JPH10336822A - ガス絶縁直列コンデンサ装置およびその異常検出方法 - Google Patents

ガス絶縁直列コンデンサ装置およびその異常検出方法

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JPH10336822A
JPH10336822A JP9142127A JP14212797A JPH10336822A JP H10336822 A JPH10336822 A JP H10336822A JP 9142127 A JP9142127 A JP 9142127A JP 14212797 A JP14212797 A JP 14212797A JP H10336822 A JPH10336822 A JP H10336822A
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gas
container
capacitor device
series capacitor
insulated
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JP9142127A
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Takao Yamauchi
高雄 山内
Hiroshi Yamamoto
宏 山本
Hitoshi Sadakuni
仁志 貞國
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形化ならびに信頼性の向上が可能なガス絶
縁直列コンデンサ装置を提供する。 【解決手段】 短絡用開閉器と直列接続された抑制リア
クトル36、非直線抵抗体38および放電コイルを兼ね
た電圧変成器39と並列接続されたコンデンサ35を送
電線間に接続される一対の接続端子間に母線55〜58
を介して接続させて成る直列コンデンサ装置の各構成要
素を、絶縁性ガスがそれぞれ充填された各容器内にそれ
ぞれ収納するとともに各母線55、56および57、5
8を各容器間を連結する母線容器内で往復配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送電線路中に接
続され送電線のリアクタンスを補償するための直列コン
デンサ装置に係り、特にガス絶縁化することにより小形
化ならびに信頼性の向上を図る構成に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図24および図25は例えば昭和49年
電気学会全国大会論文665等で開示された従来の直列
コンデンサ装置の構成を示す単線図および斜視図であ
る。図において、1は接続線2、3を介して送電線に接
続されるコンデンサ、4は直列接続された短絡用開閉器
5と共に両コンデンサ1、1に並列接続された抑制リア
クトル、6、7は両コンデンサ1、1にそれぞれ並列接
続された非直線抵抗体、8、9は両コンデンサ1、1に
それぞれ並列接続された放電コイルを兼ねる電圧変成
器、10は電圧変成器、11は支持碍子、12は抑制リ
アクトル4、非直線抵抗体6、7および電圧変成器8、
9等が載置される架台、13はこの架台12を支持碍子
11を介して支持する基礎部材である。
【0003】従来の直列コンデンサ装置は、図24に示
すようにコンデンサ1が、短絡用開閉器5と直列接続さ
れた抑制リアクトル4、非直線抵抗体6、7および電圧
変成器8、9と並列接続されるとともに、両接続線2、
3を介して送電線間に接続され、送電線のリアクタンス
と直列に入ることによりこれを補償している。そして、
このコンデンサ1は送電線のリアクタンスを補償するた
めには大きな容量を必要とし、関連機器を含めて接続線
が複雑になるとともに、図25に示すように装置自体が
大形化し、耐震性を得るために支持碍子を極めて頑丈に
しなければならないので価格が大幅に高くなる。
【0004】又、支持碍子11で絶縁されて、抑制リア
クトル4、短絡用開閉器5、非直線抵抗体6、7および
電圧変成器8、9等が架台12上に配置され、多数の接
続部が高い位置で気中に露出されているため、降雪や台
風等気象の影響を受けやすく、定期的な点検ならびに部
品交換等の保守に手間を要する。さらに又、図25から
明らかなように外観的に美観上もあまり好ましくなく、
コンデンサ1自体の故障検出精度の確保も困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の直列コンデンサ
装置は以上のように構成されているので、寸法が大き
く、価格が高く、環境の影響を受けやすく、保守点検の
手間を要し、美観上好ましくない等という問題点があっ
た。
【0006】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、小形化、低価格化、信頼性の向
上ならびに美観の向上が可能なガス絶縁直列コンデンサ
