JPH10329831A - ホログラム付き缶体およびその製造方法 - Google Patents
ホログラム付き缶体およびその製造方法Info
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- JPH10329831A JPH10329831A JP15289697A JP15289697A JPH10329831A JP H10329831 A JPH10329831 A JP H10329831A JP 15289697 A JP15289697 A JP 15289697A JP 15289697 A JP15289697 A JP 15289697A JP H10329831 A JPH10329831 A JP H10329831A
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Abstract
やすことなく、また、作業能率を大幅に低下させるよう
なことなく、該缶体の缶胴表面にレリーフ型ホログラム
を良好に形成できるようにする。 【解決手段】 一方の側の表面に印刷層22を施した透
明な熱可塑性樹脂フィルム21が、該印刷層22を覆う
ように施された接着層23を介して、缶胴11の外周面
に熱接着により貼着されているフィルム貼着缶体1にお
いて、該印刷層22が施されている側とは反対側の熱可
塑性樹脂フィルム21の表面に対して、部分的あるいは
全面的に、極微細な間隔の凹凸によるレリーフ型ホログ
ラム21aを形成する。
Description
して使用されるような金属製の缶体に関し、特に、缶体
の缶胴部分の表面にホログラムを付与したホログラム付
き缶体、および、そのようなホログラム付き缶体の製造
方法に関する。
の缶体については、2ピース缶では円筒状の缶胴に対し
て、また、3ピース缶では缶胴の部分となる金属板に対
して予め、直接に印刷を施したり、あるいは、印刷が施
された樹脂製フィルムを貼着するなどにより、様々な色
彩やデザインの文字や装飾模様を施しているが、そのよ
うな缶体の缶胴部分に施される文字や装飾模様として、
更に人目を引くような新規な色彩やデザインのものが求
められていることから、ホログラムを缶体の缶胴部分の
表面に付与するということが提案されている。
ると共に虹色に光る装飾性を有するホログラムについ
て、これを包装材料や容器に対して使用するということ
は、従来から提案されているが(例えば、実開昭61−
103010号,実開昭62−189013号,実開昭
62−143663号公報,実開昭63−70935号
公報等参照)、缶詰の容器である金属製の缶体において
も、その缶胴部分にホログラムを付与するということが
既に提案されている。(特開平2−32946号公報,
特開平6−278751号公報参照)
な金属製缶体に対するホログラムの付与について、特開
平2−32946号公報に示されている方法、すなわ
ち、缶体の金属表面にレリーフ型ホログラムを直接転写
する方法では、像として表現すべき原稿からの光の波面
に相当する干渉縞が凹凸の形でホログラムに形成されて
いる工具表面を、加工すべき金属表面に係合させて、該
金属表面にレリーフ型ホログラムを直接形成している。
えば、平板状態の金属表面にホログラムを形成した後で
円筒形に丸めて缶胴を形成する場合には、ホログラムが
形成された金属面に過大な負荷をかけることとなって、
ホログラムに悪影響を与える恐れがある一方、円筒形に
缶胴を形成した後の曲面状態の金属表面にホログラムを
形成する場合には、円筒面と工具との係合作業などを極
めて微妙且つ正確に行わなければならず、作業能率が大
幅に低下するという問題がある。
写は印刷の前でも後でも良い旨記載されているが、ホロ
グラムを転写する箇所の金属面に対しては印刷を施して
はならず、且つ、ホログラムを転写した箇所に対しても
印刷を施してはならないことから、印刷前にホログラム
を転写する場合と印刷後にホログラムを転写する場合と
を問わず、印刷・塗装時およびホログラム転写時に正確
な位置あわせが必要となり、その作業が面倒で作業能率
が更に低下するという問題がある。
そのままでは錆びてしまうので、透明塗膜で覆う必要が
あり、印刷後にホログラムを形成すると、印刷層保護の
ための塗装工程・乾燥工程の他に更にホログラム保護の
ための塗装工程・乾燥工程が加わるため、かなりコスト
高となってしまう。
に、円筒形に形成された缶胴の曲面に対して、ホログラ
ム形成層を有する転写シートからの熱転写によりホログ
ラムを形成する方法、すなわち、ベースフィルムに対し
て剥離層,保護層,ホログラム形成樹脂層(光回折パタ
ーン形成樹脂層),光を反射する薄膜層,感熱接着層の
順番に積層された転写シートを用意すると共に、加熱に
より接着力が活性化されるベースコート層を缶胴の表面
に形成して、転写用ロータリー版の凸部に対応した部分
で、転写シートにおけるベースフィルム以外の積層部分
を剥離して、ベースコート層を形成した缶胴表面に熱転
写するという方法が、本出願人等により既に提案されて
いる。(特開平6−278751号公報参照)
いた熱転写による方法については、転写シート自体を製
造するのに多くの工程を必要とし、また、缶体の缶胴部
分にベースコート層を形成する必要があると共に、転写
用ロータリー版を用いることにより、転写シートのホロ
グラム形成樹脂層を含む積層部分を、転写シートのベー
スフィルムから缶体の缶胴部分に熱転写することが必要
であることから、製造工程が大幅に増えて生産性が低下
するという問題があり、更には、缶胴の一部にホログラ
ム形成樹脂層を含む積層部分を転写する場合には、転写
時に、ホログラムを転写する箇所とその周りの印刷図柄
との位置合わせを正確にする必要があって、そのために
生産速度が大幅に低下するという問題がある。
めになされたものであり、金属製の缶体に対して、製造
工程をあまり増やすことなく、また、作業能率を大幅に
低下させるようなことなく、該缶体の缶胴表面にレリー
フ型ホログラムを良好に形成できるようにすることを課
題とするものである。
