JP3972604B2 - 筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
筒内直噴式内燃機関の燃料系において、燃料系部品の故障で燃圧低下を起こす場合がある。この場合、燃料噴射量が不足するが、フィードバック制御を行うことによりある程度は改善する。しかし、それでも燃料噴射量が不足すると、過リーン状態になり、失火を起こす。この場合、未燃の燃料が排気系で燃焼し、過熱して、排気系部品の破損を生じることがある。
【0003】
内燃機関の失火判定方法としては、次の(1)〜(3)のようなものがあるが、それぞれ問題点を含んでいる。
(1)特開平5−306671号
内燃機関の失火判定方法として、点火電圧(点火プラグの電極間電圧)の検出値に基づく方法をベースとし、燃料噴射量に応じた空燃比の変動に対応して失火判定の基準値を変更させる検出精度改善を行っている。
【0004】
しかしながら、筒内直噴式内燃機関においては、部品故障などで燃圧が大きく変化すると噴射期間が大きく変わってくるため、正常な状態と同一噴射量でも燃焼不良などにより空燃比が違ってくる場合がある。例えば部品故障などで極端に燃圧が低くなった場合、燃料噴射弁の噴射パルス幅が大きく広がるが、噴射終わりの方は燃焼が悪化してリーン判定されるなどの問題がある。また、運転条件によっては、目標の噴射量まで噴き切れずに、リーンになるという問題もある。
【0005】
これらの問題点によって、点火電圧と、燃料噴射量に応じた空燃比とからの失火判定は、上述のように、状況によっては燃料噴射量と空燃比との相関がずれる筒内直噴式内燃機関には不適である。
(2)特開平11−190240号
高圧プレッシャレギュレータで制御される燃圧の挙動をモニターし、所定の基準値に対し異常な燃圧挙動を検知した場合に、燃圧制御系の故障と判定する制御であるが、燃圧異常時の失火判定は行っていない。
【0006】
このため、燃料系部品の故障は検知できるが、失火による排温の異常上昇や、排気系部品の故障については検知できないという問題がある。例えば、部品故障などで極端に燃圧が低くなった場合、燃焼悪化及び噴射不足が起こり、燃焼不良や失火などにより発生した未燃ガスが排気管内や触媒内で燃焼して排温が異常上昇し、排気系部品の耐久性が著しく低下するなどの問題が考えられる。
【0007】
(3)特開2001−20792号
内燃機関の失火判定方法として、排温異常上昇時に失火と判定し、失火気筒の燃料カットを行う制御方法をベースとし、排温異常上昇時には他気筒の燃料噴射量のリッチ化を禁止する(基本噴射量に戻す)ことで、リッチ制御時の排温上昇を防ぐ改善を行っている。
【0008】
しかしながら、上記制御は排温を測定するセンサが必要となり、コスト的に不利であるという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような実状に鑑み、燃料系部品の故障での燃圧低下による過リーン失火(特にこれによる排温異常上昇)を精度良く早期に検出することにより、他部品の破損を回避しつつ、速やかにフェイルセーフ制御へ移行すると共に修理工場へ入庫可能とする筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1の発明では、燃料噴射弁へ供給される燃圧を検出する燃圧センサと、検出された燃圧が目標燃圧となるようにデューティ制御されて燃料噴射弁への燃圧を調整するプレッシャレギュレータと、を備える筒内直噴式内燃機関において、第1の失火条件として、前記燃圧センサにより検出された燃圧が、所定の失火発生燃圧以下で、かつ、前記プレッシャレギュレータのデューティに応じて設定される下限側故障判定燃圧以下であるかを判定し、また、第2の失火条件として、燃圧に応じて、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとして失火領域を定めた燃圧毎のマップを参照し、失火領域かを判定し、前記第1及び第2の失火条件が共に成立している場合に、燃料系故障による異常と診断する手段を設けたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明では、燃料噴射弁へ供給される燃圧を検出する燃圧センサと、検出された燃圧が目標燃圧となるようにデューティ制御されて燃料噴射弁への燃圧を調整するプレッシャレギュレータと、を備える筒内直噴式内燃機関において、第1の失火条件として、前記燃圧センサにより検出された燃圧が所定の失火発生燃圧以下で、かつ、前記プレッシャレギュレータのデューティが高圧制御側の限界値に張り付いているかを判定し、また、第2の失火条件として、燃圧に応じて、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとして失火領域を定めた燃圧毎のマップを参照し、失火領域かを判定し、前記第1及び第2の失火条件が共に成立している場合に、燃料系故障による異常と診断する手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明では、前記診断手段は、前記失火条件(第1及び第2の失火条件)が成立し、かつ、失火条件成立状態での経過時間が第1の所定時間以上の場合に、燃料系故障による異常と診断することを特徴とする。
請求項4の発明では、特に請求項3の場合に、前記第1の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と排気系部品許容温度とに応じて設定されることを特徴とする。
【0015】
請求項5の発明では、特に請求項3又は4の場合に、前記経過時間は、失火条件成立状態での時間を積算して求めるものであることを特徴とする。
請求項6の発明では、特に請求項5の場合に、前記失火条件が不成立となってから第2の所定時間以上経過した場合に前記経過時間の積算値をクリアすることを特徴とする。
【0016】
請求項7の発明では、特に請求項6の場合に、前記第2の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と失火回避後の排温低下速度とに応じて設定されることを特徴とする。
【0017】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、燃圧センサにより検出された燃圧が、所定の失火発生燃圧以下で、かつ、プレッシャレギュレータのデューティに応じて設定される下限側故障判定燃圧以下の場合に、燃料系故障による異常と診断するので、燃料系故障による燃圧低下を燃圧単独で判定するだけでは正常時も含むため誤診断の可能性もあるが、デューティとの相関で判定することで、誤診断を防止することができる。
【0018】
請求項2の発明によれば、燃圧センサにより検出された燃圧が所定の失火発生燃圧以下で、かつ、プレッシャレギュレータのデューティが高圧制御側の限界値に張り付いている場合に、燃料系故障による異常と診断するので、請求項1の発明に対し、より簡易的に診断が可能となる。
また、請求項1、2の発明によれば、燃料系故障による異常と診断する際に、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとして失火領域を定めたマップを参照し、失火領域かを判定するため、運転条件を考慮することで、より精度良く診断することができる。すなわち、失火の原因となる燃圧低下のみならず、失火が発生する運転条件か否かを判定するため、より精度の良い失火診断が可能となる。
【0019】
また、請求項1、2の発明によれば、失火領域判定用のマップを燃圧に応じて複数設けることで、燃圧により変化する失火領域を正確に捉え、より精度の良い失火診断が可能となる。
【0020】
請求項3の発明によれば、失火条件が成立し、かつ、失火条件成立状態での経過時間が第1の所定時間以上の場合に、燃料系故障による異常と診断するため、誤診断を防止し、特に失火による排温異常上昇をより精度良く診断することができる。
【0021】
請求項4の発明によれば、前記第1の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と排気系部品許容温度とに応じて設定することで、失火発生時の排温上昇速度より、排気系部品許容温度を超えない時間に設定でき、その時間内に診断して、排気系部品の保護を図ることができる。
請求項5の発明によれば、前記経過時間は、失火条件成立状態での時間を積算して求めるため、異常状態から瞬間的に正常状態になってもクリアされないので、例えば失火許容領域と失火領域とを行き来して排温が徐々に上がっていくモードでも排温異常上昇の検知ができ、排温が許容温度を超えて部品破損に至るのを確実に防止できる。
【0022】
