JP6777910B2 - ボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型 - Google Patents

ボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型 Download PDF

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Description

本発明は、ボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型に関し、特に射出成形を用いたボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型に関する。
従来におけるボルトの成形方法として、例えば、特許文献1に示す射出成形法が知られている。この射出成形法について、図9に基づいて説明する。
図9に示す符号100は、射出成形法に用いられる分割可能な金型の一方の型を示している。この金型は、一方の型100と、これと同様な形状に形成された他方の型(図示せず)とにより構成されている。そして、一方の型100と他方の型とが組み合わさることにより、スプルー104、ランナー103、ゲート102、および、キャビティ101が形成されるように構成されている。
即ち、一方の型100と他方の型とが組み合わさることにより、ボルトを成形するためのキャビティ101が形成される。
また、キャビティ101に対して、ゲート102を介してランナー103が設けられている。更に、このランナー103に外部から、長繊維を含む加熱溶融された熱可塑性合成樹脂組成物(以下、溶融樹脂)を注入するスプルー104が設けられている。
キャビティ101は、ボルトのヘッド成形部101aと胴体成形部101bとネジ成形部101cとを有する。前記ゲート102は、ヘッド成形部101a側、かつ、キャビティ101の中心軸線上に設けられている。
次に、ボルトの成形方法について説明する。
先ず、射出ノズル(図示せず)により、スプルー104に溶融樹脂を注入する。この注入された溶融樹脂は、スプルー104、ランナー103、およびゲート102を順に流れ、ヘッド成形部101a側からキャビティ101側に流入する。
キャビティ101内に流入した溶融樹脂は、径の大きなヘッド成形部101aから、径の小さな胴体成形部101bを介して、ネジ成形部101cに流れる。そして、ネジ成形部101c、胴体成形部101b、ヘッド成形部101aの順に充填される。
この後、キャビティ101が冷却されて、溶融樹脂が固化する。そして、固化した樹脂を取り出すことにより、成形されたボルトが得られる。
特許文献1に開示された射出成形法によれば、溶融樹脂は、径の大きなヘッド成形部101aから、径の小さな胴体成形部101bを介して、ネジ成形部101cに流れる。このため、溶融樹脂中の長繊維は、その流動方向(キャビティ101の軸線と平行な方向)に強く配向する。このため、成形されたボルトにおいても、長繊維が軸線と平行な方向に強く配向している。
すなわち、引張り破壊強度を向上させたボルトを成形することができる。
特開平7−293534号公報
しかしながら、前記射出成形法において、ネジ成形部101cに到達した溶融樹脂は、ネジ成形部101cの底部で塞き止められる。そして、この塞き止めによる衝撃で、長繊維が折れ曲がる、或いは破断し、ネジ成形部101c(特に底部付近)においては、前記軸線に対する長繊維の配向が弱くなる虞がある。
このため、ボルトのネジ部にあっては、その機械的強度が弱くなり、ボルト全体としての機械的強度も弱くなる虞がある。
更には、前記射出ノズルをスプルー104に接触させる際に、スプルー104に外気が入り、これが溶融樹脂中に混入して気泡となることがある。このため、成形されたボルト内にも気泡が残存し、ボルトの機械的強度を劣化させるという課題が存在する。