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、一方の側の表面に印刷層を施した透明な熱可塑性樹
脂フィルムが、該印刷層を覆うように施された接着層を
介して、缶胴の外周面に熱接着により貼着されているフ
ィルム貼着缶体において、該印刷層が施されている側と
は反対側の熱可塑性樹脂フィルムの表面に対して、部分
的あるいは全面的に、極微細な間隔の凹凸によるレリー
フ型ホログラムが形成されていることを特徴とするもの
である。
一方の側の表面に印刷層を施すと共に、他方の側の表面
に滑性剤を含有する透明な熱硬化性樹脂のトップコート
層を施した透明な熱可塑性樹脂フィルムが、該印刷層を
覆うように施された接着層を介して、缶胴の外周面に熱
接着により貼着されているフィルム貼着缶体において、
該トップコート層の表面に対して、部分的あるいは全面
的に、極微細な間隔の凹凸によるレリーフ型ホログラム
が形成されていることを特徴とするものである。
ホログラム付き缶体を製造する方法として、上記の請求
項3に記載したように、長尺の透明な熱可塑性樹脂フィ
ルムの一方の側の表面に印刷インキによる印刷層と接着
剤による接着層とを順次施して缶体貼着用印刷フィルム
を形成する工程と、該缶体貼着用印刷フィルムをその接
着層を介して長尺の缶胴用金属板に加熱接着する工程
と、缶体貼着用印刷フィルムを貼着した該缶胴用金属板
を切断して一缶分の大きさの缶胴用ブランクに切断する
工程と、該缶胴用ブランクを缶胴成形機により丸めて両
端部を重ね合わせる缶胴成形工程と、該缶胴の重ね合わ
せ部を接合する接合工程とを備えた、側面継目部を有す
る缶体の製造方法において、前記の缶体貼着用印刷フィ
ルムを形成する工程で、熱可塑性樹脂フィルムの印刷層
形成側とは反対側の表面に対して、極微細な間隔の凹凸
によるレリーフ型ホログラムが円筒状の表面の少なくと
も一部に形成されたロール式のホログラムスタンパーを
圧接させることにより、該熱可塑性樹脂フィルムの表面
にレリーフ型ホログラムを形成することを特徴とするも
のである。
ログラム付き缶体を製造する方法として、上記の請求項
4に記載したように、長尺の透明な熱可塑性樹脂フィル
ムの一方の側の表面に印刷インキによる印刷層と接着剤
による接着層とを順次施して缶体貼着用印刷フィルムを
形成する工程と、該缶体貼着用印刷フィルムを切断して
一缶分の大きさにする工程と、缶体製造用金属板から側
面継目部のない缶体を製造する工程と、該側面継目部の
ない缶体を加熱した後、一缶分の缶体貼着用印刷フィル
ムを、その接着層が缶体と接触するように該缶体の胴部
に巻き付けて圧力を加えることにより、該フィルムを缶
体の胴部に貼着する工程とを備えた、側面継目部のない
缶体の製造方法において、前記の缶体貼着用印刷フィル
ムを形成する工程で、熱可塑性樹脂フィルムの印刷層形
成側とは反対側の表面に対して、極微細な間隔の凹凸に
よるレリーフ型ホログラムが円筒状の表面の少なくとも
一部に形成されたロール式のホログラムスタンパーを圧
接させることにより、該熱可塑性樹脂フィルムの表面に
レリーフ型ホログラムを形成することを特徴とするもの
である。
ログラム付き缶体を製造する方法として、上記の請求項
5に記載したように、上記の請求項3又は4に記載した
ホログラム付き缶体を製造する方法において、透明な熱
可塑性樹脂フィルムのレリーフ型ホログラムを形成する
側の表面に、予め、滑性剤を含有する透明な熱硬化性樹
脂塗料を塗布し乾燥させることで、トップコート層を形
成しておくことを特徴とするものである。
うなホログラム付き缶体を製造する方法として、上記の
請求項6に記載したように、上記の請求項3乃至5に記
載したホログラム付き缶体を製造する方法において、透
明な熱可塑性樹脂フィルムへの印刷が、長尺の該フィル
ムの長手方向に延びる繰り返し模様の連続印刷であっ
て、この連続印刷部分の両側に狭い幅の非印刷部分を設
けると共に、該連続印刷部分を、非印刷部分を隔てて複
数条設けることを特徴とするものである。
体およびその製造方法の実施形態について、図面に基づ
いて詳細に説明する。
実施形態(第1実施形態)について、(A)によりフィ
ルム貼着缶体の缶胴部分の横断面を部分的に示し、
(B)により該横断面を拡大して示すもので、缶体1
は、缶胴の部分を形成する金属板11に対して、印刷を
直接施さず、予め印刷を施した樹脂製の缶体貼着用印刷
フィルム12を熱接着により一体的に貼着した、印刷フ
ィルム貼着缶体である。
着用印刷フィルム12は、透明な熱可塑性樹脂フィルム
21を本体とし、該熱可塑性樹脂フィルム21の裏面
(缶胴に接着される側)に、印刷層22と接着層23が
順次形成されているものであって、熱可塑性樹脂フィル
ム21の表面の全面または大部分には、極微細な間隔の
凹凸によるレリーフ型ホログラム21aが形成されてい
る。
の実施形態(第2実施形態)について、図1(B)と同
様の部分を示すもので、この第2実施形態では、フィル
ム12の本体となる透明な熱可塑性樹脂フィルム21の
裏面に、複数色の印刷インキからなる印刷層22と、接
着剤からなる接着層23とが順次形成されていると共
に、該熱可塑性樹脂フィルム21の表面に、滑性剤を含
有した透明な熱硬化性樹脂のトップコート層24が形成
されていて、該トップコート層24の表面に、上記の第
1実施形態と同様の、極微細な間隔の凹凸によるレリー
フ型ホログラム24aが形成されている。
各実施形態について、缶体1の各部分を形成するために
使用される材料については、以下の通りである。
ては、冷延板,溶融亜鉛および亜鉛合金メッキ鋼板,電
気亜鉛および亜鉛合金メッキ鋼板,ブリキ,極薄錫メッ
キ鋼板,ティンフリースチール,クロムメッキ鋼板,ア
ルミメッキ鋼板,ニッケルメッキ鋼板,その他の各種合
金メッキ鋼板,アルミニウム合金板,その他の金属板、
および、それらに必要に応じて、化成処理、例えば、リ
ン酸塩処理,クロメート処理,有機クロメート処理,コ
バルト複合酸化膜処理,ニッケル置換メッキ,その他の
処理を行ったものを用いることができる。