装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るガス絶縁直列コンデンサ装置は、短絡用開閉器と直列
接続された抑制リアクトル、非直線抵抗体および放電コ
イルを兼ねた電圧変成器と並列接続されたコンデンサを
送電線間に接続される一対の接続端子間に母線を介して
接続させて成る直列コンデンサ装置の各構成要素を、絶
縁性ガスがそれぞれ充填された各容器内にそれぞれ収納
するとともに母線を各容器間を連結する母線容器内で往
復配置させたものである。
【0008】又、この発明の請求項2に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、母線容器内に
往復配置された一対の母線を、両母線の中心を結ぶ軸線
が垂直軸線に対してほぼ45度傾くように配置したもの
である。
【0009】又、この発明の請求項3に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、一対の接続端
子を、容器の一部に隣接して立設された一対のブッシン
グにそれぞれ接続したものである。
【0010】又、この発明の請求項4に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、一対の接続端
子の一方は容器の一部に立設されたブッシングに接続す
るとともに他方を容器と他のガス絶縁開閉装置の容器と
の間に連結される母線容器内に配置される接続母線を介
して他のガス絶縁開閉装置の母線の一端に接続したもの
である。
【0011】又、この発明の請求項5に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、一対の接続端
子を、容器と他のガス絶縁開閉装置の容器との間に連結
される母線容器内に配置される接続母線を介して他のガ
ス絶縁開閉装置の母線の中間に接続したものである。
【0012】又、この発明の請求項6に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、母線容器内に
往復配置された一対の母線の対応する位置にそれぞれ配
置され両母線を横切る方向に接触可能な一対の固定接触
子と、両母線を横切る方向に摺動し両固定接触子と接触
することにより両固定接触子間を電気的に接続する可動
接触子とでなる断路器を備えたものである。
【0013】又、この発明の請求項7に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、短絡用開閉器
と抑制リアクトルとを同心状に配置し同一容器内に収納
したものである。
【0014】又、この発明の請求項8に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、母線容器内に
往復配置された一対の母線を囲繞するように変流器を配
置したものである。
【0015】又、この発明の請求項9に係るガス絶縁直
列コンデンサ装置は、請求項1において、母線容器内に
往復配置された一対の母線を、三相分が一括してそれぞ
れ対称な位置で同心状に且つ隣接する母線同士の間隔の
うちいずれか一箇所の間隔が残りの他の間隔より広く配
置したものである。
【0016】又、この発明の請求項10に係るガス絶縁
直列コンデンサ装置の異常検出方法は、母線容器内に往
復配置された一対の母線を囲繞するように変流器を配置
し変流器の二次側に大きな電流が誘起されると異常と判
断するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における
ガス絶縁直列コンデンサ装置の構成を示す単線図、図2
は図1におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の機器配置
を示す平面図、図3は図1におけるガス絶縁直列コンデ
ンサ装置の機器配置を示す側面図、図4はこの発明の実
施の形態1におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の図1
とは異なる構成を示す単線図、図5は図4におけるガス
絶縁直列コンデンサ装置の機器配置を示す平面図、図6
は図4におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の図5とは
異なる機器配置を示す平面図、図7はこの発明の実施の
形態1におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の母線の配
置を示す断面図である。
【0018】図において、14はブッシング、15、1
6、17は断路器、18は避雷器、19、20、21は
接地開閉器、63は遮断器で、これら各構成要素14〜
21、60は図1に示すように母線22を介して接続さ
れ、ブッシング14と異なる側から主母線23に接続さ
れている。24、25、26は変流器で、これら15〜
22、24〜26は絶縁ガスが充填された容器内に収納
され、従来より適用されている通常のガス絶縁開閉装置
100を構成している。27、28は接続端子がそれぞ