本発明は、前記した技術的な観点に着目してなされたものであり、ボルトにおける長繊維の配向の乱れを抑制すること、且つ、気泡の混入を抑制することにより、機械的強度を向上させることができるボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型を提供することを目的とする。特に、軸線方向の引張強度だけでなく、ねじり方向に対する強度が高いボルトを提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために、本発明に係るボルトの成形方法は、一端側にゲートが設けられたキャビティの他端側に余剰部形成部が連通して形成された金型を用い、射出成形によりボルトを成形するボルトの成形方法であって、
前記ゲートを介し、前記キャビティの一端側から溶融樹脂を流入するとともに、前記溶融樹脂に含まれる繊維を前記キャビティの軸方向に沿って配向させる工程と、前記キャビティの他端で前記溶融樹脂の流れを塞き止めることなく、該溶融樹脂を前記余剰部形成部と前記キャビティとに順に充填する工程と、前記金型内に充填された樹脂の固化後に前記余剰部形成部により成形された余剰部を除去する工程と、を含むことに特徴を有する。
尚、前記金型は、前記キャビティの一端側に、前記溶融樹脂を分流する分流手段を有し、前記分流手段を介して前記キャビティに前記溶融樹脂を流入させることが望ましい。
尚、前記分流手段は、分岐したゲートであることが望ましい。或いは、前記分流手段は、前記溶融樹脂の流れを分岐するピンが設けられたゲートであってもよい。
このような成形方法によれば、従来例で説明した、溶融樹脂の流れを塞き止めることによる長繊維の配向の乱れは、余剰部成形部の底部において生じることになる。そのため、キャビティ(ボルト)の底部において、長繊維の配向の乱れがなくなる。これにより、ボルトの底部においても機械的な強度が向上し、ボルト全体としての機械的な強度も向上させることができる。
また、溶融樹脂は、キャビティを通り、余剰部成形部に到達する。このため、スプルーから侵入する外気は、溶融樹脂の流れにより余剰部成形部に押し込められる。このため、前記外気が、キャビティ(ボルト)に溜まるのを抑制することができ、ボルトの機械的な強度を向上させることができる。
また、分流手段を設けることにより、溶融樹脂中の長繊維が、流動方向(キャビティの軸線と平行な方向)に強く配向する。このため、長繊維はキャビティの軸線に平行な方向に強く配向する。これにより、成形されたボルトの機械的な強度を向上させることができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係るボルトは、固化状態において、少なくともボルト側面側、ボルト軸方向に沿って配向された複数の第1の繊維と、固化状態において、ボルト軸方向と交差する方向に配向され、ボルト周方向に複数配置された円弧状の第2の繊維と、を備えることに特徴を有する。
このようなボルトによれば、軸線方向の引張強度だけでなく、ねじり方向に対する強度も向上させることができる。
また、前記した課題を解決するために、本発明に係るボルト成形用金型は、射出成形においてボルトと余剰部とからなる成形品の成形に用いられるボルト成形用金型であって、溶融樹脂とともに流れることにより配向される繊維を含む前記溶融樹脂を流し込むゲートが一端側に形成され、ボルトを成形するためのキャビティと、前記キャビティの他端で前記溶融樹脂の流れを塞き止めないように前記キャビティの他端側に連通して形成され、前記余剰部を成形するための余剰部形成部と、を備えることに特徴を有する。
尚、前記キャビティのゲート側に、前記流し込まれる溶融樹脂を分流する分流手段が設けられていることが望ましい。
また、前記分流手段は、分岐したゲートであることが望ましい。或いは、前記分流手段は、前記溶融樹脂の流れを分岐するピンが設けられたゲートであってもよい。
このような構成のボルト成形用金型によれば、従来例で説明した、溶融樹脂の流れを塞き止めることによる長繊維の配向の乱れは、余剰部成形部の底部において生じることになる。そのため、キャビティ(ボルト)の底部において、長繊維の配向の乱れがなくなる。これにより、ボルトの底部においても機械的な強度が向上し、ボルト全体としての機械的な強度も向上させることができる。
また、溶融樹脂は、キャビティを通り、余剰部成形部に到達する。このため、スプルーから侵入する外気は、溶融樹脂の流れにより余剰部成形部に押し込められる。このため、前記外気が、キャビティ(ボルト)に溜まるのを抑制することができ、ボルトの機械的な強度を向上させることができる。