塑性樹脂フィルム21については、10〜30μmの厚
さのポリエステルフィルム,ナイロンフィルム,ポリプ
ロピレンフィルム等、比較的透明性が高く、しかも耐熱
性に優れた樹脂フィルムを使用することができて、例え
ば、ポリエステルフィルムとしては、エチレンテレフタ
レート,および,エチレンイソフタレートを主たる構成
成分とし、融点としては160〜255℃のものが用い
られる。
は、極微細な間隔の凹凸によるレリーフ型ホログラム2
1aを熱可塑性樹脂フィルム21の表面に形成した後、
熱接着による金属板11への貼着工程において、熱可塑
性樹脂フィルム21の表面に形成されたホログラム21
aの凹凸形状が消失する恐れがあるからである。
テルフィルムを使用する場合、本発明の特性を損ねない
範囲で他の成分を共重合しても良く、例えば、共重合す
るジカルボン酸成分としては、ナフタレンジカルボン
酸,ジフェニルジカルボン酸,ジフェニルスルホンジカ
ルボン酸,ジフェノキシエタンジカルボン酸,5−ナト
リウムスルホイソフタル酸,フタル酸等の芳香族ジカル
ボン酸、シュウ酸,コハク酸,アジピン酸,セバシン
酸,ダイマー酸,マレイン酸,フマル酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカ
ルボン酸、p−オキシ安息香酸等のオキシカルボン酸等
を挙げることができる。
は、プロパンジオール,ブタンジオール,ペンタンジオ
ール,ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、
シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビ
スフェノールA,ビスフェノールS等の芳香族グリコー
ル、ジエチレングリコール,ポリエチレングリコールな
どのポリオキシエチレングリコール等を挙げることがで
きる。なお、上記のジカルボン酸成分、およびグリコー
ル成分については、2種以上を併用してもよい。
フィルムを使用する場合には、ナイロン66,ナイロン
610,ナイロン612等のジアミンとジカルボン酸と
の縮重合物、あるいは、ナイロン6,ナイロン11,ナ
イロン12のようなラクタムの開環重合物の何れも利用
することができる。
る印刷層22については、熱硬化性のウレタン系樹脂等
からなるインキが使用されており、その印刷方法として
は、グラビア印刷,フレキソ印刷,オフセット印刷等、
各種の印刷方法を適宜選択可能であるが、色数を豊富に
使って色調豊かで美麗な文字や模様を印刷したい場合に
は、グラビア印刷により印刷層22を形成するのがよ
い。
で熱可塑性樹脂フィルム21の側とは反対側から)から
該印刷層22を覆うように施される接着層23について
は、加熱と加圧により密着し易く、且つ、印刷層22に
使用されるインキとの密着性が良好な熱硬化性樹脂の接
着剤によって形成されるもので、そのような接着剤とし
ては、ポリエステルを主成分とする熱硬化性樹脂があ
り、その他の硬化性樹脂成分としてEB硬化性(電子硬
化性)樹脂を併用することができる。
脂は、従来から公知の多塩基酸と多価アルコールの縮合
物で熱可塑性樹脂であり、数平均分子量7,000〜4
0,000、好ましくは10,000〜30,000の
範囲のものが使用されていて、該ポリエステル樹脂の製
造は、下記の酸成分とアルコール成分とを反応容器中で
200℃〜250℃の温度で縮合重合させることによっ
て行われる。
基酸としては、アジピン酸,スベリン酸,アゼライン
酸,セバチン酸,デカン−1,10−ジカルボン酸など
の脂肪族二塩基酸、へキサヒドロフタル酸,ヘキサヒド
ロトリメリット酸,テトラヒドロフタル酸などの脂環族
多塩基酸、およびその無水物、フタル酸,イソフタル
酸,テレフタル酸,トリメリット酸,ピロメリット酸な
どの芳香族多塩基酸、およびその無水物、その他、マレ
イン酸,フマル酸,イタコン酸等を挙げることができ
る。
アルコールとしては、エチレングリコール,プロピレン
グリコール,ジエチレングリコール,1・2−ブチレン
グリコール,1・6−へキサンジオール,1・4−シク
ロヘキサンジメタノール,ネオペンチルグリコール,ポ
リラクトンジオール等を挙げることができる。
ては、メラミン樹脂,グアナミン樹脂,ウレア樹脂等の
アミノ樹脂、およびフェノール樹脂が使用可能であり、
また、イソシアネート硬化として、トリレンジイソシア
ネート(略称TDI),4・4′ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)等の芳香族イソシアネート、あ
るいは、へキサメチレンジイソシアネート(HMD
I),イソホロンジイソシアネート(IPDI),キシ
レンジイソシアネート(XDI)等の脂肪族イソシアネ
ートを使用することができる。
子硬化性)樹脂については、数平均分子量300〜5,
000、好ましくは1,000〜2,000のポリエス
テル系オリゴマーであり、これらは0.3〜5.0モル
/kg分子、好ましくは1.0〜3.0モル/kg分子
の重合性不飽和二重結合を有するものである。
数平均分子量5,000以下の水酸基含有低分子量ポリ
エステルに(メタ)アクリル酸をエステル結合させたも
のを挙げることができ、該低分子量ポリエステルについ
ては、上記のポリエステル樹脂成分の多塩基酸と多価ア
ルコールを結合して得られるものである。
熱硬化性樹脂(EB硬化を併用する場合有り) に配合さ
れる応力緩和剤としては、シリカ,ベントナイト,クレ
ー,タルク,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなどを挙げ
ることができ、着色(例えば、白色)が必要な場合には
酸化チタンの含有も可能である。
において、透明な熱可塑性樹脂フィルム21の表面に形
成されているトップコート層24については、缶体の缶
胴表面に滑性を与えるために、滑性剤を含有した透明な
熱硬化性樹脂として、エポキシ−アミノ系樹脂,エポキ
シ−メラミン系樹脂,ポリエステル−アミノ系樹脂など
の熱硬化性樹脂に対して、シリコンやワックスなどの滑