れ接続される一対のブッシングで、後述の容器の一部に
隣接して立設されている。29、30、31、32、3
3、34は断路器、35はコンデンサ、36、37は直
列接続された抑制リアクトルおよび短絡開閉器、38は
非直線抵抗体、39は放電コイルを兼ねた電圧変成器
で、これら35〜39は並列接続されている。
【0019】40、41は避雷器、42、43は電圧変
成器、44、45、46、47は断路器、48、49、
50、51、52、53、54は変流器で、これら各要
素29〜54はそれぞれ絶縁ガスが充填された容器内に
収納され、各母線55、56、57、58により図1に
示すように接続されている。そして、各一対の母線5
5、56および57、58は各容器間を連結する母線容
器内で往復配置、すなわち、母線55、56および5
7、58をそれぞれ流れる電流の向きが逆方向となるよ
うに配置され、図7に示すように例えば、各母線55、
56の各中心を結ぶ軸線Aが垂直軸線Bに対して45度
傾けて配置されており、これら27〜58はガス絶縁直
列コンデンサ装置200を構成している。59はブッシ
ング14とブッシング28との間を接続する接続線、6
0はブッシング27が接続される送電線、61は引留鉄
塔、62は碍子である。
【0020】次に、上記のように構成されたガス絶縁直
列コンデンサ装置200の動作について説明する。図1
において、まず全ての接地開閉器19〜21、44〜4
7を開、断路器30、32を開、残りの断路器15、1
6、17、29、31、33、34を閉、短絡開閉器3
7を開の状態にすると、電力系統の負荷電流は送電線6
0、ブッシング27、母線55を介して断路器29、母
線58を介して断路器34、コンデンサ35、母線57
を介して断路器33、母線56を介して断路器31、ブ
ッシング28、接続線59、ブッシング14、母線22
を介して断路器15、遮断器63、断路器16、17お
よび主母線23を流れ、送電線のリアクタンスに直列に
コンデンサ35が挿入されて、送電線60のリアクタン
スの補償が行われる。
【0021】このように上記実施の形態1によれば、例
えばコンデンサ35、短絡開閉器37等の構成要素の全
てがガス絶縁化された容器内に収納され、重量物が地上
に近い低い位置に配置されているので、小形化されて耐
震性に優れ、雪や台風等の気象条件の影響を受けず、美
観上も好ましく、接続部が容器内のガス中に置かれてい
るので点検等の手間も不要となる。又、各一対の母線5
5、56および57、58が母線容器内で往復配置とな
り、それぞれを流れる電流の向きが逆方向となっている
ので、それぞれの電流による磁束同士が打ち消し合うた
め外部への影響がなくなり、容器の材料を非磁性とする
必要もなく普通の鉄鋼材が適用できるため、容器を経済
的に製造することができる。
【0022】さらに又、図7に示すように例えば一対の
各母線55、56の中心を結ぶ軸線Aを、垂直軸線Bに
対してほぼ45度傾けて配置しているので、母線58、
57を水平方向に容易に分岐させることができる。な
お、図7は水平方向の分岐であるが、垂直方向にも同様
に容易に分岐させることができるので配置が容易とな
り、さらに、各母線55、56間の絶縁距離L1より分
岐された各母線58、57間の絶縁距離L3の方が短く
なるため、母線容器の内径Dを小さくして小形化を図る
ことが可能になる。なお、母線容器の内径Dは分岐され
た各母線58、57間の絶縁距離L3および各母線5
8、57から母線容器の内面までの絶縁距離L2とによ
り決まる。そして、絶縁距離L3を決める条件は各母線
と並列に入るコンデンサ35の絶縁条件によって決めら
れるが、コンデンサ35の絶縁条件は系統の補償度に応
じたレベルになり、通常系統電圧の絶縁レベルの10%
ないし70%であるため、絶縁距離L3は絶縁距離L2
り相当短くしても問題はない。
【0023】尚、図4に示すように図1におけるガス絶
縁直列コンデンサ装置200に、二期増設分のガス絶縁
直列コンデンサ装置300および三期増設分のガス絶縁
直列コンデンサ装置400を順次増設していくこともで
きる。この場合は、送電容量の小さい時期に送電を停止
して、断路器29、31を開いて断路器30および接地
開閉器44、45を閉じると、母線55、56が電力系
統から切り離されるため、二期増設分ガス絶縁直列コン
デンサ装置300および三期増設分ガス絶縁直列コンデ
ンサ装置400を必要に応じて接続することができる。
すなわち、電力系統の送電容量を順次増やす必要がある
場合、送電容量の増加に応じて補強度を増強することが
できるので、全体の費用が最適となるように建設工事を
進めることができ非常に経済的となる。
【0024】実施の形態2.図8はこの発明の実施の形
態2におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の構成を示す
単線図、図9は図8におけるガス絶縁直列コンデンサ装
置の機器配置を示す側面図である。図から明らかなよう
に、本実施の形態2は上記実施の形態1における場合と
