JPH10328697A - スケール防止剤及びスケール付着防止方法 - Google Patents
スケール防止剤及びスケール付着防止方法Info
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- JPH10328697A JPH10328697A JP15585997A JP15585997A JPH10328697A JP H10328697 A JPH10328697 A JP H10328697A JP 15585997 A JP15585997 A JP 15585997A JP 15585997 A JP15585997 A JP 15585997A JP H10328697 A JPH10328697 A JP H10328697A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】冷却水系、ボイラ水系などで生成する各種スケ
ールの付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケール
の付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防
止方法を提供する。 【解決手段】水酸基を有するノニオン性単量体単位及び
カチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする
水溶性カチオン性共重合体を含有することを特徴とする
スケール防止剤、並びに、該水溶性カチオン性共重合体
を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方
法。
ールの付着防止に効果が大きく、特にシリカ系スケール
の付着防止に有効なスケール防止剤及びスケール付着防
止方法を提供する。 【解決手段】水酸基を有するノニオン性単量体単位及び
カチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする
水溶性カチオン性共重合体を含有することを特徴とする
スケール防止剤、並びに、該水溶性カチオン性共重合体
を水に添加することを特徴とするスケール付着防止方
法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スケール防止剤及
びスケール付着防止方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、ボイラ水系や冷却水系などのスケールを効果的
に防止することができ、特にシリカ系スケールの防止に
有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法に関す
る。
びスケール付着防止方法に関する。さらに詳しくは、本
発明は、ボイラ水系や冷却水系などのスケールを効果的
に防止することができ、特にシリカ系スケールの防止に
有効なスケール防止剤及びスケール付着防止方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】冷却水系、ボイラ水系などの水と接触す
る伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特
に、開放循環式冷却水系において、省資源、省エネルギ
ーの立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少な
くして高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類が濃縮され
て、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩と
なってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の
低下、配管の閉塞など、ボイラや熱交換器の運転に重大
な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩
基性炭酸亜鉛などがある。カルシウム系やマグネシウム
系スケールに対しては、マレイン酸、アクリル酸、イタ
コン酸などを重合したカルボキシル基を有する重合体が
スケール防止剤として有効であり、さらにカルボキシル
基を有する単量体と、ビニルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパン
スルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体を対象水
質に応じて組み合わせた共重合体が、スケール防止剤と
して一般的に使用されている。また、シリカ系スケール
に対しては、アクリルアミド系、四級アンモニウム塩系
や、ポリエチレングリコールを用いるスケール防止剤な
どが提案されており、スケール種に応じて重合体が使い
分けられている。冷却水系において使用される水は、通
常は工業用水や水道水などであるため、水中には種々の
イオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行
う場合には、全てのスケール種に効果的に対応できるス
ケール防止剤が必要であるが、現状ではこのような条件
を満たすスケール防止剤はなく、特にシリカ系スケール
の付着防止に有効なスケール防止剤がない。シリカ系ス
ケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤とし
て、アクリルアミド系重合体とアクリル酸系重合体を含
むスケール防止剤が提案されている。しかし、アクリル
アミド系重合体は、シリカ濃度が低い場合にはスケール
防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効
果が低下する。また、ポリエチレングリコール及び低分
子量のカルボン酸系重合体又はホスホン酸を含有するス
ケール防止剤が提案されている。しかし、ポリエチレン
グリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付
着を抑える効果はあるが、他のイオンの影響を受けやす
く効果が安定しないという問題がある。さらに、リン酸
カルシウム系スケールの付着抑制方法として、カルボキ
シル官能性単量体、アンモニウム、ホスホニウム又はス
ルホニウム系カチオン性単量体及びヒドロキシプロピル
アクリレートの共重合体である高分子両性電解質を添加
する方法が提案されている。しかし、このような高分子
両性電解質は、適用する水のpHや、共存イオンの影響を
受けやすく、分子内のイオン反応で重合体が沈殿析出す
る場合があり、効果が安定しない。また、高分子両性電
解質自体が経時変化しやすく、ハンドリング性にも問題
がある。
る伝熱面や配管内では、スケール障害が発生する。特
に、開放循環式冷却水系において、省資源、省エネルギ
ーの立場から、冷却水の系外への排棄(ブロー)を少な
くして高濃縮運転を行う場合、溶解する塩類が濃縮され
て、伝熱面が腐食しやすくなるとともに、難溶性の塩と
なってスケール化する。生成したスケールは、熱効率の
