JP2001019864A - 合成樹脂着色原料及びその製造方法 - Google Patents

合成樹脂着色原料及びその製造方法

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JP2001019864A
JP2001019864A JP11195140A JP19514099A JP2001019864A JP 2001019864 A JP2001019864 A JP 2001019864A JP 11195140 A JP11195140 A JP 11195140A JP 19514099 A JP19514099 A JP 19514099A JP 2001019864 A JP2001019864 A JP 2001019864A
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Kazunori Sato
和紀 佐藤
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HINOMARU GOSEI JUSHI KOGYO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィラー等の添加物を熱可塑性樹脂に配合・
混練して製造する合成樹脂着色原料及びその製造方法に
おいて、上記混練時に上記添加物が細かく破損されるの
を防止する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂に添加物を配合・混練して
製造する合成樹脂着色原料及びその製造方法である。上
記樹脂に溶融流動性の異なる複数の樹脂を使用する。上
記溶融流動性の異なる複数の樹脂のうち最も溶融流動性
の高い樹脂に上記添加物を混合し、該樹脂を加熱溶融・
混練させて、所定の樹脂をつくる。上記所定の樹脂に、
これよりも溶融流動性の低い樹脂を混合し、これら溶融
流動性の異なる複数の樹脂をもって、加熱溶融させ混練
して各種成形品を得るための合成樹脂着色原料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂に添
加物を配合・混練してできる合成樹脂着色原料であり、
該方法により製造された合成樹脂着色原料を使用するこ
とにより意匠的効果や強度的効果に優れた樹脂成形品が
得られる合成樹脂着色原料及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】樹脂に添加物を配合・混練して成形した
樹脂成型品として、例えば金属光沢様の光輝感いわゆる
メタリック感を出して意匠的効果を向上させた合成樹脂
成形品が知られている。上記メタリック感を持たせた合
成樹脂成形品は一般に以下のような成形方法によって作
られている。図15は従来の成形方法を示す工程図であ
り、上記従来の成形方法は、ドライブレンド工程と、添
加物混入樹脂製造工程と、成形工程とからなっている。
上記ドライブレンド工程においては、ポリカーボネート
等の粒状の樹脂ペレットにメタリック感を出すための添
加物として、例えばマイカ片に酸化チタンを被膜処理
(以下コーティングという)した鱗片状のフィラーを加
えて撹拌装置によってドライブレンド(乾燥状態で混
合)する。次の添加物混入樹脂製造工程においては、上
記樹脂ペレットと鱗片状のフィラーの混合物を押出機
(エクストルーダ)に供給し、加熱して上記樹脂ペレッ
トを溶融させて、上記鱗片状フィラーを混練しながら押
し出して冷却し、米粒状に切断して上記鱗片状フィラー
の混入された樹脂ペレットを得る。次の成形工程におい
て、上記鱗片状フィラーの混入された樹脂ペレットを成
形機に供給し、加熱溶融させて金型により所定の形状に
成形して各種の成型品を得る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の加工・成形
方法には次に示すような問題点があった。 (1)上記樹脂ペレットがポリカーボネート等の溶融流
