JPH10332275A - 加圧処理用装置 - Google Patents

加圧処理用装置

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JPH10332275A
JPH10332275A JP14412797A JP14412797A JPH10332275A JP H10332275 A JPH10332275 A JP H10332275A JP 14412797 A JP14412797 A JP 14412797A JP 14412797 A JP14412797 A JP 14412797A JP H10332275 A JPH10332275 A JP H10332275A
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JP
Japan
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pressure
processing chamber
pressure vessel
pressurized fluid
pressurized
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Application number
JP14412797A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshihiko Sakashita
由彦 坂下
Takao Fujikawa
隆男 藤川
Yutaka Narukawa
成川  裕
Itaru Masuoka
格 増岡
Takahiro Yuki
隆裕 結城
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧力容器内へ被処理物を入れ、この圧力容器
内へ高圧ガスを高圧充填させることで孔状欠陥の除去等
をする高圧処理装置では、高圧ガスの充填前に圧力容器
内を真空引きする。このとき、真空引きのための吸引ポ
ートは、高圧ガスの供給口と兼用されていたため、径小
であり、真空引きを確実且つ高速で行ううえで問題があ
った。 【解決手段】 圧力容器2の下蓋11に独自の吸引ポー
ト25を設け、これに開閉弁22を設ける。また開閉弁
22に設けられる弁軸23内を利用して、ガス通路27
を別個に形成させ、このガス通路27によって高圧ガス
の給排を行わせる。ガス通路27は、圧力容器2の容器
軸心に一致した配置とされ、高速・高圧の注入流れが均
一に分散するようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱間等方圧プレス
処理、高圧ガス酸化(又は窒化)処理、超臨界状態の流
体による脱脂処理のための高圧ガス処理等を行うことが
できる加圧処理用装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱間等方圧プレス処理(以下、「HIP
処理」と言う)は、各種合金の鋳造品や超硬合金等にお
ける焼結品に対し、その内部に気孔等の不具合が発生し
たときにこの気孔除去等の目的で行われる処理であっ
て、内部を処理室とする円筒状の圧力容器内へ被処理物
を入れて、アルゴン等の不活性ガスで、数百kgf/c
2 を超える加圧ガス雰囲気下に曝すようにする。
【0003】このようなHIP処理に代表される加圧処
理は、バッチ処理であり、被処理物の出し入れのたびに
圧力容器の蓋を開閉する必要がある。そのため、処理開
始に先立って、被処理物の酸化防止のための真空化が必
要になっている。しかし、従来の圧力容器は、真空引き
のための吸引ポートと加圧ガスの給排通路とを兼用させ
た構造となっているのが普通であるため、その開口面積
は加圧ガスの給排に適合させてあり、真空引きには必ず
しも十分とは言えなかった。従って、真空度が十分でな
かったり、時間がかかったりすることがあった。
【0004】そのため、酸化に敏感でありながら酸化が
製品価値を消失させるような被処理物(半導体等)の場
合、真空排気の確実化が重要な要請として叫ばれてい
る。また、殊に半導体等の処理では、一般的なHIP処
理が数時間にわたるのとは異なって数分間と短いため、
それだけ加圧ガスの給排や真空排気も高速で行えるよう
にすることが要請されている。
【0005】なお、USP4,268,708(以下、
「第1従来例」と言う)には、超硬合金等を真空焼結さ
せた後、引き続きHIP処理へ移行できるようにするた
めの装置が記載されており、この装置では、圧力容器の
下蓋に、真空引きのための吸引ポートと加圧ガスの給排
通路とが各別に設けられている。また、USP3,77
5,043(以下、「第2従来例」と言う)には、脱ガ