低下、配管の閉塞など、ボイラや熱交換器の運転に重大
な障害を引き起こす。生成するスケール種としては、炭
酸カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、リ
ン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウム、リン酸亜鉛、水酸化亜鉛、塩
基性炭酸亜鉛などがある。カルシウム系やマグネシウム
系スケールに対しては、マレイン酸、アクリル酸、イタ
コン酸などを重合したカルボキシル基を有する重合体が
スケール防止剤として有効であり、さらにカルボキシル
基を有する単量体と、ビニルスルホン酸、アリルスルホ
ン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸、2−ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパン
スルホン酸などのスルホン酸基を有する単量体を対象水
質に応じて組み合わせた共重合体が、スケール防止剤と
して一般的に使用されている。また、シリカ系スケール
に対しては、アクリルアミド系、四級アンモニウム塩系
や、ポリエチレングリコールを用いるスケール防止剤な
どが提案されており、スケール種に応じて重合体が使い
分けられている。冷却水系において使用される水は、通
常は工業用水や水道水などであるため、水中には種々の
イオン種が存在する。したがって、特に高濃縮運転を行
う場合には、全てのスケール種に効果的に対応できるス
ケール防止剤が必要であるが、現状ではこのような条件
を満たすスケール防止剤はなく、特にシリカ系スケール
の付着防止に有効なスケール防止剤がない。シリカ系ス
ケールに対する防止効果の優れたスケール防止剤とし
て、アクリルアミド系重合体とアクリル酸系重合体を含
むスケール防止剤が提案されている。しかし、アクリル
アミド系重合体は、シリカ濃度が低い場合にはスケール
防止効果を有するものの、シリカ濃度が高い場合には効
果が低下する。また、ポリエチレングリコール及び低分
子量のカルボン酸系重合体又はホスホン酸を含有するス
ケール防止剤が提案されている。しかし、ポリエチレン
グリコールは、シリカ濃度が低い場合にはスケールの付
着を抑える効果はあるが、他のイオンの影響を受けやす
く効果が安定しないという問題がある。さらに、リン酸
カルシウム系スケールの付着抑制方法として、カルボキ
シル官能性単量体、アンモニウム、ホスホニウム又はス
ルホニウム系カチオン性単量体及びヒドロキシプロピル
アクリレートの共重合体である高分子両性電解質を添加
する方法が提案されている。しかし、このような高分子
両性電解質は、適用する水のpHや、共存イオンの影響を
受けやすく、分子内のイオン反応で重合体が沈殿析出す
る場合があり、効果が安定しない。また、高分子両性電
解質自体が経時変化しやすく、ハンドリング性にも問題
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、冷却水系、
ボイラ水系などで生成する各種スケールの付着防止に効
果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効な
スケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
ボイラ水系などで生成する各種スケールの付着防止に効
果が大きく、特にシリカ系スケールの付着防止に有効な
スケール防止剤及びスケール付着防止方法を提供するこ
とを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸基を有する
ノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体
単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体の
水系への添加、あるいは、さらに該水溶性カチオン性共
重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
単位とする水溶性重合体の水系への添加が、スケールの
付着防止、特にシリカ系スケールの付着防止に優れた効
果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)水
酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を
有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン
性共重合体を含有することを特徴とするスケール防止
剤、(2)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を
必須構成単位とする水溶性重合体を含有する第(1)項記
載のスケール防止剤、(3)水酸基を有するノニオン性
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を水に添加す
ることを特徴とするスケール付着防止方法、及び、
(4)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性重合体を添加する第(3)項記載の
スケール付着防止方法、を提供するものである。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、水酸基を有する
ノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体
単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体の
水系への添加、あるいは、さらに該水溶性カチオン性共
重合体とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
単位とする水溶性重合体の水系への添加が、スケールの
付着防止、特にシリカ系スケールの付着防止に優れた効
果を発揮することを見いだし、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明は、(1)水
酸基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を
有する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン
性共重合体を含有することを特徴とするスケール防止
剤、(2)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を
必須構成単位とする水溶性重合体を含有する第(1)項記
載のスケール防止剤、(3)水酸基を有するノニオン性
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を水に添加す
ることを特徴とするスケール付着防止方法、及び、
(4)さらにカルボキシル基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性重合体を添加する第(3)項記載の
