JPH10325485A - 切換弁 - Google Patents

切換弁

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JPH10325485A
JPH10325485A JP34581897A JP34581897A JPH10325485A JP H10325485 A JPH10325485 A JP H10325485A JP 34581897 A JP34581897 A JP 34581897A JP 34581897 A JP34581897 A JP 34581897A JP H10325485 A JPH10325485 A JP H10325485A
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spring
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプールにパイロット圧を作用させて、4位
置または5位置切換弁を実現する。 【解決手段】 スプール5の両端を臨ませた両パイロッ
ト室8、9またはいずれか一方のパイロット室にピスト
ンを組み込み、そのパイロット室を外側室9aと内側室
9bとに区分する。そして、これら両室9a、9bにお
けるピストンの受圧面積を等しくするとともに、両室を
連通させたりその連通を遮断したりする補助切換弁24
を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、パイロット圧で
制御するスプールを用いた切換弁に係わり、特に、スプ
ールを4位置あるいは5位置に切り換えることができる
切換弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4位置あるいは5位置切換弁は、中立位
置を境にして、一方の側に2ポジションを必要とする。
しかし、パイロット圧を用いて、一方の側の2ポジショ
ンを正確に位置決めすることは困難ということで、従来
は、その切換弁を手動で切り換えるようにしていた。ま
た、あえてパイロット圧を用いて4位置あるいは5位置
切り換え制御をしようとしたときには、3位置切換弁と
2位置切換弁とを組み合わせて、それら両者で実質的に
4位置あるいは5位置に切り換え制御をするようにして
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように手動で切
り換え操作する切換弁では、熟練したオペレータを必要
とするという問題があった。また、3位置切換弁と2位
置切換弁とを用いてパイロット制御するときには、切換
弁の数が多くなるので、装置全体が大型化したり、ある
いはコストが上昇したりするという問題があった。この
発明の目的は、パイロット制御して、一つの切換弁で4
位置あるいは5位置の切り換えができる切換弁を提供す
ることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、バルブ本体
と、このバルブ本体に摺動自在に組み込んだスプール
と、このスプールの両端を臨ませた両パイロット室と、
スプールを中立に保持するセンタリングスプリングと、
いずれか一方のパイロット室にパイロット圧を導くとと
もにいずれか他方のパイロット室の流体をタンクに排出
する切り換え手段とを備えた切換弁を前提にする。
【0005】上記の切換弁を前提にしつつ、第1の発明
は、両方またはいずれか一方のパイロット室に組み込む
とともにパイロット室を軸線方向に外側室と内側室とに
区画するピストンと、外側室と内側室とを連通したりそ
の連通を遮断して内側室をタンクに連通したりする補助
切換弁とを備え、上記ピストンの受圧面積は、両室内に
おいて等しくするとともに内側室に臨ませたスプールの
受圧面積よりも大きくする一方、外側室と内側室とを連
通した状態でパイロット圧を導いたとき、内側室におけ
るスプールの受圧面積だけが推力作用面になってスプー
ルがセンタリングスプリングに抗しながら第1段階の切
り換え位置に移動し、外側室と内側室との連通を遮断す
るとともに内側室をタンクに連通した状態でパイロット
圧を導いたとき、外側室におけるピストンの受圧面積が
推力作用面となってスプールがセンタリングスプリング
に抗しながら第2段階の切り換え位置に移動する構成に
したことを特徴とする。
【0006】第2の発明は、スプールが第1段階の切り
換え位置を越えてから第2段階の切り換え位置にストロ
ークする間、スプールのストロークに抗する反力を付与
する補助スプリングを設けたことを特徴とする。第3の