動性の低い(即ち溶融粘度が高い)樹脂である場合に
は、上記フィラーを押出機で混練する際に、混練時に加
わる押出機内部のスクリューにおけるダルメージ部(図
4)による剪断力で上記フィラーが砕かれ小片化し、フ
ィラーのもつ光輝感が低下してしまう。又、通常3箇所
以上設けられている上記ダルメージ部をもたないスクリ
ューを使用した場合には、均一に混練されない結果とな
る。上記樹脂ペレットが溶融流動性の高い(即ち溶解粘
度の低い)樹脂、例えば同じポリカーボネートであって
も、溶融粘度の低いグレードのポリカーボネートのペレ
ットである場合、上記フィラーを押出機で混練する際
に、上記フィラーが砕かれるのを抑制できるが、溶融粘
度の低いグレードのポリカーボネートは、上記溶融粘度
の高いグレードのポリカーボネートに比して少分子量の
ため耐衝撃性等の機械的強度が劣り、耐衝撃性を必要と
する成形品に用いた場合、要求される耐衝撃強度を満た
すことができない場合がある。 (2)上記押出機によりフィラーが砕かれて小片化する
のをふせぐために、上記撹拌装置によってドライブレン
ドした樹脂ペレットとフィラーの混合物を上記押出機を
介さずに直接射出成形機に供給して混練する方法もある
が、この方法だと樹脂ペレットとフィラーの分散が不十
分になりやすく、又作業性も著しく低下する。本発明
は、上記従来の問題点を解決し、押出機によってフィラ
ーが砕かれて小片化するのを防ぎ、フィラーのもつ光輝
感を損なうことなく、しかも耐衝撃性等の機械的強度に
優れた各種合成樹脂成型品のために、合成樹脂着色原料
及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
に添加物を配合・混練し、しかも該添加物の形状を保持
して製造される合成樹脂着色原料及びその製造方法であ
り、上記樹脂に溶融流動性の異なる複数の樹脂を使用
し、上記溶融流動性の異なる複数の樹脂のうち最も溶融
流動性の高い樹脂に上記添加物を混合し、上記溶融流動
性の高い樹脂を加熱溶融させて、これに上記添加物を配
合・混練して添加物混入の樹脂を作り、上記添加物混入
の樹脂に、物性、特に機械的強度を高めるため上記添加
物混入の樹脂よりも溶融流動性の低い樹脂を混合し、こ
れら溶融流動性の異なる樹脂を成形機により加熱溶融混
練させて成形し、所定の形状に成形する構成とした。 (1)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
溶融流動性の高い樹脂に添加物を混練してからこれに溶
融流動性の低い樹脂を混合するので、添加物に強い剪断
力が加わらず容易に加熱溶融混練することができ、従っ
て混練時における添加物の破損を抑制することができ、
かつ溶融流動性の高い樹脂に不足する物性を溶融流動性
の低い樹脂で補足することができる。 (2)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
溶融流動性の高い樹脂と溶融流動性の低い樹脂の混合重
量比を30:70〜70:30としたので、溶融流動性
の高い樹脂を使用することによる耐衝撃性の低下等を補
償し、成形品に要求される物性を十分に確保することが
可能になる。 (3)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
破損しやすい鱗片状のフィラーの破損を抑制し、該鱗片
状のフィラーに本来の効果を十分に発揮させることがで
きる。 (4)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
破損しやすい繊維状(糸状)のフィラーの破損を抑制
し、該繊維状のフィラーに本来の効果を十分に発揮させ
ることができる。 (5)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
鱗片状や繊維状のフィラーに混入した球状のフィラーに
よって樹脂の流動性を向上させて成形性のよいものにす
