JPH10330172A - 多孔質セラミックス、精水器用多孔質セラミックフィルター - Google Patents

多孔質セラミックス、精水器用多孔質セラミックフィルター

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JPH10330172A
JPH10330172A JP18190697A JP18190697A JPH10330172A JP H10330172 A JPH10330172 A JP H10330172A JP 18190697 A JP18190697 A JP 18190697A JP 18190697 A JP18190697 A JP 18190697A JP H10330172 A JPH10330172 A JP H10330172A
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忠利 市古
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佳世 野村
Masaya Okada
政也 岡田
Hironobu Izawa
啓亘 井澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 麦飯石を主組成分とし、これにセピオライ
ト、カオウール等を混合して低温度で焼成することによ
り、麦飯石が本来有する浄水作用と滅菌効果をもたらす
作用とを備え、一定の品質に保ち、あらゆる形状に成形
可能とし、かつ、安定的に供給できる工業材料としての
多孔質セラミックスと、精水器用多孔質セラミックフィ
ルターとを提供することを目的とする。 【解決手段】 精水器用多孔質セラミックフィルターB
を、麦飯石粉末75重量%と、セピオライト粉末15重
量%と、カオウール10重量%とを混合し、この混合物
に対してバインダーを15重量%加えたものを、湿式
で、押出成形により、ハニカム形状の筒状体になし、こ
れを焼成温度700℃で焼成して形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質セラミック
ス、精水器用多孔質セラミックフィルターに関するもの
であり、特に、麦飯石粉末とセピオライト粉末とを主組
成分とする混合物を低温度で焼成して形成した多孔質セ
ラミックス、精水器用多孔質セラミックフィルターに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】昨今の水事情の悪化から種々の浄水器や
ミネラル水生成装置等が世の中に出現している。そし
て、そのフィルター材料として使用されるものに麦飯石
がある。この麦飯石は、古来、薬石として用いられてき
たものである。すなわち、麦飯石は、炭酸塩鉱物を組成
分として含む花崗斑岩に類するものであって、その炭酸
塩鉱物が水中へ溶出することによる浄水作用と、その炭
酸塩鉱物の風化が進むことによって生じた粘土鉱物化し
た部分(風化生成粘土)から滅菌効果をもたらす作用と
を有するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、現在、日本に
おいての麦飯石の鉱床は小さく、その品質も変動が大き
く、工業材料として安定的に利用することはきわめて困
難である。このため、中国産等の麦飯石を輸入すること
により安定的に工業材料として利用しているが、この中
国産等の麦飯石は、鉱量及び性質の点ではほとんど問題
はないが、風化程度が浅いため、風化生成粘土部分が比
較的少ないという欠点があり、従って、滅菌効果はあま
り期待できないものとなっている。また、麦飯石自体を
加工して、例えば、浄水器の構造に合わせた形状に形成
しようとしても、その成形性が低いため、浄水器のフィ
ルターとしてはどうしても麦飯石の原石の形状をそのま
ま使用することとなり、つまり、単に浄水器内に麦飯石
の原石を挿入しただけのものにならざるを得ないという
問題を生じていた。そこで、鉱量及び品質が安定した麦
飯石を主組成分とし、これに風化生成粘土と同様な性質
を有するセピオライトと、繊維強化物質としてのカオウ
ール等とを混合して低温度で焼成することにより、麦飯
石が本来有するところの浄水作用と滅菌効果をもたらす
作用とを備え、一定の品質に保ち、あらゆる形状に成形
可能とし、かつ、安定的に供給できる工業材料としての
多孔質セラミックスと、精水器用多孔質セラミックフィ
ルターとを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決するために創作されたものであって、第一には、多孔
質セラミックスであって、80重量パーセントの組成比
率の麦飯石粉末と20重量パーセントの組成比率のセピ
オライト粉末の混合物、85重量パーセントの組成比率
の麦飯石粉末と15重量パーセントの組成比率のセピオ
ライト粉末の混合物、90重量パーセントの組成比率の
麦飯石粉末と10重量パーセントの組成比率のセピオラ
イト粉末の混合物のいずれかと、そのいずれかの混合物
に対して0、10、15重量パーセントのいずれかの組
成比率のカオウールを加えたものを、550℃、600
℃、650℃、700℃、750℃のいずれかで焼成し
て形成したことを特徴とするものである。本構成の多孔
質セラミックスでは、水道水等の中に浸漬させること等
により、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が水
道水等に溶出されるとともに、多孔質セラミックスが水
道水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物
(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着し、従って、水
道水等の中からこれらを除去することができる。また、
品質を一定に保持することができる。