ボルトにおける長繊維の配向の乱れを抑制すること、且つ、気泡の混入を抑制することにより、機械的強度を向上させることができるボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型を提供することができる。特に、軸線方向の引張強度だけでなく、ねじり方向に対する強度が高いボルトを提供することができる。
図1は、本発明にかかる分割可能に形成された金型における一方の型の平面図である。 図2(a)は、図1のA−A断面図であり、図2(b)は、図1のB−B断面図である。 図3は、本発明にかかるボルトの成形方法を示すフローチャートである。 図4は、図3に示した成形方法により得られたボルトを模式的に示す断面図である。 図5は、図1に示す一方の型の第1の変形例を示す平面図である。 図6は、図1に示す一方の型の第2の変形例を示す平面図である。 図7は、図1に示す一方の型の第3の変形例を示す平面図である。 図8は、図1に示す一方の型の第4の変形例を示す平面図である。 図9は、従来のボルト用金型を模式的に示す側面図である。
先ず、本発明にかかるボルトの成形方法及びボルト、並びにボルト成形用金型について図1乃至図3を用いて説明する。図1は、分割可能に形成されたボルト成形用金型における一方の型の平面図である。図2(a)、図2(b)は、それぞれ図1の金型のA−A断面図、B−B断面図である。図3は、本発明にかかるボルトの成形方法の流れを示すフロー図である。
図1に示す符号1はボルトの成形に用いられる金型(ボルト成形用金型)であって、この金型1は分割可能に構成されている。金型1は、この金型1のうちの一方の型1aと、この一方の型と同様に形成され、対をなす他方の型(図示せず)とにより構成されている。そして、前記一対の型が組み合わさることにより、以下に述べるキャビティ2、ゲート3、およびランナー4が形成される。
すなわち、前記一対の型が組み合わさることにより、金型1内にボルトを成形するためのキャビティ2が形成される。このキャビティ2に対してゲート3を介しランナー4が設けられる。更に、このランナー4に、スプルー5が設けられる。成形の際には、このスプルー5に対し、射出ノズル(図示せず)より溶融樹脂が射出される。
なお、本実施形態において、溶融樹脂は、長繊維を含む樹脂材料(ペレット)を加熱溶融することにより得たものである。本実施の形態において、長繊維とは、樹脂材料(ペレット)に含有されるとともに、該樹脂材料(ペレット)の長さと同じ長さで一方向に連続した繊維を指す。また、短繊維とは、樹脂材料(ペレット)に含有され、該樹脂材料(ペレット)の長さよりも短く、一方向に連続せずに、それぞれ異方向に配向された繊維を指す。
そして、この長繊維の材料として、例えば、ナイロン,芳香族ナイロン,ポリプロピレン(PP),ポリカーボネート(PC),ポリフェニレンサルファイド(PPS),ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)のいずれかが好適に選択される。
前記キャビティ2は、ボルトのヘッド部を成形するヘッド成形部2aと、ボルトの胴体部を成形する胴体成形部2bとを有する。
ゲート3は、キャビティ2と同軸上であって、ヘッド成形部2a側に設けられている。ゲート3は二股状に形成され、溶融樹脂を分流する分流手段として機能する。すなわち、ゲート3は、ランナー4を介して流入する溶融樹脂を二手に分流し、キャビティ2に注入する。
また、余剰部成形部(タブ)6が、キャビティ2と同軸上であって、胴体成形部2bの後端側(ゲート3に対し下流側)に設けられている。この余剰部成形部6は、両端が開口する中空状に形成され、先端側はキャビティ2と連通している。そして、余剰部成形部6の後端側は封止部材7により封止されている。これにより、キャビティ2を介して余剰部成形部6に流入した溶融樹脂が、余剰部成形部6から外部に流出しないようになっている。
なお、図1に示すように、金型1には、複数(4つ)のキャビティ2が設けられている。そして、これらがスプルー5を中心として、左右対称に設けられている。そして、スプルー5から注入された溶融樹脂は、ランナー4および各ゲート3を介して、各キャビティ2に均等に流入するようになっている。
