JPH10331706A - エンジンの失火診断装置 - Google Patents

エンジンの失火診断装置

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JPH10331706A
JPH10331706A JP14548497A JP14548497A JPH10331706A JP H10331706 A JPH10331706 A JP H10331706A JP 14548497 A JP14548497 A JP 14548497A JP 14548497 A JP14548497 A JP 14548497A JP H10331706 A JPH10331706 A JP H10331706A
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misfires
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勝彦 坂本
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健司 馬屋原
Iwao Uchiumi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気ガス浄化触媒に悪影響を与える可能性が
高い重度の失火故障と、このような悪影響を与える可能
性が低い軽度の失火故障とをそれぞれ適正に診断する。 【解決手段】 失火故障診断用の診断期間を計測する診
断期間計測手段41と、失火回数を計測する失火回数計
測手段42と、失火故障判定用のしきい値を設定するし
きい値設定手段43と、上記診断期間が予め設定された
基準時間となるまでの間に計測された失火回数と上記し
きい値とを比較してエンジンの失火故障を判定する失火
故障判定手段44とを備え、予め設定された第1基準時
間内に計測された失火回数に応じてベーパ判定用の基準
失火回数を設定し、この基準失火回数と、上記第1基準
時間よりも長い第2基準時間内に計測された失火回数の
計測値とに基づいて燃料のベーパが発生しているか否か
を判定するベーパ判定手段45を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンに失火故
障が発生しているか否かを診断するエンジンの失火診断
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンのインジェクタや点火
プラグ等に故障や劣化が生じると、失火が生じるこが避
けられず、このような失火が生じると、排気ガス中に未
燃焼ガスが混入され、この未燃焼ガスが排気ガス触媒中
で燃焼することにより排気ガス浄化触媒に悪影響を与え
るとともに、エミッションを悪化させることになるた
め、その早期発見が望まれている。
【0003】ところで、高温状態にあるエンジンが始動
された場合には、インジェクタ内に存在する燃料に気泡
が生成されるベーパが生じると、この気泡の生成量に対
応して燃料噴射量が一時的に減り、空燃比がリーン化し
て失火や、半失火が生じることがある。このような失火
や、半失火は、その後にインジェクタに供給される燃料
によって当該インジェクタが冷却されるに応じて解消さ
れる一時的なものであり、実際は失火故障であると判定
せずに正常とみなすことが妥当である。
【0004】このため、特開平4−36044号公報に
示されるように、スタータモータの駆動開始時点から一
定時間に亘って失火判定停止期間を設け、この期間が経
過するまで失火判定を停止することにより、上記インジ
ェクタ内の燃料に気泡が生成されることによる失火が、
インジェクタの故障等に起因して発生する失火故障であ
ると誤判定されるのを防止し、上記失火判定停止期間の
経過後に失火故障が生じたか否かを適正に診断すること
が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に示されるよ
うに、エンジンの始動後に常に一定時間に亘って失火故
障の診断を停止するようにした構成によると、上記ベー
パが発生していない場合においても、エンジンの始動後
に一定時間が経過するまで失火故障の診断が行われない
ので、排気ガス浄化触媒に悪影響を与えるとともに、エ
ミッションを悪化させる失火故障を早期に診断すること
ができないという問題がある。
【0006】また、上記失火故障には、インジェクタや
点火プラグの故障等に起因した失火の発生頻度が高い重
度の失火故障と、排気ガス中のO2 量を測定するO2
ンサの劣化等に起因する軽度の失火故障とがある。この
軽度の失火故障は、失火の発生頻度が低いので、上記排
気ガス浄化触媒を損傷させる等の弊害が生じる可能性は
低いが、上記失火故障を正確に診断することが困難であ
り、この失火故障が見逃され易い傾向がある。
【0007】このため失火故障の診断期間を長くするこ
とにより、上記軽度の失火故障が発生した場合において
も、これを確実に診断できるようにし、これによってエ
ミッションが悪化するのを防止することが望ましいが、
上記診断期間を長くすると、上記重大な失火故障の発見
がさらに遅れるという問題がある。この重大な失火故障
の発見が遅れると、排気ガス中に多量の未燃焼ガスが混
入され、この未燃焼ガスが排気ガス触媒中で燃焼して排
気ガス浄化触媒が損傷することがあるので、これを早期
に診断できるようにすることが望まれる。
【0008】本発明は、このような事情に鑑み、エンジ
ンの失火故障を迅速かつ適正に診断することができるエ
ンジンの失火診断装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
