JPH10331984A - 密封装置 - Google Patents
密封装置Info
- Publication number
- JPH10331984A JPH10331984A JP9152910A JP15291097A JPH10331984A JP H10331984 A JPH10331984 A JP H10331984A JP 9152910 A JP9152910 A JP 9152910A JP 15291097 A JP15291097 A JP 15291097A JP H10331984 A JPH10331984 A JP H10331984A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- lip
- seal member
- sealing
- metal ring
- shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成で安定して優れた密封性を持つ密
封装置を提供する。 【解決手段】 第1シール部材30は、金属環20に一
体的に成形され、内向きフランジ部22と略平行に設け
られた径方向部32と、リップ部33とを有しており、
ゴム状弾性材によって形成されており、リップ部33の
軸への摺動面には、ポンプねじ34が設けられている。
また、第2シール部材40は、被挟持部41と、リップ
部42と、屈曲部44とを有しており、樹脂(PTFE
など)によって形成されている。リップ部42の先端部
で第1のシール部材30のリップ部33の根本を支えて
おり、リップ部33の過度の変形を防止し、リップ部3
3による密封性を維持させている。そして、リップ部4
2の軸への摺動面にも、ポンプ溝43が設けられてい
る。また、更に第1シール部材30の径方向部32には
環状の凹部10が設けられている。
封装置を提供する。 【解決手段】 第1シール部材30は、金属環20に一
体的に成形され、内向きフランジ部22と略平行に設け
られた径方向部32と、リップ部33とを有しており、
ゴム状弾性材によって形成されており、リップ部33の
軸への摺動面には、ポンプねじ34が設けられている。
また、第2シール部材40は、被挟持部41と、リップ
部42と、屈曲部44とを有しており、樹脂(PTFE
など)によって形成されている。リップ部42の先端部
で第1のシール部材30のリップ部33の根本を支えて
おり、リップ部33の過度の変形を防止し、リップ部3
3による密封性を維持させている。そして、リップ部4
2の軸への摺動面にも、ポンプ溝43が設けられてい
る。また、更に第1シール部材30の径方向部32には
環状の凹部10が設けられている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種装置の軸封部
に用いられる密封装置に関するものである。
に用いられる密封装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の密封装置としては、
たとえば、図3に示された密封装置がある。
たとえば、図3に示された密封装置がある。
【0003】図に示すように、密封装置100は、軸2
00と円筒状のハウジング300の間の環状の隙間をシ
ールし、密封流体側Oの油などの流体が大気側Aに漏れ
ないようにしているものである。
00と円筒状のハウジング300の間の環状の隙間をシ
ールし、密封流体側Oの油などの流体が大気側Aに漏れ
ないようにしているものである。
【0004】密封装置100は、概略、金属環101
と、金属環101に一体的に成形されるゴム状弾性体製
のシール部材102と、金属環101とゴム状弾性体製
のシール部材102とにより挟持される樹脂製のシール
部材103と、から構成されている。
と、金属環101に一体的に成形されるゴム状弾性体製
のシール部材102と、金属環101とゴム状弾性体製
のシール部材102とにより挟持される樹脂製のシール
部材103と、から構成されている。
【0005】ゴム状弾性体製のシール部材102は、ハ
ウジング300の内周面に密封接触する外周密封部10
2bと、軸200に摺接してシールするリップ部102
aを備えている。
ウジング300の内周面に密封接触する外周密封部10
2bと、軸200に摺接してシールするリップ部102
aを備えている。
【0006】そして、樹脂製のシール部材103が、ゴ