ることができる。 (6)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
アスペクト比が10〜20以上という破損しやすい鱗片
状又は繊維状のフィラーであっても、混練時における破
損を抑制することができる。 (7)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
溶融流動性の高い樹脂と低い樹脂に溶融流動性の異なる
同種類の樹脂例えば分子量の異なるポリカーボネート樹
脂を使用したので、溶融流動性の高い樹脂と低い樹脂の
相溶性は良好なものとなる。 (8)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
溶融流動性の高い樹脂と低い樹脂に異なる種類の樹脂を
使用したので、溶融流動性の高い樹脂として、ポリカー
ボネート樹脂よりも溶融流動性の高いABS樹脂を使用
し、溶融流動性の低い樹脂としてポリカーボネート樹脂
を使用し、それぞれの樹脂の特徴を発揮させて品質の優
れた成形品を得ることができる。 (9)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法は、
溶融流動性の高い樹脂に添加物を混入した添加物配合樹
脂と、これよりも溶融流動性の低い樹脂を混合した樹脂
を成形機にて混練するので、添加物を最初から溶融流動
性の低い樹脂に混練する場合に比して、添加物の混入を
容易、かつ分散を確実なものにして添加物が均等に混入
した品質の優れた成形品を得ることができる。 (10)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法
は、透明又は半透明の樹脂を使用した場合、樹脂内に混
入されている添加物を外部から視認することができる。 (11)本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方法
は、添加物として平均粒径10〜40μmの大きさのマ
イカ片に酸化チタンをコーティングした鱗片状のフィラ
ーを使用したので、これにより得られる成形品は上記フ
ィラーに当たる光の加減あるいは視線の方向によって、
上記フィラーが光り輝いて意匠的に優れたものになる。
【0005】本発明の合成樹脂着色原料及びその製造方
法は上述のような構成であり、溶融流動性の高い樹脂に
添加物を混合して押出機等で混練するので、溶融流動性
の低い樹脂に添加物を混練する場合に比して弱い力で混
練することが可能となる、又混練の際に上記添加物が砕
かれて小片化するのを防ぐために、押出機内のスクリュ
ーにおけるダルメージ部の長さを短くすることが好まし
い。
【0006】また、上記添加物を混練した溶融流動性の
高い樹脂に、溶融流動性の低い樹脂を混合することによ
り、上記溶融流動性の高い樹脂の欠点であった耐衝撃性
等の機械的強度の弱さを上記溶融流動性の低い樹脂の利
点である高耐衝撃性等によって補うことができる。
【0007】
【本発明の実施の形態】図1は、本発明の合成樹脂着色
原料製造方法を示す工程図である。上記製造方法は、第
1のドライブレンド工程と、添加物混入樹脂原料製造工
程と、第2のドライブレンド工程と、第1・第2の樹脂
原料ブレンド工程と、各種射出成形工程とを備えてい
る。
【0008】上記第1のドライブレンド工程において
は、図2に示すように、第1の樹脂ペレット1に添加物
2を加え、タンブラー機と称する回転式の撹拌装置3に
投入して、樹脂ペレット1と添加物2をドライブレンド
(乾燥状態で混合)する。上記第1の樹脂ペレットとし
ては、溶融流動性の高い(メルトフローインデックス
値:75g/10min/ASTM D−1238)の
ポリカーボネート樹脂が用いられ、添加物として平均粒
径35μm、厚み0.5μmのマイカ片に酸化チタンを
コーティングしたフィラー(着色剤)が用いられる。
【0009】次の添加物混入樹脂原料製造工程におい
て、上記ドライブレンドされた第1の樹脂ペレット1と
添加物2の混合物4は、図3に示したように押出機(例