失火故障診断用の診断期間を計測する診断期間計測手段
と、エンジンの失火回数を計測する失火回数計測手段
と、エンジンの失火故障判定用のしきい値を設定するし
きい値設定手段と、予め設定された基準時間に対応した
診断期間が計測される間に上記失火回数計測手段より計
測された失火回数と上記しきい値設定手段によって設定
されたしきい値とを比較することによりエンジンに失火
故障が生じたか否かを判定する失火故障判定手段とを備
えたエンジンの失火診断装置であって、予め設定された
第1基準時間に対応した診断期間が計測される間に失火
回数計測手段により計測された失火回数に応じてベーパ
判定用の基準失火回数を設定するとともに、上記第1基
準時間よりも長い時間に設定された第2基準時間に対応
した診断期間が計測される間に失火回数計測手段により
計測された失火回数の計測値と、上記ベーパ判定用の基
準失火回数とに基づいてインジェクタ内の燃料に気泡が
生成された状態にあるか否かを判定するベーパ判定手段
を備え、このベーパ判定手段においてインジェクタ内の
燃料に気泡が生成された状態にあると判定された場合
に、上記失火故障判定手段による失火故障の判定を禁止
するように構成したものである。
【0010】上記構成によれば、診断期間計測手段によ
って計測された診断期間が予め設定された第1基準時間
となるまでの間に、失火回数計測手段で計測された失火
回数に応じてベーパ判定用の基準失火回数が設定され
る。そして、上記診断期間計測手段によって計測された
診断期間が第2基準時間となるまでの間に、失火回数計
測手段で計測された失火回数と、上記ベーパ判定用の基
準失火回数とが比較され、この基準失火回数よりも上記
失火回数の計測値が大きいことが確認された場合には、
上記第2基準時間内における失火がベーパに起因して発
生したものであると判定され、上記失火故障判定手段に
よる失火故障の判定が禁止されることになる。
【0011】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
のエンジンの失火診断装置において、第1基準時間を第
2基準時間内の後半部に設定したものである。
【0012】上記構成によれば、第1基準時間内におい
て失火故障判定手段により失火故障の診断が実行される
とともに、上記第2基準時間の後半部に設定された第1
基準時間の経過時点で、失火回数計測手段で計測された
失火回数に応じてベーパ判定用の基準失火回数が設定さ
れ、このベーパ判定用の基準失火回数に基づいてインジ
ェクタ内の燃料に気泡が生成された状態にあるか否かが
判定されることになる。
【0013】請求項3に係る発明は、上記請求項1また
は請求項2記載のエンジンの失火診断装置において、第
1基準時間をベーパ発生に起因した失火が発生する可能
性がある領域に設定したものである。
【0014】上記構成によれば、第1基準時間内におい
て失火故障判定手段により失火故障の診断が実行される
とともに、上記第2基準時間内において、ベーパ発生に
起因した失火が発生する可能性がある領域に設定された
第1基準時間の経過時点で、失火回数計測手段で計測さ
れた失火回数に応じてベーパ判定用の基準失火回数が設
定され、このベーパ判定用の基準失火回数に基づいてイ
ンジェクタ内の燃料に気泡が生成された状態にあるか否
かが判定されることになる。
【0015】請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3
のいずれかに記載のエンジンの失火診断装置において、
上記第1基準時間に対応した診断期間が計測される間に
失火回数計測手段により計測された失火回数の第1計測
値と、上記しきい値設定手段によって設定された第1し
きい値とに基づいて排気ガス浄化触媒に悪影響を与える
可能性が高い重度の失火故障が生じたか否かを判定する
とともに、上記第2基準時間に対応した診断期間が計測
される間に失火回数計測手段により計測された失火回数
の第2計測値と、上記しきい値設定手段によって設定さ
れた第2しきい値とに基づいて排気ガス浄化触媒に悪影
響を与える可能性が低い軽度の失火故障が生じたか否か
を判定するように構成したものである。
【0016】上記構成によれば、診断期間計測手段によ
って計測された診断期間が、重度の失火故障を判定する
第1基準時間となったことが確認された時点で実行され
る重度の失火故障の判定時に、失火回数計測手段により
計測された失火回数に基づいてベーパ判定用の基準失火
回数が設定される。そして、上記診断期間計測手段によ
って計測された診断期間が、軽度の失火故障を判定する
第2基準時間となったことが確認された時点で実行され
る重度の失火故障の判定時に、失火回数計測手段により
計測された失火回数と上記基準失火回数とに基づいてイ
ンジェクタ内の燃料に気泡が生成された状態にあるか否
か判定され、気泡が生成された状態にあると判定された
場合には、上記失火故障判定手段による失火故障の判定
が禁止されることになる。
【0017】請求項5に係る発明は、上記請求項1〜4
のいずれかに記載のエンジンの失火診断装置において、
エンジン回転数の積算値に基づいて診断期間を計測する
ように構成したものである。
【0018】上記構成によれば、エンジン回転数の積算
値に基づいて診断期間が計測され、この診断期間の計測
値に応じて上記基準時間が経過したか否かが判別される
ことになる。
【0019】
【発明の実施の形態】図1は、本発明が適用される失火
診断装置を備えたエンジンの全体構造を示している。こ
の図に示すエンジン本体10は、複数の気筒を備え、各
気筒にピストン12が収容されており、このピストン1
