JPH10333345A - 電子写真装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真装置及びプロセスカートリッジ

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JPH10333345A
JPH10333345A JP8138198A JP8138198A JPH10333345A JP H10333345 A JPH10333345 A JP H10333345A JP 8138198 A JP8138198 A JP 8138198A JP 8138198 A JP8138198 A JP 8138198A JP H10333345 A JPH10333345 A JP H10333345A
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electrophotographic
charge transport
transport layer
photosensitive drum
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JP8138198A
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Junichi Handa
淳一 半田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、長期にわたって使用しても、暗部
電位と明部電位とのコントラストを維持することがで
き、充分な画像濃度と画質が得られる電子写真装置及び
プロセスカートリッジを提供することを目的とする。 【解決手段】 電子写真感光体、該電子写真感光体に接
触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感
光体を帯電する帯電部材、露光手段、現像手段及び転写
手段を有する電子写真装置において、該電子写真感光体
が、支持体、該支持体上の電荷発生層及び該電荷発生層
上の複数の層を有し、該複数の層のうち、最も大きい比
誘電率を有する層が表面層であることを特徴とする電子
写真装置及びプロセスカートリッジである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
対して接触帯電を行う電子写真装置及びプロセスカート
リッジに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真装置で用いる電子写真感
光体において、光導電材料としては、セレン、硫化カド
ミウム及び硫化亜鉛などの無機光導電材料が用いられて
きたが、近年、有機光導電材料が多く使用されるように
なってきている。
【0003】光導電性をを有する有機顔料や染料は、無
機材料に比べて、合成が容易である、適当な波長域に光
導電性を示す化合物を選択できるなどの長所を有する。
【0004】近年、電子写真装置に広く用いられている
有機電子写真感光体は、電荷の発生と輸送を別々の材料
に分担させた機能分離型の電子写真感光体である。機能
分離型電子写真感光体には、電荷輸送材料と電荷発生材
料を同一の層に含有する単層型電子写真感光体と、電荷
発生材料を含有する電荷発生層と電荷輸送材料を含有す
る電荷輸送層を有する積層型電子写真感光体とがある
が、一般に用いられているのは、後者の積層型電子写真
感光体である。積層型電子写真感光体には、電荷発生層
を表面層にするタイプと、電荷輸送層を表面層にするタ
イプとがあるが、膜厚の薄い電荷発生層を保護するため
に、電荷輸送層を表面層にするタイプが主流となってい
る。
【0005】一方、電子写真感光体を用いた電子写真装
置における帯電プロセスには、従来よりコロナ帯電装置
が広く利用されている。このコロナ帯電装置は、空中放
電であるコロナ放電を利用して帯電するものであるため
に、電子写真感光体表面を所定の電位に均一に帯電処理
する手段としては大変有効であるが、反面、高圧電源が
必要で、またコロナ放電時にオゾンが多く発生するなど
の短所を有する。