ム状弾性体製のシール部材102のリップ部102aの
根本を支えてリップ部102aの過度の変形を抑制する
と共に、軸200に摺接してシール性を発揮している。
ム状弾性体製のシール部材102のリップ部102aの
根本を支えてリップ部102aの過度の変形を抑制する
と共に、軸200に摺接してシール性を発揮している。
【0007】ゴム状弾性体性のシール部材102のリッ
プ部102aの根本の形状は、単純に径方向から軸方向
にRを描くものであり、そのRに沿うような形で樹脂性
のシール部材が屈曲している。
プ部102aの根本の形状は、単純に径方向から軸方向
にRを描くものであり、そのRに沿うような形で樹脂性
のシール部材が屈曲している。
【0008】このような構成によって、軸200と円筒
状のハウジング300の間の環状の隙間がシールされ
る。
状のハウジング300の間の環状の隙間がシールされ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来技術の場合には、ゴム状弾性体製のシール部
材102のリップ部102aの摺動摩耗等によって密封
流体の漏れを十分に防止できるものではなかった。
ような従来技術の場合には、ゴム状弾性体製のシール部
材102のリップ部102aの摺動摩耗等によって密封
流体の漏れを十分に防止できるものではなかった。
【0010】リップ部102aから大気側Aに漏れた流
体は樹脂製のシール部材103によって、ある程度は漏
れを防止するが、樹脂製のシール部材103は、その材
質の特性等からリップ部102aの変形抑制としての機
能が主であり、シール性は不十分であった。
体は樹脂製のシール部材103によって、ある程度は漏
れを防止するが、樹脂製のシール部材103は、その材
質の特性等からリップ部102aの変形抑制としての機
能が主であり、シール性は不十分であった。
【0011】また、ゴム状弾性体性のシール部材102
のリップ部102aの根本の形状は、単純に、径方向か
ら軸方向にRを描くものであるため、それに沿う様に屈
曲する樹脂性シール部材103の屈曲部は、その屈曲の
自由度が小さい。そのため、軸の偏心時に、樹脂性シー
ル部材103の屈曲部の根本から大きく曲がることはで
きず、軸に対する追随性に限界があった。
のリップ部102aの根本の形状は、単純に、径方向か
ら軸方向にRを描くものであるため、それに沿う様に屈
曲する樹脂性シール部材103の屈曲部は、その屈曲の
自由度が小さい。そのため、軸の偏心時に、樹脂性シー
ル部材103の屈曲部の根本から大きく曲がることはで
きず、軸に対する追随性に限界があった。
【0012】このため、軸の偏心時には軸に対する緊迫
力が増大し、摺動発熱が大きくなり、第2シール部材が
摩耗し、発生した樹脂粉が、スラッジの堆積を促し、リ
ップラインのとぎれから密封流体の洩れを発生させる原
因となっていた。
力が増大し、摺動発熱が大きくなり、第2シール部材が
摩耗し、発生した樹脂粉が、スラッジの堆積を促し、リ
ップラインのとぎれから密封流体の洩れを発生させる原
因となっていた。
【0013】本発明は上記の従来技術の課題を解決する
ためになされたもので、その目的とするところは、簡易
な構成で密封性に優れた密封装置を提供することにあ
る。
ためになされたもので、その目的とするところは、簡易
な構成で密封性に優れた密封装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明にあっては、円筒部と該円筒部の一方の端部か
ら内径方向に折れ曲がる内向きフランジ部とを有する金
属環と、該金属環の円筒部から内向きフランジ部と略平
行に設けられた径方向部と、該径方向部に接続するリッ
プ部とを有し、前記金属環と一体的に形成されたゴム状
弾性体製の第1シール部材と、前記金属環の内向きフラ
ンジ部と第1シール部材の径方向部との間に挟持される
被挟持部と、該被挟持部から軸方向第1シール部材側に
伸びるリップ部と、前記被挟持部と前記リップ部とを結
ぶ屈曲部と、を有する樹脂製の第2シール部材と、を備
える密封装置において、前記第1シール部材に備えられ
たリップ部の摺動面に密封側へ流体を送るポンプねじを
設けると共に、前記第2シール部材に備えられたリップ
部の摺動面にも密封側へ流体を送るポンプ溝を設け、前
記第1シール部材の径方向部の、前記第2シール部材に
備えられる屈曲部に対向する位置に、環状の凹部を設け
ることを特徴とする。