2の上方に燃焼室14が形成されている。この燃焼室1
4には吸気ポート15および排気ポート16が臨み、こ
れら吸気ポート15および排気ポート16がそれぞれ吸
気弁17および排気弁18によって開閉されるようにな
っている。また、このエンジン本体10の適所には、ク
ランク角センサ13と、エンジンの冷却水温度を検出す
る水温センサ19とが配設されている。
【0020】上記吸気ポート15には、吸気通路20が
接続されている。この吸気通路20には、その上流側か
ら順に、エアクリーナー21、エアフローセンサ22、
スロットル弁23、サージタンク24および吸気マニホ
ールド25が設けられ、上記吸気ポート15に向けてイ
ンジェクタ26が配設されている。上記スロットル弁2
3はバイパス通路27によってバイパスされ、このバイ
パス通路27の途中にアイドル回転数制御用のバイパス
弁28が設けられている。また、上記エアクリーナー2
1には、吸気温度を検出する吸気温センサ29が設けら
れている。
【0021】上記排気ポート16には、排気通路30が
接続されている。この排気通路30には排気ガス浄化触
媒31が設けられ、その上流側にO2 センサ32が設け
られている。そして、上記各センサの検出信号がマイク
ロコンピュータからなるエンジンの制御ユニット(EC
U)40に入力されるようになっている。
【0022】上記エンジンの制御ユニット40は、イン
ジェクタ26の燃料噴射制御およびバイパス弁28の開
閉制御等を行うとともに、上記排気ガス浄化触媒31に
悪影響を与える可能性が高い失火故障、例えば上記イン
ジェクタ26または点火プラグ等の故障に起因した失火
の発生頻度が高い重度の失火故障と、上記排気ガス浄化
触媒31に悪影響を与える可能性は低いが、エミッショ
ンを悪化させる失火故障、例えばO2 センサ32の劣化
等に起因した失火の発生頻度が低い軽度の失火故障とを
診断する機能を有している。
【0023】すなわち、上記制御ユニット40には、失
火故障診断用の診断期間を計測する診断期間計測手段4
1と、エンジンの失火回数を計測する失火回数計測手段
42と、エンジンの失火故障判定用のしきい値を設定す
るしきい値設定手段43と、予め設定された基準時間に
対応した診断期間が上記診断期間計測手段41によって
計測されるまでの間に上記失火回数計測手段42より計
測された失火回数を、上記しきい値設定手段43によっ
て設定されたしきい値と比較することによりエンジンに
失火故障が生じたか否かを判定する失火故障判定手段4
4と、インジェクタ26内や、インジェクタ26に燃料
タンク内の燃料を供給する燃料供給パイプ(図示せず)
内の燃料に気泡が生成された状態にあるか否かを判定す
るベーパ判定手段45とが設けられている。
【0024】上記診断期間計測手段41は、点火プラグ
の点火回数等に応じてエンジン回転数を積算するととも
に、このエンジン回転数の積算値に基づいて上記診断期
間を計測し、この計測値を上記失火回数計測手段42に
出力するように構成されている。また、上記診断期間計
測手段41は、排気ガス浄化触媒31に悪影響を与える
可能性が高い重度の失火故障が生じたか否かを判定する
第1基準時間に対応した診断期間と、排気ガス浄化触媒
31に悪影響を与える可能性が低い軽度の失火故障が生
じたか否かを判定する第2基準時間に対応した診断期間
との二種類を計測する機能を有している。上記第1基準
時間は、エンジン回転数の積算値にして200回転程度
に設定され、第2基準時間は、エンジン回転数の積算値
にして1000回転程度に設定されている。
【0025】上記失火回数計測手段42は、クランク角
センサ13から出力される検出信号に基づき、今回のク
ランク角速度と前回のクランク角速度との差からなるク
ランク角速度の変動値を演算した後、このクランク角速
度の変動値が予め設定された判定値を上回った場合に失
火が発生したと判断し、上記診断期間計測手段41によ
り計測された診断期間が第1基準時間および第2基準時
間となるまでの間、上記失火回数の積算値をそれぞれ計
測してこの計測値を上記失火故障判定手段44に出力す
るように構成されている。
【0026】また、上記しきい値設定手段43は、失火
の発生頻度が高く排気ガス浄化触媒31に悪影響を与え
る可能性が高い重度の失火故障が生じたか否かを判定す
る第1しきい値と、失火の発生頻度が低く排気ガス浄化
触媒31に悪影響を与える可能性が低い軽度の失火故障
が生じたか否かを判定する第2しきい値とを設定するよ
うに構成されている。さらに上記しきい値設定手段43
は、ベーパ判定手段45においてインジェクタ26内の
燃料に気泡が生成され易い状態にあることが確認された
場合に、上記第1しきい値および第2しきい値をそれぞ
れ通常時よりも大きな値に設定するように構成されてい
る。
【0027】上記失火故障判定手段44は、第1基準時
間が経過するまでの間に、上記失火回数計測手段42に
よって計測された失火回数の第1計測値と、上記しきい
値設定手段43によって設定された第1しきい値とを比
較し、上記失火回数の第1計測値が第1しきい値よりも
大きいことが確認された場合に、インジェクタ26の故
障等からなる重度の失火故障が発生した判定して警告灯
46を点灯させる制御信号を出力するように構成されて
いる。
【0028】また、上記失火故障判定手段44は、第2
基準時間が経過するまでの間に、上記失火回数計測手段
42によって計測された失火回数の第2計測値と、上記
しきい値設定手段43によって設定された第2しきい値
とを比較し、上記失火回数の第2計測値が第2しきい値
よりも大きいことが確認された場合に、O2 センサ32
の劣化等からなる軽度の失火故障が発生した判定して警
