JPH10334919A - リチウムイオン二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質、この製造方法及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質、この製造方法及びリチウムイオン二次電池Info
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- JPH10334919A JPH10334919A JP9208492A JP20849297A JPH10334919A JP H10334919 A JPH10334919 A JP H10334919A JP 9208492 A JP9208492 A JP 9208492A JP 20849297 A JP20849297 A JP 20849297A JP H10334919 A JPH10334919 A JP H10334919A
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Abstract
極活物質及び安定的に優れた放電容量及びサイクル特性
を示すリチウム二次電池を提供すること。 【解決手段】リチウムイオン二次電池用コバルト酸リチ
ウム系正極活物質において、該コバルト酸リチウムを室
温放置後、次いでカールフィッシャー滴定法による12
0℃水分気化法での水分測定量(A)が150ppm 以下
及び/又は該コバルト酸リチウムを30℃、相対湿度6
0%、12時間放置後、次いでカールフィッシャー滴定
法による120℃水分気化法での水分測定量(B)が2
00ppm 以下であるリチウムイオン二次電池用コバルト
酸リチウム系正極活物質、この製造方法及びリチウムイ
オン二次電池。
Description
次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質、この製造方
法及びこれを含有する正極材を用いるリチウムイオン二
次電池に関する。
コードレス化が急速に進むに従い、ラップトップ型パソ
コン、携帯電話、ビデオカメラ等の小型電子機器の電源
としてリチウムイオン二次電池が実用化されている。こ
のリチウムイオン二次電池については、1980年に水
島等によりコバルト酸リチウムがリチウムイオン二次電
池の正極活物質として有用であるとの報告(「マテリア
ル リサーチブレティン」vo115,P783-789(1980))がな
されて以来、コバルト酸リチウム系正極活物質に関する
研究開発が活発に進められており、これまで多くの提案
がなされている。
図る技術としては、例えばコバルト酸リチウムの組成を
LixCoO2 (但し、1.05≦x≦1.3 )とすることに
よりリチウムリッチにしたもの(特開平3−127454号公
報)、逆にLixCoO2 (但し0<x≦1)とするこ
とによってコバルトリッチにしたもの(特開平3-134969
号公報)、Mn、W、Ni、La、Zrなどの金属イオ
ンをドープさせたもの(特開平3-201368号公報、特開平
4-328277号公報、特開平4-319259号公報、特開平4-3192
60号公報等)、コバルト酸リチウム中の残留Li2 CO
3 を10重量%以下としたもの(特開平4-56064 号公
報)などが提案されている。
物理的特徴、特に比表面積を要件とする技術としては、
LiCoO2 の比表面積を2m2 /g以下(特開平4-5606
4 号公報)、リチウム複合酸化物の比表面積を0.01〜3.
0 m2 /g(特開平4-249073号公報)、Lix Coy O2
(0<x≦1.3 、1.8 ≦y ≦2.2)のBET 法による比表面積
が0.5 〜10.0m2 /g(特開平6-103976号公報)等を有す
るコバルト酸リチウムを用いることにより、放電サイク
ルの進行に伴う放電容量の低下を改善できることが提案
されている。
もの(特開平5-21066 号公報)、LiCoO2 に一定の
粒度特性を与えるもの(特開平4-33260 号公報、特開平
5-94822 号公報)、LiCoO2 を特定のX線回折強度
をもつ結晶粒子とするもの(特開平3-272564号公報、特
開平5-36414 号公報)等が知られている。また、コバル
ト酸リチウム系正極活物質の製造方法については、特開
平3-285262号公報、特開平4-249074号公報、特開平4-12
3762号公報、特開平5-54886 号公報、特開平5-54888 号
公報、特開平5-62678 号公報、特開平5-182667号公報な
どに多数の提案がなされている。
ムイオン二次電池の正極活物質として用いられるコバル
ト酸リチウムは、例えば炭酸リチウムのようなリチウム
塩と酸化コバルトなどのコバルト化合物をLi/Coの
原子比が0.9〜1.2の範囲になるように混合し、該
混合物を600〜1100℃の温度条件で焼成すること
によって製造されるが、得られるコバルト酸リチウムの
物性が製造条件により微妙に変化し、電池としての放電
特性や放電サイクル特性等正極活物質の性能に著しい影
響を与え、この結果、従来のコバルト酸リチウムを正極