に本発明にあっては、円筒部と該円筒部の一方の端部か
ら内径方向に折れ曲がる内向きフランジ部とを有する金
属環と、該金属環の円筒部から内向きフランジ部と略平
行に設けられた径方向部と、該径方向部に接続するリッ
プ部とを有し、前記金属環と一体的に形成されたゴム状
弾性体製の第1シール部材と、前記金属環の内向きフラ
ンジ部と第1シール部材の径方向部との間に挟持される
被挟持部と、該被挟持部から軸方向第1シール部材側に
伸びるリップ部と、前記被挟持部と前記リップ部とを結
ぶ屈曲部と、を有する樹脂製の第2シール部材と、を備
える密封装置において、前記第1シール部材に備えられ
たリップ部の摺動面に密封側へ流体を送るポンプねじを
設けると共に、前記第2シール部材に備えられたリップ
部の摺動面にも密封側へ流体を送るポンプ溝を設け、前
記第1シール部材の径方向部の、前記第2シール部材に
備えられる屈曲部に対向する位置に、環状の凹部を設け
ることを特徴とする。
【0015】したがって、密封流体が第1シール部材に
備えられたリップ部から大気側へ漏れた場合には、この
リップ部の摺動面に設けられたポンプねじにより密封側
へ戻され、さらに、このリップ部から大気側へ漏れた場
合には、第2シール部材に備えられたリップの摺動面に
設けられたポンプねじにより密封側へ向けて戻される。
備えられたリップ部から大気側へ漏れた場合には、この
リップ部の摺動面に設けられたポンプねじにより密封側
へ戻され、さらに、このリップ部から大気側へ漏れた場
合には、第2シール部材に備えられたリップの摺動面に
設けられたポンプねじにより密封側へ向けて戻される。
【0016】また、第2シール部材の屈曲部に対向する
第1シール部材の径方向部に凹部を設けたので、従来の
ようにRに規制されることもなく、大きく屈曲部の根本
から曲がることができ、軸に対する偏心追随性が向上す
る。
第1シール部材の径方向部に凹部を設けたので、従来の
ようにRに規制されることもなく、大きく屈曲部の根本
から曲がることができ、軸に対する偏心追随性が向上す
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して、この発明
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただ
し、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、
材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載が
ないかぎりは、この発明の範囲をそれらのみに限定する
趣旨のものではない。
【0018】図1および図2には、本発明の実施の形態
に係る密封装置が示されている。図1は密封装置の概略
構成断面図であり、図2は密封装置に軸を組み付けてい
ない状態を示す概略構成断面図である。
に係る密封装置が示されている。図1は密封装置の概略
構成断面図であり、図2は密封装置に軸を組み付けてい
ない状態を示す概略構成断面図である。
【0019】図に示すように、密封装置1は、軸70と
円筒状の円筒部材であるハウジング80の間の環状の隙
間をシールし、密封流体側Oの油などの流体が大気側A
に漏れないようにしているものである。
円筒状の円筒部材であるハウジング80の間の環状の隙
間をシールし、密封流体側Oの油などの流体が大気側A
に漏れないようにしているものである。
【0020】密封装置1は、概略、金属環20と、金属
環20に一体的に成形される第1シール部材30と、金
属環20と第1シール部材30に挟持される第2シール
部材40とから構成されている。
環20に一体的に成形される第1シール部材30と、金
属環20と第1シール部材30に挟持される第2シール
部材40とから構成されている。
【0021】金属環20は、組み付けた時に軸70やハ
ウジング80と同心的に配置される円筒部21と、円筒
部21の一端(組み付けた状態における大気側部)から
内径方向(軸70に向かう方向)に折れ曲がる内向きフ
ランジ部22と、を有している。
ウジング80と同心的に配置される円筒部21と、円筒
部21の一端(組み付けた状態における大気側部)から
内径方向(軸70に向かう方向)に折れ曲がる内向きフ
ランジ部22と、を有している。
【0022】第1シール部材30は、金属環20の円筒
部21の外部側と内部側とを覆うように一体的に成形さ
れ、この覆った部分から内向きフランジ部22と略平行
