JPH0153147B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、鋼、その他の金属、合金の薄板を連
続鋳造するベルト式連続鋳造装置に関し、特にベ
ルトの冷却機能部を改良した上記装置に関する。

従来のベルト式連続鋳造装置には、第１，２図
に示すようなものがある。

第１図は鋳片の長辺に垂直な縦断面図、第２図
は第１図のＦ−Ｆ矢視図である。

第１，２図において、１は鋳片、１′は鋳片１
の上面（溶鋼、すなわちメニスカス）、２はベル
ト（一般に、１〜２mmｔの鋼製のもの）、３はベ
ルト２をかけて駆動するプーリ、３′は鋳片１の
引抜用ピンチロール、４はタンデイツシユ、５は
タンデイツシユ４内の溶鋼をベルト２間に供給す
るノズル、６はベルト２間の溶鋼圧（ベルト２の
間には溶鋼１′があるため、その溶鋼１′の高さに
相当する圧力がベルト２にかかる）を支えるバツ
クアツプロール、７はスプレイノズル、８は該ノ
ズル７からスプレイされた冷却水（ベルト２の背
面にスプレイし、該ベルト２を冷却して鋳片１を
間接的に冷却するもので、これにより溶鋼１′を
凝固させる）、９は固定されたサイドブロツク
（溶鋼１′の横方向への逃げを防止する）、１０は
冷却水通路（サイドブロツク９を冷却し、鋳片１
のサイドを間接的に冷却する）、１１はベルト２
の押えブロツク（固定されている）である。

以上のベルト式連続鋳造装置は、第１図中の矢
印方向にベルト２を注湯量に合わせて動かし、溶
鋼を凝固させて鋳片１を製造する。

しかしながら、この装置においては、第３図に
示すように、ベルト２が溶鋼圧によりバツクアツ
プロール６の間で外側に張り出す。この張り出し
をバルジングという。

第４図に第３図のＢ部詳細図を示す。バツクア
ツプロール６の配列間隔は大略100mmであり、こ
のため、溶鋼１−ｂの静圧により凝固殻１−ａは
バツクアツプロール６間で外側にバルジングし、
バツクアツプロール６のところでは幅が規制され
るので、いわば蛇行する。このバルジングによ
り、凝固殻１−ａの溶鋼側はバツクアツプロール
６のところで伸ばされる形となり、強度的に非常
に弱いので割れる。いわゆる内部割れ１−ｃが発
生し、品質上の重大欠陥となる。

本発明者らは、このような欠陥を防止すべく研
究を重ねた結果、上記のようなバルジングは、ベ
ルト２がバツクアツプロール６による線支持とな
つているために生じることに気付いた。そこで、
ベルト２を面支持にすれば、上記のような欠陥は
解消し得るとの知見を得て、本発明に到達したも
のである。

すなわち、本発明は、対向する２つのベルトの
背面に冷却加圧水供給用の冷却ブロツクを対面配
置したベルト式連続鋳造装置において、冷却ブロ
ツクは少なくともベルト幅を有し、ベルト幅方向
に連続若しくは一部断続する１対の冷却加圧水供
給用スリツトノズルを設け、１対のスリツトノズ
ルから流出する冷却加圧水が上下方向より衝突す
るように、スリツトノズルの流路を向かい合うよ
うに傾斜させたもので、該冷却ブロツクをベルト
の長さ方向に多数配置するとともに、隣接する冷
却ブロツクの間に間〓を設けて、冷却加圧水の排
出用流路としたことを特徴とするベルト式連続鋳
造装置である。

なお、各冷却ブロツクの１対のスリツトノズル
の間にスキマセンサーを付設し、制御回路手段を
介してそれぞれの冷却ブロツクの冷却水流量制御
弁を個別に調節することも可能である。このスキ
マセンサーにより、ベルトに加わる溶湯圧の上下
方向の変化への対応や鋳造速度に応じた溶湯静圧
とのバランスも容易に確保することができる。

第５図は本発明装置の一実施態様例を示す図、
第６図は冷却ブロツク１２の詳細を示す図であ
る。

第５〜６図中、第１〜４図と同一符号は第１〜
４図と同一部材を示し、１２が冷却ブロツク、１
３は冷却水供給配管、１４は排水を示す。

冷却ブロツク１２は所定の寸法、位置に固定さ
れている。冷却ブロツク１２の内部構造は、第６
図に示すように、断面コ字形で、該コ字形の開口
部の先端内側部がそれぞれ内側に傾斜している外
枠１２−ｄの該コ字形内部に、該コ字形内部より
小体積の断面台形のガイド１２−ａを、該台形の
上底が上記コ字形の開口部端と同一平面内に位置
するように設け、上記外枠１２−ｄとガイド１２
−ａとの〓間で構成されるノズル１２−ｂから冷
却水が噴出するようになつており、ガイド１２−
ａはサポート１２−ｃにより取り付けられてい
る。ノズル１２−ｂは互いに中心方向に向い合つ
ている。ガイド１２−ａ（あるいは外枠１２−ｄ）
にスキマセンサー１５（例えば市販の渦電流式ス
キマ検出器）が埋め込まれている（第６図はガイ
ド１２−ａにスキマセンサー１５を埋め込んだ状
態を示している）。