スケール付着防止方法、を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明のスケール防止剤は、水酸
基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有
する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性
共重合体を含有する。水溶性カチオン性共重合体中に水
酸基を有するノニオン性単量体単位を導入する方法には
特に制限はなく、例えば、加水分解により水酸基を生成
する単量体を共重合したのち得られた共重合体を加水分
解することができ、あるいは、水酸基を有するノニオン
性単量体を共重合することができる。加水分解により水
酸基を生成する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アリルグリシジルエーテルなどを
挙げることができる。水酸基を有するノニオン性単量体
としては、例えば、アリルヒドロキシエチルエーテル、
ビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒドロキシプ
ロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエーテル、
重合度2〜30のポリエチレンオキサイドのモノアリル
エーテル、モノビニルエーテルなどのエーテル結合を有
する単量体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモ
ノ(メタ)アクリレート、重合度2〜30のポリエチレン
オキサイドのモノ(メタ)アクリレートなどのエステル結
合を有する単量体、さらに、アリルアルコール、2,3
−ジヒドロキシプロピルアリルエーテルなどを挙げるこ
とができる。
基を有するノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有
する単量体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性
共重合体を含有する。水溶性カチオン性共重合体中に水
酸基を有するノニオン性単量体単位を導入する方法には
特に制限はなく、例えば、加水分解により水酸基を生成
する単量体を共重合したのち得られた共重合体を加水分
解することができ、あるいは、水酸基を有するノニオン
性単量体を共重合することができる。加水分解により水
酸基を生成する単量体としては、例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、アリルグリシジルエーテルなどを
挙げることができる。水酸基を有するノニオン性単量体
としては、例えば、アリルヒドロキシエチルエーテル、
ビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒドロキシプ
ロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエーテル、
重合度2〜30のポリエチレンオキサイドのモノアリル
エーテル、モノビニルエーテルなどのエーテル結合を有
する単量体、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモ
ノ(メタ)アクリレート、重合度2〜30のポリエチレン
オキサイドのモノ(メタ)アクリレートなどのエステル結
合を有する単量体、さらに、アリルアルコール、2,3
−ジヒドロキシプロピルアリルエーテルなどを挙げるこ
とができる。
【0006】共重合体中にカチオン性基を有する単量体
単位を導入する方法には特に制限はなく、例えば、カチ
オン性基を有する単量体を共重合することができ、ある
いは、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体
を共重合したのち、得られる共重合体を変性することが
できる。カチオン性基を有する単量体としては、例え
ば、アリルアミン、ビニルピリジン、ジアリルジメチル
アンモニウムクロリド、ジアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト又はその四級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド又はその四級アンモニウム塩な
どのカチオン性単量体などを挙げることができる。ま
た、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体を
共重合したのち、得られる共重合体を変性する例として
は、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリルア
ミド単位をホフマン分解によりビニルアミン単位とする
反応、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリル
アミド単位にジメチルアミンとホルマリンを反応し、マ
ンニッヒ変成により室温以下で反応を行い、副生成物の
カルボキシル基の生成を抑制してN−ジメチルアミノメ
チルアクリルアミド単位とする反応、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルコハク酸
イミドなどを共重合し、加水分解することによりビニル
アミン単位とする反応などを挙げることができる。
単位を導入する方法には特に制限はなく、例えば、カチ
オン性基を有する単量体を共重合することができ、ある
いは、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体
を共重合したのち、得られる共重合体を変性することが
できる。カチオン性基を有する単量体としては、例え
ば、アリルアミン、ビニルピリジン、ジアリルジメチル
アンモニウムクロリド、ジアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレー
ト又はその四級アンモニウム塩、ジメチルアミノプロピ
ル(メタ)アクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキ
ル(メタ)アクリルアミド又はその四級アンモニウム塩な
どのカチオン性単量体などを挙げることができる。ま
た、高分子反応によりカチオン性基を生成する単量体を
共重合したのち、得られる共重合体を変性する例として
は、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリルア
ミド単位をホフマン分解によりビニルアミン単位とする
反応、アクリルアミドを共重合し、重合体中のアクリル
アミド単位にジメチルアミンとホルマリンを反応し、マ
ンニッヒ変成により室温以下で反応を行い、副生成物の
カルボキシル基の生成を抑制してN−ジメチルアミノメ
チルアクリルアミド単位とする反応、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルコハク酸