活物質とするリチウムイオン二次電池は安定した十分な
性能を発揮しているとは言いがたいものであった。
の高いコバルト酸リチウム系正極活物質及び安定に優れ
た放電容量及びサイクル特性を示す二次電池を提供する
ことにある。
発明者は鋭意検討を行った結果、リチウム二次電池用正
極活物質として好適なコバルト酸リチウム中に含まれる
水分量が特定値以下であり、高い湿度状態においても吸
湿しずらく、また、コバルトの酸化数が特定の範囲に制
御されているものが、放電容量及び放電保持率に優れ、
高いエネルギー密度を与えることを見出し、本発明を完
成するに至った。すなわち、本発明は、リチウムイオン
二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質において、
該コバルト酸リチウムを室温放置後、次いでカールフィ
ッシャー滴定法による120℃水分気化法での水分測定
量(A)が150ppm 以下及び/又は該コバルト酸リチ
ウムを30℃、相対湿度60%、12時間放置後、次い
でカールフィッシャー滴定法による120℃水分気化法
での水分測定量(B)が200ppm 以下であることを特
徴とするリチウムイオン二次電池用コバルト酸リチウム
系正極活物質を提供するものである。
用コバルト酸リチウム系正極活物質において、該コバル
ト酸リチウムを室温放置後、次いでカールフィッシャー
滴定法による120℃水分気化法での水分測定量(A)
と、次いで測定される250℃水分気化法での水分測定
量(C)とにおいて、(A+C)値が300ppm 以下及
びA値が150ppm 以下であることを特徴とするリチウ
ム二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質を提供す
るものである。
用コバルト酸リチウム系正極活物質において、該コバル
ト酸リチウムを120°Cで2時間乾燥後、次いでカー
ルフィッシャー滴定法による250℃水分気化法での水
分測定量(D)が100ppm以下であることを特徴とす
るリチウム二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質
を提供するものである。
用コバルト酸リチウム系正極活物質において、該コバル
ト酸リチウムを120°Cで2時間乾燥後、次いで25
0°Cで2時間焼成し、冷却した後、次いで該コバルト
酸リチウムを30°C、相対湿度60%、12時間放置
後、さらに120°Cで2時間乾燥後、カールフィッシ
ャー滴定法による250℃水分気化法での水分測定量
(E)が50ppm 以下であることを特徴とするリチウム
二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質を提供する
ものである。
コバルト酸化数が、電位差滴定法で2.90〜3.10
であるリチウムイオン二次電池用コバルト酸リチウム系
正極活物質を提供するものである。
ルトとを混合して、次いで焼成、冷却、粉砕してコバル
ト酸リチウムを製造する方法において、少なくとも前記
冷却及び粉砕の各処理工程において絶対湿度20g/kg'
以下の空気を吹き込みながら各処理操作を行うことを特
徴とするリチウムイオン二次電池用コバルト酸リチウム
系正極活物質の製造方法を提供するものである。
ルトとを混合して、次いで焼成、冷却、粉砕してコバル
ト酸リチウムを製造する方法において、少なくとも前記
冷却及び粉砕の各処理工程において絶対湿度20g/kg'
以下の空気を吹き込みながら各処理操作を行い、該処理
操作を再度繰り返して行うことを特徴とするリチウムイ
オン二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質の製造
方法を提供するものである。
電池用コバルト酸リチウム系正極活物質を含有する正極
材を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池を
提供するものである。
用コバルト酸リチウム系正極活物質において、該コバル
ト酸リチウムを室温放置後、次いでカールフィッシャー
滴定法(以下、単に「KF法」ということもある。)に
よる120℃水分気化法での水分測定量(A)値が15
0ppm 以下であり、好ましくは100ppm 以下である。
また、該コバルト酸リチウムを30℃、相対湿度60
%、12時間放置後、次いでKF法による120℃水分
気化法での水分測定量(B)値が200ppm 以下であ
り、好ましくは150ppm 以下である。また、上記
(A)値と(B)値の差(B−A)が50ppm 以下であ
ることが好ましい。すなわち、本発明のコバルト酸リチ
ウムは、該コバルト酸リチウム中に含まれる水分量を特
定量以下とし、かつ特定の湿度雰囲気下でも吸湿しにく
い、水分に対して極めて安定な化合物であることが重要
な物性となるものである。上記(A)値が150ppm の
水分量を超え、かつ(B)値が200ppm を超えるもの
を正極材として使用すると電解液を分解し、二次電池特
性の低下を招く結果となり好ましくない。
分測定方法としては、特に制限されず、公知の方法に従