性剤を配合させたものが使用されている。
エステル樹脂,アクリル樹脂,エポキシ樹脂等を使用す
ることができ、硬化剤としては、メラミン樹脂等のアミ
ノ樹脂、フェノール樹脂等を使用することができ、さら
に、滑性剤としては、ラノリン,カルナバ,パラフィ
ン,ポリエチレン,PTFE(四フッ化エチレン樹
脂),ポリエーテル変性ジメチルシラン等のシリコン類
およびシリカ等が有効である。
れている各実施形態のホログラム付き缶体について、そ
の製造方法を以下に説明する。
づ、従来から行われている方法により、フォトレジスト
を塗布した乾板にレーザー干渉縞を露光させて、その干
渉の強度に対応した凹凸のレジストを作り、次に、これ
に金属を蒸着し、膜を形成させて導電性をもたせ、その
上にニッケルをメッキしてから、該メッキ層を原版から
剥がすことで、極微細な凹凸形状が精密に写し取られた
エンボスホログラム金型を製造している。
ンボスホログラム金型を、そのまま熱可塑性樹脂製の長
尺フィルムの表面に繰り返して熱プレスしても、該フィ
ルムの表面に極微細な間隔の凹凸によるホログラムが繰
り返し再現された長尺フィルムを得られるが、そのよう
なエンボスホログラム金型そのものによるスタンプ方式
による加工では、加工の速度が上がらない。
れ自体誘導加熱法や内部に加熱流体を流す等の手段で加
熱できる金属ジャケットロールの回転する外周面の一部
又は全面に、エンボスホログラム金型の凹凸形状を型押
し加工して、このエンボスホログラム加工用の金属ジャ
ケットロールを、図3に示すように、長尺の熱可塑性樹
脂フィルムの繰り出しロールと巻き取りロールの間、す
なわち、長尺の熱可塑性樹脂フィルムに印刷層や接着層
を形成するための加工ラインの途中に配備している。
mの厚さの熱可塑性樹脂製の長尺フィルムの表面に対し
て、回転するロールの外周面の少なくとも一部に極微細
な間隔の凹凸によるレリーフ型ホログラムを形成した金
属ジャケットロールにより、レリーフ型ホログラムを繰
り返して形成するようなエンボスホログラム加工を、簡
便にしかも高速で施すと共に、該長尺フィルムのエンボ
スホログラム面でない面(裏面)に対して、印刷層22
および接着層23を形成している。
のについては、図4に示すように、透明な熱硬化性樹脂
塗料によるトップコート塗布の工程を省略して、熱可塑
性樹脂フィルム21の表面に直接レリーフ型ホログラム
21aを形成し、第2実施形態に示した構造のものにつ
いては、図5に示すように、トップコート塗布工程によ
り熱可塑性樹脂フィルム21の表面に透明な熱硬化性樹
脂塗料によるトップコート層24を形成してから、該ト
ップコート層24の表面にレリーフ型ホログラム24a
を形成することとなる。
のを製造する場合には、コイル巻き状態から巻解かれて
繰り出しロールにより繰り出される長尺の熱可塑性樹脂
フィルムに対して、先ず、その表面側に、グラビアロー
ル(表面に極小さな凹部が形成されているロール)によ
り滑性剤を含有している透明な熱硬化性樹脂塗料である
トップコート用樹脂を順次塗布してから加熱乾燥するこ
とにより、該長尺フィルムにトップコート層24を連続
的に繰り返して形成する。
製造する場合には、上記のようなトップコート層24を
形成するための工程については省略されるため、その場
合には、トップコート層24を形成するための塗料およ
び塗装工程の省略による製缶コストの削減を図ることが
できる。
て、凹凸形状のレリーフ型ホログラムを回転する外周面
の少なくとも一部に形成した金属ジャケットロールによ
り、該ロール外周面のレリーフ型ホログラムを、加熱し
ながら長尺フィルムに表面(第1実施形態に示したもの
では熱可塑性樹脂フィルム21の表面、また、第2実施
形態に示したものではトップコート層24の表面)に押
し付けることによって、該長尺フィルムの表面側に、レ
リーフ型ホログラムを繰り返して形成する。
によりフィルム表面に形成されるレリーフ型ホログラム
の凹凸のピッチについては、0.1μmから2μmの範
囲であって、優れたホログラムを得るためには、この凹
凸のピッチを0.3μmから1μmの範囲とすることが
望ましい。また、そのようなエンボスホログラム加工
を、長尺フィルムの表面全面に施すか、あるいは、該フ
ィルムの表面に部分的に繰り返して施すかについては、
任意に選択することができる。
きの長尺フィルムのホログラム面でない面(裏面) に対
して、印刷ローラーにより、グラビア,フレキソ等の印
刷手段を使って、3〜8色の印刷インキによる裏刷り印
刷を順次繰り返して多色印刷を施した後、更に、該印刷
層22をその上から全面的に覆うように、接着剤塗布ロ
ーラーにより、接着剤を塗布して接着層23を連続的に
形成してから、該印刷層22と接着層23とを加熱乾燥
した後、巻き取りロールによって印刷・ホログラム成形
済の長尺フィルムとしてコイル巻きする。
フィルムの表面に部分的に施す場合には、エンボスホロ
グラムの成形箇所と、その裏側面となる印刷図柄との位
置合わせが必要となるが、その場合には、元々印刷時に
は、各色のインキの図柄が所定の位置に印刷されるよう
に位置合わせを行うのであるから、そのような位置合わ
せの操作と同様の操作を行うことにより、エンボスホロ
グラムと印刷図柄との位置合わせも容易に行うことがで
きる。
表面に、所定間隔(一缶の高さ又は円周長さの間隔)毎
に、印刷図柄と位置合わせした所定の位置で、しかも、
極微細な間隔の凹凸によるレリーフ型ホログラムを所定
の広さで形成しておき、この金属ジャケットロールを使
って連続的に走行している長尺の樹脂性フィルム表面に
エンボスホログラムを形成した後、印刷前に、例えば、
長尺樹脂フィルムを水平方向に走行させている間に、エ
ンボスホログラム形成面側のフィルム面に対して、所定
角度でレーザーのスリット光(エンボスホログラムの横
幅よりも充分に長い幅を持つ)を当てる。
角と同角の位置(反射角)にライセンサーカメラ(エン
ボスホログラムの幅よりも充分に長い幅を持つ)を配置
しておき、ライセンサーカメラからの信号を、ライセン
サーカメラよりも前方に配置してある最初の印刷機に送
