JPH10325433A - 樹脂製コイルスプリング、コイルスプリングの射出成形用金型、および樹脂製コイルスプリングの製造方法 - Google Patents

樹脂製コイルスプリング、コイルスプリングの射出成形用金型、および樹脂製コイルスプリングの製造方法

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JPH10325433A
JPH10325433A JP9135600A JP13560097A JPH10325433A JP H10325433 A JPH10325433 A JP H10325433A JP 9135600 A JP9135600 A JP 9135600A JP 13560097 A JP13560097 A JP 13560097A JP H10325433 A JPH10325433 A JP H10325433A
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JP
Japan
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ring
coil spring
space
reference line
resin
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JP9135600A
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English (en)
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Toshihiko Sonaka
俊彦 惣中
Hiroyuki Yamamoto
洋之 山本
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KATO SPRING SEISAKUSHO KK
Kato Spring Works Co Ltd
Original Assignee
KATO SPRING SEISAKUSHO KK
Kato Spring Works Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B11/00Single-unit hand-held apparatus in which flow of contents is produced by the muscular force of the operator at the moment of use
    • B05B11/01Single-unit hand-held apparatus in which flow of contents is produced by the muscular force of the operator at the moment of use characterised by the means producing the flow
    • B05B11/10Pump arrangements for transferring the contents from the container to a pump chamber by a sucking effect and forcing the contents out through the dispensing nozzle
    • B05B11/1042Components or details
    • B05B11/1073Springs
    • B05B11/1077Springs characterised by a particular shape or material

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スプリングとしての使用に耐えうる強度を備
えた樹脂製コイルスプリングを提供することを目的とす
る。 【解決手段】 基準線L1上に中心を位置させたリング
部3と、該リング部3を中に位置させてその両側方に配
置された第一、第二の螺旋状部4、5とを備えてなり、
前記リング部3、前記第一の螺旋状部4、および前記第
二の螺旋状部5は、合成樹脂により一体成形されている
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製コイルスプ
リング、コイルスプリングの射出成形用金型、および樹
脂製コイルスプリングの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、スーパーやコンビニエンスストア
等の店頭で販売されているシャンプーやリンス等の容器
として、ポンプ式の容器が多用されている。この種のポ
ンプ式容器は、容器本体から上方に突出した内容物取出
ヘッドを押し下げることにより、ポンプの原理を用いて
内容物取出ヘッドに設けられた流出口からシャンプー等
の内容物を取り出すものである。このポンプ式容器にお
