JP3873460B2 - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【技術分野】
本発明は,ワイヤ電極と被加工物との間にパルス電圧を印加し,両者間にパルス放電を生じさせて溝加工を行う放電加工装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,溝加工に用いられるワイヤ放電加工装置としては,一対のプーリの間に移動ワイヤ電極を直線的に張設するものが知られている。
このワイヤ放電加工装置は,上記一対のプーリを溝の長さ以上の間隔をあけて配置し,その間に移動ワイヤ電極を張設する。そして,上記プーリ間に配設された移動ワイヤ電極に対して,その半径方向から上記被加工物を近づけて,溝を深さ方向に向かって形成する。
なお,上記移動ワイヤ電極は放電によって消耗する。そこで,ワイヤの断線防止のために,放電加工中の移動ワイヤ電極は,その軸方向に走行させて,常に供給,排出させる。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来のワイヤ放電加工装置を用いて,被加工物に溝加工を施す場合には,以下の問題がある。
即ち,加工精度を確保するためには,一対のプーリ間に配設する移動ワイヤ電極に比較的高い張力をかける必要がある。なぜならば,ワイヤの走行や放電の衝撃に伴って移動ワイヤ電極が振動し,溝の幅が拡大し,加工精度が低下するからである。
【0004】
しかし,極めて細い幅の溝を加工する場合には,極細の移動ワイヤ電極を用いなければならない。そのため,断線等の危険性を考慮すると,上記移動ワイヤ電極には上記のごとく高い張力をかけることができない。それ故,加工精度の優れた溝加工を行うことができない。
また,上記移動ワイヤ電極の振動の影響は,加工すべき溝の長さが比較的長い場合,即ち上記プーリ間の距離が離れている場合において,特に上記プーリ間の中央部分において顕著となる。
【0005】
例えば,直径0.1mmの黄銅からなり,最大許容張力が0.8kgf程度である移動ワイヤ電極を用いて,幅0.14mm,深さ2.5mm,長さ100mmの溝加工を行う場合,上記プーリ間の中央部分に位置する移動ワイヤ電極によって形成される加工溝の幅は0.16〜0.18mm程度となってしまい,0.02〜0.04mmの誤差ができてしまう。
【0006】
つまり,加工精度の優れた溝加工を行うために極細の移動ワイヤ電極を用いる場合,溝の長さを比較的長くすると加工精度が低下する。そのため,加工できる溝の長さが制限されてしまうという問題がある。
【0007】
なお,特許第2565683号のごとく,被加工物と,電極案内子及びこれに案内された移動ワイヤ電極との相対位置を3次元的に変化させて,長さ方向に溝を形成していくことができるワイヤ放電加工装置も知られているが,このワイヤ放電加工装置においては,長手方向に対して部分的にしか加工できないため,加工時間が非常に長くなるという問題がある。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,長い溝加工においても,放電圧力や移動ワイヤ電極の走行に伴う振動を防止でき,加工精度の優れたワイヤ放電加工装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,移動ワイヤ電極と被加工物との間に電圧を印加してワイヤ放電加工を行うワイヤ放電加工装置において,
該ワイヤ放電加工装置は,リボン状の電極案内子と,該電極案内子の端面に設けたガイド溝に嵌入された状態で移動する移動ワイヤ電極と,上記電極案内子を保持する保持体とよりなり,
上記保持体は,上記電極案内子の両端をそれぞれ保持するための一対の固定部と該一対の固定部の間の距離を調節する調節部とを有しており,かつ上記電極案内子は長手方向に張設されていることを特徴とするワイヤ放電加工装置にある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,移動ワイヤ電極に沿ってリボン状の電極案内子を配設すると共に,該リボン状の電極案内子を保持体の固定部と調節部とによって長手方向に張設してあることである。
【0011】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明においては,上記電極案内子は上記保持体の一対の固定部に両端を固定され,その状態で上記保持体の調節部により張設されている。そのため,上記電極案内子は高剛体化している。また,これにより,上記電極案内子に設けたガイド溝は,上記電極案内子の長手方向に沿って直線的に形成され,上記ガイド溝の側壁も同様に高剛体化している。
また,移動ワイヤ電極は,その一部が上記電極案内子のガイド溝より露出した状態にある(図4,図5)。
上記高剛体化とは,電極案内子の長手方向に,常に張力が一定以上付加されている状態を示す。
【0012】