発明は、ピストンを組み込んだ一方のパイロット室と反
対側の他方のパイロット室に一端を臨ませたスプール
と、このスプールの一端に設けた固定バネ受けと、固定
バネ受けよりも外側に移動自在に設けた移動バネ受け
と、移動バネ受けよりも外側のスプールに設けるととも
に移動バネ受けの移動を規制する止め部材と、上記他方
のパイロット室に形成するとともに移動バネ受けよりも
外側であってこの移動バネ受けの移動軌跡内に突出させ
た第1ストッパーと、上記他方のパイロット室に形成す
るとともにスプールのフルストローク位置を規制する第
2ストッパーとを備え、補助スプリングは、固定バネ受
けと移動バネ受けとの間に設けるとともに、移動バネ受
けを止め部材に押しつける一方、スプールがストローク
して、移動バネ受けを上記第1ストッパーに当接した状
態からさらにストロークしたとき、そのストロークに対
する反力を発揮する構成にしたことを特徴とする。
【0007】第4の発明は、ピストンを組み込んだ一方
のパイロット室と反対側の他方のパイロット室に移動自
在に組み込んだバネ受けと、上記他方のパイロット室に
形成するとともに上記バネ受けよりも内側であってこの
バネ受けの移動軌跡内に突出させた第1ストッパーと、
上記他方のパイロット室に形成するとともにスプールの
フルストローク位置を規制する第2ストッパーとを備
え、補助スプリングは、上記バネ受けとパイロット室の
端面との間に設けるとともに、バネ受けを第1ストッパ
ーに押しつける一方、スプールがその端面を上記バネ受
けに当接させた状態からさらにストロークしたとき、こ
のスプールのストロークに対する反力を発揮する構成に
したことを特徴とする。第5の発明は、一対の減圧弁を
もって切り換え手段とし、一方の減圧弁をタンクに開放
し、他方の減圧弁に減圧機能を発揮させているとき、い
ずれか一方のパイロット室にパイロット圧が導かれる構
成にしたこを特徴とする。第6の発明は、スプールが第
1段階の切り換え位置を保ったとき、油路が絞られる構
成にしたことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】図1〜図5に示した第1実施例
は、4位置切換弁の例である。バルブ本体1には、一対
のアクチュエータポートA、B、タンク通路T及びスプ
ール穴4を形成している。そして、このスプール穴4に
は、スプール5を摺動自在に組み込むとともに、このス
プール穴4の両端をキャップ6、7でふさぎ、これらキ
ャップ6、7内をパイロット室8、9としている。
【0009】上記一方のパイロット室8に臨ませたスプ
ール5の端面には、ガイドロッド10を連結するととも
に、このガイドロッド10には一対のバネ受け11、1
2を摺動自在に設けている。そして、これら両バネ受け
11、12間には、センタリングスプリング13を介在
させている。また、スプール5が中立位置にあるとき、
上記一方のバネ受け11は、ガイドロッド10の先端に
形成したフランジ状の固定バネ受け14とキャップ6に
形成した第1段部15とに接触し、他方のバネ受け12
は、スプール5に形成した段部16とバルブ本体1の壁
面とに接触するようにしている。言い換えれば、このよ
うに構成しているので、センタリングスプリング13が
伸長状態にあるとき、スプール5が中立位置を保てるこ
とになる。
【0010】また、上記ガイドロッド10の先端には、
補助ロッド17を連結している。そして、この補助ロッ
ド17には移動バネ受け18を移動自在に設けるととも
に、この補助ロッド17の先端に止め部材19を設け
て、移動バネ受け18が補助ロッドから抜けないように
している。そして、この移動バネ受け18と前記固定バ
ネ受け14との間に補助スプリング20を介在させてい
る。さらに、上記キャップ6の内周面には、第2段部2
1を形成しているが、この第2段部21は、この発明の
第1ストッパーに相当するもので、移動バネ受け18の
移動軌跡内に突出させている。
【0011】したがって、スプール5がセンタリングス
プリング13に抗して所定のストローク移動すると、移
動バネ受け18がこの第2段部21に当たるが、この位
置が、図5に示す他方側の第1段階の切り換え位置(c)
に相当するようにしている。また、移動バネ受け18が
第2段部21に当たったときにも、補助ロッド17の先
端とキャップ6の端面22との間に間隔が保たれ、スプ
ール5がこの間隔分だけさらにストロークできるように
している。そして、補助ロッド17の先端が端面22に
当たったとき、その位置が、図5に示す第2段階の切り
換え位置(d)に相当するようにしている。ただし、これ