いて、押し下げた内容物取出ヘッドを再び上方に復帰さ
せるために、金属製のコイルスプリングが用いられてい
る。一方、近年では廃棄物のリサイクルが活発になって
きており、上述したポンプ式容器についてもリサイクル
を行うことが要請されている。しかし、このポンプ式容
器は、コイルスプリング以外はリサイクル可能な合成樹
脂であり、コイルスプリングだけが金属製となっている
ため、効率の良いリサイクルを妨げていた。そこで、こ
の金属製コイルスプリングに代替可能な樹脂製コイルス
プリングが要望されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、樹脂製コイ
ルスプリングを大量で安価に供給するには射出成形法が
有効であるが、この射出成形法により製造する際に、以
下の問題があった。一般にコイルスプリングは、細い素
線を螺旋状に巻回した形状とされているため、この素線
の小さい断面積に対応した細くて長い流路を有するキャ
ビティ内に溶融樹脂を流さなければならない。しかし、
溶融樹脂を細い流路に流す場合、溶融樹脂の粘性による
流路抵抗により、溶融樹脂が流路を流れる流動距離を大
きくとることができなかった。そのため、所望の長さを
有するコイルスプリングを製作することが困難となって
いた。また、スプリングとして必要な強度を担保するた
めに、合成樹脂に炭素繊維等の強化剤を添加したものを
用いる場合には、この強化剤の添加により流動距離をさ
らに縮めるという結果をもたらしていた。
【0004】このような流動距離の問題を解決するため
に、コイルスプリングの両端に対応する位置にゲートを
二カ所配置して射出成形を行う方法が考えられる。しか
し、この方法では、コイルスプリングの中間にウェルド
ラインが形成されてしまう。ウェルドラインとは、溶融
樹脂が流路内を分岐して流れ、合流した部分にできる細
い線をいい、特に、高強度が必要とされるコイルスプリ
ングを成形した場合に、コイルスプリング中に形成され
たウェルドラインの位置において、成形品の引張り強
度、疲れ強度等の機械的性質を大幅に低下させてしまう
という欠点を有するものである。したがって、この方法
では、スプリングとして使用した場合に、素線にねじり
が加わることにより生じる応力により、ウェルドライン
で破断してしまうという問題が生じていた。そのため、
コイルスプリングとしての強度を担保することができ
ず、樹脂製コイルスプリングの製造が困難となってい
た。
【0005】一方、コイルスプリングの中間に対応する
位置にゲートを設けることも考えられるが、ゲート付近
には残留応力が発生するため、前述のウェルドラインと
同様、機械的性質が劣り、この方法もコイルスプリング
としての強度を担保することができなかった。
【0006】そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなさ
れたもので、スプリングとしての使用に耐えうる強度を
備え、所望のスプリング長さを有する樹脂製コイルスプ
リングおよびコイルスプリングの射出成形用金型を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の樹脂製コイルス
プリングおよびコイルスプリングの射出成形用金型で
は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1記載の樹脂製コイルスプリングは、基準線上に
中心を位置させたリング部と、該リング部を中に位置さ
せてその両側方に配置された第一、第二の螺旋状部とを
備えてなり、前記リング部、前記第一の螺旋状部、およ
び前記第二の螺旋状部は、合成樹脂により一体成形され
ていることを特徴とする。
【0008】この樹脂製コイルスプリングがコイルスプ
リングの中心軸(基準線)方向に、例えば圧縮荷重を受
けて変形した場合、第一、第二の螺旋状部も中心軸方向
に変形される。そのため、これら螺旋状部の素線の軸線
周りには、ねじりが発生し応力が加わることになる。し
かし、リング部においては、ピッチ角(中心線を法線と
する平面と、リング部を含む平面とがなす角)がゼロに
近い値であるので、樹脂製コイルスプリングが基準線方
向に変形されても、リング部自体が軸線方向に変形され
ることはない。そのため、リング部には、第一、第二の
螺旋状部との接続部付近に、これら螺旋状部の素線のね
じれにより応力が加わるだけで、それ以外はほとんど応
力が加わらないことになる。したがって、このリング部
に、ゲートを設けたことにより残留応力が生じていた
り、ウェルドラインが形成されていても、樹脂製コイル
スプリングとしての強度は担保されることになる。
【0009】請求項2記載のコイルスプリングの射出成
形用金型は、複数の金型構成体間にキャビティが形成さ
れてなり、該キャビティは、基準線上に中心を位置させ
たリング状空間部と、該リング状空間部を中に位置させ
てその両側方に配置された第一、第二の螺旋状空間部と
から構成されると共に、前記各空間部が互いに連通状態