【0006】このようなコロナ帯電装置に対し、接触帯
電装置は、電源の低電圧化が図れ、またオゾンの発生量
が少ないなどの長所を有している。接触帯電装置は、電
子写真感光体表面に直接接触させた帯電部材(半導電性
帯電ローラ、半導電性帯電ブレード及び半導電性帯電ブ
ラシなど)に電圧を印加することによって、電子写真感
光体表面を帯電するものであって、上述のような長所か
ら、コロナ帯電装置に代わる帯電処理手段として、最
近、多く使用されるようになってきている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来例のように、電子写真装置において、電荷輸送層
を表面層にした積層型電子写真感光体を用いる場合、電
子写真装置の使用に伴って電子写真感光体の表面層(電
荷輸送層)が削れて膜厚が薄くなっていき、それに伴っ
て電子写真感光体の電気容量が増大し、光感度が低下し
てくる。このため、明部に対応する電子写真感光体の表
面電位が充分に降下せず、暗部電位と明部電位との電位
コントラストが狭くなり、例えば正規現像系では、現像
時に充分な現像コントラストを得ようとすると明部電位
に対して充分な逆コントラストが得られず、明部電位が
薄く現像されて、いわゆる「かぶり」画像となる現象が
顕著化するという問題がある。
【0008】一方、反転現像系では、明部電位が現像さ
れにくく、いわゆる「濃度薄」画像となる。
【0009】特に、接触帯電装置により電子写真感光体
表面の帯電処理を行う場合、コロナ帯電装置により電子
写真感光体表面の帯電処理を行う場合よりも、電子写真
感光体の表面層が削れる度合が著しく大きく、したがっ
て上述の「かぶり」画像が発生する時期が早く、電子写
真感光体或いは該感光体を用いた電子写真装置の耐久寿
命が短いという問題がある。この問題は、帯電手段への
印加電圧として直流電圧に交流電圧を重畳した脈流電圧
を用いる場合更に顕著になる。
【0010】そこで本発明は、長期にわたって使用して
も、暗部電位と明部電位とのコントラストを維持するこ
とができ、充分な画像濃度と画質が得られる電子写真装
置及びプロセスカートリッジを提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、電子写
真感光体、該電子写真感光体に接触配置され、電圧を印
加されることにより該電子写真感光体を帯電する帯電部
材、露光手段、現像手段及び転写手段を有する電子写真
装置において、該電子写真感光体が、支持体、該支持体
上の電荷発生層及び該電荷発生層上の複数の層を有し、
該複数の層のうち、最も大きい比誘電率を有する層が表
面層であることを特徴とする電子写真装置である。
【0012】また、本発明は、電子写真感光体及び該電
子写真感光体に接触配置され、電圧を印加されることに
より該電子写真感光体を帯電する帯電部材を一体に支持
し、電子写真装置本体に着脱自在であるプロセスカート
リッジにおいて、該電子写真感光体が、支持体、該支持
体上の電荷発生層及び該電荷発生層上の複数の層を有
し、該複数の層のうち、最も大きい比誘電率を有する層
が表面層であることを特徴とするプロセスカートリッジ
である。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、電荷輸送層が2層より構成
される積層型電子写真感光体を例にして本発明の基本概
念を説明する。
【0014】図1は、本発明の積層型電子写真感光体の
層構成を示す概略図である。
【0015】同図において、導電性支持体に、電荷発生
層、電荷輸送層(2)、電荷輸送層(1)が順に積層さ
れて積層型電子写真感光体を構成している。ここで、電
荷輸送層(1)が最表面層である。
【0016】一般に電荷発生層の膜厚は、1μm以下
と、通常10〜30μm程度の膜厚を有する電荷輸送層
に比べてかなり薄いので、電子写真感光体の電気容量C
は、ほぼ電荷輸送層(1)と電荷輸送層(2)の合成電
気容量で表すことができ、式(1)のように表される。
【0017】 C=ε1 ・ε2 ・S/(ε1 ・d2 +ε2 ・d1 )…(1) ただし、 ε1 :電荷輸送層(1)の誘電率 ε2 :電荷輸送層(2)の誘電率 d1 :電荷輸送層(1)の膜厚 d2 :電荷輸送層(2)の膜厚 S :電子写真感光体の表面積