続いて、この発明にかかるボルトの成形方法について、図3のフローに沿って説明する。
先ず、スプルー5から、前記射出ノズルを介して、金型1内に長繊維を含む溶融樹脂を注入する。そして、注入された溶融樹脂が、ランナー4を介して、各ゲート3に流入する。
ゲート3に流入した溶融樹脂は、二手に分流されて、キャビティ2に流入する。このとき、二手に分かれた溶融樹脂はキャビティ2内で合流し、ボルト中央に壁を形成するようにしてキャビティ2内を流れる。これにより、ボルト中心軸を含むボルト中央部には、壁状に複数の長繊維が軸方向に沿って配向される。また、キャビティ2内において溶融樹脂は、キャビティ2の壁に沿って流れるため、壁側においても複数の長繊維が軸方向に沿って配向される。
キャビティ2に流入した溶融樹脂は、キャビティ2を通過して、余剰部成形部6に流入する。そして、余剰部成形部6、キャビティ2がこの順に連続して充填される(図3のステップS1)。
その後、金型1を冷却し、溶融樹脂を固化させる(図3のステップS2)。そして、金型1を開けて、固化した成形物を取り出す。そして、固化した成形品のうち、余剰部成形部6により成形された部分を除去(切断)する(図3のステップS3)。
上記のステップ(S1〜S3)を経ることにより、図4に示すボルトを得ることができる。図4は、ボルトの繊維形状を模式的に示す断面図である。
図4に示すように、ボルト20の内部には、ボルト中央及び側面側(螺子部23より内側の部位を含む)においてボルト軸方向に沿って配向され、壁状に配置された複数の第1の長繊維21と、ボルト軸方向と交差する方向に配向された円弧状の第2の長繊維22が周方向に複数配置されている。
尚、ボルト22の先端近傍において、第1の長繊維21および第2の長繊維22は、乱れることなく配向している。
このように本発明にかかる実施の形態によれば、二股状に形成されたゲート3により、溶融樹脂が二手に分流され、その後、キャビティ2で合流して流入することになる。
これによって、溶融樹脂中の長繊維は、少なくともボルト中心軸とボルト側面側において流動方向(キャビティ2の軸線と平行な方向)に強く配向する。このため、キャビティ2の軸線に平行な方向に強く配向した第1の長繊維21を有するボルトを成形することができ、このボルトの引張り強度を向上させることができる。
さらに、ボルト20において、前記第1の長繊維21が配置された部位以外の部分には、ボルト軸方向と交差する方向に配向された円弧状の第2の長繊維22が周方向に複数配置されるため、軸線方向に対する引張強度だけでなく、ねじり方向に対する強度も向上させることができる。
また、金型1には、余剰部成形部6が設けられているため、従来例で説明したような、溶融樹脂の流れを塞き止めることによる長繊維の配向の乱れ(長繊維の破断)は、余剰部成形部6の底部において生じることになる。これにより、図4に示すように、ボルト20の底部における長繊維の配向の乱れが生じることがなく、ボルト底部においても機械的な強度を向上し、ボルト全体としての機械的な強度も向上させることができる。
また、溶融樹脂は、キャビティ2を通り、余剰部成形部6に到達するため、図9において説明した、スプルー104から樹脂に混入する外気は、溶融樹脂の流れにより余剰部成形部6内に押し込められる。
このため、気泡が、キャビティ(ボルト)2に混入することを抑制することができ、その結果、ボルトの機械的強度を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、射出成形によりボルトを成形している。このため、一つの金型に複数のキャビティを設けることができる。これにより、短時間で複数のボルトを製造でき、製造にかかるコストを抑えることができる。
続いて、本発明にかかる金型の第1〜第4の変形例を図5〜図8に示す。なお、図5〜図8には、一方の型の平面図を示している。なお、この金型における説明では、図1に示した部材と同一または相当する部材は、同一符号を付して、詳細な説明は省略する。
(第1の変形例)
図5は、第1の変形例にかかる型10aの上面図である。
型10aの基本形状は、図1に示した型1aと同じである。しかし、型10aは、軸線ゲート30が分岐しておらず、そのゲート30がキャビティ(ボルト)2と同軸上に設けられている点に特徴を有する。