ら切り換え位置(c)(d)に関しては、後で詳細に説明す
る。なお、この実施例では、上記端面22がこの発明に
おける第2ストッパーを構成しているが、パイロット室
8内に特別に突起など設けてストッパーとしてもよい。
また、この発明におけるスプールとは、上記ガイドロッ
ド10及び補助ロッド17を含めた概念である。
【0012】前記他方のパイロット室9にはピストン2
3を組み込み、このパイロット室9内を、外側室9aと
内側室9bとに区画するとともに、内側室9bにスプー
ル5の端面を臨ませる一方、これら両室におけるピスト
ン23の受圧面積を等しくしている。上記のようにした
両室9a、9b間には、補助切換弁24を設けている。
この補助切換弁24は、その一方にスプリング25のバ
ネ力を作用させ、他方にソレノイド26の推力を作用さ
せるようにしている。そして、ソレノイド26の励磁状
態では、図1に示す遮断位置(x)を保ち、ノーマル状態
では連通位置(y)を保つ。上記遮断位置(x)では、両室9
a、9bの連通が遮断されるとともに、内側室9bがタ
ンク27に接続され、連通位置(y)では、両室9a、9
bが連通する。なお、この実施例では補助切換弁24を
ソレイノド26で切り換えるようにしているが、手動で
切り換えられるようにしてもよいし、3位置切換弁にし
てもよい。また、ノーマル位置を上記とは逆にしてもよ
い。
【0013】また、上記バルブ本体1には、一対の減圧
弁28、29を組み込んでいるが、この減圧弁28、2
9の一次側をパイロット源に連通し、二次側を通路3
0、31を介してパイロット室8、9に連通している。
減圧弁28、29は、そのソレノイドを励磁したり、非
励磁にしたりして、減圧機能発揮状態とタンク開放状態
とを保つようにしたもので、減圧機能発揮状態では、一
次側の圧力を減圧してパイロット室8、9に供給する。
そして、一方の減圧弁をタンク開放状態にして、他方の
減圧弁を減圧機能発揮状態にすれば、これら一対の減圧
弁28、29が相まって、いずれかのパイロット室8ま
たは9にパイロット圧を導くための切り換え手段として
機能する。なお、図中符号41、42は、バルブ本体1
に形成したリリーフ弁組み付け穴である。
【0014】次に、この第1実施例の作用を説明する。
いま、両減圧弁28、29を非励磁状態に保つと、スプ
ール5は、センタリングスプリング13の作用で、図1
の位置を保つが、この図1の位置は図5における中立位
置(a)に相当する。この中立位置(a)においては、ポンプ
P及びタンク32と、アクチュエータポートA及びBと
の連通が遮断され、中立流路33が開放される。したが
って、ポンプPからの吐出流体は、この中立流路33を
通過することになる。
【0015】上記の状態から、一方の減圧弁28を励磁
させ、他方の減圧弁29を非励磁の状態に保てば、一方
のパイロット室8にパイロット圧が導かれるとともに、
他方のパイロット室9がタンクに開放される。したがっ
て、スプール5はセンタリングスプリング13に抗して
図面右方向に移動し、図2の状態に切り換わる。この図
2の状態は、図5における一方側の切り換え位置(b)に
相当する。この一方の側の切り換え位置(b)において
は、アクチュエータポートAと供給流路34とが、第1
環状溝35を介して連通する。また、アクチュエータポ
ートBとタンクポートTとが、第2環状溝36を介して
連通する。
【0016】したがって、ポンプPの吐出流体は、供給
通路34→第1環状溝35→アクチュエータポートAを
経由してシリンダCのボトム側室37に供給される。ま
た、シリンダCのロッド側室38の戻り流体は、アクチ
ュエータポートB→第2環状溝36→タンク通路Tを経
由してタンク32に戻される。このようにスプール5が
一方側の切り換え位置(b)に切り換われば、シリンダC
が伸長することになる。
【0017】また、上記とは反対に、一方の減圧弁28
を非励磁状態にしてタンクに開放し、他方の減圧弁29
を励磁して減圧機能を発揮させれば、今度は、一方のパ
イロット室8がタンクに開放され、他方のパイロット室
9の外側室9aにパイロット圧が導かれる。このとき、
補助切換弁24を非励磁の状態にして連通位置(y)に保
って両室9a及び9bを連通しておけば、外側室9aに
導かれたパイロット圧が内側室9bにも導かれる。ただ
し、このときには、ピストン23がスプール5に対する
推力を発揮しない。なぜなら、両室9a、9bにおける
ピストン23の受圧面積を等しくしているので、ピスト
ン23がフロートの状態になるからである。したがっ
て、このときには、パイロット圧と内側室9bに臨ませ
たスプール5の端面の受圧面積とでスプール5の推力が