ス処理を短時間に行うことを目的とした装置が記載され
ており、この装置では、リフタによって昇降する上蓋が
上昇位置(開口位置)にあるときに、この上蓋をも含め
て圧力容器の開口部を取り囲むことができるハウジング
が設けられ、このハンジング内を通じて減圧するように
なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】第1従来例では、真空
引きのための吸引ポートと加圧ガスの給排通路とを各別
に有するため、装置の機能上は、真空排気の確実且つ高
速化に対応できるかのように見える。しかし、これら吸
引ポートも給排通路も、共に圧力容器の下蓋に設けられ
ている関係上、いずれも圧力容器の容器軸心に対して偏
心した位置付けとなっている。そのため、加圧ガスの給
排及び真空引きを高速で行うために高圧化すると、処理
室内でのガス流が偏流化又は乱流化を起こして、被処理
物に温度不均一化を招来させるおそれがある。その結
果、良質の製品又は半製品を得ることが難しいというこ
とがあった。
【0007】また第2従来例では、圧力容器上部に大型
のハウジングを具備しているため、真空引き時にはこの
ハンジング内全域をも含めて真空化する必要が生じ、そ
の結果、真空ポンプとして余程大型のものを設置しない
限り、真空引きの高速化には対応できないということが
あった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであ
って、処理室に対する加圧ガスの給排及び真空引きを高
速で行えるようにしつつ、被処理物に対する温度均一化
を保持して高品質の製品又は半製品が得られるようにし
た加圧処理用装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、上記目的を
達成するために、次の技術的手段を講じた。即ち、本発
明に係る加圧処理用装置では、圧力容器に弁体を設け
て、この弁体によって真空引き用の吸引ポートを開閉す
るようにしている。この弁体は、容器軸心方向に沿って
移動可能とされた弁軸を有して開閉動作する。そして、
この弁体に対して、弁軸内を経て処理室の中心で開口す
る加圧流体給排用の流体通路を設けてある。
【0009】従って、流体通路を介して圧力容器の処理
室へ供給される加圧流体は、処理室の中心に沿って軸対
称となる流れを生じつつ吹き出し、その後、処理室内の
全周方向へ向けて均一に分散されるようになる。従っ
て、処理室内で偏流や乱流の発生は防止される。そのた
め、加圧流体の給排を高速で行うため高圧化等化する場
合であっても、被処理物に対しては、その全面が一様に
加熱されることになり、その温度分布は均一になる。す
なわち、被処理物が局部的に冷却されたり灼熱化された
りすることがないので、処理後の製品又は半製品として
高品質のものが得られる。
【0010】また、真空引き用の吸引ポートと加圧流体
給排用の流体通路とを各別に設けているので、吸引ポー
トの開口面積を、流体通路とは無関係に大きくすること
ができ、それだけ真空引きを高速で且つ確実に行えるも
のとなる。圧力容器に対し、その容器軸心に沿った両側
を同時に押圧可能にする少なくとも2つの枠型プレスフ
レームを設け、且つこれら枠型プレスフレームを、容器
軸心の側方から容器軸心へ向けて近接・離反可能にして
おくと、圧力容器の一端部に設ける弁体やその周辺構造
を枠型プレスフレームとは分離独立したものにできる。
【0011】そのため、枠型プレスフレームとして、弁
体を設けるためのスペースや取付構造、或いは耐圧構造
等は不要化できる。従って、構造の簡潔化が図れる。ま
た、各枠型プレスフレームによって圧力容器の両端部を
押圧する場合に、いずれの枠型プレスフレームも圧力容
器の容器軸心に到達することがないものとしておけば、
圧力容器に設ける上記弁体やその周辺構造等に対して、
各枠型プレスフレームが干渉することがない。従って、
このことも構造の簡潔化を図るうえで有益となる。
【0012】弁体に設けられる流体通路にフィルタを設
けておくと、加圧流体中に含まれる混入物を除去できる
ことになる。従って、被処理物が半導体等である場合の
ように処理室に塵(パーティクル)等が混入するのを徹
底的に嫌うときに特に有益となる。そして、このフィル
タの設け位置として、流体通路における処理室側へ臨む
位置、即ち、最も処理室に近い部位とすることで、混入
物の除去性を最大限に高めることができる。
【0013】ところで、流体通路を介して処理室へ加圧
流体を供給する場合にあって、加圧流体がガスであると
きには、その供給手段としてボンベ等のガス蓄圧器を用
いることができる。このとき、加圧流体の供給開始時に
は、ガス蓄圧器の初期内圧が高い(即ち、ガス蓄圧器内
のガス充填圧と圧力容器の内圧との差圧が大きい)た
め、暫時的に大流量の加圧流体が流れることがある。