にて設けられた径方向部32と、この径方向部32に接
続するリップ部33とを有しており、ゴム状弾性体によ
って形成されている。
部21の外部側と内部側とを覆うように一体的に成形さ
れ、この覆った部分から内向きフランジ部22と略平行
にて設けられた径方向部32と、この径方向部32に接
続するリップ部33とを有しており、ゴム状弾性体によ
って形成されている。
【0023】そして、リップ部33の軸70への摺動面
には、ポンプねじ34が設けられている。
には、ポンプねじ34が設けられている。
【0024】第1シール部材30を組み付けた際には、
外周部31がハウジング80の内周に密封接触し、ま
た、リップ部33の外周に縮径方向の緊迫力を与えるば
ね環5が取りつけられて、リップ部33の先端が軸70
の外周面に摺接することによって、密封流体側Oの油な
どの流体をシールすることができる。
外周部31がハウジング80の内周に密封接触し、ま
た、リップ部33の外周に縮径方向の緊迫力を与えるば
ね環5が取りつけられて、リップ部33の先端が軸70
の外周面に摺接することによって、密封流体側Oの油な
どの流体をシールすることができる。
【0025】また、ポンプねじ34は、例えば、図のよ
うにハの字形状とすることによって、密封装置1が軸7
0に対していずれの方向に回転しても流体を密封流体側
Oへ流動させるようなポンプ効果を発揮させる構造とな
っている。
うにハの字形状とすることによって、密封装置1が軸7
0に対していずれの方向に回転しても流体を密封流体側
Oへ流動させるようなポンプ効果を発揮させる構造とな
っている。
【0026】第2シール部材40は、金属環20の内向
きフランジ部22と第1シール部材30の径方向部32
との間に挟持される被挟持部41と、この被挟持部41
から軸方向に折れ曲がるリップ部42と、この被挟持部
41とリップ部42とを結ぶ屈曲部44と、を有してお
り、樹脂(PTFEなど)によって形成されている。
きフランジ部22と第1シール部材30の径方向部32
との間に挟持される被挟持部41と、この被挟持部41
から軸方向に折れ曲がるリップ部42と、この被挟持部
41とリップ部42とを結ぶ屈曲部44と、を有してお
り、樹脂(PTFEなど)によって形成されている。
【0027】第2シール部材40は軸70が挿入されて
いない状態ではワッシャ形状であり、軸70の挿入によ
って内側の縁が軸70の外周面に沿って拡径しながら撓
んで、図のように軸70の外周面に摺接可能に配置され
る(リップ部42)ようになっている。
いない状態ではワッシャ形状であり、軸70の挿入によ
って内側の縁が軸70の外周面に沿って拡径しながら撓
んで、図のように軸70の外周面に摺接可能に配置され
る(リップ部42)ようになっている。
【0028】そして、リップ部42の先端部で第1シー
ル部材30のリップ部33の根本を支えており、リップ
部33に高い圧力が負荷された場合にもリップ部33の
過度の変形を防止し、リップ部33による密封性を維持
させている。
ル部材30のリップ部33の根本を支えており、リップ
部33に高い圧力が負荷された場合にもリップ部33の
過度の変形を防止し、リップ部33による密封性を維持
させている。
【0029】また、リップ部42の軸70への摺動面に
も、ポンプ溝43が設けられている。
も、ポンプ溝43が設けられている。
【0030】このポンプ溝43は、密封装置1が軸70
に対して回転することによって流体を密封流体側Oへ流
動させるようなポンプ効果を発揮させる構造となってい
る。
に対して回転することによって流体を密封流体側Oへ流
動させるようなポンプ効果を発揮させる構造となってい
る。
【0031】なお、ポンプ溝43は、密封装置1が軸7
0に対して、通常、一方の方向にのみ回転し、あまり他
方の方向には回転しないような箇所に適用する場合に
は、一方の方向の回転に対して効率良くポンプ効果を発
揮する螺旋状のねじ溝とするのが好適であり、両方向に
回転するような箇所に適用する場合には、いずれの回転
に対しても適度にポンプ効果を発揮する多数の同心状の
溝とするのが好適である。
0に対して、通常、一方の方向にのみ回転し、あまり他
方の方向には回転しないような箇所に適用する場合に
は、一方の方向の回転に対して効率良くポンプ効果を発
揮する螺旋状のねじ溝とするのが好適であり、両方向に
回転するような箇所に適用する場合には、いずれの回転