告灯46を点灯させる制御信号を出力するように構成さ
れている。
【0029】上記ベーパ判定手段45は、水温センサ1
9および吸気温センサ29の検出信号に応じてエンジン
水温が100°C以上でかつ吸気温度が60°C以上の
高温状態にあるとともに、エンジンが始動後30秒未満
の状態にあることが確認された場合に、インジェクタ2
6内の燃料に気泡が生成され易い状態にあり、空燃比が
リーン化して一時的な失火を生じている可能性が高いと
判定し、この判定信号を上記しきい値設定手段43に出
力するように構成されている。
【0030】また、ベーパ判定手段45は、上記重度の
失火故障を判定する第1基準時間に対応した診断期間が
上記診断期間計測手段41において計測される間に、上
記失火回数計測手段42により計測された失火回数の第
1計測値に応じてベーパ判定用の基準失火回数を設定す
るとともに、上記軽度の失火故障を判定する第2基準時
間に対応した診断期間が上記診断期間計測手段41にお
いて計測される間に、上記失火回数計測手段42により
計測された失火回数の第2計測値が、上記ベーパ判定用
の基準失火回数よりも大きいことが確認された場合に、
上記失火故障判定手段44による軽度の失火故障の判定
を禁止する制御信号を上記失火故障判定手段44に出力
するように構成されている。
【0031】例えば、上記第2基準時間の後半部に設定
された第1基準時間が経過する間に、上記失火回数計測
手段42により計測された失火回数の第1計測値を6倍
した値を、ベーパ判定用の基準失火回数として設定し、
この基準失火回数よりも、上記第2基準時間内において
計測された失火回数の第1計測値が大きいことが確認さ
れた場合に、インジェクタ26内の燃料に気泡が生成さ
れた状態にあると判定して、上記失火故障判定手段44
による軽度の失火故障の判定を禁止するようにしてい
る。これにより上記第2基準時間内において発生した失
火が、インジェクタ26内の燃料に気泡が生成されるこ
とによって燃料噴射量が一時的に減り、空燃比がリーン
化することに起因して発生したものであるにも拘らず、
2 センサ32の劣化等からなる軽度の失火故障による
ものであると、誤判定されることが防止されることにな
る。
【0032】上記構成を有する失火診断装置によって実
行される失火診断時の制御動作を、図3および図4のフ
ローチャートに基づいて説明する。上記制御動作がスタ
ートすると、まずスタータモータを作動させるスタータ
SWがON状態となったか否かを判定し(ステップS
1)、YESと判定された時点で、上記スタータモータ
を作動させてエンジンのクランキングを行う(ステップ
S2)。
【0033】次いで、エンジン始動後の経過時間を計測
する始動後タイマーTstのカウント値を0にリセット
した後(ステップS3)、上記軽度の失火故障を判定す
る第2基準時間内において、診断期間計測手段41によ
り計測されるエンジン回転数の積算値からなる診断期間
の第2計測値Chkeと、上記失火回数計測手段42に
より計測される失火回数の第2計測値Nmsfeとを、
それぞれ0にリセットするとともに(ステップS4)、
上記重度の失火故障を判定する第1基準時間内に対応し
た診断期間の第1計測値Chkcおよび失火回数の第1
計測値Nmsfcを、それぞれ0にリセットする(ステ
ップS5)。
【0034】また、上記各センサの検出信号に基づいて
エンジンの運転状態を検出した後(ステップS6)、エ
ンジンが完爆状態なったことを示すエンジン回転速度が
1000rpm以上となったか否かを判別する等によ
り、エンジンがスタートしたか否かを判定する(ステッ
プS7)。このステップS7でNOと判定された場合に
は、上記ステップS3にリターンする。そして、上記ス
テップS7でYESと判定された時点で、上記タイマー
Tstのカウント値を1だけ増加させ(ステップS
8)、次いでエンジンのスタート後、5秒以上経過した
か否か判別し、かつエンジンが低負荷・低回転状態とな
ったか否かを判別する等により、失火故障の判定条件が
成立したか否かを判定する(ステップS9)。このステ
ップS9でNOと判定された場合には、上記ステップS
4にリターンする。
【0035】上記ステップS9でYESと判定された場
合には、上記しきい値設定手段43において第1しきい
値および第2しきい値を設定するための失火回数の第1
基準値NOcと、第2基準値NOeとを、エンジン負荷
およびエンジン回転数の検出値に基づいて求めて設定す
る(ステップS10)。上記第1基準値NOcおよび第
2基準値NOeは、エンジンが高負荷・高回転となるに
従い、エンジンの回転変動が小さくなって上記クランク
角速度の変動値に基づく失火判定が困難になるため、こ
れに応じて上記第1基準値NOcおよび第2基準値NO
eも小さな値に設定されるようになっている。なお、上
記第1,第2基準値NOc,NOeは、固定値であって
もよい。
【0036】次いで、上記ベーパ判定手段45において
水温センサ19および吸気温センサ29の検出信号に応
じて始動時のエンジン水温thwsが100°Cよりも
高く、かつ始動時の吸気温度thasが60°Cよりも
高い高温状態であるか否かを判別するとともに(ステッ
プS11,S12)、始動後タイマTstの計測値が3
0秒未満であるか否かを判別することにより(ステップ
S13)、インジェクタ26の燃料に気泡が生成される
ベーパが発生し易い状態にあるか否かを判定する。
【0037】上記ステップS11〜S13でそれぞれY
ESと判定され、インジェクタ26内でベーパが発生し
易い状態にあることが確認された場合には、上記ステッ
プS10で設定した第1基準値NOcおよび第2基準値
