JPH10328937A - ワイヤ放電加工方法およびワイヤ放電加工装置 - Google Patents

ワイヤ放電加工方法およびワイヤ放電加工装置

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JPH10328937A
JPH10328937A JP13684197A JP13684197A JPH10328937A JP H10328937 A JPH10328937 A JP H10328937A JP 13684197 A JP13684197 A JP 13684197A JP 13684197 A JP13684197 A JP 13684197A JP H10328937 A JPH10328937 A JP H10328937A
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JP
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wire
workpiece
machining
electric discharge
wire electric
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JP13684197A
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English (en)
Inventor
Harumi Kinoshita
晴美 木下
Mitsuo Makino
光男 牧野
Katsunori Minami
勝則 南
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】断面形状が凹凸状の被加工物をワイヤ放電加工
する場合でも、ワイヤガイドを移動することなく、加工
速度を落とさずに、しかも高い加工精度を得るワイヤ放
電加工方法およびワイヤ放電加工装置を提供する。 【解決手段】複数のワイヤガイド1a,1b間に亘って
ワイヤ電極Wを張設するとともに、加工液中にワイヤ電
極を被加工物Bに対向して配置し、ワイヤガイドから所
定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加工物
間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断する
ワイヤ放電加工方法において、ワイヤガイドに対向する
面が凹凸状に変化する被加工物Bに対するワイヤ放電加
工として、被加工物に対向する面が被加工物の凹凸状面
と同一形状の凹凸状面を有し、ワイヤガイドに対向する
面が平坦面に形成されるガイドブロックGを用意し、互
いの凹凸状面を密着させてから加工をなす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワイヤ放電加工方
法およびワイヤ放電加工装置に係り、特に加工液の処理
に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工装置は、被加工物を支持
するテーブルと、加工液を貯溜するとともに、上記被加
工物と加工テーブルを加工液に浸漬する加工槽と、被加
工物に対してワイヤ電極を走行し、かつ張力を与えるワ
イヤ駆動機構を備えている。
【0003】被加工物を挟んでワイヤガイドが配置さ
れ、これらワイヤガイド相互に上記ワイヤ電極が張設さ
れる。ワイヤガイドには、上記ワイヤ電極に電流を流す
接点となる給電端子と、加工液を放電箇所に吐出する加
工液供給路およびノズルが設けられる。
【0004】ワイヤガイドに導かれる加工液は、加工液
タンクとの間に接続される加工液循環経路に沿って循環
され、ここで清浄化と冷却も行なわれる。この加工液循
環経路は、たとえば、加工液圧力を10〜25kgf/cm
2 、加工液流量を0〜15×103 cc/min に調整でき
る機構を備えている。
【0005】このようにして構成されるワイヤ放電加工
装置において、加工電源を介して金属材である被加工物
とワイヤ電極の間で電気的な絶縁破壊により、放電電流
で被加工物を溶解することにより切断がなされる。
【0006】上記加工電源は、通常はNC装置に備えら
れていて、ここで加工軌跡が入力され、加工位置に制御
および加工状態によって自動的に加工の進行が制御され
るようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図10に示すように、