えば石中鉄工所昭和44年12月製 VMK−50)5
に供給される。上記押出機5のホッパー部6から加熱シ
リンダ7内に投入された上記第1の樹脂ペレット1と添
加物2の混合物4は、ヒーター8によって摂氏265〜
280度で加熱溶融され、上記加熱シリンダ7内に配置
された直径50mm、全長1470mm、(内ダルメー
ジ部は2箇所でその長さ170mm)のスクリュー9に
よって剪断力を減じながら混練される。上記スクリュー
9によって加熱シリンダ7内で混練された溶融樹脂は、
ブレーカープレート10によって流れを整えられて口金
部11から0.33Kg/minの押し出し量で紐状に
押し出される。上記紐状に押し出された添加物混入の樹
脂12は、冷却水槽13で冷却された後、引出口ローラ
14で上記冷却水槽13から引き出され、カッター15
を有するペレタイザーと称されるペレット製造装置16
によって、直径2.5mm、長さ3mm程度の大きさに
分断されて、添加物混入の樹脂ペレット21が形成され
る。なお、上記加熱シリンダ7のホッパー部6の真下に
は、冷却ジャケット17が設けられている。上記冷却ジ
ャケット17は、上記ホッパー部6から加熱シリンダ7
内に投入されてきた上記第1の樹脂ペレット1がすぐに
溶融されるのを防ぐためのものである。また、上記加熱
シリンダ7の周面にはベント孔18…18が設けられて
いて、加熱溶融中に上記樹脂から発生するモノマーガス
や水分を外部に排出するようになっている。図5は、上
記口金部11の正面図であり、上記口金部11には直径
3.5mmのノズル孔11aが直列に4個形成されてい
る。
【0010】次の第2のドライブレンド工程において
は、図6に示したように、上記添加物配合の樹脂ペレッ
ト21と、第2の樹脂ペレット22を上記撹拌機3に投
入し、これら添加物混入のペレット21と第2の樹脂ペ
レット22の混合物23を作る。上記第2の樹脂ペレッ
ト22は、上記第1の樹脂ペレット1よりも溶融流動性
の低い(メルトフローインデックス値が17g/10m
in/ASTM D−1238)のポリカーボネート樹
脂が用いられている。そして、上記添加物配合の樹脂ペ
レット30重量部(30Kg)に対して第2の樹脂ペレ
ット70重量部(70Kg)の割合で混合し、上記撹拌
機3によって10分間撹拌する。
【0011】上記ブレンドされた添加物混入の樹脂ペレ
ット21と第2の樹脂ペレット22の混合物23は、図
7に示した射出成形機31に供給される。上記射出成形
機31のホッパー部32から加熱シリンダ33に投入さ
れた添加物配合の樹脂ペレット21と第2の樹脂ペレッ
ト22の混合物23は、上記加熱シリンダ33内で加熱
溶融されるとともに、ダルメージ部をもたないスクリュ
ー(図示省略)によって撹拌混練され、金型34によっ
て成形される。図8は、上記成形方法により成形された
成形品表面の0.3mm(0.55mm×0.55m
m)の範囲に散在する添加物(フィラー)2…2の状態
を拡大して示した図である。
【0012】上記本発明の製造方法により得られた、合
成樹脂着色原料を使用して成形された成形品の効果と、
従来の製造方法による原料で成形された成形品の効果を
比較する。なお、従来の製造方法においては、溶融流動
性の低いポリカーボネート樹脂ペレット(本発明の第2
の樹脂ペレットと同様のもの)100重量部に対して、
添加物(本発明のフィラーと同様のもの)0.06重量
部を加えて上記撹拌機3で15分間撹拌して得られたポ
リカーボネート樹脂ペレットと添加物の混合物を上記押
出機に供給し、加熱溶融して混練した後0.30Kg/
minの押出量で押し出し、直径2.5mm、長さ3m
m程度の大きさに切断した添加物配合のペレットを、上
記成形機31に供給して成形品とした。
【0013】表1は、成形品の表面の0.3平方ミリメ
ートル(0.55mm×0.55mm)のエリアに散在
する添加物(フィラー)2の大きい面積のものから順
に、15番目までの15サンプルの添加物2の大きさD
(以下、フィラー径という)について平均値を求めた結
