脱硝触媒2に付着していたバナジウム分が陰イオンとして洗浄液中に溶出し、この場合も、結果的にバナジウム分等が脱硝触媒2から除去される。
【0035】
なお、洗浄時間,固液比(洗浄液の体積/触媒の体積)は、洗浄液中の薬剤の種類,その濃度,洗浄される触媒の状態等に応じて、最適な洗浄効果が得られるように適宜変更してよい。洗浄時の温度については、一般に、常温でよい(つまり、常温で洗浄しても充分な洗浄効果が得られる)が、条件によっては比較的高い温度が必要なこともある。
【0036】
このように、脱硝触媒2を脱硝触媒活性再生装置10により、有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等から成る洗浄液で洗浄することにより、脱硝触媒2に付着したV分が効果的に洗い落とされ、その結果、脱硝率がフレッシュな触媒以上のレベルに回復すると共に、SO3 転化率が大きく減少し、SO3 転化率においてもほぼ完全に使用前のフレッシュな状態に戻る(再生される)。
【0037】
上述のように本洗浄が行われ、バナジウム分が陽イオン(もしくは陰イオン)として洗浄液中に溶出すると、この陽イオン(もしくは陰イオン)を含んだ洗浄液(廃液)が洗浄液循環手段7を介して洗浄槽4から抜き出され、イオン交換装置6に導入されて廃液の再生が行われる。イオン交換装置6で再生されて洗浄性能を回復した洗浄液は、再び洗浄槽4に導入されて再利用され、その廃液がイオン交換装置6に送られて、上記の過程が繰り返される。そこで、以下、この廃液の再生方法を、イオン交換装置6が洗浄液循環手段7に組み込まれて設けられた本実施の形態(図1参照)について説明する。
【0038】
先ず、洗浄液として例えばクエン酸等の有機酸水溶液及び硫酸等の無機酸水溶液が供給され(洗浄槽4内は酸性且つ還元性の雰囲気になる)、バナジウム分が陽イオンとして溶出した場合の廃液処理について述べる。この場合、上述のように、イオン交換装置6として陽イオン交換塔6aが用いられる。
【0039】
陽イオンとしてのバナジウム分を含んだ廃液は、洗浄槽4から洗浄液循環手段7を介して抜き出されると共に、陽イオン交換塔6aの一方の端部(下部)に導入される。陽イオン交換塔6aの下部に導入された廃液は、陽イオン交換塔6a内を通過し、このとき陽イオン交換塔6a内部の強酸性陽イオン交換樹脂により、陽イオンであるバナジウムイオンが除去される。一方、陰イオン(洗浄液としての有効成分を含む)は、除去されずに陽イオン交換塔6aを通過し、洗浄液循環手段7を介して再び洗浄槽4に戻される。
【0040】
このように陽イオン交換塔6aを介して洗浄槽4に戻された洗浄液は、陽イオン交換塔6aによってバナジウム分(のみ)が除去されており、これにより有効成分である有機酸及び無機酸の溶解力が増加しているので(すなわち洗浄液としての洗浄性能を回復しているので)、再度バナジウム分を陽イオンとして溶出させることが可能であり、よって、洗浄液として再利用できる。
【0041】
又、陽イオン交換塔6aの陽イオン交換樹脂に経時的にバナジウム分が蓄積して効率が悪くなった場合は、塩酸等で再生してその交換性能を回復できる。その上、この陽イオン交換樹脂の再生時に出る廃液には、高濃度のバナジウム分が含まれており、従って、バナジウム分の回収をより簡便かつ効率的に行うことができる。
【0042】
次に、洗浄液として例えばH2 2 等の酸化剤水溶液とNaOH水溶液等のアルカリ水溶液が供給され(洗浄槽4内はアルカリ性且つ酸化性の雰囲気になる)、バナジウム分が陰イオンとして溶出した場合の廃液処理について述べる。この場合、上述のように、イオン交換装置6として陰イオン交換塔6bが用いられる。
【0043】
陰イオンとしてのバナジウム分を含んだ廃液は、洗浄槽4から洗浄液循環手段7を介して抜き出されると共に、陰イオン交換塔6bの一方の端部(下部)に導入される。陰イオン交換塔6bの下部に導入された廃液は、陰イオン交換塔6b内を通過し、このとき陰イオン交換塔6b内部の強アルカリ性陰イオン交換樹脂により、陰イオンであるバナジウムイオンが除去される。一方、陽イオン(洗浄液としての有効成分を含む)は、除去されずに陰イオン交換塔6bを通過し、洗浄液循環手段7を介して再び洗浄槽4に戻される。
【0044】
このように陰イオン交換塔6bを介して洗浄槽4に戻された洗浄液は、陰イオン交換塔6bによってバナジウム分(のみ)が除去されており、これにより有効成分である酸化剤及びアルカリ分の溶解力が増加しているので(すなわち洗浄液としての洗浄性能を回復しているので)、再度バナジウム分を陰イオンとして溶出させることが可能であり、よって、洗浄液として再利用できる。
【0045】
又、陰イオン交換塔6bの陰イオン交換樹脂に経時的にバナジウム分が蓄積して効率が悪くなった場合は、これを適当な薬剤で再生してその交換性能を回復できる。この陰イオン交換樹脂の再生時に出る廃液には、高濃度のバナジウム分が含まれており、従って、バナジウム分の回収をより簡便かつ効率的に行うことができる。
【0046】
本実施の形態においては、このように、イオン交換装置6としての陽イオン交換塔6a(もしくは陰イオン交換塔6b)を洗浄液循環手段7の一部として洗浄液循環手段7に組み込んで廃液の再生を行うので、洗浄液の(再生)循環サイクルがクローズドサイクルになる。すなわち、同じ洗浄液を再生しながら繰り返し利用するため、洗浄液を廃棄したり、廃棄した分の洗浄液を新たに導入する必要がない。
【0047】
