JPH10332861A - 一窒化ウランの製造方法 - Google Patents

一窒化ウランの製造方法

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JPH10332861A
JPH10332861A JP9274986A JP27498697A JPH10332861A JP H10332861 A JPH10332861 A JP H10332861A JP 9274986 A JP9274986 A JP 9274986A JP 27498697 A JP27498697 A JP 27498697A JP H10332861 A JPH10332861 A JP H10332861A
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uranium
mononitride
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carbon
atmosphere
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JP9274986A
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Masashi Takahashi
昌史 高橋
Atsushi Yasuda
淳 安田
Kazuhisa Nishimura
一久 西村
Kazutoshi Tokai
和俊 渡海
Takemi Furuya
武美 古屋
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Nuclear Fuel Industries Ltd
Original Assignee
Nuclear Fuel Industries Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 二酸化ウランと炭素とが均一に分散した混合
塊を容易に作成でき、後の炭素熱還元反応において円滑
に反応を進めることが可能な一窒化ウランの製造方法を
提供する。 【解決手段】 液状硝酸ウラニルに粉体状炭素を分散し
た原液をアンモニア水中に滴下し、得られたゲル球を酸
素を含まない雰囲気中で加熱することにより、均一に炭
素が分散した二酸化ウラン粒とし、この二酸化ウラン粒
を炭素熱還元反応より一窒化ウランとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速増殖炉の燃料
等に用いられる一窒化ウラン(UN)の製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】窒化物燃料(UN)は、高い熱伝導率、高い
ウラン密度で酸化物燃料よりも優れ、また融点も酸化物
燃料に匹敵する特性を有する。そのため、近年では、窒
化物燃料(UN)は酸化物燃料(UO2) や炭化物燃料(UC)及び
金属燃料と共に、高速増殖炉の有力な候補として注目さ
れている。
【0003】窒化物燃料(UN)を製造する方法として、ウ
ラン金属法や、ウラン水素化物又は二酸化ウラン等を出
発物質として炭素熱還元反応により一窒化ウランとする
方法が提案されている。その中でも、後者の二酸化ウラ
ンを出発物質とする方法が一般的に用いられている。
【0004】二酸化ウランを出発物質として一窒化ウラ
ンを製造するには、まず、予め定めた割合の二酸化ウラ
ン粉末と炭素粉末とを均一に混合する。通常この混合
は、均一な混合状態を得るため数ステップにて行われ
る。次に、得られた混合粉体を圧縮成型して混合塊とす
る。この混合塊を1400〜1600℃の高純度窒素雰囲気中に
おいて10時間加熱することにより炭素熱還元反応を起こ
させ、次いで、1400〜1600℃のアンモニア雰囲気、或は
窒素と水素の混合ガス雰囲気において数時間加熱するこ
とにより過剰分の炭素を除去し、一窒化ウランを得てい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法では、粉体状の二酸化ウランUO2 に粉体状の炭素を
機械的に混合して圧縮成型することにより、二酸化ウラ
ンと炭素との混合塊を得ているため、混合塊の内部にお
いて二酸化ウランと炭素とが均一に分散したものとなり
にくく、炭素の部分的な偏りを含むものとなってしま