【0005】また、第二には、精水器用多孔質セラミッ
クフィルターであって、60〜90重量パーセントの範
囲内のいずれかの組成比率の麦飯石粉末と、5〜30重
量パーセントの範囲内のいずれかの組成比率のセピオラ
イト粉末と、5〜20重量パーセントの範囲内のいずれ
かの組成比率のカオウールとを混合したものに、バイン
ダーを加えたものを所定の形状に成形し、650℃〜7
50℃の範囲内で焼成して形成したことを特徴とするも
のである。本構成の精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーでは、上記のような組成比率であるため、セピオライ
トが本来性質として有するところの固結性とカオウール
に有する繊維性等とにより押出成形、ろくろ成形、プレ
ス成形等が可能となり、従って、所定の形状、例えば、
ハニカム形状、パイプ形状、ビーズ形状等に容易に成形
することができ、よって、精水器の構造に対応したフィ
ルターを製造することができる。また、水道水等を精水
器用多孔質セラミックフィルター内を通過させたり、精
水器用多孔質セラミックフィルター自体を水道水等に浸
漬させたり等することによって、カルシウム、マグネシ
ウム等のミネラル分が水道水等の中へ溶出されるととも
に、精水器用多孔質セラミックフィルターが水道水等に
含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物(残留塩
素)、雑菌類をほぼ完全に吸着し、従って、水道水等の
中からこれらを除去することが可能となる。
【0006】なお、混合する各材料の組成比率の範囲を
上記のように限定したのは、以下の理由からである。す
なわち、(1)麦飯石粉末の場合は、60重量パーセン
ト未満ではミネラル分の溶出がされず、90重量パーセ
ントを超えると、成形が困難となるからである。また、
(2)セピオライト粉末の場合は、5重量パーセント未
満では、トリハロメタン、有機塩素化合物(残留塩
素)、雑菌類の吸着除去できず、30重量パーセントを
超えると、成形が困難となるからである。さらに、
(3)カオウールの場合は、5重量パーセント未満で
は、一定の品質・形状を保持できず、20重量パーセン
トを超えると、成形が困難となるからである。
【0007】また、成形物の焼成温度を650℃〜75
0℃の範囲内に限定したのは、(4)650℃未満で
は、成形時に使用するバインダーを完全燃焼消去するこ
とが困難になるとともに、セピオライトの脱水安定形の
メタセピオライトの形成が十分に行われなくなるからで
ある。また、(5)750℃を超えると、麦飯石中に含
まれるところの炭酸塩鉱物が分解してしまい、酸化物と
なって、麦飯石本来の効果が生じなくなるとともに、セ
ピオライトは、高温安定形の輝石に構造変化してしまっ
て、やはり、セピオライト本来の効果が生じなくなるか
らである。
【0008】また、第三には、第二の構成の精水器用多
孔質セラミックフィルターであって、上記所定の形状
が、パイプ形状でなることを特徴とするものである。本
構成の精水器用多孔質セラミックフィルターでは、特
に、パイプ形状を呈しているので、水道水等の中へ浸漬
することにより使用することができる。また、他の形状
を呈するフィルターと容易に組み合わせて様々の態様で
使用することができる。また、第四には、第二の構成の
精水器用多孔質セラミックフィルターであって、上記所
定の形状が、ビーズ形状でなることを特徴とするもので
ある。本構成の精水器用多孔質セラミックフィルターで
は、特に、ビーズ形状を呈しているので、水道水等の中
へ浸漬することにより使用することができる。また、水
道水等を貯めるタンク等の容積量に応じて浸漬する精水
器用多孔質セラミックフィルターの量を容易に調整する
ことができる。さらに、他の形状を呈するフィルターと
容易に組み合わせて様々の態様で使用することができ
る。
【0009】また、第五には、第二の構成の精水器用多
孔質セラミックフィルターであって、上記所定の形状
が、パイプ形状とビーズ形状とを組み合わせてなるもの
であることを特徴とするものである。本構成の精水器用
多孔質セラミックフィルターでは、特に、パイプ形状の
ものの内部へビーズ形状のものを詰め込むことにより、
水道水等を通すに当たっての圧力損失こそ大きいが、そ
の中を水道水等が通過する時間を比較的長くすることが
できて、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分を十
分に水道水等の中へ溶出させることができるとともに、
精水器用多孔質セラミックフィルターが水道水等に含ま
れているトリハロメタン、有機塩素化合物(残留塩
素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、水道水等を活性
化することができる。また、第六には、第二の構成の精
水器用多孔質セラミックフィルターであって、上記所定
の形状が、ハニカム形状でなることを特徴とするもので
ある。本構成の精水器用多孔質セラミックフィルターで
は、特に、ハニカム形状を呈しているので、水道水等が
接する単位時間当たりの精水器用多孔質セラミックフィ
ルターの表面積が大きくなり、しかも、圧力損失が小さ
いので、精水器用多孔質セラミックフィルター通過後の
水道水等の単位時間当たりの流量が比較的多くなり、か
つ、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分を十分に
水道水等の中へ溶出させることができるとともに、精水
器用多孔質セラミックフィルターが水道水等に含まれて
いるトリハロメタン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑
菌類をほぼ完全に吸着除去し、従って、浄化効率が高
く、水道水等を活性化することができる。
【0010】さらに、第七には、精水器用多孔質セラミ