【0018】電子写真感光体の電気容量Cが増加するほ
ど、その光感度は低下する。したがって、電子写真装置
の使用に伴って電子写真感光体の表面層が削られていく
と、電子写真感光体の電気容量Cは増加するので、光感
度は低下してしまう。本発明の目的は、電子写真感光体
の表面層の削れに伴う光感度の低下を小さくすることで
あるが、そのためには、電子写真感光体の表面層の削れ
に伴う電子写真感光体の電気容量Cの増加を小さくして
やればよい。式(1)の両辺を電荷輸送層(1)の膜厚
1 で微分して、絶対値をとると、式(2)が得られ
る。
【0019】 |dC/dd1 |=ε1 /(d2 ・ε1 /ε2 +d12 …(2)
【0020】電子写真感光体の電気容量Cの電荷輸送層
(1)の膜厚d1 による微分の絶対値を小さくしてやれ
ば、電荷輸送層(1)の膜厚d1 の削れに伴う電子写真
感光体の電気容量Cの増加を小さくすることができる。
式(2)より、電荷輸送層(1)の膜厚d1 、電荷輸送
層(2)の膜厚d2 及び電荷輸送層(1)の誘電率ε1
が同じである場合、ε2 を小さくするほど電子写真感光
体の電気容量Cの変化を小さくできることが分かる。
【0021】したがって、図2に示すような従来から広
く利用されている、電荷輸送層が1層である(電荷輸送
層の膜厚がd、電荷輸送層の誘電率がεの)積層型電子
写真感光体よりも、電荷輸送層全体の膜厚がd、最表面
の電荷輸送層の誘電率がε、下層の電荷輸送層の誘電率
がεよりも小さい、2層構造の電荷輸送層を有する積層
型電子写真感光体の方が、電荷輸送層の削れに伴う電子
写真感光体の電気容量の増加を小さくすることができ、
光感度の低下を小さくすることができる。なお、誘電率
が大きければ、当然比誘電率も大きくなる。
【0022】図3は、以下の4つのタイプの電子写真感
光体について、電荷輸送層の膜厚が25μmから10μ
mまで削れた場合の電子写真感光体の単位面積当たりの
電気容量の変化を表している。
【0023】 感光体1:d1 =25μm、ε1 =2×ε0 、d2 =0 感光体2:d1 =25μm、ε1 =5×ε0 、d2 =0 感光体3:d1 =15μm、ε1 =5×ε0 、d2 =1
0μm、ε2 =2×ε0 感光体4:d1 =15μm、ε1 =2×ε0 、d2 =1
0μm、ε2 =5×ε0 ただし、ε0 は真空の誘電率である。
【0024】図3より、電荷輸送層が2層構造で、か
つ、ε1 >ε2 である感光体3の、電荷輸送層の削れに
伴う感光体の単位面積当たりの電気容量の変化が最も小
さいことが分かる。
【0025】以上、電荷輸送層が2層より構成される積
層型電子写真感光体を例にして本発明の基本概念を説明
したが、電荷輸送層が3層以上より構成される積層型電
子写真感光体についても、2層の場合と同様に、電荷輸
送層を構成する層の誘電率のうち最表面層の誘電率を最
大にすれば、即ち、最表面層の比誘電率を最大にすれ
ば、電子写真感光体の表面層の削れに伴う電子写真感光
体の電気容量の変化を小さくすることができ、光感度の
低下を小さくすることができる。なお、電荷輸送層が3
層以上より構成される積層型電子写真感光体についても
同様であるので、その説明は省略する。
【0026】また、最大の比誘電率を有する最表面層
は、必ずしも電荷輸送層である必要はなく、例えば、最
表面層が必要に応じて導電性粒子や潤滑粒子を含有する
樹脂層で、下層が最表面層よりも小さい比誘電率を有す
る電荷輸送層であってもよい。
【0027】なお、比誘電率に影響を与える要因として
は、用いる材料の種類、電荷輸送物質の量及び層の導電
性などが挙げられる。例えば、電荷輸送物質の割合が大
きい方が比誘電率も大きくなり易く、107 Ω・cm程
度までの比較的低い導電性であれば、導電性が高い方が
比誘電率が大きくなり易い。
【0028】本発明においては、電荷発生層上の複数の
層のうち、最表面の層が最も大きい比誘電率を有してい
ればよく、その方法は特に限定されるものではない。
【0029】また、本発明においては、比誘電率の差が
0.3以上であることが好ましい。比誘電率の差が0.