う。
【0006】そのような炭素の部分的な偏りはその後の
炭素熱還元反応において反応を遅くするため、最終目的
物である一窒化ウランを得るまでに非常に時間がかか
り、また、偏った部分の炭素が残留して、得られる一窒
化ウランの純度を低下させる等の問題を生じさせる。
【0007】この様なことを防ぐために従来では、二酸
化ウラン粉末と炭素粉末との混合を長い時間かけて行っ
ているが、これもまた、最終目的物の一窒化ウランを得
るまでに要する時間の長期化につながる。
【0008】そこで本発明は、二酸化ウランと炭素とが
均一に分散した混合塊を容易に作成でき、後の炭素熱還
元反応において円滑に反応を進めることが可能な一窒化
ウランの製造方法を提案することを目的とする。また、
従来よりも短い時間で高純度の一窒化ウランが得られる
一窒化ウランの製造方法を提案することも目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1の発明は、炭素熱還元反応を用いて一窒化ウラ
ンを製造する方法であって、硝酸ウラニルUO2(NO3)2
溶液に炭素Cを分散させて滴下原液を得る原液調整工程
と、前記滴下原液をアンモニア(NH3) 水溶液中に滴下し
て硝酸ウラニルを反応させ、重ウラン酸アンモニウム(N
H4)2U2O7に炭素Cが分散したゲル球とするゲル球形成工
程と、前記ゲル球を常温の酸素Oを含まない雰囲気中に
置き、 850℃程度まで昇温させることにより前記ゲル球
中のウランを還元(即ち、U(VI)→U(IV))させて二酸
化ウランUO2 に炭素Cが分散した二酸化ウランUO2粒と
するウラン還元工程とを含み、得られた二酸化ウランUO
2粒を炭素熱還元反応により一窒化ウランUNとすること
を特徴としている。
【0010】即ち、本発明では、粉体状の炭素Cを液体
状の硝酸ウラニルに分散させているため、物理的に炭素
Cを均一に分散させるのが容易であり、さらにその分散
状態のままアンモニア水溶液中に滴下して硝酸ウラニル
のみを反応させ粒状としているため、得られる重ウラン
酸アンモニウム粒内の状態も炭素Cが均一に分散したも
のとなる。
【0011】従って、重ウラン酸アンモニウム粒を還元
して得られる二酸化ウラン粒も、炭素Cが均一に分散し
たものとなるので、後に行う炭素熱還元反応において、
反応が良好に進み、従来よりも短い時間で高純度の一窒
化ウランを得ることが可能である。
【0012】なお、前記原液調整工程において用いる硝
酸ウラニル水溶液は、ウラン濃度が1.5 mol/l以上2.2 m
ol/l以下の範囲内のものとするのが良い。この場合、ウ
ラン濃度が1.5 mol/l よりも低くなると、後の炭素還元
反応後に得られる一窒化ウラン(UN)の量が少なくなるの
で好ましくない。逆に、ウラン濃度が2.2mol/lよりも高
くなると、粘度や反応速度の関係で良好なゲル球が得ら
れないことが多くなるので好ましくない。
【0013】また、硝酸ウラニル水溶液中に分散させる
炭素Cの量は、後の炭素熱還元反応においてすべての炭
素が反応する量に調整する。即ち、炭素CとウランUと
の比率C/Uが2.1以上4.0以下となるようにすると良
い。
【0014】前記ゲル球形成工程において用いる滴下用
のアンモニア(NH3) 水溶液は、濃度が20重量%以上28重
量%以下の範囲内のアンモニア水溶液を用いると良い。
尚、この範囲は20重量%よりも低い濃度であると反応に
時間がかかるので好ましくなく、28重量%よりも高い濃
度であると過飽和液となるため不安定で好ましくないと
いう理由による。
【0015】また、前記ウラン還元工程において酸素O
を含まない雰囲気としては、例えば真空や、ヘリウム・
アルゴン等の不活性気体や、水素、窒素などのように、
還元反応により二酸化ウランUO2が形成される温度、即
ち850℃程度の比較的安定で酸素を含まない雰囲気であ
れば良い。
【0016】尚、ウラン還元工程における温度は二酸化
ウランUO2 が形成される温度であれば良いので、厳密に
850℃に維持しなければならないとする必要はなく、850
℃程度、即ち、850℃前後の二酸化ウランUO2の形成に適
した温度とすれば良い。
【0017】請求項2の発明は、請求項1に記載の方法
において、前記ゲル球形成工程が滴下により得られたゲ
ル球をアンモニア(NH3) 水溶液中において熟成させる熟
成工程を含んでいることを特徴とする。