信すると共に、その印刷機がエンボスホログラムの位置
を検出した信号を受け取ったら、長尺樹脂フィルムのエ
ンボスホログラム箇所が印刷機の所定位置に到達する時
間後にエンボスホログラム対応位置への印刷を開始する
ようにしておく。
印刷時には、ライセンサーカメラからエンボスホログラ
ム検知信号を基にして印刷図柄の位置合わせをして、所
定の印刷図柄がホログラム形成箇所の裏面側になるよう
に印刷を施せば、2番目以後の印刷機は、周知・慣用の
手段(例えば、見当マーク又はレジスターマークを使っ
た見当合わせ手段)を使用して最初の印刷機による印刷
図柄にその印刷機の印刷図柄を合わせるように調整する
だけで、エンボスホログラム形成箇所と印刷図柄との位
置合わせは容易に行うことができる。(2番目以後の印
刷機は、それぞれの直前の印刷機の見当マーク等に合わ
せるようにしても良い。)
のスリット光が反射したフィルム面が平滑面の場合に
は、均一な受光信号を出力するが、レーザーのスリット
光が反射したフィルム面が極微細な凹凸が形成されてい
るような粗面であると、その部分だけ受光信号の出力が
低下するので、エンボスホログラム形成箇所の位置が長
尺樹脂フィルムの走行方向だけでなく、幅方向でも検出
できるのである。
柄がホログラム形成箇所に対応する位置にない場合に
は、最初の印刷ではホログラム形成箇所に対応する部分
にはインキが塗布されないが、上記したように、周知の
手段により最初の印刷機による印刷図柄に合わせて2番
目以後の印刷機による(または、2番目以後の印刷機は
それぞれ直前の印刷機の見当マーク等により見当合わせ
をして)各色の印刷を続けていくと、長尺樹脂フィルム
にエンボスホログラム形成箇所と位置合わせされた印刷
図柄が印刷されることとなる。
については、印刷部分の長手方向の両側に狭い幅の非印
刷部分を有する1条以上の印刷を施したもの、すなわ
ち、缶詰内容物等を表示したラベルに相当する印刷の繰
り返し模様(一つの缶胴の高さと同じ長さ毎に同じ模様
の印刷が繰り返される)の連続印刷が、長尺フィルムの
幅方向で、印刷部分が非印刷部分を隔てて複数条(複数
個の缶体分の印刷)となるように施されているものであ
る。(トップコート層24についても、印刷層22と同
様に、塗装部分が未塗装部分を隔てて複数条となるよう
に施される。)
いては、必ずしも複数条となるようにしなければならな
いことはないが、複数条となるように印刷した方が、一
条ずつ印刷する場合と比べて、印刷効率が高く、また、
印刷済みのフィルムを金属板に貼着する場合の生産効率
が高いことによって、製缶コストを低く抑えることがで
きる。
定するものではないが、グラビア印刷を施す場合には、
一連の作業で印刷塗装ができることからグラビア方式が
望ましい。
ラム付きの缶体貼着用印刷フィルムを用いて溶接缶胴の
ような側面継目部を有する3ピース缶の印刷フィルム貼
着缶体を製造する場合には、従来から行われている印刷
済みフィルム貼着方法(特開平4−91949号公報、
特開平5−147181号公報参照)と同様の方法によ
り、コイル巻きされた複数個分の缶胴円周長さよりも少
し長い幅を有する長尺(帯状)の極薄錫メッキ鋼板(ブ
リキ又はニッケルメツキ鋼板でも良い)とコイル巻きさ
れた印刷およびエンボスホログラム形成済みの長尺フィ
ルムとをそれぞれ解きながら走行させ、走行途中で長尺
極薄錫メッキ鋼板を加熱し、両者を貼着するために両者
を重ね合わせて加圧する一対の加圧ロールの直前の位置
で、印刷・ホログラム形成済みフィルムの非印刷部分を
切断除去してから、該メッキ鋼板と該印刷・ホログラム
形成済みのフィルムとを、接着層が該メッキ鋼板と接触
するように重ね合わせ、一対の加圧ロールにより両者を
加圧することにより、高速且つ連続的に3ピース缶胴材
料用の印刷・レリーフホログラム加工を施したフィルム
貼着済み帯状極薄錫メッキ鋼板を得ることができる。
0〜300m/分、温度は140℃〜200℃、加圧ロ
ールによる圧力は線圧として250〜750N/cmに
まで上げられるが、好ましい条件として、速度について
は、生産性を上げることから、200m/分以上とする
のが効果的であり、また、貼り合わせ温度については、
接着剤の熱融着温度や溶融粘度にもよるが、エンボスホ
ログラム面を保護するという観点から、150〜170
℃とするのが好ましく、また、圧力については、接着性
に対してはより高い方が有効であるが、寸法の安定性を
考慮すると、特に予め印刷を施してあるフィルムを貼り
合わせる場合には制御が難しくなることから、500N
/cm前後が好適である。
を隔てて複数条となるように施されている缶体貼着用の
長尺フィルムは、帯状の極薄錫メッキ鋼板に貼着する直
前に、非印刷部分が切断除去されてから、複数条の印刷
部分が狭い間隔を隔てて帯状の極薄錫メッキ鋼板に貼着
されることとなる。
成印刷フィルムが貼着される帯状の3ピース缶胴用メッ
キ鋼板については、該フィルムの貼着面とは反対側の面
に対して、予め、メッキ鋼板の長手方向に延びる複数条
の塗装が、インナーコート(内面塗膜)として施されて
いるか、あるいは、該フィルムとメッキ鋼板との貼着工
程と同時又はその前後に、インナーコートとなる熱可塑
性合成樹脂のフィルムが、複数条貼着されることとな
る。
グラム付き印刷フィルム貼着済みの3ピース缶胴用帯状
極薄錫メッキ鋼板は、先ず、一缶分の缶胴の大きさに切
断され(通常、缶胴用ブランクと言う。)、次に、それ
ぞれ缶胴成形機に掛けられて円筒状に成形された後、溶
接機により重合部をシーム溶接されて缶胴となり、その
後、ネックイン加工機およびフランジング装置により缶
胴両端部にネックイン加工とフランジ加工を施された
後、缶胴は缶蓋巻締装置に送られてその一端部に底蓋を
巻締められることで、ホログラム付きの3ピース印刷缶
胴を持つ缶体となって、この缶体が缶詰製造工場に送ら
れ、この缶体に慣用法により内容物が充填され、開口部
が缶蓋で密封され、内容物によっては更に加熱殺菌処理
を施された後に缶詰となる。
られるエンボスホログラム付きの缶体貼着用印刷フィル
ムについては、上記のような3ピース缶についてだけで