イミドなどを共重合し、加水分解することによりビニル
アミン単位とする反応などを挙げることができる。
【0007】本発明に用いる水酸基を有するノニオン性
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体には、必要に
応じて水酸基を有しないノニオン性単量体単位を導入す
ることができる。このような共重合体を得るために共重
合することができる水酸基を有しないノニオン性単量体
としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどを
挙げることができる。アニオン性単量体単位の導入は、
共重合体の安定性を損なうため行わない。本発明におい
て、水溶性カチオン性共重合体中の水酸基を有するノニ
オン性単量体単位の割合は、20モル%以上であること
が好ましく、50〜98モル%であることがより好まし
い。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が20
モル%未満であると、共重合体中の水酸基の量が不足し
て、シリカに対する水酸基の作用が弱くなるおそれがあ
る。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が98
モル%を超えると、必要なカチオン性基を有する単量体
単位の量が不足するおそれがある。水溶性カチオン性共
重合体中のカチオン性基を有する単量体単位の割合は、
2〜50モル%であることが好ましい。カチオン性基を
有する単量体単位の割合が2モル%未満であると、シリ
カに対するカチオン性基の作用が弱くなるおそれがあ
る。カチオン性基を有する単量体単位の割合が50モル
%を超えると、共重合体が水中の汚れ成分や、金属配管
に吸着され、有効に作用しなくなるおそれがある。
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体には、必要に
応じて水酸基を有しないノニオン性単量体単位を導入す
ることができる。このような共重合体を得るために共重
合することができる水酸基を有しないノニオン性単量体
としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−アルキ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジアルキルアクリル
アミド、(メタ)アクリロニトリル、スチレン、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレートなどを
挙げることができる。アニオン性単量体単位の導入は、
共重合体の安定性を損なうため行わない。本発明におい
て、水溶性カチオン性共重合体中の水酸基を有するノニ
オン性単量体単位の割合は、20モル%以上であること
が好ましく、50〜98モル%であることがより好まし
い。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が20
モル%未満であると、共重合体中の水酸基の量が不足し
て、シリカに対する水酸基の作用が弱くなるおそれがあ
る。水酸基を有するノニオン性単量体単位の割合が98
モル%を超えると、必要なカチオン性基を有する単量体
単位の量が不足するおそれがある。水溶性カチオン性共
重合体中のカチオン性基を有する単量体単位の割合は、
2〜50モル%であることが好ましい。カチオン性基を
有する単量体単位の割合が2モル%未満であると、シリ
カに対するカチオン性基の作用が弱くなるおそれがあ
る。カチオン性基を有する単量体単位の割合が50モル
%を超えると、共重合体が水中の汚れ成分や、金属配管
に吸着され、有効に作用しなくなるおそれがある。
【0008】本発明に用いる水酸基を有するノニオン性
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体は、分子量が
2,000以上であることが好ましい。分子量が2,00
0以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮するこ
とができる。水溶性カチオン性共重合体の分子量は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定する
ことができる。本発明に用いる水酸基を有するノニオン
性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必
須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を得るため
の共重合の方法には特に制限はなく、例えば、水酸基を
有するノニオン性単量体、カチオン性基を有する単量
体、高分子反応により水酸基を有するノニオン性単量体
単位となる単量体、高分子反応によりカチオン性基を有
する単量体単位となる単量体、その他必要に応じて共重
合する単量体を、アゾ系、過酸化物系などの水溶性重合
開始剤を用い、単量体濃度5〜50重量%、重合温度5
0〜100℃で、通常の水を媒体とする溶液重合、乳化
重合などを行うことができる。また、水を媒体とする重
合のほかに、有機溶媒中の溶液重合、乳化重合、懸濁重
合や、さらに塊状重合なども行うことができる。
単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須
構成単位とする水溶性カチオン性共重合体は、分子量が
2,000以上であることが好ましい。分子量が2,00
0以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮するこ
とができる。水溶性カチオン性共重合体の分子量は、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定する
ことができる。本発明に用いる水酸基を有するノニオン
性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必
須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体を得るため
の共重合の方法には特に制限はなく、例えば、水酸基を
有するノニオン性単量体、カチオン性基を有する単量
体、高分子反応により水酸基を有するノニオン性単量体
単位となる単量体、高分子反応によりカチオン性基を有
する単量体単位となる単量体、その他必要に応じて共重
合する単量体を、アゾ系、過酸化物系などの水溶性重合
開始剤を用い、単量体濃度5〜50重量%、重合温度5
0〜100℃で、通常の水を媒体とする溶液重合、乳化
重合などを行うことができる。また、水を媒体とする重
合のほかに、有機溶媒中の溶液重合、乳化重合、懸濁重
合や、さらに塊状重合なども行うことができる。
【0009】本発明のスケール防止剤は、水酸基を有す
るノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量
体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体