ックフィルターであって、85重量パーセントの組成比
率の麦飯石粉末と、15重量パーセントの組成比率のセ
ピオライト粉末とを混合し、その混合物に対して10重
量パーセントの組成比率のカオウールを加えたものに、
バインダーを加えたものをハニカム形状に押出成形し、
650℃、700℃、750℃のいずれかで焼成して形
成したことを特徴とするものである。本構成の精水器用
多孔質セラミックフィルターでは、上記のような組成比
率であるため、セピオライトが本来性質として有すると
ころの固結性とカオウールに有する繊維性等とにより押
出成形が可能となり、従って、ハニカム形状に容易に成
形することができる。そして、ハニカム形状を呈してい
るので、水道水等が接する単位時間当たりの精水器用多
孔質セラミックフィルターの表面積が大きくなり、しか
も、圧力損失が小さいので、精水器用多孔質セラミック
フィルター通過後の水道水等の単位時間当たりの流量が
比較的多くなり、かつ、カルシウム、マグネシウム等の
ミネラル分を十分に水道水等の中へ溶出させることがで
きるとともに、精水器用多孔質セラミックフィルターが
水道水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合
物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、従っ
て、浄化効率が高く、水道水等を活性化することができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態としての一具
体例を図面を利用して説明する。本第一具体例としての
精水器用多孔質セラミックフィルターAは、図1に示す
ように、パイプ10と、複数のビーズ20とを有してい
る。ここで、該パイプ10は、断面形状及び開口部の形
状がともに円形状を呈して形成されている。該ビーズ2
0はそれぞれ、略球形状を呈している。そして、上記複
数のビーズ20は、上記パイプ10の内部へいっぱいに
詰め込まれ、精水器用多孔質セラミックフィルターAが
形成されている。なお、精水器用多孔質セラミックフィ
ルターAの主な組成比率は、後述する他の精水器用多孔
質セラミックフィルターB、C、D、Eとともに、表1
に示すものである。
【0012】
【表1】
【0013】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーAの製造方法について図2を利用して説明する。本第
一具体例としての精水器用多孔質セラミックフィルター
Aは、基本的に、図2に示すS10からS13までの4
つの工程を経て製造される。すなわち、第一工程S10
は、平均粒径20μmの麦飯石粉末75重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末10重量パー
セントと、平均長さ40μmのカオウール15重量パー
セントとを混合して、混合物を製造する。
【0014】なお、混合する各材料の組成比率の範囲を
上記のように限定したのは、麦飯石粉末が60重量パー
セント未満ではミネラル分の溶出がされず、90重量パ
ーセントを超えると、成形が困難となるからであり、セ
ピオライト粉末が5重量パーセント未満では、トリハロ
メタン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌類の吸着除
去できず、30重量パーセントを超えると、成形が困難
となるからであり、カオウールが5重量パーセント未満
では、一定の品質・形状を保持できず、20重量パーセ
ントを超えると、成形が困難となるからである。
【0015】第二工程S11は、第一工程で製造した混
合物に対して、バインダーを10重量パーセント追加す
る。第三工程S12は、第二工程で製造した混合物が乾
燥しないうちに、すなわち、湿式で、押出成形を行い、
断面形状及び開口部の形状がともに円形状を呈する上記
パイプ10と、略球形状を呈する上記複数のビーズ20
とにそれぞれ形成する。第四工程S13は、第三工程で
形成した上記パイプ10及び上記複数のビーズ20をそ
れぞれ、大気中で焼成温度720℃で焼成する。
【0016】なお、パイプ10及び複数のビーズ20の
焼成温度を上記のように限定したのは、650℃未満で
は、成形時に使用するバインダーを完全燃焼消去するこ
とが困難になるとともに、セピオライトの脱水安定形の
メタセピオライトの形成が十分に行われなくなるからで
あり、750℃を超えると、麦飯石中に含まれるところ
の炭酸塩鉱物が分解してしまい、酸化物となって、麦飯
石本来の効果が生じなくなるとともに、セピオライト
は、高温安定形の輝石に構造変化してしまって、やは
り、セピオライト本来の効果が生じなくなるからであ
る。その後、上記複数のビーズ20を上記パイプ10の
内部へいっぱいに詰め込んで、精水器用多孔質セラミッ
クフィルターAを形成する。
【0017】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーAの使用状態について説明する。精水器用多孔質セラ
ミックフィルターAの内部、すなわち、上記複数のビー
ズ20が詰め込まれている部分へ水道水等を通すことに
より、圧力損失こそ大きいが、水道水等がこのフィルタ
ーを通過する時間を比較的長くとることができて、カル
シウム、マグネシウム等のミネラル分を十分に水道水等
の中へ溶出させることができるとともに、精水器用多孔
質セラミックフィルターAが水道水等に含まれているト
リハロメタン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌類を
ほぼ完全に吸着除去し、水道水等の活性化がなされる。
【0018】次に、本第二具体例としての精水器用多孔
質セラミックフィルターBは、図3に示すように、外周
断面形状及び各孔部の断面形状が四角形状を呈するハニ
カム形状に形成された筒状体である。なお、精水器用多