同様に構成されているが、ガス絶縁直列コンデンサ装置
200の両ブッシング27、28が容器の一部に隣接し
て立設されるとともに、ガス絶縁開閉装置100のブッ
シング14の近傍に並べて配置されている。
【0025】このため、例えばガス絶縁直列コンデンサ
装置200の故障により切り離す必要があったり、ガス
絶縁開閉装置100の運転開始後にガス絶縁直列コンデ
ンサ装置200を新設したりする場合、図に示すように
ガス絶縁開閉装置100のブッシング14に送電線60
を接続すれば良く、そして、送電線60の配置を図9に
示すようにすれば、十分な絶縁距離S1を確保すること
ができるため、送電線60が接続された状態でガス絶縁
直列コンデンサ装置200の工事あるいは故障修理が可
能となる。その後、接続線59および送電線60を上記
実施の形態1における図3に示すように接続配置するこ
とにより、ガス絶縁直列コンデンサ装置200の運転を
開始することが可能となり、ガス絶縁直列コンデンサ装
置200の工事あるいは故障修理時の送電停止期間を短
縮することができる。
【0026】実施の形態3.図10はこの発明の実施の
形態3におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の構成を示
す単線図、図11は図10におけるガス絶縁直列コンデ
ンサ装置の機器配置を示す側面図である。図において、
上記各実施の形態1、2におけると同様な部分は同一符
号を付して説明を省略する。63はガス絶縁開閉装置1
00の容器とガス絶縁直列コンデンサ装置200の容器
との間に連結される母線容器64内に配置される接続母
線で、ガス絶縁開閉装置100の母線22とガス絶縁直
列コンデンサ装置200の母線56との間に接続されて
いる。
【0027】このように上記実施の形態3によれば、母
線容器64内に配置される接続母線63により、ガス絶
縁開閉装置100の母線22と、ガス絶縁直列コンデン
サ装置200の母線56との間を接続しているので、上
記実施の形態1における図1に示すブッシング14、2
8、避雷器41、変流器24、49等を省くことができ
るため、原価の低減が可能になるとともに、接続母線6
3が母線容器64内に配置されているため、美観上も好
ましくなる。
【0028】実施の形態4.図12はこの発明の実施の
形態4におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の構成を示
す単線図、図13は図12におけるガス絶縁直列コンデ
ンサ装置の機器配置を示す側面図である。図において、
上記各実施の形態1〜3におけると同様な部分は同一符
号を付して説明を省略する。65、66はガス絶縁開閉
装置100の容器とガス絶縁直列コンデンサ装置200
の容器との間に連結される母線容器67内に往復配置さ
れる接続母線で、ガス絶縁直列コンデンサ装置200の
母線55、56の端部を、ガス絶縁開閉装置100のブ
ッシング14と断路器15との中間に接続している。
【0029】このように上記実施の形態4によれば、母
線容器67内に配置される両接続母線65、66によ
り、ガス絶縁直列コンデンサ装置200の各母線55、
56の端部を、ガス絶縁開閉装置100のブッシング1
4と断路器との中間に接続しているので、上記実施の形
態1における図1に示すブッシング27、28、避雷器
40、41、変流器48、49等を省くことができるた
め、原価の低減が可能になるとともに、接続母線65、
66が母線容器67内に配置されているため、美観上も
好ましくなる。
【0030】実施の形態5.図14はこの発明の実施の
形態5におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の要部を構
成する断路器を示す断面図である。図において、上記各
実施の形態1〜4におけると同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。68は容器間に連結される母線容
器で、内部には両母線55、56が往復配置されてい
る。69、70はこれら両母線55、56の対応する位
置にそれぞれ配置され、両母線55、56を横切る方向
に接触可能な、例えばチューリップコンタクト等でなる
一対の固定接触子、71は駆動機構72により駆動され
両母線55、56を横切る方向に摺動し、両固定接触子
69、70と接触することにより、両固定接触子69、
70間を電気的に接続する可動接触子で、これら69〜
72で例えば図1における断路器30を構成している。
【0031】このように上記実施の形態5によれば、断
路器30を両母線55、56の対応する位置にそれぞれ
配置される一対の固定接触子69、70と、これら両固
定接触子69、70間を接続する可動接触子71とで構
成したので、断路器30を非常にコンパクトにすること
ができ、ひいてはガス絶縁直列コンデンサ装置を小形化
することが可能になる。
【0032】なお、上記では断路器30を構成する場合
について説明したが、例えば図15に示すように、両母