に加えて、さらにカルボキシル基を有する単量体単位を
必須構成成分とする水溶性重合体を含有せしめることが
できる。カルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性重合体を含有せしめることにより、カ
ルシウム硬度の高い水系において、カルシウム系スケー
ルの付着を有効に防止することができる。カルボキシル
基を有する単量体単位を構成成分とする水溶性重合体と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基
を有する単量体の単独重合体、これらの単量体と、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン
酸、イソプレンスルホン酸、アリルヒドロキシエチルエ
ーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒド
ロキシプロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエ
ーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモノ
(メタ)アクリレート、アリルアルコール、2,3−ジヒ
ドロキシプロピルアリルエーテル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジア
ルキルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチ
レン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レートなどとの共重合体を挙げることができる。さら
に、カルボキシル基を有する単量体単位を構成成分とす
る水溶性重合体は、例えば、(メタ)アクリレート単位、
(メタ)アクリルアミド単位などを有する重合体を加水分
解して、(メタ)アクリル酸単位とすることにより、ある
いは、無水マレイン酸単位を有する重合体を加水分解し
て、マレイン酸単位とすることにより、得ることができ
る。
るノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量
体単位を必須構成単位とする水溶性カチオン性共重合体
に加えて、さらにカルボキシル基を有する単量体単位を
必須構成成分とする水溶性重合体を含有せしめることが
できる。カルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性重合体を含有せしめることにより、カ
ルシウム硬度の高い水系において、カルシウム系スケー
ルの付着を有効に防止することができる。カルボキシル
基を有する単量体単位を構成成分とする水溶性重合体と
しては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマ
ール酸、イタコン酸、クロトン酸などのカルボキシル基
を有する単量体の単独重合体、これらの単量体と、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−
ヒドロキシ−3−アリロキシ−1−プロパンスルホン
酸、イソプレンスルホン酸、アリルヒドロキシエチルエ
ーテル、ビニルヒドロキシエチルエーテル、アリルヒド
ロキシプロピルエーテル、ビニルヒドロキシプロピルエ
ーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンのモノ
(メタ)アクリレート、アリルアルコール、2,3−ジヒ
ドロキシプロピルアリルエーテル、(メタ)アクリルアミ
ド、N−アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジア
ルキルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、スチ
レン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ
レートなどとの共重合体を挙げることができる。さら
に、カルボキシル基を有する単量体単位を構成成分とす
る水溶性重合体は、例えば、(メタ)アクリレート単位、
(メタ)アクリルアミド単位などを有する重合体を加水分
解して、(メタ)アクリル酸単位とすることにより、ある
いは、無水マレイン酸単位を有する重合体を加水分解し
て、マレイン酸単位とすることにより、得ることができ
る。
【0010】本発明において、水溶性重合体中のカルボ
キシル基を有する単量体単位の割合は、10モル%以上
であることが好ましく、50モル%以上であることがよ
り好ましい。カルボキシル基を有する単量体単位の割合
が10モル%未満であると、カルシウム硬度の高い水系
において、カルシウム系スケールを防止する効果が弱く
なるおそれがある。本発明に用いるカルボキシル基を有
する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体は、
分子量が800以上であることが好ましい。分子量が8
00以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮する
ことができる。水溶性重合体の分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより測定することができ
る。本発明に用いるカルボキシル基を有する単量体単位
を必須構成単位とする水溶性重合体を得るための重合方
法には特に制限はなく、例えば、カルボキシル基を有す
る単量体及び必要に応じて共重合する単量体を、アゾ
系、過酸化物系などの水溶性重合開始剤を用い、単量体
濃度5〜50重量%、重合温度50〜100℃で、通常
の水を媒体とする重合を行うことができる。
キシル基を有する単量体単位の割合は、10モル%以上
であることが好ましく、50モル%以上であることがよ
り好ましい。カルボキシル基を有する単量体単位の割合
が10モル%未満であると、カルシウム硬度の高い水系
において、カルシウム系スケールを防止する効果が弱く
なるおそれがある。本発明に用いるカルボキシル基を有
する単量体単位を必須構成単位とする水溶性重合体は、
分子量が800以上であることが好ましい。分子量が8
00以上であれば、良好なスケール防止効果を発揮する
ことができる。水溶性重合体の分子量は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーにより測定することができ
る。本発明に用いるカルボキシル基を有する単量体単位
を必須構成単位とする水溶性重合体を得るための重合方
法には特に制限はなく、例えば、カルボキシル基を有す
る単量体及び必要に応じて共重合する単量体を、アゾ
系、過酸化物系などの水溶性重合開始剤を用い、単量体
濃度5〜50重量%、重合温度50〜100℃で、通常
の水を媒体とする重合を行うことができる。
【0011】本発明のスケール防止剤の使用形態には特
に制限はなく、例えば、水酸基を有するノニオン性単量
体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基