決まることになる。
【0018】上記の推力のもとでスプール5がセンタリ
ングスプリング13に抗して図面左方向に移動する。そ
して、その移動過程で前記補助ロッド17の先端に設け
た移動バネ受け18が、キャップ6の内周に設けた第2
段部21に当たる。このように移動バネ受け18が第2
段部21に当たれば、その時点で、スプール5の推力に
抗する力が、センタリングスプリング13と補助スプリ
ング20との合成バネ力ということになる。そして、上
記のように移動バネ受け18が第2段部21に当たった
ときに、スプール5の推力と上記合成バネ力とがバラン
スするようにしている。このバランス位置が図3に示す
位置であり、図5における他方側の第1段階の切り換え
位置(c)である。
【0019】上記のように、移動バネ受け18が第2段
部21に当たった時点で、上記第1段階の切り換え位置
(c)としたのは、次の理由からである。すなわち、移動
バネ受け18が第2段部21に当たれば、その時点でス
プール5の推力に抗する力が、センタリングスプリング
13と補助スプリング20との合成バネ力となる。とい
うことは、移動バネ受け18が第2段部21に当たった
とき、スプール5の推力に対する抗力が急に大きくな
る。その変化が大きければ大きいほど、上記第1段階の
切り換え位置(c)の位置決めがやりやすくなる。以上の
ような理由から、移動バネ受け18が第2段部21に当
たったときに補助スプリング20のバネ力を発揮させる
ようにしたものである。なお、この実施例では、この発
明の第1ストッパーを第2段部21で構成しているが、
移動バネ受け18の移動軌跡内に突出する構造であれ
ば、突起でも環状の部材でもよい。
【0020】したがって、センタリングスプリング1本
で、第1段階の切り換え位置(c)の位置決めができるな
ら、補助スプリング20等をあえて設ける必要のないも
のである。しかし、この実施例のようすれば、上記第1
段階の切り換え位置(c)の位置決めが簡単かつ正確にで
きるという効果を期待できる。
【0021】スプール5が上記第1段階の切り換え位置
(c)に切り換われば、アクチュエータポートAとタンク
通路Tとが第1環状溝35を介して連通し、アクチュエ
ータポートBと供給通路34とが第2環状溝36を介し
て連通する。したがって、ポンプPの吐出流体は、供給
通路34→第2環状溝36→アクチュエータポートBを
経由してシリンダCのロッド側室38に供給される。ま
た、ボトム側室37の戻り流体は、アクチュエータポー
トA→第1環状溝35→タンク通路Tを経由してタンク
32に戻される。上記のようにロッド側室38に吐出流
体が供給され、ボトム側室37の流体がタンク32に戻
されるので、シリンダCは収縮することになる。
【0022】次に、上記の状態から他方のパイロット室
9にパイロット圧を導きながら、補助切換弁24のソレ
ノイド26を励磁して遮断位置(x)に切り換えると、両
室9aと9bとの連通が遮断されるとともに内側室9b
がタンク27に連通する。したがって、このときには外
側室9aにおけるピストン23の受圧面積にのみにパイ
ロット圧が作用するので、ピストン23が図面左方向に
移動する。言い換えれば、このピストン23の推力がス
プール5の推力となる。しかも、このピストン23の受
圧面積は、前記したようにスプール5の端面の受圧面積
よりも大きくしているので、このときのスプール5の推
力は、両室9a、9bを連通させているときよりも大き
くなる。
【0023】したがって、前記のように補助ロッド17
の移動バネ受け18が第2段部21に当たった後でも、
センタリングスプリング13と補助スプリング20の合
成バネ力に打ち勝って、スプール5が図面左方向に移動
できることになる。スプール5が上記のように移動し
て、補助ロッド17の先端が、キャップ6の端面22に
当たったとき、図4に示すようにスプール5が停止す
る。そして、図5の他方側の第2段階の切り換え位置
(d)を保つことになる。なお、この第2段階の切り換え
位置(d)は、スプール5をキャップ6に押しつけること
によって正確に位置決めされている。
【0024】そして、この第2段階の切り換え位置(d)
においては、アクチュエータポートAが、第1環状溝3
5の図面右側に形成したノッチ39を介してタンク通路
Tに連通する一方、アクチュエータポートBも第3環状
溝40を介してタンク通路Tに連通する。この第2段階
の切り換え位置(d)は、シリンダCが自重で収縮するモ
ードである。すなわち、シリンダCのボトム側室37が
アクチュエータポートA→ノッチ39→タンク通路Tを