果を示す。
【表1】 従来品のフィラー径は8.98μmであり、フィラーの
大きさが初期の平均粒径35μmに対し、約26%に砕
かれているのに対し、本発明品のフィラー径は32.8
0μmと、混練される前のフィラーの平均粒径の約95
%の大きさが維持された状態、即ち大きな損傷を受けな
い状態のままで、成形品に分散されていることになり、
マイカ片に酸化チタンをコーティングしたフィラーの輝
度感を十分効果的に発現することができた。
【0014】表2は、成形品の物性(機械的特性)につ
いて示す。
【表2】 表2によれば、樹脂の衝撃に対する強度は、従来品の7
5Kg−cm/cmに対して本発明品の値は72Kg−
cm/cmと約96%の値を維持しており、衝撃に対す
る強度は十分に確保されていた。また、樹脂の弾性率
(測定法法:ASTM D−790)は、従来品の24
000Kg/cmに対して本発明品の値は23500
Kg/cmと約98%の値を維持しており、実用強度
も十分に確保されていた。
【0015】耐熱性を知るための加重たわみ温度は、従
来品、本発明品ともに132℃であり、両者に差は見ら
れなかった。また、樹脂の成形性を左右する流動性(メ
ルトフローインデックス)値は、従来品の15g/10
minに対して本発明品の値は25g/10minと約
1.7倍の値となっており、良好な値を示している。上
述のように、成形品の品質を左右する物性は、従来の方
法によるものと大きな違いは見られず、物性的品質は十
分確保できる。さらに、射出成形性の大幅な向上が見ら
れ、生産性面においては、良好な特性が得られた。
【0016】図9〜11は、添加物配合の樹脂ペレット
21(以下A)と第2の樹脂ペレット22(以下B)の
配合の比率と成形品の物性について検討した結果を示
す。図9は樹脂の衝撃に対する強度の特性を示す(測定
方法:ASTM D−256)。AとBのドライブレン
ドの比率を各々0:1、0.7:0.3、0.5:0.
5(1:1)、0.3:0.7、1:0にした場合の特
性は、0.5:0.5(1:1)を境にAの比率が増加
すると大きく低下していくが、A:Bが0.7:0.3
においては、A:Bが0:1に比べ70%程度の強度の
維持を図ることができる。
【0017】図10は、樹脂の強度(弾性率)に関する
特性を示す。AとBのドライブレンドの比率を各々0:
1、0.7::0.3、0.5:0.5(1:1)、
0.3:0.7、1:0にした場合の特性は、0.5:
0.5(1:1)を境に、第1成分Aの比率が増加する
ほど若干低下していくが,A:Bが0.7:0.3にお
いては、A:Bが0:1に比べ96%程度の強度の維持
を図ることができる。
【0018】図11は、樹脂の耐熱性に関する特性を示
す。AとBのドライブレンドの比率を各々0:1、0.
7:0.3、0.5:0.5(1:1)、0.3:0.
7、1:0に変化させた場合においても、ほとんど耐熱
性に影響は与えない。上述のようにAとBのドライブレ
ンドの比率が少なくとも70重量部:30重量部以上
で、望ましくは、50重量部:50重量部〜30重量
部:70重量部あれば、樹脂の持つ物性を大きく阻害す
ることはなく、耐熱性、弾性力、耐衝撃強度(例えば落
下における破損)といった性能を満足できないといった
問題が回避されることになる。
【0019】上記樹脂に混入される添加物2としてのフ
ィラーには各種の形状があり、球形状のものもある。上
記球形状のフィラーは、上記樹脂に混練する際に押出機
による剪断力によって破砕されにくい。これに対して鱗
片状(板状)のフィラーは、上記剪断力によって破砕さ
れやすい。従って、上記鱗片状のフィラーを混入する際
に本発明の加工方法及び成形方法を適用すれば、上記鱗
片状のフィラーの破砕されるのを抑制し、上記鱗片状の
フィラーの効果を十分に発揮させることができる。因み
に、鱗片状のフィラーとして、例えば、光輝性の向上及
び剛性向上を目的とするマイカ片に酸化チタンをコーテ
ィングしたものや、難燃性、熱伝導性の向上を目的とす