孔質セラミックフィルターBの主な組成比率は、上記表
1に示すとおりである。
【0019】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーBの製造方法について説明する。本第二具体例として
の精水器用多孔質セラミックフィルターBは、上記第一
具体例と同様、図2に示すS10からS13までの4つ
の工程を経て製造される。すなわち、第一工程S10
は、平均粒径20μmの麦飯石粉末75重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末15重量パー
セントと、平均長さ40μmのカオウール10重量パー
セントとを混合して、混合物を製造する。なお、混合す
る各材料の組成比率の範囲を上記に示す数値に限定した
のは、上記第一具体例と同様の理由からである。第二工
程S11は、第一工程で製造した混合物に対して、バイ
ンダーを15重量パーセント追加する。
【0020】第三工程S12は、第二工程で製造した混
合物が乾燥しないうちに、すなわち、湿式で、押出成形
を行い、外周断面形状及び各孔部の断面形状が四角形状
を呈するハニカム形状の筒状体に形成する。第四工程S
13は、第三工程で形成したハニカム形状の筒状体を、
大気中で焼成温度700℃で焼成して、精水器用多孔質
セラミックフィルターBを形成する。なお、ハニカム形
状の筒状体の焼成温度を700℃としたのは、上記第一
具体例と同様の理由からである。
【0021】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーBの使用状態について説明する。精水器用多孔質セラ
ミックフィルターBの内部、すなわち、複数の孔部内へ
水道水等を通すことにより、ハニカム形状を呈していて
水道水等が接する単位時間当たりの精水器用多孔質セラ
ミックフィルターBの表面積が大きくなり、しかも、圧
力損失が小さいので、精水器用多孔質セラミックフィル
ターB通過後の水道水等の単位時間当たりの流量が比較
的多くなり、かつ、カルシウム、マグネシウム等のミネ
ラル分を十分に水道水等の中へ溶出させることができる
とともに、精水器用多孔質セラミックフィルターBが水
道水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物
(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、従っ
て、浄化効率が高く、水道水等の活性化がなされる。
【0022】次に、本第三具体例としての精水器用多孔
質セラミックフィルターCは、図4に示すように、平面
視すると長方形状を呈する板状体である。なお、精水器
用多孔質セラミックフィルターCの主な組成比率は、上
記表1に示すとおりである。
【0023】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーCの製造方法について説明する。本第三具体例として
の精水器用多孔質セラミックフィルターCは、上記第一
具体例と同様、図2に示すS10からS13までの4つ
の工程を経て製造される。すなわち、第一工程S10
は、平均粒径20μmの麦飯石粉末90重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末5重量パーセ
ントと、平均長さ40μmのカオウール5重量パーセン
トとを混合して、混合物を製造する。なお、混合する各
材料の組成比率の範囲を上記に示す数値に限定したの
は、上記第一具体例と同様の理由からである。第二工程
S11は、第一工程で製造した混合物に対して、バイン
ダーを5重量パーセント追加する。
【0024】第三工程S12は、第二工程で製造した混
合物について、乾式プレス成形を行い、板形状に形成す
る。第四工程S13は、第三工程で形成された板状体
を、大気中で焼成温度750℃で焼成して、精水器用多
孔質セラミックフィルターCを形成する。なお、板状体
の焼成温度を750℃としたのは、上記第一具体例と同
様の理由からである。
【0025】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーCの使用状態について説明する。精水器用多孔質セラ
ミックフィルターC自体は板状体であるので、複数の精
水器用多孔質セラミックフィルターCを組み合わせて、
例えば、大規模なプラントの瀘過槽や浄化槽内へ配設で
き、そこへ水道水等を通したり、精水器用多孔質セラミ
ックフィルターCを水道水等の中へ浸漬することによ
り、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が水道水
等の中へ溶出されるとともに、精水器用多孔質セラミッ
クフィルターCが水道水等に含まれているトリハロメタ
ン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に
吸着除去し、水道水等の活性化がなされる。
【0026】次に、本第四具体例としての精水器用多孔
質セラミックフィルターDは、図5に示すように、それ
ぞれが略球形状を呈する複数のビーズである。なお、精
水器用多孔質セラミックフィルターDの主な組成比率
は、上記表1に示すとおりである。
【0027】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーDの製造方法について説明する。本第四具体例として
の精水器用多孔質セラミックフィルターDは、上記第一
具体例と同様、図2に示すS10からS13までの4つ
の工程を経て製造される。すなわち、第一工程S10
は、平均粒径20μmの麦飯石粉末60重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末20重量パー
セントと、平均長さ40μmのカオウール20重量パー