これにより,上記電極案内子は,上記移動ワイヤ電極を,そのガイド溝内に確実に嵌入した状態で走行させることができる。そのため,上記移動ワイヤ電極には充分な張力をかけることができない場合においても,上記移動ワイヤ電極は放電圧力やワイヤの走行に伴って振動することなく走行するができる。それ故,極細の移動ワイヤ電極を用いることができ,加工精度の優れた溝加工を行うことができる。
【0013】
また,上記直線状に形成されるガイド溝は,その全長のいずれの部分においても,被加工物に上記移動ワイヤ電極を対面させることができる。そのため,1度に放電加工を施すことができる長さを長く設けることができる。それ故,加工すべき溝の長さが,例えば100mmのように比較的長い場合においても,その溝加工を迅速に行うことができる。
【0014】
上述のごとく,本発明によれば,長い溝加工においても,放電圧力や移動ワイヤ電極の走行に伴う振動を防止でき,加工精度の優れたワイヤ放電加工装置を提供することができる。
【0015】
なお,上記電極案内子を張設する際の張力としては,例えば板厚0.16mm,板幅5mmのステンレス帯鋼では10〜40kgfが好ましい。
10kgf未満の場合には,上記電極案内子を高剛体化できないため,上記移動ワイヤ電極の振動を抑えることが不十分となり,加工精度が低下する。一方,40kgfを超える場合には,上記電極案内子が切断されるおそれがある。
【0016】
次に,請求項2の発明のように,上記電極案内子は,金属製又はセラミックス製であり,その表面は絶縁材がコーティングされていることが好ましい。
この場合には,上記電極案内子の表面は絶縁材がコーティングされているため,上記電極案内子と移動ワイヤ電極とは電気的に絶縁されている。そのため,上記移動ワイヤ電極と被加工物との間でのみ放電を発生させて,溝を形成することができる。それ故,常に移動ワイヤ電極の径と放電ギャップとを合わせた溝幅を確保できるという効果がある。上記絶縁材としては,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等を用いることが好ましい。
【0017】
次に,請求項3の発明のように,上記移動ワイヤ電極を断面円形に,また上記ガイド溝を上記移動ワイヤ電極の外形に沿った弧状凹部にすることができる。
この場合には,加工溝の断面形状を円弧状に加工することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるワイヤ放電加工装置について,図1〜図6を用いて説明する。
【0019】
図1〜図6に示すごとく,本例のワイヤ放電加工装置1は,移動ワイヤ電極2と被加工物7(図6)との間に電圧を印加してワイヤ放電加工を行うものである。
該ワイヤ放電加工装置1は,リボン状の電極案内子3と,該電極案内子3の端面37に設けたガイド溝31に嵌入された状態で移動する移動ワイヤ電極2と,上記電極案内子3を保持する保持体4とよりなる。
上記保持体4は,上記電極案内子3の両端をそれぞれ保持するための一対の固定部41,42と,該一対の固定部41,42の間の距離を調節する調節部43とを有しており,かつ上記電極案内子3は長手方向に張設されている。
【0020】
次に,上記ワイヤ放電加工装置1について,図1,図2を用いて詳細に説明する。
上記ワイヤ放電加工装置1の保持体4は,図1に示すごとく,側面方向から見た場合に上下に突出部分を有する「コの字」状の本体部40を有している。
上記固定部41は,図1,図2に示すごとく,上記本体部40の下方の突出部分に設けられたボルト穴401と,これに螺着する固定用ボルト45,及び両者間に介在するスペーサ46とを有している。
【0021】
また,上記固定部42は,図1〜図3に示すごとく,上記本体部40の上方の突出部分に設けられたスライド用凹部402と,その中空部を上下方向にスライドして,上記一対の固定部41,42の間の距離を調節するためのスライダー47を有している。該スライダー47は,ボルト穴470と,これに螺着する固定用ボルト45,及び両者間に介在するスペーサ46とを有している。また,これらは一体となって,上記スライド用凹部402内に収容されている。
【0022】
なお,上記ボルト穴401,470は,図2,図3に示すごとく,上記保持体4の側面方向に向かって穿設されている。また,移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3のガイド溝31に嵌入するために,上記固定部41は正面が開放されており,上記固定部42はその正面に上記スライド用凹部402に通じる開口部を有している。
【0023】
また,上記調節部43は,図1に示すごとく,上記スライド用凹部402の下方に位置する底板48に設けた貫通穴480と,これに螺合するセットボルト49とを有している。該セットボルト49は上記貫通穴480に下方から螺合されている。上記セットボルト49を上方へ螺合していくと,上記スライダー47は,上記セットボルト49の先端部497によって上方に押し上げられ,上記電極案内子3が張設される。