経由してタンク32に連通するとともに、ロッド側室3
8もアクチュエータポートB→第3環状溝40→タンク
通路Tを経由してタンク32に連通する。したがって、
シリンダCは、その自重によって、ボトム側室37の流
体を排出しつつ、ロッド側室38にはタンク32から流
体を吸込みながら収縮する。
【0025】また、このモードのもう一つの用途は、例
えばローダのバケットを自重で地面に接触させて、その
バケットの重さで地均しをするような場合が考えられ
る。この場合に、その地均し中にバケットが多少上下に
移動するが、上記のように両方のアクチュエータポート
A、Bがタンクに連通していれば、その上下移動が自由
になる。したがって、このバケットの自重だけで地均し
ができることになる。
【0026】図6及び図7に示した第2実施例は、他方
側の第1段階の切り換え位置(c)において、供給通路3
4とアクチュエータポートBとがノッチノッチ43を介
して連通するとともに、アクチュエータポートAもノッ
チ44を介してタンク通路Tに連通するようにしたもの
である。つまり、図7に示すように、その供給側の油路
も戻り側の油路も絞られるようにしたものである。した
がって、第1段階の切り換え位置(c)においてシリンダ
Cがゆっくりと収縮することになる。また、第2段階の
切り換え位置(d)においては、その収縮速度を速くする
ようにしている。したがって、この実施例では、積極的
圧力流体を供給しながら、シリンダCの収縮速度を2段
階に制御できる。
【0027】図8〜13に示した第3実施例は、上記第
1実施例における切換弁のキャップ6、7の構成と、パ
イロット室8、9内の構成を変更して、パイロット圧で
スプールを5位置に切り換えることができるようにした
ものである。そこで、この第3実施例では、キャップお
よびパイロット室の構成を中心に説明し、第1実施例と
同じ構成要素については同じ符号を使用して、その詳細
な説明を省略する。
【0028】スプール穴4の図中左側端を、キャップ部
材60a、60bからなるキャップ60で塞ぎ、反対の
図中右側端を、キャップ部材61a、61bからなるキ
ャップ61で塞いでいる。上記キャップ60内のパイロ
ット室45には、ピストン46を組み込むとともに、こ
のピストン46によって、パイロット室45を外側室4
5aと内側室45bとに区画している。そして、これら
両室45a、45b内におけるピストン46の受圧面積
を等しくするとともに、これら両室45a、45b間
に、補助切換弁48を接続している。補助切換弁48
は、その一方にスプリング48aのバネ力を作用させ、
他方にソレイノド48bの推力を作用させるようにして
いる。このようにした補助切換弁48bは、非励磁状態
で図示する連通位置(y)を保ち、両室45a、45bを
連通するが、励磁状態で遮断位置(x)に切り換わり、両
室45a、45bの連通を遮断するとともに、内側室4
5bをタンク27に連通する。なお、キャップ部材60
aには、段部54を形成し、この段部54をバネ受け1
8の移動軌跡内に突出させている。
【0029】一方、キャップ61内のパイロット室47
にもピストン23を組み込み、パイロット室47を外側
室47aと内側室47bとに区画している。そして、外
側室47aには、バネ受け49と補助スプリング50と
を組み込み、補助スプリング50のバネ力によってバネ
受け49をキャップ部材61aとキャップ部材61bと
の間に構成した段部51に押しつけている。なお、上記
段部51、54が、この発明の第1ストッパーに相当す
る。
【0030】次に、この第3実施例の作用を説明する。
両減圧弁28、29が非励磁状態のとき、スプール5
は、センタリングスプリング13の作用で図8の位置を
保つ。この位置は図9における中立位置(a)に相当し、
ポンプP及びタンク32と、アクチュエータポートA及
びBとの連通を遮断し、中立流路33を開放する。した
がって、ポンプPからの吐出流体は、この中立流路33
を通過する。
【0031】上記の状態から、一方の減圧弁28を励磁
させ、他方の減圧弁29を非励磁の状態に保てば、一方
のパイロット室45の外側室45aにパイロット圧が導
かれ、他方のパイロット室47がタンクに開放される。
このとき、補助切換弁48を連通位置(y)に保ち、両室
45a及び45bを連通しておけば、外側室45aに導
かれたパイロット圧が内側室45bにも導かれる。この
ようにパイロット圧が導かれると、両室45a、45b
内におけるピストン46の受圧面積が等しいので、ピス
トン46がフロートの状態になり、ピストン23がスプ
ール5に対する推力を発揮しない。したがって、このと