上記被加工物Aは、断面矩形状のものが普通であり、図
の上下面に所定間隔を存してワイヤガイド1a,1bが
配置される。これらワイヤガイド1a,1bに亘ってワ
イヤ電極Wが張設され、ワイヤ電極Wおよび被加工物A
に電圧が印加される。
【0008】そして、ワイヤガイド1a,1bを介して
ワイヤ電極Wが走行される方向(垂直方向)とは直交す
る方向(水平方向)に被加工物Aが送られ、上述のごと
きワイヤ放電加工がなされる。
【0009】このようなワイヤ放電加工の開始から加工
完了まで、各ワイヤガイド1a,1bは被加工物Aの上
下面との間隔を変更することなく、被加工物Aに対する
位置を固定保持している。
【0010】ところが、図11に示すように、たとえば
特殊な被加工物Bとして、図の下面側は平坦面であるけ
れども、上面側は連続する凹凸状に形成されるものがあ
る。このような特殊被加工物Bに対するワイヤ放電加工
においても、上述のように互いのワイヤガイド1a,1
bの位置を固定すると、上部側ワイヤガイド1aと被加
工物B上面との距離が極端に長くなる部位が存在する。
【0011】図14に示すように、ワイヤ放電加工では
基本的に、加工速度に対する被加工物とワイヤガイド先
端との距離の相対関係がある。具体的には、被加工物と
ワイヤガイド先端との距離を0.1mm程度に短くする
と、ワイヤ放電加工された加工溝中に速い流速で加工液
を供給でき、加工によって発生した加工くずは効率よく
排出され、加工くずの滞りによる異常放電の発生を抑制
でき、ワイヤ断線事故が防止される。すなわち、被加工
物とワイヤガイドとの距離を短く設定することで、加工
効率が向上する。
【0012】再び図11に示すように、特殊形状の被加
工物Bを加工する場合、ワイヤガイド1a,1bの位置
を固定とすると、被加工物Bとの距離の存在によってワ
イヤガイド1aから吐出された加工液が拡散して流速が
低下してしまう。
【0013】そして、加工によって形成される加工溝中
に供給された加工液も、ワイヤガイド1aの加工液供給
口から被加工物Bの中央部に流れるにしたがって流速が
低下し、その結果、加工くずの滞留による異常放電が発
生してワイヤ断線が生じ易くなる。
【0014】そこで近時、図12に示すように、特殊形
状被加工物Bの平坦面である下面Bbと対向する下部側
ワイヤガイド1bの位置は固定であるけれども、凹凸状
に形成される上面Baと対向する上部側ワイヤガイド1
1 を昇降自在に駆動して、常に被加工物上面Baと所
定間隔を存するようにしたものが提案されている。
【0015】このような構成では、先に述べた不具合の
発生がなく、高い加工精度と加工速度を保持できること
となる。しかしながら、一方のワイヤガイド1a1 を昇
降駆動するためには、専用の昇降駆動機構を備えなけれ
ばならず、その制御が必要であり、コストに悪影響を与
えるとともに、配置スペースがかさんで装置の大型化が
避けられない。
【0016】また、図13に示すように、さらに特殊な
被加工物Cとして、ワイヤガイド1aが入り込めないよ
うな狭い幅の切り込み溝dが形成される場合もある。こ
のような特殊被加工物Cに対して昇降自在なワイヤガイ
ド1a1 を備えていても、このワイヤガイド1a1 は切
り込み溝d底部まで下降できないことから、被加工物C
との距離を縮めることができず、加工効率が低下する。
【0017】一方、被加工物の断面形状に関わらず、高
能率のワイヤ放電加工を行うには、上記ワイヤガイドか
らの加工液の吐出圧力を高くすると、より効果があるこ
とが知られている。
【0018】ただし、加工液吐出圧力をより高くして
も、ワイヤ電極Wの張力をそのまま保持すれば、張力が
不足して振れが発生する。その状態で放電加工すると、
被加工物に形成される加工幅が太くなって加工精度が低
下するばかりでなく、加工速度が遅くなって加工効率が
大幅に低下する。
【0019】そのため、ワイヤ張力を上げる必要がある
が、ワイヤ張力が高過ぎてしまうと、給電端子が破壊さ
れたり、過負荷によるワイヤ断線事故が発生し易い。す
なわち、一度で最適のワイヤ張力を設定することは困難
であり、試行錯誤的にワイヤ張力を何度も調整し直さな
ければならず、手間がかかって非常に面倒なものであっ
た。
【0020】さらにまた、どのような形態の被加工物に
関わらず、放電加工にともなって生成される加工くずを
被加工物から速やかに排出することは、加工速度を速め
る上で非常に重要である。
【0021】たとえば、厚さが300mmを超える厚肉型
の被加工物をワイヤ放電加工する場合は、特に被加工物