【0024】
次に,上記電極案内子3は,板厚0.135mm,板幅5mm,長さ120mmのリボン状である。また,上記電極案内子3はステンレス帯鋼からなる金属製であり,その表面はダイヤモンド等からなる絶縁材32がコーティングされている。
【0025】
上記電極案内子3の下端は,図1,図2に示すごとく,上記固定部41の固定用ボルト45によって上記本体部40に固定されている。一方,上記電極案内子3の上端は,図1〜図3に示すごとく,上記固定部42の固定用ボルト45によって上記スライダー47に固定されている。
【0026】
そして,上記電極案内子3は,上記保持体4の調節部43によって,長手方向に35kgfの張力をかけられ,張設されている。
即ち,上記電極案内子3の下端は,上記保持体4の本体部40に固定されている。一方,上記電極案内子3の上端は,上記調節部43のセットボルト49を上方へ螺合していくことによって,上記固定部42のスライダー47を介して上方に引張り上げられている。
【0027】
また,上記ガイド溝31は,図4に示すごとく,上記電極案内子3の端面37に長手方向に向かって設けられている。
また,図4,図5に示すごとく,上記ガイド溝31に嵌入された状態で走行する移動ワイヤ電極2は,直径0.1mmの黄銅からなる極細ワイヤであり,その断面は円形である。また,上記ガイド溝31の断面は,上記移動ワイヤ電極2の外形に沿った弧状凹部である。なお,上記ガイド溝31の深さは0.05mmである。
そのため,上記移動ワイヤ電極2は,図4,図5に示すごとく,その断面の後方部分は上記ガイド溝31内に走行可能に嵌入され,一方,前方部分は放電加工可能に被加工物7の加工面に対向して露出している。
【0028】
次に,上記移動ワイヤ電極2について説明する。
上記移動ワイヤ電極2は放電加工によって消耗する。しかし,加工部における上記移動ワイヤ電極2は,常に一定の直径でなくてはならない。そのため,図4に示すごとく上記移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3の端面37に沿って移動させることによって,加工部に,常に一定の直径を有する移動ワイヤ電極2を供給する。
【0029】
次に,上記ワイヤ放電加工装置1の周辺構成について,図6を用いて説明する。
上記ワイヤ放電加工装置1は,上述のごとく,加工部に上記移動ワイヤ電極2を供給しなければならない。そのために,上記ワイヤ放電加工装置1は,図6に示すごとく,ワイヤ供給用のワイヤリ−ル51,プ−リ52,ワイヤ引っ張りロ−ル53を有する。
【0030】
上記ワイヤリ−ル51には,放電前の移動ワイヤ電極2が巻きつけてある。一方,上記ワイヤ引っ張りロ−ル53には,放電後の移動ワイヤ電極2が巻き取られている。
上記プ−リ52は,上記移動ワイヤ電極2を上記ガイドノズル251,252にスム−ズに導入,出するためのもので,上記ワイヤリ−ル51とガイドノズル251との間と,ガイドノズル252と上記ワイヤ引っ張りロ−ル53との間の2カ所に設けている。
【0031】
また,図6に示すごとく,上記ワイヤ放電加工装置1は,上記電極案内子3における上記移動ワイヤ電極2と被加工物7との相対位置を変えて,溝加工を施すためのX軸方向制御テ−ブル611を有する。また,上記X軸方向制御テ−ブル611を駆動するための駆動電源61を有する。
なお,該X軸方向制御テ−ブル611は,上記被加工物7をX軸方向にスライド移動させ,溝の深さを調整する。
【0032】
また,上記ワイヤ放電加工装置1は,上記移動ワイヤ電極2に電流を供給するための加工電源62と給電子26とを有すると共に,上記駆動電源61と加工電源62とを演算制御して,上記X軸方向制御テ−ブル6を制御するための制御装置63を有する。
【0033】
次に,本例の作用につき説明する。
本例のワイヤ放電加工装置1においては,上記電極案内子3は上記保持体4の一対の固定部41,42に両端を固定され,その状態で上記保持体4の調節部43により張設されている。そのため,上記電極案内子3は高剛体化している。
また,上記電極案内子3が張設されることにより,上記電極案内子3に設けたガイド溝31は,上記電極案内子3の長手方向に沿って直線的に形成される。また,上記ガイド溝31の側壁も同様に高剛体化している。
また,移動ワイヤ電極2は,その断面の前方部分が上記電極案内子3のガイド溝31より露出した状態にある。
【0034】
これにより,上記電極案内子3は,上記移動ワイヤ電極2を,そのガイド溝31内に確実に嵌入した状態で走行させることができる。そのため,上記移動ワイヤ電極2の最大許容張力が0.4kgfと比較的低い場合においても,上記移動ワイヤ電極2は放電圧力やワイヤの走行に伴って振動することなく走行するができる。それ故,直径0.1mmという極細の移動ワイヤ電極2を用いることができ,加工精度の優れた溝加工を行うことができる。