を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体
をそれぞれ乾燥することにより粉末状とし、それぞれを
別々に用いることができ、あるいは、粉末を混合して1
剤型として用いることができる。また、水酸基を有する
ノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体
単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体の
水溶液とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性重合体の水溶液をそれぞれ調製して2
液型として用いることができ、あるいは、水酸基を有す
るノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量
体単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体
とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分と
する水溶性重合体の両者を水に溶解して1液型として用
いることができる。1液型として用いる場合は、保存中
に沈殿を生じないよう、pHを調整することが好ましい。
本発明のスケール防止剤は、適用する水系に、任意の濃
度に調製した水溶液として添加することができる。通常
は、適用する水中の水溶性重合体の濃度が、1〜100
mg/リットルとなるように添加することが好ましく、1
0〜50mg/リットルとなるように添加することがより
好ましい。
に制限はなく、例えば、水酸基を有するノニオン性単量
体単位及びカチオン性基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性カチオン性共重合体とカルボキシル基
を有する単量体単位を必須構成成分とする水溶性重合体
をそれぞれ乾燥することにより粉末状とし、それぞれを
別々に用いることができ、あるいは、粉末を混合して1
剤型として用いることができる。また、水酸基を有する
ノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量体
単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体の
水溶液とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成
成分とする水溶性重合体の水溶液をそれぞれ調製して2
液型として用いることができ、あるいは、水酸基を有す
るノニオン性単量体単位及びカチオン性基を有する単量
体単位を必須構成成分とする水溶性カチオン性共重合体
とカルボキシル基を有する単量体単位を必須構成成分と
する水溶性重合体の両者を水に溶解して1液型として用
いることができる。1液型として用いる場合は、保存中
に沈殿を生じないよう、pHを調整することが好ましい。
本発明のスケール防止剤は、適用する水系に、任意の濃
度に調製した水溶液として添加することができる。通常
は、適用する水中の水溶性重合体の濃度が、1〜100
mg/リットルとなるように添加することが好ましく、1
0〜50mg/リットルとなるように添加することがより
好ましい。
【0012】本発明のスケール防止剤は、必要に応じて
他のスケール防止剤や防食剤と併用することができる。
併用するスケール防止剤、防食剤としては、例えば、カ
ルボキシル基を含まないアニオン性重合体、ヒドロキシ
エチリデンジホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン
酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、無機リン酸塩、亜鉛塩、ベンゾトリア
ゾール、トリルトリアゾールなどを挙げることができ
る。本発明のスケール防止剤は、必要に応じて、さらに
ヒドラジン、イソチアゾロン化合物などの殺菌剤などと
同じ溶液に混合して添加することができ、あるいは、別
々にこれらの薬品を注入することもできる。本発明のス
ケール防止剤を適用する場合の水質条件及びボイラや熱
交換器の運転条件には特に制限はなく、通常のボイラ、
熱交換器の運転条件及び水質に対して適用することがで
きる。本発明のスケール防止剤は、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、亜鉛水
酸化物、ケイ酸マグネシウム、シリカなど、ボイラ、冷
却水系において生成し、伝熱面や配管壁面に付着するス
ケールを効果的に防止することができる。特にケイ酸マ
グネシウムやシリカの付着の防止に有効である。本発明
のスケール防止剤が、スケールの付着を抑制する詳細な
作用機構は不明であるが、シリカを例にとると、水酸基
を有するノニオン性単量体単位の水酸基とシリカの水酸
基との水素結合による吸着が起こるとともに、カチオン
性基を有する単量体単位のカチオン性基のシリカの水酸
基の解離によって生ずるアニオン部分への吸着が起こ
り、シリカ系スケールの熱交換器壁面などへの付着を効
果的に防止するものと考えられる。また、カルボキシル
基を有する単量体単位は、水中のカルシウムイオンと結
合してカルシウム系スケールの発生を防止するものと考
えられる。
他のスケール防止剤や防食剤と併用することができる。
併用するスケール防止剤、防食剤としては、例えば、カ
ルボキシル基を含まないアニオン性重合体、ヒドロキシ
エチリデンジホスホン酸、ホスホノブタントリカルボン
酸、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸などの
有機ホスホン酸、無機リン酸塩、亜鉛塩、ベンゾトリア
ゾール、トリルトリアゾールなどを挙げることができ
る。本発明のスケール防止剤は、必要に応じて、さらに
ヒドラジン、イソチアゾロン化合物などの殺菌剤などと
同じ溶液に混合して添加することができ、あるいは、別
々にこれらの薬品を注入することもできる。本発明のス
ケール防止剤を適用する場合の水質条件及びボイラや熱
交換器の運転条件には特に制限はなく、通常のボイラ、
熱交換器の運転条件及び水質に対して適用することがで
きる。本発明のスケール防止剤は、炭酸カルシウム、硫
酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、亜鉛水
酸化物、ケイ酸マグネシウム、シリカなど、ボイラ、冷
却水系において生成し、伝熱面や配管壁面に付着するス
ケールを効果的に防止することができる。特にケイ酸マ
グネシウムやシリカの付着の防止に有効である。本発明
のスケール防止剤が、スケールの付着を抑制する詳細な
作用機構は不明であるが、シリカを例にとると、水酸基
を有するノニオン性単量体単位の水酸基とシリカの水酸
基との水素結合による吸着が起こるとともに、カチオン
性基を有する単量体単位のカチオン性基のシリカの水酸
基の解離によって生ずるアニオン部分への吸着が起こ
り、シリカ系スケールの熱交換器壁面などへの付着を効