請求項6の発明によれば、失火条件が不成立となってから第2の所定時間以上経過した場合に前記経過時間の積算値をクリアすることで、排温が十分低下してから診断クリアを行うことにより、失火回避後の診断における早期NG判定を回避でき、誤検知に対する信頼性が向上する。
請求項7の発明によれば、前記第2の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と失火回避後の排温低下速度とに応じて設定するので、排温が十分低下した状態を確実に検知でき、更に信頼性が向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態として筒内直噴式内燃機関の構成を示している。
エンジン1において、その燃焼室2には、吸気管3より空気が吸入される一方、燃焼室2内に臨む燃料噴射弁(インジェクタ)4より直接燃料が噴射供給され、図示しない点火プラグにより着火されて燃焼する。
【0024】
燃料系について説明すると、燃料タンク5内の燃料はその中に配置された低圧燃料ポンプ6より低圧燃料配管7へ吐出され、この低圧燃料は低圧プレッシャレギュレータ8で一定の圧力に調整される。そして、この低圧燃料は高圧燃料ポンプ9により加圧され、高圧燃料として高圧燃料配管10を経て燃料噴射弁4に送られる。この高圧燃料は高圧プレッシャレギュレータ11で任意の圧力に調整される。
【0025】
エンジンコントロールユニット12は、エンジン1の運転状態をモニターするため、エンジン回転数Ne等の検出用のクランク角センサ13、吸入空気量Qa検出用のエアフローメータ14、スロットル開度TVO検出用のスロットルセンサ15などから信号を入力し、これらに基づいて燃料噴射弁4等の作動を制御する。
【0026】
また、エンジンコントロールユニット12は、高圧燃料配管10中に設けた燃圧FP検出用の燃圧センサ16から信号を入力し、これにより実際の燃圧を検出しつつ、エンジン運転状態に応じた目標燃圧となるように、高圧プレッシャレギュレータ11をデューティ制御する。ここでは、デューティを増大するほど、高圧プレッシャレギュレータ11のリターン流量が増大して、燃圧が低下し、逆にデューティを減少するほど、高圧プレッシャレギュレータ11のリターン流量が減少して、燃圧が上昇するものとする。
【0027】
エンジン1より排出された高温の排気ガスは、排気管17、触媒18を通って車外に放出される。ここで、失火などにより、排気ガス中に燃焼可能な成分を含む未燃ガスがある場合、排気管17又は触媒18で燃焼して異常高温になることがある。
本発明では、かかる筒内直噴式内燃機関において、排温センサを使用せず、燃料系の故障による燃圧低下時の過リーン失火、特にこれによる排温異常上昇を精度良く診断できるようにする。
【0028】
図2は燃料系診断のフローチャートであり、エンジンコントロールユニット12において所定時間毎に実行される。
S1では、燃圧フィードバック(F/B)制御中か否かを判定し、燃圧フィードバック制御中でない場合は本ルーチンを終了し、燃圧フィードバック制御中の場合のみS2へ進む。
【0029】
通常は、燃圧フィードバック制御を行い、目標燃圧に対して燃圧のずれが発生した場合、燃圧センサ16からの信号に基づいて高圧プレッシャレギュレータ11のデューティを調整することで、目標燃圧に制御しているが、燃圧センサ16の異常時や、エンジン始動直後の燃圧不安定状態などにおいては、燃圧フィードバック制御は中止される。よって、燃圧異常の検知は、燃圧フィードバック制御中を前提とする。
【0030】
S2では、燃圧フィードバック制御中の燃圧センサ16の出力を読込み、燃圧脈動などの影響を排除するために、加重平均処理し、これに基づいて燃圧FPを検出する。
次のS3では、燃圧フィードバック制御中の高圧プレッシャレギュレータ(P/R)11のデューティDUTYを読込む。
【0031】
次のS4では、図3のテーブルを参照し、デューティDUTYより下限側故障判定燃圧FPMINを算出する。すなわち、デューティDUTYに応じて高圧プレッシャレギュレータ11の特性OK範囲(下限側故障判定燃圧FPMIN〜上限側故障判定燃圧FPMAX)を定めているので、その下限側故障判定燃圧FPMINを読込む。
【0032】