つまり、いったん洗浄液を導入すれば、その後の運転において薬剤を新規に投入・調整する必要がほぼなくなる。従って、廃液の再生を行わず本洗浄の度に薬剤を新たに投入していた従来の方法に較べ、洗浄のための薬剤の投入量を著しく減少でき、コスト節減になる。
【0048】
尚、本発明のイオン交換装置6が洗浄液循環手段7に組み込まれず、洗浄液循環手段7から独立して設けられている場合は(上記参照)、洗浄終了後に洗浄槽4から洗浄液を抜き取り、これをイオン交換装置6に導入して再生し、再生された洗浄液を洗浄液循環手段7もしくは洗浄液供給手段5を介して再び洗浄槽4に導入する。この場合も、一度使用した洗浄液を再利用し、よって薬剤の投入量を著しく減少してコスト節減を図れる点では、本実施の形態と同様である。
【0049】
以上、要するに、本発明によれば、脱硝触媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等からなる洗浄液で洗浄してバナジウム分を溶出させ、触媒を再生する際に、洗浄後の洗浄液(廃液)からイオン交換塔等によりバナジウム分を除去して洗浄性能を回復させ、再利用するので、薬剤の投入量を著しく減少してコスト節減を図れる。
【0050】
又、廃液を再利用しない従来の方法において必要であった有機酸,無機酸等に対する廃棄前の処理を行わずにすむので、廃液処理工程を簡素化できる。
【0051】
又、イオン交換塔等から高濃度のバナジウム分を回収できるので、バナジウム分の回収をより効率的に行うことができる。
【0052】
【発明の効果】
以上、要するに、本発明に係る脱硝触媒の活性再生方法及び装置によれば、以下の優れた効果がもたらされる。
【0053】
(1) 脱硝触媒を有機酸水溶液,無機酸水溶液,アルカリ水溶液等からなる洗浄液で洗浄してバナジウム分を溶出させ触媒を再生する際に、洗浄後の洗浄液(廃液)からイオン交換塔等によりバナジウム分を除去して洗浄性能を回復させ、再利用するので、薬剤の投入量を著しく減少してコスト節減を図れる。
【0054】
(2) 廃液を再利用しない従来の方法において必要であった有機酸,無機酸等に対する廃棄前の処理を行わずにすむので、廃液処理工程を簡素化できる。
【0055】
(3) イオン交換塔等から高濃度のバナジウム分を回収できるので、バナジウム分の回収をより効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硝触媒の活性再生装置及びこれが付随する脱硝装置の一部破断概略図である。
【図2】V2 5 (及びその他のバナジウム酸化物)が、pH及び酸化還元雰囲気の変化に伴いどのようにイオン化されるかを示す図である。
【符号の説明】
2 脱硝触媒
4 洗浄槽
5 洗浄液供給手段
6 イオン交換装置
7 洗浄液循環手段
10 脱硝触媒活性再生装置

Claims (4)

  1. バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法において、上記脱硝触媒を脱硝装置から取り外した後、その脱硝触媒を、水にて予備洗浄してアルカリ分を除去し、その後、有機酸水溶液と無機酸水溶液からなる洗浄液にて、脱硝触媒を、酸性且つ還元性の雰囲気に保って付着したバナジウムを陽イオンとして溶出させて再生し、洗浄後の廃液中に陽イオンとして溶出したバナジウム分を、陽イオン交換によって除去して、廃液を洗浄液として再生することを特徴とする脱硝触媒の活性再生方法。
  2. バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生方法において、上記脱硝触媒を脱硝装置から取り外した後、その脱硝触媒を、水にて予備洗浄してアルカリ分を除去し、その後、酸化剤水溶液とアルカリ水溶液からなる洗浄液にて、脱硝触媒を、アルカリ性且つ酸化性の雰囲気に保って付着したバナジウムを陰イオンとして溶出させて再生し、その洗浄後の廃液中に陰イオンとして溶出したバナジウム分を、陰イオン交換によって除去して、廃液を洗浄液として再生することを特徴とする脱硝触媒の活性再生方法。
  3. バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生装置において、脱硝装置から取り外した後の脱硝触媒を、水にて予備洗浄する手段と、脱硝触媒を収容する洗浄槽と、その洗浄槽に、有機酸水溶液と無機酸水溶液からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、上記洗浄槽から排出される廃液中に陽イオンとして溶出したバナジウム分を陽イオン交換によって除去して洗浄液として洗浄槽に戻すイオン交換装置とを備えたことを特徴とする脱硝触媒の活性再生装置。
  4. バナジウム分及びアルカリ分が付着してSO 3 転化率が上昇し、触媒活性が低下した酸化チタンを主成分とする脱硝触媒を、洗浄液で洗浄して活性を再生させる脱硝触媒の活性再生装置において、脱硝装置から取り外した後の脱硝触媒を、水にて予備洗浄する手段と、脱硝触媒を収容する洗浄槽と、その洗浄槽に、酸化剤水溶液とアルカリ水溶液からなる洗浄液を供給する洗浄液供給手段と、上記洗浄槽から排出される廃液中に陰イオンとして溶出したバナジウム分を陰イオン交換によって除去して洗浄液として洗浄槽に戻すイオン交換装置とを備えたことを特徴とする脱硝触媒の活性再生装置。
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