JPH10330500A - 木目模様を有する板状樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

木目模様を有する板状樹脂成形品の製造方法

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JPH10330500A
JPH10330500A JP13831797A JP13831797A JPH10330500A JP H10330500 A JPH10330500 A JP H10330500A JP 13831797 A JP13831797 A JP 13831797A JP 13831797 A JP13831797 A JP 13831797A JP H10330500 A JPH10330500 A JP H10330500A
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JP
Japan
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resin
weight
parts
lubricant
coloring material
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Application number
JP13831797A
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English (en)
Inventor
Mineto Ikeda
峰人 池田
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Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
Original Assignee
Tsutsunaka Plastic Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天然木材の木目に類似した均一な木目模様が
再現性良く得られるとともに、良好な機械的強度を有す
る成形品を得ることができる板状樹脂成形品の製造方法
を提供する。 【解決手段】 スチレン系樹脂からなる組成物で構成さ
れるベース材料と、着色材及びスチレン系樹脂からなる
組成物で構成される着色材料と、ベース材料と着色材料
の両者の重量和100重量部に対して滑剤2〜15重量
部とを混合して成形材料を得、この成形材料を熱加工成
形して板状樹脂成形品Pを製造する。あるいは特定量の
滑剤を配合した、ベース材料と着色材料とを混合して成
形材料を得、この成形材料を熱加工成形して板状樹脂成
形品Pを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、板目模様、柾目
模様等の木目模様を有する板状樹脂成形品の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】各種の建築材料として使用される木目模
様を有する板状樹脂成形品の製造方法として、押出成形
等により製造する方法が従来より多数提案されている。
このうち着色材により木目模様を付与する方法として
は、樹脂組成物からなるベース材料に、着色材含有樹脂
組成物からなる粒状体の着色材料を少量混合して成形材
料を得、この成形材料を押出成形することによって木目
模様を有する板状樹脂成形品を製造する方法が周知であ
る。
【0003】例えば、ベース材料と、これに対し相溶性
の良くない樹脂からなる粒状体の着色材料とを混合した
成形材料を用いる方法が周知であり、また特公昭60−
49407号公報には、ポリスチレンからなるベース材
料とポリスチレンからなる着色材料のそれぞれのメルト
フローインデックス値が相互に大きく離間した規定範囲
内に限定され、かつ各メルトフローインデックス値が規
定された一定の相互関係を有する成形材料を用いる方法
が開示されている。これらの方法によれば、樹脂成形品
に着色成分による流れ模様を残存させ、人工的に木目模
様を付与することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行技術による場合、次のような問題があった。即ち、前
者の方法では、互いに相溶性の良くない2種類の樹脂を
使用しているため、樹脂成形品における2種類の樹脂の
境界部分に歪みが残ってしまい、成形品として十分な機
械的強度を確保することができないという問題を有して
いた。
【0005】また、後者の方法では、構成する各ポリス
チレン樹脂のそれぞれのメルトフローインデックス値が
相互に大きく離間した規定範囲内に限定されるのみなら
ず、メルトフローインデックス値相互に一定の相互関係
を有することが要求されることなどから、樹脂の選定お
よび組み合わせが難しく、相当に限定されてしまうた
め、実質的に汎用性に乏しく、各種需要に合わせた設計
を行うことが容易ではなかった。また、各ポリスチレン
樹脂のメルトフローインデックス値が相互に大きく隔た
っているから、押出機内の樹脂の流れが不安定となり、
その結果安定した木目模様を再現性良く得ることができ
るものではなかった。
【0006】この発明は、かかる技術的背景に鑑みてな
されたものであって、天然木材の木目に類似した均一な
木目模様が再現性良く得られるとともに、良好な機械的
強度を有する成形品を得ることができる、木目模様を有
する板状樹脂成形品の製造方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者は鋭意研究の結果、従来流れ模様を現出さ