次のS5では、第1の失火条件として、燃圧センサ16により検出された燃圧FPが、所定の失火発生燃圧FP1以下で、かつ、デューティDUTYに応じて設定される下限側故障判定燃圧FPMIN以下であるか否かを判定する。すなわち、図3中のハッチング領域を失火領域(排温異常上昇判定領域)として定め、この失火領域内か否かを判定する。この結果、FP≦FP1かつFP≦FPMINの場合は、S6へ進む。
【0033】
S6では、第2の失火条件として、図4の燃圧毎のマップを参照し、エンジン回転数Neとエンジン負荷とから、高回転・高負荷側の失火領域か否かを判定する。但し、失火領域の範囲は燃圧により変化するため、マップは燃圧毎に設けてるので、補間計算により失火領域か否かを判定する。この結果、失火領域の場合は、S7へ進む。
【0034】
すなわち、燃圧FPが大きく低下して、FP≦FP1かつFP≦FPMINとなり、しかも、エンジン回転数及び負荷が失火領域に入っている場合に、失火と診断して、S7へ進む。
尚、エンジン負荷としては、吸入空気量Qa、スロットル開度TVO、燃料噴射量、アクセル開度、更にはアクセル開度等に基づいて設定される目標エンジントルクなどを用いることができる。
【0035】
S7では、第1及び第2の失火条件の成立状態での経過時間を積算するため、診断タイマTMの値を本ルーチンの実行時間隔Δt分カウントアップする(TM=TM+Δt)。
次のS8では、診断タイマTMが第1の所定時間TM1以上となったか否かを判定し、TM1未満の場合は本ルーチンを終了するが、TM1以上となった場合は失火による排温異常上昇とみなしてS9へ進む。
【0036】
ここで、前記第1の所定時間TM1は、失火発生時の排温(触媒温度)上昇速度と排気系部品許容温度とに応じて、失火発生時の排温上昇速度より、失火発生後に許容温度を超えない範囲で予め設定される。
すなわち、図5を参照し、失火領域に突入後、排温が許容排温に達するまでの排温応答時間をAとすると、前記第1の所定時間TM1は排温応答時間Aより短く設定する。
【0037】
また、エンジン回転数及び負荷などの診断条件の変化により、図6に示すように、失火許容領域と失火領域とを比較的短時間で行き来した場合は、排温が徐々に上がっていくモードとなり、診断時間内でも許容排温を超える可能性があるため、診断タイマは積算式とし、一瞬診断条件を抜けても診断クリアが入らず、診断継続が可能な設定としてある。
【0038】
S9では、排温異常上昇と判定し、これを記録したり、運転者に警告する他、次のS10で、回転数上限制御や空気量上限制御などのフェイルセーフ制御を行って、本ルーチンを終了する。
一方、前記S5又はS6のいずれかの判定で、失火条件が不成立の場合は、S11へ進む。
【0039】
S11では、診断タイマTMがカウントされている(TM>0)か否かを判定し、TM=0の場合は本ルーチンを終了する。
TM>0の場合は、失火条件成立後に条件不成立となった場合であり、S12へ進む。
S12では、失火条件不成立状態となってから第2の所定時間TM2以上経過したか否かを判定する。
【0040】
第2の所定時間TM2未満の場合は、そのまま本ルーチンを終了し、診断タイマTMのクリアは行わない。
第2の所定時間TM2以上経過した場合は、S13へ進んで、診断タイマTMをクリアし(TM=0)、本ルーチンを終了する。
ここで、前記第2の所定時間TM2は、失火発生時の排温上昇速度と失火回避後(復帰後)の排温低下速度とに応じて、すなわち、失火領域から失火許容領域に戻った後、排温が低下する速度で、下記のように設定する。
【0041】
すなわち、失火領域での排温上昇速度=+T1℃/sec 、失火許容領域での排温低下速度=−T2℃/sec 、失火領域に連続して存在した時間=S1sec とすると、前記第2の所定時間TM2は、TM2≧(T1×S1)/T2の範囲で決める。
次に本発明の他の実施形態について説明する。
【0042】
(1)図2のフローのS5の変更
S5では、第1の失火条件として、燃圧センサにより検出された燃圧FPが、所定の失火発生燃圧FP1以下で、かつ、デューティDUTYに応じて設定される下限側故障判定燃圧FPMIN以下であるか否かを判定しているが、これに代えて、図2にS5aとして示してあるように、第1の失火条件として、燃圧センサにより検出された燃圧PFが、所定の失火発生燃圧FP1以下で、かつ、高圧プレッシャレギュレータのデューティDUTYが高圧制御側の限界値DUTYMIN(例えば0%)に張り付いている(DUTY≒DUTYMIN)か否かを判定するようにしてもよい。これによれば、基本の形態に対し、S4の処理を省略でき、そのための図3のテーブルも不要となるので、より簡易に診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示す筒内直噴式内燃機関の構成図