なく、アルミニウム合金板や表面処理鋼板等の金属円板
を材料として、絞りしごき加工により側面継目部のない
円筒状の缶胴と缶底とを一体的に成形した2ピース缶に
対しても、また、インパクト加工や絞り再絞り加工(再
絞り加工時にストレッチ加工をするものを含む)により
側面継目部のない円筒状の缶胴と缶底とを一体的に成形
した2ピース缶に対しても、使用可能なものである。
すると、上記のようなエンボスホログラム付きの缶体貼
着用印刷フィルムにより、側面継目部のない2ピース缶
の印刷フィルム貼着缶体を製造する場合には、特開昭5
2−24798号公報,特開昭52−24790号公
報,特開平4−57747号公報等に開示されている方
法、すなわち、コイル巻きされたエンボスホログラム付
きで印刷済みの長尺フィルムを解きながら走行させ、そ
の横幅(印刷された文字や装飾模様の縦横から見て横と
なる方向の長さ)が缶体の缶胴周長よりもやや長くなる
ように、連続的に一缶分毎の印刷フィルムシートとして
切断することによって、缶体に貼着される大きさの多数
の印刷フィルムシートを連続的に印刷フィルム貼着装置
に対して提供する。
する印刷フィルムシートは、缶胴の周囲に巻き付けた際
に両端部が突き合わせ状態になっていても良いが、缶胴
に巻き付けた際に両端部が重なり合うようになっている
方が缶胴の保護(印刷フィルムの多少の切断誤差があっ
ても、貼着された際に缶胴の全周が完全に印刷フィルム
で覆われているようにする。)という観点からは好まし
い。
重なり合うようにする場合には、エンボスホログラム付
きの缶体貼着印刷フィルムは、印刷層は長手方向および
幅方向ともに連続印刷(非印刷部分がない。接着層も同
様。)でも良いが、缶胴で重ね合わされる両端部になる
部分(特に重ね合わされる際に下側となる側)は、トッ
プコート層を施してない方が接着力の観点から望まし
い。
刷フィルムシートが提供された印刷フィルム貼着装置で
は、成形加工後に加熱されながら連続的に送られてくる
側面継目部のない有底円筒状の2ピース缶体に対して、
連続的に供給されたそれぞれのフィルムシートを、加熱
されたそれぞれの缶体の円筒状の缶胴に、接着層23に
より貼付して仮接着し、更に、接着層23が固化する前
にロールで押圧することにより本接着して、有底円筒状
のフィルム貼着缶体としてから、内面塗装やネックイン
加工及びフランジ加工等のその後の加工工程に送り出す
こととなる。
ラム付き缶体の製造方法によれば、従来のフィルム貼着
缶体における貼着用印刷フィルムの製造工程、すなわ
ち、熱可塑性樹脂製の長尺フィルムに印刷層や接着層を
連続的に形成する工程において、簡便にしかも高速でエ
ンボスホログラム加工を施すことができ、そのようにエ
ンボスホログラム加工が施された缶体貼着用印刷フィル
ムを、周知の印刷フィルム貼着缶体の製造の場合と同様
の工程により缶胴部分に貼着するだけで、ホログラム付
き印刷缶体を簡単に得ることができる。
金属表面にレリーフ型ホログラムを形成することなく、
該缶体の金属板11(又は缶体製造用金属板)に貼着さ
れる樹脂製の缶体貼着用印刷フィルム12の表面に対し
て、該缶体貼着用印刷フィルム12の製造工程でレリー
フ型ホログラムを形成しているため、缶体1に対するレ
リーフ型ホログラムの付与が容易であり、またホログラ
ム形成面が樹脂製であるために金属面のように保護塗装
をする必要がなく、しかも、ホログラムを部分的に形成
する場合であっても、印刷図柄との位置合わせは、フィ
ルム印刷時またはホログラム形成時に行えるので、個々
の缶体上で行う場合に比べて非常に容易且つ能率的であ
り、ホログラムを付与するために作業能率が大幅に低下
することはない。
トを用いて熱転写するようなことなく、従来の印刷フィ
ルム貼着缶体1を構成する樹脂製の缶体貼着用印刷フィ
ルム12の表面にエンボスホログラム加工を施している
ため、別途に転写シートを製造したり、缶体の缶胴部分
にベースコート層を形成したり、ホログラムを施す位置
と印刷図柄との位置合わせを一缶毎に行う必要もなく、
製造工程が大幅に増えて生産性が低下するようなことも
ない。
体の製造方法を採用することによって、缶の金属面に直
接レリーフ型ホログラムを形成する方法や転写シートを
使用してレリーフ型ホログラムを缶胴表面に形成するも
のに比べて、製缶コストを低減させることができる。
た本実施形態のホログラム付き缶体については、樹脂製
フィルム12の裏面に形成された印刷層22による色彩
や模様の上に、樹脂製フィルム12の表面に形成された
虹色に光るホログラム21a(あるいは24a)が重ね
られているため、単に印刷図柄のない部分にホログラム
を形成したものに比べると、缶体の同じ部分を見ても、
見る人の位置により、ホログラムによる虹色が見えた
り、印刷図柄が見えたりすることで、見る人に対して強
い印象を与えることができる。
ラムを形成した部分の裏側の印刷インキの色が、濃い赤
色,濃い茶色,濃い緑色,黒い色(墨色)のように、明
度が比較的低い場合にホログラム効果が高いこと、ま
た、樹脂フィルムの裏面側に4色以下の色数で印刷をす
る場合であっても、これら明度が比較的低い色のベタ印
刷部分の上側に相当する樹脂フィルムの表面側にホログ
ラムを形成すると、できた缶体のホログラムによる装飾
効果はより高いものとなること等が判った。
は、印刷層(通常の印刷層は5μm以下)が、該印刷層
よりもかなり厚い樹脂フィルム(10μm以上)の裏面
側にあり、且つ、ホログラム層が樹脂フィルムの表面側
にあることによって、深みのある立体的な装飾層とな
り、それによってより一層高級感が出るため、たとえ印
刷層22の色数を減らしたとしても高級感が失われるこ
とはない。
る多色オフセット印刷、および缶体貼着用樹脂フィルム
に対する多色グラビア印刷では、重ね刷りが可能なの
で、インキの色数は3原色だけ又はそれに墨色を加えた
4色で殆どの印刷が可能なはずであるが、装飾印刷の豪
華さや高級感を出すために、それよりも多い6色から8
色の色を使った印刷が行われており、また、ドライオフ
セット印刷法により缶体に対して直接多色印刷をする2