せるのが困難とされてきたメルトフローインデックス値
が近似したもしくは同一の類似した樹脂を使用する場合
あるいは全く同一の樹脂を使用する場合であっても、ベ
ース材料と着色材料と、これら両材料の重量和に対して
特定量の滑剤とを混合して得られる成形材料を用いるこ
とにより、あるいは特定量の滑剤を混和または表面に偏
在させたベース材料と同じく特定量の滑剤を混和または
表面に偏在させた着色材料とを混合して得られる成形材
料を用いることにより、即ち成形時における両材料の界
面における滑性を利用することにより、成形品に均一な
木目模様を再現性良く現出できるとともに、良好な機械
的強度を付与でき得ることを見出した。
【0008】すなわち、請求項1の発明にかかる木目模
様を有する板状樹脂成形品の製造方法は、スチレン系樹
脂からなる組成物で構成される粒状体または粉体のベー
ス材料と、着色材およびスチレン系樹脂からなる組成物
で構成される粒状体の着色材料と、前記ベース材料と着
色材料の両者の重量和100重量部に対して、滑剤2〜
15重量部と、を混合して成形材料を得、前記成形材料
を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造することを特徴
とするものである。
【0009】ベース材料と着色材料の界面における滑剤
の滑性により、熱加工成形におけるベース材料と着色材
料の混和が有効的に回避されて、良好な木目模様が現出
される。
【0010】また、請求項2の発明にかかる木目模様を
有する板状樹脂成形品の製造方法は、スチレン系樹脂
と、該樹脂100重量部に対して滑剤2〜15重量部と
からなる組成物で構成される粒状体または粉体のベース
材料と、着色材とスチレン系樹脂と、該樹脂100重量
部に対して滑剤2〜15重量部とからなる組成物で構成
される粒状体の着色材料と、を混合して成形材料を得、
前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
ることを特徴とするものである。
【0011】前記同様にベース材料と着色材料の界面に
おける滑剤の滑性により、熱加工成形における両材料の
混和が有効的に回避されて良好な木目模様が現出され
る。
【0012】請求項3〜5の発明は、ベース材料、着色
材料のうちの少なくとも一方の表面に滑剤が偏在されて
いる構成を採用したものである。滑剤がより効果的に作
用し得る表面に偏在されているから、混和したものより
もより少ない使用量で効率的に木目模様が現出され得
て、ひいては製造コストが低減される。
【0013】請求項6の発明は、上記請求項1〜5のい
ずれかの製造方法において、ベース材料及び着色材料の
メルトフローインデックス値が3以下である構成を採用
したものであり、両材料の流動性が低いので、良好な成
形性が確保される。
【0014】請求項7の発明は、上記請求項1〜6のい
ずれかの製造方法において、ベース材料を構成するスチ
レン系樹脂と、着色材料を構成するスチレン系樹脂が、
同一樹脂からなる構成を採用したものであり、ベース材
料を構成した樹脂と着色材料を構成した樹脂の境界部分
に歪みが残ることが回避されて、機械的強度の低下が確
実に防止される。
【0015】請求項8の発明は、上記請求項1〜7のい
ずれかの製造方法において、滑剤として、脂肪酸の金属
塩、脂肪酸アミド、シリコーンオイルのうちの1種また
は2種以上を用いる構成を採用したものである。これら
の滑剤は、スチレン系樹脂からなるベース材料と着色材
料の界面において優れた滑性作用を発揮するから、成形
時の樹脂の流れが一層安定化される。
【0016】請求項9の発明は、上記請求項8の製造方
法において、滑剤として、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミ
ド、シリコーンオイルのうちの2種以上を用いる構成を
採用したものであり、これらの相乗効果により、より少
ない使用量で良好な木目模様が現出されるから、低コス
トでの製作が可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】先ず、請求項1の発明にかかる木
目模様を有する板状樹脂成形品の製造方法について述べ
る。
【0018】この方法は、スチレン系樹脂からなる組成
物で構成されるベース材料と、着色材及びスチレン系樹
脂からなる組成物で構成される着色材料とを混合して成
形材料を得、これを熱加工成形して板状樹脂成形品を得
る製造方法において、ベース材料と着色材料に加えて、
第3の構成材料として特定量の滑剤を混合して成形材料
を得て、これを熱加工成形することに主たる特徴を有す
るものである。
【0019】ベース材料を構成するスチレン系樹脂から
なる組成物には、着色材を配合することが好ましく、天
然の木材の色目に類似させる場合には、高分子アゾ系顔
料等のブラウン系の顔料等が好適に使用できる。
【0020】上記スチレン系樹脂からなる組成物に対
し、加熱混練を行い、ペレット状に造粒した粒状ないし
は粉状の混和物を、ベース材料として使用する。
【0021】一方、着色材料を構成する組成物には、上
記スチレン系樹脂の他、着色材が必須成分として配合さ
れる。このような着色材としては、天然の木材の色目に
類似させる場合には、ブラウン系の顔料等を好適に使用
でき、例えば高分子アゾ系顔料等を好適物として例示で
きる。上記着色材の含有量(着色材料に対する)は、
0.5〜20重量%とするのが好ましい。
【0022】上記着色材を含有する組成物に対し、加熱
混練を行い、粒状体に造粒した混和物を、着色材料とし
て使用する。
【0023】なお、着色材料の粒子の大きさは、特に限
定されるものではないが、天然感に満ちあふれた木目模