とされ、前記リング状空間部に連通するゲートが設けら
れていることを特徴とする。
【0010】キャビティの中間に配置されたリング状空
間部に連通するようにゲートが設けられているので、こ
のゲートに溶融樹脂を流した場合、リング状空間部から
このリング状空間部の両側方に配置された第一、第二の
螺旋状空間部に溶融樹脂が流れ、これら螺旋状空間部の
端部にまで流れることになる。そのため、一カ所から一
方向に溶融樹脂を流す場合に比べて二倍の流動距離が得
られることとなる。また、溶融樹脂は、リング状空間部
から分岐して第一、第二の螺旋状空間部に流れ、これら
螺旋状空間部の端部に到達するのみであるから、コイル
スプリングの中間にはウェルドラインが形成されないこ
とになる。一方、ゲート付近には残留応力が発生する
が、リング状空間部に対応するリング部にはコイルスプ
リングの変形時において応力がほとんど加わらないの
で、ゲート付近の強度不足が樹脂製コイルスプリングの
使用において問題とならなくなる。
【0011】請求項3記載のコイルスプリングの射出成
形用金型は、複数の金型構成体間にキャビティが形成さ
れてなり、該キャビティは、基準線上に軸線を位置させ
て配置された螺旋状空間部と、前記基準線方向の前記螺
旋状空間部の位置する領域内にて、該基準線方向に間隔
をおき、かつ該基準線上に中心を位置させて配置された
複数のリング状空間部とを具備すると共に、前記各空間
部が互いに連通状態とされ、前記リング状空間部のう
ち、一のリング状空間部を中に位置させて、前記基準線
方向の両隣のリング状空間部に連通するゲートが設けら
れていることを特徴とする。
【0012】一のリング状空間部を中に位置させて、基
準線方向の両隣のリング状空間部にゲートを設けた構成
としたので、溶融樹脂が両隣のリング状空間部から一の
リング状空間部に流れ込むことになる。したがって、こ
の一のリング状空間部にて溶融樹脂を合流させるように
すれば、この一のリング状空間部にウェルドラインが形
成されることになる。また、複数のリング状空間部の一
つおきにゲートを設け、これらゲートに挟まれるリング
状空間部を一のリング状空間部とした場合、ゲートから
両側方に溶融樹脂が流され、この一のリング状空間部で
合流することになる。したがって、このようにゲートを
複数設けることにより、全長の長いコイルスプリングが
形成されることになる。
【0013】請求項4記載の樹脂製コイルスプリングの
製造方法は、複数の金型構成体間に螺旋状に形成された
キャビティ内に溶融樹脂を流し込み、該溶融樹脂を固化
させて樹脂製コイルスプリングを得る樹脂製コイルスプ
リングの製造方法であって、前記キャビティは、基準線
上に軸線を位置させて配置された螺旋状空間部と、前記
基準線方向の前記螺旋状空間部の位置する領域内にて、
該基準線方向に間隔をおき、かつ該基準線上に中心を位
置させて配置された複数のリング状空間部とを具備する
と共に、前記各空間部が互いに連通状態とされ、前記溶
融樹脂を前記キャビティ内に流し込む際に、一のリング
状空間部を中に位置させた場合の両側方の前記空間部か
ら溶融樹脂を流し込み、これら空間部から前記一のリン
グ状空間部に向かって流れ込む溶融樹脂が該一のリング
空間部で合流するようにしたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第一の実施の形態
を、図1から図4を参照して説明する。図1は、本発明
の実施の形態を示す斜視図であり、符号1は樹脂製コイ
ルスプリング1である。また、図2は、樹脂製コイルス
プリング1の正面図である。この樹脂製コイルスプリン
グ1は、リング部3と、第一の螺旋状部4と、第二の螺
旋状部5とから構成されている。リング部3は、第一基
準線(基準線)L1上に中心を位置させ、その両側方に
配された第一、第二の螺旋状部4、5の間に配されてい
る。このリング部3は、線状体を巻回して形成された無
端の環形状となっている。
【0015】第一の螺旋状部4と第二の螺旋状部5は、
それぞれの中心軸線を第一基準線L1に合致させた状態
で配されている。これら螺旋状部4、5のリング部3側
の端部は、図2に示すように、リング部3に接続されて
いる。また、これら螺旋状部4、5のリング部3側と反
対側の端部には、リング状の座巻き4a、5aが形成さ
れている。第一の螺旋状部4と第二の螺旋状部5は、そ
れぞれ同一の巻数で形成されており、略同一の長さとな
っている。したがって、これら螺旋状部4、5の中間に
配されるリング部3は、樹脂製コイルスプリング1の略
中央に配されることになる。このように形成された樹脂
製スプリング1は、螺旋状部4、5の各一巻単位7、7
・・が離間して形成されており、いわゆる圧縮用コイル
スプリングとなっている。ここで、樹脂製コイルスプリ
ング1に用いられる合成樹脂としては、ポリアミド、ポ
リアセタール、ABS、ポリカーボネート、塩化ビニル
等の熱可塑性プラスチックが用いられる。特に、スプリ
ングとしての強度を担保するため、ガラス連続繊維、炭