えばよく、例えば、市販のカールフィッシャー水分計と
水分気化装置を組み合わせて用いればよい。すなわち、
試料を該水分気化装置にセッティング後、120℃の加
熱条件下で発生する気化した水分をキャリアガスの乾燥
窒素とともに捕集し、これをカールフィッシャ水分計に
導入し、水分量を測定すればよい。
5℃の温度、相対湿度20〜50%の条件下に放置する
ものである。
次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質における該コ
バルト酸リチウムを室温放置後、次いでKF法による1
20℃水分気化法での水分測定量(A)と、次いで測定
される250℃水分気化法での水分測定量(C)とにお
いて、(A+C)値が300ppm 以下及びA値が150
ppm 以下である。(A+C)値の好ましい範囲は、15
0ppm 以下であり、A値の好ましい範囲は100ppm 以
下である。
次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質における該コ
バルト酸リチウムを120°Cで2時間乾燥後、次いで
カールフィッシャー滴定法による250℃水分気化法で
の水分測定量(D)が100ppm 以下である。(D)値
の好ましい範囲は、50ppm 以下である。
次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質において、該
コバルト酸リチウムを120°Cで2時間乾燥後、次い
で250°Cで2時間焼成し、冷却した後、次いで該コ
バルト酸リチウムを30°C、相対湿度60%、12時
間放置後、さらに120°Cで2時間乾燥後、カールフ
ィッシャー滴定法による250℃水分気化法での水分測
定量(E)が50ppm以下である。
る測定方法としては、120℃を250℃とする以外は
前記KF法による120℃水分気化法による測定方法と
同様にして行えばよい。この120℃と250℃との加
熱温度の違いによる留出水分のメカニズムは、明確では
ないが、120℃加熱条件下の場合、該粒子表面に物理
的に吸着している水分が留出し、更に250℃に昇温し
た場合は、該粒子の結晶構造に起因する微細な細孔内に
化学的に吸着している水分が留出してくるものと考えら
れる。上記数値を超えた粒子をリチウムイオン二次電池
の正極活物質に使用する場合、表面に付着している水分
ばかりでなく、長いサイクルを経るとその結晶粒子内か
ら徐々に水分が留出して、初期容量及びサイクル特性等
の電池特性の低下を招く結果となり、好ましくない。す
なわち、粒子表面の水分のみでなく結晶粒子内に吸着し
ている水分も極めて少ないものが好ましく、かかる化合
物をリチウムイオン二次電池用正極活物質として使用す
ることにより優れた電池特性を有することができる。
活物質は、コバルト酸リチウム中のコバルトの酸化数が
電位差滴定法による測定で2.90〜3.10、好まし
くは2.95〜3.05の範囲のものが好ましい。通
常、コバルト酸リチウム(LiCoO2)組成式中のコバルト
の酸化数は、3価が理論的であるが、その製造方法によ
り化合物中のコバルトの酸化数が常に理論的な数値にな
ることはなく、その理論価数から大きくずれることもあ
る。このコバルトの酸化数が変わることにより、結晶構
造に歪みが生じ、これをリチウムイオン二次電池の正極
材として使用し充放電を繰り返すと、サイクル特性等の
電池特性が低下するので好ましくない。
電池用コバルトリチウム系正極活物質を製造する方法
は、炭酸リチウムと酸化コバルトを混合して、次いで焼
成し、冷却、粉砕する方法において、少なくとも該冷却
及び粉砕の各処理工程、好ましくは該焼成、冷却及び粉
砕の各処理工程において、絶対湿度20g/kg' 以下の
空気を吹き込みながら各処理操作を行えばよい。例え
ば、炭酸リチウムと酸化コバルトを、Li/Coの原子
比として1付近、好ましくは0.99〜1.10になる
範囲の配合割合で混合する。次いで、絶対湿度20g/
kg' 以下の空気を吹き込みながら混合物を600℃〜1
100℃、好ましくは700〜1000℃の温度により
焼成処理をする。焼成時間は、上記温度域に少なくとも
2時間、好ましくは5〜15時間の範囲に設定する。焼
成処理後、上記絶対湿度条件を保ったまま焼成物を冷却
し、かるく解す程度に粉砕し、コバルト酸リチウムを得
ればよい。また、前記処理操作は、これを再度繰り返し
て行うことが、該コバルト酸リチウムの水分安定性が更
に向上する点からも好ましい。再度繰り返すときの焼成
温度は、始めの焼成温度より低くてよく、300〜11
00°C、好ましくは400〜700°Cの範囲であ
る。焼成時間は1時間以上、好ましくは2〜10時間の
範囲に設定すればよい。前記絶対湿度とは、重量基準の
湿度を意味し、乾燥空気1kg中に伴われる水蒸気の重量
(g/kg(乾燥空気))をいう。
次電池用正極活物質としてのコバルト酸リチウムは、そ
の優れた電子特性のゆえに、それを主成分として含有す
る正極板を製作した場合、優れた特性を有するリチウム
イオン二次電池を提供することができる。二次電池は、
例えばコバルト酸リチウムを主成分として、黒鉛粉末、