様を付与するには、粒子の体積が1mm3 〜1cm3
ものを使用するのが好ましい。
【0024】成形材料は、前記ベース材料と着色材料
と、滑剤とを混合して得られるが、この時滑剤の混合量
は、ベース材料と着色材料の両者の重量和100重量部
に対して、2〜15重量部とする必要がある。2重量部
未満では、ベース材料と着色材料が混和してしまい良好
な木目模様を現出させることができず、一方15重量部
を超えると、成形性が低下するのみならず、成形品の機
械的強度が低下し、また時間の経過とともに成形品表面
にブリード物が生じることがあるからである。中でも3
〜12重量部とするのが好ましい。なお、成形材料は、
ベース材料、着色材料、滑剤を分散混合(ドライブレン
ド)して得るのが好ましい。
【0025】また、着色材料の配合量は、成形品に天然
感に満ち溢れた木目模様を付与する観点から、成形材料
100重量部に対し1〜40重量部に設定するのが好ま
しく、中でも3〜20重量部に設定するのがより好まし
い。
【0026】上記成形材料を、押出成形、カレンダー成
形、射出成形等、プラスチック加工技術において周知の
熱加工により成形して、板状樹脂成形品を得ることがで
きるが、特に押出成形を用いるのが好ましい。
【0027】例えば、T型ダイスを装備した押出機によ
り上記成形材料を押出成形して、板状樹脂成形品を製造
したり、あるいは丸型ダイスを装備した押出機により上
記成形材料をチューブ状に押出成形した後、このチュー
ブ状押出品を押出方向に沿って切り開いて展開すること
によって、板状樹脂成形品を製造する方法が好適であ
る。
【0028】このような熱加工成形において、滑剤、着
色材料、ベース材料を適度に混合させた状態で成形する
ものであるから、着色材料とベース材料に介在する滑剤
の滑性により、即ち両材料の界面における優れた滑性に
より、ベース材料と着色材料の混和が有効的に回避され
るから、樹脂成形品に着色材料による流れ模様、すなわ
ち木目模様を付与することができる。
【0029】次に、請求項2〜5の発明にかかる木目模
様を有する板状樹脂成形品の製造方法について述べる。
【0030】この方法は、スチレン系樹脂からなる組成
物で構成されるベース材料と、着色材及びスチレン系樹
脂からなる組成物で構成される着色材料とを混合して成
形材料を得、これを熱加工成形して板状樹脂成形品を得
る製造方法において、ベース材料に特定量の滑剤を混和
または表面に偏在させるとともに、着色材料に特定量の
滑剤を混和または表面に偏在させたことに主たる特徴を
有するものである。なお、上記特定量の滑剤の一部をベ
ース材料に混和させ、残部をベース材料表面に偏在させ
るものとしても良い。同様に着色材料においても滑剤の
一部を混和させ、残部を表面に偏在させるものとしても
良い。
【0031】上記において、ベース材料、着色材料のう
ちの少なくとも一方の表面に滑剤が偏在されているのが
望ましい。滑剤がより有効に作用し得る表面に偏在され
ており、混和したものよりもより少ない使用量で効果的
に木目模様を現出することができるから、製造コストを
低減することができるとともに、加工性も向上させるこ
とができる。
【0032】即ち、滑剤が混和されたベース材料は、ス
チレン系樹脂と、該樹脂100重量部に対して滑剤2〜
15重量部とからなる組成物で構成される。2重量部未
満では、ベース材料と着色材料が混和してしまい良好な
木目模様を現出させることができない。一方15重量部
を超えると、成形性が低下するのみならず、成形品の機
械的強度が低下し、また時間の経過とともに成形品表面
にブリード物が生じる。中でも3〜12重量部とするの
が好ましい。
【0033】上記ベース材料を構成する組成物には、着
色材を配合することが好ましく、天然の木材の色目に類
似させる場合には、高分子アゾ系顔料等のブラウン系の
顔料等が好適に使用できる。
【0034】上記組成物に対し、通常は、加熱混練を行
い、ペレット状に造粒した粒状ないしは粉状の混和物を
ベース材料として使用する。該混和物は可能な限り均質
に混和されているのが望ましい。
【0035】また、滑剤が表面に偏在されたベース材料
は、スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部に対して滑
剤0.25〜15重量部とからなる組成物で構成され
る。0.25重量部未満では、ベース材料と着色材料が
混和してしまい良好な木目模様を現出させることができ
ない。一方15重量部を超えると、成形性が低下するの
みならず、成形品の機械的強度が低下し、また時間の経
過とともに成形品表面にブリード物が生じる。中でも
0.4〜10重量部とするのが好ましい。前記同様この
ベース材料を構成する組成物には、着色材を配合するこ
とが好ましい。
【0036】そして、滑剤を含有しない組成の組成物に
対し、通常は、加熱混練を行い、ペレット状に造粒した
粒状(好ましくは粒子の体積が1mm3 〜1cm3 のも
のを使用する)の混和物を作製し、この表面に前記滑剤
を所定量付着すなわち表面に滑剤を偏在させたものをベ
ース材料として使用する。この材料の作製方法として
は、特に限定されるものではないが、例えば滑剤の融点
程度にジャケットを加温したミキサー内で前記混和物と
滑剤を混合する方法などが挙げられる。なお、前記混和
物は可能な限り均質に混和されているのが望ましい。
【0037】一方、滑剤が混和された着色材料は、着色
材、スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部に対して滑
剤2〜15重量部とからなる組成物で構成される。2重
量部未満では、ベース材料と着色材料が混和してしまい