の中央部分で加工くずが滞り易く、そのため加工速度が
遅くなって加工精度に悪影響を与えている。
【0022】本発明は、上記の事情を考慮してなされた
ものであり、第1の目的とするところは、断面形状が凹
凸状の被加工物をワイヤ放電加工する場合でも、ワイヤ
ガイドをワイヤの走行方向に移動することなく、加工速
度を落とさずに、しかも高い加工精度を得るワイヤ放電
加工方法を提供しようとするものである。
【0023】第2の目的とするところは、ワイヤガイド
が入り込めないような切り込み溝を有する被加工物に対
しても、確実にワイヤ放電加工ができ、加工効率を向上
させたワイヤ放電加工装置を提供しようとするものであ
る。
【0024】第3の目的とするところは、ワイヤ電極に
対する張力を最適に保持して、高い加工精度を得るワイ
ヤ放電加工装置を提供しようとするものである。第4の
目的とするところは、放電加工にともなって生成される
加工くずを効率よく被加工物から排出して、加工速度を
速め、高い加工精度を得るワイヤ放電加工装置および放
電加工方法を提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を満足す
るため本発明のワイヤ放電加工方法は、請求項1とし
て、ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出させなが
らワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放電させ、
被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工方法において、
上記ワイヤガイドに対向する面が凹凸状に変化する被加
工物に対するワイヤ放電加工として、上記被加工物に対
向する面が上記被加工物の凹凸状面と同一形状の凹凸状
面を有し、上記ワイヤガイドに対向する面が平坦面に形
成されるガイドブロックを用意し、互いの凹凸状面を密
着させてから加工することを特徴とする。
【0026】上記第1の目的を満足するため本発明のワ
イヤ放電加工方法は、請求項2として、ワイヤガイドか
ら所定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加
工物間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断
するワイヤ放電加工方法において、上記ワイヤガイドが
挿入できない狭い幅の切り込み溝を有する被加工物に対
するワイヤ放電加工として、上記切り込み溝に、上記ワ
イヤ電極が有する張力によって切断可能な素材を充填し
てから加工することを特徴とする。
【0027】上記第2の目的を満足するため本発明のワ
イヤ放電加工装置は、請求項3として、ワイヤガイドか
ら所定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加
工物間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断
するワイヤ放電加工装置において、上記ワイヤガイド
は、その先端部に上記加工液を吐出させる伸縮自在なノ
ズルが取着されることを特徴とする。
【0028】上記第3の目的を満足するため本発明のワ
イヤ放電加工装置は、請求項4として、ワイヤガイドか
ら所定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加
工物間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断
するワイヤ放電加工装置において、ワイヤ電極を送ると
ともに、張力を与えるワイヤ駆動手段と、このワイヤ駆
動手段に設けられ、歪みを検出する歪み検出手段と、こ
の歪み検出手段からの信号を受けて、上記ワイヤ駆動手
段の張力に変換する演算手段とを具備したことを特徴と
する。
【0029】上記第4の目的を満足するため本発明のワ
イヤ放電加工装置は、請求項5として、ワイヤガイドか
ら所定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加
工物間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断
するワイヤ放電加工装置において、被加工物に形成され
る加工溝に対向して取付けられ、加工液を吸引して加工
くずを排出する吸引手段を具備したことを特徴とする。
【0030】上記第4の目的を満足するため本発明のワ
イヤ放電加工方法は、請求項6として、ワイヤガイドか