このような形状の型10aを用いた成形においても、図1に示した型1aを用いた場合と同様に、溶融樹脂の流れを塞き止めることによる長繊維の配向の乱れは、余剰部成形部6の底部において生じることになる。そして、キャビティ(ボルト)2の底部においては、長繊維の配向の乱れがなくなる。このため、ボルトの底部においても機械的な強度が向上し、ボルト全体としての機械的な強度も向上させることができる。
また、前記した実施の形態と同様に、前記外気がキャビティ(ボルト)2に混入するのを抑制でき、また、短時間で複数のボルトを製造できる。
(第2の変形例)
続いて、本発明にかかる金型の第2の変形例について説明する。図6は、第2の変形例にかかる型11aの上面図である。
型11aの基本形状は、図5に示した型10aと同じである。しかし、型11aは、ゲート31に溶融樹脂を分流するためのピン31aが設けられている点に特徴を有する。このピン31aは、ゲート31の軸線上に設けられている。
そして、ボルトの成形においては、このピン31aにより、溶融樹脂は分流される。そして、キャビティ2に流入する。
型11aを用いたボルトの成形においては、ピン31aにおいて溶融樹脂が分流される。これによって、溶融樹脂中の長繊維は、前記流動方向に強く配向し、キャビティ2に流入する。このため、軸線方向に強く配向した長繊維を有するボルトを成形することができ、このボルトの機械的な強度(例えば、引張り強度)を向上させることができる。
また、前記した実施の形態と同様に、前記外気がキャビティ(ボルト)2に溜まるのを抑制でき、短時間で複数のボルトを製造でき、図4で示した繊維形状のボルトと同様のボルトを成形することができる。
(第3の変形例)
続いて、本発明にかかる金型の第3の変形例について説明する。図7は、第3の変形例にかかる型12aの上面図である。
型12aの基本形状は、図5に示した型10aと同じである。しかし、型12aは、キャビティ2の構造が、型10aのそれとは反対になっていることに特徴を有する。すなわち、余剰部成形部6側にヘッド成形部2aが設けられ、ゲート3側に胴体成形部2bが設けられている。また、ゲート32の先端32aの径を、胴体成形部2bの径に合わせ、小さくしていることに特徴を有する。
そして、ボルトの成形においては、溶融樹脂が胴体成形部2b側から流入し、胴体成形部2b、ヘッド成形部2a、余剰部成形部6をこの順に流れる。そして、溶融樹脂は、余剰部成形部6、ヘッド成形部2a、胴体成形部2bの順に充填される。
型12aを用いたボルトの成形においては、ゲート32の径が、その先端32aで小さくなっている。このため、溶融樹脂は縮小流動されてキャビティ2に流入する。これにより、溶融樹脂中の長繊維は、前記流動方向に配向する。このため、軸線方向に強く配向した長繊維を有するボルトを成形することができ、このボルトの機械的な強度(例えば、引張り強度)を向上させることができる。
また、前記した実施の形態と同様に、前記外気がキャビティ(ボルト)2に混入することを抑制でき、短時間で複数のボルトを製造でき、図4で示した繊維形状のボルトと同様のボルトを成形することができる。
(第4の変形例)
続いて、本発明にかかる金型の第4の変形例について説明する。図8は、第4の変形例にかかる型13aの上面図である。
型13aの基本形状は、図7に示した型12aと同じである。しかし、型13aは、ゲート33に溶融樹脂を分岐するためのピン33aが設けられている点に特徴を有する。このピン33aは、キャビティ2と同軸上に設けられている。
そして、ボルトの成形において、このピン33aにより、溶融樹脂は分流される。そして、溶融樹脂が胴体成形部2b側から流入し、胴体成形部2b、ヘッド成形部2a、余剰部成形部6をこの順に流れる。そして、溶融樹脂は、余剰部成形部6、ヘッド成形部2a、胴体成形部2bの順に充填される。
型13aを用いたボルトの成形においては、ピン33aにおいて溶融樹脂が分流される。さらに、第3変形例として示したように、溶融樹脂は、胴体成形部2bとの連結部分において縮小流動する。
これにより、溶融樹脂中の長繊維は、前記流動方向に配向する。このため、軸線方向に強く配向した長繊維を有するボルトを成形することができ、このボルトの機械的な強度(例えば、引張り強度)を向上させることができる。