【0014】そこで、流体通路に対し、フィルタに近づ
くほど拡径する圧力緩和部を形成しておくと、この圧力
緩和部内で、加圧流体の流量には損失を与えずに流速だ
けを鈍化でき、もってフィルタに対する負荷圧を小さく
してその強度的負担を軽減できることになる。また、上
記のようにフィルタを設ける場合であると、処理後の加
圧流体を処理室から流体通路によって回収するときに
も、加圧流体中の混入物を捕捉できるため、加圧流体を
清浄に保って良好な結果をもたらすことになる。ところ
が、次回の処理時に、三たびこの流体通路を用いて処理
室へ加圧流体を供給すると、折角、フィルタで捕捉した
混入物を処理室で巻き散らしてしまうことになる。
【0015】そこで、圧力容器に対して、流体通路とは
別に、加圧流体の専用排気通路を設けておけば、この専
用排気通路を介して処理後の加圧流体を回収することが
できる。即ち、上記流体通路は、常に加圧流体の供給に
専用させることになるため、フィルタに対する加圧流体
の通過方向は一方向となり、一旦、フィルタで捕捉され
た混入物が処理室へ戻されて、再汚染されるということ
はない。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明に係る加圧処理用
装置1の第1実施形態を示している。この加圧処理用装
置1は、円筒状をした圧力容器2に対し、加圧流体用の
給排手段(図示略)からの接続配管3及び真空引き手段
(図示略)からの接続配管4が設けられていると共に、
圧力容器2の軸方向荷重に対する耐圧力を持たせるため
の枠型のプレスフレーム5が着脱可能に設けられてい
る。
【0017】圧力容器2は、上下に貫通する円筒状の容
器本体7に対し、その上部開口にシール部材8を介して
上蓋9が気密に嵌合され、また下部開口にシール材10
を介して下蓋11が気密に嵌合されることにより、内部
に処理室12が形成されるようになっている。この処理
室12内には、有底円筒体を倒立させた形体の断熱構造
体14が設けられ、更にこの断熱構造体14の内側にヒ
ータ15が設けられている。そして、このヒータ15に
よって囲まれた状態で、下蓋11上に、被処理物を載せ
るための試料台16が設けられている。なお、被処理物
については、図2に示す加圧処理用装置1の第2実施形
態において、符号Wで示した。
【0018】圧力容器2に対する枠型プレスフレーム5
の着脱は、旋回式又は走行台車式によって行われる。圧
力容器2の下蓋11には、その中心部に上下貫通孔18
が形成されている。また、下蓋11の下部には、この上
下貫通孔18における下部開口に連通する状態でコップ
状をした継手管19が設けられている。そして、この継
手管19の横口19aを介して、上記した真空引き手段
(図示略)からの接続配管4が接続されている。
【0019】また、上下貫通孔18における上部開口の
開口周部には弁座20が形成され、この弁座20には、
シール材21を介して気密的な当接が可能になされた弁
体22が設けられている。この弁体22は、上下貫通孔
18と継手管19の内部とを縦方向に通り抜け、更に継
手管19の下部を貫通する弁軸23を有している。上下
貫通孔18及び継手管19の内周面と弁軸23の外周面
との間には、周隙間が保持されている。継手管19に
は、弁軸23が突き抜ける部分にシール材24が設けら
れており、弁軸23まわりに形成される上記周隙間を気
密に保持させたまま、弁軸23の容器軸心方向(上下方
向)への摺動を許容するようになっている。
【0020】このようなことから、弁軸23まわりの周
隙間は、上記真空引き手段(図示略)に繋がる吸引ポー
ト25となり、弁体22は、弁軸23の摺動に伴って弁
座20に対する気密的な当接と解放とを切り換えて、こ
の吸引ポート25を開閉することになる。一方、弁体2
2には、弁軸23の内部を経て上下方向に貫通する流体
通路27が設けられている。この流体通路27が弁体2
2の上面部で開口する位置は、処理室12の中心位置に
一致している。
【0021】弁軸23において、継手管19の下方へ突
出する端部には、内部にL字状をした連通路28を有し
た連結具30が設けられている。そして、この連結具3
0の連通路28に対して、上記した加圧流体用の給排手
段(図示略)からの接続配管3が接続されている。この
接続配管3は、経路中の一部又は全部が可撓管によって
形成されている。また、上記連結具30には、空気圧又
は油圧シリンダ或いはモータ駆動機構等の弁駆動装置3
1が接続されている。従って、この弁駆動装置31の作
動によって弁体22が開閉動されるものである。
【0022】このような構成の加圧処理用装置1を用い
た被処理物の加圧処理では、まず容器本体7から上蓋9
又は下蓋11を外して処理室12へ被処理物をセットす