ら所定圧力で加工液を吐出させながらワイヤ電極と被加
工物間に電圧を印加して放電させ、被加工物を溶融切断
するワイヤ放電加工方法において、被加工物表面に生じ
る加工くずを吸引除去しながら加工を行うことを特徴と
する。
【0031】以上のごとき課題を解決する手段を採用す
ることにより、請求項1の発明によれば、断面形状が凹
凸状に変化する複雑な形状であっても、ワイヤガイドの
位置を変えることなく固定のままで、加工液の流速を落
とさず、加工速度を上げ、かつ高い加工精度を保持する
ワイヤ放電加工が可能となる。
【0032】請求項2および請求項3の発明によれば、
ワイヤガイド自体が入り込めないような狭い切り込み溝
を有する被加工物に対しても、ワイヤガイドの位置を固
定とすることは勿論、確実にワイヤ放電加工ができ、加
工効率が向上する。
【0033】請求項4の発明によれば、ワイヤ張力を最
適に保持して、高い加工精度が得られる。請求項5およ
び請求項6の発明によれば、放電加工にともなって生成
される加工くずを効率よく被加工物から排出して、高い
加工精度を保持する。
【0034】
【発明の実施の形態】図1にもとづいて、請求項1の発
明を説明する。同図は、ワイヤ放電加工装置の一部を示
す。すなわち、互いにその位置が固定される一対のワイ
ヤガイド1a,1b間に亘ってワイヤ電極Wが張設され
る。上記ワイヤ電極Wは、一般的に、直径が0.05〜
0.3mmのワイヤが多く用いられる。
【0035】ここで、ワイヤ放電加工される被加工物B
は、その下面が平坦面であり、上面が凹凸状に形成され
る特殊形状をなす。このような被加工物Bと上記ワイヤ
電極Wは、10〜5×105 Ω・cm 比抵抗の純水もし
くは、ケロシンである加工液中に浸漬され、かつ互いに
対向して配置される。
【0036】そして、ワイヤガイド1a,1bは10〜
35×103 cc/min の吐出圧力で加工液を吐出する。
この状態でワイヤ電極Wと被加工物B間に電圧を印加し
て放電すると、被加工物Bとワイヤ電極Wの間で絶縁破
壊が発生して、被加工物Bは溶融切断される。
【0037】ここでは、ワイヤ放電加工を開始する前
に、あらかじめ製作しておいた一対のガイドブロックG
を被加工物Bの上面に密着させる。これらガイドブロッ
クGは、たとえば合成ゴム材や合成樹脂材(アクリル樹
脂製が好ましい)から構成されている。
【0038】各ガイドブロックGは、その下面が被加工
物Bの上面である凹凸状に変化する面と同一形状に形成
されている。上面は平坦面となっている。そして、ガイ
ドブロックGの下面を被加工物Bの上面に互いの形状を
合致させた状態で載置し、接着剤を用いたり、別途、図
示しない固定具を用いて、被加工物Bとガイドブロック
Gとを合体させる。
【0039】なお、ガイドブロックG相互は、上記ワイ
ヤ電極Wが挿通可能な間隙mを存し、かつその間隙mは
ワイヤ電極Wが挿通する軌跡上に相当するよう取付けら
れている。結局、被加工物BとガイドブロックGとの合
体物として断面矩形状となり、通常の被加工物と同一形
状をなす。
【0040】このような被加工物BとガイドブロックG
の合体物に対して、上下部側ワイヤガイド1a,1bそ
れぞれの先端との距離は、最適な距離に設定されること
になる。
【0041】ワイヤ放電加工中は、下部側ワイヤガイド
1bは勿論、上部側ワイヤガイド1aもその位置を固定
保持する。そして、被加工物BとガイドブロックGとの
上記合体物はワイヤ電極Wに対して直交する方向に送ら
れる。
【0042】特に、上部側ワイヤガイド1aから吐出さ
れる加工液がガイドブロックGにより、ワイヤ電極Wが
挿通する幅の間隙mのみに広がって、外周方向全体に飛
散することが防止される。
【0043】結局、通常の被加工物に対するワイヤ放電
加工と同等の加工液供給状態が得られ、加工速度が速ま
って加工効率の向上を図れる。図2ないし図4にもとづ
いて、請求項2の発明を説明する。
【0044】すなわち、図2に示すように、深い切り込
み溝dを有する特殊な被加工物Cをワイヤ放電加工する
場合がある。そして、この切り込み溝d中には先に説明
したガイドブロック1aの挿入が困難であり、ここでも
ガイドブロック1aの位置は固定とする。
【0045】このような条件では、図3に示すように、
たとえばスチロール材をエア撹拌して発泡させ、発泡ス
チロール材Hとして供給ノズル2から流量の調整を図っ
た上、上記切り込み溝d中に吐出して充填する。
【0046】上記切り込み溝dに充填された素材である
発泡スチロール材Hは、低密度であって柔らかく、上記