3に満たないと、本発明の顕著な効果が十分に得られな
いことがある。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0031】図4は、本発明の電子写真装置の構成を示
す概略断面図である。
【0032】同図において、電子写真装置は、矢印R1
方向に回転駆動される電子写真感光体(以下、感光ドラ
ムという)1を備えている。
【0033】感光ドラム1の層構成の概略図を図5に示
す。図5に示すように、感光ドラム1は導電性支持体で
あるアルミニウムシリンダーの外周面上に、シリンダー
の傷などを被覆するための膜厚15μmの導電層、バリ
ヤー性及び接着性を上げるための膜厚0.5μmの中間
層、膜厚0.3μmの電荷発生層、比誘電率が2で膜厚
10μmの電荷輸送層(2)、そして最表面層として比
誘電率が5で膜厚15μmの電荷輸送層(1)がこの順
序で形成されている。
【0034】電荷輸送層(2)は、ポリプロピレン樹脂
10部(重量部、以下同様)、下記式(3)
【0035】
【外1】 で示されるスチリル化合物3部を用いて形成した。ま
た、電荷輸送層(1)は、ポリエステル樹脂10部、上
記式(3)で示されるトリアリールアミン化合物7部及
び上記式(4)で示されるスチリル化合物3部を用いて
形成した。
【0036】なお、比誘電率は、インピーダンス測定機
(商品名:YHP4192A、横河ヒューレットパッカ
ード製)を用いて、周波数1kHzで測定した。
【0037】感光ドラム1の周囲には、その回転方向に
沿って順に、感光ドラム1の表面を所定の電位に均一に
帯電する接触帯電部材である帯電ローラ3、感光ドラム
1上に画像情報に応じて静電潜像を形成する露光手段
5、この静電潜像にトナーを付着させてトナー像を形成
する現像手段6、感光ドラム1上のトナー像を転写材
(記録材)8に転写させるための転写手段7、トナー像
転写後の記録材8の電荷を除去する除電器9及びトナー
像転写後の感光ドラム1の表面の残留トナーを除去する
クリーナ10が配置されている。4は、帯電ローラ3に
交流電圧に直流電圧を重畳させた電圧を印加する電源で
ある。また、本発明においては、感光ドラム1及び帯電
部材、必要に応じて、更に現像手段6及びクリーナ10
を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在のプロセ
スカートリッジ11としてもよい。
【0038】このように構成された電子写真装置におい
て、画像形成時の動作説明をする。
【0039】感光ドラム1は、矢印R1方向に所定の周
速90mm/secで回転する。帯電ローラ3に電源4
から交流電圧(定電流850μA、周波数720Hzの
正弦波)に直流電圧(定電圧−710V)を重畳させた
電圧が印加され、感光ドラム1の表面は電位−680V
に均一に帯電される。この帯電ローラ3により帯電され
た感光ドラム1の表面電位−680Vを暗部電位と呼ぶ
ことにする。帯電後の感光ドラム1は、露光手段5によ
る目的画像情報の露光(原稿画像のスリット露光及びレ
ーザービーム走査露光など。本実施例では原稿画像のス
リット露光とする)を受けることで静電潜像が形成され
る。
【0040】露光手段5の光量は、反射濃度0.06の
白色原稿に対応する感光ドラムへの露光量が0.9Lu
x・secになるように制御されている。以下、この反
射濃度0.06の白色原稿に対応する感光ドラムへの露
光量0.9Lux・secの露光を受けたときの感光ド
ラム1の表面電位を、明部電位と呼ぶことにする。感光
ドラム1の使用初期、即ち電荷輸送層の全体の膜厚が2
5μmのときの明部電位は−150Vである。次いで現
像手段6により顕像化される。転写手段は7は、感光ド
ラム1に顕像化されているトナー像を記録材8に転写さ
せ、次いで除電器9は転写済の記録材8を除電し、さら
に不図示の定着手段へ搬送して記録材8上のトナー像を
定着させる。
【0041】一方、転写後の感光ドラム1は、その表面
に残留付着している現像剤がクリーナ10によって清掃
除去され、次の画像形成に備えられる。
【0042】本実施例の電子写真装置について、A4の
画像出し耐久試験を行い、明部電位の推移を測定した。
また比較として、本実施例の電子写真装置の感光体とし
て感光ドラム1の代わりに、電荷輸送層が1層である従
来の感光ドラム2を用いて耐久試験を行い、明部電位の
推移を測定した。この従来の感光ドラム2の層構成の概
略図を図6に示す。
【0043】図6に示すように、感光ドラム2はアルミ
ニウムシリンダーの外周面上に、膜厚15μmの導電
層、膜厚0.5μmの中間層、膜厚0.3μmの電荷発
生層、及び最表面層として比誘電率が5で膜厚25μm
の電荷輸送層が順に形成されている。電荷輸送層に用い