きには、パイロット圧と内側室45bに臨ませたスプー
ル5の受圧面積とでその推力が決まる。
【0032】この推力によって、スプール5が、センタ
リングスプリング13のバネ力に抗してピストン23と
ともに図面右方向に移動する。そして、ピストン23を
バネ受け49に押しつけると、その時点で、スプール5
の推力に抗する力が、センタリングスプリング13と補
助スプリング50との合成バネ力になる。こようにバネ
受け49に当たったときに、スプール5の推力と上記合
成バネ力とがバランスするようにしている。このバラン
スした状態を示したものが図10であり、図9における
第1段階の切り換え位置(b)に相当する。この第1段階
の切り換え位置(b)においては、アクチュエータポート
Aと供給流路34とが、第1環状溝35のノッチ39を
介して連通する。また、アクチュエータポートBとタン
クポートTとが、第2環状溝36ノッチ52介して連通
する。
【0033】したがって、ポンプPの吐出流体は、供給
通路34→ノッチ39→第1環状溝35→アクチュエー
タポートAを経由してシリンダCのボトム側室37に供
給される。また、シリンダCのロッド側室38の戻り流
体は、アクチュエータポートB→第2環状溝36→ノッ
チ52→タンク通路Tを経由してタンク32に戻され
る。このとき、シリンダCが伸長するが、ノッチ39、
52によって流量が抑えられているので、その速度は遅
くなる。
【0034】上記の状態からソレノイド48bを励磁し
て補助切換弁48を遮断位置(x)に切り換えると、両室
45aと45bとの連通が遮断されるとともに、内側室
45bがタンク27に連通する。したがって、外側室4
5aにおけるピストン46の受圧面積にのみにパイロッ
ト圧が作用する。そして、このピストン46の受圧面積
は、前記したようにスプール5の端面の受圧面積よりも
大きいので、スプール5の推力は、両室45a、45b
を連通させているときよりも大きくなる。
【0035】この推力によってスプール5は、センタリ
ングスプリング13と補助スプリング50の合成バネ力
に打ち勝って、図面右方向にさらに移動する。そして、
図11に示すように、バネ受け49の先端49aをパイ
ロット室47の端面63に当てるとスプール5が停止
し、図9の第2段階の切り換え位置(c)を保つことにな
る。
【0036】この第2段階の切り換え位置(c)において
は、アクチュエータポートAが、第1環状溝35を介し
て供給通路34に連通する一方、アクチュエータポート
Bが、第2環状溝36を介してタンク通路Tに連通す
る。このときには、アクチュエータポートAと供給通路
34、アクチュエータポートBとタンク通路Tとの連通
が全開状態を保つので、シリンダCの伸長速度が速くな
る。
【0037】上記とは反対に、一方の減圧弁28をタン
クに開放し、他方の減圧弁29に減圧機能を発揮させれ
ば、今度は、パイロット室45がタンクに開放され、パ
イロット室47にパイロット圧が導かれる。このとき、
補助切換弁24を連通位置(y)に保って両室47a、4
7bを連通しておけば、外側室47aに導かれたパイロ
ット圧が内側室47bにも導かれる。このようにパイロ
ット圧が導かれれば、スプール5には、このスプール5
の端面の受圧面積とパイロット圧とで決まる推力が作用
する。
【0038】この推力によってスプール5がセンタリン
グスプリング13に抗して図面左方向に移動する。そし
て、その移動過程で移動バネ受け18が、キャップ部材
60aの内周に設けた段部54に当たる。このように移
動バネ受け18が段部54に当たれば、センタリングス
プリング13と補助スプリング20との合成バネ力がス
プール5に作用する。そして、この状態でスプール5の
推力と上記合成バネ力とがバランスするようにしてい
る。このバランス位置が図12に示す位置であり、図9
における他方側の第1段階の切り換え位置(d)である。
【0039】この第1段階の切り換え位置(d)にスプー
ル5が切り換われば、アクチュエータポートAとタンク
通路Tとが第1環状溝35のノッチ43を介して連通
し、アクチュエータポートBと供給通路34とが第2環
状溝36のノッチ44を介して連通する。したがって、
ポンプPの吐出流体は、供給通路34→ノッチ44→第
2環状溝36→アクチュエータポートBを経由してシリ
ンダCのロッド側室38に供給される。また、ボトム側
室37の戻り流体は、アクチュエータポートA→第1環
状溝35→ノッチ43→タンク通路Tを経由してタンク
32に戻される。このとき、シリンダCは収縮するが。
ノッチ43、44によって流量が抑えられているので、
その速度は遅くなる。
