JPH10328799A

JPH10328799A - 連続鋳造機の鋳片支持装置

Info

Publication number: JPH10328799A
Application number: JP14187497A
Authority: JP
Inventors: Makoto Naito; 誠内藤
Original assignee: Kawasaki Steel Corp
Current assignee: JFE Steel Corp
Priority date: 1997-05-30
Filing date: 1997-05-30
Publication date: 1998-12-15

Abstract

(57)【要約】【課題】本発明は、サポート・ロールを従来より小径に
しても、強度が低下せず、且つ該ロールの冷却水が鋳片
にかかることのない連続鋳造機の鋳片支持装置を提供す
ることを目的としている。【解決手段】鋳型から抜け出た鋳片を挟み、支持する一
対のサポート・ロールと、該サポート・ロールを抑える
１本もしくは２本以上のバックアップ・ロールとを、該
鋳片の進行方向に沿い多数備えた連続鋳造機の鋳片支持
装置において、前記サポート・ロールとバックアップ・
ロールとの接点を、該サポート・ロールを冷却する水の
水路とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】連続鋳造機の鋳片支持装置に
関し、詳しくは、鋳型から抜け出た鋳片に所謂バルジン
グを発生させることのない鋳片支持用サポート・ロール
を提供する技術である。

【０００２】

【従来の技術】一般に、連続鋳造機においては、鋳型か
ら抜けた未凝固液を内包した鋳片を、冷却させながら支
持して次工程へ搬送する必要がある。その冷却には、所
謂クーリング・プレートという冷却板を用いたり、ある
いはサポート・ロールを用いる方法がある。

【０００３】このうち、クーリング・プレートを用いる
ものとしては、特開平２−２７４３５３号公報が冷却支
持板を鋳片に押し付ける方法を、あるいは特開昭５０−
５５５３２号公報がウォーキング・バーを鋳片に圧接す
る方法を開示している。また、サポート・ロールを用い
るものとしては、特開平６−３１４１５号公報や特開昭
４８−０６２６２４号公報が、１対になったサポート・
ロールで鋳片を支持、冷却する技術を開示している。

【０００４】ところで、前記クーリング・プレートにて
鋳片を支持する方法は、鋳片を該プレートと全面的に接
触させて支持できるため、鋳片に異常な力が作用せず、
内部欠陥の発生防止には効果的である。しかしながら、
該プレートと鋳片との接触面間に、スケールが溜り、そ
のスケールが鋳片表面に欠陥を生じさせる原因になると
いう問題があった。

【０００５】一方、前記サポート・ロールにて鋳片を支
持する方法は、表面欠陥の発生問題は少ないが、鋳片が
内包する融液の静鉄圧に起因した応力に耐えるだけの強
度が、ロールに必要であった。そのため、鋳片に内部欠
陥が発生し易く、且つ静鉄圧が大きくなる場所（鋳片の
進行方向での位置）で使用するロールには、径が大き
く、強度の高いものが使用されている。従って、鋳片を
支持する間隔（ピッチ）が大きくなり、所謂鋳片のふく
れ（バルジング）に起因した「割れ」が生じ易くなるの
で、高速鋳造ができないという問題があった。

【０００６】そこで、特開昭５５−３３８１７号公報
は、「鋳片の進行方向にほぼ直角、且つ該鋳片の上下に
相対して当接、配置した多数ロールを小径とし、進行方
向で隣接している２個のロールを１個の支持ローラで抑
える（バック・アップ）」ことで、ロールの小径化によ
る強度不足を補うようにした。このように小径にすれ
ば、前記バルジングが防止でき、高速鋳造も可能となる
からである。