た材料は、感光ドラム1の電荷輸送層(1)と同様であ
る。また、感光ドラム2に対する露光手段5の光量は、
反射濃度0.06の白色原稿に対応する感光ドラム面露
光量が1.44Lux・secになるように制御されて
いて、感光ドラム2の使用初期、即ち電荷輸送層の膜厚
が25μmのときの明部電位は−150Vである。
【0044】本実施例の電子写真装置の耐久試験に伴う
明部電位の推移の測定結果を図7に示す。
【0045】図7において、記号○は感光ドラム1を用
いた場合の明部電位の推移の測定結果を、記号△は感光
ドラム2を用いた場合の明部電位の推移を示したもので
ある。図7より、耐久試験が進むにつれて明部電位が上
昇することが分かる。これは、感光ドラムの表面層が削
れ、電子写真感光体の電気容量が増加し、感光感度が低
下するためである。
【0046】なお、本実施例の耐久試験での感光ドラム
の表面層の削れの度合は、感光ドラム1と感光ドラム2
でほぼ同じで、画像形成1000枚当たり約1μmであ
った。感光ドラム1を用いた場合も、感光ドラム2を用
いた場合も、ともに明部電位が−250V程度になる
と、前述の「かぶり」画像が発生したが、従来の感光ド
ラム2を用いた場合では、画像形成枚数が6000枚程
度(このとき電荷輸送層の膜厚は約19μm)から「か
ぶり」画像が発生したのに対し、本発明の感光ドラム1
を用いた場合では、画像形成枚数が9000枚程度(こ
のとき電荷輸送層の全体の膜厚は約16μm)まで「か
ぶり」画像が発生しなかった。
【0047】上述のように、表面層が電荷輸送層である
感光ドラムの電荷輸送層を2層構造にし、かつ電荷輸送
層の下層の誘電率を最表面層の誘電率よりも小さくする
ことにより、感光ドラムの表面層の削れに伴う電子写真
感光体の電気容量の増加を小さくすることができるた
め、感光ドラムの光感度の低下を小さくすることがで
き、その結果「かぶり」画像の発生時期を遅らせること
ができ、感光ドラムの耐久寿命を1.5倍程度延ばすこ
とができた。
【0048】ポリプロピレン樹脂に代えてポリスチレン
樹脂を用い、膜厚を15μmにし、ポリエステル樹脂に
代えてポリカーボネート樹脂を用い、膜厚を10μmに
した以外は感光ドラム1と同様にして感光ドラム3を作
成した。比誘電率は、電荷輸送層(2)が2.5で、電
荷輸送層(1)が3.4であった。
【0049】得られた感光ドラム3について、感光ドラ
ムへの露光量を0.84Lux・secとした以外は上
記と同様にして耐久試験を行った。
【0050】また、電荷輸送層を、感光ドラム3の電荷
輸送層(1)と同じ材料を用い、膜厚25μmの単層と
した感光ドラム4を用い、感光ドラムへの露光量を1.
02Lux・secとした以外は上記と同様にして耐久
試験を行った。
【0051】本実施例の電子写真装置の耐久試験に伴う
明部電位の推移の測定結果を図8に示す。
【0052】図8において、記号○は感光ドラム3を用
いた場合の明部電位の推移の測定結果を、記号△は感光
ドラム4を用いた場合の明部電位の推移を示したもので
ある。図8より、耐久試験が進むにつれて明部電位が上
昇することが分かる。これは、感光ドラムの表面層が削
れ、電子写真感光体の電気容量が増加し、光感度が低下
するためである。
【0053】なお、本実施例の耐久試験での感光ドラム
の表面層の削れの度合いは、感光ドラム3と感光ドラム
4でほぼ同じで、画像形成1000枚当たり約1μmで
あった。感光ドラム3を用いた場合も、感光ドラム4を
用いた場合も、ともに明部電位が−250V程度になる
と、前述の「かぶり」画像が発生したが、従来の感光ド
ラム4を用いた場合では、画像形成枚数が4700枚程
度(このとき電荷輸送層の膜厚は約20.3μm)から
「かぶり」画像が発生したのに対し、本発明の感光ドラ
ム3を用いた場合では、画像形成枚数が5800枚程度
(このとき電荷輸送層の全体の膜厚は約19.2μm)
まで「かぶり」画像が発生しなかった。
【0054】上述のように、表面層が電荷輸送層である
感光ドラムの電荷輸送層を2層構造にし、かつ電荷輸送
層の下層の誘電率を最表面層の誘電率よりも小さくする
ことにより、感光ドラムの表面層の削れに伴う電子写真
感光体の電気容量の増加を小さくすることができるた
め、感光ドラムの感光感度の低下を小さくすることがで
き、その結果「かぶり」画像の発生時期を遅らせること
ができ、感光ドラムの耐久寿命を1.2倍程度延ばすこ
とができた。
【0055】なお、本実施例では、電子写真感光体とし
て2層の電荷輸送層を有する感光体を用いたが、3層以
上の電荷輸送層を有する電子写真感光体についても、更
には、最表面層が電荷輸送層ではなくても、複数の層の
うち、最表面層の誘電率が最大、好ましくは下層の誘電
率との差が0.3以上である限り、同様の効果を得るこ