線55、56にそれぞれ相対向して固定接触子73、7
4および75、76を配置するとともに、駆動機構77
により駆動され両母線55、56の延在方向に摺動する
両可動接触子78、79により、これら各固定接触子7
3、74および75、76間を電気的に断、続させて断
路器29、31を構成することも可能である。
【0033】実施の形態6.図16はこの発明の実施の
形態6におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の要部を構
成する短絡開閉器および抑制リアクトルを示す断面図で
ある。図において、上記各実施の形態1〜5におけると
同様な部分は同一符号を付して説明を省略する。80は
容器の中央部に配設される固定接触子、81は一端が母
線58に接続され駆動機構82の駆動により固定接触子
80と接離可能に配設される可動接触子で、固定接触子
80と共に短絡用開閉器37を構成している。83は短
絡用開閉器37を取り囲むように同心状に配置される絶
縁筒、84はこの絶縁筒83に巻回され一端が導体85
を介して固定接触子80に、他端が母線57にそれぞれ
接続されるコイルで、絶縁筒83と共に抑制リアクトル
36を構成している。
【0034】そして、上記のように構成された短絡用開
閉器37は、ガス絶縁直列コンデンサ装置に過大電流が
流れる場合に、コンデンサ35および非直線抵抗体35
を保護するために閉じられる。又、抑制コイル36は所
定の値のインダクタンスを有し、短絡開閉器37が開閉
する際に流れる電流を抑制している。
【0035】このように上記実施の形態6によれば、抑
制リアクトル36が空心コイルであることを利用して、
絶縁筒83の内部に短絡用開閉器37を同心状に配置し
ているので、容器数を削減することができ、ひいてはガ
ス絶縁直列コンデンサ装置を小形化することができる。
【0036】実施の形態7.図17はこの発明の実施の
形態7におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の要部を構
成する変流器を示す断面図である。図において、上記各
実施の形態1〜6におけると同様な部分は同一符号を付
して説明を省略する。86は母線容器68の内側に配設
される円筒状のシールドで、母線容器68との間の隙間
内に変流器48、49を保持収納しており、各変流器4
8、49は両母線55、56を囲繞するように配置され
ている。87は各変流器48、49を外部回路(図示せ
ず)と接続するための端子箱である。
【0037】上記のような構成において、通常時の電流
あるいはガス絶縁直列コンデンサ装置外部の故障による
故障電流が流れている場合は、両母線55、56を流れ
る電流の向きは逆方向となるため、お互いの電流による
電界同士が打ち消し合って、両変流器48、49の二次
側には二次電流が誘起されない。しかしながら、ガス絶
縁直列コンデンサ装置内で故障が発生すると、両母線5
5、56には同一方向の電流が流入するため、両変流器
48、49の二次側には大きな二次電流が誘起される。
したがって、端子箱87を介して外部から両変流器4
8、49の二次電流を監視しておき、大きな二次電流が
流れると保護装置(図示せず)により異常と判断され
て、内部故障が関連した遮断器が開かれて送電線路から
切り離される。
【0038】このように上記実施の形態7によれば、両
変流器48、49を両母線55、56を囲繞するように
配置したので、小形化は勿論のこと、両変流器48、4
9の二次電流を監視することでガス絶縁直列コンデンサ
装置自身の故障を検出することも可能になる。
【0039】実施の形態8.図18はこの発明の実施の
形態8におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の母線配置
構成を示す断面図である。図において、87は母線容
器、88〜93はこの母線容器87内に収納された三相
分の6本の母線で、各母線88〜93同士の間隔のうち
両母線88、93間の間隔Lが、残りの間隔より広く配
置されており、例えば65度ないし90度に設定され、
残りの間隔は残りの角度を5等分した角度でそれぞれ配
置されている。
【0040】このように上記実施の形態8によれば、三
相分の各母線を同心状に配置し、且つ母線同士の間隔の
うちいずれか一箇所の間隔を残りの他の間隔より広く配
置しているので、分岐母線を設ける場合、この広い間隔
の箇所を利用して分岐スペースを確保することが可能と
なる。
【0041】実施の形態9.尚、上記各実施の形態1〜
8では、ガス絶縁直列コンデンサ装置の要部を構成する
各機器の構成について説明したが、これまでに説明して
いない図1における各機器の配置構成について以下に順
次説明する。図19はこの発明の実施の形態9における
ガス絶縁直列コンデンサ装置の避雷器の構成を示す断面
図である。図から明らかなように、避雷器40、41は
容器内に配置され、両導体94、95により各母線5
5、56に接続されている。
【0042】又、図20はこの発明の実施の形態9にお