セントとを混合して、混合物を製造する。なお、混合す
る各材料の組成比率の範囲を上記に示す数値に限定した
のは、上記第一具体例と同様の理由からである。第二工
程S11は、第一工程で製造した混合物に対して、バイ
ンダーを10重量パーセント追加する。
【0028】第三工程S12は、第二工程で製造した混
合物が乾燥しないうちに、すなわち、湿式で、押出造粒
成形を行い、略球形状を呈する複数のビーズを形成す
る。第四工程S13は、第三工程で形成された複数のビ
ーズを、大気中で焼成温度680℃で焼成して、精水器
用多孔質セラミックフィルターDを形成する。なお、複
数のビーズの焼成温度を680℃としたのは、上記第一
具体例と同様の理由からである。
【0029】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーDの使用状態について説明する。精水器用多孔質セラ
ミックフィルターDを水道水等の中へ浸漬することによ
り、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が水道水
等の中へ溶出されるとともに、精水器用多孔質セラミッ
クフィルターDが水道水等に含まれているトリハロメタ
ン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に
吸着除去し、水道水等の活性化がなされる。また、水道
水等を貯めるタンク等の容積量に応じて浸漬する精水器
用多孔質セラミックフィルターDの量を容易に調整する
ことができる。さらに、他の形状を呈するフィルターと
容易に組み合わせて使用することもできる。
【0030】次に、本第五具体例としての精水器用多孔
質セラミックフィルターEは、図3に示すように、上記
第二具体例と同じ形状、すなわち、外周断面形状及び各
孔部の断面形状が四角形状を呈するハニカム形状に形成
された筒状体である。なお、精水器用多孔質セラミック
フィルターEの主な組成比率は、上記表1に示すとおり
である。
【0031】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーEの製造方法について説明する。本第五具体例として
の精水器用多孔質セラミックフィルターEは、上記第一
具体例と同様、図2に示すS10からS13までの4つ
の工程を経て製造される。すなわち、第一工程S10
は、平均粒径20μmの麦飯石粉末65重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末30重量パー
セントと、無機繊維物質としての平均長さ40μmのカ
オウール5重量パーセントとを混合して、混合物を製造
する。なお、混合する各材料の組成比率の範囲を上記に
示す数値に限定したのは、上記第一具体例と同様の理由
からである。第二工程S11は、第一工程で製造した混
合物に対して、バインダーを13重量パーセント追加す
る。
【0032】第三工程S12は、第二工程で製造した混
合物が乾燥しないうちに、すなわち、湿式で、押出成形
を行い、上記第二具体例と同様の外周断面形状及び各孔
部の断面形状が四角形状を呈するハニカム形状の筒状体
に形成する。第四工程S13は、第三工程で形成したハ
ニカム形状の筒状体を、大気中で焼成温度650℃で焼
成して、精水器用多孔質セラミックフィルターEを形成
する。なお、ハニカム形状の筒状体の焼成温度を650
℃としたのは、上記第一具体例と同様の理由からであ
る。
【0033】次に、精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーEの使用状態について説明する。精水器用多孔質セラ
ミックフィルターEの内部、すなわち、複数の孔部内へ
水道水等を通すことにより、ハニカム形状を呈して水道
水等が接する単位時間当たりの精水器用多孔質セラミッ
クフィルターEの表面積が大きくなり、しかも、圧力損
失が小さいので、精水器用多孔質セラミックフィルター
E通過後の水道水等の単位時間当たりの流量が比較的多
くなり、かつ、カルシウム、マグネシウム等のミネラル
分を十分に水道水等の中へ溶出させることができるとと
もに、精水器用多孔質セラミックフィルターEが水道水
等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物(残
留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、従って、浄
化効率が高く、水道水等の活性化がなされる。
【0034】なお、バインダーとしては、パラフィンと
ステアリン酸又は商品名「セランダーYB−131D」
を使用するものである。また、各精水器用多孔質セラミ
ックフィルターの製造上の混合物の組成比率及び成形物
の焼成温度は、本具体例に限定されるものでなく、混合
物中の麦飯石粉末の組成比率については60〜90重量
パーセントの範囲内であればよく、セピオライト粉末に
ついては5〜30重量パーセントの範囲内であればよ
く、カオウールについては5〜20重量パーセントの範
囲内であればよく、かつ、その混合物の組成比率に整合
性がとれていればよい。また、成形物の焼成温度につい
ては650〜750℃の範囲内であればよい。
【0035】次に、上記のように製造した第一から第五
具体例までの各精水器用多孔質セラミックフィルターに
ついての実験結果を説明する。まず、第一の実験内容に
ついて説明する。第一の実験においては、溶出試験を行
った。すなわち、各精水器用多孔質セラミックフィルタ
ーA、B、C、D、E500g分、麦飯石原石500g
をそれぞれ、純水1500mlへ浸漬して1時間煮沸
し、純水1000mlの抽出水を作り、その溶出成分6
項目について、水質試験法に定める方法に基づき化学分
析を行った。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】表2より、麦飯石原石と比較してもほとん
