JPH10330258A - 好酸球活性化抑制剤 - Google Patents

好酸球活性化抑制剤

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JPH10330258A
JPH10330258A JP14124797A JP14124797A JPH10330258A JP H10330258 A JPH10330258 A JP H10330258A JP 14124797 A JP14124797 A JP 14124797A JP 14124797 A JP14124797 A JP 14124797A JP H10330258 A JPH10330258 A JP H10330258A
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alkyl group
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JP14124797A
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Itsuo Iwamoto
逸夫 岩本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 好酸球活性化抑制剤を提供する。 【解決手段】 下記式(I−2) 【化1】 で表されるカフェー酸アミド誘導体またはその薬理学的
に許容しうる塩を有効成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カフェー酸アミド
誘導体またはその薬理学的に許容しうる塩を有効成分と
する好酸球活性化抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギー性疾患および炎症性疾患の予
防および治療を目的として、生体内におけるアレルギー
反応および炎症反応の反応機構が長年にわたって研究さ
れている。これまでの研究によって様々な原因が明らか
にされてきているが、近年、白血球の一種である好酸球
がこれらの反応に関与するものと考えられてきている。
【0003】この好酸球は血液中に存在し、その細胞内
に塩基性の強い細胞障害性蛋白質を含む顆粒を有する。
そして、この好酸球はアレルギー反応または炎症反応が
生ずるとその部位へ血液中から遊走、浸潤した後、刺激
によって脱顆粒を起こして前記顆粒を放出し、アレルギ
ー反応等を進行、悪化させると考えられている。この好
酸球活性化(遊走、浸潤、刺激)に関与する物質として
IL−5、GM−CSF、IL−3等のサイトカインが
着目されている。現在、これらの物質による好酸球活性
化のメカニズム解明が精力的に行われており、活性化シ
グナルの伝達はチロシンキナーゼの1種であるJak2
−STAT系とセリン−スレオニンキナーゼの1種であ
るRas−MAPK系が考えられている(ザ ジャーナ
ルオブ イミュノロジー 156巻 p711〜718
(1996年)、臨床免疫 28巻(7),p849〜
853 (1996年))。
【0004】一方、ある種のカフェー酸アミド誘導体
は、リポキシゲナーゼ阻害作用(特開平5−5897
8、特開平6−247850)、チロシンキナーゼ阻害
作用(特開平2−138238)等を有することが知ら
れている。しかしながら、カフェー酸アミド誘導体がセ
リン−スレオニンキナーゼの一種であるRas−MAP
K系の阻害作用をもつことは知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、好酸球活性
化に基づく疾患、たとえばアトピー性皮膚炎、慢性蕁麻
疹、アレルギー性鼻炎、喘息、好酸球性肺炎、気管支肺
アスペルギルス症等に代表されるアレルギー、炎症性疾
患の予防・治療に有用な好酸球活性化抑制剤の提供を目
的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、特定構造のカフェー
酸アミド誘導体が、好酸球の活性化シグナルであるRa
s−MAPK系の活性化を抑制する作用を有しており、
該化合物が優れた好酸球活性化抑制剤となりうることを
見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明
は、式(I)
【0007】
【化4】
【0008】〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR
4 (ここでR4 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、
炭素数6〜10のアリールオキシ基、炭素数7〜12の
アラルキル基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基;
炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール
基または炭素数7〜12のアラルキル基の1若しくは2
個で置換されたアミノ基;または環状アミノ基を意味す