けるガス絶縁直列コンデンサ装置の電圧変成器の構成を
示す断面図である。図に示すように、電圧変成器39は
容器内に2個配置され、両導体96、97により各母線
57、58に接続されている。なお図20では電圧変成
器39を2個配置しているが、図1に示したように1個
にまとめて配置しても同様である。
【0043】又、図21はこの発明の実施の形態9にお
けるガス絶縁直列コンデンサ装置のコンデンサの構成を
示す断面図である。図に示すように、コンデンサ35を
構成する複数のコンデンサユニット35aが、絶縁棒9
8を介して配置される両シールド99、101間に並列
接続され、これら両シールド99、101は両導体10
2、103により各母線57、58に接続されている。
そして、これらの各機器は絶縁部材104を介して容器
内に絶縁配置されている。
【0044】又、図22はこの発明の実施の形態9にお
けるガス絶縁直列コンデンサ装置の非直線抵抗体の構成
を示す断面図、図23は図22における非直線抵抗体の
図22とは異なる構成を示す断面図である。図22に示
すように、非直線抵抗体38は絶縁管38a内に収納さ
れた非直線抵抗素子38bでなり、両シールド105、
106間に多数並列配置され、これら両シールド10
5、106は各導体107、108を介して各母線5
7、58に接続されている。これらの各機器は絶縁部材
109を介して容器内に絶縁配置されている。さらに図
23に示すように、一方の導体107に変流器54を配
置するようにしても良い。
【0045】このように上記実施の形態9によれば、各
機器を絶縁ガスが充填された容器内に適正配置し、又、
異なる機器を同一容器内に組み合わせ配置しているの
で、容器の小形化ならびに削減ができ、ひいてはガス絶
縁直列コンデンサ装置の小形化が可能になる。
【0046】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、短絡用開閉器と直列接続された抑制リアクトル、
非直線抵抗体および放電コイルを兼ねた電圧変成器と並
列接続されたコンデンサを送電線間に接続される一対の
接続端子間に母線を介して接続させて成る直列コンデン
サ装置の各構成要素を、絶縁性ガスがそれぞれ充填され
た各容器内にそれぞれ収納するとともに母線を各容器間
を連結する母線容器内で往復配置させたので、小形化、
低価格化、信頼性の向上ならびに美観の向上が可能なガ
ス絶縁直列コンデンサ装置を提供することができる。
【0047】又、この発明の請求項2によれば、請求項
1において、母線容器内に往復配置された一対の母線
を、両母線の中心を結ぶ軸線が垂直軸線に対してほぼ4
5度傾くように配置したので、小形化が可能なガス絶縁
直列コンデンサ装置を提供することができる。
【0048】又、この発明の請求項3によれば、請求項
1において、一対の接続端子を、容器の一部に隣接して
立設された一対のブッシングにそれぞれ接続したので、
他のガス絶縁開閉装置に送電線が接続された状態で、工
事あるいは故障修理が可能なガス絶縁直列コンデンサ装
置を提供することができる。
【0049】又、この発明の請求項4によれば、請求項
1において、一対の接続端子の一方は容器の一部に立設
されたブッシングに接続するとともに他方を容器と他の
ガス絶縁開閉装置の容器との間に連結される母線容器内
に配置される接続母線を介して他のガス絶縁開閉装置の
母線の一端に接続したので、原価の低減が可能なガス絶
縁直列コンデンサ装置を提供することができる。
【0050】又、この発明の請求項5によれば、請求項
1において、一対の接続端子を、容器と他のガス絶縁開
閉装置の容器との間に連結される母線容器内に配置され
る接続母線を介して他のガス絶縁開閉装置の母線の中間
に接続したので、原価の低減ならびに美観の向上が可能
なガス絶縁直列コンデンサ装置を提供することができ
る。
【0051】又、この発明の請求項6によれば、請求項
1において、母線容器内に往復配置された一対の母線の
対応する位置にそれぞれ配置され両母線を横切る方向に
接触可能な一対の固定接触子と、両母線を横切る方向に
摺動し両固定接触子と接触することにより両固定接触子
間を電気的に接続する可動接触子とでなる断路器を備え
たので、小形化が可能なガス絶縁直列コンデンサ装置を
提供することができる。
【0052】又、この発明の請求項7によれば、請求項
1において、短絡用開閉器と抑制リアクトルとを同心状
に配置し同一容器内に収納したので、小形化ならびに原
価の低減が可能なガス絶縁直列コンデンサ装置を提供す
ることができる。
【0053】又、この発明の請求項8によれば、請求項
1において、母線容器内に往復配置された一対の母線を
囲繞するように変流器を配置したので、小形化ならびに
信頼性の向上が可能なガス絶縁直列コンデンサ装置を提
供することができる。
【0054】又、この発明の請求項9によれば、請求項
1において、母線容器内に往復配置された一対の母線
を、三相分が一括してそれぞれ対称な位置で同心状に且
つ隣接する母線同士の間隔のうちいずれか一箇所の間隔