【0035】
即ち,図5に示すごとく,被加工物7に対して,例えば,幅0.14mm,深さ2.5mm,長さ100mmの溝加工を行う場合,上記プーリ間の中央部分に位置する移動ワイヤ電極によって形成される加工溝71は,幅Wが0.145mmとなり,その誤差は0.005mmと小さく,従来と比較して高精度な溝加工が可能となる。
【0036】
また,上記直線状に形成されるガイド溝31は,その全長のいずれの部分においても,被加工物7に上記移動ワイヤ電極2を対面させることができる。そのため,1度に放電加工を施すことができる長さを長く設けることができる。それ故,加工すべき溝の長さが,例えば100mmのように比較的長い場合においても,その溝加工を迅速に行うことができる。
【0037】
また,上記ガイド溝31を構成する側壁においても,その表面は絶縁材32がコーティングされているため,上記移動ワイヤ電極2と電極案内子3とは電気的に絶縁されている。そのため,上記移動ワイヤ電極2と被加工物7との間でのみ放電を発生させて,加工溝71を形成することができる。
【0038】
また,上記加工電源62は,上記電極案内子3に上記移動ワイヤ電極2とは逆極性の電圧を印加する。そのため,静電気力効果により,上記移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3のガイド溝31内に押し付けることができる。それ故,上記移動ワイヤ電極2の振動を確実に防止するができる。
【0039】
また,上記移動ワイヤ電極2は,断面円形であり,また上記ガイド溝31は上記移動ワイヤ電極2の外形に沿った弧状凹部であるため,加工溝71の断面形状を円弧状に加工することができる。
【0040】
実施形態例2
本発明の実施形態例にかかるワイヤ放電加工装置について,図7を用いて説明する。
本例のワイヤ放電加工装置12は,移動ワイヤ電極2が,以下に示すごとく,保持体8によって張設されている。
【0041】
上記保持体8は,本体部80の下方に固定部81を配設し,上方に固定部82を配設している。該固定部81,82は突出した板状体であり,上記電極案内子3のガイド溝31(図4,図5参照)に移動ワイヤ電極2を嵌入するために,それぞれ上記固定部81,82を貫通するガイド穴810,820を有している。
【0042】
また,上記保持体8の本体部80は,上記電極案内子3においてガイド溝31を設けていない方の端面に対向する位置に,上記本体部80の変形用の扇状空隙84を有している。該扇状空隙84は,上記本体部80を左右対称に貫通した形状である。
また,上記保持体8の本体部80は,その側面部に上記電極案内子3への張力を付加するためのボルト83を有している。
【0043】
次に,上記電極案内子3は,上記本体部80の固定部81,82の間に固定された状態で張設されており,上記本体部80と一体的になっている。
また,上記電極案内子3にかけられる張力は,上記ボルト83を締めることにより,上記本体部80に設けた扇状間隙84の幅を狭めて上記本体部80を長手方向に伸ばし,上記固定部81,82の間の距離を広げることによって調節される。
その他は,実施形態例1と同様の構造である。
【0044】
本例では,上記電極案内子3が上記固定部81,82に固定されているため,これらに設けた上記ガイド穴810,820内を走行する上記移動ワイヤ電極2を,スムーズに上記電極案内子3のガイド溝31内に嵌入させて,走行させることができる。
その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の側面図。
【図2】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の正面図。
【図3】図2におけるA方向矢視図。
【図4】実施形態例1における電極案内子,及び移動ワイヤ電極の一部断面斜視図。
【図5】実施形態例1における電極案内子,移動ワイヤ電極,及び被加工物の断面図。
【図6】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の周辺構成の説明図。
【図7】実施形態例2におけるワイヤ放電加工装置の斜視図。
【符号の説明】
1...ワイヤ放電加工装置,
2...移動ワイヤ電極,
3...電極案内子,
31...ガイド溝,
32...絶縁材,
37...端面,
4...保持体,
40...本体部,
41,42...固定部,
43...調節部,
45...固定用ボルト,
47...スライダー,
49...セットボルト,
7...被加工物,
71...加工溝,
【技術分野】
本発明は,ワイヤ電極と被加工物との間にパルス電圧を印加し,両者間にパルス放電を生じさせて溝加工を行う放電加工装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,溝加工に用いられるワイヤ放電加工装置としては,一対のプーリの間に移動ワイヤ電極を直線的に張設するものが知られている。