果的に防止するものと考えられる。また、カルボキシル
基を有する単量体単位は、水中のカルシウムイオンと結
合してカルシウム系スケールの発生を防止するものと考
えられる。
【0013】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。実施例に使用した重合体を第1
表に、比較例に使用した重合体を第2表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。実施例に使用した重合体を第1
表に、比較例に使用した重合体を第2表に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】スケール付着速度は、次の方法により求め
た。すなわち、伝熱面積が約0.25m2の熱交換器を有
する保有水量0.45m3の開放循環式冷却水系に、厚木
市水に純水及び塩類を加えた水を循環水及び補給水とし
て加え、一定の水質になるようにコントロールしながら
30日間熱交換器を運転した。熱交換器チューブは、材
質がSUS304で、外径が19mmのものを使用した。
循環水入口温度は45℃、循環水出口温度は75℃、循
環水流速は0.5m/秒である。上記の重合体の所定量
を水系に添加し、30日後に熱交換器チューブに付着し
たスケールを採取し、105℃で乾燥したのち秤量し
て、スケールの付着速度を(mg/cm2/30日)単位で
求めた。さらに、乾燥したスケールを600℃で焼成
し、化学分析によりCaO及びSiO2の割合を求め
た。 実施例1 pH8.9、カルシウム硬度80mg/リットル、Mアルカ
リ度120mg/リットル、シリカ160mg/リットル、
マグネシウム硬度160mg/リットルの水質を有する水
に、重合体A−1を濃度20mg/リットルになるよう添
加して試験を実施した。スケール付着速度は10mg/cm
2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが
35重量%、SiO2が3重量%であった。 実施例2〜5 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−
5を所定量添加して試験を実施した。 比較例1 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度
20mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケ
ール組成分析結果は、CaOが41重量%、SiO2が
38重量%であった。 比較例2〜3 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−
3を所定量添加して試験を実施した。実施例1〜5及び
比較例1〜3の結果を、第3表に示す。
た。すなわち、伝熱面積が約0.25m2の熱交換器を有
する保有水量0.45m3の開放循環式冷却水系に、厚木
市水に純水及び塩類を加えた水を循環水及び補給水とし
て加え、一定の水質になるようにコントロールしながら
30日間熱交換器を運転した。熱交換器チューブは、材
質がSUS304で、外径が19mmのものを使用した。
循環水入口温度は45℃、循環水出口温度は75℃、循
環水流速は0.5m/秒である。上記の重合体の所定量
を水系に添加し、30日後に熱交換器チューブに付着し
たスケールを採取し、105℃で乾燥したのち秤量し
て、スケールの付着速度を(mg/cm2/30日)単位で
求めた。さらに、乾燥したスケールを600℃で焼成
し、化学分析によりCaO及びSiO2の割合を求め
た。 実施例1 pH8.9、カルシウム硬度80mg/リットル、Mアルカ
リ度120mg/リットル、シリカ160mg/リットル、
マグネシウム硬度160mg/リットルの水質を有する水
に、重合体A−1を濃度20mg/リットルになるよう添
加して試験を実施した。スケール付着速度は10mg/cm
2/30日であり、スケール組成分析結果は、CaOが
35重量%、SiO2が3重量%であった。 実施例2〜5 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−
5を所定量添加して試験を実施した。 比較例1 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度
20mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケ
ール組成分析結果は、CaOが41重量%、SiO2が
38重量%であった。 比較例2〜3 実施例1と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−
3を所定量添加して試験を実施した。実施例1〜5及び
比較例1〜3の結果を、第3表に示す。
【0017】
【表3】
【0018】水酸基を有するノニオン性単量体単位及び
カチオン性基を有する単量体単位を有する水溶性カチオ
ン性共重合体を添加した実施例1〜5においては、スケ
ール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が少
ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたスケ
ール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付着
防止に有効であることが分かる。これに対して、カルボ
キシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体のみ
を添加した比較例1〜3においては、スケール付着速度
が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多い。 実施例6 pH9.1、カルシウム硬度480mg/リットル、Mアル
カリ度480mg/リットル、シリカ190mg/リット
ル、マグネシウム硬度190mg/リットルの水質を有す
る水に、重合体A−1及び重合体B−1をそれぞれ濃度
15mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は7mg/cm2/30日であり、スケー
ル組成分析結果は、CaOが42重量%、SiO2が3
重量%であった。 実施例7〜10 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−
5及び重合体B−1、B−3を所定量添加して試験を実
施した。 比較例4 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度
30mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケ
ール組成分析結果は、CaOが38重量%、SiO2が
41重量%であった。 比較例5〜6 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−
3を所定量添加して試験を実施した。実施例6〜10及
び比較例4〜6の結果を、第4表に示す。
カチオン性基を有する単量体単位を有する水溶性カチオ