ポリフッ化ビニリデンなどを混合加工して正極材とし、
これを有機溶媒に分散させて混練ペーストを調製する。
該混練ペーストをアルミ箔などの導伝性基板に塗布した
後、乾燥し、加圧して適宜の形状に切断して正極板を得
る。この正極板を用いて、リチウムイオン二次電池を構
成する各部材を積層してリチウムイオン二次電池を作製
する。
の電源、各種メモリーやソーラーバッテリーのバックア
ップ電源、電気自動車、電力貯蔵用バッテリーなどの広
い用途に使用できる。
揮するエネルギー密度の高いコバルト酸リチウム系正極
活物質を得ることができる。また、これを含有する正極
材を用いたリチウムイオン二次電池は、優れた放電容量
及びリサイクル特性を示す。
的に説明するが、これは単に例示であって本発明を制限
するものではない。 実施例1 炭酸リチウム粉末と酸化コバルトをLi/Co原子比が
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度5g/kg' の空気を吹
き込みながら昇温し、900℃になった時点でこの温度
に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記絶
対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチウ
ムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
900℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度5g/kg' 条件の空
気を吹き込みながら冷却、粉砕しコバルト酸リチウムを
得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度10g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、900℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチ
ウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
900℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度10g/kg' 条件の
空気を吹き込みながら冷却、粉砕しコバルト酸リチウム
を得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度20g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、900℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチ
ウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
900℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度20g/kg' 条件を
保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度14g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、950℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチ
ウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
950℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度14g/kg' 条件の
空気を吹き込みながら冷却、粉砕しコバルト酸リチウム
を得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度25g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、950℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチ
ウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、各混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
950℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度25g/kg' 条件の
空気を吹き込みながら冷却、粉砕しコバルト酸リチウム
を得た。
による水分測定結果、コバルト平均酸化数の測定結果及
び該正極活物質を用いて作製したリチウムイオン二次電
池の電池性能結果を表1に示す。各測定方法及びリチウ
ムイオン二次電池の作成方法を下記に示す。
法) (イ)法; 固体中の水分を測定するため水分気化装置
(ADP−351;京都電子工業社製)をKF水分計と
組み合わせて用いる。まず、1試料につき、2つのサン