ワイヤ電極Wに設定された張力によって容易に切断され
る特性を有する。
【0047】図4に示すように、切り込み溝d部位にお
いても上部側ワイヤガイド1aと被加工物Cとの距離が
見掛上均一に保持される。したがって、上部側ワイヤガ
イド1aから供給される加工液が拡散することがなく、
加工速度は一定に保持されて加工効率の向上を得られ
る。
【0048】図5および図6にもとづいて、請求項3の
発明を説明する。図5に示すように、伸縮自在なノズル
3を用意する。すなわち、わずかずつ異なる複数の円筒
体3aないし3eを組み合わせる。
【0049】最も直径の太い外筒となる円筒体3aは、
その先端部に掛止部4が設けられ、最も直径の細い内筒
となる円筒体3eは、その基端側に掛合部5が設けられ
る。これら外筒3aと内筒3eとの間に介設される各円
筒体3bないし3dは、それぞれの先端側に掛止部4が
設けられ、かつ基端側に掛合部5が設けられる。
【0050】したがって、図のように、全ての円筒体3
aないし3eの掛止部4と掛合部5とが互いに掛合状態
にあるとき、ノズル3は最も伸張した状態にある。そし
て、必要に応じて円筒体3aないし3eを後退させ軸方
向に沿って重ねることにより、ノズル3の伸張長さを短
縮できる。最もノズル3を短縮した状態にするには、外
筒3a内に全ての円筒体3bないし3eを収納すればよ
い。
【0051】上記内筒3eには、伸縮駆動用ロープ6の
一端部が取付け固定される。このロープ6はノズル3の
内部に沿って延長され、さらにノズル3から突出する部
分にはラック7が設けられている。
【0052】上記ロープ6に設けられるラック7は、所
定位置に配置されるロープ送り車としてのピニオン8に
噛合される。このピニオン8は、駆動モータの回転軸に
嵌着される伝達ギヤ(いずれも図示しない)と密着状態
にあり、駆動モータの回転駆動トルクが伝達ギヤを介し
てピニオン8に摩擦伝達されるようになっている。
【0053】さらに伸縮駆動用ロープ6の端部は、上記
ピニオン8と同軸に配置される回転ドラム9のロープ収
納部内に巻装される。このようにしてノズル伸縮機構1
0が構成される。
【0054】したがって、駆動モータが伝達ギヤとピニ
オン8を図の時計回り方向に回転駆動すると、ロープ6
は回転ドラム9内に引き込まれ、かつノズル3は短縮さ
れる。逆の方向にピニオン8を回転すればノズル3は伸
張する。
【0055】図6(A)に示すように、ワイヤ電極Wを
挿通した上記ノズル3を上部側ワイヤガイド1a先端部
に取付け、かつこの側部にノズル伸縮機構10を取付け
る。そして、加工すべき特殊被加工物Bの断面形状を、
NCプログラムやテンキーによる数値入力等で事前にN
C装置などの制御回路11に入力する。
【0056】上記制御回路11は、入力されたデータに
もとづき、ノズル3が被加工物Bに干渉しないように加
工断面での各位置のノズル3の長さを決定する演算装置
と、計算された長さと位置を上記ズル伸縮機構10に指
令する送信部を有する。
【0057】なお、被加工物の断面形状を入力する方法
として、あらかじめプローブなどで被加工物B断面を1
0mmピッチで接触(3次元測定器方式)し、断面形状の
データを収集してもよい。
【0058】さらに、上部側ワイヤガイド1aに取付け
られたノズル3の先端位置を、被加工物B上面の最も突
出する部位に合わせて配置する。その上で、ワイヤ電極
Wと被加工物Bに電圧を印加して、ワイヤ放電加工をな
す。
【0059】同図(B)に示すように、加工部位が凹部
であれば、その断面形状に合わせてノズル3を伸張し、
ノズル3先端と被加工物B上面との距離を常に所定範囲
内に保持する。
【0060】したがって、このような特殊形状の被加工
物Bであっても、特に凹凸面に対向するワイヤガイド1
aの位置を変更することなく加工が可能であり、かつノ
ズル3先端から供給される加工液が拡散することがな
く、加工速度を速められ、加工精度の向上を得られる。
【0061】つぎに、図7にもとづいて、請求項4の発
明を説明する。上記ワイヤWは、ワイヤ放電加工にとも
なって電極部分の摩耗が進行する。そのまま放置する
と、ついには断線に至るので、常に1〜15m/min 程
度の速度でワイヤWを走行させながら加工が行われる。
【0062】すなわち、ワイヤWは供給ローラに巻装さ
れていて、ここから複数のガイドローラからなる走行系
に沿って掛け渡される。ワイヤの端部には先に説明した
ワイヤガイド1a,1bが挿通され、さらにその先端は
巻き取りローラに巻き取られるようになっている。
【0063】同図は、上記走行系12の一部を示してい