良好な木目模様を現出させることができない。一方15
重量部を超えると、成形性が低下するのみならず、成形
品の機械的強度が低下し、また時間の経過とともに成形
品表面にブリード物が生じる。中でも3〜12重量部と
するのが好ましい。
【0038】上記着色材料には、着色材が必須成分とし
て配合されるが、このような着色材としては、天然の木
材の色目に類似させる場合には、ブラウン系の顔料等を
好適に使用でき、例えば高分子アゾ系顔料等を好適物と
して例示できる。上記着色材の含有量(着色材料に対す
る)は、0.5〜20重量%とするのが好ましい。
【0039】そして、上記着色材を含有する組成物に対
し、通常は、加熱混練を行い、粒状体に造粒した混和物
を着色材料として使用する。なお混和物は可能な限り均
質に混和されているのが望ましい。
【0040】また、滑剤が表面に偏在された着色材料
は、着色材、スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部に
対して滑剤0.25〜15重量部とからなる組成物で構
成される。0.25重量部未満では、ベース材料と着色
材料が混和してしまい良好な木目模様を現出させること
ができない。一方15重量部を超えると、成形性が低下
するのみならず、成形品の機械的強度が低下し、また時
間の経過とともに成形品表面にブリード物が生じる。中
でも0.4〜10重量部とするのが好ましい。なお、着
色材としては、前記同様例えば高分子アゾ系顔料等を好
適物として例示でき、着色材の含有量(着色材料に対す
る)は、0.5〜20重量%とするのが好ましい。
【0041】そして、滑剤を含有しない組成の組成物に
対し、通常は、加熱混練を行い、粒状体に造粒した混和
物を作製し、この表面に前記滑剤を所定量付着すなわち
表面に滑剤を偏在させたものを着色材料として使用す
る。なお、前記混和物は可能な限り均質に混和されてい
るのが望ましい。
【0042】着色材料の粒子の大きさは、特に限定され
ないが、前記同様に粒子の体積が1mm3 〜1cm3
ものを使用するのが好ましい。
【0043】成形材料は前記ベース材料と着色材料を混
合して得られるが、この時ベース材料に着色材料を分散
混合(ドライブレンド)して得るのが好ましい。
【0044】着色材料の配合量は、成形品に天然感に満
ち溢れた木目模様を付与する観点から、成形材料100
重量部に対し1〜50重量部に設定するのが好ましく、
中でも3〜20重量部に設定するのがより好ましい。
【0045】上記成形材料を、押出成形、カレンダー成
形、射出成形等、プラスチック加工技術において周知の
熱加工により成形して、板状樹脂成形品を得ることがで
きるが、特に押出成形を用いるのが好ましい。前記同様
に、例えばT型ダイスあるいは丸型ダイスを装備した押
出機により板状樹脂成形品を製造する方法が好適であ
る。
【0046】このような熱加工成形において、特定量の
滑剤を含有する着色材料を、特定量の滑剤を含有するベ
ース材料に適度に混合させた状態で成形するものである
から、成形時に着色材料とベース材料の界面に滑剤が効
果的に存在し得て、この滑剤の滑性により、即ち両材料
の界面における優れた滑性により、樹脂成形品に着色材
料による流れ模様、すなわち木目模様を付与することが
できる。
【0047】以上のように、この発明にかかる製造方法
は、いずれも、着色材料とベース材料の界面における滑
性を利用したものであるから、両材料を構成する樹脂と
して、従来流れ模様を現出させるのが困難とされてきた
メルトフローインデックス値が近似したもしくは同一の
類似した樹脂を使用することあるいは全く同一の樹脂を
使用することが可能となり、従って樹脂成形品におい
て、ベース材料を構成した樹脂と着色材料を構成した樹
脂の境界部分に歪みが残ることがなくて、安定した木目
模様を現出できるとともに、ひずみに起因する機械的強
度の低下を回避することができ、従って樹脂成形品とし
て十分な機械的強度を確保することができる。殊に、同
一樹脂を使用する場合には、製造工程数が削減されて一
層の低コスト化を図ることができる利点がある。
【0048】更に、着色材料とベース材料の界面におけ
る滑性のみを利用して樹脂成形品に木目模様を発現させ
得るものであるから、樹脂の選定および組み合わせが容
易で、汎用性に優れ、木目模様のコントラスト、色調や
柄、及び成形品の機械物性などの各種需要に合わせた設
計を行うことが容易である。
【0049】この発明において、ベース材料及び着色材
料のメルトフローインデックス値は、良好な成形性を確
保する観点から、10以下であることが好ましく、中で
も3以下であるのが一層好ましい。ここで、メルトフロ
ーインデックス値とは、JIS K7210-1995 の操
作−B法(自動時間測定法)に従い、試験温度200
℃、試験荷重5.00kgfにて測定した値である。
【0050】ベース材料および着色材料を構成するスチ
レン系樹脂としては、例えば、スチレン、α−スチレン
等の単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと
共重合可能な不飽和単量体との共重合体等が挙げられ
る。代表的なものとしては、一般用ポリスチレン、耐衝
撃用ポリスチレン、耐熱用ポリスチレン(α−メチルス
チレン共重合体)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体)、AS樹脂(アクリロニ
トリル−スチレン共重合体)、耐熱用AS樹脂(N−フ
ェニルマレイミド−アクリロニトリル共重合体)、AC
S樹脂(アクリロニトリル−塩素化ポリエチレン−スチ
レン共重合体)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチ
レンプロピレンゴム−スチレン共重合体)、AAS樹脂
(アクリルゴム−アクリロニトリル−スチレン共重合
体)等が挙げられる。これらのスチレン系樹脂は単独で
用いても良いし、2種以上を共重合または混合して用い
ても良い。
【0051】この発明において、滑剤としては、特に限
定されるものではないが、脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミ
ド、シリコーンオイルなどが好適に使用される。
【0052】また、滑剤として、前記脂肪酸の金属塩、
脂肪酸アミド、シリコーンオイルのうちの2種以上を用
いることが好ましく、これらの相乗効果により、より少
ない添加量で良好な木目模様を現出することが可能とな
って、低コスト化、加工性の向上を図ることができる。
【0053】上記脂肪酸の金属塩としては、特に限定さ
れるものではないが、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸
鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウ
ム、ステアリン酸バリウム、12−ヒドロキシステアリ
ン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸亜
鉛、ラウリン酸鉛等が挙げられ、中でもステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸鉛、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウムが好適に使
用される。また、これら脂肪酸の金属塩は、単独で用い
ることもできるし、2種以上を併用することもできる。
【0054】上記脂肪酸アミドとしては、特に限定され
るものではないが、エチレンビスステアリン酸アミド
(EBS)、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチ
レンビスヒドロキシステアリン酸アミド等が挙げられ
る。中でも、安価であることから、エチレンビスステア
リン酸アミドが好適である。なお、これら脂肪酸アミド
は、単独で用いることもできるし、2種以上を併用する
こともできる。
【0055】上記シリコーンオイルとしては、特に限定
されないが、直鎖状ジメチルポリシロキサン等が挙げら
れ、中でも粘度(25℃)が10〜1000csである
ものが好適に用いられ、このようなものとして、DC2
00FLUID(ダウコーニングアジア株式会社製)、
SP−500(ダウコーニングアジア株式会社製)等が
挙げられる。これらシリコーンオイルは、単独で用いる
こともできるし、2種以上を併用することもできる。
【0056】なお、ベース材料を構成する組成物には、
難燃剤、酸化防止剤、改質剤、可塑剤、光安定剤、紫外
線吸収剤、フィラー等の添加剤を適宜配合しても良い。
同様に、着色材料を構成する組成物にも、難燃剤、酸化
防止剤、改質剤、可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、フ
ィラー等の添加剤を適宜配合しても良い。
【0057】上記酸化防止剤としては、フェノール系や
リン系のものが好適なものとして挙げられる。
【0058】また、上記フィラーとしては、炭酸カルシ
ウム、チタン酸カルシウム、シリカ、アルミナ、タル
ク、マイカ、ゾノトライト、ガラス繊維、アラミド繊
維、木粉、パルプ、ゴム粉などが挙げられる。
【0059】この発明において、樹脂成形品の木目模様
の色調や柄は、成形材料中の着色材料の配合量や、種類
を適宜に選択することによって調整することができる。
【0060】例えば、体積の小さい着色材料を少量配合
した成形材料を使用すると、図1(a)に示すように成
形品(P)に、細筋の木目模様(L)が粗密に付与さ
れ、体積の小さい着色材料を多量に配合したものでは、
図1(b)に示すように、細筋の木目模様(L)が緻密
に付与される。一方、体積の大きい着色材料を少量配合
したものでは、図1(c)に示すように太筋の木目模様
(L)が粗密に付与され、体積の大きい着色材料を多量
に配合したものでは、図1(d)に示すように太筋の木
目模様(L)が緻密に付与される。
【0061】更に、押出機のスクリュー回転速度等、成
形条件を変更することによっても、木目模様の柄等を適
宜変化させることができる。
【0062】
【実施例】次に、この発明の具体的実施例について説明
する。
【0063】<使用材料> (スチレン系樹脂) AS樹脂…AS樹脂パウダー(宇部サイコン株式会社製
「モデファイアーレジンS200N」) ABS樹脂…ABS樹脂パウダー(宇部サイコン株式会
社製「モデファイアーレジンB501N」、ブタジエン
ゴム成分50%含有) (着色材)…高分子アゾ系顔料 (滑剤) 滑剤1…ステアリン酸亜鉛(日本油脂株式会社製ジンク
ステアレートG) 滑剤2…エチレンビスステアリン酸アミド(ヘンケルジ
ャパン株式会社製EBS−WAX) 滑剤3…シリコーンオイル(ダウコーニングアジア株式
会社製DC200FLUID、25℃粘度:12500
cs) (酸化防止剤)…フェノール系酸化防止剤(チバガイギ
ー製IRGANOX−1076) (フィラー)…炭酸カルシウム(備北粉化工業株式会社
製ソフトン−1200)
【0064】<熱加工装置> Tダイ付押出機…2軸押出機(口径55mm、L/D=
18)にリップ幅550mmT型ダイスを装着したも
の。
【0065】<実施例1>AS樹脂60重量部、ABS
樹脂40重量部を配合した樹脂組成物を溶融混練して造
粒し、粒状体ベース材料を得た。AS樹脂60重量部、