る。このとき、被処理物を予め装置外で予熱させておけ
ば、加熱時間の短縮化を図ることができる。被処理物の
セット完了後は、真空引き手段(図示略)を作動させて
処理室12の真空引きを行う。この場合、弁体22の開
弁によって形成される吸引ポート25の開口面積は、流
体通路27の内径とは無関係に、上下貫通孔18の内径
と弁軸23の外径との差を所定に応じて設計すること
で、必要十分なものを確保できる。そのため、真空引き
に係る時間を大幅に短縮させることができ、また、真空
排気を確実に、所定状態まで高めることができる。
【0023】処理室12の真空引きが終わると、次に加
圧流体の給排手段(図示略)を作動させて処理室12へ
加圧流体を供給する。この加圧流体にアルゴン等の不活
性ガスを用いる場合にあって、その給排手段としては、
処理室12への供給圧を200kgf/cm2 程度とす
るのであればボンベ等のガス蓄圧器を用いればよく、ま
たこれより高圧とするのであれば、ガス圧縮機を用いれ
ばよい。
【0024】ガス蓄圧器を用いる場合、加圧流体の供給
時間は、ガス蓄圧器の内圧(ガス充填圧)と圧力容器2
の内圧との差圧によって支配される。すなわち、被処理
物を処理室12へセットするときには、上記のように上
蓋9又は下蓋11を外すために処理室12内は大気圧と
なるが、その後に真空排気を行うため、加圧流体の供給
時点で処理室12内は減圧状態になっている。従って、
これを原因としてガス蓄圧器と圧力容器2との間には、
ガス蓄圧器自体の内圧値よりも高い差圧が生じることに
なり、それだけ高速で加圧流体の供給が行える。
【0025】なお、ガス圧縮機を用いる場合は、言うま
でもなくその容量によって供給時間が支配されることに
なる。加圧流体は供給時の温度が室温であるとしても、
処理室12に対しては、その中心に沿って軸対称となる
流れを生じつつ吹き出し、その後、処理室12内の全周
方向へ向けて均一に分散されるようになる。そのため、
処理室12内において加圧流体の偏流や乱流等の発生は
防止され、被処理物に対しては、その全面が一様に加熱
されることになる。従ってその結果、被処理物に温度ム
ラが生じることはなくなる。
【0026】このようなことから、処理室12へ被処理
物をセットした時点から、処理室12内を十分且つ確実
な真空排気状態にし、且つ加圧流体を所定圧で供給して
被処理物を所定温度にするまでの過程が、短時間のうち
に行えるものである。図2は、本発明に係る加圧処理用
装置1の第2実施形態を示したもので、この第2実施形
態では、圧力容器2の上蓋9に対して上下貫通孔18が
設けられ、この上下貫通孔18に対して弁体22及び弁
軸23が設けられ、そして加圧流体用の接続配管3や真
空引き用の接続配管4、及びその周辺機器等が設けられ
たものである。即ち、第1実施形態とは、弁体22及び
弁軸23の取付配置が上下逆になっているものである。
【0027】また、この第2実施形態では、Siウェハ
等の半導体への適用を重点的に考慮したものとなってい
る。従って、その主たる改良点としては、弁体22の流
体通路27に混入物捕捉用のフィルタ35を設け、また
圧力容器2に対して、上記流体通路27とは別に、加圧
流体の専用排気通路36を設けている。流体通路27に
設けるフィルタ35は、弁体22において処理室12側
へ臨む位置、即ち、流体通路27を用いて加圧流体を処
理室12へ供給する経路としての、最も下流端(出口
側)となる位置に配されている。
【0028】フィルタ35には、捕捉する混入物にもよ
るが、例えばSiウェハ等の加圧処理には0.2μm以
下の塵をも除去する必要があり、また高圧に耐える必要
があることから、ステンレススチール鋼やニッケル等の
金属粉末を焼結させて多孔質にさせたものを用いるとよ
い。図3及び図4に示すように、このフィルタ35は、
その外周部を金属製の取付枠38a,38bで表裏両側
から挟み、これらを溶接により固定する構造にしたうえ
で、弁体22において処理室12へ臨む面に形成した嵌
合凹部22aへ嵌め込み、これをフィルタ支持部材39
で押さえ付けるようにすればよい。取付枠38a,38
bによる枠外周面には、嵌合凹部22aに対して気密性
を保持できるようにシールリング42を嵌め付けておく
のが好ましい。
【0029】なお、流体通路27に対し、フィルタ35
に近づくほど拡径する圧力緩和部43を設けておくと、
加圧流体の供給開始時に暫時的な流量変動が生じても、
その流量には損失を与えずに流速だけを鈍化でき、もっ
てフィルタ35の強度的負担を軽減できることになる。
このような作用は、特に加圧流体を不活性ガスとし且つ
その供給手段としてガス蓄圧器を用いるような場合に有
益となる。
【0030】一方、圧力容器2に設けられる加圧流体の
専用排気通路36(図2参照)は、下蓋11を上下に貫