素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維とうを添加したFR
P(繊維強化プラスチック)が望ましい。
【0016】次に、図3、図4を参照して樹脂製コイル
スプリング1の射出成形用金型を説明する。図3は、射
出成形用金型の斜視図であり、この射出成形用金型は、
上側金型10、下側金型11、円筒形状の中子12から
なる複数の金型構成体で構成されている。図4に示すよ
うに、上側金型10と下側金型11には、これら金型1
0、11が組み合わされた状態で第二基準線(基準線)
L2を中心軸線とする略円筒形の孔15が形成されるよ
うに、凹所10a、11aが形成されている。また、中
子12は、この孔15に挿入可能となっている。さら
に、金型10、11には、中子12を孔15に挿入した
状態で、中子12の側面12aとともにキャビティ17
が形成されるように溝20、21、22が設けられてい
る。キャビティ17は、第二基準線L2上に中心を位置
させたリング状空間部20と、このリング状空間部20
を中に位置させてその両側方に配置された第一、第二の
螺旋状空間部21、22とから構成されている。さら
に、これら空間部20、21、22は、互いに連通状態
となっている。これらリング状空間部20、第一の螺旋
状空間部21、第二の螺旋状空間部22のそれぞれは、
図1に示した樹脂製コイルスプリング1の形状に対応す
るように、リング部3、第一の螺旋状部4、第二の螺旋
状部5の形状に対応している。下側金型11には、図4
に示すように、リング状空間部20と連通するゲート1
1aが設けられている。
【0017】このように構成された射出成形用金型によ
れば、射出成形法により、以下のように樹脂製コイルス
プリング1が形成される。合成樹脂は、図示しない射出
装置により溶融されゲート11aに導かれる。ゲート1
1aよりキャビティ17に流れ込む溶融樹脂は、まずリ
ング状空間部20内を流れつつ、第一、第二の螺旋状空
間部21、22の二方向に分岐され流れ込む。これら螺
旋状空間部21、22に流れ込んだ溶融樹脂は、螺旋状
の流路を流れながら、これら螺旋状空間部21、22の
端部にまで到達する。このように、キャビティ17内に
充填された溶融樹脂は、冷却、固化される。その後、上
側金型10、下側金型11を離間させ、中子12を取り
外した後に、成形物である樹脂製コイルスプリング1が
得られる。
【0018】このように、リング状空間部20を第一の
螺旋状空間部21と第二の螺旋状空間部22との間に設
けたので、リング状空間部20を中心として、第一の螺
旋状空間部21と第二の螺旋状空間部22の二方向に溶
融樹脂を流すことが可能となる。そのため、二倍の流動
距離に対応した長さの樹脂製コイルスプリング1を成形
することが可能となる。したがって、流動距離を大きく
とれないFRP等の合成樹脂を用いた場合にも、樹脂製
コイルスプリング1を成形することが可能となる。ま
た、樹脂製コイルスプリング1の変形時において、ねじ
りにより生じる応力が加わる第一、第二の螺旋状部4、
5にウェルドラインが形成されないので、コイルスプリ
ングとしての強度を担保することが可能となる。また、
ゲート11aをリング状空間部20に連通するように位
置させたので、リング部3に残留応力が発生することに
なる。しかし、リング部3には、樹脂製コイルスプリン
グ1の変形時において、ほとんど応力が加わらないの
で、この残留応力による強度の低下を回避し、コイルス
プリングとしての強度を担保することが可能となる。
【0019】なお、本実施の形態において、樹脂製コイ
ルスプリングとして圧縮用コイルスプリングを用いて説
明したが、トーションばねや引張りばねに用いても同様
の効果が期待できる。
【0020】次に、第二の実施の形態について図5を参
照して説明する。この図は、図4において説明した射出
成形用金型の変形例である。図4と同一部分については
同一符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態
は、図4におけるゲート11aの位置が異なる点に特徴
を有する。すなわち、図5において、ゲート11b、1
1cは、第一、第二のリング状空間部30、31に連通
するように設けられている。第一、第二のリング状空間
部30、31は、それぞれ、図1に示した座巻き4a、
5aに対応した形状とされている。
【0021】溶融樹脂は、これらリング状空間部20、
第一、第二のリング状空間部30、31、第一、第二の
螺旋状空間部21、22から形成されたキャビティ17
に、以下のように流し込まれる。図において左側に位置
するゲート11bから流し込まれた溶融樹脂は、第一の
リング状空間部30を通って、第一の螺旋状空間部21
に流れ込む。そして、右方に流れ、リング状空間部20
まで流れ込む。一方、ゲート11cから流れ込む溶融樹
脂は、第二のリング状空間部31、第二の螺旋状空間部
22を通って、リング状空間部20に流れ込む。各ゲー
ト11a、bから流し込む溶融樹脂の流量を適切に調節
した場合、リング状空間部20にて溶融樹脂が合流する