また、前記した実施の形態と同様に、前記外気がキャビティ(ボルト)2に混入することを抑制でき、短時間で複数のボルトを製造でき、図4で示した繊維形状のボルトと同様のボルトを成形することができる。
本発明に係るボルトについて、実施例に基づきさらに説明する。本実施例では、前記実施形態に示した金型(図1,図5〜図8)を作製し、前記した成形方法によりボルトを成形した。そして、得られたボルトに対して、引張り破断試験、及びねじり破断試験を行った。
比較例として、熱可塑性短繊維樹脂を含む同形状のボルト(従来製品)を用い、同様に引張り破断試験、及びねじり破断試験を行った。
本試験の結果、本実施例に係るボルト(図1、図5、図6、図7、図8のいずれかの金型により成形されたボルト)のすべてが、比較例に係るボルトよりも長く破断せずに持ち堪えることができ、比較例よりも少なくとも1.5倍(150%)の強度を有することを確認することができた。
また、本実施例の中でも、図1に示した金型を用いて成形したボルトが、最も長い時間破断せず、最も高い引張り強度を有することがわかった。
以上の実施例の結果、本発明によれば、樹脂製のボルトの機械的強度を従来よりも向上させることができることを確認した。
1 金型
1a 一方の型
2 キャビティ
2a ヘッド成形部
2b 胴体成形部
3 ゲート
4 ランナー
5 スプルー
6 余剰部成形部(タブ)
7 封止部材
10a 型
11a 型
12a 型
13a 型
20 ボルト
21 第1の長繊維
22 第2の長繊維
30 ゲート
31 ゲート
31a ピン
32 ゲート
32a 先端
33 ゲート
33a ピン

Claims (9)

  1. 一端側にゲートが設けられたキャビティの他端側に余剰部形成部が連通して形成された金型を用い、射出成形によりボルトを成形するボルトの成形方法であって、
    前記ゲートを介し、前記キャビティの一端側から溶融樹脂を流入するとともに、前記溶融樹脂に含まれる繊維を前記キャビティの軸方向に沿って配向させる工程と、
    前記キャビティの他端で前記溶融樹脂の流れを塞き止めることなく、該溶融樹脂を前記余剰部形成部と前記キャビティとに順に充填する工程と、
    前記金型内に充填された樹脂の固化後に前記余剰部形成部により成形された余剰部を除去する工程と、
    を含むことを特徴とするボルトの成形方法。
  2. 前記金型は、前記キャビティの一端側に、前記溶融樹脂を分流する分流手段を有し、
    前記分流手段を介して前記キャビティに前記溶融樹脂を流入させることを特徴とする請求項1記載のボルトの成形方法。
  3. 前記分流手段は、分岐したゲートであることを特徴とする請求項2記載のボルトの成形方法。
  4. 前記分流手段は、前記溶融樹脂の流れを分岐するピンが設けられたゲートであることを特徴とする請求項2記載のボルトの成形方法。
  5. 固化状態において、少なくともボルト側面側、ボルト軸方向に沿って配向された複数の第1の繊維と、
    固化状態において、ボルト軸方向と交差する方向に配向され、ボルト周方向に複数配置された円弧状の第2の繊維と、
    を備えることを特徴とするボルト。
  6. 射出成形においてボルトと余剰部とからなる成形品の成形に用いられるボルト成形用金型であって、
    溶融樹脂とともに流れることにより配向される繊維を含む前記溶融樹脂を流し込むゲートが一端側に形成され、ボルトを成形するためのキャビティと、
    前記キャビティの他端で前記溶融樹脂の流れを塞き止めないように前記キャビティの他端側に連通して形成され、前記余剰部を成形するための余剰部形成部と、
    を備えることを特徴とするボルト成形用金型。
  7. 前記キャビティのゲート側に、前記流し込まれる溶融樹脂を分流する分流手段が設けられていることを特徴とする請求項6記載のボルト成形用金型。
  8. 前記分流手段は、分岐したゲートであることを特徴とする請求項7記載のボルト成形用金型。
  9. 前記分流手段は、前記溶融樹脂の流れを分岐するピンが設けられたゲートであることを特徴とする請求項7記載のボルト成形用金型。
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