このワイヤ放電加工装置は,上記一対のプーリを溝の長さ以上の間隔をあけて配置し,その間に移動ワイヤ電極を張設する。そして,上記プーリ間に配設された移動ワイヤ電極に対して,その半径方向から上記被加工物を近づけて,溝を深さ方向に向かって形成する。
なお,上記移動ワイヤ電極は放電によって消耗する。そこで,ワイヤの断線防止のために,放電加工中の移動ワイヤ電極は,その軸方向に走行させて,常に供給,排出させる。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来のワイヤ放電加工装置を用いて,被加工物に溝加工を施す場合には,以下の問題がある。
即ち,加工精度を確保するためには,一対のプーリ間に配設する移動ワイヤ電極に比較的高い張力をかける必要がある。なぜならば,ワイヤの走行や放電の衝撃に伴って移動ワイヤ電極が振動し,溝の幅が拡大し,加工精度が低下するからである。
【0004】
しかし,極めて細い幅の溝を加工する場合には,極細の移動ワイヤ電極を用いなければならない。そのため,断線等の危険性を考慮すると,上記移動ワイヤ電極には上記のごとく高い張力をかけることができない。それ故,加工精度の優れた溝加工を行うことができない。
また,上記移動ワイヤ電極の振動の影響は,加工すべき溝の長さが比較的長い場合,即ち上記プーリ間の距離が離れている場合において,特に上記プーリ間の中央部分において顕著となる。
【0005】
例えば,直径0.1mmの黄銅からなり,最大許容張力が0.8kgf程度である移動ワイヤ電極を用いて,幅0.14mm,深さ2.5mm,長さ100mmの溝加工を行う場合,上記プーリ間の中央部分に位置する移動ワイヤ電極によって形成される加工溝の幅は0.16〜0.18mm程度となってしまい,0.02〜0.04mmの誤差ができてしまう。
【0006】
つまり,加工精度の優れた溝加工を行うために極細の移動ワイヤ電極を用いる場合,溝の長さを比較的長くすると加工精度が低下する。そのため,加工できる溝の長さが制限されてしまうという問題がある。
【0007】
なお,特許第2565683号のごとく,被加工物と,電極案内子及びこれに案内された移動ワイヤ電極との相対位置を3次元的に変化させて,長さ方向に溝を形成していくことができるワイヤ放電加工装置も知られているが,このワイヤ放電加工装置においては,長手方向に対して部分的にしか加工できないため,加工時間が非常に長くなるという問題がある。
【0008】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,長い溝加工においても,放電圧力や移動ワイヤ電極の走行に伴う振動を防止でき,加工精度の優れたワイヤ放電加工装置を提供しようとするものである。
【0009】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,移動ワイヤ電極と被加工物との間に電圧を印加してワイヤ放電加工を行うワイヤ放電加工装置において,
該ワイヤ放電加工装置は,リボン状の電極案内子と,該電極案内子の端面に設けたガイド溝に嵌入された状態で移動する移動ワイヤ電極と,上記電極案内子を保持する保持体とよりなり,
上記保持体は,上記電極案内子の両端をそれぞれ保持するための一対の固定部と該一対の固定部の間の距離を調節する調節部とを有しており,かつ上記電極案内子は長手方向に張設されていることを特徴とするワイヤ放電加工装置にある。
【0010】
本発明において最も注目すべきことは,移動ワイヤ電極に沿ってリボン状の電極案内子を配設すると共に,該リボン状の電極案内子を保持体の固定部と調節部とによって長手方向に張設してあることである。
【0011】
次に,本発明の作用につき説明する。
本発明においては,上記電極案内子は上記保持体の一対の固定部に両端を固定され,その状態で上記保持体の調節部により張設されている。そのため,上記電極案内子は高剛体化している。また,これにより,上記電極案内子に設けたガイド溝は,上記電極案内子の長手方向に沿って直線的に形成され,上記ガイド溝の側壁も同様に高剛体化している。
また,移動ワイヤ電極は,その一部が上記電極案内子のガイド溝より露出した状態にある(図4,図5)。
上記高剛体化とは,電極案内子の長手方向に,常に張力が一定以上付加されている状態を示す。
【0012】
これにより,上記電極案内子は,上記移動ワイヤ電極を,そのガイド溝内に確実に嵌入した状態で走行させることができる。そのため,上記移動ワイヤ電極には充分な張力をかけることができない場合においても,上記移動ワイヤ電極は放電圧力やワイヤの走行に伴って振動することなく走行するができる。それ故,極細の移動ワイヤ電極を用いることができ,加工精度の優れた溝加工を行うことができる。
【0013】