【0018】即ち、滴下原液の適下後、直ちに反応する
のは液滴の表面層を形成する領域にある硝酸ウラニルで
あり、液滴の中心部にある硝酸ウラニルが反応する迄に
は多少時間がかかる。
【0019】その為、本発明では、液滴をアンモニア水
溶液中において一定時間放置して熟成させることによ
り、液滴中の硝酸ウラニルを中心部まで完全に反応させ
るものとしている。
【0020】熟成の仕方としては、滴下原液の滴下によ
りアンモニア水溶液中に形成されたゲル球を、アンモニ
ア水溶液中にそのまま放置しても良いし、ゲル球を熟成
用の新規なアンモニア水溶液中に入れ替えてから放置し
ても良い。
【0021】また、例えば、30分おきのように一定時間
ごとに新規なアンモニア水溶液中にゲル球を入れ替えて
もよい。この場合、入れ替えないで放置するよりも、反
応速度を一定に保つことができるので、短い時間で完全
に中心部まで反応させることが可能である。
【0022】熟成用のアンモニア水溶液としては、20重
量%以上28重量%(飽和)以下のアンモニア水溶液を用
いると良い。尚、この範囲は20重量%よりも低い濃度で
あると反応に時間がかかるので好ましくなく、28重量%
は飽和値であることから決定されている。
【0023】請求項3の発明は、請求項1に記載の方法
において、前記炭素熱還元反応が前記二酸化ウランUO2
粒を1400℃を超える温度に調整した窒素Nを含む雰囲気
中で加熱して一窒化ウランUN粒とする脱酸素工程を含む
ことを特徴とする。
【0024】即ち、二酸化ウランUO2 が高温雰囲気中、
炭素及び窒素の存在下におかれるとUO2 + 2C + 1/2N2
UN + 2COの反応が速やかに進む。本発明では、炭素が均
一に分散された二酸化ウランUO2 粒を1400℃を超える温
度に調整した窒素Nを含む雰囲気中で加熱することによ
り上記反応を効率よく起こして一窒化ウランUN粒として
いる。
【0025】請求項4の発明は、請求項3による一窒化
ウランの製造方法において、前記脱酸素工程における窒
素Nを含む雰囲気が、純窒素雰囲気、或いはアンモニア
雰囲気、或いは窒素と水素の混合ガスからなる雰囲気で
あることを特徴とする。
【0026】そのような窒素を含む雰囲気としては、例
えば、N2−5%H2以上80%H2以下の組成のN2−H2混合ガ
ス雰囲気が挙げられる。また、より好適には、アンモニ
アガス雰囲気を用いる。アンモニアガスは、入手が容易
であるという利点を有し、コスト的にも安価であるとい
う利点も有している。
【0027】請求項5の発明は、請求項3による一窒化
ウランの製造方法において、前記脱酸素工程において、
前記二酸化ウランUO2 粒を1400℃を超える温度で加熱後
に、雰囲気を不活性気体で置換してから降温することを
特徴とする。
【0028】即ち、一窒化ウランUNは、1400℃を超える
温度では安定に存在するが、窒素の存在下において1400
℃以下の温度雰囲気では三窒化ウランU2N3となるため、
請求項5の発明では、炭素熱還元反応により生成した一
窒化ウランUN粒を、窒素が存在せず、ウランが反応可能
な他の元素が存在しない不活性気体中にて降温するもの
としている。これにより、一窒化ウランUNが変化するこ
となく一窒化ウランUN粒が得られるので、従来よりも短
い時間で高純度の一窒化ウランを得ることができる。
【0029】請求項6の発明は、請求項1に記載の方法
において、前記炭素熱還元反応が、前記二酸化ウランUO
2粒を不活性気体中で加熱し、二酸化ウランUO2粒中の二
酸化ウランUO2と炭素Cとを反応させて炭化ウランUC粒と
するウラン炭化工程と、前記炭化ウランUC粒を窒素Nを
含む雰囲気中で加熱し、三窒化ウランU2N3粒とする三窒
化ウランU2N3粒形成工程と、前記三窒化ウランU2N3粒を
1400℃を超える温度に調整した窒素Nを含む雰囲気中で
加熱して一窒化ウランUN粒とする脱窒素工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0030】即ち、本発明は前記二酸化ウランUO2 粒を
一窒化ウランUN粒とするための方法に関するものであ
り、二酸化ウラン粒中には炭素が均一に分散されている
ため、ウラン炭化工程において二酸化ウランと炭素との
反応がスムーズに進み、効率よく高純度の炭化ウラン粒
を得ることができる。従って、その後の三窒化ウラン粒
形成工程においても効率よく高純度の三窒化ウラン粒を