に対しても適度にポンプ効果を発揮する多数の同心状の
溝とするのが好適である。
【0032】また、ポンプ溝43の深さはリップ部42
の板圧の75%以下に設定するのが好ましく、例えば、
リップ部42の板圧1.0(mm)として、ポンプ溝4
3をピッチ0.3(mm),傾き35〜75度,深さ
0.5mmとした場合に、優れたポンプ効果を発揮する
ことが認められる。
の板圧の75%以下に設定するのが好ましく、例えば、
リップ部42の板圧1.0(mm)として、ポンプ溝4
3をピッチ0.3(mm),傾き35〜75度,深さ
0.5mmとした場合に、優れたポンプ効果を発揮する
ことが認められる。
【0033】さらに、図のように、第1シール部材30
の径方向部32の、第2シール部材40に備えられる屈
曲部44に対向する位置に、環状の凹部10を設けるこ
とによって、屈曲部44はその隙間を利用して根本から
大きく曲がることができ、軸70の偏心或は軸方向の変
位に対しても、もちろん首振りに対しても、追随性を高
めることができる。
の径方向部32の、第2シール部材40に備えられる屈
曲部44に対向する位置に、環状の凹部10を設けるこ
とによって、屈曲部44はその隙間を利用して根本から
大きく曲がることができ、軸70の偏心或は軸方向の変
位に対しても、もちろん首振りに対しても、追随性を高
めることができる。
【0034】しかも、屈曲部44に対向する位置に凹部
を設けたのであるから、第1シール部材のリップ部33
が軸に当接する角度、接触圧等の条件はほとんど変える
ことはない。また、この凹部10は第2シール部材40
のリップ部42先端が第1シール部材30のリップ部3
3の根本を支えるという機能に関していかなる影響を与
えるものでもない。
を設けたのであるから、第1シール部材のリップ部33
が軸に当接する角度、接触圧等の条件はほとんど変える
ことはない。また、この凹部10は第2シール部材40
のリップ部42先端が第1シール部材30のリップ部3
3の根本を支えるという機能に関していかなる影響を与
えるものでもない。
【0035】ところで、この密封装置の製造工程におい
て、金属環20、第2シール部材40に対して、第1シ
ール部材30を一体成形することは既に述べた通りだ
が、その際、第2シール部材40の被挟持部41と第1
シール部材30の径方向部32とは接着によって固定す
るが、金属環20の内向きフランジ部22と第2シール
部材40の被挟持部41との接触面には接着剤を塗布す
ると、第2シール部材に設けたポンプ溝43を損なう恐
れがあるため、それらの固定については接着剤を用いな
い。
て、金属環20、第2シール部材40に対して、第1シ
ール部材30を一体成形することは既に述べた通りだ
が、その際、第2シール部材40の被挟持部41と第1
シール部材30の径方向部32とは接着によって固定す
るが、金属環20の内向きフランジ部22と第2シール
部材40の被挟持部41との接触面には接着剤を塗布す
ると、第2シール部材に設けたポンプ溝43を損なう恐
れがあるため、それらの固定については接着剤を用いな
い。
【0036】そこで、金属環20の内向きフランジ部2
2における第2シール部材40の被挟持部41への当接
面に、係合突起6を設けることによって、第2シール部
材40の軸70との共回りを防いでいる。
2における第2シール部材40の被挟持部41への当接
面に、係合突起6を設けることによって、第2シール部
材40の軸70との共回りを防いでいる。
【0037】係合突起6は、フランジ部22に複数個配
置された先細りのスパイク状のものであり、例えば、金
属環20のプレス成形加工時にフランジ部22の一部を
半抜き加工することにより形成することができる。
置された先細りのスパイク状のものであり、例えば、金
属環20のプレス成形加工時にフランジ部22の一部を
半抜き加工することにより形成することができる。
【0038】また、係合突起6の第2シール部材40へ
のくい込みは、密封装置1の製造工程において、第1シ
ール部材30を型成形(ゴム型による加硫成形)する際
に、第2シール部材40をフランジ部22に当接するよ
うに金属環20に嵌め込んだ状態で型の中に載置し、型
閉めを行いゴム状弾性体の加圧圧縮により、樹脂からな
る第2シール部材40がフランジ部22に押し付けられ
ることにより行われる。
のくい込みは、密封装置1の製造工程において、第1シ
ール部材30を型成形(ゴム型による加硫成形)する際