ことになる。したがって、成形された樹脂製コイルスプ
リングのリング部3(図1、2参照)にウェルドライン
が形成されることになる。
【0022】このように、リング状空間部20の両隣の
第一、第二のリング状空間部30、31に連通するゲー
ト11b、11cを設けた構成としたので、リング状空
間部20にて溶融樹脂を合流させることができ、ウェル
ドラインをリング部3に形成することが可能となる。ま
た、流動距離を大きくとれない溶融樹脂を用いる場合、
リング状空間部3と両隣のリング状空間部30、31と
の間の距離だけ溶融樹脂を流せばよいので、容易に全長
の長いコイルスプリングを製造することが可能となる。
【0023】次に、第三の実施の形態を図6を参照して
説明する。この図は、図4および図5において説明した
射出成形用金型を組み合わせた場合の変形例である。図
4および図5と同一部分については同一符号を付し、そ
の説明を省略する。本実施の形態は、リング状空間部が
5カ所設けられている点が、図4および図5と異なる。
リング状空間部は、中心に位置するリング状空間部20
と、その両隣に位置する第一、第二のリング状空間部3
0、31と、これら第一、第二のリング状空間部30、
31の側方に位置する第三、第四のリング状空間部3
2、33が形成されている。第一、第三のリング状空間
部30、32の間には、第三の螺旋状空間部23が、第
二、第四のリング状空間部31、33の間には、第四の
螺旋状空間部24が形成されている。ゲート11d、1
1eは、それぞれ、第三基準線L3方向のリング状空間
部(一のリング状空間部)20の両隣の第一、第二のリ
ング状空間部30、31に連通するように設けられてい
る。
【0024】溶融樹脂は、これらリング状空間部20、
第一から第四のリング状空間部30、31、32、3
3、第一から第四の螺旋状空間部21、22、23、2
4から形成されたキャビティ17に、以下のように流し
込まれる。ゲート11dから流し込まれた溶融樹脂は、
第一のリング状空間部30および第一、第三の螺旋状空
間部21、23に流れ込む。同様に、ゲート11eから
流し込まれた溶融樹脂は、第2のリング状空間部および
第二、第四の螺旋状空間部22、24に流れ込む。この
ように流し込まれた溶融樹脂は、第二の実施の形態で説
明したように、リング状空間部20にて合流する。一
方、第三、第4の螺旋状空間部23、24に流れ込んだ
溶融樹脂は、それぞれ、第三、第四のリング状空間部3
2、33にまで流れ込む。
【0025】このように、溶融樹脂が両側方の螺旋状空
間部に流れ込むようにしたので、流動距離を長くとるこ
とが可能となる。また、ゲート11d、11eの間にリ
ング状空間部20を設けた構成としたので、ウェルドラ
インをリング状空間部20に形成することが可能とな
る。
【0026】なお、本実施の形態では、リング状空間部
を五カ所設けた構成で説明したが、これに限らず、六カ
所以上のリング状空間部を設けた構成としてもよい。こ
の場合、複数配されたリング状空間部の一つおきにゲー
トを設ければ、このゲートから両側方に溶融樹脂が流れ
ることになるので、全長の長い樹脂製コイルスプリング
を製造することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の樹脂製コ
イルスプリング、コイルスプリングの射出成形用金型、
および樹脂製コイルスプリングの製造方法によれば、以
下の効果を得ることができる。請求項1記載の発明は、
第一、第二の螺旋状部の間に、リング部を設けた構成と
したので、樹脂製コイルスプリングが基準線方向に変形
されても、リング部自体が軸線方向に変形されることは
ないため、リング部にほとんど応力が加わらないように
することが可能となる。したがって、このリング部に、
ゲートを設けたことにより残留応力が生じていたり、ウ
ェルドラインが形成されていても、スプリングとしての
強度を備えた樹脂製コイルスプリングの製作が可能とな
る。
【0028】請求項2記載の発明は、キャビティの中間
に配置されたリング状空間部に連通するようにゲートを
設けた構成としたので、このゲートに溶融樹脂を流した
場合、リング状空間部からこのリング状空間部の両側方
に配置された第一、第二の螺旋状空間部に溶融樹脂を流
すことが可能となる。したがって、一カ所から一方向に
溶融樹脂を流す場合に比べて二倍の流動距離を得ること
ができ、所望のスプリング長さを有する樹脂製コイルス
プリングを製作することが可能となる。さらに、溶融樹
脂は、リング状空間部から分岐して第一、第二の螺旋状
空間部に流れ、これら螺旋状空間部の端部に到達するの
みであるから、コイルスプリングの中間にはウェルドラ
インが形成されないことになる。したがって、スプリン
グとしての強度を備えた樹脂製コイルスプリングの製作
が可能となる。一方、コイルスプリングの変形時におい
て応力がほとんど加わらないリング部に対応するリング
状空間部に連通するようにゲートを設けた構成としたの
で、ゲート付近に生じる残留応力によりスプリングとし