【０００７】しかしながら、この特開昭５５−３３８１
７号公報記載の技術でも、それを連続鋳造機の所謂垂直
部（鋳型の直下から湾曲するまでのロール配置をいう）
に適用すると、２個のロールを１本で支持するため力が
作用する方向がずれ、ロールに必要な強度が得られない
という問題があった。さらに、バック・アップロールを
用いずに、サポート・ロール表面に直接水をかけて冷却
させ、ロールの強度を維持する技術もある。しかしなが
ら、この技術では、水が鋳片にもかかり、過冷却となっ
て鋳片内部の凝固速度を早め、鋳片の金属組織異常を来
したり、欠陥を生じるという問題があった。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる事情
を鑑み、サポート・ロールを従来より小径にしても、強
度が低下せず、且つ該ロールの冷却水が鋳片にかかるこ
とのない連続鋳造機の鋳片支持装置を提供することを目
的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】発明者は、前記目的を達
成するため鋭意研究し、サポート・ロールの径を従来よ
り小さくすると共に、各サポート・ロールの背後に、同
径又は該サポート・ロールより小径のバックアップ・ロ
ールを１本もしくは２本以上配置し、サポート・ロール
のロール間ピッチを小さくすれば、鋳片の静鉄圧に対す
るロール強度が確保できると考えた。そして、さらに研
究を進め、ロール強度を確保するには、冷却水の使用が
好ましいが、該冷却水が鋳片に直接かかり、該鋳片を過
冷却する対策をも検討し、本発明を完成させた。

【００１０】すなわち、本発明は、鋳型から抜け出た鋳
片を挟み、支持する一対のサポート・ロールと、該サポ
ート・ロールを抑える１本もしくは２本以上のバックア
ップ・ロールとを、該鋳片の進行方向に沿い多数備えた
連続鋳造機の鋳片支持装置において、前記サポート・ロ
ールとバックアップ・ロールとの接点を、該サポート・
ロールを冷却する水の水路とすることを特徴とする連続
鋳造機の鋳片支持装置である。

【００１１】また、本発明は、前記バックアップ・ロー
ルを、連続鋳造機の垂直部又は湾曲部でのサポート・ロ
ールに使用することを特徴とする連続鋳造機の鋳片支持
装置である。さらに、本発明は、前記バックアップ・ロ
ールの長さを、サポート・ロール長さの０．１〜１．０
倍としてなることを特徴とする連続鋳造機の鋳片支持装
置である。

【００１２】本発明では、鋳片を支持するサポート・ロ
ールをバックアップ・ロールで保護するようにし、且つ
該サポート・ロールに使用する冷却水が直接鋳片にかか
らないようにしたので、サポート・ロールの径を従来よ
り格段と小さくしても、鋳片の静鉄圧に対向できるロー
ル強度が確保できるようになる。その結果、ロール間ピ
ッチが従来より縮小され、所謂バルジングを起こさず
に、鋳片を高速で引き抜くことが可能となった。

【００１３】

【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の実
施の形態を説明する。図６に、従来の鋳片支持装置を縦
断面で示すが、それは、ロール支持装置１（通称セグメ
ント）に一対のサポート・ロール２が複数組、鋳片３を
挟み設けられている。本発明は、かかるセグメント１内
の各サポート・ロール２を、従来より％だけ径を小さく
し、該サポート・ロール２の背後に、図１に示すよう
に、サポート・ロール長さとほぼ等しい長さのバックア
ップ・ロール４を設けたのである。これにより、サポー
ト・ロール２の小径化による強度不足が補われ、ロール
間距離（ピッチ）の縮小化が可能となる。従って、鋳片
３から受ける静鉄圧で、前記ピッチ間でバルジングが防
止でき、品質の優れた鋳片３が高速で鋳造できる。な
お、バックアップ・ロール４の径は、サポート・ロール
２と同径又はそれ以下とする。従来のロール配置を変更
せず、安価に設備改造するためである。