る)、基−CSR5 (ここでR5 は、炭素数1〜6のア
ルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜1
0のアリールオキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオ
キシ基;炭素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10の
アリール基または炭素数7〜12のアラルキル基の1若
しくは2個で置換されたアミノ基;または環状アミノ基
を意味する)、炭素数6〜10のアリール基を示し、R
3 は、OR1 、OR2 と各々独立して水素原子、水酸
基、基−OCOR4 (R4 は前記した意味を有する)、
基−OCSR5 (R5 は前記した意味を有する)を示
し、XおよびYはそれぞれ独立して水素原子(ここでX
およびYは同時に水素原子であることはない)、置換さ
れていても良い炭素数1〜6のアルキル基、置換されて
いても良い炭素数6〜10のアリール基、置換されてい
ても良い炭素数7〜12のアラルキル基、置換されてい
ても良い炭素数7〜12のアラルキルオキシ基、置換さ
れていても良い炭素数7〜12のアリールアルケニル
基、置換されていても良い炭素数7〜16のアリールオ
キシアルケニル基、置換されていても良いヘテロ環基ま
たは置換されていても良いヘテロ環アルキル基を示す
か、これらが一緒になって置換されていても良い含窒素
ヘテロ環を形成していてもよい]で表されるカフェー酸
アミド誘導体またはその薬学的に許容しうる塩を有効成
分とする好酸球活性化抑制剤を提供する。この発明の好
ましい態様としては、カフェー酸アミド誘導体が式(I
−1)
【0009】
【化5】
【0010】〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR
4 (ここでR4 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を意味
する)を示し、R3 は水素原子を示し、XおよびYはそ
れぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、
置換されていてもよいフェニル基、置換されていてもよ
い炭素数7〜12のアラルキル基を示す〕で表される上
記好酸球活性化抑制剤;より好ましい態様としては、カ
フェ−酸アミド誘導体が式(I−2)
【0011】
【化6】
【0012】で表される上記好酸球活性化抑制剤が提供
される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき詳細に説明す
る。本発明で用いる上記式(I)および(I−1)で表
される化合物において、R 1 、R2 、R3 、XおよびY
の定義中の基について、具体例を以下に説明する。炭素
数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソ
ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペ
ンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert
−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基等が、炭素
数1〜6のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブ
トキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、te
rt−ブトキシ基、ペンチロキシ基、イソペンチロキシ
基、ネオペンチロキシ基、tert−ペンチロキシ基、
ヘキシロキシ基、イソヘキシロキシ基等が挙げられる。
【0014】また、炭素数6〜10のアリール基として
は、例えば、フェニル基、ナフチル基等が、炭素数6〜
10のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ
基、ナフチロキシ基等が、炭素数7〜12のアラルキル
基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−
フェネチル基、フェニルプロピル基、1−フェニルプロ
ピル基、2−フェニルプロピル基、フェニルプロパン−
2−イル基、フェニルブチル基、1−フェニルブチル
基、2−フェニルブチル基、3−フェニルブチル基、フ
ェニルブタン−2−イル基、フェニルブタン−3−イル
基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられ
る。
【0015】更に、炭素数7〜12のアラルキルオキシ
基としては、例えば、ベンジロキシ基、フェネチロキシ
基、1−フェニルプロポキシ基、2−フェニルプロポキ
シ基、1−フェニルブトキシ基、2−フェニルブトキシ
基、3−フェニルブトキシ基、ナフチルメトキシ基、ナ
フチルエトキシ基等が、炭素数7〜12のアリールアル
ケニル基としては、例えば、スチリル基、シンナミル