とができる。
【0056】また、本実施例では、電子写真感光体とし
て円筒状の感光ドラムを用いたが、本内容は電子写真感
光体の形状によらず適用することができる。
【0057】また、本実施例では、帯電部材として帯電
ローラを例に説明したが、これらに限らず、帯電部材と
しては、図9(a)に示す半導電性ブレード、同図
(b)に示す半導電性ファーブラシ、同図(c)に示す
半導電性磁気ブラシなどについても本内容を適用するこ
とができる。
【0058】更に、露光手段、現像手段及び転写手段も
本実施例に限定されるものではない。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、長期に
わたって使用しても、暗部電位と明部電位とのコントラ
ストを維持することができ、充分な画像濃度と画質が得
られる電子写真装置及びプロセスカートリッジを提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明するための2層の電荷輸送層を有
する電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図2】1層の電荷輸送層を有する従来の電子写真感光
体の層構成を示す断面図。
【図3】電荷輸送層の膜厚と電子写真感光体の単位面積
当たりの電気容量の関係を示すグラフ。
【図4】本発明の一実施例における電子写真装置の構成
の概略断面図。
【図5】図4の電子写真装置に用いられた積層型電子写
真感光体の層構成を示す断面図。
【図6】従来の電子写真感光体の層構成を示す断面図。
【図7】電子写真装置の使用に伴う明部電位の推移を示
すグラフ。
【図8】電子写真装置の使用に伴う明部電位の推移を示
すグラフ。
【図9】本発明の電子写真装置に用いることのできる帯
電部材の例で、(a)は半導電性ブレードの断面図、
(b)は半導電性ファーブラシの断面図、(c)は半導
電性磁気ブラシの断面図。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体、該電子写真感光体に接
    触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真感
    光体を帯電する帯電部材、露光手段、現像手段及び転写
    手段を有する電子写真装置において、 該電子写真感光体が、支持体、該支持体上の電荷発生層
    及び該電荷発生層上の複数の層を有し、 該複数の層のうち、最も大きい比誘電率を有する層が表
    面層であることを特徴とする電子写真装置。
  2. 【請求項2】 複数の層がいずれも電荷輸送層である請
    求項1記載の電子写真装置。
  3. 【請求項3】 複数の層のうち、表面層の比誘電率と下
    層の比誘電率の差が0.3以上である請求項1または2
    に記載の電子写真装置。
  4. 【請求項4】 帯電部材に印加される電圧が直流電圧に
    交流電圧を重畳した脈流電圧である請求項1乃至3のい
    ずれかに記載の電子写真装置。
  5. 【請求項5】 電子写真感光体及び該電子写真感光体に
    接触配置され、電圧を印加されることにより該電子写真
    感光体を帯電する帯電部材を一体に支持し、電子写真装
    置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおい
    て、 該電子写真感光体が、支持体、該支持体上の電荷発生層
    及び該電荷発生層上の複数の層を有し、 該複数の層のうち、最も大きい比誘電率を有する層が表
    面層であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  6. 【請求項6】 複数の層がいずれも電荷輸送層である請
    求項5記載のプロセスカートリッジ。
  7. 【請求項7】 複数の層のうち、表面層の比誘電率と下
    層の比誘電率の差が0.3以上である請求項5または6
    に記載のプロセスカートリッジ。
  8. 【請求項8】 帯電部材に印加される電圧が直流電圧に
    交流電圧を重畳した脈流電圧である請求項5乃至7のい
    ずれかに記載のプロセスカートリッジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006267921A (ja) * 2005-03-25 2006-10-05 Fuji Xerox Co Ltd 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

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