【図2】 燃料系診断のフローチャート
【図3】 高圧プレッシャレギュレータの作動特性上の失火領域を示す図
【図4】 運転状態による失火領域判定用のマップを示す図
【図5】 診断時間の説明図
【図6】 積算式診断タイマの説明図
【符号の説明】
1 エンジン
2 燃焼室
3 吸気管
4 燃料噴射弁
5 燃料タンク
6 低圧燃料ポンプ
7 低圧燃料配管
8 低圧プレッシャレギュレータ
9 高圧燃料ポンプ
10 高圧燃料配管
11 高圧プレッシャレギュレータ
12 エンジンコントロールユニット
13 クランク角センサ
14 エアフローメータ
15 スロットルセンサ
16 燃圧センサ
17 排気管
18 触媒
Claims (7)
- 燃料噴射弁へ供給される燃圧を検出する燃圧センサと、検出された燃圧が目標燃圧となるようにデューティ制御されて燃料噴射弁への燃圧を調整するプレッシャレギュレータと、を備える筒内直噴式内燃機関において、
第1の失火条件として、前記燃圧センサにより検出された燃圧が、所定の失火発生燃圧以下で、かつ、前記プレッシャレギュレータのデューティに応じて設定される下限側故障判定燃圧以下であるかを判定する手段と、
第2の失火条件として、燃圧に応じて、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとして失火領域を定めた燃圧毎のマップを参照し、失火領域かを判定する手段と、
前記第1及び第2の失火条件が共に成立している場合に、燃料系故障による異常と診断する手段と、
を設けたことを特徴とする筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。 - 燃料噴射弁へ供給される燃圧を検出する燃圧センサと、検出された燃圧が目標燃圧となるようにデューティ制御されて燃料噴射弁への燃圧を調整するプレッシャレギュレータと、を備える筒内直噴式内燃機関において、
第1の失火条件として、前記燃圧センサにより検出された燃圧が所定の失火発生燃圧以下で、かつ、前記プレッシャレギュレータのデューティが高圧制御側の限界値に張り付いているかを判定する手段と、
第2の失火条件として、燃圧に応じて、エンジン回転数とエンジン負荷とをパラメータとして失火領域を定めた燃圧毎のマップを参照し、失火領域かを判定する手段と、
前記第1及び第2の失火条件が共に成立している場合に、燃料系故障による異常と診断する手段と、
を設けたことを特徴とする筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。 - 前記診断手段は、前記失火条件が成立し、かつ、失火条件成立状態での経過時間が第1の所定時間以上の場合に、燃料系故障による異常と診断することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。
- 前記第1の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と排気系部品許容温度とに応じて設定されることを特徴とする請求項3記載の筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。
- 前記経過時間は、失火条件成立状態での時間を積算して求めるものであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載の筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。
- 前記失火条件が不成立となってから第2の所定時間以上経過した場合に前記経過時間の積算値をクリアすることを特徴とする請求項5記載の筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。
- 前記第2の所定時間は、失火発生時の排温上昇速度と失火回避後の排温低下速度とに応じて設定されることを特徴とする請求項6記載の筒内直噴式内燃機関の燃料系診断装置。
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