得ることができる。
【0031】さらに、三窒化ウラン粒は1400℃を超える
温度では、一窒化ウランとして安定に存在するため、簡
単に三窒化ウランを一窒化ウランにすることができ、効
率よく高純度一窒化ウラン粒を得ることができる。
【0032】さらに、本発明の方法では、二酸化ウラン
粒UO2 を炭化ウランUC粒とした後に三窒化ウランU2N3
としてから一窒化ウランUN粒としているため、粒子強度
が比較的低い一窒化ウランUN粒を得ることができる。
【0033】得られた一窒化ウランUN粒は、破砕と同時
に成形(プレス成形)された後、焼結して窒化物ペレッ
トとされるが、本発明で得られる一窒化ウランUN粒は粒
子強度が比較的低いため、この成形工程は過大な力を要
することなく容易に行われ、従って粒子の状態で成形し
て圧密化された窒化物ペレットとすることが可能であ
る。
【0034】前記ウラン炭化工程における不活性気体と
しては、ヘリウム・アルゴン等が挙げられる。勿論、こ
の不活性気体とは、二酸化ウランUO2 粒の加熱中に、二
酸化ウランUO2 粒を還元したり、酸化或は窒化する等の
反応を起こさない意味での不活性な気体のことであり、
ヘリウム・アルゴン以外でも不活性な気体であれば用い
ることができる。
【0035】また、前記三窒化ウラン粒形成工程におけ
る窒素を含む雰囲気としては、アンモニア雰囲気、或い
は窒素と水素の混合ガスからなる雰囲気等が挙げられ
る。また脱窒素工程は、三窒化ウラン粒を1400℃を超え
る温度とし、三窒化ウラン粒形成工程と同様にアンモニ
ア雰囲気、或は窒素と水素の混合ガスからなる雰囲気と
して実施する。
【0036】請求項7の発明は、請求項6に記載の方法
において、前記ウラン炭化工程における不活性気体の温
度を1300℃以上1600℃以下の範囲内に調整し、前記二酸
化ウランUO2 粒を少なくとも2時間に亘って加熱するこ
とを特徴とする。
【0037】即ち、前記ウラン炭化工程において、不活
性気体の温度を1300℃よりも低くすると反応が進まず、
また、1600℃よりも高くすることは不経済であり好まし
くない。また、加熱時間が2時間よりも少ないと充分に
反応せず好ましくない。
【0038】請求項8の発明は、請求項6に記載の方法
において、前記三窒化ウラン粒U2N3粒形成工程において
前記窒素を含む雰囲気の温度を 500℃以上1400℃以下の
範囲内に調整し、前記炭化ウランUC粒を少なくとも2時
間に亘って加熱することを特徴とする。
【0039】即ち、前記三窒化ウラン粒形成工程におい
て、窒素を含む雰囲気の温度を500℃よりも低くすると
三窒化ウランが形成されず、1400℃よりも高くすると三
窒化ウランとならずに一窒化ウランとなるため粒子強度
の高い一窒化ウランとなり、成形性の点で問題が生じ
る。
【0040】請求項9の発明は、請求項6に記載の方法
において、前記三窒化ウランU2N3粒形成工程における窒
素を含む雰囲気が、アンモニア雰囲気、或いは窒素と水
素の混合ガスからなる雰囲気であることを特徴とする。
【0041】そのような窒素を含む雰囲気としては、例
えば、N2−5%H2以上30%H2以下の組成のN2−H2混合ガ
ス雰囲気が挙げられる。また、より好適には、アンモニ
アガス雰囲気を用いる。アンモニアガスは、入手が容易
であるという利点を有し、コスト的にも安価であるとい
う利点も有している。
【0042】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施形態を簡
単に示すフローチャート図である。以下、このフローチ
ャートに沿って本発明の一実施例を説明する。
【0043】1)原液調整工程 ウランU濃度2mol/l の硝酸ウラニル水溶液に、平均粒
径0.1μmの炭素粉末をC/U = 3.0 となるように混合し、
粘度調整材として10重量%のポリビニルアルコール[CH2
CH(OH)]n水溶液200 mlおよびテトラヒドロフルフリルア
ルコール[C4H7OCH2OH]200 mlを適宜加えて合計1000mlと
した後、ホモジナイザーにより10分間混合して滴下原液
を得た。
【0044】2)ゲル球形成工程 内径1mmの注射針を用いて28重量%アンモニア水溶液中
に滴下原液を滴下し、内部に炭素粉末が均一に分布した
直径約1000〜2000μmの重ウラン酸アンモニウム(NH4)2
U2O7ゲル球を得た。
【0045】得られたゲル球を85℃のウォーターバス中