る板状水酸化アルミニュウム系の素材からなるもの、遅
燃焼性、制振性、増量効果の向上を目的とするタルク
(硅酸マグネシューム)、耐圧縮性や光輝性の向上を目
的とするガラスプレークやその表面に銀や真鍮、アルミ
ニュウム等の金属をコーティングしたもの、剛性、装飾
性(着色性)、寸法安定性、耐薬品性、耐熱性、遅燃焼
性、増量効果の向上を目的とする六角板状カリオンやタ
ルク、潤滑性等の向上を目的とするグラファイト、熱伝
導性、帯電防止性、電磁波シールド性、装飾性の向上を
目的とする金属箔片等がある。繊維状(針状)のフィラ
ーも鱗片状のフィラーと同様に樹脂に混練する際の剪断
力によって破砕されやすい。従って、上記鱗片状のフィ
ラーを混練する際に本発明の製造方法を適用すれば上記
繊維状のフィラーが破砕されるのを抑制し、上記繊維状
のフィラーの効果を十分に発揮させることができる。
【0020】上記鱗片状のフィラーや繊維状のフィラー
を使用する場合でも、これら鱗片状のフィラーや繊維状
のフィラーのアスペクト比(図12に示す鱗片状のフィ
ラーの場合は大きさL1と厚みTの比、図13に示す繊
維状(針状)のフィラーFの場合は長さL2と直径Dの
比)が樹脂への混練によって変化しやすい範囲(アスペ
クト比10〜20以上)と、余り変化しない範囲(アス
ペクト比10未満)がある。従って、本発明の製造方法
は、上記樹脂への混練の際に変化しやすいアスペクト比
10〜20以上の鱗片状或は繊維状のフィラーを混入す
るときに適用することにより、樹脂へ混練する際に、上
記フィラーが破砕されるのを抑制することができ、上記
フィラー本来の効果を発揮させることができる。因に、
平均粒径35μm、厚み0.5μm、アスペクト比70
のマイカ片に酸化チタンをコーティングした着色剤フィ
ラーを溶融流動性の低い樹脂(メルトフローインデック
ス17g/10min)にブレンドした後、押出量0.
30Kg/minで押し出された樹脂に含まれるマイカ
片は、粉砕、破損を受け、平均粒径8.98μm、分散
値(σ)は2.64μm、厚み0.45μm、アスペク
ト比20の大きさとなった。押出量0.28Kg/mi
nに低下させ滞留時間を長くして押出機の剪断を多く加
えても、アスペクト比値に前述値より大きく変化が見ら
れないことにより、アスペクト比20以下では、押出機
による混練時のフィラーの損傷、破壊が僅かなものとい
えることにより、樹脂の溶融粘度を加味した場合、樹脂
に混練されるフィラーのアスペクト比が10以上のも
の、望ましくは20以上のものに関して特に効果的であ
る。
【0021】上記鱗片状、繊維状、球状等の各種のフィ
ラーを使用し、これを樹脂に混練してその流動性等の特
性を調べているうちに、鱗片状のフィラー又は/及び繊
維状のフィラーに球状のフィラーを混入すると樹脂の流
動性が向上することを知見した。以下、第2の実施例と
して説明する。溶融流動性の高い(メルトフローインデ
ックス値:75g/10min)ポリカーボネート樹脂
1を100重量部(100Kg)に対して、意匠性を向
上させるためのフィラー(着色剤)として、平均粒径3
5μm、厚み0.5μm程度のマイカ片に酸化チタンを
コーティングした鱗片状フィラー(着色剤)2を0.2
6重量部(0.26Kg)を加えたものに、酸化チタン
製球状フィラー(着色剤)を0.5重量部(0.5K
g)、1.0重量部(1Kg)、2.0重量部(2K
g)、3.0重量部(3Kg)を加え、撹拌機に入れ、
15分間混合して得られた混合樹脂を押出機に供給し、
押し出された樹脂量の比率を図14に示す。球状フィラ
ーを添加することにより、押出機の押出量が増加してお
り、前述した鱗片状フィラー(着色剤)添加樹脂の流動
性の向上が行われたことになる。球状フィラーの添加
は、添加後の樹脂外観などを加味し、鱗片状フィラー
(着色剤)充填量の20%程度以下が好ましい。上記実
施例においては、上述したように、添加物配合の樹脂ペ
レット21即ち第1の樹脂ペレットに溶融流動性の高い
(メルトフローインデックス値75g/10min)ポ