また,上記直線状に形成されるガイド溝は,その全長のいずれの部分においても,被加工物に上記移動ワイヤ電極を対面させることができる。そのため,1度に放電加工を施すことができる長さを長く設けることができる。それ故,加工すべき溝の長さが,例えば100mmのように比較的長い場合においても,その溝加工を迅速に行うことができる。
【0014】
上述のごとく,本発明によれば,長い溝加工においても,放電圧力や移動ワイヤ電極の走行に伴う振動を防止でき,加工精度の優れたワイヤ放電加工装置を提供することができる。
【0015】
なお,上記電極案内子を張設する際の張力としては,例えば板厚0.16mm,板幅5mmのステンレス帯鋼では10〜40kgfが好ましい。
10kgf未満の場合には,上記電極案内子を高剛体化できないため,上記移動ワイヤ電極の振動を抑えることが不十分となり,加工精度が低下する。一方,40kgfを超える場合には,上記電極案内子が切断されるおそれがある。
【0016】
次に,請求項2の発明のように,上記電極案内子は,金属製又はセラミックス製であり,その表面は絶縁材がコーティングされていることが好ましい。
この場合には,上記電極案内子の表面は絶縁材がコーティングされているため,上記電極案内子と移動ワイヤ電極とは電気的に絶縁されている。そのため,上記移動ワイヤ電極と被加工物との間でのみ放電を発生させて,溝を形成することができる。それ故,常に移動ワイヤ電極の径と放電ギャップとを合わせた溝幅を確保できるという効果がある。上記絶縁材としては,DLC(ダイヤモンドライクカーボン)等を用いることが好ましい。
【0017】
次に,請求項3の発明のように,上記移動ワイヤ電極を断面円形に,また上記ガイド溝を上記移動ワイヤ電極の外形に沿った弧状凹部にすることができる。
この場合には,加工溝の断面形状を円弧状に加工することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるワイヤ放電加工装置について,図1〜図6を用いて説明する。
【0019】
図1〜図6に示すごとく,本例のワイヤ放電加工装置1は,移動ワイヤ電極2と被加工物7(図6)との間に電圧を印加してワイヤ放電加工を行うものである。
該ワイヤ放電加工装置1は,リボン状の電極案内子3と,該電極案内子3の端面37に設けたガイド溝31に嵌入された状態で移動する移動ワイヤ電極2と,上記電極案内子3を保持する保持体4とよりなる。
上記保持体4は,上記電極案内子3の両端をそれぞれ保持するための一対の固定部41,42と,該一対の固定部41,42の間の距離を調節する調節部43とを有しており,かつ上記電極案内子3は長手方向に張設されている。
【0020】
次に,上記ワイヤ放電加工装置1について,図1,図2を用いて詳細に説明する。
上記ワイヤ放電加工装置1の保持体4は,図1に示すごとく,側面方向から見た場合に上下に突出部分を有する「コの字」状の本体部40を有している。
上記固定部41は,図1,図2に示すごとく,上記本体部40の下方の突出部分に設けられたボルト穴401と,これに螺着する固定用ボルト45,及び両者間に介在するスペーサ46とを有している。
【0021】
また,上記固定部42は,図1〜図3に示すごとく,上記本体部40の上方の突出部分に設けられたスライド用凹部402と,その中空部を上下方向にスライドして,上記一対の固定部41,42の間の距離を調節するためのスライダー47を有している。該スライダー47は,ボルト穴470と,これに螺着する固定用ボルト45,及び両者間に介在するスペーサ46とを有している。また,これらは一体となって,上記スライド用凹部402内に収容されている。
【0022】
なお,上記ボルト穴401,470は,図2,図3に示すごとく,上記保持体4の側面方向に向かって穿設されている。また,移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3のガイド溝31に嵌入するために,上記固定部41は正面が開放されており,上記固定部42はその正面に上記スライド用凹部402に通じる開口部を有している。
【0023】
また,上記調節部43は,図1に示すごとく,上記スライド用凹部402の下方に位置する底板48に設けた貫通穴480と,これに螺合するセットボルト49とを有している。該セットボルト49は上記貫通穴480に下方から螺合されている。上記セットボルト49を上方へ螺合していくと,上記スライダー47は,上記セットボルト49の先端部497によって上方に押し上げられ,上記電極案内子3が張設される。
【0024】
次に,上記電極案内子3は,板厚0.135mm,板幅5mm,長さ120mmのリボン状である。また,上記電極案内子3はステンレス帯鋼からなる金属製であり,その表面はダイヤモンド等からなる絶縁材32がコーティングされている。
【0025】
上記電極案内子3の下端は,図1,図2に示すごとく,上記固定部41の固定用ボルト45によって上記本体部40に固定されている。一方,上記電極案内子3の上端は,図1〜図3に示すごとく,上記固定部42の固定用ボルト45によって上記スライダー47に固定されている。