【0040】上記の状態から、補助切換弁24を遮断位
置(x)に切り換えると、両室47a、47bの連通が遮
断されるとともに内側室47bがタンク27に連通す
る。そのため、外側室47aにおけるピストン23の受
圧面積にのみにパイロット圧が作用し、スプール5には
上記よりも大きい推力が作用する。そして、このスプー
ル5は、センタリングスプリング13と補助スプリング
20の合成バネ力に打ち勝って図面左方向に移動し、図
13に示すように、補助ロッド17の先端でピストン4
6の端面をパイロット室45の端面62に押し当てて停
止する。このとき、図9の他方側の第2段階の切り換え
位置(e)を保つことになる。
【0041】この第2段階の切り換え位置(e)において
は、アクチュエータポートAが、第1環状溝35を介し
てタンク通路Tに連通する一方、アクチュエータポート
Bが、第2環状溝36を介して供給通路34に連通す
る。そして、これらの連通は全開状態を保つので、シリ
ンダCの収縮速度が速くなる。以上のように、この第3
実施例では、スプール5を5つの切り換え位置に切り換
えることができる。また、この第3実施例においても、
上記第1実施例と同様に、センタリングスプリング13
だけで第1段階の切り換え位置(b)、(d)の位置決めがで
きるなら、補助スプリング20、50等をあえて設けな
くてもいい。しかし、この実施例のようにすれば、第1
段階の切り換え位置(b)、(d)の位置決めが簡単かつ正確
にできる。なお、この第3実施例でも、両パイロット室
45、47の端面62、63が、この発明の第2ストッ
パーを構成している。
【0042】
【発明の効果】第1の発明によれば、パイロット圧を用
いた4位置あるいは5位置の切換弁を簡単に実現でき
る。第2の発明によれば、第1段階の切り換え位置を、
正確に定めることができる。第3、4の発明によれば、
第1段階の切り換え位置および第2段階の切り換え位置
を、正確に定めることができる。第5の発明によれば、
減圧弁以外に特別な切換手段を必要としなくて済む。第
6の発明によれば、第1段階の切り換え位置において、
アクチュエータをゆっくり動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例のスプールを中立位置に保った断面
図である。
【図2】第1実施例のスプールを一方側に切り換えた状
態の断面図である。
【図3】第1実施例のスプールを他方側の第1段階の切
り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【図4】第1実施例のスプールを他方側の第2段階の切
り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【図5】第1実施例の回路図である。
【図6】第2実施例の断面図である。
【図7】第2実施例回路図である。
【図8】第3実施例のスプールを中立位置を保った断面
図である。
【図9】第3実施例の回路図である。
【図10】第3実施例のスプールを一方側の第1段階の
切り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【図11】第3実施例のスプールを一方側の第2段階の
切り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【図12】第3実施例のスプールを他方側の第1段階の
切り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【図13】第3実施例のスプールを他方側の第2段階の
切り換え位置に切り換えた状態の断面図である。
【符号の説明】
1 バルブ本体 5 スプール 8、9、45、47 パイロット室 9a、45a、47a 外側室 9b、45b、47b 内側室 10 この発明のスプールを構成する
ガイドロッド 13 センタリングスプリング 14 固定バネ受け 17 この発明のスプールを構成する
補助ロッド 18 移動バネ受け 19 止め部材 20、50 補助スプリング 21 この発明の第1ストッパーに相
当する第2段部 22、62、63 この発明の第2ストッパーに相
当する端面 23、46 ピストン 24、48 補助切換弁 28、29 この発明の切り換え手段を構成
する減圧弁 49 バネ受け 51、54 この発明の第1ストッパーに相
当する段部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブ本体と、このバルブ本体に摺動自
    在に組み込んだスプールと、このスプールの両端を臨ま