ABS樹脂40重量部、顔料5重量部を配合した樹脂組
成物を溶融混練して造粒し、粒状体着色材料を得た。
【0066】上記ベース材料100重量部に対して着色
材料を10重量部、滑剤1を3重量部混合(ドライブレ
ンド)して成形材料を得た。
【0067】この成形材料を前記Tダイ付押出機を用
い、ホッパー温度170℃、シリンダー出口温度180
℃、アダプター温度185℃、ダイス温度190℃、ス
クリュー回転数20rpmの条件で押出成形して板状樹
脂成形品を得た。
【0068】<実施例2>表1に示す材料を表1に示す
割合で配合、溶融混練した以外は、実施例1と同様にし
て粒状体ベース材料と粒状体着色材料を得た。上記ベー
ス材料100重量部に対して着色材料を20重量部、滑
剤2を6重量部混合(ドライブレンド)して成形材料を
得、実施例1と同様に押出成形して板状樹脂成形品を得
た。
【0069】<実施例3>表1に示す材料を表1に示す
割合で配合、溶融混練した以外は、実施例1と同様にし
て粉体ベース材料と粒状体着色材料を得た。上記ベース
材料100重量部に対して着色材料を40重量部、滑剤
1を2重量部、滑剤2を2重量部、滑剤3を8重量部混
合(ドライブレンド)して成形材料を得、実施例1と同
様に押出成形して板状樹脂成形品を得た。
【0070】
【表1】
【0071】<実施例4>AS樹脂60重量部、ABS
樹脂40重量部、滑剤1を2.8重量部を配合した樹脂
組成物を溶融混練して造粒し、粒状体ベース材料を得
た。AS樹脂60重量部、ABS樹脂40重量部、顔料
5重量部、滑剤1を2.8重量部を配合した樹脂組成物
を溶融混練して造粒し、粒状体着色材料を得た。
【0072】上記ベース材料100重量部に対して上記
着色材料を10重量部混合(ドライブレンド)して成形
材料を得、実施例1と同様に押出成形して板状樹脂成形
品を得た。
【0073】<実施例5>表2に示す材料を表2に示す
割合で配合、溶融混練した以外は、実施例4と同様にし
て粉体ベース材料と粒状体着色材料を得た。上記ベース
材料100重量部に対して上記着色材料を20重量部混
合(ドライブレンド)して成形材料を得、実施例4と同
様に押出成形して板状樹脂成形品を得た。
【0074】<実施例6>AS樹脂60重量部、ABS
樹脂40重量部、滑剤2を5重量部を配合した樹脂組成
物を溶融混練して造粒し、粒状体ベース材料を得た。
【0075】次に、AS樹脂70重量部、ABS樹脂3
0重量部、顔料5重量部を配合した樹脂組成物を溶融混
練して粒状体に造粒した後、該粒状体105重量部と滑
剤1を0.5重量部とを、ジャケット温度が滑剤1の融
点(120℃)以上に設定されたミキサー内に入れて混
合した後、冷却して、粒状体表面に滑剤1が付着した粒
状体着色材料を得た。
【0076】上記ベース材料100重量部に対して上記
着色材料を15重量部混合(ドライブレンド)して成形
材料を得、実施例4と同様に押出成形して板状樹脂成形
品を得た。
【0077】<実施例7>AS樹脂60重量部、ABS
樹脂40重量部、酸化防止剤0.3重量部を配合した樹
脂組成物を溶融混練して粒状体材料を得、該粒状体材料
100.3重量部と滑剤2を0.8重量部とを、ジャケ
ット温度が滑剤2の融点(140℃)以上に設定された
ミキサー内に入れて混合した後、冷却して、粒状体表面
に滑剤2が付着した粒状体ベース材料を得た。
【0078】表2に示す材料を表2に示す割合で配合、
溶融混練して造粒し、粒状体着色材料を得た。
【0079】上記ベース材料100重量部に対して上記
着色材料を15重量部混合(ドライブレンド)して成形
材料を得、実施例4と同様に押出成形して板状樹脂成形
品を得た。
【0080】<実施例8>AS樹脂60重量部、ABS
樹脂40重量部、酸化防止剤0.3重量部、フィラー2
0重量部を配合した樹脂組成物を溶融混練して粒状体に
造粒した後、該粒状体120.3重量部と滑剤1を1重
量部とを、ジャケット温度が滑剤1の融点(120℃)
以上に設定されたミキサー内に入れて混合した後、冷却
して、粒状体表面に滑剤1が付着した粒状体ベース材料
を得た。
【0081】次に、AS樹脂60重量部、ABS樹脂4
0重量部、顔料5重量部、酸化防止剤0.3重量部、フ
ィラー20重量部を配合した樹脂組成物を溶融混練して
粒状体に造粒した後、該粒状体125.3重量部と滑剤
1を0.3重量部と滑剤3を1.0重量部とを、ジャケ
ット温度が滑剤1の融点(120℃)以上に設定された
ミキサー内に入れて混合した後、冷却して、粒状体表面
に滑剤1および滑剤3が付着した粒状体着色材料を得
た。
【0082】上記ベース材料100重量部に対して上記
着色材料を10重量部混合(ドライブレンド)して成形
材料を得、実施例4と同様に押出成形して板状樹脂成形
品を得た。
【0083】<実施例9>表2に示す材料を表2に示す
割合で配合、溶融混練した以外は、実施例4と同様にし
て粒状体ベース材料と粒状体着色材料を得た。上記ベー
ス材料100重量部に対して上記着色材料を40重量部
混合(ドライブレンド)して成形材料を得、実施例4と
同様に押出成形して板状樹脂成形品を得た。
【0084】
【表2】
【0085】<比較例1>表3に示す滑剤を表3に示す
割合で配合した以外は、実施例4と同様にして板状樹脂
成形品を得た。
【0086】<比較例2>表3に示す滑剤を表3に示す
割合で配合した以外は、実施例8と同様にして板状樹脂
成形品を得た。
【0087】<比較例3>高流動性ポリスチレンを10
0重量部、滑剤1を1重量部配合した樹脂組成物を溶融
混練して造粒し、粒状体ベース材料を得た。また、低流
動性ポリスチレンを95重量部、顔料を5重量部、滑剤
2を1.0重量部配合した樹脂組成物を溶融混練して造