に、第2シール部材40をフランジ部22に当接するよ
うに金属環20に嵌め込んだ状態で型の中に載置し、型
閉めを行いゴム状弾性体の加圧圧縮により、樹脂からな
る第2シール部材40がフランジ部22に押し付けられ
ることにより行われる。
【0039】この時、本願のように第1シール部材30
の径方向部32の、第2シール部材40に備えられる屈
曲部44に対向する位置に、環状の凹部10を設けるこ
とは、成形時に屈曲部に対してゴム状弾性体の圧力を付
与することを防止し、屈曲部にポンプ溝が設けられてい
る場合にもそのポンプ溝にダメージを与えることなく成
形を行なうことを可能とする。
の径方向部32の、第2シール部材40に備えられる屈
曲部44に対向する位置に、環状の凹部10を設けるこ
とは、成形時に屈曲部に対してゴム状弾性体の圧力を付
与することを防止し、屈曲部にポンプ溝が設けられてい
る場合にもそのポンプ溝にダメージを与えることなく成
形を行なうことを可能とする。
【0040】以上のように構成される密封装置1よっ
て、密封流体側Oの密封流体は、ハウジング80側は第
1シール部材30の外周部31によってシールされ、軸
70側は第1シール部材30のリップ部33によってシ
ールされる。
て、密封流体側Oの密封流体は、ハウジング80側は第
1シール部材30の外周部31によってシールされ、軸
70側は第1シール部材30のリップ部33によってシ
ールされる。
【0041】そして、リップ部33から漏れた流体は、
リップ部33に設けられたポンプねじ34によって密封
流体側Oへ戻される。
リップ部33に設けられたポンプねじ34によって密封
流体側Oへ戻される。
【0042】このポンプねじ34でも戻されずに漏れて
しまった場合には、第2シール部材40に設けられたポ
ンプ溝43によって適正に密封流体側Oへ戻される。
しまった場合には、第2シール部材40に設けられたポ
ンプ溝43によって適正に密封流体側Oへ戻される。
【0043】このように、簡易な構成で非常に優れた密
封性能を発揮することができる。
封性能を発揮することができる。
【0044】また、リップ部42の先端部で第1シール
部材30のリップ部33の根本を支えているのでリップ
部33がめくれてしまうことなどが防止され安定した密
封性能を維持できる。
部材30のリップ部33の根本を支えているのでリップ
部33がめくれてしまうことなどが防止され安定した密
封性能を維持できる。
【0045】
【発明の効果】本発明は、第1シール部材に備えられた
リップ部の摺動面に密封側へ流体を送るポンプねじを設
けると共に、第2シール部材に備えられたリップ部の摺
動面に密封側へ流体を送るポンプ溝を設け、更に、第1
シール部材の径方向部の、第2シール部材に備えられる
屈曲部に対向する位置に、環状の凹部を設けたので、密
封流体の圧力に抗してリップ部からの密封流体の洩れを
二重に防止でき、更に、第2シール部材の軸に対する偏
心追随性を向上できるので、簡易な構成で、優れた密封
性能を安定して発揮することができる。
リップ部の摺動面に密封側へ流体を送るポンプねじを設
けると共に、第2シール部材に備えられたリップ部の摺
動面に密封側へ流体を送るポンプ溝を設け、更に、第1
シール部材の径方向部の、第2シール部材に備えられる
屈曲部に対向する位置に、環状の凹部を設けたので、密
封流体の圧力に抗してリップ部からの密封流体の洩れを
二重に防止でき、更に、第2シール部材の軸に対する偏
心追随性を向上できるので、簡易な構成で、優れた密封
性能を安定して発揮することができる。
【図1】図1は本発明の実施の形態に係る密封装置の概
略構成断面図である。
略構成断面図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態に係る密封装置に軸
を組み付けていない状態を示す概略構成断面図である。
を組み付けていない状態を示す概略構成断面図である。
【図3】図3は従来技術に係る密封装置をを組み付けた
状態を示す概略構成断面図である。
状態を示す概略構成断面図である。
1 密封装置 20 金属環 21 円筒部 22 内向きフランジ部 30 第1シール部材 32 径方向部 33 リップ部 34 ポンプねじ 40 第2シール部材 41 被挟持部 42 リップ部 43 ポンプ溝 44 屈曲部 70 軸 80 ハウジング O 密封流体側 A 大気側
Claims (1)
- 【請求項1】円筒部と該円筒部の一方の端部から内径方