    せた両パイロット室と、スプールを中立に保持するセン
    タリングスプリングと、いずれか一方のパイロット室に
    パイロット圧を導くとともにいずれか他方のパイロット
    室の流体をタンクに排出する切り換え手段とを備えた切
    換弁において、両方またはいずれか一方のパイロット室
    に組み込むとともにパイロット室を軸線方向に外側室と
    内側室とに区画するピストンと、外側室と内側室とを連
    通したりその連通を遮断して内側室をタンクに連通した
    りする補助切換弁とを備え、上記ピストンの受圧面積
    は、両室内において等しくするとともに内側室に臨ませ
    たスプールの受圧面積よりも大きくする一方、外側室と
    内側室とを連通した状態でパイロット圧を導いたとき、
    内側室におけるスプールの受圧面積だけが推力作用面に
    なってスプールがセンタリングスプリングに抗しながら
    第1段階の切り換え位置に移動し、外側室と内側室との
    連通を遮断するとともに内側室をタンクに連通した状態
    でパイロット圧を導いたとき、外側室におけるピストン
    の受圧面積が推力作用面となってスプールがセンタリン
    グスプリングに抗しながら第2段階の切り換え位置に移
    動する構成にしたことを特徴とする切換弁。
  2. 【請求項2】 スプールが第1段階の切り換え位置を越
    えてから第2段階の切り換え位置にストロークする間、
    スプールのストロークに抗する反力を付与する補助スプ
    リングを設けたことを特徴とする請求項1記載の切換
    弁。
  3. 【請求項3】 ピストンを組み込んだ一方のパイロット
    室と反対側の他方のパイロット室に一端を臨ませたスプ
    ールと、このスプールの一端に設けた固定バネ受けと、
    固定バネ受けよりも外側に移動自在に設けた移動バネ受
    けと、移動バネ受けよりも外側のスプールに設けるとと
    もに移動バネ受けの移動を規制する止め部材と、上記他
    方のパイロット室に形成するとともに移動バネ受けより
    も外側であってこの移動バネ受けの移動軌跡内に突出さ
    せた第1ストッパーと、上記他方のパイロット室に形成
    するとともにスプールのフルストローク位置を規制する
    第2ストッパーとを備え、補助スプリングは、固定バネ
    受けと移動バネ受けとの間に設けるとともに、移動バネ
    受けを止め部材に押しつける一方、スプールがストロー
    クして、移動バネ受けを上記第1ストッパーに当接した
    状態からさらにストロークしたとき、そのストロークに
    対する反力を発揮する構成にした請求項2記載の切換
    弁。
  4. 【請求項4】 ピストンを組み込んだ一方のパイロット
    室と反対側の他方のパイロット室に移動自在に組み込ん
    だバネ受けと、上記他方のパイロット室に形成するとと
    もに上記バネ受けよりも内側であってこのバネ受けの移
    動軌跡内に突出させた第1ストッパーと、上記他方のパ
    イロット室に形成するとともにスプールのフルストロー
    ク位置を規制する第2ストッパーとを備え、補助スプリ
    ングは、上記バネ受けとパイロット室の端面との間に設
    けるとともに、バネ受けを第1ストッパーに押しつける
    一方、スプールがその端面を上記バネ受けに当接させた
    状態からさらにストロークしたとき、このスプールのス
    トロークに対する反力を発揮する構成にした請求項2記
    載の切換弁。
  5. 【請求項5】 一対の減圧弁をもって切り換え手段と
    し、一方の減圧弁をタンクに開放し、他方の減圧弁に減
    圧機能を発揮させているとき、いずれか一方のパイロッ
    ト室にパイロット圧が導かれる構成にした請求項1〜4
    のいずれか1に記載の切換弁。
  6. 【請求項6】 スプールが第1段階の切り換え位置を保
    ったとき、油路が絞られる構成にした請求1〜5のいず
    れか1に記載の切換弁。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012180869A (ja) * 2011-02-28 2012-09-20 Yanmar Co Ltd 切換制御弁
KR101460490B1 (ko) * 2013-01-31 2014-11-13 발보일플루이드파워코리아 유한회사 유압조작밸브

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