NOeに所定の補正値Nhotc,Nhoteを加算し
てなる第1しきい値Nthcと、第2しきい値Nthe
とを、上記しきい値設定手段43において失火故障判定
用のしきい値として設定する(ステップS14)。
【0038】また、上記ステップS11〜S13の何れ
かにおいてNOと判定され、インジェクタ26内の燃料
に気泡が生成され易い状態にないことが確認された場合
には、しきい値設定手段43において、上記ステップS
10で設定した第1基準値NOcおよび第2基準値NO
eを、そのまま失火故障判定用の第1しきい値Nthc
および第2しきい値Ntheとして設定する(ステップ
S15)。
【0039】そして、上記診断期間計測手段41におい
て、エンジン回転数の積算値に基づいて診断期間を計測
することにより、第1,第2基準時間に対応した診断期
間の第1計測値Chkcおよび第2計測値Chkeをカ
ウントするとともに(ステップS16)、上記第1,第
2基準時間内における失火回数の第1計測値Nmsfc
および第2計測値Nmsfeをカウントした後(ステッ
プS17)、診断期間計測手段41において上記診断期
間の第1計測値Chkcが、200回転程度に設定され
たエンジン回転数の積算値からなる第1基準時間aと等
しいか否かを判別することにより、重度の失火故障を判
定するための第1基準時間aが経過したか否かを判定す
る(ステップS18)。
【0040】上記ステップS18でNOと判定された場
合には、上記ステップS6にリターンして上記制御動作
を繰り返す。そして、上記ステップS18でYESと判
定されて上記第1基準時間aが経過したことが確認され
た時点で、上記第1計測値Chkcをクリアした後(ス
テップS19)、上記ステップS16でカウントされた
失火回数の第1計測値Nmsfcが、上記ステップS1
4またはステップS15で設定された第1しきい値Nt
hcよりも大きいか否かを上記失火故障判定手段44に
おいて判定する(ステップS20)。
【0041】上記ステップS20でYESと判定され、
上記失火回数の第1計測値Nmsfcが第1しきい値N
thcよりも大きいことが確認された場合には、上記排
気ガス浄化触媒31に悪影響を与える可能性が高い重度
の失火故障が生じていると判定し、警告灯46に重度の
失火故障が生じたことを示す表示を点灯させる制御信号
を出力する(ステップS21)。なお、上記警告灯46
が一旦点灯されると、修理工場で修理されてそのチェッ
クがされない限り、エンジン作動中は点灯されたままの
状態となる。一方、ステップS20でNOと判定され、
上記失火回数の第1計測値Nmsfcが第1しきい値N
thc以下であることが確認された場合には、上記重度
の失火故障が生じていないと判定して下記のステップS
22に移行する。
【0042】すなわち、上記診断期間計測手段41にお
いて計測された診断期間の第2計測値Chkeが、10
00回転程度に設定されたエンジン回転数の積算値から
なる第2基準時間bと等しいか否かを判別することによ
り、上記排気ガス浄化触媒31に悪影響を与える可能性
が低い軽度の失火故障を判定するための第2基準時間b
が経過したか否かを判定する(ステップS22)。
【0043】上記ステップS22でNOと判定された場
合には、上記ステップS5にリターンして上記制御動作
を繰り返す。そして、上記ステップS22でYESと判
定されて上記第2基準時間bが経過したことが確認され
た時点で、上記第2計測値Chkeをクリアした後(ス
テップS23)、上記ステップS17でカウントされた
失火回数の第2計測値Nmsfeが、上記ステップS1
4またはステップS15で設定された第2しきい値Nt
heよりも大きいか否かを上記失火故障判定手段44に
おいて判定する(ステップS24)。
【0044】上記ステップS24でNOと判定され、上
記失火回数の計測値Nmsfcが第2しきい値Nthe
以下であることが確認された場合には、上記軽度の失火
故障が生じていない正常な状態にあると判断して上記ス
テップS4にリターンし、上記制御動作を繰り返す。こ
れにより、上記第1基準時間a内において計測される失
火回数の第1計測値Nmsfcの書き替えと、この第1
計測値Nmsfcに基づく重度の失火故障の再判定が行
われることになる。
【0045】そして上記ステップS24でYESと判定
された時点で、水温センサ19および吸気温センサ29
の検出信号に基づき、エンジン水温thwsが100°
Cよりも高い高温状態であるか否かを判定するととも
に、吸気温度thasが60°Cよりもも高い高温状態
であるか否かを上記ベーパ判定手段45において判定し
(ステップS25,S26)、かつこの判定制御がエン
ジン始動直後の初回判定であるか否かを判定することに
より(ステップS27)、上記インジェクタ26内でベ
ーパが発生している可能性があるか否かを判別する。
【0046】上記ステップS25〜S27のいずれかに
おいてNOと判定された場合には、インジェクタ26内
でベーパが発生している可能性が低いにも拘らず、エミ
ッションを悪化させる可能性がある軽度の失火故障が発
生したために、上記ステップS24で上記失火回数の第
2計測値Nmsfeが第2しきい値Ntheよりも大き
いと判定されたと判断して、警告灯46に軽度の失火故
障が生じたこと示す表示を点灯させる制御信号を出力し
た後に(ステップS29)、上記ステップS4にリター
ンする。
【0047】上記ステップS25〜S27でそれぞれY
ESと判定された場合には、上記ステップS17でカウ
ントされたエンジンが1000回転する間における最後
の200回転に対応した第1基準時間a内における失火