【００１４】また、本発明では、前記バックアップ・ロ
ール４の長さを、図２に示すように、鋳片３の幅より短
くしたものも使用できる。鋳片３のサイズや鋼種によっ
ては、静鉄圧に起因する応力が小さい場合もあり、その
ような場合には、鋳片３の全ての範囲を押える必要がな
いからである。また、場合によっては、図３に示すよう
に、その長さの短いバックアップ・ロール４を、同軸に
複数本配置して使用しても良い。なお、本発明でバック
アップ・ロール４の長さが、サポート・ロール２長さの
０．１〜１．０倍であることが好ましいとしたのは、
０．１倍未満であると鋳片の静鉄圧に対抗できない恐れ
があり、１．０倍を超えると、設置効果が飽和するから
である。また、バックアップ・ロール４の設置位置を、
連続鋳造機の垂直部又は湾曲部が好ましいとしたのは、
そこでは、鋳片３がすでに凝固していることが多く、さ
らには鋳片の凝固シェル強度が静鉄圧に対して十分に大
きいので、バルジング問題がほとんどないからである。

【００１５】さらに、本発明では、サポート・ロール２
及びバックアップ・ロール４を共に、水冷し、それらの
強度を高めることも行われている。その冷却方法は、図
４及び５に示すように、サポート・ロール２とバックア
ップ・ロール３の間に水を流すことである。これによ
り、ロール冷却用水（以下、冷却水５）が、鋳片３に直
接かかることなく、両方のロールの表面温度を低く保つ
ことができる。そして、この鋳片３に冷却水５がかかる
ことを一層防止するため、鋳片に対して平行にスプレー
を配置し、サポート・ロール２とバックアップ・ロール
３の接点部分を、冷却水５が流れ去る水路として利用す
るようにした。そのため、図４及び５に示すような冷却
水５を受ける容器６が配設されている。

【００１６】本発明に係る装置を用い、種々の鋼種及び
サイズの鋳片３を連続鋳造で製造し、その成績を品質不
合格率及びロール寿命として、表１に一括して示す。

【００１７】

【表１】

【００１８】表１より、本発明にかかる鋳片支持装置を
用いて製造した鋳片３は、従来装置で製造した鋳片３に
比べ、品質合格率及び生産性に優れていることが明らか
である。なお、前記品質合格率は、コーナー鍵割れの発
生状況で評価している。

【００１９】

【発明の効果】以上述べたように、本発明により、無欠
陥の鋳片を高速で鋳造することができるようになった。
また、ロール冷却水が鋳片にかからないので、鋳片の
「表面割れ」や「コーナー鍵割れ」の発生し易い鋼種
も、無欠陥で鋳造することが可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る連続鋳造機の鋳片支持装置を示す
平面図である。

【図２】本発明に係る連続鋳造機の鋳片支持装置の別形
態を示す平面図である。

【図３】本発明に係る連続鋳造機の鋳片支持装置の別形
態を示す平面図である。

【図４】本発明に係る連続鋳造機の鋳片支持装置の冷却
水通路を説明する正面図である。

【図５】本発明に係る連続鋳造機の鋳片支持装置の冷却
水通路を説明する縦断面図である。

【図６】従来の連続鋳造機の鋳片支持装置を示す縦断面
図である。

【符号の説明】

１ロール支持装置２サポート・ロール３鋳片４バックアップ・ロール５冷却水６容器（冷却水受け）７ノズル

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】鋳型から抜け出た鋳片を挟み、支持する
一対のサポート・ロールと、該サポート・ロールを抑え
る１本もしくは２本以上のバックアップ・ロールとを、
該鋳片の進行方向に沿い多数備えた連続鋳造機の鋳片支
持装置において、前記サポート・ロールとバックアップ・ロールとの接点
を、該サポート・ロールを冷却する水の水路とすること
を特徴とする連続鋳造機の鋳片支持装置。
【請求項２】前記バックアップ・ロールを、連続鋳造
機の垂直部又は湾曲部でのサポート・ロールに使用する
ことを特徴とする請求項１記載の連続鋳造機の鋳片支持
装置。
【請求項３】前記バックアップ・ロールの長さを、サ
ポート・ロール長さの０．１〜１．０倍としてなること
を特徴とする請求項１又は２記載の連続鋳造機の鋳片支
持装置。