で保温された新規の28重量%アンモニア水溶液中に入
れ、30分後に別の新規のアンモニア水溶液に入れ替え
た。この作業を合計3回行ってゲル球を熟成させた。熟
成させたゲル球を90℃の熱水中で1時間洗浄し、硝酸ア
ンモニウム等の余分な不純物を除去した後、ロータリー
エバポレーターを用いて85℃で2時間乾燥させ、重ウラ
ン酸アンモニウム(NH4)2U2O7に炭素が均一に分散した乾
燥ゲル球を得た。
【0046】3)ウラン還元工程 得られたゲル球を雰囲気可変炉に装入し、窒素雰囲気中
で室温より昇温させ、850 ℃で1時間加熱することによ
り、粒中の重ウラン酸アンモニウム(NH4)2U2O7を還元
し、炭素Cが均一に分散した二酸化ウランUO2粒を得た。
【0047】4)脱酸素工程 その後、さらに昇温して1500℃で10時間保持した後、そ
の温度を保持した状態でN2−20%H2混合ガス雰囲気とし
て5時間保持し、二酸化ウランUO2 粒から一窒化ウラン
UN粒を生成させた。その後、その温度を保持した状態で
アルゴンArガス雰囲気としてから降温し、一窒化ウラン
UN粒を得た。
【0048】得られた一窒化ウランUN粒は、燃料棒内に
振動充填して用いてもよいし、プレス成形によりペレッ
ト状に成形した後、1750℃程度のの窒素雰囲気中で10時
間保持して焼結し、UNペレットとしても良い。
【0049】図2は、本発明の別の実施形態を簡単に示
すフローチャート図である。以下、このフローチャート
に沿って本発明の別の実施例を説明する。
【0050】1)原液調整工程 ウランU濃度2mol/l の硝酸ウラニル水溶液に炭素粉末
をC/U = 3.6 となるように混合し、粘度調整材として10
重量%のポリビニルアルコール[CH2CH(OH)]n水溶液20ml
及びテトラヒドロフルフリルアルコール[C4H7OCH2OH]20
mlを適宜加えて合計100 mlとした後、ホモジナイザーに
より10分間混合して滴下原液を得た。
【0051】2)ゲル球形成工程 内径1mmの注射針を用いて28重量%アンモニア水溶液中
に滴下原液を滴下し、内部に炭素粉末が均一に分布した
直径約1000〜2000μmの重ウラン酸アンモニウム(NH4)2
U2O7ゲル球を得た。
【0052】得られたゲル球を85℃のウォーターバス中
で保温された新規の28重量%アンモニア水溶液中に入
れ、30分後に別の新規のアンモニア水溶液に入れ替え
た。この作業を合計3回行ってゲル球を熟成させた。熟
成させたゲル球を90℃の熱水中で1時間洗浄し、硝酸ア
ンモニウム等の余分な不純物を除去した後、ロータリー
エバポレーターを用いて85℃で2時間乾燥させ、重ウラ
ン酸アンモニウム(NH4)2U2O7に炭素Cが均一に分散した
乾燥ゲル球を得た。
【0053】3)ウラン還元工程 得られたゲル球を雰囲気可変炉に装入し、アルゴン雰囲
気中で 850℃にて加熱することにより粒中の重ウラン酸
アンモニウム(NH4)2U2O7を還元し、二酸化ウラン粒とし
た。
【0054】4)ウラン炭化工程 得られた二酸化ウラン粒を1500℃のアルゴン雰囲気で13
時間保持して粒中の二酸化ウランと炭素とを反応させ、
炭化ウランUC粒を得た。
【0055】5)三窒化ウラン粒形成工程 炭化ウランUC粒を1200℃のアンモニア雰囲気で10時間保
持して炭素熱還元反応を起こさせ、三窒化ウラン粒を生
成した。
【0056】6)脱窒素工程 三窒化ウラン粒を生成後、1650℃の窒素N2雰囲気で5
時間保持して一窒化ウランUN粒を得た。
【0057】得られた一窒化ウランUN粒は粒子強度が低
いため機械的に二次成形し易い物となる。上記方法にお
いて得られた一窒化ウランUN粒は、破砕してUN粉末とし
ても良いし、さらには粉末成形プレスを用いてペレット
状に成形した後に1750℃程度の窒素雰囲気中で約10時間
保持して焼結すれば焼結UNペレットとすることができ
る。
【0058】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、二酸化
ウランUO2 に対して均一に炭素を分散させることができ
るため、後の炭素熱還元反応を円滑に進めさせることが
可能であり、高純度の一窒化ウランを得ることができ
る。また、従来よりも短い時間でウランと炭素とを均一
に混合することができるので、作業効率も向上したもの
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による工程を示すフローチ