回数の第1計測値Nmsfcを6倍することにより、ベ
ーパ判別用の基準失火回数6×Nmsfcを設定した
後、上記軽度の失火故障を判定する第2基準時間bが経
過する間に失火回数計測手段42により計測された失火
回数の第2計測値Nmsfeが、上記ベーパ判別用の基
準失火回数6×Nmsfcよりも大きいか否かをベーパ
判定手段45において判定する(ステップS28)。
【0048】上記ステップS28でYESと判定された
場合には、インジェクタ26内の燃料に気泡が生成され
ることにより、エンジン始動後の初期段階で失火が頻繁
に発生した後、失火の発生頻度が次第に低下する傾向に
あると考えられるため、上記ステップS24で上記失火
回数の第2計測値Nmsfeが第2しきい値Ntheよ
りも大きいと判定されたにも拘らず、警告灯46を点灯
させる制御信号を出力することなく、上記ステップS4
にリターンすることにより、失火故障判定手段44によ
る上記第2計測値Nmsfeに基づく失火故障の判定を
禁止する。
【0049】また、上記ステップS28でNOと判定さ
れ、失火回数の第2計測値Nmsfeが上記ベーパ判別
用の基準失火回数6×Nmsfc以下であり、失火の発
生頻度が顕著な低下傾向にないことが確認された場合に
は、インジェクタ26内でベーパが発生していない状態
で、エミッションを悪化させる可能性がある軽度の失火
故障が発生したために、上記ステップS25で上記失火
回数の第2計測値Nmsfeが第2しきい値Ntheよ
りも大きくなったと考えられるので、警告灯46に軽度
の失火故障が生じたこと示す表示を点灯させる制御信号
を出力した後に(ステップS29)、上記ステップS4
にリターンする。上記警告灯46は、修理工場で修理さ
れてそのチェックがされるまで、エンジン作動中は点灯
された状態に維持される。
【0050】このように予め設定された第1基準時間a
に対応した診断期間が計測される間に、失火回数計測手
段42により計測された失火回数の第1計測値Nmsf
cに応じ、ベーパ判定用の基準失火回数6×Nmsfc
を設定するとともに、上記第1基準時間aよりも長い時
間に設定された第2基準時間bに対応した診断期間が計
測される間に、失火回数計測手段42により計測された
失火回数の第2計測値Nmsfeと、上記ベーパ判定用
の基準失火回数6×Nmsfcとに基づいて、インジェ
クタ26内の燃料に気泡が生成された状態にあるか否か
を判定するベーパ判定手段45を設け、このベーパ判定
手段45においてインジェクタ26内の燃料に気泡が生
成された状態にあると判定された場合に、上記失火故障
判定手段44による失火故障の判定を禁止するように構
成したため、上記ベーパ判別用の基準失火回数6×Nm
sfcに基づいてインジェクタ26内でベーパが発生し
ているか否かを迅速かつ正確に判別し、燃料に気泡が生
成されるベーパの発生時に、失火故障が発生していない
にも拘らず、失火故障判定手段44において失火故障が
発生したと誤判定されるのを効果的に防止することがで
きる。
【0051】すなわち、上記インジェクタ26内でベー
パが発生している場合には、図6の実線に示すように、
エンジンの始動直後に上記ベーパに起因した失火が顕著
に発生するとともに、その後に供給される燃料によりイ
ンジェクタ26が冷却されるのに応じて失火の発生頻度
が次第に低下する。このため、1000回転に設定され
たエンジン回転数の積算値からなる第2基準時間bの経
過時点で計測された失火回数の第2計測値Nmsfe
が、02 センサの劣化や、O2 センサの検出値に基づく
空燃費のフィードバック制御システムの異常により、エ
ンジン回転数の積算値が800回転から1000回転に
なるまでの間に設定された第1基準時間aの経過時点で
計測された失火回数の第1計測値Nmsfcを6倍して
なるベーパ判別用の基準失火回数6×Nmsfc以下で
あると判定され、図6の破線に示すように、失火の発生
頻度が顕著に低下する傾向にないことが確認された場合
には、上記第2基準時間b内における失火がベーパに起
因して発生したとは考えられず、O2 センサ32の劣化
等に起因したものであると考えられる。
【0052】したがって、従来装置のように、エンジン
の始動後に失火故障の判定停止期間を設けることなく、
エンジンの始動直後から上記第2基準時間bに対応した
診断期間の計測を開始し、この第2基準時間bの経過時
点で上記失火回数計測手段42により計測された失火回
数の第2計測値Nmsfeに基づいて、上記O2 センサ
32の劣化等に起因した軽度の失火故障が発生している
ことを正確に診断することができる。
【0053】また、上記のように1000回転に設定さ
れたエンジン回転数の積算値からなる第2診断期間bの
経過時点で計測された失火回数の第2計測値Nmsfe
が、上記第1診断期間aの経過時点で計測された失火回
数の第1計測値Nmsfcを6倍してなるベーパ判別用
の基準失火回数6×Nmsfcよりも大きいことが確認
された場合には、上記失火がベーパに起因して発生した
と考えられるため、失火故障判定手段44において軽度
の失火故障が発生した判定されるのを禁止することによ
り、上記軽度の失火故障が発生したと誤診断されるのを
効果的に防止することができる。
【0054】特に、上記実施形態では、エンジン回転数
の積算値にして1000回転に設定された第2基準時間
b内の後半部に第1基準時間aを設定し、診断期間計測
手段41によって計測されるエンジン回転数の積算値が
800回転から1000回転となるまでの間に、失火回
数計測手段42により失火回数の第1計測値Nmsfc
を計測するように構成したため、上記ベーパの発生時
に、エンジン回転数が充分に安定した後に計測された上