基、3−フェニル−1−プロペニル基、4−フェニル−
3−ブテニル基、4−フェニル−2−ブテニル基、4−
フェニル−1−ブテニル基、5−フェニル−4−ペンテ
ニル基、5−フェニル−3−ペンテニル基、5−フェニ
ル−2−ペンテニル基、5−フェニル−1−ペンテニル
基、ナフチルビニル基、ナフチルアリル基等が、炭素数
7〜16のアリールオキシアルキル基としては、例え
ば、フェノキシメチル基、フェノキシエチル基、フェノ
キシプロピル基、フェノキシブチル基、フェノキシペン
チル基、フェノキシヘキシル基、ナフチロキシメチル
基、ナフチロキシエチル基、ナフチロキシプロピル基、
ナフチロキシブチル基、ナフチロキシペンチル基、ナフ
チロキシヘキシル基等が挙げられる。
【0016】1もしくは2置換アミノ基の例としては、
メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、
ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ
基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチ
ルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、エチルプロピル
アミノ基、ジプロピルアミノ基、ブチルメチルアミノ
基、ブチルエチルアミノ基、ブチルプロピルアミノ基、
ジブチルアミノ基等のアルキルアミノ基;フェニルアミ
ノ基、ジフェニルアミノ基等のアリールアミノ基;ベン
ジルアミノ基、フェネチルアミノ基、フェニルプロピル
アミノ基、ジベンジルアミノ基、ベンジルフェネチルア
ミノ基、ジフェネチルアミノ基、ジフェニルプロピルア
ミノ基等のアラルキルアミノ基;メチルフェニルアミノ
基、エチルフェニルアミノ基、プロピルフェニルアミノ
基等のアルキルアリールアミノ基;ベンジルメチルアミ
ノ基、ベンジルエチルアミノ基、ベンジルプロピルアミ
ノ基、メチルフェネチルアミノ基、エチルフェネチルア
ミノ基、メチルフェニルプロピルアミノ基等のアルキル
アラルキルアミノ基;ベンジルフェニルアミノ基、フェ
ニルフェネチルアミノ基等のアリールアラルキルアミノ
基が挙げられる。
【0017】環状アミノ基としては、例えば、ピロリジ
ニル基、イミダゾリル基、ピラゾリジニル基、ピペリジ
ニル基、ピペラジニル基、4−置換ピペリジル、4−置
換ピペラジニル(置換基としては、例えばフェニル、ピ
ペリジニル、ピペラジニル等が挙げられる)等が挙げら
れる。ヘテロ環基としては、例えば、チエニル基、チア
ゾリル基、イソチアゾリル基、フリル基、オキサゾリル
基、イソオキサゾリル基、ピラニル基、ピロリル基、イ
ミダゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニ
ル基、ピリダジニル基、ピロリジニル基、イミダゾリジ
ニル基、ピラゾリジニル基、ピペリジニル基、ピペラジ
ニル基等が、ヘテロ環−アルキル基としては、例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル等の炭素数1〜6のアルキル基の1つの水素原子を上
述のヘテロ環基で置換したものを挙げることができる。
【0018】また、アリール、アラルキル、アラルキル
オキシ、アリールアルケニル、アリールオキシアルキ
ル、ヘテロ環基、ヘテロ環−アルキル基の置換基として
は、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、水酸基、チオ
ール基、炭素数1〜7のアシル基、アミノ基、炭素数2
〜7のアシルアミノ基、ハロゲン原子、トリハロメチル
基、シアノ基、炭素数1〜6のアルコキシ基、カルボキ
シル基、ニトロ基、炭素数7〜10のアラルキル基(ト
リハロメチルで置換されていても良い)等を挙げること
ができる。前記式(I)において、R1 およびR2 は、
水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR4
好ましく、ここでR4 としては、炭素数1〜6のアルキ
ル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、ベン
ジル基が好ましく、R1 およびR2 が同時に水素原子で
あるのが最も好ましい。R3 は水素原子が好ましく、X
およびYは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換
されていてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭
素数7〜12のアラルキル基が好ましく、XおよびYが
それぞれ水素原子およびベンジル基であるのが最も好ま
しい。上記(I)で表される化合物の中で、好ましい化
合物としては、下記式(I−1)
【0019】
【化7】
【0020】[式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立
して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR
4 (ここでR4 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数
1〜6のアルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を意味
する)を示し、R3 は水素原子を示し、XおよびYは、
それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜6のアルキル
基、置換されていてもよいフェニル基、置換されていて
もよい炭素数7〜12のアラルキル基を示す]で表され
るカフェー酸アミド誘導体を挙げることができ、最も好
ましい化合物としては、下記式(I−2)
【0021】
【化8】
【0022】で表されるカフェー酸アミド誘導体を挙げ
ることができる。なお、本明細書において、上記式(I
−2)で表される化合物を、本発明の特に好ましい有効
成分として、AG−490と称する場合がある。本発明
の好酸球活性化抑制剤の有効成分である上記式(I)、
(I−1)、(I−2)で表されるカフェー酸アミド誘
導体は、特開平6−247850等に記載された公知の
化合物であり、同公報に記載の方法又はそれに準じた方
法により容易に製造することができる。本発明の医薬の
有効成分としては、遊離形態の上記化合物またはその任
意の水和物、あるいはそれらの薬学的に許容しうる塩を
用いることができる。薬学的に許容しうる塩としては、
例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム塩を挙げる
ことができる。
【0023】特開平5−58978号公報、特開平6−
247850号公報、特開平2−138238号公報等
には、ある種のカフェー酸アミド誘導体が、リポキシゲ
ナーゼ阻害作用、チロシンキナーゼ阻害作用を有するこ
とが記載されているが、本発明の有効成分である上記化
合物が好酸球活性化抑制剤として有用であることについ
ては何らの記載も示唆もされていない。本発明の好酸球
活性化抑制剤としては、有効成分である上記化合物それ
自体を用いてもよいが、汎用の製剤用添加物を用いて上
記有効成分を含む医薬組成物を製造して用いることが好
ましい。このような医薬組成物としては、錠剤、カプセ
ル剤、細粒剤、丸剤、トローチ剤、液剤、注射剤、坐
剤、軟膏剤、貼付剤等を挙げることができ、これらは経
口的(舌下投与を含む)または非経口的に投与される。
【0024】経口用の医薬組成物は、混合、充填または
打錠等の従来汎用の方法により製造することができる。
また反復配合操作を用いて、多量の充填剤を使用した医
薬組成物中に有効成分を分布させてもよい。例えば、経
口投与に用いられる錠剤またはカプセル剤は単位投与物
として提供されることが好ましく、結合剤、充填剤、希
釈剤、打錠剤、滑沢剤、崩壊剤、着色剤、香味剤および
湿潤剤等の通常使用される製剤用担体を含有していても
よい。錠剤は、当業界において周知の方法に従って、例
えばコーティング剤を用いてコーティング錠としてもよ
い。
【0025】好ましい充填剤としては、セルロース、マ
ンニトール、ラクトース等を挙げることができ、崩壊剤
であるでん粉、ポリビニルピロリドン、ナトリウムでん
粉グリコラート等のでん粉誘導体等や、滑沢剤であるラ
ウリル硫酸ナトリウム等を製剤用添加物として用いるこ
とができる。経口用の液剤形態の医薬組成物は、例え
ば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロ
ップ剤もしくはエリキシル剤等の医薬組成物、あるいは
使用前に水または適当な媒体により再溶解され得る乾燥
医薬組成物として提供される。
【0026】このような液剤には、通常の添加剤、例え
ばソルビトール、シロップ、メチルセルロース、ゼラチ
ン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは水素化
食用脂肪のような沈殿防止剤、レシチン、ソルビタンモ
ノオレエート、アラビアゴムのような乳化剤、アーモン
ド油、精留ココナッツ油、グリセリンエステル等の油状
エステル、プロピレングリコール、エチルアルコールの
ような(食用油も包含し得る)非水性媒体、p−ヒドロ
キシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、もし
くはプロピルエステル、またはソルビン酸のような保存
剤、および必要に応じて通常の香味剤または着色剤など
を配合することができる。
【0027】非経口投与に適する医薬組成物としては、
上記の有効成分および滅菌媒体を含有する液体状の医薬
組成物あるいは座薬、貼付剤などの形態の医薬組成物を
製造することができる。例えば、媒体および濃度に応じ
て有効成分を懸濁、溶解または乳化させることができ、
例えば、非経口用の溶液状組成物は、好ましくは、有効
成分を媒体に溶解させて滅菌濾過し、次に適当なバイア
ルまたはアンプルに充填して密封することにより製造す
ることができる。安定性を高めるために、水溶液状の組
成物を調製した後、凍結乾燥により水分を除去してもよ