ピース缶でも、最近は7色や8色のインキを使った印刷
が増えている。
き缶体は、上記のように、樹脂フィルムの裏面に形成さ
れた印刷層による装飾効果に加えて、樹脂フィルムの表
面に形成された見る角度によって虹色に光るホログラム
の装飾効果を有するので、たとえ4色あるいはそれ以下
の色数を使って印刷したとしても、印刷効果にホログラ
ムによる装飾効果が加わることで、豪華さや高級感があ
り、この缶体に内容物が充填され、缶蓋により密封され
てできた缶詰が店頭に陳列された際に、消費者に対する
アピール度が高くなる。
ができるということは、印刷する際に使用するインキの
数が少なくて良いということであり、その結果、印刷の
型替えに要する時間が短くなり(版の数はインキの数と
同じであるため)、また、印刷前の各色の版の印刷図柄
の見当合わせに要する時間も短くなるので、印刷の準備
時間が大幅に短縮化できる(印刷作業効率が向上する)
という利点につながるものである。
は、缶胴の表面を覆う樹脂製の缶体貼着用印刷フィルム
12の表面の全面または大部分に、エンボスホログラム
加工による極微細な間隔の凹凸が形成されているように
することで、該缶胴表面に接触する部材との接触面積が
小さくなっていて、それにより、樹脂製の缶体貼着用印
刷フィルム12を貼着した缶胴表面の摩擦抵抗が小さな
ものとなって、缶胴部分の表面の滑性が良好なものとな
っている。
熱可塑性樹脂フィルム21の表面に滑性剤を含有したト
ップコート層を設けることを省略したり、あるいは、第
2実施形態に示したようにトップコート層24を形成す
る場合には、その中に含有させる滑性剤を減らしたとし
ても、製缶ラインおよび缶詰製造ラインの搬送経路にお
いて、缶体の缶胴と接触する部材との接触面積が小さく
なることで摩擦抵抗が小さくなるため、該搬送経路での
缶体および缶詰搬送時の滑性が良好なものとなる。
付き缶体によれば、印刷層による色彩や模様の上に見る
角度によって虹色に光るホログラムが重ねて付与される
ため、装飾効果が高く高級感が得られ、特に、印刷層よ
りもかなり厚い樹脂フィルムの裏面側に印刷層が存在
し、該フィルムの表面側にホログラム形成層が存在する
ことで、金属面の特定箇所にホログラムを形成し他の箇
所に印刷を施したような従来例の缶体と比べて、装飾層
がより厚くなって深みのある装飾効果を得ることができ
る。
ることで、印刷層の色数が少なくても高級感を出しこと
ができるため、印刷層の色数を少なくすることにより印
刷作業の能率を向上させることができる。
の全面または大部分に形成すれば、樹脂製フィルム表面
のトップコート層に含有させる滑性剤を減らしたり、更
には、滑性剤を含有したトップコート層を省略したりし
ても、樹脂製フィルムで覆われた缶胴表面の滑性を良好
にすることができ、それによって、製缶作業時や缶詰製
造作業時の搬送中に缶体あるいは缶詰が詰まったりする
ようなトラブルを解消することが可能となる。
造するための本発明の製造方法によれば、製造工程を増
やしたり、作業能率を大幅に低下させるようなことな
く、金属製缶体の缶胴部分に対して、レリーフ型ホログ
ラムを、簡便に能率よく、しかも、良好な状態で形成す
ることができる。
1実施形態)について、(A)フィルムが貼着された缶
体の缶胴部分の一部を示す横断面図,および(B)該缶
胴横断面の部分拡大図。
(第2実施形態)について、図1(B)に対応する部分
拡大断面図。
て要部となる缶体貼着用フィルムの製造工程を示す概略
説明図。
体について、図3に示したような製造工程の各段階にお
ける樹脂製フィルムの状態を示す断面説明図。
体について、図3に示したような製造工程の各段階にお
ける樹脂製フィルムの状態を示す断面説明図。
角と同角の位置(反射角)にラインセンサーカメラ(エ
ンボスホログラムの幅よりも充分に長い幅を持つ)を配
置しておき、ラインセンサーカメラからの信号を、ライ
ンセンサーカメラよりも前方に配置してある最初の印刷
機に送信すると共に、その印刷機がエンボスホログラム
の位置を検出した信号を受け取ったら、長尺樹脂フィル
ムのエンボスホログラム箇所が印刷機の所定位置に到達
する時間後にエンボスホログラム対応位置への印刷を開
始するようにしておく。
印刷時には、ラインセンサーカメラからエンボスホログ
ラム検知信号を基にして印刷図柄の位置合わせをして、
所定の印刷図柄がホログラム形成箇所の裏面側になるよ
うに印刷を施せば、2番目以後の印刷機は、周知・慣用
の手段(例えば、見当マーク又はレジスターマークを使
った見当合わせ手段)を使用して最初の印刷機による印
刷図柄にその印刷機の印刷図柄を合わせるように調整す
るだけで、エンボスホログラム形成箇所と印刷図柄との
位置合わせは容易に行うことができる。(2番目以後の
印刷機は、それぞれの直前の印刷機の見当マーク等に合
わせるようにしても良い。)
ーのスリット光が反射したフィルム面が平滑面の場合に
は、均一な受光信号を出力するが、レーザーのスリット
光が反射したフィルム面が極微細な凹凸が形成されてい
るような粗面であると、その部分だけ受光信号の出力が
低下するので、エンボスホログラム形成箇所の位置が長
尺樹脂フィルムの走行方向だけでなく、幅方向でも検出
できるのである。
Claims (6)
- 【請求項1】 一方の側の表面に印刷層を施した透明な
熱可塑性樹脂フィルムが、該印刷層を覆うように施され
た接着層を介して、缶胴の外周面に熱接着により貼着さ
れているフィルム貼着缶体において、該印刷層が施され
ている側とは反対側の熱可塑性樹脂フィルムの表面に対
して、部分的あるいは全面的に、極微細な間隔の凹凸に
よるレリーフ型ホログラムが形成されていることを特徴
とするホログラム付き缶体。 - 【請求項2】 一方の側の表面に印刷層を施すと共に、
他方の側の表面に滑性剤を含有する透明な熱硬化性樹脂
のトップコート層を施した透明な熱可塑性樹脂フィルム
が、該印刷層を覆うように施された接着層を介して、缶
胴の外周面に熱接着により貼着されているフィルム貼着
缶体において、該トップコート層の表面に対して、部分