て、複数のガイドローラ13にワイヤWが掛け渡されて
いる。そして、走行系12の中途部には、ワイヤWを所
定のガイドプーリ13に押し付けることによってワイヤ
張力を調整可能としたワイヤブレーキ装置14が設けら
れる。
【0064】このワイヤブレーキ装置14と、ここでは
図示しないワイヤガイドとの間の所定のガイドプーリ1
3は、その周面に絶縁性で、摩擦力の低いたとえばテフ
ロン材やSi34 材からなる外殻13aが設けられ
る。
【0065】上記ガイドプーリ13の支軸15は、その
直径の一部を細くしてあり、ここに歪み検出手段である
歪みゲージ16が取付けられる。すなわち、支軸15を
より歪みが生じ易い状態として、歪みゲージ16の計測
を容易にしている。
【0066】上記歪みゲージ16は、演算回路17を介
して表示部18と、上記ワイヤブレーキ装置14と電気
的に接続される。上記演算回路17は、歪みゲージ16
の測定値信号を増幅するアンプ19と、いわゆるO点補
正をなすキャリブレーション補正回路20と、測定値を
引張り荷重(張力)に変換して、その値を表示部18と
ワイヤブレーキ装置へ14送る送信部21を備えてい
る。
【0067】しかして、高能率加工を行うために、上記
ワイヤガイドでの加工液吐出圧力を高くするとともに、
ワイヤ張力を通常加工時よりも2〜3割増加する。同時
に、ワイヤの振れ、放電集中、給電端子の破壊あるいは
過負荷によるワイヤ断線を防がなければならない。
【0068】上記歪みゲージ16は、支軸15の歪みを
測定して、その測定値信号を演算回路17へ送る。上記
演算回路17では、歪みゲージ16の測定値信号を増幅
してからキャリブレーション補正をなし、測定値から実
際の張力を演算して、その値を表示部18とワイヤブレ
ーキ装置14へ送る。
【0069】作業者は、表示部18に表示されたワイヤ
張力を読み取って、その妥当性を判断する。また、検出
された張力値は、ワイヤブレーキ装置14にフィードバ
ックされ、適正な張力となるよう変更される。
【0070】つぎに、図8および図9にもとづいて、請
求項5および請求項6の発明を説明する。ここでは、特
に肉厚の厚い(たとえば300mm以上)被加工物Dに対
するワイヤ放電加工にともなって生成される加工くずk
を、上記被加工物Dから速やかに排出する手段を示す。
【0071】すなわち、被加工物Dの厚み方向ほぼ中央
部に吸引ノズル22が取付けられる。この吸引ノズル2
2は、一側面に複数のマグネット23が取着され、上記
被加工物D側面に磁気吸着するようになっている。もち
ろん、他の方法で固定されてもよい。
【0072】さらに、吸引ノズル22のマグネット23
取着面には吸引用孔24が開口され、この反対面側に接
続されるホース25に連通される。上記ホース25の他
端部は、吸引用ポンプ26に接続され、さらに廃棄用タ
ンク27に連通される。
【0073】このような厚肉型の被加工物Dであって、
各ワイヤガイド1a,1bからの加工液の供給では加工
くずの排出が困難な場合に、吸引用ポンプ26を駆動し
て加工溝に溜まっている加工くずkを吸引し、廃棄用タ
ンク27に排出する。
【0074】すなわち、加工くずkの排出を強制的に行
なうことにより、加工溝内に加工くずkが滞留すること
がなく、ワイヤ放電加工が円滑に行われて、加工速度が
向上することとなる。
【0075】なお、上記実施の形態において、被加工物
の一面側を凹凸状とし、他面側を平坦面としたが、これ
に限定されるものではなく、両面とも凹凸状の被加工物
も多く存在する。本発明は、このような被加工物に対す
るワイヤ放電加工も可能であることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように請求項1ないし請求
項3の発明によれば、加工面が平坦でない特殊な形状の
被加工物に対する加工効率が向上して、高い加工精度を
得られるという効果を奏する。
【0077】請求項4の発明によれば、ワイヤ張力の適
正化を図ることができ、ワイヤ断線や給電端子の割れな
どの不具合の発生を防止でき、高能率加工を達成するこ
とができるという効果を奏する。
【0078】請求項5および請求項6の発明によれば、
特に厚さの厚い被加工物であっても、放電加工にともな
って生成される加工くずを効率よく吸引して加工溝から
排出することができ、高能率加工を達成することができ
るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態の、ワイヤ放電加工方法を説明す
る図。