記失火回数の第1積算値Nmsfcに応じてベーパ判別
用の基準失火回数6×Nmsfcを適正に設定すること
ができる。
【0055】したがって、上記ベーパ判別用の基準失火
回数6×Nmsfcに基づいてインジェクタ26内の燃
料に気泡が生成されるベーパが発生したか否かを正確に
判定し、このベーパの発生時に、上記失火故障判定手段
44による失火故障の判定を禁止することにより、上記
ベーパに起因した失火が失火故障によるものであると誤
判定されるのを効果的に防止することができる。
【0056】また、上記実施形態では、第1基準時間a
に対応した診断期間が計測される間に失火回数計測手段
42により計測された失火回数の第1計測値Nmsfc
と、上記しきい値設定手段43によって設定された第1
しきい値Nthcとに基づいて排気ガス浄化触媒31に
悪影響を与える可能性が高い重度の失火故障が生じたか
否かを判定するとともに、上記第2基準時間bに対応し
た診断期間が計測される間に失火回数計測手段42によ
り計測された失火回数の第2計測値Nmsfeと、上記
しきい値設定手段43によって設定された第2しきい値
Ntheとに基づいて排気ガス浄化触媒31に悪影響を
与える可能性が低い軽度の失火故障が生じたか否かを判
定するように構成したため、第1基準時間aが経過した
時点で、上記第1しきい値Nthcに基づいて重度の失
火故障を、迅速に診断することができるとともに、第2
基準時間bが経過した時点で、失火の発生頻度が比較的
低い軽度の失火故障を、上記第2しきい値Ntheに基
づいて確実に診断することができる。
【0057】すなわち、インジェクタ26や点火プラグ
の故障等に起因した重度の失火故障が発生した場合に
は、失火の発生頻度が高く、診断期間を短くした場合に
おいても誤診断を生じる可能性が低いため、上記第1基
準時間aを短い時間に設定することにより、上記重度の
失火故障を迅速に診断することができる。したがって、
上記重度の失火故障の発生時に、上記警告灯46を点灯
して早期に修理を促すことにより、排気ガス中に混入さ
れた多量の未燃焼ガスが、排気ガス触媒31中で燃焼す
ることに起因した排気ガス浄化触媒31の損傷を効果的
に防止することができる。
【0058】また、排気ガス中のO2 量を測定するO2
センサ32の劣化等に起因する軽度の失火故障が発生し
た場合には、上記重度の失火故障に比べて失火の発生頻
度が低いので、診断期間を短かくすると誤診断を生じる
可能性が高なり、かつこの失火故障の診断が多少遅れて
も上記排気ガス触媒31が直ぐに損傷することはないた
め、軽度の失火故障を診断する第2診断期間bを、上記
第1診断期間aよりも長い時間に設定することにより、
誤判定の発生を防止して上記軽度の失火故障を確実に診
断することができる。したがって、上記第2診断期間b
が経過した時点で、軽度の失火故障が発生しか否かを判
定し、失火故障が発生したことが確認された場合に、上
記警告灯46を点灯して修理を促すことにより、エミッ
ションが悪化するのを防止することができる。
【0059】さらに、上記実施形態では、水温センサ1
9および吸気温センサ29の検出信号等に応じてインジ
ェクタ26内でベーパが発生し易い状態にあるか否かを
ベーパ判定手段45により判定し、このベーパ判定手段
45においてベーパが発生し易い状態にあることが確認
された場合に、上記第1しきい値Nthcおよび第2し
きい値Ntheを、それぞれ通常時よりも大きな値に設
定するように構成したため、始動時にエンジンが既に高
温状態にあり、インジェクタ26内の燃料に気泡が生成
されることにより燃料噴射量が一時的に減少し、空燃比
がリーン化することによる失火が生じた場合に、この失
火が上記失火故障に起因したものであると誤判定される
のを効果的に防止することができる。
【0060】しかも、上記ベーパ判定手段45におい
て、インジェクタ26内でベーパが発生し易い状態には
なく、空燃比がリーン化することによる失火が生じにく
いことが確認された場合には、上記第1しきい値Nth
cおよび第2しきい値Ntheを通常の値に設定するこ
とにより、この第1しきい値Nthcおよび第2しきい
値Ntheに基づいてインジェクタ26の故障等に起因
した失火故障が発生したことを正確に判定することがで
きる。
【0061】なお、エンジン回転数の積算値に基づいて
診断期間を計測するようにした上記実施形態に代え、タ
イマ等により予め設定された第1,第2基準時間に対応
した診断期間を計測するようにしてもよい。しかし、上
記実施形態に示すように、エンジン回転数の積算値に基
づいて診断期間を計測するように構成した場合には、エ
ンジンの始動状態に応じてエンジン回転速度が様々に変
化した場合でも、この回転速度の変化状態に対応した失
火の発生頻度を適正に計測し、この発生頻度に基づいた
失火故障の診断を適正に実行することができる。
【0062】また、上記実施形態では、インジェクタ2
6内におけるベーパの発生時に、時間の経過に伴って失
火頻度が次第に低下した後に安定することを考慮して、
上記ベーパ判定用の基準失火回数を、第2診断期間bの
後半部に設定された第1診断期間aの経過時点で計測さ
れた失火回数の第1計測値Nmsfcを6倍することに
より設定した例について説明したが、第2診断期間b内
においてベーパに起因した失火が発生する領域に設置さ
れた第1基準時間a内で計測された失火回数の第1計測
値Nmsfcに基づき、上記誤判定の発生を防止できる
範囲内で、上記基準失火回数を任意に設定可能である。
【0063】例えば、図6に示すように、上記第2基準
時間b内において、失火の発生頻度が最も平均的な値と
なることが考えられる第1基準時間a´、つまりエンジ