【0026】
そして,上記電極案内子3は,上記保持体4の調節部43によって,長手方向に35kgfの張力をかけられ,張設されている。
即ち,上記電極案内子3の下端は,上記保持体4の本体部40に固定されている。一方,上記電極案内子3の上端は,上記調節部43のセットボルト49を上方へ螺合していくことによって,上記固定部42のスライダー47を介して上方に引張り上げられている。
【0027】
また,上記ガイド溝31は,図4に示すごとく,上記電極案内子3の端面37に長手方向に向かって設けられている。
また,図4,図5に示すごとく,上記ガイド溝31に嵌入された状態で走行する移動ワイヤ電極2は,直径0.1mmの黄銅からなる極細ワイヤであり,その断面は円形である。また,上記ガイド溝31の断面は,上記移動ワイヤ電極2の外形に沿った弧状凹部である。なお,上記ガイド溝31の深さは0.05mmである。
そのため,上記移動ワイヤ電極2は,図4,図5に示すごとく,その断面の後方部分は上記ガイド溝31内に走行可能に嵌入され,一方,前方部分は放電加工可能に被加工物7の加工面に対向して露出している。
【0028】
次に,上記移動ワイヤ電極2について説明する。
上記移動ワイヤ電極2は放電加工によって消耗する。しかし,加工部における上記移動ワイヤ電極2は,常に一定の直径でなくてはならない。そのため,図4に示すごとく上記移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3の端面37に沿って移動させることによって,加工部に,常に一定の直径を有する移動ワイヤ電極2を供給する。
【0029】
次に,上記ワイヤ放電加工装置1の周辺構成について,図6を用いて説明する。
上記ワイヤ放電加工装置1は,上述のごとく,加工部に上記移動ワイヤ電極2を供給しなければならない。そのために,上記ワイヤ放電加工装置1は,図6に示すごとく,ワイヤ供給用のワイヤリ−ル51,プ−リ52,ワイヤ引っ張りロ−ル53を有する。
【0030】
上記ワイヤリ−ル51には,放電前の移動ワイヤ電極2が巻きつけてある。一方,上記ワイヤ引っ張りロ−ル53には,放電後の移動ワイヤ電極2が巻き取られている。
上記プ−リ52は,上記移動ワイヤ電極2を上記ガイドノズル251,252にスム−ズに導入,出するためのもので,上記ワイヤリ−ル51とガイドノズル251との間と,ガイドノズル252と上記ワイヤ引っ張りロ−ル53との間の2カ所に設けている。
【0031】
また,図6に示すごとく,上記ワイヤ放電加工装置1は,上記電極案内子3における上記移動ワイヤ電極2と被加工物7との相対位置を変えて,溝加工を施すためのX軸方向制御テ−ブル611を有する。また,上記X軸方向制御テ−ブル611を駆動するための駆動電源61を有する。
なお,該X軸方向制御テ−ブル611は,上記被加工物7をX軸方向にスライド移動させ,溝の深さを調整する。
【0032】
また,上記ワイヤ放電加工装置1は,上記移動ワイヤ電極2に電流を供給するための加工電源62と給電子26とを有すると共に,上記駆動電源61と加工電源62とを演算制御して,上記X軸方向制御テ−ブル6を制御するための制御装置63を有する。
【0033】
次に,本例の作用につき説明する。
本例のワイヤ放電加工装置1においては,上記電極案内子3は上記保持体4の一対の固定部41,42に両端を固定され,その状態で上記保持体4の調節部43により張設されている。そのため,上記電極案内子3は高剛体化している。
また,上記電極案内子3が張設されることにより,上記電極案内子3に設けたガイド溝31は,上記電極案内子3の長手方向に沿って直線的に形成される。また,上記ガイド溝31の側壁も同様に高剛体化している。
また,移動ワイヤ電極2は,その断面の前方部分が上記電極案内子3のガイド溝31より露出した状態にある。
【0034】
これにより,上記電極案内子3は,上記移動ワイヤ電極2を,そのガイド溝31内に確実に嵌入した状態で走行させることができる。そのため,上記移動ワイヤ電極2の最大許容張力が0.4kgfと比較的低い場合においても,上記移動ワイヤ電極2は放電圧力やワイヤの走行に伴って振動することなく走行するができる。それ故,直径0.1mmという極細の移動ワイヤ電極2を用いることができ,加工精度の優れた溝加工を行うことができる。
【0035】
即ち,図5に示すごとく,被加工物7に対して,例えば,幅0.14mm,深さ2.5mm,長さ100mmの溝加工を行う場合,上記プーリ間の中央部分に位置する移動ワイヤ電極によって形成される加工溝71は,幅Wが0.145mmとなり,その誤差は0.005mmと小さく,従来と比較して高精度な溝加工が可能となる。
【0036】
また,上記直線状に形成されるガイド溝31は,その全長のいずれの部分においても,被加工物7に上記移動ワイヤ電極2を対面させることができる。そのため,1度に放電加工を施すことができる長さを長く設けることができる。それ故,加工すべき溝の長さが,例えば100mmのように比較的長い場合においても,その溝加工を迅速に行うことができる。