粒し、粒状体着色材料を得た。上記ベース材料100重
量部に対して着色材料を10重量部ドライブレンドして
成形材料を得、実施例1と同様に押出成形して板状樹脂
成形品を得た(相溶性の良くない樹脂同士を利用する従
来例)。
【0088】
【表3】
【0089】<試験方法および評価方法>上記のように
作製された各板状樹脂成形品に対し、下記A〜Dに示す
試験法に従い、評価を行った。その結果を表4〜6に示
す。
【0090】A.コントラスト評価法 板状樹脂成形品の木目模様のコントラストを下記判定基
準に基づき判定した。
【0091】(判定基準) 模様の境目が明瞭でコントラストが非常に良い…「◎」 模様の境目が若干ぼやけた感じでコントラストが良好…
「○」 模様の境目が不明瞭でコントラストが悪い…「△」 模様の境目を認識し難く、木目模様として利用できない
…「×」
【0092】B.木目模様評価法 天然木材の木目に類似しているものから順に、「5」、
「4」、「3」、「2」、「1」として5段階で評価し
た。なおこの評価が3以上のものは人工木材製品として
利用できるものである。
【0093】C.模様の安定性評価法 板状樹脂成形品の木目模様(柄)のばらつき具合、即ち
模様の安定性を下記判定基準に基づき判定した。
【0094】(判定基準) 模様の変動がなく均一な模様が安定して得られている…
「◎」 模様の変動が若干あるがほぼ均一な模様が安定して得ら
れている…「○」 模様の変動があり不均一な感じを受ける…「△」 模様の変動が大きく木目模様として利用し難い…「×」
【0095】D.衝撃強度試験法 ASTM D256に準拠してアイゾット衝撃強度(J
/m)を測定した。
【0096】
【表4】
【0097】
【表5】
【0098】
【表6】
【0099】<評価結果>表4〜6から明らかなよう
に、この発明にかかる製造方法で製作された実施例1〜
9の板状樹脂成形品は、コントラストの良い、天然木材
の木目に非常に類似した、安定した均一な模様を有する
とともに、良好な機械的強度をも具備している。
【0100】これに対し、この発明の範囲を逸脱する比
較例1は、模様のコントラストが悪く、木目模様として
利用できないものであった。また、比較例2は模様が天
然木材の木目に類似せず、人工木材製品として全く利用
し得ないものであり、しかも模様にばらつきがあって衝
撃強度にも劣っていた。また、相互に相溶性の良くない
ベース材料と着色材料とを混合した成形材料を用いる従
来の方法によるもの(比較例3)では、模様の安定性に
欠けると共に、機械的強度にも劣っていた。
【0101】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ベース材料と
着色材料と、これら両材料の重量和に対して特定量の滑
剤とを混合して得られる成形材料を熱加工成形するもの
であるから、熱加工成形時にベース材料と着色材料の界
面に滑剤が介在し、該滑剤の滑性により、即ち両材料の
界面における優れた滑性により、両材料の混和が有効的
に回避されて、樹脂成形品に着色材料による流れ模様、
すなわち良好な木目模様を付与することができる。
【0102】また、両材料を構成する樹脂として、従来
流れ模様を現出させるのが困難とされてきたメルトフロ
ーインデックス値が近似したもしくは同一の類似した樹
脂を使用することあるいは全く同一の樹脂を使用するこ
とが可能となり、従って樹脂成形品において、ベース材
料を構成した樹脂と着色材料を構成した樹脂の境界部分
に歪みが残ることがなくて、安定した木目模様を再現性
良く現出できるとともに、ひずみに起因する機械的強度
の低下を回避することができ、従って樹脂成形品として
十分な機械的強度を確保することができる。
【0103】更に、滑性のみを利用して樹脂成形品に木
目模様を発現させ得るものであるから、樹脂の選定およ
び組み合わせが容易で、汎用性に優れ、木目模様のコン
トラスト、色調や柄、及び成形品の機械物性などの各種
需要に合わせた設計を行うことが容易である。
【0104】請求項2〜5の発明によれば、特定量の滑
剤を含有する着色材料を、特定量の滑剤を含有するベー
ス材料に適度に混合させた状態で成形するものであるか
ら、成形時に着色材料とベース材料の界面に滑剤が有効
的に存在し得て、この滑剤の滑性により、両材料の界面
において優れた滑性が付与されるので、樹脂成形品に着
色材料による流れ模様、すなわち木目模様を付与するこ
とができる。また、上記と同様に、安定した木目模様を
再現性良く現出でき、かつ樹脂成形品の機械的強度の低
下を回避することができるとともに、汎用性に優れ、各
種需要に合わせた設計を行うことが容易である。
【0105】また、請求項3〜5の発明では、ベース材
料、着色材料のうちの少なくとも一方の表面に滑剤が偏
在されており、滑性がより有効に作用し得る表面に滑剤
が偏在しているから、より少ない使用量で効率的に木目
模様を現出することができ、従ってより低コストで製作
することができる。
【0106】請求項6の発明によれば、着色材料とベー
ス材料のメルトフローインデックス値が3以下に規定さ
れているから、両材料の流動性が低く、良好な成形性を
確保することができる。
【0107】請求項7の発明によれば、ベース材料を構
成した樹脂と着色材料を構成した樹脂の境界部分に歪み
が残ることを防止することができ、従って優れた機械的
強度を有する樹脂成形品を提供することができる。ま
た、製造工程数を削減することができるから、一層の低
コスト化を図ることができる。
【0108】請求項8の発明によれば、滑剤として、脂
肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、シリコーンオイルのうち