ど遜色なく、ミネラル分が純水に溶出されていることが
わかる。特に、ミネラル分としてのカルシウムは、麦飯
石原石の溶出量の2倍から5倍程度、マグネシウムは、
麦飯石原石の溶出量の2倍から6倍程度の溶出量を記録
した。
【0038】次に、第二の実験内容について説明する。
第二の実験においては、通水試験を行った。すなわち、
500g分の精水器用多孔質セラミックフィルターA、
Bそれぞれに、水道水60リットルを通過させ、その水
道水の成分を7項目について、水質試験法に定める方法
に基づき化学分析を行った。その結果を表3に示す。
【0039】
【表3】
【0040】表3により、ミネラル分が水道水に溶出し
ていることがわかる。また、水道水に通常含まれている
トリハロメタンや有機塩素化合物(残留塩素)は、精水
器用多孔質セラミックフィルターA、Bともに全く検出
されなかった。さらに、雑菌類も同様である。
【0041】次に、本第六具体例としての多孔質セラミ
ックスFは、図6に示す特定の形状を有しない固形物で
ある。次に、多孔質セラミックスFの製造方法について
説明する。まず、第一工程として平均粒径20μmの麦
飯石粉末80重量パーセントと、平均粒径10μmのセ
ピオライト粉末20重量パーセントとを混合して、混合
物を製造する。なお、混合する各材料の組成比率を上記
に示す数値に限定したのは、上記第一具体例と同様の理
由からである。第二工程としてこの混合物を金型を用い
て一軸加圧で仮成形した後、さらに、CIPにより任意
形状に成形する。そして、第三工程としてこの成形物を
大気中で550℃で焼成して多孔質セラミックスFを製
造する。なお、成形物の焼成温度を550℃としたの
は、バインダーを上記混合物に追加しないからであり、
従って、比較的低い焼成温度で製造できる。次に、多孔
質セラミックスFの使用状態について説明する。多孔質
セラミックスFを水道水等の中へ浸漬したり、水道水等
を多孔質セラミックスFに当てたり等することにより、
カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が水道水等の
中へ溶出されるとともに、多孔質セラミックスFが水道
水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物
(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、水道水
等の活性化がなされる。
【0042】次に、本第七具体例としての多孔質セラミ
ックスGは、上記第六具体例と同様、図6に示す特定の
形状を有しない固形物である。次に、多孔質セラミック
スGの製造方法について説明する。まず、第一工程とし
て平均粒径20μmの麦飯石粉末85重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末15重量パー
セントとを混合して、混合物を製造する。第二工程とし
てこの混合物に対して10重量パーセントの組成比率で
平均長さ40μmのカオウールを追加する。なお、混合
する各材料の組成比率を上記に示す数値に限定したの
は、上記第一具体例と同様の理由からである。第三工程
として上記第二工程で製造した混合物を金型を用いて一
軸加圧で仮成形した後、さらに、CIPにより任意形状
に成形する。そして、第四工程としてこの成形物を大気
中で600℃で焼成して多孔質セラミックスGを製造す
る。なお、成形物の焼成温度を600℃としたのは、バ
インダーを上記混合物に追加しないからであり、従っ
て、比較的低い焼成温度で製造できる。次に、多孔質セ
ラミックスGの使用状態について説明する。多孔質セラ
ミックスGを、上記第六具体例と同様に、水道水等の中
へ浸漬したり、水道水等を多孔質セラミックスGに当て
たり等することにより、カルシウム、マグネシウム等の
ミネラル分が水道水等の中へ溶出されるとともに、多孔
質セラミックスGが水道水等に含まれているトリハロメ
タン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全
に吸着除去し、水道水等の活性化がなされる。
【0043】次に、本第八具体例としての多孔質セラミ
ックスHは、上記第六具体例と同様、図6に示す特定の
形状を有しない固形物である。次に、多孔質セラミック
スHの製造方法について説明する。まず、第一工程とし
て平均粒径20μmの麦飯石粉末90重量パーセント
と、平均粒径10μmのセピオライト粉末10重量パー
セントとを混合して、混合物を製造する。第二工程とし
てこの混合物に対して15重量パーセントの組成比率で
平均長さ40μmのカオウールを追加する。なお、混合
する各材料の組成比率を上記に示す数値に限定したの
は、上記第一具体例と同様の理由からである。第三工程
として上記第二工程で製造した混合物に、パラフィンと
ステアリン酸からなるバインダー(成形助剤)を加え
る。第四工程として金型を用いて一軸加圧で仮成形した
後、さらに、CIPにより任意形状に成形する。そし
て、第五工程としてこの成形物を大気中で750℃で焼
成して多孔質セラミックスHを製造する。なお、成形物
の焼成温度を750℃としたのは、上記第一具体例と同
様の理由からである。次に、多孔質セラミックスHの使
用状態について説明する。多孔質セラミックスHを、上
記第六具体例と同様に、水道水等の中へ浸漬したり、水
道水等を多孔質セラミックスHに当てたり等することに
より、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が水道
水等の中へ溶出されるとともに、多孔質セラミックスG
が水道水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化
合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、水
道水等の活性化がなされる。