い。
【0028】非経口用の懸濁剤は、上記の非経口用の溶
液状組成物と実質的に同様の方法で製造されるが、例え
ば、有効成分を媒体に懸濁し、エチレンオキサイドなど
を用いて滅菌し、更に滅菌媒体中に懸濁させることによ
って製造することができる。懸濁剤などの製造にあた
り、有効成分が製剤中で均一に分布するように、必要に
応じて界面活性剤や湿潤剤等を添加してもよい。その他
の形態の医薬組成物も当業者に周知の方法で製造でき、
本発明の医薬の一態様である医薬組成物の形態および製
造方法は上記のものに限定されることはない。
【0029】本発明の医薬の投与量は、症状の重篤度、
投与方法、患者の身体的要因、同時に行う治療・処置の
種類か頻度等により適宜決定すればよい。一般的には、
成人1日当り、有効成分量として1〜500mg程度の
投与が好ましい。
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。
【0030】製造例1 N−ベンジル−2−シアノ−3′,4′−ジヒドロキシ
シンナムアミド(AG−490)の合成 シアノ酢酸エチル11.3g(0.10mol)とベン
ジルアミン11.8g(0.11mol)とを150m
lのジメチルホルムアミドに溶かし、この溶液を120
℃で2.5時間加熱した。その後室温まで冷却し、水に
空けて酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥、濃縮し、
シリカゲルクロマトグラフィーで精製してシアノ酢酸ベ
ンジルアミド14.9g(収率86%)を得た。
【0031】次に、ここで得られたシアノ酢酸ベンジル
アミド6.0g(34.5mmol)と3,4−ジヒド
ロキシベンズアルデヒド4.8g(34.5mmol)
をエタノール80mlに溶かし、ここに触媒量のピペリ
ジン425mg(5mmol)を加えて2時間加熱還流
した。その後溶媒を留去し、精製した黄色結晶を1%塩
酸水で洗浄した後エタノールから再結晶して目的のN−
ベンジル−2−シアノ−3′,4′−ジヒドロキシシン
ナムアミド8.4g(収率83%)を黄色結晶として得
た。
【0032】m.p.206〜207℃ H1 −NMR(DMSO−d6 )δ(ppm) 10.
2〜9.5(broad,s,2H),8.80(t,
J=5.5Hz,1H),7.98(s,1H),7.
54(d,J=2.0Hz,1H),7.4〜7.2
(m,6H),6.88(d,J=8.3Hz,1
H),4.41(d,J=5.5Hz,2H)
【0033】実施例1 ヒト好酸球の分離、精製は、健常人の静脈血(ヘパリン
で凝固防止)からPercollを用いて遠心分離し、
更にHanselら、J.Immunol,Metho
ds,145,105−110(1991)に記載の方
法に基づき、抗CD16抗体をコートしたマイクロビー
ズを用いて行った。このCD16ネガティブ選択法によ
り、98%以上の純度で精製好酸球が得られた。この精
製好酸球をHanks緩衝液に懸濁し、以後の実験に用
いた。
【0034】好酸球を種々の濃度のAG−490により
30分間前処理した後、GM−CSF(10-10 M)で
刺激した。遠心分離機を用いて遠心した後、60μlの
lysis buffer(20mMトリス塩酸(pH
7.5)、60mM β−グリセロリン酸、10mM
EGTA、10mM塩化マグネシウム、10mMフッ化
ナトリウム、2mMジチオスレイトール、1mMバナジ
ウム酸ナトリウム、1mM PMSF、1%NP−4
0、5μl/mlロイペプチン)を加えて氷中で細胞を
溶解した。細胞溶解物をSDS−PAGE sampl
e buffer(20%グリセロール、2%SDS、
125mMトリス塩酸(pH6.8)、100mMジチ
オスレイトール、0.15%ブロモフェノールブルー)
で5分間煮沸した後、3000×g、4℃、15分間遠
心分離機で遠心し、沈殿を取り除いた。1レーン当り1
0μgの上清をのせSDS−PAGEを行い、PVDF
トランスファーメンブレンにトランスファーした。メン
ブレンを0.1%Tween−20、5%BSAを含ん
だリン酸緩衝液で固定し、抗MAPキナーゼ抗体(er
kl−CT)で標識した後、Enhanced Che
miluminesconce(ECL) Syste
m(アマシャム社)を用いてMAPK(MAPキナー
ゼ)の検出を行なった。MAPキナーゼの活性化型は不
活性化型に比べゲル電気泳動における移動度が減少する
ことから(Gotohら、EMBO J,10,266
1−2668(1991))、MAPキナーゼのゲル電
気泳動における移動度の変化を、MAPキナーゼの活性
化の指標とした。
【0035】その結果、ヒト好酸球をGM−CSF(1
-10 M)で刺激すると42、44kDaのMAPキナ
ーゼのゲル電気泳動における移動度が減少した(図1上
段)。すなわちMAPキナーゼが活性化した。ヒト好酸
球を10-7〜10-5MのAG−490で前処理した後、
GM−CSF(10-10 M)で刺激したところ、AG−
490は濃度依存的にGM−CSFによるMAPキナー
ゼの活性化を抑制した(図1下段)。