向に折れ曲がる内向きフランジ部とを有する金属環と、 該金属環の円筒部から内向きフランジ部と略平行に設け
られた径方向部と、該径方向部に接続するリップ部とを
有し、前記金属環と一体的に形成されたゴム状弾性体製
の第1シール部材と、 前記金属環の内向きフランジ部と第1シール部材の径方
向部との間に挟持される被挟持部と、該被挟持部から軸
方向第1シール部材側に伸びるリップ部と、前記被挟持
部と前記リップ部とを結ぶ屈曲部と、を有する樹脂製の
第2シール部材と、 を備える密封装置において、 前記第1シール部材に備えられたリップ部の摺動面に密
封側へ流体を送るポンプねじを設けると共に、前記第2
シール部材に備えられたリップ部の摺動面にも密封側へ
流体を送るポンプ溝を設け、 前記第1シール部材の径方向部の、前記第2シール部材
に備えられる屈曲部に対向する位置に、環状の凹部を設
けることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152910A JPH10331984A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9152910A JPH10331984A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | 密封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10331984A true JPH10331984A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15550822
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9152910A Pending JPH10331984A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | 密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10331984A (ja) |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP9152910A patent/JPH10331984A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5037682B2 (ja) | リップタイプシール | |
JP5604530B2 (ja) | 回転シール装置 | |
JP5374591B2 (ja) | リップタイプシール | |
JP5216084B2 (ja) | リップタイプシール | |
JP4855936B2 (ja) | シール装置 | |
JP2001317636A (ja) | リップ型シール | |
JP2001263500A (ja) | リップ型シール | |
JP4180829B2 (ja) | シール装置 | |
JP2001263499A (ja) | リップ型シール | |
JP3591221B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2009068683A (ja) | 密封装置 | |
JP2006300191A (ja) | シール装置 | |
JP2001165328A (ja) | オイルシール | |
JPH10331984A (ja) | 密封装置 | |
JPH10318376A (ja) | 密封装置 | |
JPH10318378A (ja) | 密封装置 | |
JP2005240932A (ja) | 密封装置 | |
JP2929062B2 (ja) | 回転軸シール | |
JP3743122B2 (ja) | 密封装置 | |
JPH11210891A (ja) | 密封装置 | |
JPS61167779A (ja) | ロータリシヤフトリツプシール | |
JP3970574B2 (ja) | シール装置 | |
JP3508524B2 (ja) | 密封装置の製造方法及び密封装置 | |
JP6623775B2 (ja) | 密封構造 | |
JPH11193869A (ja) | 密封装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040302 |