【図2】他の実施の形態の、特殊な被加工物を説明する
図。
【図3】同実施の形態の、切り込み溝に充填材を充填す
る図。
【図4】同実施の形態の、ワイヤ放電加工方法を説明す
る図。
【図5】さらに異なる他の実施の形態の、伸縮ノズルの
構成図。
【図6】(A)(B)は、同実施の形態の、ワイヤ放電
加工を説明する図。
【図7】さらに異なる他の実施の形態の、ワイヤに対す
る張力測定を説明する図。
【図8】さらに異なる他の実施の形態の、加工液の吸引
を説明する図。
【図9】同実施の形態の、加工液吸引ノズルの正面図。
【図10】従来の、ワイヤ放電加工を説明する図。
【図11】異なる断面形状の被加工物に対する従来のワ
イヤ放電加工を説明する図。
【図12】さらに異なる従来のワイヤ放電加工を説明す
る図。
【図13】さらに異なる断面形状の被加工物に対するワ
イヤ放電加工を説明する図。
【図14】被加工物とワイヤガイドの距離に対する加工
速度の特性図。
【符号の説明】
1a,1b…ワイヤガイド、 W…ワイヤ電極、 B,C,D…特殊形状の被加工物、 G…ガイドブロック、 d…切り込み溝、 H…充填材、 3…ノズル、 10…ノズル伸縮機構、 17…演算回路、 14…ワイヤブレーキ装置、 22…吸引ノズル。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工方法に
    おいて、 上記ワイヤガイドに対向する面が凹凸状に変化する被加
    工物に対するワイヤ放電加工として、 上記被加工物に対向する面が上記被加工物の凹凸状面と
    同一形状の凹凸状面を有し、上記ワイヤガイドに対向す
    る面が平坦面に形成されるガイドブロックを用意し、互
    いの凹凸状面を密着させてから加工することを特徴とす
    るワイヤ放電加工方法。
  2. 【請求項2】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工方法に
    おいて、 上記ワイヤガイドが挿入できない狭い幅の切り込み溝を
    有する被加工物に対するワイヤ放電加工として、 上記切り込み溝に、上記ワイヤ電極が有する張力によっ
    て切断可能な素材を充填してから加工することを特徴と
    するワイヤ放電加工方法。
  3. 【請求項3】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工装置に
    おいて、 上記ワイヤガイドは、その先端部に上記加工液を吐出さ
    せる伸縮自在なノズルが取着されることを特徴とするワ
    イヤ放電加工装置。
  4. 【請求項4】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工装置に
    おいて、 ワイヤ電極を送るとともに、張力を与えるワイヤ駆動手
    段と、 このワイヤ駆動手段に設けられ、歪みを検出する歪み検
    出手段と、 この歪み検出手段からの信号を受けて、上記ワイヤ駆動
    手段の張力に変換する演算手段と、を具備したことを特
    徴とするワイヤ放電加工装置。
  5. 【請求項5】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工装置に
    おいて、 被加工物に形成される加工溝に対向して取付けられ、加
    工液を吸引して加工くずを排出する吸引手段を具備した
    ことを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  6. 【請求項6】ワイヤガイドから所定圧力で加工液を吐出
    させながらワイヤ電極と被加工物間に電圧を印加して放
    電させ、被加工物を溶融切断するワイヤ放電加工方法に
    おいて、 被加工物表面に生じる加工くずを吸引除去しながら加工
    を行うことを特徴とするワイヤ放電加工方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010046792A (ja) * 2008-07-22 2010-03-04 Yyl:Kk 切断装置と切断方法
EP2898974A2 (en) 2014-01-23 2015-07-29 Fanuc Corporation Processing liquid ejection device of wire electrical discharge machine

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