リカーボネート樹脂を使用し、物性確保用の第2の樹脂
ペレット22には、上記第1の樹脂ペレット1よりも溶
融流動性の低い(メルトフローインデックス値17g/
10min)ポリカーボネート樹脂を使用した。第1の
樹脂ペレット1と第2の樹脂ペレット22が溶融流動性
の異なる同種の樹脂であれば両者の相溶性は良好なもの
となり安定した品質の成形品を得ることができる。
【0022】上記第1の樹脂ペレット1と第2の樹脂ペ
レット22とは異質の樹脂であってもよい。従来よりポ
リカーボネート樹脂の溶融流動性の向上と価格の削減、
ABS樹脂の耐熱、耐衝撃性の向上を目的として、ポリ
カーボネート樹脂とABS樹脂を混練して得られるアロ
イ樹脂が知られている。ポリカーボネート樹脂とABS
樹脂は互いに、相溶性が良好であることにより、前述目
的のために互いに混練しても分離するなどして品質への
悪影響を及ぼさないことが知られている。ABS樹脂は
ポリカーボネート樹脂に比べて溶融流動性が高いことに
より、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂を混合してア
ロイ樹脂を作る際において、ABS樹脂に鱗片状フィラ
ーを混練した後、ポリカーボネート樹脂と混ぜ合わせて
も同様に、フィラーの損傷、破壊が防げることになる。
また、上記樹脂に透明又は半透明の樹脂を使用すれば樹
脂を透過して上記フィラーを視認することができ意匠的
にも優れたものになる。また、上記フィラーに10〜4
0μmの大きさの鱗片状のマイカ片に酸化チタンをコー
ティングしたものを使用すれば、光の当たり加減あるい
は視線の方向によって上記フィラーが光り輝いて見え更
に意匠的に優れたものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の合成樹脂着色原料製造方法を示す
工程図。
【図2】 第1のドライブレンド工程(撹拌機)を示
す説明図。
【図3】 添加物混入樹脂製造工程(押出機)を示す
説明図。
【図4】 スクリューのダルメージ部を示す詳細図。
【図5】 成形機の口金部を示す正面図。
【図6】 第2のドライブレンド工程を示す説明図。
【図7】 成形工程(成形機)を示す説明図。
【図8】 成形品の組織を拡大して示す説明図。
【図9】 混合比と衝撃に対する強度の関係を示すグ
ラフ図。
【図10】 混合比と弾性率の関係を示すグラフ図。
【図11】 混合比と耐熱性の関係を示すグラフ図。
【図12】 鱗片状のフィラーの拡大斜視図。
【図13】 繊維状(針状)のフィラーの拡大斜視図。
【図14】 球状のフィラーと押出量の関係を示すグラ
フ図。
【図15】 従来の樹脂成形方法の工程図。
【符号の説明】
1 第1の樹脂ペレット 2 添加物(フィラー) 3 撹拌機 4 第1の樹脂ペレットと添加物の混合物 5 押出機 6 押出機のホッパー部 7 押出機の加熱シリンダ 8 押出機のヒーター 9 押出機のスクリュー 10 ブレーカープレート 11 口金部 12 添加物混入樹脂 13 冷却水槽 14 引出口ローラー 15 カッター 16 ペレット製造装置 17 冷却ジャケット 18 ベント孔 21 添加物混入の樹脂ペレット 22 第2の樹脂ペレット 23 添加物混入ペレットと第2の樹脂ペレットの混合
物 31 成形機 32 成形機のホッパー部 33 成形機の加熱シリンダ 34 金型
フロントページの続き Fターム(参考) 4F201 AB12 AB24 AB27 AR12 AR13 AR15 BA01 BC01 BC02 BC12 BC37 BK11 BK74 BM14 4J002 AA01W AA01X BN15W CG00W CG00X DA026 DA066 DE146 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA016 FA046 FA086 FB076 4J037 AA26 CA09 CC24 DD05 DD09 DD10 EE03 EE28 FF02 FF15 FF17