ての強度が低下するという問題を回避することができ、
スプリングとしての強度を備えた樹脂製コイルスプリン
グの製作が可能となる。
【0029】請求項3記載の発明は、一のリング状空間
部を中に位置させて、基準線方向の両隣のリング状空間
部にゲートを設けた構成としたので、一のリング状空間
部にて溶融樹脂を合流させることが可能となる。したが
って、この一のリング状空間部に対応する部分にウェル
ドラインを形成することが可能となる。また、複数のリ
ング状空間部の一つおきにゲートを設け、これらゲート
に挟まれるリング状空間部を一のリング状空間部とした
場合、ゲートから両側方に溶融樹脂が流され、この一の
リング状空間部で合流することになる。したがって、こ
のようにゲートを複数設けることにより、全長の長いコ
イルスプリングを形成することが可能となる。
【0030】請求項4記載の発明は、一のリング状空間
部を中に位置させた場合の両側方の前記空間部から溶融
樹脂を流し込み、これら空間部から前記一のリング状空
間部に向かって流れ込む溶融樹脂が該一のリング空間部
で合流する方法としたので、この一のリング状空間部に
対応する部分にウェルドラインを形成することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明である樹脂製コイルスプリングの実施
の形態を示す斜視図である。
【図2】 図1の樹脂製コイルスプリングの正面図であ
る。
【図3】 本発明であるコイルスプリングの射出成形用
金型の第一の実施の形態を示す斜視図である。
【図4】 図3のIV−IVにおける断面図である。
【図5】 本発明の第二の実施の形態である射出成形用
金型を示す断面図である。
【図6】 本発明の第三の実施の形態である射出成形用
金型を示す断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂製コイルスプリング 3 リング部 4 第一の螺旋状部 5 第二の螺旋状部 10 金型構成体(上側金型) 11 金型構成体(下側金型) 11a ゲート 12 金型構成体(中子) 17 キャビティ 20 リング状空間部 21 第一の螺旋状空間部 22 第二の螺旋状空間部 L1 (第一)基準線 L2 (第二)基準線

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基準線上に中心を位置させたリング部
    と、該リング部を中に位置させてその両側方に配置され
    た第一、第二の螺旋状部とを備えてなり、 前記リング部、前記第一の螺旋状部、および前記第二の
    螺旋状部は、合成樹脂により一体成形されていることを
    特徴とする樹脂製コイルスプリング。
  2. 【請求項2】 複数の金型構成体間にキャビティが形成
    されてなり、 該キャビティは、基準線上に中心を位置させたリング状
    空間部と、該リング状空間部を中に位置させてその両側
    方に配置された第一、第二の螺旋状空間部とを具備する
    と共に、前記各空間部が互いに連通状態とされ、 前記リング状空間部に連通するゲートが設けられている
    ことを特徴とするコイルスプリングの射出成形用金型。
  3. 【請求項3】 複数の金型構成体間にキャビティが形成
    されてなり、 該キャビティは、基準線上に軸線を位置させて配置され
    た螺旋状空間部と、前記基準線方向の前記螺旋状空間部
    の位置する領域内にて、該基準線方向に間隔をおき、か
    つ該基準線上に中心を位置させて配置された複数のリン
    グ状空間部とを具備すると共に、前記各空間部が互いに
    連通状態とされ、 前記リング状空間部のうち、一のリング状空間部を中に
    位置させて、前記基準線方向の両隣のリング状空間部に
    連通するゲートが設けられていることを特徴とするコイ
    ルスプリングの射出成形用金型。
  4. 【請求項4】 複数の金型構成体間に螺旋状に形成され
    たキャビティ内に溶融樹脂を流し込み、該溶融樹脂を固
    化させて樹脂製コイルスプリングを得る樹脂製コイルス
    プリングの製造方法であって、 前記キャビティは、基準線上に軸線を位置させて配置さ
    れた螺旋状空間部と、前記基準線方向の前記螺旋状空間
    部の位置する領域内にて、該基準線方向に間隔をおき、
    かつ該基準線上に中心を位置させて配置された複数のリ
    ング状空間部とを具備すると共に、前記各空間部が互い
    に連通状態とされ、 前記溶融樹脂を前記キャビティ内に流し込む際に、 一のリング状空間部を中に位置させた場合の両側方の前
    記空間部から溶融樹脂を流し込み、 これら空間部から前記一のリング状空間部に向かって流
    れ込む溶融樹脂が該一のリング空間部で合流するように
    したことを特徴とする樹脂製コイルスプリングの製造方
    法。
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