の1種または2種以上を用いているから、一段と優れた
滑性作用が発揮され、熱加工成形時の樹脂の流れが一層
安定化するので、一層安定した木目模様を再現性良く得
ることができる。
【0109】請求項9の発明によれば、上記において、
脂肪酸の金属塩、脂肪酸アミド、シリコーンオイルのう
ちの2種以上を用いているから、これらの相乗効果によ
り、より少ない使用量で天然木材の木目に極めて類似し
た木目模様を現出することができ、従って、より一層低
コストでの製作が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱加工された板状樹脂成形品の一例を示す平面
図である。
【符号の説明】
L…木目 P…成形品

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系樹脂からなる組成物で構成さ
    れる粒状体または粉体のベース材料と、 着色材およびスチレン系樹脂からなる組成物で構成され
    る粒状体の着色材料と、 前記ベース材料と着色材料の両者の重量和100重量部
    に対して、滑剤2〜15重量部と、 を混合して成形材料を得、 前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
    ることを特徴とする木目模様を有する板状樹脂成形品の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部
    に対して滑剤2〜15重量部とからなる組成物で構成さ
    れる粒状体または粉体のベース材料と、 着色材と、スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部に対
    して滑剤2〜15重量部とからなる組成物で構成される
    粒状体の着色材料と、 を混合して成形材料を得、 前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
    ることを特徴とする木目模様を有する板状樹脂成形品の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 スチレン系樹脂からなる組成物で構成さ
    れる粒状体の表面に滑剤が前記樹脂100重量部に対し
    て0.25〜15重量部偏在されてなるベース材料と、 着色材と、スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部に対
    して滑剤2〜15重量部とからなる組成物で構成される
    粒状体の着色材料と、 を混合して成形材料を得、 前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
    ることを特徴とする木目模様を有する板状樹脂成形品の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 スチレン系樹脂と、該樹脂100重量部
    に対して滑剤2〜15重量部とからなる組成物で構成さ
    れる粒状体または粉体のベース材料と、 着色材とスチレン系樹脂とからなる組成物で構成される
    粒状体の表面に滑剤が該樹脂100重量部に対して0.
    25〜15重量部偏在されてなる着色材料と、 を混合して成形材料を得、 前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
    ることを特徴とする木目模様を有する板状樹脂成形品の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 スチレン系樹脂からなる組成物で構成さ
    れる粒状体の表面に滑剤が前記樹脂100重量部に対し
    て0.25〜15重量部偏在されてなるベース材料と、 着色材とスチレン系樹脂とからなる組成物で構成される
    粒状体の表面に滑剤が該樹脂100重量部に対して0.
    25〜15重量部偏在されてなる着色材料と、を混合し
    て成形材料を得、 前記成形材料を熱加工成形して板状樹脂成形品を製造す
    ることを特徴とする木目模様を有する板状樹脂成形品の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ベース材料及び着色材料のメルトフ
    ローインデックス値が3以下である請求項1〜5のいず
    れか1項に記載の木目模様を有する板状樹脂成形品の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 ベース材料を構成するスチレン系樹脂
    と、着色材料を構成するスチレン系樹脂が、同一樹脂か
    らなる請求項1〜6のいずれか1項に記載の木目模様を
    有する板状樹脂成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記滑剤として、脂肪酸の金属塩、脂肪
    酸アミド、シリコーンオイルのうちの1種または2種以
    上を用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載の木目模
    様を有する板状樹脂成形品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記滑剤として、脂肪酸の金属塩、脂肪
    酸アミド、シリコーンオイルのうちの2種以上を用いる
    請求項8に記載の木目模様を有する板状樹脂成形品の製
    造方法。
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