的あるいは全面的に、極微細な間隔の凹凸によるレリー
フ型ホログラムが形成されていることを特徴とするホロ
グラム付き缶体。 - 【請求項3】 長尺の透明な熱可塑性樹脂フィルムの一
方の側の表面に印刷インキによる印刷層と接着剤による
接着層とを順次施して缶体貼着用印刷フィルムを形成す
る工程と、該缶体貼着用印刷フィルムをその接着層を介
して長尺の缶胴用金属板に加熱接着する工程と、缶体貼
着用印刷フィルムを貼着した該缶胴用金属板を切断して
一缶分の大きさの缶胴用ブランクに切断する工程と、該
缶胴用ブランクを缶胴成形機により丸めて両端部を重ね
合わせる缶胴成形工程と、該缶胴の重ね合わせ部を接合
する接合工程とを備えた、側面継目部を有する缶体の製
造方法において、前記の缶体貼着用印刷フィルムを形成
する工程で、熱可塑性樹脂フィルムの印刷層形成側とは
反対側の表面に対して、極微細な間隔の凹凸によるレリ
ーフ型ホログラムが円筒状の表面の少なくとも一部に形
成されたロール式のホログラムスタンパーを圧接させる
ことにより、該熱可塑性樹脂フィルムの表面にレリーフ
型ホログラムを形成することを特徴とするホログラム付
き缶体の製造方法。 - 【請求項4】 長尺の透明な熱可塑性樹脂フィルムの一
方の側の表面に印刷インキによる印刷層と接着剤による
接着層とを順次施して缶体貼着用印刷フィルムを形成す
る工程と、該缶体貼着用印刷フィルムを切断して一缶分
の大きさにする工程と、缶体製造用金属板から側面継目
部のない缶体を製造する工程と、該側面継目部のない缶
体を加熱した後、一缶分の缶体貼着用印刷フィルムを、
その接着層が缶体と接触するように該缶体の胴部に巻き
付けて圧力を加えることにより、該フィルムを缶体の胴
部に貼着する工程とを備えた、側面継目部のない缶体の
製造方法において、前記の缶体貼着用印刷フィルムを形
成する工程で、熱可塑性樹脂フィルムの印刷層形成側と
は反対側の表面に対して、極微細な間隔の凹凸によるレ
リーフ型ホログラムが円筒状の表面の少なくとも一部に
形成されたロール式のホログラムスタンパーを圧接させ
ることにより、該熱可塑性樹脂フィルムの表面にレリー
フ型ホログラムを形成することを特徴とするホログラム
付き缶体の製造方法。 - 【請求項5】 透明な熱可塑性樹脂フィルムのレリーフ
型ホログラムを形成する側の表面に、予め、滑性剤を含
有する透明な熱硬化性樹脂塗料を塗布し乾燥させること
で、トップコート層を形成しておくことを特徴とする請
求項3又は4に記載のホログラム付き缶体の製造方法。 - 【請求項6】 透明な熱可塑性樹脂フィルムへの印刷
が、長尺の該フィルムの長手方向に延びる繰り返し模様
の連続印刷であって、この連続印刷部分の両側に狭い幅
の非印刷部分を設けると共に、該連続印刷部分を、非印
刷部分を隔てて複数条設けることを特徴とする請求項3
乃至5に記載のホログラム付き缶体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15289697A JP3821328B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホログラム付き缶体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15289697A JP3821328B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホログラム付き缶体の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10329831A true JPH10329831A (ja) | 1998-12-15 |
JP3821328B2 JP3821328B2 (ja) | 2006-09-13 |
Family
ID=15550507
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15289697A Expired - Fee Related JP3821328B2 (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | ホログラム付き缶体の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3821328B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004359344A (ja) * | 2003-05-14 | 2004-12-24 | Toyo Seikan Kaisha Ltd | プラスチック包装体及びその加飾方法 |
JP2006039013A (ja) * | 2004-07-23 | 2006-02-09 | Fuji Seal International Inc | 缶貼り付け用印刷フィルム |
JP2008151816A (ja) * | 2006-12-14 | 2008-07-03 | Showa Aluminum Kan Kk | ホログラム付缶およびその製造方法 |
JP2012108520A (ja) * | 2011-12-16 | 2012-06-07 | Showa Aluminum Kan Kk | ホログラム付缶 |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP15289697A patent/JP3821328B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP4539129B2 (ja) * | 2003-05-14 | 2010-09-08 | 東洋製罐株式会社 | プラスチック包装体及びその加飾方法 |
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JP3821328B2 (ja) | 2006-09-13 |
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