ン回転数の積算値が400回転から600回転になるま
での間に設定された診断期間内で計測された失火回数の
第1計測値Nmsfcを5倍することにより、ベーパ判
別用の基準失火回数5×Nmsfcを設定するように構
成してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、予め設定
された第1基準時間に対応した診断期間が計測される間
に失火回数計測手段により計測された失火回数に応じて
ベーパ判定用の基準失火回数を設定するとともに、上記
第1基準時間よりも長い時間に設定された第2基準時間
に対応した診断期間が計測される間に失火回数計測手段
により計測された失火回数と、上記ベーパ判定用の基準
失火回数とに基づいて、インジェクタ内の燃料に気泡が
生成された状態にあるか否かを判定するベーパ判定手段
を設け、このベーパ判定手段においてインジェクタ内の
燃料に気泡が生成された状態にあると判定された場合
に、上記失火故障判定手段による失火故障の判定を禁止
するように構成したため、上記ベーパ判別用の基準失火
回数に基づいてインジェクタ内で蒸発燃料が発生してい
るか否かを迅速かつ正確に判別し、上記燃料に気泡が生
成されるベーパの発生時に、失火故障が発生していない
にも拘らず、失火故障判定手段において失火故障が発生
したと誤判定されるのを効果的に防止できるという利点
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る失火診断装置を備えた
エンジンの一例を示す概略図である。
【図2】上記失火診断装置の具体的構成を示すブロック
図である。
【図3】失火診断制御の第1工程を示すフローチャート
である。
【図4】失火診断制御の第2工程を示すフローチャート
である。
【図5】失火診断制御の第3工程を示すフローチャート
である。
【図6】上記失火診断時の失火回数の変化状態を示すグ
ラフである。
【符号の説明】
10 エンジン本体 19 水温センサ(エンジン水温検出手段) 26 インジェクタ 29 吸気温センサ(吸気温度検出手段) 40 エンジンの制御ユニット 41 診断期間計測手段 42 失火回数計測手段 43 しきい値設定手段 44 失火故障診断手段 45 ベーパ判定手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 失火故障診断用の診断期間を計測する診
    断期間計測手段と、エンジンの失火回数を計測する失火
    回数計測手段と、エンジンの失火故障判定用のしきい値
    を設定するしきい値設定手段と、予め設定された基準時
    間に対応した診断期間が計測される間に上記失火回数計
    測手段より計測された失火回数と上記しきい値設定手段
    によって設定されたしきい値とを比較することによりエ
    ンジンに失火故障が生じたか否かを判定する失火故障判
    定手段とを備えたエンジンの失火診断装置であって、予
    め設定された第1基準時間に対応した診断期間が計測さ
    れる間に失火回数計測手段により計測された失火回数に
    応じてベーパ判定用の基準失火回数を設定するととも
    に、上記第1基準時間よりも長い時間に設定された第2
    基準時間に対応した診断期間が計測される間に失火回数
    計測手段により計測された失火回数の計測値と、上記ベ
    ーパ判定用の基準失火回数とに基づいてインジェクタ内
    の燃料に気泡が生成された状態にあるか否かを判定する
    ベーパ判定手段を備え、このベーパ判定手段においてイ
    ンジェクタ内の燃料に気泡が生成された状態にあると判
    定された場合に、上記失火故障判定手段による失火故障
    の判定を禁止するように構成したことを特徴とするエン
    ジンの失火診断装置。
  2. 【請求項2】 上記請求項1記載のエンジンの失火診断
    装置において、第1基準時間を第2基準時間内の後半部
    に設定したことを特徴とするエンジンの失火診断装置。
  3. 【請求項3】 上記請求項1記載または請求項2のエン
    ジンの失火診断装置において、第1基準時間をベーパ発
    生に起因した失火が発生する可能性がある領域に設定し
    たことを特徴とするエンジンの失火診断装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3のいずれかに記載のエ
    ンジンの失火診断装置において、上記第1基準時間に対
    応した診断期間が計測される間に失火回数計測手段によ
    り計測された失火回数の第1計測値と、上記しきい値設
    定手段によって設定された第1しきい値とに基づいて排
    気ガス浄化触媒に悪影響を与える可能性が高い重度の失
    火故障が生じたか否かを判定するとともに、上記第2基
    準時間に対応した診断期間が計測される間に失火回数計
    測手段により計測された失火回数の第2計測値と、上記
    しきい値設定手段によって設定された第2しきい値とに
    基づいて排気ガス浄化触媒に悪影響を与える可能性が低
    い軽度の失火故障が生じたか否かを判定するように構成
    したことを特徴とするエンジンの失火診断装置。
  5. 【請求項5】 上記請求項1〜4のいずれかに記載のエ
    ンジンの失火診断装置において、エンジン回転数の積算
    値に基づいて診断期間を計測するように構成したことを
    特徴とするエンジンの失火診断装置。
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