ャート図である。
【図2】本発明の別の実施形態による工程を示すフロー
チャート図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素熱還元反応を用いて一窒化ウランを
    製造する方法であって、 硝酸ウラニルUO2(NO3)2水溶液に炭素Cを分散させて滴下
    原液を得る原液調整工程と、 前記滴下原液をアンモニア(NH3)水溶液中に滴下して硝
    酸ウラニルUO2(NO3)2を反応させ、重ウラン酸アンモニ
    ウム(NH4)2U2O7に炭素Cが分散したゲル球とするゲル球
    形成工程と、 前記ゲル球を常温の酸素Oを含まない雰囲気中に置き、8
    50℃程度まで昇温させることによりゲル球中のウランを
    還元させて二酸化ウランUO2に炭素Cが分散した二酸化ウ
    ランUO2粒とするウラン還元工程とを含み、 得られた二酸化ウランUO2 粒を炭素熱還元反応により一
    窒化ウランUNとすることを特徴とする一窒化ウランの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 ゲル球形成工程が、滴下により得られた
    ゲル球をアンモニア水溶液中において熟成させる熟成工
    程を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の一窒
    化ウランの製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素熱還元反応が、二酸化ウランUO2
    を1400℃を超える温度に調整した窒素Nを含む雰囲気中
    で加熱して一窒化ウランUN粒とする脱酸素工程を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載の一窒化ウランの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 脱酸素工程における窒素Nを含む雰囲気
    が、純窒素雰囲気、或いはアンモニア雰囲気、或いは窒
    素と水素の混合ガスからなる雰囲気であることを特徴と
    する請求項3に記載の一窒化ウランの製造方法。
  5. 【請求項5】 脱酸素工程において、二酸化ウランUO2
    粒を1400℃を超える温度で加熱後に、雰囲気を不活性気
    体で置換してから降温することを特徴とする請求項3に
    記載の一窒化ウランの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記炭素熱還元反応が、 二酸化ウランUO2粒を不活性気体中又は真空中で加熱
    し、二酸化ウランUO2粒中の二酸化ウランUO2と炭素Cと
    を反応させて炭化ウランUC粒とするウラン炭化工程と、 前記炭化ウランUC粒を窒素Nを含む雰囲気中で加熱し、
    三窒化ウランU2N3粒とする三窒化ウランU2N3粒形成工程
    と、 前記三窒化ウランU2N3粒を1400℃を超える温度に調整し
    た窒素Nを含む雰囲気中で加熱して一窒化ウランUN粒と
    する脱窒素工程とを含むことを特徴とする請求項1に記
    載の一窒化ウランの製造方法。
  7. 【請求項7】 ウラン炭化工程において前記不活性気体
    の温度を1300℃以上1600℃以下の範囲内に調整し、前記
    二酸化ウランUO2 粒を少なくとも2時間加熱することを
    特徴とする請求項6に記載の一窒化ウランの製造方法。
  8. 【請求項8】 三窒化ウランU2N3粒形成工程において前
    記窒素Nを含む雰囲気の温度を 500℃以上1400℃以下の
    範囲内に調整し、前記炭化ウランUC粒を少なくとも2時
    間加熱することを特徴とする請求項6に記載の一窒化ウ
    ランの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記三窒化ウランU2N3粒形成工程におけ
    る窒素Nを含む雰囲気が、アンモニア雰囲気或いは窒素
    と水素の混合ガスからなる雰囲気であることを特徴とす
    る請求項6に記載の一窒化ウランの製造方法。
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