ン性共重合体を添加した実施例1〜5においては、スケ
ール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が少
ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたスケ
ール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付着
防止に有効であることが分かる。これに対して、カルボ
キシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体のみ
を添加した比較例1〜3においては、スケール付着速度
が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多い。 実施例6 pH9.1、カルシウム硬度480mg/リットル、Mアル
カリ度480mg/リットル、シリカ190mg/リット
ル、マグネシウム硬度190mg/リットルの水質を有す
る水に、重合体A−1及び重合体B−1をそれぞれ濃度
15mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は7mg/cm2/30日であり、スケー
ル組成分析結果は、CaOが42重量%、SiO2が3
重量%であった。 実施例7〜10 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体A−2〜A−
5及び重合体B−1、B−3を所定量添加して試験を実
施した。 比較例4 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−1を濃度
30mg/リットルになるよう添加して試験を実施した。
スケール付着速度は67mg/cm2/30日であり、スケ
ール組成分析結果は、CaOが38重量%、SiO2が
41重量%であった。 比較例5〜6 実施例6と同じ水質を有する水に、重合体B−2〜B−
3を所定量添加して試験を実施した。実施例6〜10及
び比較例4〜6の結果を、第4表に示す。
【0019】
【表4】
【0020】水酸基を有する単量体単位及びカチオン性
基を有する単量体単位を有する水溶性カチオン性共重合
体とカルボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性
重合体を併せて添加した実施例6〜10においては、ス
ケール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が
少ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたス
ケール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付
着防止に有効であることが分かる。これに対して、カル
ボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体の
みを添加した比較例4〜6においては、スケール付着速
度が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多
い。
基を有する単量体単位を有する水溶性カチオン性共重合
体とカルボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性
重合体を併せて添加した実施例6〜10においては、ス
ケール付着速度が小さく、かつスケール中のSiO2が
少ないことから、本発明のスケール防止剤は、優れたス
ケール付着防止効果を有し、特にシリカ系スケールの付
着防止に有効であることが分かる。これに対して、カル
ボキシル基を有する単量体単位を有する水溶性重合体の
みを添加した比較例4〜6においては、スケール付着速
度が大きく、しかもスケール中のSiO2の割合が多
い。
【0021】
【発明の効果】本発明のスケール防止剤及びスケール付
着防止方法は、従来のスケール防止剤及び防止方法に比
べて、スケールの付着防止に対する効果が大きく、特に
シリカ系スケールの付着防止に優れた効果を有する。
着防止方法は、従来のスケール防止剤及び防止方法に比
べて、スケールの付着防止に対する効果が大きく、特に
シリカ系スケールの付着防止に優れた効果を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼井 麗 東京都新宿区西新宿3丁目4番7号 栗田 工業株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】水酸基を有するノニオン性単量体単位及び
カチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする
水溶性カチオン性共重合体を含有することを特徴とする
スケール防止剤。 - 【請求項2】さらにカルボキシル基を有する単量体単位
を必須構成単位とする水溶性重合体を含有する請求項1
記載のスケール防止剤。 - 【請求項3】水酸基を有するノニオン性単量体単位及び
カチオン性基を有する単量体単位を必須構成単位とする
水溶性カチオン性共重合体を水に添加することを特徴と
するスケール付着防止方法。 - 【請求項4】さらにカルボキシル基を有する単量体単位
を必須構成単位とする水溶性重合体を添加する請求項3
記載のスケール付着防止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15585997A JPH10328697A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スケール防止剤及びスケール付着防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15585997A JPH10328697A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スケール防止剤及びスケール付着防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10328697A true JPH10328697A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15615074
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15585997A Pending JPH10328697A (ja) | 1997-05-29 | 1997-05-29 | スケール防止剤及びスケール付着防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10328697A (ja) |
-
1997
- 1997-05-29 JP JP15585997A patent/JPH10328697A/ja active Pending
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