が残りの他の間隔より広く配置したので、作業性の向上
が可能なガス絶縁直列コンデンサ装置を提供することが
できる。
【0055】又、この発明の請求項10によれば、母線
容器内に往復配置された一対の母線を囲繞するように変
流器を配置し変流器の二次側に大きな電流が誘起される
と異常と判断するようにしたので、信頼性の向上が可能
なガス絶縁直列コンデンサ装置の異常検出方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるガス絶縁直
列コンデンサ装置の構成を示す単線図である。
【図2】 図1におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の
機器配置を示す平面図である。
【図3】 図1におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の
機器配置を示す側面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるガス絶縁直
列コンデンサ装置の図1とは異なる構成を示す単線図で
ある。
【図5】 図4におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の
機器配置を示す平面図である。
【図6】 図4におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の
図5とは異なる機器配置を示す平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1におけるガス絶縁直
列コンデンサ装置の母線の配置を示す断面図である。
【図8】 この発明の実施の形態2におけるガス絶縁直
列コンデンサ装置の構成を示す単線図である。
【図9】 図8におけるガス絶縁直列コンデンサ装置の
機器配置を示す側面図である。
【図10】 この発明の実施の形態3におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の構成を示す単線図である。
【図11】 図10におけるガス絶縁直列コンデンサ装
置の機器配置を示す側面図である。
【図12】 この発明の実施の形態4におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の構成を示す単線図である。
【図13】 図12におけるガス絶縁直列コンデンサ装
置の機器配置を示す側面図である。
【図14】 この発明の実施の形態5におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の要部を構成する断路器を示す断面
図である。
【図15】 この発明の実施の形態5におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の要部を構成する図14とは異なる
断路器を示す断面図である。
【図16】 この発明の実施の形態6におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の要部を構成する短絡開閉器および
抑制リアクトルを示す断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態7におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の要部を構成する変流器を示す断面
図である。
【図18】 この発明の実施の形態8におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の母線配置構成を示す断面図であ
る。
【図19】 この発明の実施の形態9におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の避雷器の構成を示す断面図であ
る。
【図20】 この発明の実施の形態9におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の電圧変成器の構成を示す断面図で
ある。
【図21】 この発明の実施の形態9におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置のコンデンサの構成を示す断面図で
ある。
【図22】 この発明の実施の形態9におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の非直線抵抗体の構成を示す断面図
である。
【図23】 この発明の実施の形態9におけるガス絶縁
直列コンデンサ装置の非直線抵抗体および変流器の構成
を示す断面図である。
【図24】 従来の直列コンデンサ装置の構成を示す単
線図である。
【図25】 図24における直列コンデンサ装置の機器
配置を示す斜視図である。
【符号の説明】
14,27,28 ブッシング、29〜34 断路器、
35 コンデンサ、35a コンデンサユニット、36