冷却水は、ポンプ１９により供給され、流量制
御弁１８を経由して配管１３により冷却ブロツク
１２に供給される。そしてノズル１２−ｂを出て
ベルト２と外枠１２−ｄで構成される流路を充満
して流れ、ベルト２を冷却する。ベルト２を冷却
したあと、となりあつた冷却ブロツク１２の間〓
から排出され、排水１４となり、回収される。ス
キマセンサー１５は該センサー１５とベルト２と
のスキマを検出し、その出力を制御回路１６へ送
る。制御回路１６はスキマ設定値１７とスキマセ
ンサー１５からの出力とを比較し、スキマが設定
値１７を維持するように流量制御弁１８の開度を
調節する。なお、ポンプ１９は吐出圧力が溶鋼圧
および配管圧損を十分に上まわるものを使用す
る。

第７図に冷却ブロツク１２のノズル回りの水の
流れの概要を示す。

このように、冷却ブロツク１２の２つのノズル
１２−ｂから出る冷却水は、互いに衝突し合つた
あと反転してベルト２に沿つて流れる。この衝突
により、圧力が生じ、ベルト２が冷却ブロツク１
２に接触することはない。またバルジングにより
ベルト２が冷却ブロツク１２に近づこうとする
と、スキマセンサー１５による制御回路により流
量制御弁１８が開き、冷却水の冷却ブロツク１２
内の圧力が上り、従つてベルト２におよぼす圧力
も上り、ベルト２を定位置に保ち、バルジングを
防止する。

以上詳述したように、冷却ブロツク１２は、ベ
ルト２を横断するように配置され、冷却水は、ス
リツトノズル１２−ｂからベルト２の全幅にわた
り均一に流出し、ベルト２に沿つて上下方向に僅
かに流れ、冷却ブロツク１２の間〓から排出され
るので、冷却水の初期温度でベルトの幅方向に均
一に冷却することができ、鋳片の幅方向に抜熱ム
ラを生ずることはない。また、スリツトノズルか
ら流出する冷却水の水圧も、ベルトの幅方向に均
一であるところから、溶湯圧を受けるベルトも幅
方向に等しく支持することができる。さらに、ベ
ルト式連続鋳造装置では、ベルトに加わる溶湯の
静圧が下方に行くほど大きくなるが、上記のよう
に横長の冷却ブロツクをベルトに沿つて多数配置
するため、下方に行くほど、冷却ブロツクの冷却
水流量を増大させることも容易であり、スキマセ
ンサーにより各冷却ブロツクの冷却水流量を独立
して制御するときには、上記の課題も自然に解消
することができ、鋳造速度に対応した溶湯静圧と
のバランスも容易に確保することができるように
なる。

このように、本発明のベルト式連続鋳造装置を
用いることにより、鋳片の幅方向に抜熱ムラのな
い、均一な厚さの鋳片を容易に製造することがで
き、その操作性も飛躍的に向上させることができ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のベルト式連続鋳造装置を示す
図、第２図は第１図のＦ−Ｆ線矢視図、第３図は
第１図の装置に生じる欠陥を示す図、第４図は第
３図のＢ部詳細図、第５図は本発明装置の一実施
態様例を示す図、第６図は第５図の一部詳細図、
第７図は第５図の作用態様を説明するための図で
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 対向する２つのベルトの背面に冷却加圧水供
   給用の冷却ブロツクを対面配置したベルト式連続
   鋳造装置において、冷却ブロツクは少なくともベ
   ルト幅を有し、ベルト幅方向に連続若しくは一部
   断続する１対の冷却加圧水供給用スリツトノズル
   を設け、１対のスリツトノズルから流出する冷却
   加圧水が上下方向より衝突するように、スリツト
   ノズルの流路を向かい合うように傾斜させたもの
   で、該冷却ブロツクをベルトの長さ方向に多数配
   置するとともに、隣接する冷却ブロツクの間に間
   〓を設けて、冷却加圧水の排出用流路としたこと
   を特徴とするベルト式連続鋳造装置。 ２ 各冷却ブロツクの１対のスリツトノズルの間
   にスキマセンサーを付設し、スキマセンサーを制
   御回路手段、さらに、冷却ブロツクの冷却加圧水
   の流量制御弁に接続して、ベルトを定位置に保持
   するように、各冷却加圧水の供給量を個別に調節
   可能としたことを特徴とする請求項１記載のベル
   ト式連続鋳造装置。