通しており、その下部開口に対して回収用の接続配管4
5が接続され、これによって濾過装置や吸引装置等の適
宜回収手段(図示略)へと接続されている。そのため、
上記流体通路27は、加圧流体の供給に専用させること
ができることになる。すなわち、フィルタ35に対して
加圧流体は、常に一方向にしか通過しないものとなるの
で、一旦、フィルタ35で捕捉された混入物が、加圧流
体の流れによって再び処理室12へ巻き散らされるとい
うことはなく、処理室12の再汚染を防止できることに
なる。
【0031】なお、このような専用排気通路36の位置
付けは、図2に示すように下蓋11の中心位置とするの
が最適ではあるが、特に限定されるものではなく、また
下蓋11に対して設けなければならないものでもない。
ところで、上記した第1実施形態でも、また第2実施形
態でも同じであるが、圧力容器2の上部や下部に弁体2
2をはじめ、加圧流体用の接続配管3や真空引き用の接
続配管4等を設ける構成とする場合では、プレスフレー
ム5を図5及び図6に示すようにする。
【0032】すなわち、図例は、第2実施形態に対して
走行台車式のものを採用したものであって、2つの枠型
プレスフレーム5A,5Bが台車47を具備してレール
48上を移動可能になっている。そして、この移動によ
り、圧力容器2における容器軸心の両側方から、容器軸
心へ向けて近接・離反可能になっている。そして、両枠
型プレスフレーム5A,5Bが最も近接したときでも、
いずれも容器軸心までは到達せず、接続配管3,4或い
は45と干渉しない位置で停止して、この位置のままで
圧力容器2における容器軸心に沿った両側(即ち、上蓋
9及び下蓋11)を、同時に押圧可能になっている。
【0033】このようにすることで、圧力容器2の上部
や下部に設けた弁体22をはじめ、加圧流体用の接続配
管3や真空引き用の接続配管4等に対して枠型プレスフ
レーム5A,5Bが干渉するということがない。勿論、
枠型プレスフレーム5A,5Bに対して弁体22等を分
離独立させた構成として、無縁化を図れる。従って、枠
型プレスフレーム5A,5B自体として、弁体22の取
付スペースの不要化、取付構造や耐圧構造等の不要化が
図れ、構造の簡潔化が可能になるばかりでなく、これら
枠型プレスフレーム5A,5Bを移動させるのに際して
いちいち、接続配管3,4,45等を外す必要がなくな
り、このことも、圧力容器2側での構造簡潔化を招来
し、且つ操作の容易性をも得られることになる。
【0034】なお、図示は省略するが、枠型プレスフレ
ーム5A,5Bは、例えば図5の上側(又は下側)にヒ
ンジ部を設けて左右方向へ揺動開閉させるようにした、
旋回式として適用することも可能である。ところで、本
発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例え
ば、二酸化炭素等を超臨界状態にしてこれを脱脂や洗浄
等に用いる処理において、本発明を適用することもでき
る。
【0035】また、圧力容器2は、容器本体7と上下の
蓋9,11とによって構成されるものに限らず、互いに
接離可能な上半体と下半体との2部材により、内部に処
理室12を形成させるべく構成されるものであってもよ
い。本発明は、今後における半導体の加圧処理等に関し
て、その普及を推進させるうえで重要な技術基盤を提供
するものとなる。
【0036】なお、今日、あらゆる被処理物にとって、
加圧処理の短サイクル化は低コスト化に向けて重要視さ
れるところであり、従って本発明は、半導体等の加圧処
理を対象としたものだけに限定されるものではない。
【0037】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
係る加圧処理用装置では、圧力容器に真空引き用の吸引
ポートを開閉する弁体を設けると共に、この弁体に、処
理室中心となるように加圧流体用の流体通路を設けてあ
るので、加圧流体は、処理室内の全周方向へ向けて均一
に分散され、被処理物をその全周において均一且つ高速
で加熱するようになる。従って、高品質の製品又は半製
品が得られる。また、このように吸引ポートは流体通路
とは別にあるので、その開口面積を十分に大きくでき、
真空排気の高速且つ確実化が可能になる。
【0038】このようなことから、加圧処理の短サイク
ル化が可能になり、従って低コスト化が図れるものであ
る。圧力容器に対して独自の近接・離反が可能なように
設ける少なくとも2つの枠型プレスフレームにおいて、
圧力容器の押圧時に、いずれのものも容器軸心までは到
達しないようにすれば、圧力容器に設けた弁体やその周
辺構造等との干渉を防止でき、これによって全体的な構
造の簡潔化、及び操作の容易化が可能となる。
【0039】弁体の流体通路にフィルタを設ける場合
に、その位置付けを流体通路における処理室側へ臨む位