プルを準備し、このうち、1つは室温放置とし、該室温
下にある試料を上記水分気化装置に導入し、120℃の
加熱下、気化水分をKF法により求め、この水分量を
(A)とする。また、他方の1つは、30℃、相対湿度
60%の条件で12時間放置し、放置後の試料を上記水
分気化装置に導入し、120℃の加熱下、気化水分をK
F水分計により求め、これを(B)とする。
P−351;京都電子工業社製)をKF水分計と組み合
わせて用いる。始めに、室温放置下にある試料を上記水
分気化装置に導入し、120℃の加熱下、気化水分をK
F法により求め、この水分量を(A)とする。更に、該
試料を250℃の温度まで加熱し、この温度で気化する
水分をKF水分計により求め、この水分量を(C)とす
る。
P−351;京都電子工業社製)をKF水分計と組み合
わせて用いる。120°Cで2時間乾燥下にある試料を
上記水分気化装置に導入し、250℃の加熱下、気化水
分をKF法により求め、この水分量を(D)とする。
P−351;京都電子工業社製)をKF水分計と組み合
わせて用いる。120°Cで2時間乾燥後、250°C
で2時間加熱し、冷却した後、次いで該試料を30°
C、相対湿度60%、12時間放置後、さらに120°
Cで2時間乾燥下にある試料を上記水分気化装置に導入
し、250℃の加熱下、気化水分をKF法により求め、
この水分量を(E)とする。
を15ml分取し、0.1N−KMnO4 で滴定し、硫酸
アンモニウム鉄の濃度(N)を求める。 ・酸化数の測定 得られたコバルト酸リチウムを0.1g(試料量)精秤
し、100mlビーカに入れ上記の標定された硫酸アンモ
ニウム鉄溶液を20ml加える。次いで濃硫酸を5ml加え
る。かき混ぜながら10分間ゆっくり加温して溶解す
る。次に純水を約50mlを加え、水浴中で室温まで冷却
する。冷却後、すぐに0.1N−KMnO4 で電位差滴
定を行う。 ・全コバルト量の測定 得られたコバルト酸リチウム0.2gを硫酸に溶解し、
100mlに定溶する。その溶液を0.01N−EDTA
で滴定し、全コバルト量(%)を求める。
入し、(3)式よりコバルト平均酸化数を求める。
より製造した各コバルト酸リチウム85重量部、黒鉛粉
末10重量部及びポリフッ化ビニリデン5重量部を混合
して正極材とし、これを2−メチルピロリドンに分散さ
せて混練ペーストを調製した。該混練ペーストをアルミ
箔に塗布したのち乾燥し、2t/cm2 の圧力によりプレ
スして2cm角に打ち抜いて正極板を得た。この正極板を
用い、各部材を積層してリチウムイオン二次電池を作製
した。
ン二次電池を作動させ、初期容量及びサイクル特性を測
定して電池性能を評価した。その結果を表1に示した。
なお、サイクル特性は、正極に対して1mA/cm2で4.2
Vまで充填したのち2.7Vまで放電させる充放電を2
0サイクル繰り返し、次式(4)により算出した。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度18g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、900℃(実施例9)及び95
0℃(実施例10)になった時点でこの温度に10時間
保持して焼成した。得られた焼成物を上記絶対湿度条件
を保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製しないで昇温し、
950℃になった時点でこの温度に10時間保持して焼
成した。得られた焼成物を絶対湿度18g/kg' 条件を
保ったまま冷却、粉砕しコバルト酸リチウムを得た。
定法((ハ)法)による水分測定結果、コバルト平均酸
化数の測定結果及び該正極活物質を用いて作製したリチ
ウムイオン二次電池の電池性能結果を表2に示す。各測
定方法及びリチウムイオン二次電池の作成方法は前記と
同様である。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度16g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、900℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕を行った。次い
で、該粉末を再度、電気加熱炉に入れ、絶対湿度16g
/kg' の空気を吹き込みながら昇温し、500℃になっ
た時点でこの温度に2時間保持して焼成した。得られた
焼成物を絶対湿度16g/kg' 条件を保ったまま冷却、
粉砕し、コバルト酸リチウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、該混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、絶対湿度16g/kg' の空気を
吹き込みながら昇温し、950℃になった時点でこの温
度に10時間保持して焼成した。得られた焼成物を上記
絶対湿度条件を保ったまま冷却、粉砕を行った。次い
で、該粉末を再度、電気加熱炉に入れ、絶対湿度16g
/kg' の空気を吹き込みながら昇温し、600℃になっ