【0037】
また,上記ガイド溝31を構成する側壁においても,その表面は絶縁材32がコーティングされているため,上記移動ワイヤ電極2と電極案内子3とは電気的に絶縁されている。そのため,上記移動ワイヤ電極2と被加工物7との間でのみ放電を発生させて,加工溝71を形成することができる。
【0038】
また,上記加工電源62は,上記電極案内子3に上記移動ワイヤ電極2とは逆極性の電圧を印加する。そのため,静電気力効果により,上記移動ワイヤ電極2を上記電極案内子3のガイド溝31内に押し付けることができる。それ故,上記移動ワイヤ電極2の振動を確実に防止するができる。
【0039】
また,上記移動ワイヤ電極2は,断面円形であり,また上記ガイド溝31は上記移動ワイヤ電極2の外形に沿った弧状凹部であるため,加工溝71の断面形状を円弧状に加工することができる。
【0040】
実施形態例2
本発明の実施形態例にかかるワイヤ放電加工装置について,図7を用いて説明する。
本例のワイヤ放電加工装置12は,移動ワイヤ電極2が,以下に示すごとく,保持体8によって張設されている。
【0041】
上記保持体8は,本体部80の下方に固定部81を配設し,上方に固定部82を配設している。該固定部81,82は突出した板状体であり,上記電極案内子3のガイド溝31(図4,図5参照)に移動ワイヤ電極2を嵌入するために,それぞれ上記固定部81,82を貫通するガイド穴810,820を有している。
【0042】
また,上記保持体8の本体部80は,上記電極案内子3においてガイド溝31を設けていない方の端面に対向する位置に,上記本体部80の変形用の扇状空隙84を有している。該扇状空隙84は,上記本体部80を左右対称に貫通した形状である。
また,上記保持体8の本体部80は,その側面部に上記電極案内子3への張力を付加するためのボルト83を有している。
【0043】
次に,上記電極案内子3は,上記本体部80の固定部81,82の間に固定された状態で張設されており,上記本体部80と一体的になっている。
また,上記電極案内子3にかけられる張力は,上記ボルト83を締めることにより,上記本体部80に設けた扇状間隙84の幅を狭めて上記本体部80を長手方向に伸ばし,上記固定部81,82の間の距離を広げることによって調節される。
その他は,実施形態例1と同様の構造である。
【0044】
本例では,上記電極案内子3が上記固定部81,82に固定されているため,これらに設けた上記ガイド穴810,820内を走行する上記移動ワイヤ電極2を,スムーズに上記電極案内子3のガイド溝31内に嵌入させて,走行させることができる。
その他,本例においても,実施形態例1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の側面図。
【図2】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の正面図。
【図3】図2におけるA方向矢視図。
【図4】実施形態例1における電極案内子,及び移動ワイヤ電極の一部断面斜視図。
【図5】実施形態例1における電極案内子,移動ワイヤ電極,及び被加工物の断面図。
【図6】実施形態例1におけるワイヤ放電加工装置の周辺構成の説明図。
【図7】実施形態例2におけるワイヤ放電加工装置の斜視図。
【符号の説明】
1...ワイヤ放電加工装置,
2...移動ワイヤ電極,
3...電極案内子,
31...ガイド溝,
32...絶縁材,
37...端面,
4...保持体,
40...本体部,
41,42...固定部,
43...調節部,
45...固定用ボルト,
47...スライダー,
49...セットボルト,
7...被加工物,
71...加工溝,
Claims (3)
- 移動ワイヤ電極と被加工物との間に電圧を印加してワイヤ放電加工を行うワイヤ放電加工装置において,
該ワイヤ放電加工装置は,リボン状の電極案内子と,該電極案内子の端面に設けたガイド溝に嵌入された状態で移動する移動ワイヤ電極と,上記電極案内子を保持する保持体とよりなり,
上記保持体は,上記電極案内子の両端をそれぞれ保持するための一対の固定部と該一対の固定部の間の距離を調節する調節部とを有しており,かつ上記電極案内子は長手方向に張設されていることを特徴とするワイヤ放電加工装置。 - 請求項1において,上記電極案内子は,金属製又はセラミックス製であり,その表面は絶縁材がコーティングされていることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
- 請求項1又は2において,上記移動ワイヤ電極は,断面円形であり,また上記ガイド溝は上記移動ワイヤ電極の外形に沿った弧状凹部であることを特徴とするワイヤ放電加工装置。
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