抑制リアクトル、37 短絡用開閉器、38 非直線
抵抗体、39 電圧変成器、40,41 避雷器、4
8,49 変流器、55〜58 母線、59 接続線、
60 送電線、63,65,66 接続母線、64,6
7,68 母線容器、69,70,73〜76,80
固定接触子、71,78,79,81 可動接触子、8
3 絶縁筒、84 コイル、100 ガス絶縁開閉装
置、200 ガス絶縁直列コンデンサ装置、300 二
期増設分ガス絶縁直列コンデンサ装置、400 三期増
設分ガス絶縁直列コンデンサ装置。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 短絡用開閉器と直列接続された抑制リア
    クトル、非直線抵抗体および放電コイルを兼ねた電圧変
    成器と並列接続されたコンデンサを送電線間に接続され
    る一対の接続端子間に母線を介して接続させて成る直列
    コンデンサ装置の上記各構成要素を、絶縁性ガスがそれ
    ぞれ充填された各容器内にそれぞれ収納するとともに上
    記母線を上記各容器間を連結する母線容器内で往復配置
    させたことを特徴とするガス絶縁直列コンデンサ装置。
  2. 【請求項2】 母線容器内に往復配置された一対の母線
    は、上記両母線の中心を結ぶ軸線が垂直軸線に対してほ
    ぼ45度傾くように配置されていることを特徴とする請
    求項1記載のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  3. 【請求項3】 一対の接続端子は、容器の一部に隣接し
    て立設された一対のブッシングにそれぞれ接続されてい
    ることを特徴とする請求項1記載のガス絶縁直列コンデ
    ンサ装置。
  4. 【請求項4】 一対の接続端子の一方は容器の一部に立
    設されたブッシングに接続されるとともに他方は上記容
    器と他のガス絶縁開閉装置の容器との間に連結される母
    線容器内に配置される接続母線を介して上記他のガス絶
    縁開閉装置の母線の一端に接続されていることを特徴と
    する請求項1記載のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  5. 【請求項5】 一対の接続端子は、容器と他のガス絶縁
    開閉装置の容器との間に連結される母線容器内に配置さ
    れる接続母線を介して上記他のガス絶縁開閉装置の母線
    の中間に接続されていることを特徴とする請求項1記載
    のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  6. 【請求項6】 母線容器内に往復配置された一対の母線
    の対応する位置にそれぞれ配置され上記両母線を横切る
    方向に接触可能な一対の固定接触子と、上記両母線を横
    切る方向に摺動し上記両固定接触子と接触することによ
    り上記両固定接触子間を電気的に接続する可動接触子と
    でなる断路器を備えたことを特徴とする請求項1記載の
    ガス絶縁直列コンデンサ装置。
  7. 【請求項7】 短絡用開閉器と抑制リアクトルとを同心
    状に配置し同一容器内に収納したことを特徴とする請求
    項1記載のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  8. 【請求項8】 母線容器内に往復配置された一対の母線
    を囲繞するように変流器を配置したことを特徴とする請
    求項1記載のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  9. 【請求項9】 母線容器内に往復配置された一対の母線
    は、三相分が一括してそれぞれ対称な位置で同心状に且
    つ隣接する母線同士の間隔のうちいずれか一箇所の間隔
    が残りの他の間隔より広く配置されていることを特徴と
    する請求項1記載のガス絶縁直列コンデンサ装置。
  10. 【請求項10】 母線容器内に往復配置された一対の母
    線を囲繞するように変流器を配置し上記変流器の二次側
    に大きな電流が誘起されると異常と判断するようにした
    ことを特徴とするガス絶縁直列コンデンサ装置の異常検
    出方法。
JP9142127A 1997-05-30 1997-05-30 ガス絶縁直列コンデンサ装置およびその異常検出方法 Pending JPH10336822A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106872833A (zh) * 2017-04-13 2017-06-20 山东汇能电气有限公司 基于功率检测的高压并联电容器成套设备状态评价方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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