【0044】次に、本第九具体例としての精水器用多孔
質セラミックフィルターIは、上記第二具体例と同様、
図3に示すように、外周断面形状及び各孔部の断面形状
が四角形状を呈するハニカム形状に形成された筒状体で
ある。次に、精水器用多孔質セラミックフィルターIの
製造方法について説明する。まず、第一工程として平均
粒径20μmの麦飯石粉末85重量パーセントと、平均
粒径10μmのセピオライト粉末15重量パーセントと
を混合して、混合物を製造する。第二工程としてこの混
合物に対して10重量パーセントの組成比率で平均長さ
40μmのカオウールを追加する。なお、混合する各材
料の組成比率を上記に示す数値に限定したのは、上記第
一具体例と同様の理由からである。第三工程として上記
第二工程で製造した混合物の粉末に、バインダー(成形
助剤)としての商品名「セランダーYB−131D」を
加える。第四工程としてハニカム形状の筒状体に押出成
形する。そして、第五工程としてこの成形物を乾燥後、
大気中で650℃、700℃、750℃のいずれかで焼
成して精水器用多孔質セラミックフィルターIを製造す
る。なお、ハニカム形状の筒状体の焼成温度を上記の範
囲内に限定したのは、上記第一具体例と同様の理由から
である。次に、精水器用多孔質セラミックフィルターI
の使用状態について説明する。精水器用多孔質セラミッ
クフィルターIを、上記第二具体例と同様に、精水器用
多孔質セラミックフィルターIの内部、すなわち、複数
の孔部内へ水道水等を通すことにより、ハニカム形状を
呈していて水道水等が接する単位時間当たりの精水器用
多孔質セラミックフィルターIの表面積が大きくなり、
しかも、圧力損失が小さいので、精水器用多孔質セラミ
ックフィルターI通過後の水道水等の単位時間当たりの
流量が比較的多くなり、かつ、カルシウム、マグネシウ
ム等のミネラル分を十分に水道水等の中へ溶出させるこ
とができるとともに、精水器用多孔質セラミックフィル
ターIが水道水等に含まれているトリハロメタン、有機
塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去
し、従って、浄化効率が高く、水道水等の活性化がなさ
れる。
【0045】
【発明の効果】本発明に基づく請求項1に記載の多孔質
セラミックスによれば、水道水等の中に浸漬させること
等により、カルシウム、マグネシウム等のミネラル分が
水道水等に溶出されるとともに、多孔質セラミックスが
水道水等に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合
物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着し、従って、
水道水等の中からこれらを除去することができる。ま
た、品質を一定に保持することができる。
【0046】また、請求項2に記載の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターによれば、混合する各材料が所定の
範囲内の組成比率であるため、セピオライトが本来性質
として有するところの固結性とカオウールの有する繊維
性等とにより押出成形、ろくろ成形、プレス成形等が可
能となり、従って、所定の形状に容易に成形することが
でき、よって、精水器の構造に対応したフィルターを製
造することができる。また、水道水等を精水器用多孔質
セラミックフィルター内を通過させたり、精水器用多孔
質セラミックフィルター自体を水道水等に浸漬させたり
等することによって、カルシウム、マグネシウム等のミ
ネラル分が水道水等の中へ溶出されるとともに、精水器
用多孔質セラミックフィルターが水道水等に含まれてい
るトリハロメタン、有機塩素化合物(残留塩素)、雑菌
類をほぼ完全に吸着し、従って、水道水等の中からこれ
らを除去することが可能となる。
【0047】また、請求項3に記載の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターによれば、特に、パイプ形状を呈し
ているので、水道水等の中へ浸漬することにより使用す
ることができる。また、他の形状を呈するフィルターと
容易に組み合わせて様々の態様で使用することができ
る。また、請求項4に記載の精水器用多孔質セラミック
フィルターによれば、特に、ビーズ形状を呈しているの
で、水道水等の中へ浸漬することにより使用することが
できる。また、水道水等を貯めるタンク等の容積量に応
じて浸漬する精水器用多孔質セラミックフィルターの量
を容易に調整することができる。さらに、他の形状を呈
するフィルターと容易に組み合わせて様々の態様で使用
することができる。また、請求項5に記載の精水器用多
孔質セラミックフィルターによれば、特に、パイプ形状
のものの内部へビーズ形状のものを詰め込むことによ
り、水道水等を通すに当たっての圧力損失こそ大きい
が、その中を水道水等が通過する時間を比較的長くする
ことができて、カルシウム、マグネシウム等のミネラル
分を十分に水道水等の中へ溶出させることができるとと
もに、精水器用多孔質セラミックフィルターが水道水等
に含まれているトリハロメタン、有機塩素化合物(残留
塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去し、水道水等を活
性化することができる。
【0048】また、請求項6に記載の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターによれば、特に、ハニカム形状を呈
しているので、水道水等が接する単位時間当たりの精水
器用多孔質セラミックフィルターの表面積が大きくな
り、しかも、圧力損失が小さいので、精水器用多孔質セ
ラミックフィルター通過後の水道水等の単位時間当たり
の流量が比較的多くなり、かつ、カルシウム、マグネシ
ウム等のミネラル分を十分に水道水等の中へ溶出させる