【0036】
【発明の効果】本発明の好酸球活性化抑制剤は、好酸球
の活性化シグナルRas−MAPK系の活性化抑制作用
を有しており、好酸球活性化に基づく疾患、例えばアレ
ルギー等の予防・治療に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】AG−490のGM−CSF刺激によるヒト好
酸球MAPキナーゼ活性化抑制作用を示す図であり、上
段はMAPキナーゼの電気泳動移動の写真であり、下段
はMAPキナーゼ活性化の程度を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR4 (ここで
    4 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のア
    ルコキシ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数6〜
    10のアリールオキシ基、炭素数7〜12のアラルキル
    基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基;炭素数1〜
    6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基または炭
    素数7〜12のアラルキル基の1若しくは2個で置換さ
    れたアミノ基;または環状アミノ基を意味する)、基−
    CSR5 (ここでR5 は、炭素数1〜6のアルキル基、
    炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数6〜10のアリー
    ルオキシ基、炭素数7〜12のアラルキルオキシ基;炭
    素数1〜6のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基
    または炭素数7〜12のアラルキル基の1若しくは2個
    で置換されたアミノ基;または環状アミノ基を意味す
    る)、炭素数6〜10のアリール基を示し、R3 は、O
    1 、OR2 と各々独立して水素原子、水酸基、基−O
    COR4 (R4 は前記した意味を有する)、基−OCS
    5 (R5 は前記した意味を有する)を示し、Xおよび
    Yはそれぞれ独立して水素原子(ただしXとYが同時に
    水素原子であることはない)、置換されていても良い炭
    素数1〜6のアルキル基、置換されていても良い炭素数
    6〜10のアリール基、置換されていても良い炭素数7
    〜12のアラルキル基、置換されていても良い炭素数7
    〜12のアラルキルオキシ基、置換されていても良い炭
    素数7〜12のアリールアルケニル基、置換されていて
    も良い炭素数7〜16のアリールオキシアルケニル基、
    置換されていても良いヘテロ環基または置換されていて
    も良いヘテロ環アルキル基を示すか、これらが一緒にな
    って置換されていても良い含窒素ヘテロ環を形成してい
    てもよい〕で表されるカフェー酸アミド誘導体またはそ
    の薬学的に許容しうる塩を有効成分とする好酸球活性化
    抑制剤。
  2. 【請求項2】 式(I−1) 【化2】 〔式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立して水素原
    子、炭素数1〜6のアルキル基、基−COR4 (ここで
    4 は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のア
    ルコキシ基、フェニル基、ベンジル基を意味する)を示
    し、R3 は水素原子を示し、XおよびYはそれぞれ独立
    して水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、置換されて
    いてもよいフェニル基、置換されていてもよい炭素数7
    〜12のアラルキル基を示す〕で表される請求項1記載
    の好酸球活性化抑制剤。
  3. 【請求項3】 式(I−2) 【化3】 で表されるカフェー酸アミド誘導体またはその薬理学的
    に許容しうる塩を有効成分とする好酸球活性化抑制剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008540571A (ja) * 2005-05-12 2008-11-20 ウィスコンシン・アルムニ・リサーチ・ファウンデーション Pin1の遮断は活性化した免疫細胞によるサイトカイン産生を防ぐ

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JP2008540571A (ja) * 2005-05-12 2008-11-20 ウィスコンシン・アルムニ・リサーチ・ファウンデーション Pin1の遮断は活性化した免疫細胞によるサイトカイン産生を防ぐ

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