た時点でこの温度に2時間保持して焼成した。得られた
焼成物を絶対湿度16g/kg' 条件を保ったまま冷却、
粉砕し、コバルト酸リチウムを得た。
1となるように秤量し、乳鉢で十分混合して均一な混合
物を調製した。次いで、各混合物をアルミナ坩堝に充填
して電気加熱炉に入れ、特に湿度調製をしないで昇温
し、950℃になった時点でこの温度に10時間保持し
て焼成した。得られた焼成物を絶対湿度18g/kg' 条
件を保ったまま冷却、粉砕を行った。次いで、該粉末を
再度、電気加熱炉に入れ、特に湿度調製をしないで昇温
し、500℃になった時点でこの温度に2時間保持して
焼成した。得られた焼成物を絶対湿度16g/kg' 条件
を保ったまま冷却、粉砕し、コバルト酸リチウムを得
た。
定法((ニ)法)による水分測定結果、コバルト平均酸
化数の測定結果及び該正極活物質を用いて作製したリチ
ウムイオン二次電池の電池性能結果を表3に示す。各測
定方法及びリチウムイオン二次電池の作成方法は前記と
同様である。
チウムを正極剤としてリチウムイオン二次電池を作製す
れば、初期容量が大きく、優れたサイクル特性を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】 リチウムイオン二次電池用コバルト酸リ
チウム系正極活物質において、該コバルト酸リチウムを
室温放置後、次いでカールフィッシャー滴定法による1
20℃水分気化法での水分測定量(A)が150ppm 以
下及び/又は該コバルト酸リチウムを30℃、相対湿度
60%、12時間放置後、次いでカールフィッシャー滴
定法による120℃水分気化法での水分測定量(B)が
200ppm 以下であることを特徴とするリチウムイオン
二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項2】 前記水分測定量(B)と(A)との差
(B−A)が50ppm以下である請求項1記載のリチウ
ムイオン二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項3】 リチウムイオン二次電池用コバルト酸リ
チウム系正極活物質において、該コバルト酸リチウムを
室温放置後、次いでカールフィッシャー滴定法による1
20℃水分気化法での水分測定量(A)と、次いで測定
される250℃水分気化法での水分測定量(C)とにお
いて、(A+C)値が300ppm 以下及びA値が150
ppm 以下であることを特徴とするリチウム二次電池用コ
バルト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項4】 リチウムイオン二次電池用コバルト酸リ
チウム系正極活物質において、該コバルト酸リチウムを
120°Cで2時間乾燥後、次いでカールフィッシャー
滴定法による250℃水分気化法での水分測定量(D)
が100ppm以下であることを特徴とするリチウム二次
電池用コバルト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項5】 リチウムイオン二次電池用コバルト酸リ
チウム系正極活物質において、該コバルト酸リチウムを
120°Cで2時間乾燥後、次いで250°Cで2時間
焼成し、冷却した後、次いで該コバルト酸リチウムを3
0°C、相対湿度60%、12時間放置後、さらに12
0°Cで2時間乾燥後、カールフィッシャー滴定法によ
る250℃水分気化法での水分測定量(E)が50ppm
以下であることを特徴とするリチウム二次電池用コバル
ト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項6】 コバルト酸リチウム中のコバルト酸化数
が、電位差滴定法で2.90〜3.10である請求項1
〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池用
コバルト酸リチウム系正極活物質。 - 【請求項7】 炭酸リチウムと酸化コバルトとを混合し
て、次いで焼成、冷却、粉砕してコバルト酸リチウムを
製造する方法において、少なくとも前記冷却及び粉砕の
各処理工程において絶対湿度20g/kg' 以下の空気を吹
き込みながら各処理操作を行うことを特徴とするリチウ
ムイオン二次電池用コバルト酸リチウム系正極活物質の
製造方法。 - 【請求項8】 炭酸リチウムと酸化コバルトとを混合し
て、次いで焼成、冷却、粉砕してコバルト酸リチウムを
製造する方法において、少なくとも前記冷却及び粉砕の
各処理工程において絶対湿度20g/kg' 以下の空気を吹
き込みながら各処理操作を行い、該処理操作を再度繰り
返して行うことを特徴とするリチウムイオン二次電池用
コバルト酸リチウム系正極活物質の製造方法。 - 【請求項9】 請求項1〜5記載のリチウムイオン二次
電池用コバルト酸リチウム系正極活物質を含有する正極
材を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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