置とすることで、混入物の除去性を最大限に高め、半導
体等に対する処理に好適となる。この場合、流体通路の
フィルタ寄りに圧力緩和部を設けておくと、加圧流体の
供給時に流量変動が生じても、フィルタにおける強度的
負担を軽減できる利点がある。
【0040】また、圧力容器に加圧流体の専用排気通路
を設けておけば、流体通路を供給専用にでき、一旦、フ
ィルタで捕捉された混入物を処理室へまき散らすという
ことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る加圧処理用装置の第1実施形態を
示す側断面図である。
【図2】本発明に係る加圧処理用装置の第2実施形態を
示す側断面図である。
【図3】図2に示した弁体の拡大図である。
【図4】図3に示したフィルタの拡大図である。
【図5】図2に示した加圧処理用装置の平面図である。
【図6】図5に対応する正面図である。
【符号の説明】
1 加圧処理用装置 2 圧力容器 5 枠型プレスフレーム 12 処理室 22 弁体 23 弁軸 25 吸引ポート 27 流体通路 35 フィルタ 36 専用排気通路 43 圧力緩和部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 増岡 格 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内 (72)発明者 結城 隆裕 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目3番1号 株式会社神戸製鋼所高砂製作所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に被処理物の処理室(12)を形成
    させた円筒状の圧力容器(2)に対して、処理室(1
    2)への加圧流体の給排と真空引きとが可能になされた
    加圧処理用装置において、 上記圧力容器(2)には、上記真空引き用の弁体(2
    2)が設けられており、該弁体(22)には、弁軸(2
    3)内を経て処理室(12)の中心で開口する上記加圧
    流体給排用の流体通路(27)が設けられていることを
    特徴とする加圧処理用装置。
  2. 【請求項2】 前記圧力容器(2)に対して、容器軸心
    の側方から少なくとも2つの枠型プレスフレーム(5)
    が容器軸心へ向けて近接・離反可能に設けられており、
    いずれの枠型プレスフレーム(5)も容器軸心までは到
    達しない位置で圧力容器(2)における容器軸心に沿っ
    た両側を同時に押圧可能になっていることを特徴とする
    請求項1記載の加圧処理用装置。
  3. 【請求項3】 前記弁体(22)に設けられる流体通路
    (27)には、処理室(12)側へ臨む位置に混入物捕
    捉用のフィルタ(35)が設けられていること特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載の加圧処理用装置。
  4. 【請求項4】 前記流体通路(27)には、フィルタ
    (35)に近づくほど拡径する圧力緩和部(43)が形
    成されていることを特徴とする請求項3記載の加圧処理
    用装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力容器(2)には、前記流体通路
    (27)とは別に、加圧流体の専用排気通路(36)が
    設けられていることを特徴とする請求項3又は請求項4
    記載の加圧処理用装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7513265B2 (en) 2002-10-22 2009-04-07 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho High pressure processing method and apparatus
JP2014163658A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Kobe Steel Ltd 線巻式圧力容器

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7513265B2 (en) 2002-10-22 2009-04-07 Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho High pressure processing method and apparatus
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