ことができるとともに、精水器用多孔質セラミックフィ
ルターが水道水等に含まれているトリハロメタン、有機
塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去
し、従って、浄化効率が高く、水道水等を活性化するこ
とができる。
【0049】さらに、請求項7に記載の精水器用多孔質
セラミックフィルターによれば、混合する各材料が所定
の組成比率であるため、セピオライトが本来性質として
有するところの固結性とカオウールの有する繊維性等と
により押出成形が可能となり、従って、ハニカム形状に
容易に成形することができる。そして、ハニカム形状を
呈しているので、水道水等が接する単位時間当たりの精
水器用多孔質セラミックフィルターの表面積が大きくな
り、しかも、圧力損失が小さいので、精水器用多孔質セ
ラミックフィルター通過後の水道水等の単位時間当たり
の流量が比較的多くなり、かつ、カルシウム、マグネシ
ウム等のミネラル分を十分に水道水等の中へ溶出させる
ことができるとともに、精水器用多孔質セラミックフィ
ルターが水道水等に含まれているトリハロメタン、有機
塩素化合物(残留塩素)、雑菌類をほぼ完全に吸着除去
し、従って、浄化効率が高く、水道水等を活性化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく第一具体例の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターを示す斜視図である。
【図2】本発明に基づく第一から第五具体例の精水器用
多孔質セラミックフィルターの製造方法を示すフローチ
ャートである。
【図3】本発明に基づく第二、第五又は第九具体例の精
水器用多孔質セラミックフィルターを示す斜視図であ
る。
【図4】本発明に基づく第三具体例の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターを示す斜視図である。
【図5】本発明に基づく第四具体例の精水器用多孔質セ
ラミックフィルターを示す斜視図である。
【図6】本発明に基づく第六、第七又は第八具体例の多
孔質セラミックスを示す斜視図である。
【符号の説明】
10 パイプ 20 ビーズ A、B、C、D、E 精水器用多孔質セラミックフィル
ター F、G、H 多孔質セラミックス I 精水器用多孔質セラミックフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 政也 岐阜県土岐市駄知町440 株式会社日東セ ラミックス内 (72)発明者 井澤 啓亘 岐阜県土岐市妻木町3234の25 株式会社ヤ マテク内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 80重量パーセントの組成比率の麦飯石
    粉末と20重量パーセントの組成比率のセピオライト粉
    末の混合物、85重量パーセントの組成比率の麦飯石粉
    末と15重量パーセントの組成比率のセピオライト粉末
    の混合物、90重量パーセントの組成比率の麦飯石粉末
    と10重量パーセントの組成比率のセピオライト粉末の
    混合物のいずれかと、 そのいずれかの混合物に対して0、10、15重量パー
    セントのいずれかの組成比率のカオウールを加えたもの
    を、 550℃、600℃、650℃、700℃、750℃の
    いずれかで焼成して形成したことを特徴とする多孔質セ
    ラミックス。
  2. 【請求項2】 精水器用多孔質セラミックフィルターで
    あって、 60〜90重量パーセントの範囲内のいずれかの組成比
    率の麦飯石粉末と、 5〜30重量パーセントの範囲内のいずれかの組成比率
    のセピオライト粉末と、 5〜20重量パーセントの範囲内のいずれかの組成比率
    のカオウールとを混合したものに、 バインダーを加えたものを所定の形状に成形し、 650℃〜750℃の範囲内で焼成して形成したことを
    特徴とする精水器用多孔質セラミックフィルター。
  3. 【請求項3】 上記所定の形状が、パイプ形状でなるこ
    とを特徴とする請求項2記載の精水器用多孔質セラミッ
    クフィルター。
  4. 【請求項4】 上記所定の形状が、ビーズ形状でなるこ
    とを特徴とする請求項2記載の精水器用多孔質セラミッ
    クフィルター。
  5. 【請求項5】 上記所定の形状が、パイプ形状とビーズ
    形状とを組み合わせてなるものであることを特徴とする
    請求項2記載の精水器用多孔質セラミックフィルター。
  6. 【請求項6】 上記所定の形状が、ハニカム形状でなる
    ことを特徴とする請求項2記載の精水器用多孔質セラミ
    ックフィルター。
  7. 【請求項7】 精水器用多孔質セラミックフィルターで
    あって、 85重量パーセントの組成比率の麦飯石粉末と、 15重量パーセントの組成比率のセピオライト粉末とを
    混合し、 その混合物に対して10重量パーセントの組成比率のカ
    オウールを加えたものに、 バインダーを加えたものをハニカム形状に押出成形し、 650℃、700℃、750℃のいずれかで焼成して形
    成したことを特徴とする精水器用多孔質セラミックフィ
    ルター。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002166115A (ja) * 2000-12-04 2002-06-11 Ngk Insulators Ltd フィルタエレメントおよびその製造方法
CN113399117A (zh) * 2021-06-02 2021-09-17 杭州诗蓝过滤科技有限公司 一种吸附性能好的渐进式容尘静电过滤棉

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