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂に添加物を配合・混練した
    合成樹脂着色原料であって、上記合成樹脂着色原料は溶
    融流動性の異なる複数の樹脂を混合したものであり、上
    記溶融流動性の異なる複数の樹脂のうち最も溶融流動性
    の高い樹脂は上記添加物をその形状を損なわぬように混
    練してあり、上記添加物配合の樹脂よりも溶融流動性の
    低い樹脂を機械的強度保持のため上記添加物配合の樹脂
    に混合した合成樹脂着色原料。
  2. 【請求項2】 上記添加物が配合・混練された溶融流動
    性の高い樹脂と溶融流動性の低い樹脂の混合比率は、溶
    融流動性の高い樹脂が30〜70重量部であることを特
    徴とする請求項1の合成樹脂着色原料。
  3. 【請求項3】 上記溶融流動性の高い樹脂に配合・混練
    される添加物は、鱗片状のフィラーであることを特徴と
    する請求項1の合成樹脂着色原料。
  4. 【請求項4】 上記溶融流動性の高い樹脂に配合・混練
    される添加物は、繊維状のフィラーであることを特徴と
    する請求項1の合成樹脂着色原料。
  5. 【請求項5】 上記溶融流動性の高い樹脂に配合・混練
    される添加物は、鱗片状のフィラー及び/又は針状のフ
    ィラーに、球状のフィラーが付加されていることを特徴
    とする請求項1の合成樹脂着色原料。
  6. 【請求項6】 上記鱗片状のフィラー又は針状のフィラ
    ーのアスペクト比は、10以上であることを特徴とする
    請求項5の合成樹脂着色原料。
  7. 【請求項7】 上記溶融流動性の高い樹脂と溶融流動性
    の低い樹脂は、同一種類の熱可塑性樹脂であることを特
    徴とする請求項1の合成樹脂着色原料。
  8. 【請求項8】 上記溶融流動性の高い樹脂は、溶融流動
    性の低い樹脂と相溶性があることを特徴とする請求項1
    の合成樹脂着色原料。
  9. 【請求項9】 添加物を予め所定の割合で配合した溶融
    流動性の高い第1の樹脂にこれよりも溶融流動性の低い
    第2の樹脂を成形機にて加熱溶融させ成形品とすること
    を目的とした上記第1の樹脂と第2の樹脂の比率は、3
    0重量部:70重量部から70重量部:30重量部とし
    たことを特徴とする合成樹脂着色原料。
  10. 【請求項10】 上記熱可塑性樹脂が、透明又は半透明
    である場合、意匠性が高まることを特徴とする請求項9
    の合成樹脂着色原料。
  11. 【請求項11】 上記添加物は、平均粒径10〜40μ
    mの大きさの鱗片状のマイカ片に酸化チタンを被膜処理
    したものであることを特徴とする請求項10の合成樹脂
    着色原料。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂に添加物を配合・混練す
    る合成樹脂着色原料の製造方法であって、上記熱可塑性
    樹脂に溶融流動性の異なる複数の樹脂を使用し、上記溶
    融流動性の異なる複数の樹脂のうち最も溶融流動性の高
    い樹脂に上記添加物を混合し、上記混合した樹脂を加熱
    溶融させ、上記添加物の形状を損なわぬよう混練した樹
    脂をつくり、上記添加物配合の樹脂にこれよりも溶融流
    動性の低い樹脂を混合し、これら溶融流動性の異なる樹
    脂を成形機により加熱溶融させて成形品を得ることを目
    的とする合成樹脂着色原料の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20230043270A1 (en) * 2021-08-05 2023-02-09 Prysm Systems, Inc. Front panel for a video display

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